JP2005144413A

JP2005144413A - エアゾール容器用噴出ノズル

Info

Publication number: JP2005144413A
Application number: JP2003390132A
Authority: JP
Inventors: Satoshi Tomita; 悟史冨田; Eiji Ishimura; 栄司石村; Koji Teramoto; 広司寺本; Iwamine Ou; 岩峰王; Takashi Maruyama; 学士丸山
Original assignee: Koike Chemical Co Ltd; Kohjin Holdings Co Ltd; Kohjin Co
Current assignee: Koike Chemical Co Ltd; Kohjin Holdings Co Ltd; Kohjin Co
Priority date: 2003-11-20
Filing date: 2003-11-20
Publication date: 2005-06-09

Abstract

【課題】消火薬剤・塗料・殺虫剤・消臭剤・芳香剤等、特に粘性、あるいは曳糸性を有する液体を、より広範囲に噴霧可能な、エアゾール容器用噴出ノズルを提供する。
【解決手段】エアゾール容器のステムに接合したガイド部材の先端に接合するエアゾール容器用噴出ノズルであって、その噴出ノズルの先端に、噴孔を含む凹状の溝（溝の幅が好ましくは噴孔の１〜１．５倍）、及び該溝と直交するように噴孔の両側に凸状突起（突起の幅が好ましくは噴孔より大きい）、を設ける。
【選択図】図１

Description

本発明は、エアゾール容器用噴射ノズルに関する。更に詳しくは、消火薬剤・塗料・殺虫剤・消臭剤・芳香剤等、特に粘性を有する液体を噴霧・噴射するエアゾールに於いて、その内容液を広範囲に噴霧可能なエアゾール容器用噴出ノズルに関する。

従来、エアゾール容器用噴出ノズルには、噴孔が一つ設けられたもの（例えば、特許文献１）が公知であり、広く実用に供されてきた。しかしながら、噴霧範囲が非常に狭く、広範囲に噴霧できないという欠点があった。
そこで、広範囲に噴霧すべく、複数の複数の噴孔を有するノズル、例えば噴射ノズルの軸線に対して傾斜する複数の孔が形成されたもの、あるいは噴孔から噴出する噴霧の軸線が互いに交差するように噴孔が配設されたもの（例えば、特許文献２）が、また、噴孔のまわりに遮蔽手段が形成されたもの（特許文献３）等が開示されている。

しかしながら、これらの噴出ノズルを使用し、比較的高い粘度を有する内容液を噴霧すると、粘性に起因する内容液の収束性から、単一の噴孔の場合、内容液は単一の棒状となり、また、複数の噴孔をもつノズルであっても、それぞれの噴孔から内容液が棒状で噴射されるだけであり、広範囲に噴霧することが出来ないという欠点を有していた。
実開昭５９−１７６６６７号公報特開平６−２８６７７７号公報、同１１−２１８８１２号公報特開平１０−２３０１９６号公報

本発明は、粘性、あるいは曳糸性を有する液体を、より広範囲に噴霧可能なエアゾール容器用噴出ノズルを提供する事を課題とする。

本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討の結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、
（１）エアゾール容器のステムに接合したガイド部材の先端に接合するエアゾール容器用噴出ノズルであって、その噴出ノズルの先端に、噴孔を含む凹状の溝及び該溝と直交するように噴孔の両側に凸状突起を設けることを特徴とする、エアロゾール容器用噴出ノズル、
（２）溝の幅が噴孔の径の１〜１．５倍であり、凸状突起の幅が噴孔より大きいものである、上記（１）記載のエアゾール容器用噴出ノズル、
（３）溝の底面から凸状突起の上面までの距離が、噴孔の径の０．８〜２倍である、上記（１）乃至（２）記載のエアゾール容器用噴出ノズル、
（４）エアゾール容器の噴出加圧気体が、炭酸ガス及び／又は窒素ガスである、上記（１）乃至（３）のいずれか一に記載のエアゾール容器用噴出ノズル、
（５）内容液噴射速度が、１０ｍｌ／秒以上である、上記（１）乃至（４）のいずれか一に記載のエアゾール容器用噴出ノズル、
を提供するものである。

本発明のエアゾール用噴出ノズルは、凹状の溝と凸状の突起物を設けたため、内容液が比較的高い、例えば１０〜１００ｍＰａ・ｓ、粘度を有する液体であっても、広範囲に渡って内容液を噴霧・噴射できる。

以下、図面を参照しつつ、本発明のエアゾール容器用噴出ノズルについて、詳細に説明する。
本発明の噴出ノズル１は、凹状の溝２と凸状突起３が設けられたものであり、図１〜図４に、本発明の一実施の形態を示す。
なお、以下の説明において、噴出ノズルの軸線とは図１に於いて噴孔の中心線矢印ａであり、放射方向とは図１に於いて矢印ａで示される方向である。また、接続角度とは、図２及び図３に於いてｃで示される角度である。

図１に示すように、本発明の噴出ノズル１は、噴出ノズル１の先端に噴孔４を有する凹状の溝２が設けられている。溝２の幅・形状は任意であるが、幅が噴孔４の径の１〜１．５倍であることが好ましい。幅がこれより広くなると、高い粘度を有する内容液を広範囲に噴霧することが困難となる。

噴孔４の形状は形状は任意であり、円形・楕円形・三角形・四角形などが挙げられるが、一般的には、加工の容易さ等を勘案し、円形あるいは長方形が好ましい。また、噴孔の数も、一つ、あるいは複数設けることもできる。
噴出ノズル１の噴孔４の口径（開口面積）は、特に限定されるものではないが、噴射すべき内容液の粘度並びに単位時間当たりの噴射量によって、適宜決定することができる。例えば、粘度２０ｍＰａ・ｓの溶液を炭酸ガスで０．７ＭＰａ（２５℃）に加圧したものを、約１８ｍｌ／ｓｅｃの噴出速度で噴射させる場合、噴出ノズル１の噴孔口径は、直径０．８ｍｍの円形あるいはそれと同等の開口総面積を有する多孔ノズルが好ましい。

噴出ノズル１先端には、該溝２と直行するように噴孔４の両側に、凸状突起３設けられている。
凸状突起３の形状・大きさについては、特に限定する物ではないが、凸状突起３の幅（図１のｄ）及び凸状突起の間隔（図１のｅ）が、いずれも噴孔４の口径より大きいことが望ましい。

噴孔４（溝２の底面）から、凸状突起３の上面までの距離は、噴孔の口径の０．８〜２倍程度が好ましい。これより短いあるいは長い場合、高い粘度を有する内容液を広範囲に噴霧することが困難となる。
また、凹状の溝２及び凸状突３の接続角度は、０〜２０゜で有ることが好ましい。

噴出ノズル１の材質は、内容液によって選択される。内容液によって、濡れ易い材質（例えば、内容液を噴出ノズルと同一の材質のテストピースに塗布した際にハジキがなく均一な塗膜が形成される材質）を選択することによって、より広範囲に液を噴霧させることができる。

エアゾール容器の加圧用気体は、炭酸ガス、窒素ガスあるいは炭酸ガスと窒素ガスの混合ガスである事が、内容液を拡散放射させる上で好ましく、特に、炭酸単独での使用がより好ましい。
放射速度は、内容液の粘度と必要な放射範囲により決められるが、内容液の粘度が、１０〜１００ｍＰａ・ｓの場合、１０ｍｌ／ｓｅｃ以上の放射速度が必要である。これ以下の放射速度の場合、十分な放射範囲が得られない場合がある。

以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
製造例１〜３：内容液の調整
脱塩水に酢酸ナトリウムを３０ｗｔ％の割合で添加した水溶液に、Ｎ，Ｎ−ジメチルアクリルアミドとアクリル酸ナトリウムの共重合ポリマー（粘度平均分子量約２５万）を溶解し、噴射用の内容液を調整した。調整の結果得られた溶液の粘度を表１に示す。

製造例４：内容液の調整
脱塩水に塩化ナトリウムを５ｗｔ％の割合で添加した水溶液に、アクリル酸ナトリウムのホモポリマー（粘度平均分子量約３２万）とメチルセルロース（メトキシル基含有量２９．８％、平均分子量３５万）を１対２の重量比で溶解し、噴射用の内容液を調整した。調整の結果得られた溶液の粘度を表１に示す。

実施例１
内径５８ｍｍ、高さ１９０ｍｍの容器に、製造例１で調整した内容液２９０ｇを充填した後、炭酸ガスを充填し、容器を０．７ＭＰａ（２５℃）に加圧した。
加圧した容器に、図１に示された形状の噴出ノズル（・噴孔形状：円形、面積０．５ｍｍ^２、・溝：幅０．４ｍｍ、深さ：０．５ｍｍ、・凸状突起の大きさ：幅（図１の突起幅ｄ）３ｍｍ、深さ０．８５ｍｍ（溝の底面から凸状突起の上面））を接続した。噴出ノズル部位が、高さ１．５ｍとなるように容器に固定し、ノズルより１．５ｍ離れた所に垂直に設置した厚紙に２秒間内容液を噴射した。
噴射後、厚紙についた内容液の被液痕の水平方向の幅（以下、放射範囲という）を測定したところ、３８ｃｍであった。また、噴射後、重量を測定し、数１により噴射速度を求めたところ、１８ｍｌ／秒であった。

実施例２
実施例１において、製造例２で調整した内容液２９０ｇを用いた以外は、実施例１と同様に実施し、噴出試験を行った。
その結果、放射範囲は２９ｃｍであり、噴射速度は１１ｍｌ／秒であった。

比較例１
実施例１において、製造例３で調整した内容液２９０ｇを用いた以外は、実施例１と同様に実施し、噴出試験を行った。
その結果、十分な放射距離を得ることができず、放射範囲を測定出来なかった。また、噴射速度は、５ｍｌ／秒であった。

実施例３
実施例１において、製造例４で調整した内容液２９０ｇを用いた以外は、実施例１と同様に実施し、噴出試験を行った。
その結果、放射範囲は４１ｃｍであり、放射速度は、１８ｍｌ／秒であった。

実施例４
実施例１において、炭酸ガスに換えて窒素ガスを充填し、圧力を０．７ＭＰａ（25℃）とした以外は、実施例１と同様に実施し、噴出試験を行った。
その結果、放射範囲は１８ｃｍであり、噴射速度は１９ｍｌ／秒であった。

比較例２
実施例１において、図１に示されたノズルに換えて図５に示された単一噴孔ノズル（噴孔形状：円形、面積０．５ｍｍ^２）を用いた以外は、実施例１と同様に実施し、噴出試験を行った。
その結果、放射範囲は１０ｃｍであり、放射速度は１８ｍｌ／秒であった。

本発明の噴射ノズルは、粘度の高い内容液を広範囲に噴霧することができるので、消火薬剤・塗料・殺虫剤・消臭剤・芳香剤等、特に粘性を有する液体を噴霧・噴射するエアゾール容器に、好適に用いることができる。

本発明の一実施の形態に係る噴出ノズルを示す図である。本発明の他の実施の形態に係る噴出ノズルの図である。本発明の他の実施の形態に係る噴出ノズルの図である。本発明の他の実施の形態に係る噴出ノズルの図である。従来の噴出ノズルの図である。

符号の説明

１噴出ノズル
２凹状の溝
３凸状突起
４噴孔

Claims

エアゾール容器のステムに接合したガイド部材の先端に接合するエアゾール容器用噴出ノズルであって、その噴出ノズルの先端に、噴孔を含む凹状の溝及び該溝と直交するように噴孔の両側に凸状突起を設けることを特徴とする、エアロゾール容器用噴出ノズル。
溝の幅が噴孔の径の１〜１．５倍であり、凸状突起の幅が噴孔より大きいものである、請求項１記載のエアゾール容器用噴出ノズル。
溝の底面から凸状突起の上面までの距離が、噴孔の径の０．８〜２倍である、請求項１乃至２記載のエアゾール容器用噴出ノズル。
エアゾール容器の噴出加圧気体が、炭酸ガス及び／又は窒素ガスである、請求項１乃至３のいずれか１項記載のエアゾール容器用噴出ノズル。
内容液噴射速度が、１０ｍｌ／秒以上である、請求項１乃至４のいずれか１項記載のエアゾール容器用噴出ノズル。