JP2005147706A - 皮膜剥離検査装置及び皮膜剥離検査方法 - Google Patents

皮膜剥離検査装置及び皮膜剥離検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】剥離損傷の検出限界寸法が小さく、短時間で検査ができる皮膜剥離検査装置を提供すること。
【解決手段】加熱により生じる剥離部と健全部との温度差が緩和する前に赤外線画像を撮影するために、加熱終了直後に赤外線画像を撮影する。
検査対象物であるロール101は回転しており、ロール101の表面の所望の箇所を加熱する赤外線加熱装置102と、加熱直後に該箇所を撮影する赤外線カメラ103とが設けられる。赤外線加熱装置102によって加熱された箇所は、ロール101の回転によって赤外線カメラ103の撮影可能な場所に移動し、該箇所の赤外線画像が撮影される。ロール101を回転させることによって、加熱と赤外線画像の撮影を連続的に行うことができ、短時間で皮膜剥離検査をすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、母材表層部の皮膜の剥離を検出する皮膜剥離検査装置及び皮膜剥離検査方法に関する。
金属製の母材を保護し、その耐腐食性を向上させるために、セラミック等の皮膜で母材にコーティングを施す技術が知られている。しかし、母材をコーティングする際あるいは経年変化によって、母材と皮膜との剥離が発生すると、耐腐食性は著しく低下する。このような背景から、皮膜の剥離検知に関しては、従来から種々の方法が提案されている。
特許文献1には、セラミック溶射皮膜の劣化損傷を非破壊的に検査する方法として、超音波伝播法が開示されている。超音波伝播法は、セラミック皮膜に超音波探触子を密着させ、直接弾性波を伝播させ、伝播の強弱によってセラミック皮膜内部の剥離損傷形態を把握する方法である。超音波伝播法で検出できる剥離損傷の限界寸法は約0.5mmである。
特許文献1の方法によると、超音波探触子で被検査体表面を走査する必要があり、剥離損傷の検出に長時間を要する。また、超音波伝播法を行う場合、一般に、超音波探触子と計測対象であるセラミック皮膜とを密着させるために、カップリング剤を皮膜に塗布する。ところが、セラミック溶射膜にカップリング剤が浸透すると、膜の劣化が生じるという問題がある。
特許文献2には、セラミック溶射皮膜の劣化損傷を非破壊的に検査する別の方法として、赤外線サーモグラフィ法が開示されている。赤外線サーモグラフィ法は、セラミック皮膜の剥離損傷部分で生じる伝熱抵抗をセラミック層側表面で温度差として捉え、セラミック皮膜内部の剥離損傷形態を把握する方法である。この方法では、セラミック層側表面に現れる温度差は熱遮へいコーティングの剥離損傷部分の面積及び剥離面間距離に大きく影響を受けるため、検出できる剥離損傷の限界寸法は大きく、1〜2mm以上である。
特許文献3には、セラミック溶射皮膜の劣化損傷を非破壊的に検査する更に別の方法として、超音波伝播法と赤外線サーモグラフィ法とを併用する方法が開示されている。この方法では、まず、赤外線サーモグラフィ法を用いて剥離損傷を検査し、被検査領域を、剥離損傷の存在を明確に把握できる領域、剥離損傷の有無を明確に判断できない領域、剥離損傷のない領域の3領域に分ける。その結果を、被検査体の位置計測センサによる検出位置情報とともに被検査体寿命評価システムに伝達する。上記の3領域のうち、剥離損傷の存在を明確に把握できる領域以外の領域に対して超音波探触子を所定の位置に移動させて超音波伝播法による検査を行う。超音波伝播法により捉えた剥離損傷状況は、超音波探傷器用信号処理部を経て被検査体寿命評価システムに伝達する。被検査体寿命評価システムには被検査部に作用する実働応力分布が入力されており、送られてくる情報とこの実働応力分布から被検査部におけるセラミック皮膜の剥離損傷の安全性/危険性が判断される。
上記の方法によれば、剥離損傷を精度よく比較的短い時間で検査することができる。しかしながら上記の方法は、赤外線サーモグラフィ法と超音波伝播法との両方を行う必要があり、検査工程数が増えるとともに検査装置構成が複雑になる。
そこで、剥離損傷の検出限界寸法が小さく、かつ検査工程が少なくより短時間で検査ができる皮膜剥離検査装置が従来より望まれていた。
特開2001−194348号公報 特開昭62−126338号公報 特開2000−206100号公報
本発明は、赤外線サーモグラフィ法を改良して1mm以下の剥離を検出可能な皮膜剥離検査装置及び皮膜剥離検査方法を提供することを目的とする。
更には、検査に要する時間が短い皮膜剥離検査装置及び皮膜剥離検査方法を提供することを目的とする。
先述した課題を解決する第1の発明は、母材に皮膜が設けられた検査対象物の所望の箇所を加熱する加熱装置と、前記箇所の赤外線画像を、前記加熱装置による加熱直後に撮影するように設けられた赤外線カメラとを備えたことを特徴とする皮膜剥離検査装置である。
第1の発明の皮膜剥離検査装置は、表面に皮膜が設けられた検査対象物表面の加熱直後の赤外線画像を撮影し、加熱によって生じる剥離損傷のない健全部と剥離損傷部との間の温度差が緩和する前の赤外線画像を撮影するものである。
表面に皮膜が設けられた検査対象物の表面を加熱した場合、剥離損傷が生じていない健全部では熱は皮膜を経て母材へと伝えられる。このとき、皮膜が母材から剥離している剥離部では、母材と皮膜との間に空気が存在しているため熱が母材に伝わりにくく、皮膜に熱が蓄積され高温となる。これに対し、健全部では皮膜が母材に密に接しているため、皮膜と母材との間の熱伝導がスムーズに行われるので高温にならない。この結果、剥離部と健全部とでは熱伝導特性が異なってくる。従来の赤外線サーモグラフィ法は、この温度差や温度の経時変化を検出することで皮膜の剥離損傷を検出するが、皮膜の厚さが小さい場合、剥離部の熱容量は極めて小さく、温度差は時間経過とともに急速になくなり、剥離部と健全部との境界が判別できなくなる。剥離損傷の寸法が小さいほど、急速に剥離部と健全部との境界が判別できなくなる。それに対し本発明は、加熱直後すなわち加熱によって生じる剥離部と健全部との間に生じる温度差が緩和する前に赤外線画像を撮影する。温度差が緩和する時間は皮膜の膜厚に依存するが、皮膜の膜厚が数10μm〜3mmである場合、加熱終了から5秒以内に赤外線画像を撮影することが望ましい。本発明によれば剥離部と健全部との境界が明らかな赤外線画像を撮影でき、小さい剥離損傷、例えば直径1mmの剥離損傷をも検知することができる。前記所望の箇所の加熱終了後速やかに前記所望の箇所の赤外線画像を撮影するために、前記加熱装置と前記赤外線カメラとを一の筐体に収めることや一の架台に載置することが好適である。
第2の発明は、先述した第1の発明の皮膜剥離検査装置において、更に前記赤外線カメラと前記検査対象物とを相対的に移動させる移動手段を備えることを特徴とする。前記移動手段は、前記赤外線カメラと前記検査対象物とを相対的に移動させて、加熱された前記所望の箇所を前記赤外線カメラにより撮影可能な位置に移動させる。この相対的な移動により、加熱された前記所望の箇所を速やかに前記赤外線カメラの撮影可能な位置まで移動させることができる。また、前記加熱装置から前記所望の箇所に照射される熱が瞬時に遮られ、前記加熱装置が発する熱の影響が排除される。前記移動手段は前記検査対象物と前記赤外線カメラとを相対的に移動する手段であるので、前記検査対象物のみあるいは前記赤外線カメラのみだけではなく前記検査対象物と前記赤外線カメラとの両方が移動してもよい。
第2の発明において、前記加熱装置と前記赤外線カメラとが近接して設けられていると皮膜剥離検査を連続して行うことができる。前記赤外線カメラが前記所望の箇所の赤外線画像を撮影しているとき、前記加熱装置は前記検査対象物の他の箇所を加熱する。前記移動手段が前記検査対象物と前記赤外線カメラとを相対的に移動させて該他の箇所が前記赤外線カメラの撮影可能な位置に移動すると、前記加熱装置は更に別の箇所を加熱する。このように、前記検査対象物と前記赤外線カメラとを相対的に移動させながら、加熱と撮影を繰り返すことで、皮膜剥離検査を連続して行うことができ、皮膜剥離検査に要する時間が短縮される。
第3の発明は、第2の発明の皮膜剥離検査装置において、前記移動手段は、前記検査対象物を移動させることを特徴とする。前記移動手段は、前記所望の箇所が加熱された直後に前記赤外線カメラが前記所望の箇所の赤外線画像を撮影するように前記検査対象物を移動させる。前記加熱装置と前記赤外線カメラとは前記検査対象物の移動する方向に沿って設けられる。前記加熱装置によって加熱された所望の箇所が前記移動手段によって前記赤外線カメラの撮影可能な位置に移動するように、前記加熱装置は前記赤外線カメラよりも移動方向の上流に設けられる。前記加熱装置と前記赤外線カメラとの間隔は、前記加熱装置からの加熱により健全部と剥離部との間に生じる温度差が緩和する前に前記赤外線カメラで赤外線画像を撮影できるように調整される。前記加熱装置と前記赤外線カメラとの間隔は、前記検査対象物の移動速度、設定される加熱終了から赤外線画像撮影までの時間をもとにして調整される。前記赤外線カメラと前記加熱装置とを一の筐体に収める、あるいは一の架台に載置して設ければ、前記加熱装置と前記赤外線カメラとの位置を固定して検査対象物を移動させることで皮膜剥離検査を連続して行うことができる。本発明は、検査対象物が容易に移動できるもの、例えば回転体である場合に特に好適である。
第4の発明は、第2の発明の皮膜剥離検査装置において、前記移動手段は、前記加熱装置と前記赤外線カメラとを移動させることを特徴とする。前記移動手段は、前記箇所が加熱された直後に前記赤外線カメラが検査対象箇所の赤外線画像を撮影するように前記検査対象物を移動させる。前記加熱装置と前記赤外線カメラとは、移動手段によって移動する方向に沿って設けられる。前記加熱装置によって加熱された所望の箇所が前記移動手段によって前記赤外線カメラの撮影可能な位置に移動するように、前記加熱装置は前記赤外線カメラよりも移動方向の上流に設けられる。前記加熱装置と前記赤外線カメラとの間隔は、前記加熱装置からの加熱により健全部と剥離部との間に生じる温度差が緩和する前に前記赤外線カメラで赤外線画像を撮影できるように調整される。前記加熱装置と前記赤外線カメラとの間隔は、前記検査対象物の移動速度、設定される加熱終了から赤外線画像撮影までの時間をもとにして調整される。前記赤外線カメラと前記加熱装置とを一の筐体に収める、あるいは一の架台に載置して設ければ、前記検査対象物を固定して前記赤外線カメラと前記加熱装置とを移動させることで皮膜剥離検査を連続して行うことができる。本発明は、検査対象物を移動させるのが困難である場合でも皮膜剥離検査が可能である。
第5の発明は、第4の発明の皮膜剥離検査装置において、前記移動手段が、レールと、前記加熱装置と前記赤外線カメラとを支持する架台と、前記架台を前記レール上で走行させる駆動装置とを備えることを特徴とする。第6の発明によれば、前記赤外線加熱装置と前記赤外線カメラとの移動が容易になり、検査速度も向上し、短時間で広範囲にわたる皮膜剥離検査を行うことができる。
第6の発明は、第2ないし第5のいずれか1の発明の皮膜剥離検査装置において、前記移動手段により生じた前記赤外線カメラと前記検査対象物の相対変位量を計測する計測手段と、前記相対変位量から検査位置を特定する演算手段とを更に備えたことを特徴とする。ここで、前記検査対象物の相対変位量とは、前記赤外線カメラと前記検査対象物との相対的な移動距離である。前記計測手段は、計測した前記相対変位量を相対変位量信号に変換し前記演算手段に送信し、前記演算手段は、計測開始点からの前記相対変位量をもとに前記赤外線画像が前記検査対象物のどの位置を撮影したものであるかを特定することができる。前記計測手段は、計測手段は、距離そのものを計測するものであっても、移動速度から移動距離を算出するものであってもよい。
第7の発明は、第6の皮膜剥離検査装置において、前記移動手段が前記検査対象物あるいは前記赤外線カメラを移動させる移動速度及び前記相対変位量を制御する制御手段を更に備えることを特徴とする。前記制御手段は、前記赤外線カメラと前記検査対象物とを相対的に移動させるときの変位置及び移動タイミングを前記移動手段に指示する。前記制御手段には、前記検査対象物の形状、前記加熱装置と前記赤外線カメラとの間隔、皮膜の厚さといった検査条件情報が格納されている。前記相対変位量及び前記移動タイミングは、該検査条件情報に基いて決定される。
第8の発明は、検査対象物の所望の箇所を加熱するステップと、前記加熱するステップの直後に、前記所望の箇所の赤外線画像を撮影するステップとを備えたことを特徴とする皮膜剥離検査方法である。第9の発明によれば、検査対象物の所望の箇所を加熱直後に赤外線画像を撮影するため、健全部位と剥離損傷部位との間に生じる温度差が緩和する前に検知することにより寸法が小さい剥離損傷をも検知することができる。
第9の発明は、第8の発明の皮膜剥離検査方法において、前記加熱するステップの後、前記赤外線カメラと前記検査対象物とを相対的に移動するステップを更に備えたことを特徴とする。前記赤外線カメラと前記検査対象物とを相対的に移動させるので、検査対象箇所に対する加熱を瞬時に止めることができる。また、加熱の直後に前記赤外線カメラの撮影可能な範囲に移動させることができる。前記移動するステップにおいて、前記検査対象物と前記赤外線カメラとが相対的に移動されるステップであるので、前記検査対象物と前記赤外線カメラとの両方が移動してもよい。
第10の発明は、前記移動するステップにおいて、前記加熱装置が前記赤外線カメラと共に移動することを特徴とする。前記加熱装置が前記赤外線カメラと共に移動しながら第9の発明の皮膜剥離検査装置を行うと、前記赤外線カメラが前記所望の箇所の赤外線画像を撮影している間に前記加熱装置は前記検査対象物の他の箇所を加熱することができる。前記移動手段が前記検査対象物と前記赤外線カメラとを相対的に移動させて該他の箇所が前記赤外線カメラの撮影可能な位置に移動すると、前記加熱装置は更に別の箇所を加熱する。このように、前記検査対象物と前記赤外線カメラとを相対的に移動させながら、加熱と撮影を繰り返すことで、皮膜剥離検査を連続して行うことができ、皮膜剥離検査に要する時間が短縮される。
第11の発明は、第9または第10の発明の皮膜剥離検査方法において、前記移動するステップは、前記検査対象物を移動するステップであることを特徴とする。前記検査対象物は、前記検査対象物の所望の箇所が加熱された直後に前記赤外線カメラが検査対象箇所の赤外線画像を撮影するように移動される。前記加熱装置が前記赤外線カメラと共に移動するように設けられていれば、前記加熱装置と前記赤外線カメラとを一体にして位置を固定して検査対象物を移動させることで皮膜剥離検査を連続して行うことができる。本発明は、検査対象物が容易に移動できるもの、例えば回転体である場合に特に好適である。
第12の発明は、第9または第10の発明の皮膜剥離検査方法において、前記移動するステップは、前記赤外線カメラを移動するステップであることを特徴とする。前記赤外線カメラは、前記検査対象物の所望の箇所が加熱された直後に前記赤外線カメラが検査対象箇所の赤外線画像を撮影するように移動される。前記加熱装置が前記赤外線カメラと共に移動するように設けられていれば、検査対象物を固定して前記赤外線カメラと前記加熱装置とを移動させることで皮膜剥離検査を連続して行うことができる。本発明は、検査対象物を移動させるのが困難である場合でも皮膜剥離検査が可能である。
第13の発明は、第9ないし第12の発明のいずれか一の皮膜剥離検査方法において、前記移動するステップの後、該移動するステップにおいて生じた前記カメラと前記検査対象物と相対変位量を計測するステップと、前記相対変位量から検査位置を特定するステップとを更に備えたことを特徴とする。検査位置の特定は、計測開始点からの前記相対変位量をもとに、前記赤外線画像が前記検査対象物のどの位置を撮影したものであるかを特定することができる。
本発明の皮膜剥離検査装置及び皮膜剥離検査方法によれば、検査対象物の所望の箇所の赤外線画像を加熱直後に撮影することで、健全部位と剥離損傷部位との間に生じる温度差が緩和する前にこれを検知することができる。これにより、剥離損傷を検知する分解能が向上し、寸法の小さい剥離損傷を検知することができる。
更に、検査対象物の所望の箇所を加熱した後に赤外線カメラと検査対象物とを相対的に移動させることで、該箇所への加熱を瞬時に遮断し、加熱終了直後の赤外線画像を撮影することができる。該箇所の赤外線画像を撮影しながら他の箇所を加熱し、同様に該他の箇所の赤外線画像を撮影することを繰り返すことで、短時間で広い面積の皮膜剥離検査を行うことができる。
図面を参照して、本発明による皮膜剥離検査装置及び皮膜剥離検査方法の実施形態を説明する。以下、皮膜剥離検査対象物として金属の簿材にセラミック皮膜が設けられたロールを用いて説明するが、これは本発明の皮膜剥離検査装置及び皮膜剥離検査方法の適用先を限定するものではない。セラミック皮膜の他に、プラスチックやゴム製の皮膜についても同様な皮膜剥離検査が可能である。
(実施形態1)
図1は、実施形態1にかかる皮膜剥離検査装置及び検査対象物の概略図である。実施形態1において、検査対象物は、金属製の母材にセラミック皮膜が溶射されたロール101である。ロール101にはロール101を回転させるロール駆動装置109が設けられている。ロール駆動装置109は、ロール101を回転させる移動手段である。赤外線カメラ103とロール101との相対変位量を計測する手段として、ロール101の回転速度を計測する回転計107と、回転速度から相対変位量を計算するプログラムを格納したコンピュータ108が設けられている。
ロール101の表面を加熱するために、赤外線加熱装置102が設けられている。赤外線加熱装置102は架台104に支持されており、赤外線加熱装置102に近接して赤外線カメラ103が設けられている。架台104は架台駆動装置105を備えており、レール106に沿って移動可能に設置されている。
赤外線カメラ103、回転計107、架台駆動装置105は、コンピュータ108に接続されており、それぞれ赤外線画像、ロール101の回転速度、架台104の移動距離を送信する。コンピュータ108には、先述した相対変位量を計算するプログラムに加えて、後述する方法により検査位置を特定する演算プログラム及び皮膜剥離検査装置運転の制御を行うプログラムを格納しており、演算手段及び制御手段としても機能する。
実施形態1にかかる皮膜剥離検査装置は、下記の動作によって皮膜剥離検査を行う。まず、架台104の位置を固定し、ロール101を一定の速度で矢印の方向に回転させる。回転速度は回転計107によって計測される。本実施形態において、回転計107はロール101の側面に配置されたマーク110に光を照射し、その反射光を検知することによってロール101の回転速度を計測する。ロール101の所望の箇所が赤外線加熱装置102により加熱された後、加熱された箇所は、ロール101の回転によって赤外線加熱装置102からの熱を遮断され、赤外線カメラ103の撮影可能な位置に移動する。赤外線カメラ103は加熱された箇所の赤外線画像を撮影し、該赤外線画像はコンピュータ108に送信される。ロール101は連続的に回転しているので、赤外線カメラ103が所望の箇所の赤外線画像を撮影しているときに同時に赤外線加熱装置102は他の箇所を加熱している。該他の箇所はその後赤外線カメラ103が撮影可能な位置に移動してその赤外線画像が撮像される。このようにして赤外線加熱装置102による加熱と赤外線カメラ103による赤外線画像の撮影とが連続して行われる。このようにしてロール101を一回転させると、赤外線カメラ103の撮影可能な範囲の幅で一周分の皮膜剥離検査が行われる。
コンピュータ108には、回転計107によって計測されたロール101の回転速度信号が送信される。コンピュータ108において、回転速度とロールの形状をもとにロール101の赤外線カメラに対する相対変位量が求められる。コンピュータ108には赤外線カメラ103が撮影した赤外線画像が送信されており、撮影した赤外線画像がロール101のどの位置を撮影したものであるかについては、先の相対変位量に基いて特定される。
上述の方法でロール101を一回転させて一周分の皮膜剥離検査をした後に、赤外線カメラ103の撮影可能範囲をずらすように、架台駆動装置105によって架台104を破線矢印の方向に移動させ、同様に一周分の皮膜剥離検査を行う。このように赤外線カメラ103の撮影可能範囲を移動させることで、ロール101全体の皮膜剥離検査を行うことができる。
コンピュータ108は、演算手段であるとともに、ロール駆動装置109、架台駆動装置105の動作を制御する制御手段である。検査対象物であるロール101の形状、赤外線加熱装置102と赤外線カメラ103との間隔、赤外線カメラ103の撮影可能範囲に応じて、加熱直後の赤外線画像が撮影できるように、ロール101の回転速度、回転方向の制御信号をロール駆動装置109に送信する。また、コンピュータ108は、架台駆動装置105に対して、レール106上のこ変位置及び移動速度を制御する信号を送信する。
上述の検査方法によれば、検査対象の皮膜が薄い場合や、剥離損傷部の寸法が小さい場合でも、確実に皮膜剥離検査することができる。加熱終了から赤外線画像撮影までの時間は、皮膜の厚さに依存するが、数10μmから3mm程度の厚さである場合、加熱終了から5秒以内が望ましい。例えば膜厚が100μmの皮膜の場合は、通常、加熱終了から1秒以内に赤外線画像を撮影するとよい。
赤外線加熱装置102と赤外線カメラ103との間隔及びロールの回転速度は、加熱される箇所が十分に加熱されると同時に該箇所が加熱終了後速やかに赤外線画像を撮影されるように設定される。
上述した本実施形態の皮膜剥離検査装置で、セラミック皮膜の剥離検査を行った。直径1m、セラミック皮膜の膜厚100μmのロールを、回転数30[回/分]で回転させ、赤外線加熱装置と赤外線カメラとの距離を500mmとし、加熱終了から0.5秒後に赤外線画像を撮影するよう設定した。検査の結果、1mm以下の剥離損傷を検出できた。
本実施形態の皮膜剥離検査装置によれば、加熱直後の赤外線画像を撮影するため、健全部位と剥離損傷部位との間に生じる温度差が緩和する前に検知することができ、寸法が小さい剥離損傷を検知することができる。また、赤外線加熱装置102と赤外線カメラ103とを一体として、検査対象物を回転させながら皮膜剥離検査を行うことが容易にでき、検査速度が向上する。
(実施形態2)
図2は、実施形態2にかかる皮膜剥離検査装置及び検査対象物の概略図である。実施形態2において、検査対象物は、実施形態1と同様に金属の母材にセラミック皮膜が溶射されたロール201である。実施形態2において、皮膜剥離検査装置は、赤外線加熱装置202及び赤外線カメラ203の配置を除いては同じ構成である。本実施形態では、赤外線加熱装置202と赤外線カメラ203とが架台204に支持されており、レール206に平行な方向に沿って並べて配置されている。
実施形態2にかかる皮膜剥離検査装置は、下記の動作によって皮膜剥離検査を行う。まず、赤外線加熱装置202により固定されたロール201の一部が加熱される。その後、架台204が架台駆動装置205によりレール206上を走行することにより、加熱された箇所が赤外線カメラ203の撮影可能な位置に移動する。赤外線カメラ203は、当該箇所の赤外線画像を撮影する。架台204をロール201の端から他の端まで走行させながら、以上の手順を連続して行うことにより、赤外線カメラ203の撮影可能な範囲の幅で、皮膜剥離検査が行われる。
架台204がレール207の上を一回走行した後、架台204を検査開始時の位置に戻すとともに、赤外線カメラ203の撮影可能範囲をずらすようにロール201を図2の破線矢印の方向に回転させ、同様に皮膜剥離検査を行ってもよい。このようにして赤外線カメラ203の撮影可能範囲を移動させることで、ロール201全体の皮膜剥離検査を行うことができる。
上述した本実施形態の皮膜剥離検査装置で、セラミック皮膜の皮膜剥離検査を行った。実施形態1と同様のロール201に対し、赤外線加熱装置202と赤外線カメラ203との距離を50mm、レール206上の架台204の走行速度を100mm/秒とし、加熱終了から0.5秒後に赤外線画像を撮影するよう設定した。検査の結果、1mm以下の剥離損傷を検出できた。
本実施形態の皮膜剥離検査装置によれば、赤外線加熱装置202と赤外線カメラ203とを一体として走行させるため、検査対象物を移動させることができない場合や検査対象物の移動が困難な場合でも、検査対象箇所の加熱直後に該箇所の赤外線画像を撮影できる。そのため、健全部位と剥離損傷部位との間に生じる温度差が緩和する前に検知でき、寸法が小さい剥離損傷を検知することができる。また、検査速度が向上し、検査対象物が大型であっても、短時間で皮膜剥離検査することができる。
(実施形態3)
本発明にかかる皮膜剥離検査装置は、実施形態1又は2のような皮膜剥離検査装置の他に、図3及び図4に示すような実施形態も可能である。図3及び図4は、本発明の実施形態3にかかる皮膜剥離検査装置の一部である検査ユニット310の概観図である。検査ユニット310の筐体には、赤外線加熱装置302と赤外線カメラ303とが収められている。赤外線加熱装置302にはシャッター301が設けられている。赤外線カメラ303は、赤外線加熱装置302によって加熱された場所を撮影できるように設置されている。図3はシャッター301が開いている状態、図4はシャッター301が閉じられている状態を表している。
検査ユニット310は、下記の動作によって皮膜剥離検査を行う。シャッター301が開いた状態で、赤外線加熱装置302によって検査対象物の所望の箇所を加熱する。次にシャッター301を閉じ、閉じた直後に赤外線カメラ303で該箇所の赤外線画像を撮影する。シャッター301の開閉、赤外線カメラ303による撮影のタイミングは図示しないコンピュータによって制御する。本実施形態の検査ユニットによれば、シャッター301で赤外線加熱装置302からの熱を遮断することが容易になる。なお、この検査ユニット310は実施形態1及び2のようにレール及び駆動装置を設けて用いることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々に変形して実施することができる。

図1は、実施形態1にかかる皮膜剥離検査装置及び検査対象物の概略図である。 図2は、実施形態2にかかる皮膜剥離検査装置及び検査対象物の概略図である。 図3は、本発明の実施形態3にかかる皮膜剥離検査装置の一部である検査ユニット310の概観図である。 図4は、本発明の実施形態3にかかる皮膜剥離検査装置の一部である検査ユニット310の概観図である。
符号の説明
101、201 ロール
102、202 赤外線加熱装置
103、203 赤外線カメラ
104、204 架台
105、205 架台駆動装置
106、206 レール
107、207 回転計
108、208 コンピュータ
109、209 ロール駆動装置
110 マーク
301 シャッター
302 赤外線加熱装置
303 赤外線カメラ
310 検査ユニット

Claims (13)

  1. 母材に皮膜が設けられた検査対象物の所望の箇所を加熱する加熱装置と、前記箇所の赤外線画像を、前記加熱装置による加熱直後に撮影するように設けられた赤外線カメラとを備えたことを特徴とする皮膜剥離検査装置。
  2. 前記赤外線カメラと前記検査対象物とを相対的に移動させる移動手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の皮膜剥離検査装置。
  3. 前記移動手段は、前記所望の箇所が加熱された直後に前記赤外線カメラが前記所望の箇所の赤外線画像を撮影するように、前記検査対象物を移動させることを特徴とする請求項2に記載の皮膜剥離検査装置。
  4. 前記移動手段は、前記所望の箇所が加熱された直後に前記赤外線カメラが前記所望の箇所の赤外線画像を撮影するように、前記加熱装置と前記赤外線カメラとを移動させることを特徴とする請求項2に記載の皮膜剥離検査装置。
  5. 前記移動手段は、レールと、前記加熱装置及び前記赤外線カメラを支持する架台と、前記架台を前記レール上で走行させる駆動装置とを備えることを特徴とする請求項4に記載の皮膜剥離検査装置。
  6. 前記移動手段により生じた前記赤外線カメラと前記検査対象物の相対変位量を計測する計測手段と、前記相対変位量から検査位置を特定する演算手段とを更に備え、前記計測手段は前記相対変位量を相対変位量信号に変換し前記相対変位量信号を前記演算手段に送信することを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の皮膜剥離検査装置。
  7. 前記移動手段が前記赤外線カメラと前記検査対象物とを相対的に移動させる移動速度及び前記相対変位置を制御する制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項6に記載の皮膜剥離検査装置。
  8. 検査対象物の所望の箇所を加熱装置で加熱するステップと、前記加熱するステップの直後に、前記所望の箇所の赤外線画像を赤外線カメラで撮影するステップ
    とを備えたことを特徴とする皮膜剥離検査方法。
  9. 前記加熱するステップの後、前記赤外線カメラと前記検査対象物とを相対的に移動するステップを更に備えたことを特徴とする請求項8に記載の皮膜剥離検査方法。
  10. 前記移動するステップにおいて、前記加熱装置が前記赤外線カメラと共に移動することを特徴とする請求項9に記載の皮膜剥離検査方法。
  11. 前記移動するステップは、前記所望の箇所が加熱された直後に前記赤外線カメラが前記所望の箇所の赤外線画像を撮影するように、前記検査対象物を移動するステップであることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の皮膜剥離検査方法。
  12. 前記移動するステップは、前記所望の箇所が加熱された直後に前記赤外線カメラが前記所望の箇所の赤外線画像を撮影するように、前記赤外線カメラを移動するステップであることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の皮膜剥離検査方法。
  13. 前記移動するステップにおいて生じた前記カメラと前記検査対象物の相対変位置を計測するステップと、前記相対変位置から検査位置を特定するステップとを更に備えたことを特徴とする請求項9ないし請求項12のいずれか1項に記載の皮膜剥離検査方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104007121A (zh) * 2014-04-02 2014-08-27 福耀集团长春有限公司 用于玻璃加热线检测线上的断线检测装置
CN108663366A (zh) * 2018-03-29 2018-10-16 北京理工大学 一种固体火箭发动机内部涂层涂覆质量检测装置
CN113466234A (zh) * 2020-03-31 2021-10-01 日本碍子株式会社 陶瓷制的柱状蜂窝结构体的检查方法及检查装置

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