JP2005149769A - Tftアレイ検査方法及びtftアレイ検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】データラインの欠陥や、TFT内部回路不良の欠陥も検出すること。
【解決手段】 TFT基板の各画素の有機ELを電流駆動するための有機EL駆動用TFTを所定の固定状態とし、この所定状態において有機ELを電流駆動するための有機EL駆動用TFTに供給する電源電圧を変化させ、この電源電圧変化時の有機EL用電極の電位を測定することにより欠陥検査を行う。所定の固定状態としては、オン状態、オフ状態、検査時のTFTの電源供給電圧によってオン状態とオフ状態が変化するような中間状態とすることができ、各固定状態において、有機ELを電流駆動するための有機EL駆動用TFTに供給する電源電圧を変化させ、この電源電圧変化時の有機EL用電極の電位を測定することにより欠陥検査を行う。
【選択図】図3
【解決手段】 TFT基板の各画素の有機ELを電流駆動するための有機EL駆動用TFTを所定の固定状態とし、この所定状態において有機ELを電流駆動するための有機EL駆動用TFTに供給する電源電圧を変化させ、この電源電圧変化時の有機EL用電極の電位を測定することにより欠陥検査を行う。所定の固定状態としては、オン状態、オフ状態、検査時のTFTの電源供給電圧によってオン状態とオフ状態が変化するような中間状態とすることができ、各固定状態において、有機ELを電流駆動するための有機EL駆動用TFTに供給する電源電圧を変化させ、この電源電圧変化時の有機EL用電極の電位を測定することにより欠陥検査を行う。
【選択図】図3
Description
本発明は液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどに使われるTFTアレイ基板の検査に使用するTFTアレイ検査装置に関し、特に、電流駆動される有機ELに用いるTFTアレイの検査に好適な検査方法及び検査装置に関する。
TFTアレイ検査装置として電子線方式や光学方式が知られている。この従来のTFTアレイ検査装置では、電子線や光をTFT基板に照射することにより得られるTFT基板の電位状態を測定し、TFT基板の異常電位のピクセルを検出することによってTFTアレイの欠陥を検出する。電子線を用いたTFTアレイ検査装置としては、例えば特許文献1,2があり、光を用いたTFTアレイ検査装置としては、例えば特許文献3,4がある。
図11は、従来のアクティブマトリックス方式液晶用TFTアレイの駆動回路の構成例である。図11の構成例は、ITO電極からなる液晶用電極100と駆動回路101を備え、駆動回路101は出力用FET102及び保持コンデンサ103から構成されている。出力用FET102のソース,ゲートは、それぞれデータライン121,スキャン信号ライン122に接続され、ドレインは保持コンデンサ103に接続されている。液晶用電極100には保持コンデンサ103に保持される電圧が印加される。
この液晶用TFTアレイの入力信号として、データ信号とスキャン信号の2つがある。なお、ここでスキャン信号はTFTアレイのスキャン信号ライン122上の信号であり、各ピクセル内の出力用FET102(MOSFET)のゲート電極はQ0ゲートと記述する。
出力用FET102のQ0ゲートがpチャンネルMOSFETの場合には、Q0ゲートにLレベルのパルスが印加されると、データライン121からのデータ信号は保持コンデンサ103に保持され,その電圧が液晶用電極100(例えば、ITO電極)に印加されることになる。
例えば、あるTFTピクセルに欠陥があると、このピクセルの液晶用電極にこのデータ信号が正確に印加できなくなる。すなわち、欠陥画素の液晶用電極には意図した電圧とは異なる電圧が印加されていることになる。また同様に、スキャン信号ライン122やデータライン121に欠陥があっても欠陥として検出される。
液晶用TFTアレイ検査では、図12に示すような電圧パターンのスキャン信号(図12(a))とデータ信号(図12(b))を印加して、そのときの液晶用電極の電位を測定し、異常電位を示す液晶用電極を検出して欠陥検査を行う。
従来はこのように、このデータラインにある電圧を印加して、液晶用電極の電位の異常値を測定することによって欠陥の検出を行っている。
しかし、TFTアレイが有機EL用アレイの場合には、前記した液晶用TFTアレイの場合とは異なる。液晶用TFTアレイは、図13に示すように、液晶に一定電圧を印加する電圧駆動型であるのに対して、有機EL用アレイの場合は電流駆動型であり、駆動状態が異なる。この有機EL用アレイを駆動する有機EL用駆動回路として、電流プログラム方式、電圧プログラム方式、時分割方式、インバータ方式などの駆動方式があることが知られている(非特許文献1)
特開2000−3142号公報
特開平11−265678号公報
特許第3199481号
特許第3275103号
NIKKEI MICRODEVICE JULY 2003 7月1日号 p111-p118 日経BP社
図14は、有機EL用駆動回路の構成例である。有機EL用駆動回路には、この構成例を改良した電流プログラム方式、電圧プログラム方式、時分割方式、インバータ方式などの駆動方式があるが、図14の構成例はこれらの代表例として示している。
なお、図14の構成では、TFTアレイには有機EL駆動用TFTの電源ラインの他に、スキャン信号ライン、データラインの2種類の信号・制御ラインが存在する。他の駆動方式では、これらの信号・制御ラインの動作及び本数は異なるものの、輝度信号のデータラインと、各TFTセルのタイミングを制御するスキャン信号ラインの構成については同様である。
有機EL用駆動回路11は、液晶用TFTアレイ用の駆動回路と同様に、スキャン信号ライン22からスキャン信号のパルスが印加された時に、データラインの電圧に応じた電圧が有機EL駆動用TFT12(Q0)を制御する回路13の中で保持され、それに応じた電圧が有機EL駆動用TFT12のゲート電極12aに印加される。なお、データ信号と、Q0に印加されるデータと、Q0に保持される電圧とは一致しない場合もある。
有機ELは電流駆動素子(流した電流量によって発光を制御)であり、検査は有機ELを成膜する前に行う。完成した有機ELディスプレイでは、このゲート電極12aの電圧により有機EL素子14に流す電流を制御することになる。しかし、検査は有機EL層を形成する前に行うため、有機EL用駆動回路として未完成な状態であり、有機EL駆動用TFT12に電流を流すことはできない。なお、液晶用TFTアレイでも液晶を作製する工程の前に検査するが、液晶用TFTアレイの場合には液晶を実装の有無にかかわらず電気的な動作は変わらない。
一般的には、有機EL駆動用TFTアレイでは、図14に示すように、データライン21,スキャン信号ライン22,電源ライン23(Vddライン)の3つの入力ラインを備え、有機EL駆動用TFT12(Q0)によって有機EL用電極10(例えば、ITO電極)に流す電流を制御する構成となる。なお、有機EL駆動用TFT12はFETにより構成することができる。この構成のもっとも単純な回路構成を図15に示す。以下、この図15を例にして有機EL駆動用TFT回路の動作を説明する。
データライン21はQ0の制御回路13のソース(またはドレイン)に接続されており、スキャン信号ライン22上のスキャン信号のパルスが印加された瞬間に、そのときのデータ信号電圧が保持コンデンサ13bに保持される。この保持コンデンサ13bは有機EL駆動用TFT12のゲート電極12aに接続されている。有機EL形成された完成回路では、有機EL駆動用TFT12に流れる電流はこの保持コンデンサ13bの電圧で制御される。しかし、検査時点では、有機EL素子14は形成されていない。このため、有機EL用電極10はオープン状態になっている。この状況では、有機EL駆動用TFT12がオン状態では、有機EL用電極10には無条件に電源ライン23の電圧Vddと等しい電圧が印加される。
また、有機EL駆動用TFT12がオフ状態であっても、有機EL駆動用TFT12のソース・ドレイン間のわずかなリーク電流のため、有機EL用電極10の電位は最終的にはデータ信号電圧にかかわらず電源ラインの電圧Vddに等しくなってしまう。
このため、例えば、制御回路13のFET13aが動作不良であったり、またデータ信号が正常に印加されていなかった場合でも、その動作不良状態が有機EL用電極10の電位に反映されにくい。なお、この状態では、有機EL用電極の電位に差が現れなくても、有機EL層形成後は、電流の流れ方に差が出るので欠陥となる。
このように、従来の液晶用検査で行ってきたようにデータラインとスキャン信号ラインにパルスを印加するだけの方法で、有機EL駆動用TFTアレイを検査した場合、ピクセル内TFT回路の不良やデータラインの欠陥については検出できなかった。
なお、上記した問題は、電流プログラム方式、電圧プログラム方式、時分割方式、インバータ方式などの駆動方式においても同様に存在する。
そこで、本発明は、有機EL駆動用TFTアレイにおいて、データラインの欠陥や、TFT内部回路不良の欠陥も検出することを目的とする。
有機EL駆動用TFTのゲートをオン状態、またはオフ状態、またはその中間状態の電位に固定し、電源電圧Vddを変化させてそのときの有機EL用電極の電位を測定する。ここで中間状態の電位とは、印加した電源電圧Vddによって、有機EL駆動用TFTがオン状態とオフ状態の間で変化するようなゲート電位を示すものである。
有機EL駆動用TFTがオン状態で、電源電圧Vddを変化させた場合、正常ピクセルでは有機EL用電極の電位はVdd電圧と同じ変化をする。これに対して、有機EL駆動用TFTが常時オフ欠陥ピクセル(データラインの電圧にかかわらず、有機EL駆動用TFTがオン状態にならない欠陥)や、電源ラインが断線した欠陥ピクセルでは、有機EL用電極の電位は、電源電圧Vddと同じ変化をしない。このような欠陥画素でも、電源ラインと有機EL用電極との間に存在する寄生容量による結合が存在するため、有機EL用電極の電位は電源電圧Vddの電圧変化に伴って若干変化する。
また、有機EL駆動用TFTをオフ状態で、電源電圧Vddを変化させた場合、正常ピクセルでの電位変化は小さい。しかし、常時オン欠陥ピクセル(データラインの電圧にかかわらず、有機EL駆動用TFTがオフにならない欠陥)では、有機EL用電極の電位は電源電圧Vddの電圧変化と同じ変化を示す。
また、有機EL駆動用TFTのゲート電位を中間電位にした場合、上記したオン状態あるいはオフ状態で電源電圧Vddを変化させた場合と同様な作用により、欠陥ピクセルと正常ピクセルで有機EL用電極の電位は異なることになる。
そこで、本発明のTFTアレイ検査方法では、TFT基板の各画素の有機ELを電流駆動するための有機EL駆動用TFTを所定の固定状態とし、この所定状態において有機ELを電流駆動するための有機EL駆動用TFTに供給する電源電圧を変化させ、この電源電圧変化時の有機EL用電極の電位を測定することにより欠陥検査を行う。
所定の固定状態としては、オン状態、オフ状態、検査時のTFTの電源供給電圧によってオン状態とオフ状態が変化するような中間状態とすることができ、各固定状態において、有機ELを電流駆動するための有機EL駆動用TFTに供給する電源電圧を変化させ、この電源電圧変化時の有機EL用電極の電位を測定することにより欠陥検査を行う。また、上記オン状態、オフ状態、及び中間状態による欠陥検査を組み合わせることもできる。
また、本発明のTFTアレイ検査装置は、有機EL用電極と、当該TFT基板の駆動回路と、電源ラインを含む配線とを備える有機EL駆動用TFTのアレイ検査を行う検査装置であり、有機EL用電極の電位を測定する電圧測定手段と、測定電圧を用いて欠陥解析を行う解析手段と、有機EL駆動用TFTを所定状態に設定するために配線に供給する信号を形成する信号形成手段と、電源ラインに供給する電圧を変化させる電源電圧変更手段とを備えた構成とし、有機EL用電極の電圧を測定して欠陥検査を行う。
有機EL駆動用TFTアレイにおいて、TFT基板の各画素の有機ELを電流駆動するための有機EL駆動用TFTを所定の固定状態とし、この所定状態において有機ELを電流駆動するための有機EL駆動用TFTに供給する電源電圧を変化させ、この電源電圧変化時の有機EL用電極の電位を測定することによりデータラインの欠陥や、TFT内部回路不良の欠陥も検出することができる。
以下、図を用いて発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、有機EL駆動用TFTアレイにおけるピクセルの平面図の例を示している。この例では、TFTはpチャンネルMOSFETを使用した例について記述するが、nチャンネルMOSFETやCMOSなど他のタイプのものであってもかまわない。
各ピクセルは有機EL用電極10と駆動回路11を備え、その周囲にデータライン21や電源ライン23やスキャン信号ライン22等の配線パターン20が配線されている。
有機EL駆動用TFTアレイにおいて、有機ELを駆動する有機EL駆動用TFT回路の一般的な回路構成は前記図15に示され、データライン21,スキャン信号ライン22,電源ライン23(Vddライン)の3つの入力ラインを備え、有機EL駆動用TFT12(Q0)によって有機EL用電極10(例えば、ITO電極)に流す電流を制御する
データライン21は有機EL駆動用TFT12の制御回路13のソース(またはドレイン)に接続されており、スキャン信号ライン22上のスキャン信号のパルスが印加された瞬間に、そのときのデータ信号電圧が保持コンデンサ13bに保持される。この保持コンデンサ13bは有機EL駆動用TFT12のゲート電極12aに接続されている。有機ELが形成された完成回路では、有機EL駆動用TFT12に流れる電流はこの保持コンデンサ13bの電圧で制御される。しかし、検査時点では、有機EL素子14は実装されていない。このため、有機EL用電極10はオープン状態になっている。
この状況では、有機EL駆動用TFT12がオン状態では、有機EL用電極10には無条件に電源ライン23の電圧Vddと等しい電圧が印加される。また、有機EL駆動用TFT12がオフ状態では、有機EL用電極10には寄生容量を介して電源ライン23と結合し、電源電圧Vddよりも小さな電圧となる。
ここでは、有機EL駆動用TFT12を図2に示すような特性の、p-chエンハンスメントタイプMOSFETを使用した時の例について説明する。有機EL駆動用TFT12は、ソース電圧に対するQ0ゲート電圧がある閾値電圧VTより低くなると、電流が流れるオン状態になり、それよりも高い電圧ではオフ状態となる。なお、TFTアレイの各画素の回路は図15を例として説明するが、回路構成としてはこの構成に限らない。
まず、有機EL駆動用TFT12がオン状態に固定されている場合の検査について説明する。
有機EL駆動用TFT12をオン状態にするには、有機EL駆動用TFT12のソース・ゲート間電圧を閾値電圧VTよりも低くなるように設定する必要がある。例えば、図15の回路では、有機EL駆動用TFT12のゲート電圧はデータライン21によって供給されるため、有機EL駆動用TFT12をオンにするためには、データライン21にVdd+VTよりも低い電圧を印加する。
図3は有機EL駆動用TFTがオン状態における正常状態と欠陥状態の回路状態を模式的に示し、図4にデータライン、スキャンライン、電源ライン(Vdd)の電圧印加パターンと、そのときの正常および欠陥画素にかかる電位を示している。
有機EL駆動用TFT12のゲート電圧VGateは、有機EL駆動用TFT12が電源電圧Vddの変化にかかわらず常時オンとなるように、VL+VTより低い電圧に設定される。ここで、VLは電源電圧Vddを変化させるときのLレベルの電圧である。ただし、図4の例ではVTは負の値となっており、この場合にはゲート電圧VGateはVLよりも低い電圧になる。
データライン21に、このVL+VTよりも低い電圧Vdataを印加させた状態でスキャンライン22にパルス電圧が印加されると、有機EL駆動用TFT12のゲートにはこのデータライン21の電圧がラッチされることになり、有機EL駆動用TFT12は常時オン状態となる。このとき、電源ライン23の電圧Vddに図4(d)のようにHレベルとLレベルのパルスを印加すると、正常画素では有機EL駆動用TFT12はオン状態(図3(a)に示す)であるので図4(e)のように有機EL用電極10の電位VELは電源電圧Vddと同じ電位になる。
一方、有機EL駆動用TFT12がオンにならないような欠陥画素の場合では、有機EL駆動用TFT12はオフ状態(図3(b)に示す)となるので、図4(f)のように有機EL用電極10の電位の変化は正常画素よりも小さなものになる。有機EL駆動用TFT12がオフ状態でも、有機EL用電極10の画素と電源ライン23との間に寄生容量が存在する場合には、この図4(f)のようにEL用電極10の電位はやや変化することになる。
したがって、有機EL用電極10の電位を測定する方法を用いると、オン状態においては有機EL駆動用TFT12をオンできない欠陥に対しては有機EL用電極10の電位が正常画素と異なるため、電子線方式や光学方式のTFTアレイ検査装置を用いてこの有機EL用電極の電位を測定することにより欠陥を検出することが可能になる。
有機EL駆動用TFT12をオンできない欠陥としては、例えば、有機EL駆動用TFTのFETのソースラインの断線や、データラインがHレベルのDCラインと短絡している場合などがある。
次に、有機EL駆動用TFTをオフ状態に固定されている場合の欠陥検査について説明する。
有機EL駆動用TFT12をオフ状態にするには、有機EL駆動用TFT12のソース・ゲート間電圧を閾値電圧VTよりも高くなるように設定する必要がある。電源ラインの電源電圧Vddにかかわらず有機EL駆動用TFT12を常時オフ状態にしておくには、有機EL駆動用TFT12のゲート電圧VGateをVH+VTよりも高くしておく必要がある。例えば、図15の回路の場合には、有機EL駆動用TFT12を常時オフ状態にするためには、データライン21にはVH+VTよりも高い電圧Vdataを印加し、スキャンライン22にパルスを印加して、有機EL駆動用TFT12のゲートにこの電圧が印加するようにすれば良い。
図5は有機EL駆動用TFTがオフ状態における正常状態と欠陥状態の回路状態を模式的に示し、図6にデータライン、スキャンライン、電源ライン(Vdd)の電圧印加パターンと、そのときの正常および欠陥画素にかかる電位を示している。
有機EL駆動用TFT12のゲート電圧VGateは、有機EL駆動用TFT12が電源電圧Vddの変化にかかわらず常時オフとなるように、VH+VTより高い電圧に設定される。ここで、VHは電源電圧Vddを変化させるときのHレベルの電圧である。
データライン21に、このVH+VTよりも高い電圧Vdataを印加させた状態では、スキャンライン22にパルス電圧が印加しても有機EL駆動用TFT12のゲートにはこのデータライン21の電圧がラッチされず、有機EL駆動用TFT12は常時オフ状態となる。
この状態で、図6(d)のようにVdd電圧をVHとVLで変化させると、正常画素では有機EL駆動用TFT12がオフ状態であるが、電源ライン21と有機EL用電極10間の寄生容量による結合によって有機EL用電極10の電位は、VHやVLよりも小さな電位変化を示す(図6(e))。
一方、例えば、有機EL駆動用TFT12をオフ状態とすることができない欠陥では、有機EL用電極10の電位は図6(f)のように、正常画素に比べて大きく変化することになる。
したがって、有機EL用電極10の電位を測定する方法を用いると、オフ状態においては有機EL駆動用TFT12をオフできない欠陥に対しては有機EL用電極10の電位が正常画素と異なるため、電子線方式や光学方式のTFTアレイ検査装置を用いてこの有機EL用電極の電位を測定することにより欠陥を検出することが可能になる。
有機EL駆動用TFTをオフできないような欠陥としては、有機EL駆動用TFTのソース・ドレインが短絡した欠陥や、データラインがグラウンドレベルに短絡したような欠陥などがある。
次に、有機EL駆動用TFTがオン状態とオフ状態の中間状態にある場合での検査について説明する。ここで、有機EL駆動用TFTが中間状態とは、電源電圧Vddの電圧値によって有機EL駆動用TFTがオン状態にもオフ状態にもなり得る状態のことを示す。すなわち、有機EL駆動用TFTのゲート電圧VGateがVL+VT<VGate<VH+VTの場合に相当する。この場合の動作説明図を図7,図8に示す。
この場合には、電源電圧VddがVHの時には有機EL駆動用TFTはオンになるため、正常画素での有機EL用電極10の電位はVHに等しくなる(図7(a))。
一方、電源電圧VddがVLの時には有機EL駆動用TFTはオフ状態になる(図7(b))。このとき、有機EL駆動用TFT12は、電源電圧Vddが(VGate+VT)でオフ状態になるため、有機EL用電極10の電位は有機EL駆動用TFT12がオフ状態では、この(VGate+VT)の電圧になる。したがって、正常画素の有機EL用電極10の電位は図8(e)のような波形になる。
このような有機EL駆動用TFTへの電圧印加条件の時に、欠陥画素の有機EL用電極での電位がどのようになるかについて説明する。
常時オフ欠陥では(図7(c))、電源電圧VddがVHになっても有機EL駆動用TFTはオン状態にならないため、電源電圧VddがVLとVHの間での変化に対して、有機EL用電極の電位変化は小さいものになる。この場合の有機EL用電極の電圧は、周辺電極との寄生容量やリーク電流などで決まる電圧になる。
一方、常時オン欠陥では(図7(d))、電源電圧VddがVLの時にも有機EL駆動用TFTはオフ状態にならないので、図8(g)のように電源電圧VddがVLの時の有機EI用電極の電位は正常画素と異なることになる。
したがって、有機EL駆動用TFTをオン状態とオフ状態との中間状態にしたときには、常時オン欠陥や常時オフ欠陥の両方について、有機EL用電極の電位について正常画素と差をつけることが可能になる。この電位状態の差を、電子線方式や光学方式のTFTアレイ検査装置で計測すると、欠陥検査を行うことができる。
上記オン状態、オフ状態、及び中間状態の各状態における正常時と欠陥時の電位状態を表に表すと以下のようになる。
なお、以上の説明は常時オン欠陥と常時オフ欠陥についてのみ行ったが、その他の種類の欠陥についても、本発明の検査方法によってEL用電極電位に差が得られれば検査が可能であることはいうまでもない。
また、このオン状態、オフ状態、及び中間状態の3つの方法は単独で行っても良いし、組み合わせて行うこともできる。
また、この他の電圧印加方法と組み合わせて使っても良い。
なお、有機EL用駆動回路は、ここで示した回路例のほかにも電流プログラム方式、電圧プログラム方式、時分割方式、インバータ方式などの駆動方式があるが、いずれも有機EL駆動用TFTのオン/オフ状態と、有機EL用電源ラインをコントロールすることにより、ここで示した回路例と同様の検査を行うことができる。
図9は、本発明のTFTアレイ検査装置の一構成例を説明するための図である。TFTアレイ検査装置1は、検査対象であるTFT基板2に電子線や光等の測定用プローブを照射する測定用プローブ源6と、TFT基板2の電位等を検出する検出器7と、検出値からTFT基板の電位等を測定する電圧測定手段8と、検査制御手段3とを備える。検査制御手段3は、TFT基板2にデータラインやスキャナラインに検査信号を印加する検査信号形成手段4、電源電圧ラインに印加する電源電圧を変更する電源電圧変更手段5、及び測定電圧に基づいて欠陥検査を行う解析手段5を制御する。
TFT基板2は、有機EL用電極と、TFT基板の駆動回路と、電源ラインを含む配線とを備える有機EL駆動用TFTがアレイに配列され、検査信号形成手段4は、データラインやスキャン信号ラインの配線に欠陥検査項目に応じた所定パターンの検査信号を印加し、有機EL駆動用TFTをオン状態、オフ状態、あるいはその中間状態に設定し固定する。また、有機EL駆動用TFTを上記状態に固定した状態において、検査信号形成手段4は電源電圧変更手段4を制御し、電源ラインに印加する電圧を変更する。
検出器7はTFT基板2の各有機EL電極の電位を検出し、電圧測定手段8は検出値に基づいて各有機EL電極の電位を測定する。解析手段9は、測定した有機EL電極の電圧を、欠陥検査項目に応じて予め設定されている電圧と比較することにより、TFTアレイの欠陥を検査する。
本発明によるTFTアレイ検査は、駆動方式による有機EL用駆動回路に対しても適用することができる。図10は、本発明のTFTアレイ検査の他の駆動方式への適用を説明するための図である。
図10(a)は電流プログラム方式による有機EL用駆動回路の一概略例である。図13(a)において、T1,T3,T4のFETによる有機EL駆動用TFT(T2)のオン/オフ状態と電源ラインとを制御することにより有機EL用電極10に電圧を発生させ、有機EL用電極10の電位を測定することにより有機TFTアレイを検査することができる。
図10(b)は電圧プログラム方式による有機EL用駆動回路の一概略例である。図10(b)において、T1,T3のFETによる有機EL駆動用TFT(T2,T4等)のオン/オフ状態と電源ライン(Vdd)とを制御することにより有機EL用電極10に電圧を発生させ、有機EL用電極10の電位を測定することにより有機TFTアレイを検査することができる。
図10(c)は時分割方式による有機EL用駆動回路の一概略例である。図10(c)において、有機EL駆動用TFT(T1,T2)のオン/オフ状態と有機EL電圧供給ラインとを制御することにより有機EL用電極10に電圧を発生させ、有機EL用電極10の電位を測定することにより有機TFTアレイを検査することができる。
本発明のTFTアレイ検査によれば、電流駆動される有機TFTにおいて、欠陥画素と正常画素で異なる有機EL用電極の電位の違いを用いることにより、TFTアレイの欠陥を検出できる。
電流プログラム方式、電圧プログラム方式、時分割方式、インバータ方式などの各駆動方式による有機EL駆動用TFTアレイに適用することができる。
1…TFTアレイ検査装置、2…TFTアレイ、3…検査制御装置、4…検査駆動回路、5…電源電圧変更手段、6…検査用プローブ源、7…検出器、8…電圧測定手段、9…解析手段、10…有機EL用電極、11…駆動回路、12…有機EL駆動用TFT、12a…ゲート電極、13…制御回路、13a…FET、13b…保持コンデンサ、14…有機EL素子、20…配線、21…データライン、22…スキャン信号ライン、23…電源ライン、30…寄生容量、100…液晶用電極、101…駆動回路、102…出力用FET、103…保持コンデンサ、121…データライン、122…スキャン信号ライン、123…電源ライン。
Claims (6)
- 有機EL駆動用TFTのアレイ検査を行う検査方法であって、
TFT基板の各画素の有機ELを電流駆動するための有機EL駆動用TFTを所定の固定状態とし、
当該所定状態において、前記有機ELを電流駆動するための有機EL駆動用TFTに供給する電源電圧を変化させ、
当該電源電圧変化時の有機EL用電極の電位を測定することにより欠陥検査を行うことを特徴とするTFTアレイ検査方法。 - 有機EL駆動用TFTのアレイ検査を行う検査方法であって、
TFT基板の各画素の有機ELを電流駆動するための有機EL駆動用TFTをオン状態に固定し、
当該オン状態において、前記有機ELを電流駆動するための有機EL駆動用TFTに供給する電源電圧を変化させ、
当該電源電圧変化時の有機EL用電極の電位を測定することにより欠陥検査を行うことを特徴とするTFTアレイ検査方法。 - 有機EL駆動用TFTのアレイ検査を行う検査方法であって、
TFT基板の各画素の有機ELを電流駆動するための有機EL駆動用TFTをオフ状態に固定し、
当該オフ状態において、当該有機ELを電流駆動するための有機EL駆動用TFTに供給する電源電圧を変化させ、
当該電源電圧変化時の有機EL用電極の電位を測定することにより欠陥検査を行うことを特徴とするTFTアレイ検査方法。 - 有機EL駆動用TFTのアレイ検査を行う検査方法であって、
TFT基板の各画素の有機ELを電流駆動するための有機EL駆動用TFTを、検査時の有機EL駆動用TFTの電源供給電圧によってオン状態とオフ状態が変化するような中間状態に固定し、
当該中間状態において、前記有機ELを電流駆動するための有機EL駆動用TFTに供給する電源電圧を変化させ、
当該電源電圧変化時の有機EL用電極の電位を測定することにより欠陥検査を行うことを特徴とするTFTアレイ検査方法。 - 有機EL駆動用TFTのアレイ検査を行う検査方法であって、
TFT基板の各画素の有機ELを電流駆動するための有機EL駆動用TFTを、オン状態、オフ状態、検査時の有機EL駆動用TFTの電源供給電圧によってオン状態とオフ状態が変化するような中間状態の内の少なくとも何れか2つ状態を用い、
当該各所定状態に固定した状態おいて、前記有機ELを電流駆動するための有機EL駆動用TFTに供給する電源電圧を変化させ、
当該各所定状態における電源電圧変化時の有機EL用電極の電位を測定することにより欠陥検査を行うことを特徴とするTFTアレイ検査方法。 - 有機EL用電極と、当該TFT基板の駆動回路と、電源ラインを含む配線とを備える有機EL駆動用TFTのアレイ検査を行う検査装置であって、
前記有機EL用電極の電位を測定する電圧測定手段と、
前記測定電圧を用いて欠陥解析を行う解析手段と、
前記有機EL駆動用TFTを所定状態に設定するために前記配線に供給する信号を形成する信号形成手段と、
前記電源ラインに供給する電圧を変化させる電源電圧変更手段とを備え、
前記有機EL用電極の電位を測定して欠陥検査を行うことを特徴とする、TFTアレイ検査装置。
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2003
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