JP2005147103A - 可変圧縮比内燃機関の制御装置 - Google Patents

可変圧縮比内燃機関の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】運転者の運転パターンに適した圧縮比設定として、燃費や加速性能を最大限向上させる。
【解決手段】内燃機関は可変圧縮比機構を有し、回転速度および負荷をパラメータとする圧縮比マップから運転条件に応じて目標圧縮比が設定される。本発明は、加速重視の圧縮比マップと燃費重視の圧縮比マップとを有し、運転者の運転パターンから両者が選択される。手動切替(S1、S2)もしくは自動切替(S7)により加速重視モードが選択されたら、加速重視の圧縮比マップと目標EGR率マップにより圧縮比およびEGR率が設定される(S3、S4)。燃費重視モードが選択されたら、燃費重視の圧縮比マップと目標EGR率マップにより圧縮比およびEGR率が設定される(S5、S6)。
【選択図】図2

Description

この発明は、圧縮比を可変制御できるレシプロ式可変圧縮比内燃機関の制御装置、特に自動車用可変圧縮比内燃機関の制御装置に関する。
レシプロ式内燃機関の熱効率つまり燃費を向上するとともに、ノッキング等の異常燃焼を回避するために、機関運転条件に応じて最適な圧縮比に可変制御し得る可変圧縮比内燃機関が、例えば特許文献1に開示されている。このような可変圧縮比内燃機関の制御装置においては、機関の回転速度および負荷をパラメータとして予め最適な圧縮比を割り付けた圧縮比マップを備え、この圧縮比マップから読み出した目標圧縮比となるように、可変圧縮比機構のアクチュエータが制御されることになる。
特開2002−285876号公報
しかしながら、従来の可変圧縮比制御においては、運転者の運転状態つまり運転パターンが、高圧縮比を維持する燃費重視型であるか、または低圧縮比を頻繁に使用する加速重視型であるかによらず、エンジンの負荷・回転速度、壁温、油水温、等の条件によって決まる同一の圧縮比に制御するようになっていた。
そのため、燃費を最良にするように比較的高圧縮比の設定にしたとすると、加速時に低圧縮比化する回数ならびに可変量が増え、圧縮比可変を行うアクチュエータの消費エネルギーが増大し、結果的に燃費が逆に悪化する、という問題があり、また加速時には、圧縮比が十分に低下するまでの間、点火時期リタードや電子制御スロットルによるスロットルの応答遅れによってノッキング回避を行う必要があるため、トルクが低下する、という問題点がある。
反対に、トルク低下を抑制するために圧縮比を低めの設定にすると、加速性能は向上するが、燃費が悪化するという問題が生じる。
従って、この種の可変圧縮比内燃機関を自動車用内燃機関として適用する場合には、燃費と加速性能の両方がやや悪化するが、燃費と加速性能を両立可能な圧縮比に設定せざるを得ない、という問題があった。
本発明は、運転者の運転状態に応じて最適な運転モードに自動もしくは手動で切り替えることで、燃費性能を重視した運転状態であるときには加速性能よりも燃費向上を優先する圧縮比設定とし、加速性能を重視した運転状態であるときには燃費向上よりもトルク向上・ノッキング回避を優先する圧縮比設定とするようにしたものである。
すなわち、請求項1に係る発明は、圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構を備えた可変圧縮比内燃機関において、複数の運転モードを備え、各運転モード毎に、内燃機関の運転条件に対し目標圧縮比を設定した圧縮比マップが設けられており、運転者の運転状態に最適な運転モードを判定する運転モード判定手段を備え、この運転モード判定手段による運転モード判定結果に応じて、上記圧縮比マップを切り替えることを特徴としている。
運転者が燃費を良くしようと意図して運転しているときには、運転者は通常加速性能を重要視しないため、加速性能は低下するが熱効率が最大となるような圧縮比マッフに切り替えることで、運転者が重要視している燃費性能をより向上することができる。また、運転者が燃費性能よりも加速性能を重視して運転しているときには、燃費性能は低下するが加速性能が最良となる圧縮比マップに切り替えることで、運転者が重要視している加速性能をより向上することができる。このように運転者の運転状態を判定して最適な圧縮比マップに切り替えることで、運転者の意思に応じてエンジン性能を最適に制御できる。
また、請求項2に係る発明は、圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構を備えた可変圧縮比内燃機関において、内燃機関の運転条件に対し目標圧縮比が設定されているとともに、複数の運転モードの中で、運転者の運転状態に最適な運転モードを判定する運転モード判定手段を備え、この運転モード判定手段による運転モード判定結果に応じて、上記目標圧縮比を補正することを特徴としている。
このように、上記の圧縮比マップを切り替える方法の他に、運転者の運転状態を判定して目標圧縮比補正量を可変にすることによっても、運転者の意図に応じて最適な圧縮比設定とすることが可能となる。
より具体的な請求項3の発明では、複数の運転モードとして、少なくとも、燃費性能を優先する燃費重視モードと加速性能を優先する加速重視モードを有し、上記燃費重視モードは、上記加速重視モードに比較して、少なくとも一部の回転速度・負荷領域において、より高圧縮比の設定となり、少なくとも一部の回転速度・負荷領域において、EGR率がより高く設定される。
燃費重視モード時は、より高圧縮比に設定して熱効率を最適化することで、運転者が要求する燃費を最大限向上することが可能になる。なお、急加速時の圧縮比低下遅れによるノッキング発生を回避するために、点火時期リタードか、または電子制御スロットルの開度増加速度を遅らせる必要が生じ、加速性能は低下するが、これよりも燃費性能が重視されることになる。また加速重視モード時は、ノッキングを回避しかつトルクが最大となるように燃費重視モード時よりも低圧縮比の設定とすることで、現実的な圧縮比可変速度を持つアクチュエータによって、急加速時のノッキングを回避しつつトルクを向上することができる。そのため、燃費は燃費重視モードに比べて悪化するものの、運転者が要求する加速性能を最大限向上することが可能になる。さらに燃費重視モードでは、より高圧縮比化することに対応してEGR率も高く設定することでさらに燃費性能を向上することができる。また、加速重視モードでは、より低圧縮比化することに対応してEGR率も低く設定することで、EGR率制御の応答遅れによるノッキングを回避しつつ体積効率が向上するため、さらに加速性能を向上することができる。
請求項4の発明は、上記運転モード判別手段として、エンジン回転速度と負荷の時間履歴を判別する手段を有する。
運転者が燃費を重視する場合は、燃費が良い低回転速度・低負荷領域を維持するように運転され、加速を重視する場合は、高回転速度・高負荷領域が多用されるため、エンジン回転速度・負荷の時間履歴から運転者の運転モードを判別することが可能である。
請求項5の発明は、上記運転モード判別手段として、アクセルペダル開度の時間履歴を判別する手段を有する。
アクセルペダル開度の時間履歴を判別することで、急速なアクセルペダル踏み込み、大きいアクセルペダル踏み込み量が頻繁に発生する場合は、運転者が加速性能を要求していると判断し、アクセルペダル踏み込み速度が小さいかまたは踏み込み量が小さい状態が続く場合は、運転者が燃費性能を要求していると判断することが可能である。
請求項6の発明は、上記運転モード判別手段として、圧縮比または目標圧縮比の時間履歴を判別する手段を有する。
エンジン回転速度、負荷、アクセルペダル開度に応じて圧縮比制御が行われるため、エンジン回転速度、負荷、アクセルペダル開度の代わりに圧縮比または目標圧縮比の時間履歴から運転者の運転モードを判別することも可能である。一般に、燃費重視モードでは高圧縮比状態にある期間が長く、加速重視モードでは燃費重視モードよりも低圧縮比状態にある期間が長くなることから判別可能である。
請求項7の発明は、圧縮比可変制御回数をカウントし、カウント数が所定時間内に所定回数以上である場合は加速重視モードであると判定し、所定回数未満である場合は燃費重視モードであると判定することを特徴とする。
急速な加速を行わず、低速低負荷領域を維持するように運転する場合は、通常、高圧縮比に維持されるため、低圧縮比化制御回数が少ない。そこで、圧縮比または圧縮比可変操作の時間履歴から運転者の運転モードを判別する具体的な方法として、所定時間内に圧縮比可変制御が行われる回数をカウントすることによって、圧縮比可変制御回数が多い場合は加速重視モード、圧縮比可変制御回数が少ない場合は燃費重視モードと判定することができる。
請求項8の発明は、所定の圧縮比以下になる回数をカウントし、カウント数が所定時間内に所定回数以上である場合は加速重視モードであると判定し、所定回数未満である場合は燃費重視モードであると判定することを特徴とする。
急速な加速を行わず、低速低負荷領域を維持するように運転する場合は、通常、高圧縮比に維持されるため、所定の圧縮比以下になることはない。そこで、所定の圧縮比以下になる回数をカウントし、所定時間内に所定の圧縮比以下になる回数が所定値以上である場合は加速重視モード、所定値未満である場合は燃費重視モードであると判定することが可能である。
請求項9の発明は、所定値以上の圧縮比が所定時間以上続いたときに燃費重視モードであると判定し、または所定値未満の圧縮比が所定時間以上続いたときに加速重視モードであると判定することを特徴とする。
上記と同様に、所定以上の圧縮比が所定時間以上続くときは燃費重視モード、所定未満の圧縮比が所定時間以上続いたときは加速重視モードであると判定することが可能である。
また請求項10の発明は、運転者がアクセルペダルを踏み込んだときの目標スロットル開度に達するまでのスロットル開度変化が、同一のアクセルペダル踏込速度でかつ同一のアクセルペダル踏込量で比較して、加速重視モード時よりも燃費重視モード時のほうが緩慢になるように制御されることを特徴とする。
高圧縮比・高EGR率設定である燃費重視モードで走行中に急加速した場合、EGR率低下遅れと急速な負荷上昇によってノッキングが発生するという問題が生じるか、あるいは、ノッキング回避のため点火時期をリタードすることによって燃費が悪化するという問題が生じる。そのため、燃費重視モード時は、加速性能を犠牲にしても同一アクセルペダル操作に対するスロットル開度の変化を緩慢にすることで、ノッキングを回避し、かつ加速重視モード時よりも高圧縮比設定として燃費向上を優先することが可能になる。燃費重視モード時に、燃費向上を優先するために、急加速時にノッキング回避が不可能なほど高圧縮比設定とした場合、急加速時のノッキング発生回避手段としては、燃費を悪化させる点火時期リタードよりも低圧縮比化制御の応答速度に応じてスロットル開度変化を遅くすることの方が、加速性能は低下するが最適な点火時期設定が可能となるため燃費を向上することができる。加速重視モード時は、ノッキング回避が可能なやや低圧縮比側の設定にすることで、スロットル開度の応答速度を大きくしても急加速時の低圧縮比化制御の応答遅れによるノッキングの問題が発生せず、加速性能を向上することができる。
請求項11の発明は、運転者の意思によって手動で運転モードの切替が可能であることを特徴とする。
より確実に運転者の運転状態を判別する手段としては、運転者の意思によって手動で運転モードを可変可能にして、それに応じて圧縮比設定やEGR率設定の切り替えが行われるようにすることが効果的である。
請求項12の発明は、内燃機関の運転条件に対し目標EGR率を設定した複数のEGR率設定マップを備え、運転モードに応じてEGR率設定マップを切り替えることを特徴とする。
EGR率は圧縮比に応じて最適な設定値があるため、例えば圧縮比マップの切替に連動して、圧縮比マップに最適なEGR率マップに切り替えることで、さらに燃費向上またはトルク向上効果を得ることができる。
請求項13の発明は、内燃機関の運転条件に対し目標EGR率を設定したEGR率設定マップを備えるとともに、この目標EGR率の補正手段を有し、目標圧縮比の補正に連動して目標EGR率を補正することを特徴とする。
上記のEGR率マップを切り替える方法の他に、運転者の運転状態を判定して目標EGR率補正量を可変にすることによっても、運転者の意図に応じて最適なEGR率設定とすることが可能である。
この発明によれば、運転者の運転状態に応じた特性に圧縮比を可変制御するので、運転者が燃費を重視する場合には燃費を最大限向上させ、運転者が加速性能を重視する場合にはトルクを最大限向上させることができる。
以下、この発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、この発明に係る内燃機関の可変圧縮比機構の一例を示す構成説明図であり、前述した特許文献1等により公知となっている複リンク式ピストン−クランク機構を利用した可変圧縮比機構を示している。なお、この図は、ピストン−クランク機構のリンク構成を主に示しており、従って、各部材の寸法比等は一部誇張して描かれている。
この可変圧縮比機構は、ピストン3にピストンピン4を介して一端が連結されたアッパリンク5と、このアッパリンク5の他端に第1連結ピン10を介して揺動可能に連結されるとともに、クランクシャフト1のクランクピン11に揺動可能に連結されたロアリンク2と、一端が上記ロアリンク2に第2連結ピン9を介して連結されるとともに、他端が内燃機関本体(例えばシリンダブロック)に揺動可能に連結されて、ロアリンク2の自由度を規制するコントロールリンク6と、を備えている。上記ピストン3は、図示せぬシリンダ内を上下に摺動し、燃焼室を画成している。上記コントロールリンク6の他端は、詳しくは、シリンダブロック(図示せず)下部に配置したコントロールシャフト7の偏心カム8に揺動可能に支持されており、上記偏心カム8の回動位置によってコントロールリンク6下端の揺動支点位置が変化し、これに伴ってピストン3の上死点位置、ひいては圧縮比が変化する構成となっている。なお、上記クランクシャフト1は、図の時計回り方向に回転する。
上記ロアリンク2は、例えば、クランクピン11の中心を通る平面に沿って2つの部品に2分割され、図示せぬボルトによって組み立てられている。なお、図中の太い実線は、いわゆるスケルトン図として各リンクを示したものである。
上記可変圧縮比機構による内燃機関の目標圧縮比は、機関の運転条件に応じて制御されるが、この実施例では、機関の回転速度と負荷とをパラメータとして最適な目標圧縮比を割り付けた圧縮比マップが、予め2種類、つまり加速重視モード用の圧縮比マップと燃費重視モード用の圧縮比マップとが、設けられており、いずれか一方が選択的に使用される。また、図示せぬ排気還流装置における目標EGR率が、同様に、機関の回転速度と負荷とをパラメータとしたマップとして予め設定されているが、この目標EGR率マップも、圧縮比の特性に対応して、加速重視モード用の目標EGR率マップと燃費重視モード用の目標EGR率マップとの2種類が設けられている。
図2は、これらのマップの選択を行う処理の流れを示すフローチャートであって、まず、ステップ1で、手動切替が行われたか否か判定する。手動切替であれば、ステップ2へ進んで、加速重視モードが選択されたか燃費重視モードが選択されたか判定する。運転者により加速重視モードが選択された場合には、ステップ3へ進み、加速重視モード用圧縮比マップを用いた加速重視モード用の圧縮比設定に切り替え、さらに、ステップ4へ進んで、加速重視モード用目標EGR率マップを用いた加速重視モード用のEGR率設定に切り替える。運転者により燃費重視モードが選択された場合には、ステップ5へ進み、燃費重視モード用圧縮比マップを用いた燃費重視モード用の圧縮比設定に切り替え、さらにステップ6へ進んで、燃費重視モード用目標EGR率マップを用いた燃費重視モード用のEGR率設定に切り替える。
一方、手動切替でなければ、ステップ2へ進み、後述するように運転状態から加速重視モードとすべきか燃費重視モードとすべきか判定する。加速重視モードであれば前述したステップ3,4へ進み、燃費重視モードであれば前述したステップ5,6へ進む。
図3は、圧縮比マップの一例を示し、(A)が燃費重視モード用の圧縮比マップ、(B)が加速重視モード用の圧縮比マップである。圧縮比は、基本的に低速低負荷側で高い圧縮比に、高速高負荷側で低い圧縮比に制御されるが、両者を対比すれば明らかなように、加速重視モード用の圧縮比マップ(B)に比較して、燃費重視モード用の圧縮比マップ(A)の方が、高圧縮比領域が拡大し、低圧縮比領域が縮小している。換言すれば、中速中負荷のある点では、燃費重視モード用の方が相対的に高い圧縮比設定となる。
また、図4は、目標EGR率マップの一例を示し、(A)が燃費重視モード用のEGR率マップ、(B)が加速重視モード用のEGR率マップである。EGR率は、基本的に低速低負荷側で高いEGR率に、高速高負荷側で低いEGR率に制御されるが、両者を対比すれば明らかなように、加速重視モード用のEGR率マップ(B)に比較して、燃費重視モード用のEGR率マップ(A)の方が、高EGR率領域が拡大し、低EGR率領域が縮小している。換言すれば、中速中負荷のある点では、燃費重視モード用の方が相対的に高いEGR率設定となる。
従って、燃費重視モードでは、圧縮比が高く維持されると同時に多量の排気還流がなされるので、燃費が大幅に向上する。逆に加速重視モードでは、圧縮比が低く、ノッキングの発生が回避されるとともに、排気還流が少なくなって、高いトルクが得られる。
次に、運転者による運転パターンから最適な運転モードを判定する方法について説明する。図5および図6は、内燃機関の回転速度および負荷の変化パターン(時間履歴)から運転モードを判定する方法を示しており、図5のように、(a)の回転速度が主に低速域で運転され、かつ(b)の負荷が主に低負荷域で運転されている場合には、燃費重視モードであると判定する。逆に、図6のように、(a)の回転速度が主に高速域で運転され、かつ(b)の負荷が主に高負荷域で運転されている場合には、加速重視モードであると判定する。
図7は、スロットル開度の変化履歴から運転モードを判定する方法を示しており、(A)のように、使用されるスロットル開度域が狭い場合には燃費重視モードであると判定し、(B)のように、使用されるスロットル開度域が広い場合には加速重視モードであると判定する。
図8は、圧縮比の変化履歴から運転モードを判定する方法を示しており、(A)のように、使用される圧縮比域が高圧縮比側にある場合には燃費重視モードであると判定し、(B)のように、使用される圧縮比域が低圧縮比側にある場合には加速重視モードであると判定する。
図9は、圧縮比可変制御回数をカウントして運転モードを判定する方法を示しており、(A)のように、所定時間内の圧縮比可変制御回数が少ない場合には燃費重視モードであると判定し、(B)のように、所定時間内の圧縮比可変制御回数が多い場合には加速重視モードであると判定する。
図10は、所定の圧縮比(ε1)以下の圧縮比となった回数から運転モードを判定する方法を示しており、(A)のように、所定時間内に所定圧縮比ε1以下となった回数が少ない場合には燃費重視モードであると判定し、(B)のように、その回数が多い場合には加速重視モードであると判定する。
図11は、圧縮比の継続期間から運転モードを判定する方法を示しており、(A)のように、所定の高圧縮比状態(ε1以上)が所定時間ΔT1以上継続したときには燃費重視モードであると判定し、(B)のように、所定の低圧縮比状態(ε2以下)が所定時間ΔT2以上継続したときには加速重視モードであると判定する
次に、図12は、加速時のノッキングをより確実に回避するために、電子制御スロットルからなるスロットル弁の開度変化を運転モードに応じて異ならせるようにした実施例を示している。図の(A)は、燃費重視モードの場合のアクセルペダル開度とスロットル開度と圧縮比の変化を示しており、(B)は、加速重視モードの場合のアクセルペダル開度とスロットル開度と圧縮比の変化を示している。これは、同一のアクセルペダル踏込速度(踏込量変化時間ΔT5が等しい)でかつ同一のアクセルペダル踏込量(θ2−θ1が等しい)の条件で対比したものであり、加速開始時点の圧縮比は、両モードでそれぞれ異なる。つまり、燃費重視モードの圧縮比ε3の方が、加速重視モードの圧縮比ε4よりも高い。この状態から加速すると、圧縮比は低下していくが、その低下速度は、可変圧縮比機構の応答速度に依存し、両モードで同一である。そのため、加速後の目標圧縮比ε5に達するまでの時間は、燃費重視モードの方が長くなる(ΔT3>ΔT4)。一方、スロットル開度の変化速度は、燃費重視モードの方が加速重視モードのときよりも緩慢となるように制御される。従って、燃費重視モードでは、圧縮比の低下の遅れを相殺するように、吸気量変化が緩慢となり、ノッキング発生が確実に回避される。一方、加速重視モードでは、スロットル開度の変化は速いが、圧縮比の低下時間(ΔT4)が短いことから、やはりノッキング発生が回避される。
この発明に適用される可変圧縮比機構の一例を示す構成説明図。 圧縮比マップ等の切り替え処理を示すフローチャート。 各モードの圧縮比マップの一例を示す特性図。 各モードの目標EGR率マップの一例を示す特性図。 燃費重視モードと判定する回転速度(a)および負荷(b)の変化を示す特性図。 加速重視モードと判定する回転速度(a)および負荷(b)の変化を示す特性図。 スロットル開度の変化から運転モードを判定する方法を示す特性図。 圧縮比の変化から運転モードを判定する方法を示す特性図。 圧縮比可変制御回数から運転モードを判定する方法を示す特性図。 所定の圧縮比ε1以下となる回数から運転モードを判定する方法を示す特性図。 圧縮比の継続期間から運転モードを判定する方法を示す特性図。 加速時のスロットル開度の変化速度を運転モードにより異ならせる実施例を示す特性図。
符号の説明
1…クランクシャフト
2…ロアリンク
3…ピストン
5…アッパリンク
6…コントロールリンク
7…コントロールシャフト
8…偏心カム

Claims (13)

  1. 圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構を備えた可変圧縮比内燃機関において、
    複数の運転モードを備え、各運転モード毎に、内燃機関の運転条件に対し目標圧縮比を設定した圧縮比マップが設けられており、
    運転者の運転状態に最適な運転モードを判定する運転モード判定手段を備え、
    この運転モード判定手段による運転モード判定結果に応じて、上記圧縮比マップを切り替えることを特徴とする可変圧縮比内燃機関の制御装置。
  2. 圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構を備えた可変圧縮比内燃機関において、
    内燃機関の運転条件に対し目標圧縮比が設定されているとともに、
    複数の運転モードの中で、運転者の運転状態に最適な運転モードを判定する運転モード判定手段を備え、
    この運転モード判定手段による運転モード判定結果に応じて、上記目標圧縮比を補正することを特徴とする可変圧縮比内燃機関の制御装置。
  3. 複数の運転モードとして、少なくとも、燃費性能を優先する燃費重視モードと加速性能を優先する加速重視モードを有し、上記燃費重視モードは、上記加速重視モードに比較して、少なくとも一部の回転速度・負荷領域において、より高圧縮比の設定となり、少なくとも一部の回転速度・負荷領域において、EGR率がより高く設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の可変圧縮比内燃機関の制御装置。
  4. 上記運転モード判別手段として、エンジン回転速度と負荷の時間履歴を判別する手段を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の可変圧縮比内燃機関の制御装置。
  5. 上記運転モード判別手段として、アクセルペダル開度の時間履歴を判別する手段を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の可変圧縮比内燃機関の制御装置。
  6. 上記運転モード判別手段として、圧縮比または目標圧縮比の時間履歴を判別する手段を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の可変圧縮比内燃機関の制御装置。
  7. 圧縮比可変制御回数をカウントし、カウント数が所定時間内に所定回数以上である場合は加速重視モードであると判定し、所定回数未満である場合は燃費重視モードであると判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の可変圧縮比内燃機関の制御装置。
  8. 所定の圧縮比以下になる回数をカウントし、カウント数が所定時間内に所定回数以上である場合は加速重視モードであると判定し、所定回数未満である場合は燃費重視モードであると判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の可変圧縮比内燃機関の制御装置。
  9. 所定値以上の圧縮比が所定時間以上続いたときに燃費重視モードであると判定し、または所定値未満の圧縮比が所定時間以上続いたときに加速重視モードであると判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の可変圧縮比内燃機関の制御装置。
  10. 運転者がアクセルペダルを踏み込んだときの目標スロットル開度に達するまでのスロットル開度変化が、同一のアクセルペダル踏込速度でかつ同一のアクセルペダル踏込量で比較して、加速重視モード時よりも燃費重視モード時のほうが緩慢になるように制御されることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の可変圧縮比内燃機関の制御装置。
  11. 運転者の意思によって手動で運転モードの切替が可能であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の可変圧縮比内燃機関の制御装置。
  12. 内燃機関の運転条件に対し目標EGR率を設定した複数のEGR率設定マップを備え、運転モードに応じてEGR率設定マップを切り替えることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の可変圧縮比内燃機関の制御装置。
  13. 内燃機関の運転条件に対し目標EGR率を設定したEGR率設定マップを備えるとともに、この目標EGR率の補正手段を有し、目標圧縮比の補正に連動して目標EGR率を補正することを特徴とする請求項2に記載の可変圧縮比内燃機関の制御装置。
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