JP2005146325A - ステンレスとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも抗菌能を有する粒子を含み、その粒子が島状に露出している表面において、その全表面上に少なくともシロキサン結合を含む膜が形成されたステンレスの構成とした。これによって、抗菌能を有する粒子が、シロキサン結合を有する膜を通して溶出することで、ステンレス表面に抗菌性と防汚性を同時に付与することができる。
【選択図】図1
Description
(1)SiX4 (n=0に相当)
(2)SiX3−O−SiX3 (n=1に相当)
さらに具体的な化合物としては
(3)Si(OC2H5)4
(4)Si(OCH3)3−O−Si(OCH3)3
(5)Si(OC2H5)3−O−Si(OCH3)3
(6)Si(OC2H5)3−O−Si(OC2H5)3
(7)Si(NCO)4
(8)Si(NCO)3−O−Si(NCO)3
(9)SiCl4
(10)SiCl3−O−SiCl3
が挙げられる。
(11)SiYpCl4-p
(12)CH3(CH2)sO(CH2)tSiYqCl3-q
(13)CH3(CH2)u−Si(CH3)2(CH2)v−SiYqCl3-q
(14)CF3COO(CH2)wSiYqCl3-q
但し、pは1〜3の整数、qは0〜2の整数、rは1〜25の整数、sは0〜12の整数、tは1〜20の整数、uは0〜12の整数、vは1〜20の整数、wは1〜25の整数を示す。また、Yは、水素、アルキル基、アルコキシル基、含フッ素アルキル基または含フッ素アルコキシ基である。
(15)CH3CH2O(CH2)15SiCl3
(16)CH3(CH2)2Si(CH3)2(CH2)15SiCl3
(17)CH3(CH2)6Si(CH3)2(CH2)9SiCl3
(18)CH3COO(CH2)15SiCl3
(19)CF3(CF2)7−(CH2)2−SiCl3
(20)CF3(CF2)5−(CH2)2−SiCl3
(21)CF3(CF2)7−C6H4−SiCl3
また、上記クロロシラン系化合物の代わりに、全てのクロロシリル基をイソシアネート基に置き扱えたイソシアネート系化合物、例えば下記に示す(22)−(26)を用いてもよい。
(22)SiYp(NCO)4-p
(23)CH3−(CH2)rSiYp(NCO)3-p
(24)CH3(CH2)sO(CH2)tSiYq(NCO)q-P
(25)CH3(CH2)u−Si(CH3)2(CH2)v−SiYq(NCO)3-q
(26)CF3COO(CH2)vSiYq(NCO)3-q
但し、p、q、r、s、t、u、v、wおよびXは、前記と同様である。
(27)CH3CH2O(CH2)15Si(NCO)3
(28)CH3(CH2)2Si(CH3)2(CH2)15Si(NCO)3
(29)CH3(CH2)6Si(CH3)2(CH2)9Si(NCO)3
(30)CH3COO(CH2)15Si(NCO)3
(31)CF3(CF2)7−(CH2)2-Si(NCO)3
(32)CF3(CF2)5−(CH2)2-Si(NCO)3
(33)CF3(CF2)7−C6H4−Si(NCO)3
また、シラン系化合物として、一般に、SiYk(OA)4-k(Yは、前記と同様、Aはアルキル基、kは0、1、2または3)で表される物質を用いることが可能である。中でも、CF3−(CF2)n−(R)l−SiYq(OA)3-q(nは1以上の整数、好ましくは1〜22の整数、Rはアルキル基、ビニル基、エチニル基、アリール基、シリコンもしくは酸素原子を含む置換基、lは0または1、Y、Aおよびqは前記と同様)で表される物質を用いると、よりすぐれた防汚性の被膜を形成できるが、これに限定されるものではなく、これ以外にも、 CH3−(CH2)r−SiYq(OA)3-qおよびCH3−(CH2)s−0−(CH2)t−SiYq(OA)3-q、CH3−(CH2)u−Si(CH3)2−(CH2)v−SiYq(OA)3-q、CF3COO−(CH2)v−SiYq(OA)3-q(但し、q、r、s、t、u、v、w、YおよびAは、前記と同様)などが使用可能である。
(34)CH3CH2O(CH2)15Si(OCH3)3
(35)CF3CH2O(CH2)15Si(OCH3)3
(36)CH3(CH2)2Si(CH3)2(CH2)15Si(OCH3)3
(37)CH3(CH2)6Si(CH3)2(CH2)9Si(OCH3)3
(38)CH3COO(CH2)15Si(OCH3)3
(39)CF3(CF2)5(CH2)2Si(OCH3)3
(40)CF3(CF2)7−C6H4−Si(OCH3)3
(41)CH3CH2O(CH2)15Si(OC2H5)3
(42)CH3(CH2)2Si(CH3)2(CH2)15Si(OC2H5)3
(43)CH3(CH2)6Si(CH3)2(CH2)9Si(OC2H5)3
(44)CF3(CH2)6Si(CH3)2(CH2)9Si(OC2H5)3
(45)CH3COO(CH2)15Si(OC2H5)3
(46)CF3COO(CH2)15Si(OC2H5)3
(47)CF3COO(CH2)15Si(OCH3)3
(48)CF3(CF2)9(CH2)2Si(OC2H5)3
(49)CF3(CF2)7(CH2)2Si(OC2H5)3
(50)CF3(CF2)5(CH2)2Si(OC2H5)3
(5l)CF3(CF2)7C6H4Si(OC2H5)3
(52)CF3(CF2)9(CH2)2Si(OCH3)3
(53)CF3(CF2)5(CH2)2Si(OCH3)3
(54)CF3(CF2)7(CH2)2SiCH3(OC2H5)2
(55)CF3(CF2)7(CH2)2SiCH3(OCH3)2
(56)CF3(CF2)7(CH2)2Si(CH3)2OC2H5
(57)CF3(CF2)7(CH2)2Si(CH3)2OCH3
ここで(22)〜(57)の化合物を用いた場合には、塩酸が発生しないため、装置保全および作業上のメリットもある。また抗菌能を有する粒子の溶出のため、これらのうちアルキル鎖が1〜20までのもpのが望ましい。
窒素雰囲気(無水)下で少なくとも抗菌能を有する0.05wt%酸化銀粒子を含み、それが島状に露出している表面を有するフェライト系ステンレス(SUS430系)をヘプタデカフルオロデシルトリクロロシランと溶媒ヘキサメチルシロキサン溶媒を含む溶液に浸漬し、通常雰囲気で乾燥することで、本発明のステンレスAを作製した。
窒素雰囲気(無水)下で少なくとも抗菌能を有する0.05wt%酸化銀粒子を含み、それが島状に露出している表面を有するフェライト系ステンレス(SUS430系)をヘプタデカフルオロデシルトリクロロシランと溶媒ヘキサメチルシロキサン溶媒を含む溶液に浸漬し、浸漬後過剰なヘプタデカフルオロデシルトリクロロシランを溶媒で洗浄し、通常雰囲気で乾燥することで、本発明のステンレスBを作製した。
窒素雰囲気(無水)下で少なくとも抗菌能を有する0.05wt%銀粒子を含み、それが島状に露出している表面を有するフェライト系ステンレス(SUS430系)をヘプタデカフルオロデシルトリクロロシランと溶媒ヘキサメチルシロキサン溶媒を含む溶液に浸漬し、浸漬後過剰なヘプタデカフルオロデシルトリクロロシランを溶媒で洗浄し、通常雰囲気で乾燥することで、本発明のステンレスCを作製した。
窒素雰囲気(無水)下で少なくとも抗菌能を有する0.1wt%酸化銀粒子を含み、それが島状に露出している表面を有するフェライト系ステンレス(SUS430系)をヘプタデカフルオロデシルトリクロロシランと溶媒ヘキサメチルシロキサン溶媒を含む溶液に浸漬し、浸漬後過剰なヘプタデカフルオロデシルトリクロロシランを溶媒で洗浄し、通常雰囲気で乾燥することで、本発明のステンレスDを作製した。
窒素雰囲気(無水)下で少なくとも抗菌能を有する0.05wt%酸化銀粒子を含み、それが島状に露出している表面を有するフェライト系ステンレス(SUS430系)を空気中で150℃1時間熱処理した後、ヘプタデカフルオロデシルトリクロロシランと溶媒ヘキサメチルシロキサン溶媒を含む溶液に浸漬し、浸漬後過剰なヘプタデカフルオロデシルトリクロロシランを溶媒で洗浄し、通常雰囲気で乾燥することで、本発明のステンレスEを作製した。
窒素雰囲気(無水)下で少なくとも抗菌能を有する0.05wt%酸化銀粒子を含み、それが島状に露出している表面を有するフェライト系ステンレス(SUS430系)を空気中で150℃1時間熱処理した後、1N硝酸に30分浸漬後、乾燥し、ヘプタデカフルオロデシルトリクロロシランと溶媒ヘキサメチルシロキサン溶媒を含む溶液に浸漬し、浸漬後過剰なヘプタデカフルオロデシルトリクロロシランを溶媒で洗浄し、通常雰囲気で乾燥することで、本発明のステンレスFを作製した。
本発明と比較例のステンレスを以下に示すJISに準拠したフィルム評価法で抗菌性評価を行った。
(1)25cm3 のステンレスを99.5%以上含有のエタノールを染みこませた脱脂綿で洗浄・脱脂する。
(2)大腸菌を1/500 普通ブイオン溶液に分散する。(菌の個数は2.0×105 〜1.0×106 cfu/ml に調整した。1/500 普通ブイオン溶液とは普通ブイオン培地を滅菌精製水で500倍に希釈したものである。普通ブイオン培地とは、肉エキス5.0g、塩化ナトリウム5.0g、ペプトン10.0g、精製水1000mL、pH:7.0±0.2のものをいう。)
(3) 菌液を0.5mL/25cm3 の割合でステンレス上(各水準3個)に塗布する。
(4) ステンレス表面に被覆フィルムを被せる。
(5) 試験体の温度を35±1.0℃、湿度を90%RHの条件下で24時間保存する。
(6) 寒天培養法(35±1.0℃ 40〜48時間)により生菌数を測定する。
(7) 滅菌率を算出する。滅菌率=(リファレンスの菌数−試験後の菌数)/(リファレンスの菌数)×100 なお、リファレンスの菌数とは、滅菌シャーレ上にて上記試験を行ったものの生菌数であり、9.30×107 であった。
2 ヘプタデカフルオロデシルトリクロロシラン
3 ヘプタデカフルオロデシルトリクロロシラン溶液
4 溶媒
5 本発明の第1発明のステンレス
11 抗菌能を有するステンレス
12 ヘプタデカフルオロデシルトリクロロシラン
13 ヘプタデカフルオロデシルトリクロロシラン溶液
14 溶媒
15 本発明の第3発明のステンレス
Claims (14)
- 少なくとも抗菌能を有する粒子を含み、前記粒子が島状に露出している表面において、その全表面上に少なくともシロキサン結合を有する膜が形成されたステンレス。
- 抗菌能を有する粒子が、Zn、Cu、Agの酸化物およびそれらの複合酸化物であることを特徴とする請求項1記載のステンレス。
- 少なくとも抗菌能を有する粒子を含み、前記粒子が島状に露出している表面において、その粒子が露出していない表面上にシロキサンを有する膜が形成されたステンレス。
- 抗菌能を有する粒子が、Zn、Cu、Agであることを特徴とする請求項3記載のステンレス。
- シロキサン結合を有する膜がフルオロアルキル基を有することを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載のステンレス。
- シロキサン結合を有する膜が単分子膜であることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載のステンレス。
- Zn、Cu、Agの合計の含有率が0.0001〜1wt%であることを特徴とする請求項2または4記載のステンレス。
- 少なくとも抗菌能を有する粒子を含み、前記粒子が島状に露出している表面を有するステンレスを少なくともシラン化合物を含む溶液に浸漬する工程を有するステンレスの製造方法。
- 少なくとも抗菌能を有する粒子を含み、前記粒子が島状に露出している表面を有するステンレスを加熱する工程と少なくともシラン化合物を含む溶液に浸漬する工程を有するステンレスの製造方法。
- 少なくとも抗菌能を有する粒子を含み、前記粒子が島状に露出している表面を有するステンレスを加熱する工程と、少なくとも酸を含む溶液で洗浄する工程と、少なくともシラン化合物を含む溶液に浸漬する工程とを有するステンレスの製造方法。
- シラン化合物がクロロシランであることを特徴とする請求項8〜10いずれか1項に記載のステンレスの製造方法。
- シラン化合物を含む溶液の溶媒が非水溶媒であることを特徴とする請求項11記載のステンレスの製造方法。
- シラン化合物を含む溶液を浸漬する工程が湿度35%以下の無水雰囲気下であることを特徴とする請求項8〜12いずれか1項に記載のステンレスの製造方法。
- シラン化合物を含む溶液を浸漬する工程の後に過剰な未反応のシラン化合物を洗浄する工程を含むことを特徴とする請求項8〜13いずれか1項に記載のステンレスの製造方法。
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US20150315388A1 (en) * | 2012-11-30 | 2015-11-05 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Multifunctional coating structure and method for forming the same |
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