JP2005152614A - 遊技機 - Google Patents

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Takaaki Ichihara
高明 市原
Seiichiro Fukushima
征一郎 福島
Fumito Miyake
文人 三宅
Yoshihiro Iinuma
好広 飯沼
Masahito Goto
将仁 後藤
Naoyuki Okumura
尚之 奥村
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Abstract

【課題】 スロットマシンにおける遊技中の演出を効果的に実施する。
【解決手段】 スロットマシン1は、メダルの投入やベットボタン22等の操作を受け付けてベット数を決定し、この状態で始動レバー24が操作されると、3つのリール10a,10b,10cを回転させる。このときに内部抽選を行って入賞フラグがONになると、それに応じた演出(小役ナビ等)が行われる。あるいは、停止ボタン26,28,30が操作されると、その都度、入賞フラグに応じた演出(第1停止で小役ナビ演出、第2停止で小役ナビを強調する演出等)が行われる。このとき、リール制御によって小役図柄とボーナス図柄とがダブルテンパイの表示態様となり、入賞の期待感を盛り上げることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、遊技の進行や演出に関する制御機能を複数の制御基板で分担する遊技機に関する。
この種の遊技機については、ゲームの進行を統括的に制御する役割を担うハードウエア(主制御基板、メイン制御基板等)の負荷を極力軽減させるため、メダルの払い出しに関する制御を別のハードウエア(払出制御基板等)で分担する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この先行技術では、メイン制御基板からの払出要求(指令信号)を払出制御基板が受信すると、この払出要求に従ってホッパモータを駆動させることでメダルの払い出しを実行する。またこの払出要求は、順次これを払出制御基板のRAM等に蓄積することができ、払出制御基板は、これらを先に受信したものから順に読み出して処理する。
このため先行技術では、メイン制御基板は払出制御基板に払出要求を送信だけで、その後は直ちに次の処理を行うことができ、たとえメダルの払い出し完了まで(例えば、15枚のメダルを1枚ずつ全て払い出し終わるまで)にある程度の時間を要する場合があっても、その時間一杯までメイン制御基板が処理待ち状態になっている必要がない。特にボーナスゲーム等の特別遊技状態(通常の遊技状態より入賞確率が高くなっている状態)では比較的払い出しの機会が多く、それだけメイン制御基板の処理が滞りがちであるが、払出制御基板が払い出しの処理を請け負うことで、メイン制御基板はそれだけ早く次の処理に備えることができ、その分、スムーズにゲームの進行を制御できると考えられる。
特開2003−135673号公報(第9頁、図3)
しかしながら、先行技術の着眼点はメイン制御基板で余った処理能力をゲーム進行の充実に向けさせるだけにとどまり、ゲームの進行中に複合的に生じる事象を監視するところにまでは至っていない。
すなわち、先行技術の手法ではメイン制御基板の余った処理能力でリール制御の充実(多様な図柄表示態様の実現等)を図ることが可能であるものの、リールの回転中は、相変わらず停止ボタンの操作を待ち受けることだけに専従し、それ以外の事象を全く監視していない。これはパチンコ機では複数の事象が同時に発生する(例えば入賞口に複数の球が同時に入賞する等の複合事象がある)といったことがゲーム進行上で想定されているのに対し、回胴式遊技機においては複数の事象が同時に発生することが最初から想定されていないからである。
このような制御処理の単純性は、不正行為に直面した途端にそのもろさを露呈する。上記の例でいえば、リールの回転中(リール制御中)にメイン制御基板の処理は停止ボタンの操作入力があるのを待ち受けているだけであり、その他の事象には全く無関心でいる。このため、メイン制御基板の関知しないところでホッパモータ等が不正に給電されると、それによってホッパ装置(メダルを払い出す装置)が作動し、メダルが不正に払い出されてしまう(いわゆる「ホッパゴト行為」)。
一方の払出制御基板はといえば、稼働中は単純にメイン制御基板の支配下にあり、専らメイン制御基板からの指示(払出要求)を待って払い出しの処理を行うだけである。このため、前回のゲームで必要な払い出し動作が終わった後は特にこれといってやることがなく、未だリールの回転中は、単純に待機状態(払出要求待ち)となっているだけである。そのため、ホッパモータに何らかの方法で不正な電力を与えれば、メイン制御基板も払出制御基板も関知しないところでメダルが払い出されてしまうという問題がある。
そこで本発明は、不正に対して強い防御を備えた遊技機を提供しようとするものである。
(解決手段1)
本発明の遊技機は、1回のゲームごとに遊技価値の掛け数を決定し、この状態で遊技者の始動操作により複数列の図柄表示体を有した図柄表示装置を始動させた後、遊技者による停止操作に応じて前記図柄表示装置を停止させて図柄を表示するとともに、その図柄表示態様に応じて入賞の可否を決定し、必要に応じて遊技媒体を払い出して1回のゲームを終了とする遊技機において、1回のゲーム中に、少なくとも前記始動操作に応じた前記図柄表示装置の始動から始まり、次に前記停止操作に応じた前記図柄表示装置の停止に続いて前記入賞の可否を決定するまでの一連の遊技内容の制御を順番に実行する機能を有した主制御基板と、前記主制御基板とは別に設けられ、少なくとも前記主制御基板が入賞の可否を決定した後に遊技媒体の払い出し動作を管理する制御を独立して行うことで、1回のゲーム中に少なくとも前記主制御基板が前記図柄表示装置を停止させる前に遊技媒体の払い出しが不正に行われていることを検出する機能を有した払出制御基板とを備える。
本発明の遊技機では、単純にゲームの進行に関する制御を行うハードウエア(主制御基板)と、少なくとも遊技媒体の払い出し動作を制御する機能を有したハードウエア(払出制御基板)とを別々に備えるだけにとどまらず、払出制御基板が不正な払い出し動作の監視を行う機能をも有する。すなわち、通常であれば、1回のゲーム中に主制御基板が図柄表示装置を停止させるまで(内部的に当選していたとしても)の間は、未だ入賞の有無は決定していないため、主制御基板から払い出しを指示(または要求、命令、指令)する信号は送信されてこない。払出制御基板はこの間、ただ単に払い出しの指示があるのを待ち受けているだけではなく、これに並行して払出装置に対する不正操作(例として不正な給電)の介入を監視する処理を行う。
例えば、主制御基板が図柄表示装置を停止させる処理(複数の図柄表示体を全て停止させる)を完了するまでの間は、本来であれば払出装置が作動し得ない時間帯である。それにもかかわらず、払出装置に電力供給がなされていると、それは取りも直さず不正な行為(異常事態)によるものと判断できるため、不正の検出が可能となる。
(解決手段1の変形)
本発明の遊技機は、前記主制御基板からの指示によることなく、遊技媒体の払い出しが不正に行われていることを検出する不正検出手段の構成を備える。不正検出手段としての構成は、主制御基板から遊技媒体の払い出し指示が出力されているか否かを判断する指示判断手段と、遊技媒体の払い出しが行われていることを検出する払出センサとを備える。
すなわち、入賞の有無を決定して遊技媒体の払い出しを指示するハードウエアは主制御基板であり、この払い出しの指示に基づいて払い出し動作を制御するハードウエアは払出制御基板であるが、払出制御基板が払い出し指示を受け取っていないにもかかわらず、遊技媒体が払い出されていることが払出センサにより検出されていれば、それによって不正が行われていることを検出することができる。
(解決手段1の追加事項2)
なお、払出制御基板が不正を検出すると、不正を発覚(または教示、開示、示唆、報知、提示、アピール、アナウンス等)する不正発覚手段をさらに備えていてもよい。この場合、不正行為があったことを周囲に発覚させることができるので、これを知った遊技場運営者等が現場で不正行為者に対して厳格な対処を行うことができる。
(解決手段2)
解決手段1において、前記主制御基板は、前記始動操作に応じて前記入賞の可否を決定するための内部抽選を予め設定された抽選確率で行い、その抽選結果に基づいて前記図柄表示装置の停止を制御することにより、前記内部抽選に当選した場合にその当選結果に対応した図柄表示態様での入賞を許容する制御を実行し、前記払出制御基板は、遊技者が投じた遊技媒体を貯留し、この貯留した遊技媒体から前記掛け数を決定するか、もしくは遊技者が投じた遊技媒体を前記掛け数として決定する制御を実行する。
この場合、主制御基板および払出制御基板それぞれの役割がより明確となる。すなわち、主制御基板はゲームの進行に関する制御を統括する役割を有し、払出制御基板は遊技媒体の受け入れや貯留(クレジット)、払い出し等の他、払出装置のエラーや不正を管理する機能を有する構成となる。
(解決手段3)
解決手段1,2に記載の遊技機において、前記主制御基板は、その実装面上に実装して設けられ、前記内部抽選に用いられる抽選確率の設定を変更する操作を行うための操作部を有する。
この場合、不正に遊技媒体を抜き出すといった行為に加え、不正に抽選確率そのものを変更してしまう不正行為に対しても有効な防御を備える。すなわち、遊技機本体(例えば施錠された筐体等)の内部にあるハードウエア構成として、内部的な抽選確率を設定する主制御基板に対し、その設定を変更するための操作部が別の位置(例えば電源装置等)に設けられている構成であれば、そこに主制御基板と操作部との間を接続する配線やコネクタ類が必要となる。そうすると、不正な設定の変更を意図するものが金属片等を遊技機本体に挿入し、これら配線やコネクタをショートさせて操作部の操作が行われたかのような状況を作り出すことができてしまう。
しかしながら解決手段3では、抽選確率を設定する機能を有した主制御基板にその変更を加えるための操作部が一体的に実装されているため、そこに配線やコネクタ類が介在しないハードウエア構成を構築することができる。さらに、操作部を含めて主制御基板は強固な基板ケースに収容された状態で覆われている。したがって、不正を意図する者が外部から進入させた金属片等によって電気的なショートを発生させることはきわめて困難となり、不正な設定変更に対して強いものとなる。
(解決手段4)
本発明の遊技機は、1回のゲームごとに遊技価値の掛け数を決定し、この状態で遊技者の始動操作により複数列の図柄表示体を有した図柄表示装置を始動させた後、遊技者による停止操作に応じて前記図柄表示装置を停止させて図柄を表示するとともに、その図柄表示態様に応じて入賞の可否を決定し、必要に応じて遊技媒体を払い出して1回のゲームを終了とする遊技機において、所定の電源から電力の供給を受けて遊技媒体の払い出し動作を行う払出装置と、前記図柄表示装置の始動およびその停止を制御し、その結果、入賞があった場合は規定数の遊技媒体の払い出しを指示する一方、前記払出装置に対する電力供給を管理する機能を有した主制御基板と、前記主制御基板からの払い出し指令に従って前記払出手段による払い出し動作を制御する機能を有した払出制御基板とを備える。
解決手段4では、払出装置の駆動を払出制御基板で行う構成はここまでと同様であるが、実際に遊技媒体の払い出し動作を行う払出装置の電源管理を主制御基板で行う点に特徴がある。すなわち、主制御基板と払出制御基板とで役割を分担するハードウエア構成では、払出制御基板が払出装置の作動・駆動を直接制御することが通常であるが、その契機となる払出指令は主制御基板から送信されている。このため、本来であれば主制御基板から払い出しの指示が出力されない限り、払出制御基板が払出装置を作動させることはあり得ない。
一方で、不正に払出装置を作動させることを意図する者は、主制御基板からの払い出し指示に関係ないところで払出装置に電力を供給し、その払出機構(ホッパモータ等)を作動させることで遊技媒体を抜き取ろうとする。通常、この種の不正手口は、払出装置につながる電力配線を直結させる(払出制御基板によってON/OFFを制御されているスイッチング部を迂回してショートさせる等)ことで強制的に電力を供給し、遊技媒体の払い出し動作を行わせる類のものである。
しかしながら、本発明(解決手段4)では払出装置の電源そのものを主制御基板が管理しているため、主制御基板が払い出しを指示しない限り払出装置は電源(電力供給源)を断たれた状態にあり、不正を意図する者がいくら電力配線等に介入したとしても、そこに通電は起こらない。したがって、正規の払い出し指示が出力されない限り払出装置が作動することはないため、不正な遊技媒体の抜き取り等に対する強力な防御となる。
(解決手段1〜4の基礎となる考え方)
上記の解決手段1〜4は、以下の考え方に基づくものである。
回胴式遊技機においては払出し、貯留、エラーの管理を払出制御基板で管理することが望ましい。これによって主制御基板で遊技メダルに関する制御も行う場合と比べて、制御データ容量を減らすことができ、余裕分を利用して遊技制御の内容を多様化することができる。また、遊技内容の制御と遊技メダルに関する制御が独立しているので、例えばリール回転中に不正にメダルを抜かれている事をすぐに検出することができ、セキュリティを向上させることができる。
また、払出制御基板と主基板とを別系統の電源することが望ましい。このようにすると一旦電源をOFFにすることを条件として確率設定変更を許容する場合に、払出制御基板がホットスタート状態であるにも関わらず主基板から設定変更情報が来た場合、不正な設定変更の可能性があると判断することができセキュリティを向上させることができる。
また、確率設定変更を電源基板ではなく主制御基板で行なうようにすることが望ましい。このようにすることで確率設定変更のために電源基板と主制御基板とを接続するハーネスをなくすことができ、ハーネスに対して不正行為を行われる可能性がなくなり、セキュリティを向上させることができる。
従来、回胴式遊技機においては、遊技媒体の受付、貯留(クレジット)、操作スイッチの受付処理、抽選、回胴の回転/停止、入賞の判定、遊技媒体の払出しもしくは貯留の加算などを1つの基板で処理していた。また、ソフトウエア上でも処理の簡素化のためにシーケンス的に行われており、並行処理は行っていなかった。このため、スイッチ入力などは同時操作を行っても、1つの入力だけ受け付けて、その他の入力は無視している。
前述のような構成でも、遊技を行う上では支障はない。しかし、遊技機には不正な方法により遊技媒体を得ようとする者による不正行為が後を絶たない。このため、従来のシーケンス的な処理では、例えば回胴の回転/停止処理をしている間にホッパを強制的に動作させてメダルを排出させる等の仕様を逆用される不正行為を行われる虞があった。
前述のような不正行為に対処するための手段として、遊技価値の掛け数を設定し、始動手段により複数列の図柄表示部よりなる図柄表示装置を始動させ、遊技者による停止手段の操作により図柄表示部を停止させ、停止した図柄表示装置の表示態様に応じて入賞の可否を決定し、必要に応じて遊技媒体を払出し、1ゲームを終了する遊技機において、少なくとも遊技媒体を取り扱う制御機能の一部(少なくとも遊技媒体を払出す機能、以下、払出制御部と呼ぶ)とそれ以外の制御機能(リール制御等の遊技制御、以下、主制御部と呼ぶ)を分離したハードウエアとし、主制御部の払出個数指令に従って払出制御部がホッパ等の払出手段を駆動してメダル等を払出す。この際、主制御部は、ホッパ等の払出手段の電源を管理することを特徴としている。
このように構成することにより、払出制御部からの出力をバイパスするなどしてホッパ等の払出手段を駆動しようとしても、ホッパ等の払出手段の電源は主制御部の管理下にあるため、動作させることができない。
また、少なくとも遊技媒体を取り扱う制御機能の一部をリール制御等の遊技制御から分離したために、回胴遊技機本来の興趣の元となる遊技の制御に余裕が出来、更なる遊技仕様を付加できる。
(解決手段5)
解決手段1から4において、本発明の遊技機は、前記主制御基板と前記払出制御基板との間にて、1回ごとのゲームの進行に関する制御信号をシリアル通信の形式により伝達するシリアル信号伝達手段をさらに備える。
ここでは先ず、主制御基板から出力される払い出し指令をはじめ、毎回のゲームの進行に関して主制御基板と払出制御基板との間で双方向にやり取りされる制御信号(例えば、遊技媒体の投入信号や遊技媒体の掛け数を表す信号、図柄表示装置の始動・停止を表す信号、当選結果を表す信号(フラグ)、入賞の有無・入賞図柄の種類を表す信号、演出動作に用いられる演出データ信号、ボーナスゲーム等の遊技状態を表す信号等)がシリアル信号によって伝達される。
この場合、単純なショートを用いた手口ではシリアル信号を不正に発生させることができないため、主制御基板と払出制御基板との間の通信に不正介入(払い出し指令の不正介入や設定変更信号の発生等)して不正を行われるおそれがなくなる。
(本発明の遊技機の基礎となる考え方)
本発明の遊技機については、以下のような考え方が基礎となっている。
(1.主制御基板の他に払出制御基板を採り入れた背景)
従来の回胴式遊技機では、演出については主基板以外に、演出基板というサブ基板を設けることによって多彩な演出を液晶表示などで行っている。
しかしながら、回胴式遊技機においては、試験機関での試験を容易にするため比較的原始的な1チップCPUを用いることしか許されていない。このため、回胴式遊技機の本来の醍醐味であるリール制御(停止操作を行ったときの停止感覚や、出目)の充実を図る場合に、この制限が足かせになる。この制限を軽減するために本手段では、メダルの受入れ、払出に関する部分と、遊技に必要な表示を別基板にすることを提案する。
この別基板に移管する機能として、次のようなものが考えられる。すなわち、ホッパの制御(ホッパ関係のエラー処理)、メダルセレクタの制御(メダルセレクタのエラー処理)、クレジット機能、クレジット表示機能、払出表示機能、ドア開閉信号の処理などである。仮にこの別基板を払出制御基板と呼ぶ。
また、上記の機能を払出制御基板に移管するのに際して、主基板から演出基板に対してさらに、移管した方がよい機能がある。例えば、RB(レギュラーボーナス)、BB(ビッグボーナス)、リプレイ、ウェイトのランプ表示等を制御する機能である。それ他、RB、BBゲーム時のゲームカウント表示を制御する機能などである。
ここで、上記の機能の中に、払出制御基板の中のエラー情報やメダル投入等は、音やランプなどの状態に影響を与えるため。上記払出制御基板基板から演出基板に伝える必要があるが、主基板を経由して演出基板に情報を送信していては結局主基板に負荷がかかることになる。なぜなら、単純に必要に応じてコマンドの経路を作成すると、主基板からは払出制御基板と演出基板の2箇所にコマンドを送信する必要があり、さらには演出基板も主基板と払出制御基板の両方からコマンドを受信しなくてはならないからである。
この問題を解決し、さらに主基板の負担を軽くするために、主基板から出力するコマンドは全て上記の払出制御基板で一括して受信することとする。そして、払出制御基板から、演出基板に送信すべきコマンドだけを選択的に演出基板に送信すればよい。また、別の方法としては、主基板から出力するコマンドは全て上記の払出制御基板で一括して受信し、そのまま演出基板に出力し、演出基板でコマンドを取捨選択する方法が考えられる。
このように構成することにより、主基板は、1箇所にだけコマンドを送信するだけでよいので、回路を単純化できる。また、演出基板においても1箇所からコマンドを受信するだけでよいので回路を単純化できる。その上、2箇所からコマンドを受付ける際に、同時にコマンドを受信した場合の優先処理などの問題を生じない。
参考までに、主基板から出力するコマンドを全て上記の払出制御基板で一括して受信し、払出制御基板から、演出基板に送信すべきコマンドだけを選択的に演出基板に送信した場合のコマンドを列挙する。
(1)主基板から払出制御基板へのコマンド
遊技状態(通常、AT中、CT中、RT中、BB中、RB中、リプレイ中)、払出枚数指示、当選フラグ、演出番号、回胴始動信号、回胴停止信号(回胴毎)、ゲームカウント表示コマンド、ベット可/不可コマンド。
(2)払出制御基板から主基板へのコマンド
ホッパ関係エラー、メダルセレクタ関係エラー、ドア開閉状態、ベット数。
(3)払出制御基板から演出基板へのコマンド
遊技状態(通常、AT中、CT中、RT中、BB中、RB中、リプレイ中)、当選フラグ、演出番号、回胴始動信号、回胴停止信号(回胴毎)、ホッパ関係エラー、メダルセレクタ関係エラー、メダル投入音コマンド、メダル払出音コマンド、(特典)ゲームカウント表示コマンド等である。
(2.シリアル通信を採用した背景)
また、上記の構成の場合、主基板と払出制御基板の間で送受信する信号はシリアル信号とすることが望ましい、なぜならば、従来技術と同じパラレル信号では、信号線の一部をコモン線や、電源線とショートさせることにより、容易にコマンドの意味を変更することが出来るため、比較的容易に不正行為を行いやすいからである。
(3.シリアル通信の設定変更への適用)
従来の回胴式遊技機においては、大当り遊技であるボーナスゲームなどの抽選確率を決定できる「設定」と言う物があり、この設定を変更するための設定変更手段は電源装置に設けられている。そして、電源装置から、電源線と、設定変更に関わる信号線が主基板に比較的長い経路(50cm程度)で接続されている。このように、電源装置に設定変更手段が設けられているために、遊技機の隙間や、これに穴をあけるなどして電源線と信号線のコネクタや、配線経路に金属片を接触させ、設定を変更してしまう不正行為があった。
このような不正に対しても上記のハードウエア構成は有効である。例えば、設定変更手段は電源装置に設けるのではなく、払出制御基板に設け、電源投入時に、主基板が、払出制御基板に設定を問い合わせる方式にする。前述のように、主基板と払出制御基板の間で送受信する信号はシリアル信号であるので単純に金属片などをこじ入れて電線をショートさせるなどの容易な方法では、設定が変更できない上、電源投入時に、主基板が、払出制御基板に設定を問い合わせる方式であれば、さらに、不正を行うためのタイミングが少なくなり、設定を不正に変更することを効果的に防止できる。
また、払出制御基板をケースに入れて、容易に触れることができない状態にすれば、さらに効果的である。
(4.シリアル通信の態様)
本発明の遊技機が上記のシリアル信号伝達手段を備える場合の構成は、例えば以下の態様となる。
本発明の遊技機は、遊技の進行を制御する主制御基板と、この主制御基板からのコマンドに基づいて遊技に関連する所定の構造部を制御する下位制御基板(または払出制御基板)とを備えた遊技機であってもよい。この場合、前記主制御基板および前記下位制御基板の一方の制御基板は、当該制御基板における所定の制御処理を実現するために所定の間隔で割り込み処理を繰り返し実行し、該繰り返し実行される割り込み処理の一環として他方の制御基板に対する2バイト以上のコマンドを生成する送信側セントラルプロセッシングユニットと、該生成されたコマンドを前記他方の制御基板へと1バイト単位でシリアル転送を実行する第1のシリアル通信ユニットとを備え、前記第1のシリアル通信ユニットは、1バイトの記憶容量を有し、前記生成されたコマンドを前記送信側セントラルプロセッシングユニットから受け取り、該コマンドを記憶する第1のバッファレジスタと、1バイトの記憶容量を有し、前記第1のバッファレジスタに記憶されたコマンドを受け取り、該コマンドをシリアルデータに変換するために記憶する第1のシフトレジスタとを備え、前記送信側セントラルプロセッシングユニットは、前記繰り返し実行される割り込み処理のうちの所定の1回の割り込み処理内に、前記第1のシリアル通信ユニットに対して、前記2バイト以上のコマンドのうちの2バイト分を1バイト毎に次々と引き渡し、前記第1のシリアル通信ユニットは、前記所定の1回の割り込み処理内に、前記引き渡された2バイト分のコマンドのうち最初に引き渡された先頭コマンドを、前記第1のバッファレジスタ経由で前記第1のシフトレジスタに格納すると共に、該先頭コマンドの次に引き渡された後続コマンドを、前記第1のバッファレジスタに格納することを特徴とする。
本発明の遊技機によれば、主制御基板のCPUが1回の割り込み処理内を行う間に、シリアル転送可能なコマンドを2バイト分、シリアル通信ユニットのレジスタに格納することができ、主制御基板のCPUがコマンドのシリアル転送に関わる期間を短縮することができる。その結果、主制御基板における他の制御処理の進行の阻害や、主制御基板で実行される制御プログラムの複雑化を抑制することができる。したがって、コマンドを分割してシリアル転送する場合における円滑な遊技制御を実現することができる。なお、前記下位制御基板は、遊技球または遊技コインの払出を制御する払出制御基板であってもよい。
上記の構成を有する本発明の遊技機は、以下の態様を採ることもできる。前記第1のシリアル通信ユニットは、前記送信側セントラルプロセッシングユニットが複数回の前記割り込み処理を繰り返し実行する間に、前記引き渡された2つのコマンドのシリアル転送を完了することとしてもよい。これによって、送信側セントラルプロセッシングユニットによる演算処理を阻害することなく、シリアル転送を実現することができる。例えば、前記送信側セントラルプロセッシングユニットは、数ミリ秒の間隔で前記割り込み処理を実行し、前記第1のシリアル通信ユニットは、1秒間あたり数キロビットの転送速度で前記シリアル転送を実行する場合であってもよい。
また、前記送信側セントラルプロセッシングユニットは、前記他方の制御基板に対する動作指示を規定した動作指示コマンドと、該動作指示コマンドが正常であるか否かを判断するためのチェックコマンドとを含む一群のコマンドを生成することとしてもよい。これによって、コマンドを分割してシリアル転送する際のコマンドの信頼性を向上させることができる。
また、前記他方の制御基板は、前記一方の制御基板側からシリアル転送されたコマンドを受信する第2のシリアル通信ユニットと、該受信されたコマンドに基づいて所定の制御処理を実行する受信側セントラルプロセッシングユニットとを備え、前記第2のシリアル通信ユニットは、1バイトの記憶容量を有し、前記一方の制御基板側からシリアル転送されたコマンドをパラレルデータに変換し、該コマンドを記憶する第2のシフトレジスタと、1バイトの記憶容量を有し、前記第2のシフトレジスタに記憶されたコマンドを受け取り、該コマンドを前記受信側セントラルプロセッシングユニットに引き渡すために記憶する第2のバッファレジスタと、前記第2のバッファレジスタにコマンドが記憶されている場合に、前記第2のシフトレジスタから前記第2のバッファレジスタヘのコマンドの受け渡しを禁止する受渡禁止手段と、前記受信側セントラルプロセッシングユニットからの指示に基づいて、前記第2のバッファレジスタに記憶されたコマンドを消去するコマンド消去手段とを備えたこととしてもよい。これによって、他方の制御基板のCPU側の都合に応じて第2のバッファレジスタに記憶されているコマンドの消去を行うことができるため、2バイト単位で1バイト毎にシリアル転送されるコマンドに対して、他方の制御基板のCPUによる2バイト単位での取り扱いの容易化を図ることができる。
さらに、前記受信側セントラルプロセッシングユニットは、前記第2のバッファレジスタに記憶されたコマンドを複数回読み取り、該複数回読み取ったコマンド同士が一致する場合に、該コマンドを正常に受信したと判断する一致検証手段を備えたとしてもよい。これによって、第2のバッファレジスタから受信側セントラルプロセッシングユニットヘのコマンドの受け渡しの際に、ノイズなどの影響によって書き換えられてしまった異常なコマンドに基づいて処理が行われてしまうことを防止することができる。この場合に、前記受信側セントラルプロセッシングユニットは、前記一致検証手段によってコマンドが複数回読み取られた後に、該コマンドの前記第2のバッファレジスタからの消去を、前記第2のシリアル通信ユニットに指示する消去指示手段を備えなければならない。これによって、コマンドを複数回読み取る前に、コマンドが消去されてしまうことを回避することができる。
また、前記送信側セントラルプロセッシングユニットは、前記所定の1回の割り込み処理内に引き渡す2バイト分のコマンドのうちの一方を、該コマンドの他方との相関を持たせて生成するコマンド相関手段を備え、前記受信側セントラルプロセッシングユニットは、前記相関を持たせて生成された2つのコマンド同士を照合することによって、該2つのコマンドが正常であるか否かを判断する相関検証手段を備えたとしてもよい。これによって、一方の制御基板から他方の制御基板へのコマンド転送の際に、ノイズなどの影響によって書き換えられてしまった異常なコマンドに基づいて処理が行われてしまうことを防止することができる。例えば、前記2つのコマンド同士の相関は、互いに対応するビットが反転した関係であってもよい。
本発明の遊技機は、制御機能の信頼性を高くすることができ、長期間にわたって安定した稼働を維持できる。
以下、本発明を回胴式遊技機に適用した実施形態について、次に掲げる項目に沿って各対応図面を参照しながら説明する。
(1.第1実施形態)
図1は、回胴式遊技機の基本的な実施形態であるスロットマシン1を示している。図1のスロットマシン1は、遊技媒体として例えばメダル、コイン等を用いるタイプのものである。なお、その他にも回胴式遊技機には遊技球を用いるタイプ(いわゆる「パロット機」)のものもあり、こちらのタイプも実施形態として好適である。
図1のスロットマシン1は箱形の筐体2を備え、この筐体2をベースとして遊技場の島設備に複数台が並んだ状態で設置される。通常は台間サンドとしてメダル等の貸出機が設置されており、遊技者は台間サンドに現金やプリペイドカード等を投入してメダル等の貸出を受けることができる。
筐体2は遊技者に相対する前面に前面扉4を有しており、この前面扉4は一側端(この例では左側端)を中心として手前に開くことができる。前面扉4はその中程の位置に平坦な透明板6を有しており、その中央に矩形の表示窓8が形成されている。第1実施形態のスロットマシン1は、機械的な図柄表示装置の一例として3つのリール(左リール、中リール、右リール)10a,10b,10cを装備しており、これらリール10a,10b,10cは前面扉4の奥、つまり、筐体2の内部に配置されている。
各リール10a,10b,10cの外周にはそれぞれリール帯が張り巡らされており、その表面に各種の図柄が付されている。図1には示されていないが、図柄には例えば、数字の「7」や「BAR」等の文字、ベル、スイカ、プラム、リンゴ、チェリー等を図案化したもの、あるいは、スロットマシン1の機種を特徴付けるキャラクタや図形、記号等を図案化したもの等が含まれている。
スロットマシン1はこれらリール10a,10b,10cを回転または停止させることで、図柄の表示態様を変動させたり停止させたりすることができる。なお、スロットマシン1の前面からは、表示窓8を透かしてリール10a,10b,10cの一部のみが視認可能であり、その停止時には各リール10a,10b,10cにつき、縦方向に3つの図柄が有効に表示されるものとなっている。
透明板6のうち、表示窓8の両脇にはそれぞれ表示領域12,14が形成されており、これら表示領域12,14には各種の文字情報や図柄情報が所定の配列で付されている。透明板6の背後には図示しないランプユニットが配置されており、表示領域12,14内の情報はランプの光を透過することで点灯表示される。例えば、最初に遊技者がメダル投入口15を通じてメダルを投入すると、その投入枚数に応じてメダルの掛け数、つまりベット数が加算され、これに合わせて左側の表示領域12ではベット数に対応した有効ラインランプが点灯表示される。このとき、スロットマシン1においてメダル受入動作がクレジットモードであれば、最大ベット数(例えば3ベット)を超えて投入されたメダルがクレジットとして貯留され、そのクレジット数は表示部16に数値表示される。
上記のクレジットは、例えば最大で50まで貯留することができ、1回のゲームを終えた後に充分なクレジットの残りがあれば、その分を次回のベットに回すことができる。ベット数の選択はベットボタン18,20,22を操作することで行い、これらベットボタン18,20,22はそれぞれシングルベット(1枚掛け)、2ベット(2枚掛け)、MAXベット(3枚掛け)に対応する。
いずれにしても、遊技者が1ゲームごとのベット数を決め、有効ラインランプが点灯表示された状態で始動レバー24を操作すると、リール10a,10b,10cが回転し始めて図柄が変動する。そして、リール10a,10b,10cの回転中に遊技者が停止ボタン26,28,30を操作すると、右・中・左のそれぞれに対応するリール10a,10b,10cが回転を停止して図柄の変動が停止する。このとき有効化されている入賞ライン上にある図柄の組み合わせから入賞の有無が判断され、入賞があった場合は入賞図柄の種類(例えばボーナス図柄、小役図柄、リプレイ図柄等)に応じて入賞特典が与えられて1回のゲームが終了となる。
なお、メダルの払い出しを伴う入賞(例えば小役入賞、ボーナス入賞)があった場合は払出枚数が表示部32に表示され、上記のクレジットモードであれば、払い出されたメダルは表示部16のクレジットに加算して貯留される。このとき払い出されたメダルのうち、最大クレジット数を超えた分のメダルは払出口36を通じて受け皿38に払い出される。あるいは、リプレイ図柄による入賞があった場合は直前の入賞ラインが再度有効化され、そのまま再遊技(リプレイ)が可能となる。また遊技者は、精算ボタン40を操作することでクレジットモードを解除し、メダルの貯留(クレジット)を精算することも可能である。
第1実施形態のスロットマシン1は、表示窓8の上方に液晶表示器42を有しており、この液晶表示器42には、遊技の進行に伴う演出のための映像や各種ボーナスゲームでの獲得メダル枚数等が表示されるものとなっている。また、払出口36の左右には2個のスピーカ44が設けられており、これらスピーカ44からは遊技の進行に伴う効果音やBGM、音声等が出力される。その他、前面扉4には各所にランプ45,46,48が配置されており、これらランプ45,46,48は遊技状態に応じた発光装飾による演出を実施することができる。
(2.スロットマシンの内部構成)
図2は、スロットマシン1に装備されている各種の機構要素や電子機器類、操作部材等の構成を概略的に示している。
(2−1.メイン制御基板)
スロットマシン1はその遊技の進行を統括的に制御するためのメイン制御基板50を有しており、このメイン制御基板50にはCPU(以下では「メインCPU」と呼称することがある。)をはじめROM、RAM、インタフェース等(全ては図示されていない)が実装されている。メイン制御基板50は主に遊技者の利益に関わる内部抽選を行い、その抽選結果に基づいて各リール10a,10b,10cの停止位置を制御する機能を有する。
上述した始動レバー24や停止ボタン26,28,30等はいずれもメイン制御基板50に接続されており、これら操作ボタン類は図示しないセンサを用いて遊技者による操作を検出し、その操作信号をメイン制御基板50に出力することができる。
筐体2には、上記3つのリール10a〜10cを擁するリール装置10が内蔵されており、このリール装置10は表示窓8の奥に位置している。リール装置10は各リール10a,10b,10cを個別に回転させるためのステッピングモータ(図示していない)を有しており、これらステッピングモータの駆動を制御するための駆動パルス信号がメイン制御基板50から出力される。
またリール装置10には、各リール10a,10b,10cの回転に関する基準位置を検出するためのリールインデックスセンサ(図示していない)を有しており、これらリールインデックスセンサからの検出信号(基準位置信号)がメイン制御基板50に入力されている。メイン制御基板50はこの検出信号に基づいて各リール10a,10b10cの回転に関する位置(いずれの図柄が入賞ライン上に位置するか)を把握し、その停止位置の制御、つまりリール制御を実行することができる。
(2−2.払出制御基板)
またスロットマシン1は、メイン制御基板50とは別のハードウエアとして払出制御基板52を有しており、この払出制御基板52はメダルの受け入れ・払い出しに関する動作を制御する役割を果たす。この払出制御基板52にも同様に、CPU(以下では「払出CPU」と呼称することがある。)をはじめROM、RAM、インタフェース等(全ては図示されていない)が実装されている。払出制御基板52はメイン制御基板50から指令信号を受けてメダルの払出動作を制御したり、クレジット数の加算を行ったりする制御を行うことができる。
(2−3.ホッパ装置(払出装置))
筐体2の内部にはホッパ装置54が装備されており、このホッパ装置54はメイン制御基板50ではなく払出制御基板52に接続されている。払出制御基板52は、メイン制御基板50から受け取った払出数コマンドに基づいてホッパ装置54の駆動信号(ON信号)を出力し、払出用のモータ54aを駆動する制御を行う。一方、ホッパ装置54には払出センサ54bが内蔵されており、この払出センサ54bは実際に払い出されたメダルを検出し、その検出信号を払出制御基板52に出力する。払出制御基板52は、実際の払出枚数が必要な払出枚数(例えばクレジットオーバフロー分)に達すると、そこで払出用モータ54aの駆動を停止させる。
また払出制御基板52は、メダルの投入またはベット操作を受け付けて、その情報をメイン制御基板50に通知したり、クレジット数を加減算したりする制御機能を分担している。従来の回胴式遊技機では、このような制御機能をメイン制御基板50が取り扱っている例が多いが、この第1実施形態では、メダルの出入りに関する情報を払出制御基板52で管理する構成となっている。このため第1実施形態では、メイン制御基板50から払出制御基板52への通信(払出コマンド)の他に、払出制御基板52からメイン制御基板50への通信(メダル投入・ベット完了を表す通知)も行われる構成(双方向通信が可能な構成)となっている。
上記のベットボタン18,20,22や精算ボタン40等はメイン制御基板50ではなく払出制御基板52に接続されており、これら操作ボタン類は図示しないセンサを用いて遊技者による操作(ベット操作、クレジット精算操作)を検出し、その操作信号を払出制御基板52に出力することができる。
また、スロットマシン1の筐体内部には、メダル投入口15の奥に投入センサ56およびロックアウトソレノイド57が設置されており、これら機器類もまた払出制御基板52に接続されている。このうち投入センサ56は、メダル投入口15から投入されたメダルを検出し、その検出信号を払出制御基板52に出力することができる。一方のロックアウトソレノイド57は、前面扉4の内側でメダル投入口15の奥に配置されたメダルセレクタ(図示されていない)の通路をロックアウトする役割を果たす。ロックアウトソレノイド57は、ノーマル(非作動)の状態でメダルセレクタの通路をロックアウトしているが、作動時にはこの通路を開き(ロックアウト解除)、メダルの投入を受け付け可能な状態にする。また、投入されたメダルは投入センサ56で検出される。
逆に、ロックアウトソレノイド57が非作動になるとメダルセレクタがロックアウトされてメダルの投入が受け付けられなくなり、遊技者がメダルを投入しても、そのまま吐き出されて受皿38(図2には示されていない)に返却される。また、このとき合わせて投入センサ56の機能が無効化されるので、メダル投入によるベット・クレジット加算のいずれも行われなくなる。
図1に示されている表示部16,32,34もまた払出制御基板52に接続されており、このため払出制御基板52は、表示部16,32の表示動作(例えば7セグメントLEDによる表示)を制御することで、自己が取り扱っているクレジット数や払出枚数等の情報を数値表示させることができる。なお、図2には表示部16のみ示されている。
(2−4.外部端子基板)
さらに第1実施形態では、払出制御基板52に外部端子基板58が接続されており、スロットマシン1はこの外部端子基板58を介してホールコンピュータ60に接続されている。外部端子基板58は、払出制御基板52が管理するメダルの出入信号(投入メダル信号や払出メダル信号)のほか、メイン制御基板50から払出制御基板52に送信される各種信号(BB中、RB中、CT中等を表す遊技ステータス)をホールコンピュータ60に中継している。
なお、外部機器と接続される外部端子基板58(外部集中端子板)は、例えば筐体2の内部を正面からみてリール装置10の右横に位置する側壁の内面に設置されている。この側壁には、外部端子基板58を壁面に沿ってスライド可能に支持する支持機構(図示されていない)が取り付けられており、この状態で、外部端子基板58は例えば前後方向にスライド可能となっている。一方、筐体2の後部壁には縦長でスリット状の挿通孔(図示されていない)が貫通して形成されており、この挿通孔は外部端子基板58を挿通可能な大きさを有している。そして、上記の支持機構により外部端子基板58を後部壁に向けてスライドさせると、外部端子基板58の一部(接続端子のある部分)が挿通孔を通じて筐体2の外側(この場合は背面側)に突出する。この場合、外部端子基板58へのハーネス接続を筐体2の外側位置で行うことが可能になるので、たとえリール右横の狭い空間に外部端子基板58が配置されていたとしても、外部機器と接続するためのハーネスの脱着作業を容易にすることができる。なお、ハーネスの接続後は、外部端子基板58を筐体2の内側(前方)へスライドさせて元の位置戻すことにより、ハーネスが接続された状態で外部端子基板58を筐体2に収容することができる。
上記とは逆に、筐体2の前面扉4を開いた状態で外部端子基板58を手前側(前方)にスライドさせることで、外部端子基板58を筐体2の外側(前面側)へ突出させることもできる。この場合、リール装置10に干渉することなくハーネスの接続作業を行うことができるので、上記と同様に作業を容易化することができる。
(2−5.サブ(演出)制御基板)
さらに、スロットマシン1はサブ制御基板62を備えており、このサブ制御基板62にはCPU(以下、「サブCPU」と呼称することがある。)やROM、RAM、インタフェース、VDP(Video Display Processor)、音源IC、オーディオアンプ等(全ては図示されていない)が実装されている。サブ制御基板62に対する演出データ(指令信号)は、先ずメイン制御基板50から払出制御基板52に出力され、そして、払出制御基板52からサブ制御基板62に送信される。サブ制御基板62は払出制御基板52から受け取った演出データに基づき、液晶表示器42やスピーカ44の作動を制御するほか、ランプ(LED)45,46,48の点灯または点滅を制御している。
(2−6.電源装置)
筐体2の内部には電源装置64が収容されており、この電源装置64は外部電源(例えばAC100V)から電力を取り込み、スロットマシン1の作動に必要な電力(例えばDC24V,12V,5V)を生成する。この第1実施形態では、電源装置64からメイン制御基板50に電力が供給され、そして、メイン制御基板50を中継してその他のサブ制御基板62や払出制御基板52等に必要な動作電力が供給される構成となっている。
なお、電源装置64には電源スイッチ64cが付属しており、この電源スイッチ64cは、スロットマシン1全体への電力供給を大元でON−OFF(電源投入または遮断)するためのものである。
(2−7.ホッパ電源の管理)
上記のように、ホッパ装置54はメイン制御基板50ではなく払出制御基板52によってその動作(払い出し動作)を制御されるものとなっているが、第1実施形態では、ホッパ装置54の電源(モータ駆動用電源)の管理をメイン制御基板50で行う構成となっている。このため、メイン制御基板50から電力供給が許可されない限り、ホッパ装置54の払出用モータ54aを駆動することはできない。なお、図2には詳しく示されていないが、ホッパ装置54にはブレーキ基板が内蔵されており、実際にはこのブレーキ基板を介して払出用モータ54aの駆動および停止が制御される。ただし、払出センサ54b用の電源は常に供給されたままとなっている。
その他、筐体2の内部には図示しない配線中継基板が配設されており、各種電子機器類の作動に必要な電力は、配線中継基板を通じて各所に分配されている。
(2−8.設定変更手段,操作部)
第1実施形態では、メイン制御基板50に設定変更操作に関する操作部(スイッチ類)が付属する構成とっなっている。具体的には、メイン制御基板50の実装面(CPUやRAM、ROM等が実装されている)上に設定キースイッチ68およびリセットスイッチ70が配設されており、これら設定キースイッチ68およびリセットスイッチ70の操作信号がメインCPUに直接入力される構成となっている。
また、これら設定キースイッチ68やリセットスイッチ70は、メイン制御基板50とともに強固な基板ボックス(例えば、透明樹脂製のケース)に収容されており、その操作部分(設定キーを挿入するための鍵穴部分、押し込み部分)のみが基板ボックスから外側に露出した状態にある。このため、設定キースイッチ68やリセットスイッチ70の操作信号は、基板上に形成されているプリント配線を通じてメインCPUに入力されるものとなっている。
従来であれば、電源装置に設定変更操作に関するスイッチ類が付属している例が多く、このような構成では電源装置とメイン制御基板との間の配線・コネクタ等に金属片等を接触させてショートを起こし、不正に設定変更操作を行う行為に対して弱い部分がある。
これに対し第1実施形態では、スイッチ類とメイン制御基板50とを接続する配線・コネクタ等が基板ボックスの外側に露出していないので、金属片等を用いたショートの手口に対して強固な防御を備えた構成となる。
(2−9.設定変更操作)
回胴式遊技機の設定変更操作については既に公知であるため、ここでは概略のみを説明する。
先ず、上記の電源スイッチ64cを操作してスロットマシン1の電源をOFFの状態とし、その状態で設定キースイッチ68に設定キーを差し込んで、そのまま右へ約90度ひねる。次に、設定キースイッチ68にキーを差し込んだ状態でスロットマシン1の電源をONにする。このようにして電源投入がされた直後の時期では、メイン制御基板50で行われる内部的な処理が設定変更モードに切り替わり、これによって設定変更操作を受け付け可能となる。またこのとき、現在の設定値が表示部32(筐体2内の別の位置に表示部があってもよい)に表示される。
この後、リセットスイッチ70を1回操作すると設定が1段階だけ上がり、それに合わせて表示部34では、それまでの設定値に1が加算された数値が表示される。ただし、既に設定が6であった場合、次にリセットスイッチ70を操作すると設定は1に逆戻りする。
このように、表示部34の表示を確認しながら所望の設定値に達するまでリセットスイッチ70を数回操作した後、始動レバー24を例えば1〜2回操作して変更後の設定値を確定する。そして、設定キースイッチ68を左へ90度ひねって元の位置まで戻し、差し込まれたキーを抜き取って設定の変更を終了する。設定キースイッチ68を元に戻すと、上記の設定変更モードが終了し、メイン制御基板50は回胴遊技制御を実行可能な状態になる。
また設定の変更が行われると、メイン制御基板50では通常遊技中に使用されるテーブルデータ(抽選確率表)が変更され、その設定情報がRAMに保存される。また、合わせて設定変更が行なわれたという事実情報もRAMに保存される。
その他、例えば図2中に2点鎖線で示されているように、設定キースイッチ68やリセットスイッチ70が払出制御基板52に接続されている態様であってもよい。この場合、設定変更に関する情報の管理を払出制御基板52で行い、メイン制御基板50はその電源投入時に払出制御基板52に対して設定情報を問い合わせる構成とすることができる。
(3.ゲーム処理)
以上が第1実施形態となるスロットマシン1の概略的な内部構成である。次に、スロットマシン1におけるゲーム処理の流れについて説明する。以下のゲーム処理は、メイン制御基板50のCPUにて実行される制御プログラム上の処理手順に沿って進行する。
(3−1.回胴遊技処理)
図3は、スロットマシン1における基本的な1ゲーム(回胴遊技)の処理手順を一通り示している。1回のゲームは、まず始動処理(ステップS10)から始まる。この始動処理はリール10a,10b,10cの回転を開始させるための処理であり、ここではメダルの投入またはベットボタン18,20,22の操作が受け付けられたことを確認したり、始動レバー24の操作を契機とした乱数抽選を行ったりする処理が行われる。なお、始動処理(ステップS10)の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて詳しく後述する。
1回のゲームでは始動処理(ステップS10)に続いて停止処理(ステップS20)が実行される。この停止処理は、各リール10a〜10cの回転を停止させるとともにその停止位置を制御するものであり、これは通常、「リール制御」と称される処理に該当する。リール制御を用いた停止処理には、例えばテーブル方式とコントロール方式の2つの方式があり、ここではどちらを用いる態様であってもよい。一例としてテーブル方式によるリール制御を用いた停止処理についても別のフローチャートを用いて後述する。
リール制御によって停止処理を終えると、次に判定処理(ステップS30)が実行される。この判定処理は全リール10a,10b,10cの停止時に表示された図柄の組み合わせ(出目)から入賞の有無を判断し、入賞があった場合はそれに応じた遊技結果を提供するためのものである。遊技結果のうち主な入賞特典はメダルの払い出しであるが、さらには入賞図柄(ビッグボーナス図柄、レギュラーボーナス図柄等)の種類に応じてボーナスゲームに移行する特典が与えられたり、あるいは内部状態(各種モード)を変更させる契機となったりする。なお判定処理の具体的な内容については停止処理の後で説明する。
(3−2.始動処理)
図4は、上記の始動処理の内容を具体的に示している。ここでは先ず、遊技者によるメダルの投入操作またはベット操作が完了したか否かが判断される(ステップS101)。メダルの投入操作またはベット操作は、1回のゲームに必要な掛け数を決定するためのものであるが、この第1実施形態では、メダルの投入およびベット操作の受け付けについて、これを払出制御基板52が制御するものとなっている。このためステップS101の処理では、払出制御基板52から「メダル投入OK」を表す信号を受け取ったか否かが判断される。なお、払出制御基板52からメイン制御基板50への送信については、別のフローチャートを用いて後述する。
いずれにしても、遊技者がベット操作またはメダル投入をしないうちは払出制御基板52から「メダル投入OK」を表す信号が送信されないので(ステップS101=No)、ステップS103の処理が迂回される。この間は始動レバー24が有効化されないため、ステップS104の判断が否定(No)されて「メダル投入OK」の通知を待ち受ける状態(ステップS101)がループされ続ける。なお、メイン制御基板50と払出制御基板52との間ではシリアル通信が行われており、このシリアル通信は、割り込み処理によって別のタスク上で行われている。したがってメイン制御基板50は、始動処理とは別のタスクによって「メダル投入OK」の通知(シリアル信号によるもの)を受信する。
これに対し、実際にベット操作またはメダル投入があると、払出制御基板52から「メダル投入OK」を表す信号が送信される。これを受けてメイン制御基板50では始動レバー有効処理(ステップS103)が行われ、ここで初めて始動レバー24の操作が実質的に有効化される。この状態で遊技者が始動レバー24を操作すると、ステップS104の判断が肯定(Yes)されて次に始動レバー無効処理(ステップS105)が行われる。
始動レバー24の操作があると、これを契機として乱数の抽出(乱数抽選)が行われる(ステップS106)。ここで用いられる乱数は、ソフトウェア乱数またはハードウエア乱数のいずれでもよい。また、始動レバー24の操作を受け付けてから乱数を抽出するタイミングは特に規定されておらず、プログラミングの過程で適切な抽出タイミングを設定することができる。
次のフラグ処理(ステップS107)では、抽出された乱数値から当選・落選が判断され、当選の場合は当選役(例えばBB、RB、小役、特別小役等)の種類に応じたフラグがONにされるとともに、メイン制御基板50から当選フラグコマンドが払出制御基板52に送信される。払出制御基板52に当選フラグコマンドが送信されると、払出制御基板52はこれをそのままサブ制御基板62に受け流す処理を行う。あるいは、払出制御基板52が当選フラグコマンドを一旦解釈し、あらためてサブ制御基板62に送信する態様であってもよい。
上記のフラグ処理(ステップS107)が行われると、前回の始動処理でスタートされたウェイトタイマがタイムアップ(例えば4.1秒経過)したか否かが判断される(ステップS108)。タイムアップ(Yes)が確認されると、各リール10a,10b,10cが始動され(ステップS109)、ここから次回の始動までのウェイトタイマがスタートされる(ステップS110)。
(3−3.リール停止処理)
図5は、一例としてテーブル方式によるリール停止処理の内容を示している。リール制御については公知の技術を適用できるため、ここでは処理の流れを概略的に説明する。
リール停止処理では先ず、そのときの当落結果を表すフラグにしたがってリール制御テーブルが選択される(ステップS201)。なお、リール制御テーブルは予め全ての当落結果について複数のパターンのものが用意されており、これらは読み出し専用のテーブルデータとしてメイン制御基板50のROMに格納されている。
フラグにしたがって適切なパターンのリール制御テーブルが選択されると、この状態でメイン制御基板50は停止ボタン26,28,30が押されるまで待ち受け状態となる(ステップS202,S210,S217,S219)。これらの待ち受け状態で、左・中の各リール10a,10bが既に停止しているか否か、あるいは第1リール停止フラグが立っていない状態(=0)であるか否かが判断されるとともに、あわせて左・中・右のいずれかの停止ボタン26,28,30が押されたか否かが判断される。いずれの停止ボタン26,28,30も押されていなければ、ステップS219およびステップS209の判断がともに否定(No)されてステップS202以降が繰り返される。
例えば、いわゆる「順押し」または「順はさみ押し」の手順に沿って最初に左の停止ボタン26が押されたとすると(ステップS202=Yes)、この時点では第1リール停止フラグが立っていない(ステップS203=No)ため、左リール10aについて第1リール停止処理(ステップS204)が実行される。なお、ここでいう「第1リール停止処理」とは、1番目にリールを停止させる処理という意味である。
あるいは、いわゆる「中押し」の手順に沿って最初に中央の停止ボタン28が押されると(ステップS210=Yes,ステップS211=Yes)、中リール10bについて第1リール停止処理(ステップS212)が実行される。これ以外に、いわゆる「逆押し」または「逆はさみ押し」の手順に沿って最初に右の停止ボタン30が押された場合は(ステップS217=Yes)、右リール10cについて第1リール停止処理(ステップS218)が実行される。
左・中・右のいずれかのリール10a,10b,10cについて第1リール停止処理(ステップS204,S212,S218)が行われると、そのときのフラグに対応した複数パターンのリール制御テーブルのなかから、乱数値に基づいて1つのテーブルパターンが選択される。これは、例えば1つの当選役「ベル」について、リール10a〜10c上にある図柄「ベル」を有効ライン上に停止させるために予め複数パターンのリール制御テーブルが用意されているが、その中から1つのパターンが選択されることを意味する。そして、1つのパターンが選択されると、そのリール制御テーブルに基づいてリール10aから10cの停止位置が制御される。これにより、例えば図柄「ベル」が有効ライン上のどこかで停止されることとなる。
例えば、順押し手順に沿って左リール10aが第1番目に停止されるパターンを例にとると、ステップS204で左リール10aについて第1リール停止処理が行われる。また、このときメイン制御基板50は、左リール10aの停止目を表す停止情報コマンド(第1停止情報コマンド)をサブ制御基板62に送信する。
次のステップS206では残りの中・右リール10b,10cについてそれぞれリール制御テーブル(停止テーブル)が乱数抽選によって決定される。具体的には、左リール10aの停止時に図柄「ベル」が下段位置に停止されたとすると、その時点で入賞ラインは下段ラインまたは右上がりラインの2通り(MAXベットの場合)が選択可能となるが、ここでは乱数抽選によっていずれか一方(例えば右上がりライン)が選択される。なお、乱数抽選の振り分け率は半々程度でよい。
以上の処理(ステップS206)が行われると、続いて第1リール停止フラグがON(=1)にされるとともに(ステップS207)、左リール停止フラグがON(=1)にされる(ステップS208)。この段階では全てのリール10a〜10cが停止していないので、ステップS209の判断が否定(No)されてステップS202以降が実行される。
すると、このとき既に左リール10aが停止しているので(ステップS202=No)、順押し手順に沿って2番目に中央位置の停止ボタン28が押されると(ステップS210=Yes)、第1リール停止フラグの判定(ステップS211=No)を経て中リール停止処理(ステップS213)が実行される。中リール停止処理では、先に中リール10bについて選択されているリール制御テーブル(停止テーブル)に基づいて停止位置が制御される。これにより、上記の右上がり入賞ラインの例でいうと、中リール10b上の図柄「ベル」が中段位置に停止することとなる。また停止目上は、右上がりライン上で左・中リール10a,10bに図柄「ベル」が2つ揃った状態(いわゆる「右上がりテンパイ」)となる。このときメイン制御基板50は、中リール10bの停止目を表す停止情報コマンド(第2停止情報コマンド)をサブ制御基板62に送信する。またこの場合、中リール10bは第2停止であるためステップS212,S214,S215は全て迂回され、ステップS216にて中リール停止フラグがON(=1)にされるだけとなる。
同様にして、最後に右の停止ボタン30が押されると(ステップS219=Yes)、先に右リール10cについて選択されているリール制御テーブル(停止テーブル)に基づいて停止位置が制御される(ステップS220)。これにより、3番目の右リール10c上の図柄「ベル」が上段位置に停止するので、全リール停止時の出目は、右上がりライン上に図柄「ベル」が3つ揃って入賞した状態となる。このときメイン制御基板50は、右リール10cの停止目を表す停止情報コマンド(第3停止情報コマンド)をサブ制御基板62に送信する。またこの場合、右リール10cは第3停止であるためステップS218,S221,S222は全て迂回され、ステップS223にて右リール停止フラグがON(=1)にされる。
ここまでの処理を経て全リール停止フラグがONになると、ステップS209の判断が肯定(Yes)されるため、メイン制御基板50による処理は本ルーチンを抜ける。
以上がテーブル方式によるリール停止処理の一例である。これとは別にコントロール方式によるリール停止処理があるが、これについても公知の処理を適用可能であるため、ここでは具体的な説明を省略する。また、第1実施形態においてコントロール方式またはテーブル方式のいずれのリール停止処理を実行してもよく、どの方式を採用するかは制御プログラムを構築するにあたって適宜決定すればよい。
(3−4.判定処理)
図6は、判定処理の内容を具体的に示している。上記のリール停止処理によって全てのリール10a,10b,10cが停止されると、メイン制御基板50はそのとき表示されている出目(図柄表示態様)に関する情報を送信する(ステップS301)。第1実施形態のハードウエア構成上、出目情報の送信先は払出制御基板52となっているが、これを制御上で使用する主体はサブ制御基板62である。このためメイン制御基板50は、サブ制御基板62向けの信号として出目情報を送信する。
次に、全リール停止時の出目から入賞図柄がビッグボーナス図柄であるか(ステップS302)、レギュラーボーナス図柄であるか(ステップS303)、小役図柄であるか(ステップS304)、リプレイ図柄であるか(ステップS305)がそれぞれ判断される。そして、そのときの入賞図柄がビッグボーナス、レギュラーボーナス、小役のいずれかであると判断されると(Yes)、各入賞図柄に対応したメダルの払出枚数を表すコマンドが払出制御基板52に送信される(ステップS306,S307,S308)。また合わせてメイン制御基板50は、払出枚数に応じた払出音コマンドを演出データとして払出制御基板52に送信する。上記と同様に、払出制御基板52は受け取った演出データをそのままサブ制御基板62に受け流す。
(3−5.ホッパ電源の管理)
ここで、図6に示されているように、判定処理においてメイン制御基板50が払い出しの指示を行う場合(ステップS306,S307,S308)、メイン制御基板50は合わせてホッパ装置54に対する電源供給(給電を許可)を行う。これにより、ホッパ装置54がそのモータ54aを駆動可能な状態となる。この状態で、払出制御基板52が規定枚数分の払出コマンドを受信すると、これに応じて払出制御基板52が実際にホッパ装置54を作動させる処理を行う。
このように、ホッパ装置54の電源の管理をメイン制御基板50が行っているため、正規の払い出しが指示されていない間(例えば、リール10a〜10cの回転中)にホッパ装置54が不正に作動させられることがない。これにより、不正にメダルを抜き取られてしまう被害を未然に防止することができる。
以上の処理が一通り終わると、小役またはリプレイの当選フラグがOFFにされて(ステップS312)この処理は終了される。また、落選や取りこぼし等によっていずれの入賞図柄も出ていない場合(ステップS305=No)は、単に小役またはリプレイの当選フラグがOFFにされて同じく判定処理は終了となる。なお、ビッグボーナス遊技処理(ステップS309)またはレギュラーボーナス/JACゲーム遊技処理(ステップS310)に進んだ場合は、これら各処理中において当選フラグがOFFにされる。
(4.特別遊技状態)
第1実施形態のスロットマシン1においては、ビッグボーナス図柄(例えば「7−7−7」)またはレギュラーボーナス図柄(例えば「BAR−BAR−BAR」)での入賞があると、次回のゲームからそれぞれ「ビッグボーナスゲーム(BB)」、「レギュラーボーナスゲーム(RB)」と称する特別遊技状態に移行する。これらビッグボーナスゲームやレギュラーボーナスゲームには複数回のゲーム機会が含まれており、この間に集中して入賞の可能性があるため、遊技者にとっては通常よりも有利な状態であるといえる。
また、ビッグボーナスゲームとレギュラーボーナスゲームとでは、前者の方がより多くのゲーム機会を含むものであり、この第1実施形態のスロットマシン1では、1回のビッグボーナスゲーム中に最大で所定回数(例えば30回)の小役ゲームを行う機会と、最大で規定回数(例えば2,3回)のJACゲーム(レギュラーボーナスゲーム)を行う機会とが含まれる仕様となっている。また機種によっては、ビッグボーナスゲームの機会が設けられていない仕様のものもある。なお、これらビッグボーナスゲームおよびレギュラーボーナスゲームの処理の内容についてはいずれも公知であるため、ここでは詳しい説明を省略する。
(5.払出処理)
次に図7および図8は、払出制御基板52により行われる払出処理の内容を具体的に示している。既に述べたようにこの第1実施形態では、払出制御基板52がホッパ装置54の駆動制御の他にメダルの投入やベット操作の受け付け制御、クレジット数の加減算制御等の機能を分担する構成となっており、これら制御機能は図7の払出処理を通して実現されるものとなっている。
この払出処理は、例えばメイン制御基板50が行う始動処理(図4)に並行して開始され、ここでは先ず、ベット数の決定に先立ちクレジット数が0であるか否かが判断される(ステップS401)。クレジット数の情報は、払出制御基板52のRAMに記憶することで管理されており、その値は表示部16に数値表示されることで遊技者から確認できるものとなっている。このときクレジット数が0でなければ(ステップS401=No)、例えば上記のMAXベットボタン24が点灯(点滅でもよい)された後(ステップS402)、これに続いてメダル投入ランプが点灯(点滅でもよい)される(ステップS403)。
これまで特に触れていなかったが、この第1実施形態ではMAXベットボタン24がLEDを内蔵するタイプのものであり、内蔵LEDの発光によってボタンそのものが目立つように発光可能となっている。また図示されていないが、メダル投入ランプは例えばメダル投入口15の近傍に配置されており、その点灯によりメダルの受け入れが可能であることを表示する。
逆に、ベット数の決定に際してクレジット数が0であれば(ステップS401=Yes)、そのままメダル投入ランプだけが点灯表示される。メダル投入ランプの点灯に続き、上記のロックアウトソレノイド57が作動され、これによってメダルの受け入れが可能な状態となる(ステップS404)。
次にメダルが規定枚数投入されたか否か、もしくは、ベットボタンが操作されたか否かが判断される(ステップS405)。図7では説明を簡単にするため、いわゆる「3枚掛け専用機」を前提とした処理内容となっている。このため、3枚掛けに達する枚数(ベット数と合わせて3枚になる分)のメダルが投入されるか、もしくは、3度数以上のクレジットが残存する状態でMAXベットボタン24が押下されるまでの間はステップS405の判断が繰り返される。そして、いずれかの条件が満たされると(Yes)、ここで上記の「メダル投入OK」の信号をメイン制御基板50(図中では「主基板」)に送信するための処理が行われる(ステップS406)。これにより、メイン制御基板50では始動レバー24の操作が有効化される。なお、実際には「メダル投入OK」の信号が払出処理と別のタスク(割り込み処理)で送信されるため、このステップS406では、単に「メダル投入OK」を表すフラグをONにするだけである。このフラグがONになると、割り込み処理で別に実行されているタスクが自動的に「メダル投入OK」の信号をメイン制御基板50に送信する。
続いて、それまで点灯表示されていたMAXベットボタン24が消灯されるとともに、メダル投入ランプもまた消灯される(ステップS407)。また、遊技者が規定枚数(=3枚)を超えてメダルを投入した場合、その分がクレジット数に加算される(ステップS408)。合わせてクレジット数が50未満であるか否かが判断され(ステップS409)、その結果、クレジット数が50に達していれば(No)、ロックアウトソレノイド57をノーマル(非作動)状態にしてメダルセレクタがロックアウトされる(ステップS410)。この場合、追加のメダルの投入を受け付けない状態でメイン制御基板50から始動信号が送信されたか否かが判断され(ステップS411)、始動信号が送信されるまでここで待ち受け状態となる。
これに対し、3枚掛けがなされた時点でクレジット数が50未満であれば(ステップS409=Yes)、そのまま続けてメイン制御基板50から始動信号が送信されたか否かが判断される(ステップS412)。始動信号が送信されない間は(No)、引き続きクレジット数の加算(ステップS408)と始動信号の待ち受けが行われる。この場合、始動信号が送信されると(ステップS412=Yes)、そこで初めてメダルセレクタがロックアウトされる(ステップS413)。
いずれにしても、メイン制御基板50から払出制御基板52に始動信号(リール始動)が送信されると、図7の払出処理は図8に示される手順に引き継がれ(接続記号1→1へ)、ここで払出センサ54bから検出信号が出力されたか否かが判断される(ステップS4130)。通常は、この段階で検出信号が出力されることはないので(No)、次にメイン制御基板50から遊技終了コマンドまたは払出コマンドが送信されたか否かが判断される(ステップS414)。
遊技終了コマンドはスロットマシン1において1回のゲームが終了したことを表すものであり、例えば、全てのリール10a,10b,10cが停止したときに何も入賞がなかった場合にメイン制御基板50から払出制御基板52に遊技終了コマンドが送信される。一方の払出コマンドは、リール10a,10b,10cの停止時に小役入賞等があった場合、その入賞図柄に応じた規定枚数分の払い出しを指示するためのものである。
リール10a〜10cの回転中はメイン制御基板50から遊技終了コマンドまたは払出コマンドが送信されないため、ここではステップS4130とステップS414の判断が繰り返される。ところが、この間に払出センサ54bから検出信号の出力があったと判断された場合(ステップS4130=Yes)、それは本来あり得ない検出信号であるため、それは不正行為(メダルの抜き取り)によるものと判断できる。したがって、この場合はステップS4131に進み、そこで不正発覚処理が行われる。なお、不正発覚処理の具体的な内容については後述する。
通常の場合、メイン制御基板50からいずれかのコマンドが送信されると、この払出処理では、次に払い出しが必要であるか否かが判断される(ステップS415)。このとき上記の遊技終了コマンドが送信された場合、特に払い出しの必要がないと判断されて(No)、そのまま払出処理がリターンされる。
一方、払い出しの必要があると判断された場合(ステップS415=Yes)、払出コマンドによって指示された払出枚数分をクレジット数に加算する処理が行われる(ステップS416)。ただし、クレジット数は最大で50までであるため、加算によってクレジット数が50を超えてオーバフローするか否かが次に判断される(ステップS417)。クレジットがオーバフローすると判断されると(Yes)、ホッパモータスイッチがONにされる(ステップS418)。これにより、ホッパ装置54が駆動されて実際にメダルの払い出しが行われる。
この後、払出センサから入力される払出カウント信号が必要数(オーバフロー分)に達すると、ホッパモータスイッチがOFF(ステップS420)にされて払出処理がリターンされる。またこれにより、ホッパ装置54による払出動作が完了して1回のゲームが終了となる。あるいは、入賞があってもクレジット数のオーバフローがなかった場合(ステップS417=No)、そこで払出処理はリターンされる。
(6.不正行為の監視)
以上は、スロットマシン1の通常作動中に払出制御基板52において定常的に行われる払出処理の内容である。加えてこの第1実施形態では、ホッパ装置54の作動に関連して払出制御基板52が不正行為の監視を行う機能を有しており、以下にその具体的な内容について説明する。
(6−1.概要)
既に説明したとおり、ホッパ装置54の作動は、メイン制御基板50から払出コマンドが送信された場合に限られている。したがって、判定処理中の特定のステップS306,S307,S308が実行されない限り、本来であればホッパ装置54が作動することはない。
ところが、不正行為によってホッパ装置54を作動させ、メダルを抜き取ろうと試みる者であれば、例えば、筐体2の内部に金属片等を挿入してホッパ装置54につながる電源系統の配線を直結させ、払出用モータ54aを駆動させて不正行為を図ろうとする。
もちろん、上記のように正規の払出コマンドが出力されない限り、メイン制御基板50がホッパ装置54の電源供給を許可することはないため、このような不正行為(電力配線を直結させる等)が行われただけではホッパ装置54が作動することはない。しかし、より巧妙な不正を企む者であれば、別の電源系統(例えばサブ制御基板62等の演出用の電源系統)から無理やり払出用モータ54aに通電させてメダルを抜き取ろうとすることも充分に考えられる。
そこで、この第1実施形態では、メイン制御基板50と払出制御基板52とが独立して制御機能を分担するというハードウエア構成を利用し、以下の処理を通じて不正を発覚させることに成功している。
(6−2.不正監視の方法)
図9は、スロットマシン1への電源投入(給電開始)により、払出制御基板52において実行される処理の内容を示している。ホールの正当な管理者によって電源スイッチ64cがON操作(電源投入)されると、払出制御基板52では初期化処理(ステップS501)が行われる。なお、正規の設定変更操作によってメイン制御基板50が設定変更モードに切り替わっている場合、設定変更モードが終了(設定変更操作が終了)するまで初期化処理(ステップS501)が継続される。
初期化処理が完了すると、次に払出制御基板52ではメイン制御基板50から設定変更通知(設定変更がされた場合に出力される情報)が出力されたか否かが確認される(ステップS502)。ホールの責任者等によって正規の設定変更操作が行われた場合、払出制御基板52は初期化処理(ステップS501)に続いてメイン制御基板50から設定変更通知を受け取ることになり(ステップS502=Yes)、この場合は変更後の設定情報が払出制御基板52においても保存される(ステップS503)。
これに対し、設定変更操作が行われることなく、単にスロットマシン1の電源が投入されただけの場合、特に設定情報の保存を行うことなく処理が続行される。いずれにしても、初期化処理(ステップS501)と設定変更通知の確認(ステップS502)の手順を経ると、払出制御基板52で行われる処理は定常状態(通常の給電中)となり、この後は上記の払出処理(ステップS504)が毎回のゲームにおいて定常的に実行されることになる。
(6−3.不正の検出)
通常の電源投入中は、スロットマシン1の電源が遮断されるまで払出処理(ステップS504)が繰り返し行われることになるが、合わせてこの第1実施形態では、通常の給電中において払出センサから検出信号の出力があったか否かを確認するものとしている(ステップS505)。
ここで、不正行為を意図する者がホッパ装置54の電力配線等に不正介入し、例えばその電力配線を直結させたり、別系統の電源に接続させたりして、ホッパ装置54に強制的に電力を供給した場合を想定してみる。この場合、払出制御基板52はメイン制御基板50から払出コマンドを受信していないにもかかわらず、払出用モータ54aが駆動され、その結果、払出センサ54bからメダルの検出信号が出力される。
このような状況に備え、払出制御基板52のCPUは、払出処理に並行してホッパ装置54の作動を監視しており、上記のように払出コマンドを受信していないにもかかわらず払出用モータ54aが駆動されていたり、払出センサ54bから検出信号が出力されたりした場合(ステップS505=Yes)、不正発覚処理(ステップS506)が実行される。
(6−4.不正発覚処理)
このように、本来ならメダルの払出が行われないはずの時期(払出処理の終了後)に払出センサ54bから検出信号が出力されると、払出制御基板52(払出CPU)が不正を検出したと判断して、次に不正発覚処理(ステップS506)を実行する。これにより、不正行為が行われたことを周囲(他の遊技客やホール従業員、警備員等の人員のみならず、ホールコンピュータ等の機械設備を含む)に発覚させる処理が行われる。
不正発覚処理(ステップS506)では、例えば払出制御基板52からサブ制御基板62に対して不正発覚用のコマンドが送信される。サブ制御基板62はこのコマンドを受け取ると、スピーカ44から大音量で不正発生音を出力させたり、あるいは「不正行為です!」等の音声を出力させたり、液晶表示器42に「不正行為がありました!」等の文字情報を表示させたり、ランプ45,46,48を激しく点滅させたりする処理を行う。これにより、周囲に不正行為がなされたことをはっきりと開示(報知)することができるので、不正行為者を現場で容易に特定することができる。
あるいは、表立って上記の開示を行わず、払出制御基板52が外部端子基板58を通じてホールコンピュータ60に不正発覚信号を出力し、ホールの管理者に不正行為があったことを秘密裏に通報することもできる。この場合、不正行為者が何食わぬ顔で遊技を継続しているうちにホールの管理者が現場を押さえることができるので、その不正行為者に対して厳格に対処することができる。
(7.不正対策のまとめ)
以上の第1実施形態をまとめると、以下の点で不正対策に優れた有用性を発揮する。
(1)メイン制御基板50の他に払出制御基板52が独立した制御機能(不正検出)を行うことができるため、メイン制御基板50がゲーム進行上の処理(例えばリール停止処理)を行っている途中であっても、これに並行してホッパ装置54の作動を監視し続けることができ、不正の検出を極めて容易に行うことができる。
(2)また、メイン制御基板50の他に払出制御基板52を設けて、メダルの出入りやクレジットの管理等を行っていても、ホッパ装置54の電源供給をメイン制御基板50が管理することで、本来必要なタイミング(入賞による払出時)以外ではホッパ装置54に給電されることがない。このため、単純な電力配線の直結等によってメダルが抜き取られるのを有効に防止することができる。
(8.第2実施形態)
次に、第2実施形態のスロットマシン1について説明する。第2実施形態では、上述した第1実施形態と異なる点を特に挙げて説明する。
(1)第2実施形態では、メイン制御基板50の他に払出制御基板が設けられていない構成である。この場合、ホッパ装置54をはじめメダルセレクタ52(ロックアウトソレノイド、投入センサ)各種ベットボタン18,20,22、精算ボタン40等はいずれもメイン制御基板50に接続されている。したがって、メダルの出入りやクレジットの貯留等はメイン制御基板50が管理する構成である。
(2)また、メイン制御基板50が外部端子基板58に各種情報(投入メダル信号や払出メダル信号、BB中、RB中、CT中等を表す遊技ステータス等)を出力する構成である。
(3)第2実施形態でも同様に、ホッパ装置54から払出センサ54b(図10には示されていない)の検出信号がメイン制御基板50に入力(フィードバック)されているが、この検出信号は外部端子基板58にも出力されている。したがって、ホッパ装置54の作動中は払出カウント数に関する情報が外部端子基板58を介してホールコンピュータ60に送信される構成となっている。
(8−1.異常の判断)
第2実施形態によれば、不正行為によってホッパ装置54が作動されていると、メダルの検出信号がホールコンピュータ60に送信されることになる。このため、例えばBBやRB等の特別な遊技ステータスをホールコンピュータ60が受け取っていないにも関わらず、比較的多くのメダルの払い出しがあると、それによって異常事態(不正行為やホッパ装置54の誤作動)が発生していることが明らかとなる。
(8−2.第2実施形態の基礎となる考え方)
従来の回胴式遊技機では、ホールコンピュータに出力する信号としては、「ビッグボーナス中」、「レギュラーボーナス中」、「払出信号」が出力されていた。これにより、ホールコンピュータ側で、「ビッグボーナス中」でも「レギュラーボーナス中」でもないのに「払出信号」が連続して出力されている場合に異常と判断することができる。
ところが、この方式では、以下の2点の問題がある。
(1)「払出信号」は、回胴式遊技機の制御基板でフィルタリングされた「払出信号」であるので、例えば、回胴回転中などの払出が起こり得ないタイミングで、ホッパを動作させて払い出した場合、制御基板では払い出したとは認識していないので、上記「払出信号」は出力されない。
(2)メダルが払い出されている契機として、「ビッグボーナス中」、「レギュラーボーナス中」だけでは不充分である(例えば通常ゲーム中の小役の払出は無視されている)。
本手段では、上記のような2点の問題点を解決し、きめ細やかに監視できる手段を提供することを課題とする
上記課題を解決するために、本手段では、「払出信号」として制御基板でフィルタリングされた「払出信号」ではなく、ホッパの払出メダルのセンサが拾った信号を出力する(ここでは、便宜上「払出信号2と呼ぶ」)。この「払出信号2」はセンサの出力をそのまま使用しても良いが、何らかの手法を用いてパルスの波形を成形しても良い。
また、「ビッグボーナス中」、「レギュラーボーナス中」などという遊技状態を表す信号に加え、制御基板がホッパモータを動作させている信号、つまり「ホッパ動作中」の信号を出力する。
この2種類の信号を組み合わせれば、ホールコンピュータ側で、払出を意図していないのに払出が行われていることを的確に把握できるため、不正遊技の被害を最小限に抑えることが出来る。
(9.基礎的構成)
図11は、第1実施形態のスロットマシン1の基礎となる構成を概略的に示している。この基礎的構成では、メイン制御基板(メインCPU)および払出制御基板(払出CPU)がともにバックアップ電源を有する点が示されており、これにより電源遮断後も払出制御基板が設定情報を保持できるものとなっている。
その他、図11の基礎的構成ではスロットマシンがメダルの投入装置(取込装置)を備えるものとなっている。この投入装置は、筐体に形成された皿部(受け皿)からメダルを取り込み、これをクレジットとして貯留する機能を有する。取り込まれたメダルは投入センサによりカウントされた後、筐体の排出口を通じて島設備に回収されるか、筐体内部でホッパ装置に自動還元されるものとなっている。なお、投入装置の作動は払出制御基板(払出CPU)により制御される。
また、ホッパ装置からの払い出しは筐体の下部にある受け皿ではなく、上記の投入装置につながる皿部(受け皿)に対して行われる。このため遊技者は、払い出されたメダルを一々メダル投入口に投入する手間がなくなり、それだけ遊技に集中しやすいという利点がある。
(10.シリアル通信)
次に、上記の第1実施形態で用いられているシリアル通信の一例について説明する。
図12は、メイン制御基板50および払出制御基板52の電気的な構成の詳細を示すブロック図である。メイン制御基板50は、メイン制御基板50における種々の演算処理を行うCPUとして、外部とのシリアル通信機能およびパラレル通信機能を有するメインCPU200を備える。メインCPU200には、演算処理を行う演算処理部210と、外部とのシリアル通信を行うシリアル通信ユニットとしてのシリアルIF部220と、外部とのパラレル通信を行うパラレルIF部230とが回路構成されている。払出制御基板52とのコマンドのやり取りは、シリアルIF部220を介して行われ、払出制御基板52とのACK信号のやり取りは、パラレルIF部230を介して行われる。
シリアルIF部220は、演算処理部210からパラレルデータTDaを受け取り、該データを記憶する送信バッファレジスタ240と、送信バッファレジスタ240に記憶されたデータを受け取り、該データをシリアルデータDabに変換して払出制御基板52にシリアル転送する送信シフトレジスタ250と、払出制御基板52からシリアルデータDbaを受け取り、該データを記憶する受信シフトレジスタ260と、受信シフトレジスタ260に記憶されたデータを受け取り、該データを演算処理部210によってパラレルデータRDaとして読み出し可能に記憶する受信バッファレジスタ270と、シリアルIF部220における各部の動作状態を管理するシリアル管理部280とを備え、これらを1チップに集積して構成されている。送信バッファレジスタ240および送信シフトレジスタ250,受信シフトレジスタ260,受信バッファレジスタ270は、それぞれ1バイトの記憶容量を有するレジスタである。
シリアル管理部280は、送信シフトレジスタ250および送信バッファレジスタ240に関して、送信シフトレジスタ250がシリアル転送中でない場合に、送信バッファレジスタ240から送信シフトレジスタ250へのデータの受け渡しを許可し、該受け渡し後に、該データを送信バッファレジスタ240から消去するように回路構成されている。
シリアル管理部280は、受信シフトレジスタ260および受信バッファレジスタ270に関して、受信バッファレジスタ270にデータが記憶されていない場合に、受信シフトレジスタ260から受信バッファレジスタ270へのデータの受け渡しを許可し、演算処理部210が受信バッファレジスタ270からパラレルデータRDaを読み出した後に、受信バッファレジスタ270からデータを消去するように回路構成されている。
なお、シリアルIF部220によるシリアル転送の転送レートは、メインCPU200を動作させるためのクロック信号を分周した信号に基づいて決定される。この転送レートを決定するクロック信号の分周比は、シリアルIF部220が有するレジスタ(図示しない)の値によって設定することができる。
演算処理部210は、送信バッファレジスタ240に対して書き込み信号#WRaを立ち下げることによって、送信バッファレジスタ240へのパラレルデータTDaの書き込みを行い、受信バッファレジスタ270に対して読み出し信号#REaを立ち下げることによって、受信バッファレジスタ270からのパラレルデータRDaの読み出しを行う。
演算処理部210は、シリアルIF部220における種々の状態を示す信号を、シリアル管理部280から受ける。演算処理部210がシリアル管理部280から受ける信号としては、送信バッファレジスタ240がクリアされている際にハイレベルとされる送信バッファ空き信号TEaと、送信シフトレジスタ250がシリアル転送中である際にハイレベルとされるシリアル転送中信号TCaと、受信バッファレジスタ270にデータが記憶されている際にハイレベルとされる受信データ有り信号DFaとがある。
図12に示すように、払出制御基板52は、払出制御基板52における種々の演算処理を行う払出CPU710と、外部とのシリアル通信を行う回路が形成されたシリアルIFチップ720と、外部とのパラレル通信を行う回路が形成されたパラレルIFチップ730とを備える。メイン制御基板50とのコマンドのやり取りは、シリアルIFチップ720を介して行われ、メイン制御基板50とのACK信号のやり取りは、パラレルIFチップ730を介して行われる。
シリアルIFチップ720は、払出CPU710からパラレルデータTDbを受け取り、該データを記憶する送信バッファレジスタ740と、送信バッファレジスタ740に記憶されたデータを受け取り、該データをシリアルデータDbaに変換してメイン制御基板50にシリアル転送する送信シフトレジスタ750と、メイン制御基板50からシリアルデータDabを受け取り、該データを記憶する受信シフトレジスタ760と、受信シフトレジスタ760に記憶されたデータを受け取り、該データを払出CPU710によってパラレルデータRDbとして読み出し可能に記憶する受信バッファレジスタ770と、シリアルIFチップ720における各部の動作状態を管理するシリアル管理部780とを備え、これらを1チップに集積して構成されている。送信バッファレジスタ740および送信シフトレジスタ750,受信シフトレジスタ760,受信バッファレジスタ770は、それぞれ1バイトの記憶容量を有するレジスタである。
シリアル管理部780は、送信シフトレジスタ750および送信バッファレジスタ740に関して、送信シフトレジスタ750がシリアル転送中でない場合に、送信バッファレジスタ740から送信シフトレジスタ750へのデータの受け渡しを許可し、該受け渡し後に、該データを送信バッファレジスタ740から消去するように回路構成されている。
シリアル管理部780は、受信シフトレジスタ760および受信バッファレジスタ770に関して、受信バッファレジスタ770にデータが記憶されていない場合に、受信シフトレジスタ760から受信バッファレジスタ770へのデータの受け渡しを許可し、払出CPU710が受信バッファレジスタ770からパラレルデータRDbを読み出した後に、受信バッファレジスタ770からデータを消去するように回路構成されている。
なお、シリアルIFチップ720がシリアル転送されたコマンドをサンプリングするタイミングは、メイン制御基板50のメインCPU200を動作させるためのクロック信号を分周したサンプリングクロックに基づいて決定される。このサンプリングクロックを決定するクロック信号の分周比は、シリアルIFチップ720が有するレジスタ(図示しない)の値によって設定することができる。
払出CPU710は、送信バッファレジスタ740に対して書き込み信号#WRbを立ち下げることによって、送信バッファレジスタ740へのパラレルデータTDbの書き込みを行い、受信バッファレジスタ770に対して読み出し信号#REbを立ち下げることによって、受信バッファレジスタ770からのパラレルデータRDbの読み出しを行う。
払出CPU710は、シリアルIFチップ720における種々の状態を示す信号を、シリアル管理部780から受ける。払出CPU710がシリアル管理部780から受ける信号としては、送信バッファレジスタ740がクリアされている際にハイレベルとされる送信バッファ空き信号TEbと、送信シフトレジスタ750がシリアル転送中である際にハイレベルとされるシリアル転送中信号TCbと、受信バッファレジスタ770にデータが記憶されている際にハイレベルとされる受信データ有り信号DFbとがある。
(10−1.スロットマシン1の動作)
スロットマシン1の動作のひとつとして、メイン制御基板50と払出制御基板52との間におけるコマンド転送の際の動作について説明する。上記のスロットマシン1は、メイン制御基板50から払出制御基板52へのコマンド転送と、払出制御基板52からメイン制御基板50へのコマンド転送を行うことが可能である。以下の説明では、メイン制御基板50から払出制御基板52へのコマンド転送の際の動作について詳細に説明する。
(10−3.メイン制御基板50のコマンド送信)
払出制御基板52に対してコマンドを送信するメイン制御基板50の動作について説明する。図13は、メイン制御基板50の演算処理部210が実行するコマンド送信処理を示すフローチャートである。メイン制御基板50の演算処理部210は、遊技の進行を制御する処理を実現するために所定の間隔(この例では、4ミリセカンド(以下、msと表記))で定時割り込み処理を繰り返し実行し、この繰り返し実行される定時割り込み処理の一環として、払出制御基板52に対してコマンドを送信する場合に、図13に示したコマンド送信処理を実行する。
演算処理部210は、図13に示したコマンド送信処理を開始すると、払出制御基板52に対するコマンドを生成する(ステップS110’)。この例では、払出制御基板52に対するコマンドは、シリアルIF部220の各レジスタの記憶容量である1バイトよりも大きな2バイトのコマンドである。
コマンドを生成した後(ステップS110’)、「送信バッファ空き信号TEaがハイレベル」かつ「シリアル転送中信号TCaがローレベル」であるか否か、すなわち、「送信バッファレジスタ240にデータが記憶されていない場合」かつ「送信シフトレジスタ250がシリアル転送中でない場合」であるか否かを判断する(ステップS120’)。
「送信バッファ空き信号TEaがハイレベル」かつ「シリアル転送中信号TCaがローレベル」である場合(ステップS120’)には、生成したコマンドの2バイトのうち上位1バイトである1バイト目を、送信バッファレジスタ240に書き込む(ステップS130’)。その後、予め設定された書込待機期間Lwaの待機を行った後(ステップS140’)、生成したコマンドの残りの下位1バイトである2バイト目を、送信バッファレジスタ240に書き込み(ステップS150’)、コマンド送信処理を終了する。
ここで、書込待機期間Lwaは、送信バッファレジスタ240へのコマンドの1バイト目の書き込みから、この1バイト目が送信シフトレジスタ250へと受け渡しされるまでの期間である送信レジスタ引渡期間Lbsよりも長い期間であり、その定時割り込み処理の終了までに2バイト目の書き込み処理(図13のステップS150’)を実行可能な時間を残す期間であり、次の定時割り込み処理の開始まで長引くような期間ではない。また、書込待機期間Lwaは、コマンドの1バイト目のシリアル転送が完了するまでの期間であるシリアル転送期間Lscよりも短い期間であり、定時割り込み処理の間隔である4msよりも短い期間である。この例では、書込待機期間Lwaは、2.5マイクロセカンド(以下、μsと表記)に設定されている。なお、この例のシリアルIF部220のハードウエア仕様による送信レジスタ引渡期間Lbsは、約1.25μsである。また、2バイト目の書き込み処理(図13のステップS150’)に要する演算処理部210の演算処理時間が、シリアルIF部220の送信レジスタ引渡期間Lbs以上である場合には、図13に示したコマンド待機処理のソフトウエアによる待機処理(ステップS140’)は不要である。
図14は、コマンド送信処理が実行される際のメイン制御基板50における各信号の様子を示すタイムチャートである。上述したコマンド送信処理にて、「送信バッファ空き信号TEaがハイレベル」かつ「シリアル転送中信号TCaがローレベル」であると判断されると(図13中のステップS120’)、パラレルデータTDaにコマンドの1バイト目の出力が開始される(タイミングta1)。その後、書き込み信号♯WRaの立ち下がりによって、送信バッファレジスタ240にコマンドの1バイト目が書き込まれる(タイミングta2,図13中のステップS120’)。
送信バッファレジスタ240は、書き込まれたコマンドの1バイト目を送信シフトレジスタ250に引き渡し、この引き渡しが完了するとシリアル管理部280によってクリアされる。送信シフトレジスタ250は、送信バッファレジスタ240から受け取ったコマンドの1バイト目をシリアルデータDabに出力する。シリアル転送中のシリアルデータDabには、スタートビットSTに続いて、コマンドの1ビット目D0から8ビット目D7までの各ビットが続き、最後にストップビットSPが出力される。このように、コマンドの1バイト目のシリアル転送が開始されると、シリアル転送中信号TCaはハイレベルとなる(タイミングta3)。
コマンドの1バイト目の書き込み(タイミングta2,図13中のステップS120’)から、書込待機期間Lwaの待機を経た後(図13中のステップS140’)、コマンドの1バイト目と同様に、送信バッファレジスタ240にコマンドの2バイト目が書き込まれる(タイミングta4,図13中のステップS150’)。
この際の送信シフトレジスタ250は、コマンドの1バイト目をシリアル転送中であり、コマンドの2バイト目を送信バッファレジスタ240から受け取ることができないため、送信バッファレジスタ240は、書き込まれたコマンドの2バイト目を記憶して保持し、送信バッファ空き信号TEaはローレベルとなる(タイミングta4)。
その後、送信シフトレジスタ250によるコマンドの1バイト目のシリアル転送が終了すると、送信バッファレジスタ240は、記憶するコマンドの2バイト目を送信シフトレジスタ250に引き渡し、この引き渡しが完了するとシリアル管理部280によってクリアされ、送信バッファ空き信号TEaはハイレベルとなる(タイミングta5)。
その後、送信シフトレジスタ250は、コマンドの1バイト目と同様に、送信バッファレジスタ240から受け取ったコマンドの2バイト目をシリアルデータDabに出力する(タイミングta6〜ta7)。
以上説明したメイン制御基板50の動作によって、払出制御基板52に対して2バイトのコマンドが送信される。この例のメイン制御基板50は、払出制御基板52に対してコマンドを送信してから所定の期間の間に、払出制御基板52からACK信号の返答がない場合には、コマンドを再送する。
なお、逆に、メイン制御基板50に対してコマンドを送信する払出制御基板52の動作は、演算処理部210に代えて払出CPU710、送信バッファレジスタ240に代えて送信バッファレジスタ740、送信シフトレジスタ250に代えて送信シフトレジスタ750が、それぞれ上述したメイン制御基板50の場合と同様の動作を行うことによって実現される。
なお、この例では、メインCPU200は、4ミリセカンドの間隔で定時割り込み処理を繰り返し実行するのに対し、シリアルIF部220は、1200bps(Bit Per Second)の転送レートでシリアル転送を実行する。したがって、この例では、シリアルIF部220が2バイトのコマンドをシリアル転送する時間は約16.7msとなり、メインCPU200は、その間に定時割り込み処理を約4回繰り返し実行することとなる。このように、メインCPU200は、送信バッファレジスタ240にコマンドを書き込んでしまえば、そのコマンドの払出制御基板52へのシリアル転送をシリアルIF部220に任せることができる。なお、シリアル転送における1200bpsの転送レートは、電気的ノイズに対するコマンド転送の信頼性を確保可能な転送レートであり、また、比較的安価なフォトカプラを用いたアイソレーションによってシリアル転送することが可能な転送レートである。
なお、メイン制御基板50は、シリアル転送中(送信バッファレジスタ240にコマンドが有る状態)に、制御処理を中断することなく、入賞があれば入賞情報を記憶するなど他の制御処理を実行する。パチンコ機の場合、遊技板13へと打ち出される遊技球は、1分間に最大100個までと規制されているため、遊技球の打ち出し間隔は約600msである。したがって、遊技球が入賞口61に連続して入賞したとしても、メイン制御基板50は、遊技球の検出情報を滞りなく処理し、賞球コマンドを払出制御基板52にシリアル転送することができる。
(10−4.払出制御基板52のコマンド受信)
メイン制御基板50からのコマンドを受信する払出制御基板52の動作について説明する。図15は、払出制御基板52の払出CPU710が実行するコマンド受信処理を示すフローチャートである。払出制御基板52の払出CPU710は、遊技球の払い出しを制御する一環としてメイン制御基板50からのコマンドを受信する場合に、図15に示したコマンド受信処理を実行する。
払出CPU710は、コマンド受信処理を開始すると、「受信データ有り信号DFbがハイレベル」であるか否か、すなわち、「受信バッファレジスタ770にデータが記憶されている場合」であるか否かを判断する(ステップS610)。
ここで、コマンド受信処理において「受信データ有り信号DFbがハイレベル」であると判断される場合(ステップS610)には、メイン制御基板50から払出制御基板52に対して送信された2バイトのコマンドのうち、コマンドの1バイト目が受信バッファレジスタ770に記憶された状態である。
「受信データ有り信号DFbがハイレベル」である場合(ステップS610)には、受信バッファレジスタ770に記憶されているコマンドの1バイト目を読み出した後(ステップS620)、再び受信バッファレジスタ770に記憶されているコマンドの1バイト目を読み出す(ステップS625)。その後、1回目に読み出したコマンドの1バイト目と、2回目に読み出したコマンドの1バイト目とを照合して(ステップS630)、両者が一致するか否かを判断する(ステップS635)。
読み出したコマンドの1バイト目が1回目と2回目とで一致する場合には(ステップS635)、バッファクリア信号♯CBbを立ち下げることによって受信バッファレジスタ770に記憶されたコマンドの1バイト目をクリアする(ステップS640)。これによって、受信シフトレジスタ760に記憶されていたコマンドの2バイト目が、受信バッフアレジスタ770に受け渡される。
受信バッファレジスタ770をクリアした後(ステップS640)、受信バッファレジスタ770に記憶されているコマンドの2バイト目を、コマンドの1バイト目と同様に、2回の読み出しの後に照合を行い(ステップS650,S652,S654)、1回目と2回目とが一致する場合には(ステップS656)、受信バッファレジスタ770に記憶されたコマンドの2バイト目をクリアして(ステップS658)、コマンド送信処理を終了する。
一方、読み出したコマンドの1バイト目が1回目と2回目とで一致しない場合(ステップS635)、次回のコマンド受信に備えるために、受信シフトレジスタ760および受信バッファレジスタ770をクリアして(ステップS690)、コマンド送信処理を終了する。
図16は、コマンド受信処理が実行される際の払出制御基板52における各信号の様子を示すタイムチャートである。前述したメイン制御基板50におけるコマンド送信処理によって、シリアルデータDabにコマンドの1バイト目が出力されると(タイミングtb1〜tb2)、受信シフトレジスタ760にコマンドの1バイト目が記憶された後、受信バッファレジスタ770にコマンドの1バイト目が受け渡され、受信データ有り信号DFbはハイレベルとなる。
コマンドの1バイト目に続いて、シリアルデータDabにコマンドの2バイト目が出力されると(タイミングtb1〜tb2)、受信シフトレジスタ760にコマンドの2バイト目が記憶される。この際には、受信バッファレジスタ770からコマンドの1バイト目が読み出されておらず、受信バッファレジスタ770はシリアル管理部780によってクリアされていないため、受信シフトレジスタ760はコマンドの2バイト目の記憶を保持する。
その後、図15に示したコマンド受信処理にて、「受信データ有り信号DFbがハイレベル」であると判断されると(図15中のステップS610)、読み出し信号#REbの立ち下がりによって、受信バッファレジスタ770からパラレルデータRDbにコマンドの1バイト目が出力され、コマンドの1バイト目が、払出CPU710によって受信バッファレジスタ770から読み出される(タイミングtb5〜tb6,図15中のステップS620)。
コマンドの1バイト目の読み出しが完了すると、受信バッファレジスタ770はシリアル管理部780によってクリアされ、受信データ有り信号DFbはローレベルとなる(タイミングtb6)。その後、受信シフトレジスタ760から受信バッファレジスタヘとコマンドの2バイト目が受け渡されると、受信データ有り信号DFbはハイレベルとなる(
タイミングtb7)。その後、コマンドの1バイト目と同様にして、受信バッファレジスタ770からコマンドの2バイト目が読み出される(タイミングtb8〜tb9,図15中のステップS650)。なお、説明の便宜上、図16では、コマンドの1バイト目と2バイト目とのシリアル転送時間のスケールは、払出CPU710の演算処理時間のスケールと比べ縮小されているが、実際には、コマンドの1バイト目と2バイト目とのシリアル転送時間は、払出CPU710の演算処理時間に比べて相当の時間を要する。したがって、図15に示したコマンド受信処理は、払出CPU710が所定の間隔で繰り返し実行する定時割り込み処理の一環として、複数回の定時割り込み処理に分けて実行される処理である。
以上説明した払出制御基板52の動作によって、メイン制御基板50から送信された2バイトのコマンドが受信される。この例の払出制御基板52は、メイン制御基板50からコマンドを受信してから所定の期間の間に、メイン制御基板50に対してACK信号を送信する。
なお、この例では、シリアルIFチップ720のサンプリングタイミングは、転送レート(1200bps)の16倍である19.2キロヘルツ(kHz)に設定されている。この例では、シリアルIFチップ720は、スタートビット,コマンドの各データビット,ストップビットのビット毎に、それぞれ3回のサンプリングを行い、この3回のサンプリングで検出された値を多数決判定することによって、コマンド受信の信頼性の向上を図っている。
なお、逆に、払出制御基板52からのコマンドを受信するメイン制御基板50の動作は、払出CPU710に代えて演算処理部210、受信シフトレジスタ760に代えて受信シフトレジスタ260、受信バッファレジスタ770に代えて受信バッファレジスタ270が、それぞれ上述した払出制御基板52の場合と同様の動作を行うことによって実現される。
以上説明したスロットマシン1によれば、メイン制御基板50のメインCPU200が1回の定時割り込み処理内を行う間に、シリアルIF部220がシリアル転送可能なコマンドを2バイト分、シリアルIF部220の送信バッファレジスタ240,送信シフトレジスタ250に格納することができ、メイン制御基板50のメインCPU200がコマンドのシリアル転送に関わる期間を短縮することができる。その結果、メイン制御基板50における他の制御処理の進行の阻害や、メイン制御基板50で実行される制御プログラムの複雑化を抑制することができる。したがって、コマンドを分割してシリアル転送する場合における円滑な遊技制御を実現することができる。
第1実施形態となるスロットマシンの正面図である。 スロットマシンの構成を概略的に示したブロック図である。 スロットマシンにおける1ゲーム(回胴遊技)の処理手順を示したフローチャートである。 始動処理のフローチャートである。 リール停止処理のフローチャートである。 判定処理のフローチャートである。 払出処理のフローチャート(その1)である。 払出処理のフローチャート(その2)である。 電源投入後において払出制御基板が実行する処理を示したフローチャートである。 第2実施形態となるスロットマシンの構成を概略的に示した図である。 スロットマシンの基礎的な構成を概略的に示した図である。 メイン制御基板および払出制御基板の電気的な構成の詳細を示すブロック図である。 メイン制御基板の演算処理部が実行するコマンド送信処理を示すフローチャートである。 コマンド送信処理が実行される際のメイン制御基板における各信号の様子を示すタイムチャートである。 払出制御基板の払出CPUが実行するコマンド受信処理を示すフローチャートである。 コマンド受信処理が実行される際の払出制御基板における各信号の様子を示すタイムチャートである。
符号の説明
1 スロットマシン
10 リール装置
24 始動レバー
26,28,30 停止ボタン
34 表示部
42 液晶表示器
50 メイン制御基板
52 払出制御基板
64 電源装置

Claims (1)

  1. 1回ごとのゲームを行うために遊技価値の掛け数を決定し、この掛け数を決定した状態で遊技者の始動操作を受け付けると、周方向に図柄列が付された複数の図柄表示体を回転させて図柄の表示を変動させ、この後、遊技者による複数回の停止操作を受け付けると、その受け付け順に前記図柄表示体を停止させ、全ての前記図柄表示体が停止すると、そのときの図柄の組み合わせ態様から入賞の有無を判断し、入賞があった場合は規定数の遊技価値を遊技者に与えて1回ごとのゲームを終了とする遊技機において、
    前記始動操作を契機として抽選を行い、その抽選結果が予め用意された複数種類の当選役のいずれかに該当するか否かを判断する抽選手段と、
    前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記図柄表示体の周方向でみた停止位置を制御することで、当選の場合に前記当選役に対応した図柄の組み合わせ態様が表示されることを許容する図柄表示体制御手段と、
    前記抽選手段による抽選の当選確率の高低度合を複数段階に設定する一方、所定の変更操作を受け付けることで前記設定を変更可能な設定手段と、
    一般的な通常遊技中のゲームで前記抽選手段の抽選結果が特別種類の当選役に該当すると判断された場合、前記特定種類の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたことを条件に遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる特別遊技状態移行手段と、
    前記特別遊技状態のゲーム終了後、所定の移行条件が満たされると別の特典を追加した特典遊技に移行する特典遊技移行手段とを具備したことを特徴とする遊技機。
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