JP2005140890A - 防眩フィルム及び画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 防眩性を犠牲にすることなく、画面のぎらつきの低減を実現させた防眩フィルムを提供し、それを用いて視認性に優れた画像表示装置を提供する。
【解決手段】 表面に微細な凹凸が形成されている防眩フィルムであって、凹凸の平均高さよりも高い領域を凸、凹凸の平均高さよりも低い領域を凹とし、個々の凸の投影面積又は凹の投影面積を求めて、所定の面積刻みで当該凸又は凹の頻度を求め、さらに面積×頻度により上記所定面積刻みで見かけの面積の頻度を計算し、得られる凸又は凹の見かけの面積の頻度をヒストグラムで表したときに、ピーク値が300μm2以下の位置に現れ、かつそのピークの半値幅が60μm2以下である防眩フィルム20が提供される。この防眩フィルム20を、液晶パネルなどの画像表示手段の視認側に配置して、画像表示装置が構成される。

【選択図】 図1

Description

本発明は、画像表示装置における偏光フィルムなどの光学用途に好適に用いられる防眩フィルムに関するものであり、特に精細度の高い画像表示装置に適用した場合でも、ぎらつきなどが生じにくく、高い視認性を確保できる防眩フィルムに関するものである。本発明はまた、かかる防眩フィルムを用いた画像表示装置にも関係している。
液晶表示装置をはじめとする画像表示装置は、その画像表示面に外光が映り込むと、視認性が著しく損なわれる。画質を重視するテレビやパーソナルコンピュータなどの用途、外光の強い屋外で使用されるビデオカメラやデジタルカメラなどの用途、また反射光を利用して表示を行う携帯電話のような反射型液晶表示装置などの用途では、これらの映り込みを防止する処理が表示装置表面になされるのが通例である。映り込み防止処理は、光学多層膜による干渉を利用した無反射処理と、表面に微細な凹凸を形成することにより入射光を散乱させ、映り込み像をぼかすいわゆる防眩処理とに大別される。前者の無反射処理は、均一な光学膜厚の多層膜を形成する必要上、コスト高になるという問題がある。これに対して後者の防眩処理は、比較的安価に実現できるため、大型のパーソナルコンピュータやモニタなどの用途に用いられている。
防眩性のフィルムは、例えば、フィラーを分散させた紫外線硬化型樹脂を透明基材上に塗布し、乾燥させた後、紫外線を照射して樹脂を硬化させ、フィルム表面にランダムな凹凸を形成する等の方法により製造されている。そしてこれまでにも、画像表示装置に用いるフィルムの表面に微細な凹凸を形成して防眩性を付与する提案が多数なされている。例えば、特開 2003-4903号公報(特許文献1)には、透明支持体上に防眩層を有し、表面に凹と凸とを有する防眩フィルムであって、各々の凹の切断面の面積が1,000μm2 以下である防眩フィルムが開示されており、ここでは、平均粒径0.2〜10μmの粒子を分散させた紫外線硬化型樹脂を透明支持体上に塗布し、紫外線硬化させて、上記の凹凸を有する防眩フィルムが作製されている。
また、特開 2002-365410号公報(特許文献2)には、表面に微細な凹凸が形成された光学フィルムであって、そのフィルムの表面に、法線に対して−10°方向から光線を入射し、表面からの反射光のみを観測したときの反射光のプロファイルが特定の関係を満たす防眩フィルムが開示されている。
特開 2003-177207号公報(特許文献3)には、凹凸表面に多層の反射防止層を設けることを前提にしたものであるが、輪郭曲線要素の平均高さ(Rc)が0.1〜30μm である凹凸面が形成され、その凹凸面の0.01mm2あたりの凸部の個数が1〜1000である樹脂層を有する反射防止フィルムであって、その凹凸面のうち反射防止フィルム面に対する傾斜角が0〜5°である平行面が15〜100%を占め、その平行面の15〜100%が凸部に形成されている反射防止フィルムが開示されている。この特許文献3では、かかる凹凸を形成させるためにマット賦型フィルムを用いているが、そのマット賦型フィルムの具体的な作製法は示されていない。
特開2003−4903号公報 特開2002−365410号公報 特開2003−177207号公報
従来公知の防眩処理フィルム、特にフィラーを分散させることにより得られる防眩フィルムでは、フィラーは塗布の際ランダムに配置されるため、フィラーの密度分布、延いては表面に形成された凹凸の密度分布が生じていた。このような従来の防眩フィルムを高精細な液晶パネルと組み合わせて用いた場合に、原因は定かでないものの、表示がぎらついて見え、十分な視認性が得られるとはいい難いものであった。凹凸の密度分布を小さくするためには、フィラーの配合量を少なくすればよいが、この場合には充分な防眩性が得られず、一方でフィラーの配合量が多すぎると、防眩性は得られるものの、ヘイズが高くなり、コントラストが低くなるという問題があった。
本発明はこのような現状に鑑みてなされたものであって、その目的は、防眩性を犠牲にすることなく、画面のぎらつきの低減を実現させた防眩フィルムを提供することにある。本発明のもう一つの目的は、かかる防眩フィルムを用いて、画面のぎらつきがなく、視認性の優れた画像表示装置を提供することにある。
本発明者らは、かかる目的のもとに鋭意研究を行った結果、凹凸が形成されたフィルムにおける凹凸の密度分布がぎらつき性能に大きな影響を与えることを解明し、それを適切に制御することにより、高性能の防眩フィルムが得られることを見出し、さらに種々の検討を加えて、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明によれば、表面に微細な凹凸が形成されており、凹凸の平均高さよりも高い領域を凸、凹凸の平均高さよりも低い領域を凹とし、個々の凸の投影面積又は凹の投影面積を求めて、所定の面積刻みで当該凸又は凹の頻度を求め、さらに面積×頻度により上記所定面積刻みで見かけの面積の頻度を計算し、得られる凸又は凹の見かけの面積の頻度をヒストグラムで表したときに、ピーク値が300μm2以下の位置に現れ、かつそのピークの半値幅が60μm2以下である防眩フィルムが提供される。
上記のピーク値は、150μm2以下の位置に現れるのがより好ましい。また、上記ピークの半値幅は、10μm2より大きくなるようにするのが好ましい。
これらの防眩フィルムは、正反射角度から20°ずれた方向への反射率が 0.001%以下であるのが有利である。また、暗部と明部の幅が1.0mm の光学くしを用いて測定される45°反射鮮明度が50%以下となるようにするのが有利である。さらに、暗部と明部の幅が0.125mm、0.5mm、1.0mm及び2.0mmである4種類の光学くしを用いて測定される透過鮮明度の合計値が200%以上となるようにするのが有利である。これらの防眩フィルムはまた、ヘイズが15%以下であるのが有利である。
さらに本発明によれば、この防眩フィルムを用いた画像表示装置も提供され、この画像表示装置は、上記いずれかの防眩フィルムと画像表示手段を備え、その防眩フィルムは画像表示手段の視認側に配置されているものである。
本発明の防眩フィルムは、表面の凹凸を適切に制御したものであって、液晶表示装置などの画像表示装置、特に精細度の高い画像表示装置に適用した場合に、ぎらつきなどの視認性を妨げる現象の発生を有効に防止できるので、防眩効果に優れ、視認性の高い画像を与えることができる。殊に、フィルムの光学特性も併せて制御することにより、かかる効果が一層顕著なものとなる。
以下、添付した図面も適宜参照しながら、本発明をさらに詳細に説明する。添付の図面中、図1は、防眩フィルムの表面の概略を示す斜視図である。図2は、防眩フィルムのある部分の表面について、各点の高さをプロットした三次元等高線図である。図3は、防眩フィルムのある部分の表面について、平均高さよりも高い領域(凸)を白色で、平均高さよりも低い領域(凹)を黒色でそれぞれ示した二次元等高線図である。図4は、防眩フィルム表面で観測される個々の凸又は凹が現れる頻度を面積に対してプロットしたヒストグラムの例である。図5は、図4のデータから、縦軸を面積×頻度で表したヒストグラムの例である。図6は、凸又は凹の見かけの面積のヒストグラムにおけるピークの半値幅の求め方を示す図であって、図5の横軸が0〜200μm2の間を拡大して示すヒストグラムである。図7は、本発明に係る防眩フィルムの製造方法の一例を工程毎に縦断面模式図で示すものである。図8は、正反射角度とそこから20°ずれた方向への反射率を説明するための斜視図である。図9は、後述する実施例1で得られた防眩フィルムの縦約480μm ×横約640μm の範囲について、高さ情報を階調に変換して表示した拡大図であって、右横に示したものは、高さを表すグレースケールである。図10は、同じく実施例1で得られた防眩フィルムについて、表面で観測される個々の凸又は凹が現れる頻度を面積に対してプロットしたヒストグラムである。図11は、図10のデータから、縦軸を面積×頻度で表したヒストグラムである。
図1を参照して、本発明の防眩フィルムにつき説明する。この防眩フィルム20は、その表面に微細な凹凸3,4が形成されたものであって、このこと自体は従来公知の防眩性フィルムと変わるものではない。図1では、フィルムの平均高さの面(主平面という)を符号1で、その投影面を符号2でそれぞれ表示し、フィルム面内の直交座標を(x,y)で表示している。また、平均高さより高い部分(凸)3を実線で、そして平均高さより低い部分(凹)4を破線で、それぞれ表示している。
本発明では、凹凸の平均高さよりも高い領域を凸、凹凸の平均高さよりも低い領域を凹とし、個々の凸の面積又は凹の面積を求めて、所定の面積刻みで当該凸又は凹の頻度を求め、さらに面積×頻度により上記の所定面積刻みで見かけの面積の頻度を計算し、得られる凸又は凹の見かけの面積の頻度をヒストグラムで表したときに、ピーク値が300μm2以下の位置に現れ、かつそのピークの半値幅が60μm2以下となるようにする。
このヒストグラムにおいて、ピーク値の現れる面積値が大きくなるほど、凹凸が粗になる。そして、300μm2の面積を有する凸又は凹は、半径約10μm の円に相当し、このような大きな凸又は凹が多数存在する場合、すなわち、上記のヒストグラムにおけるピーク値が300μm2よりも大きい位置に現れる場合は、ぎらつきが大きくなって、視認性を損なうことになる。凸又は凹の見かけの面積の頻度をヒストグラムで表したときのピーク値は、200μm2以下、さらには150μm2以下、とりわけ100μm2以下の位置に現れるようにするのが一層好ましい。また、凸又は凹の見かけの面積の頻度をヒストグラムで表したときに表れるピークの半値幅は、いわば、単位面積あたりの凸又は凹の見かけの面積の分布に相当する。
従来の防眩フィルム、特にフィラーを分散させて得られる防眩フィルムでは、フィラーが良好に分散された部分の凹凸と、フィラーの分散状態が悪く、凝集した部分の凹凸とが見られる。このような状態で単に凹凸の個数だけをカウントすると、一般的にはフィラーの分散が良好な部分における面積の小さな凹凸が多数カウントされる一方で、フィラーが凝集したことによる面積の大きな凹凸がごく少数カウントされることになる。ところが、光学顕微鏡や触針式の膜厚計などで観察すると、フィラーが凝集したことによる面積の大きな凹凸が目立って観測される。ぎらつきなどの光学特性に関しては、このような面積の大きな凹凸の寄与が大きいと考えられ、凹凸の面積を考慮した評価方法が必要になる。そこで本発明では、凹凸の面積を考慮し、凸又は凹の見かけの面積の分布により防眩フィルムの表面構造を規定している。
本発明の防眩フィルムについて、その表面にある凸又は凹の見かけの面積の分布の求め方とその意味するところを以下に説明する。まず、フィルム表面の任意の領域において、そのフィルム表面を構成する各点の高さを測定し、測定領域全体での高さの平均値を求める。そして、平均値よりも高さが高い領域を凸、平均値よりも高さが低い領域を凹と定義する。
図2及び図3に防眩フィルムの凹凸の高さ分布の例を示す。図2は、ある水平分解能刻みで防眩フィルム表面における各点の高さをプロットした三次元等高線図である。一方、図3は、図2のようにして求めた各点の高さを平均し、平均値よりも高い点の集まり、すなわち本発明で言うところの凸の領域を白色で、また平均値よりも低い点の集まり、すなわち本発明で言うところの凹の領域を黒色で、それぞれプロットした二次元等高線図である。そして例えば、図3において白色で示した凸の領域につき、個々の面積を求める。ここで、凸と凹は、それぞれ高さ方向にほぼ対称に現われると考えられるので、凸又は凹の一方について、このように個々の面積を求めればよい。凸の領域についても凹の領域についても、本発明で規定する要件を満たすようにするのが一層好ましい。また面積は、凸又は凹がなす表面積ではなく、投影面積として求める。なお、図2及び図3では、わかりやすくするために数個の凹凸についてのみ表示しているが、実際には多数の凹凸を含む領域で表面の高さを求め、その領域全面での高さの平均値を求め、多数の凸又は凹の面積をそれぞれ求める。
図4は、このようにして求めた個々の凸又は凹の個数を所定の面積刻みでプロットした度数分布のグラフ(ヒストグラム)の例である。さらに見かけの面積を算出するため、得られた所定の面積刻みに対する頻度の値から、面積の区間と頻度の積を取り、見かけの面積の頻度とする。図5は、かくして図4のグラフから求めた見かけの面積の頻度を、上記した所定の面積刻みでプロットした度数分布のグラフ(ヒストグラム)の例である。
図4に示すような、面積に対して凸又は凹の個数(頻度)をプロットしたヒストグラムでは、面積の小さい凸又は凹が多数で、面積の大きい凸又は凹が少なく見えるが、光学特性には面積の大きい凸又は凹による寄与が大きい。そこで本発明では、面積に頻度を乗じて、見かけの面積の頻度を求め、さらにそれをプロットしたヒストグラムから、見かけの面積の分布を求める。本明細書では、このようにして得られた見かけの面積のヒストグラムにおけるピークの半値幅(full width at half maximum:半値全幅とも呼ばれる)をもって、見かけの面積の分布と呼ぶことにする。かかる見かけの面積の分布の求め方を、以下にさらに詳しく説明する。
凹凸が形成されたフィルム表面の高さは、非接触3次元表面形状・粗さ測定機、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope :AFM)、レーザー共焦点顕微鏡などを用いて測定される表面粗さの3次元形状から求めることができる。測定機に要求される水平分解能は、少なくとも5μm 以下、好ましくは2μm 以下であり、また垂直分解能は、少なくとも0.1μm以下、好ましくは0.01μm以下である。この測定に好適な非接触3次元表面形状・粗さ測定機として、米国 Zygo Corporation の製品で、日本ではザイゴ(株)から入手できる“New View 5000 ”シリーズなどを挙げることができる。測定面積は広いほうが好ましいが、少なくとも100μm×100μm以上、好ましくは400μm×400μm以上である。
具体的には、上述の測定器などを使うことで、図2に示すように測定器の水平分解能で決まる格子状の各x,y座標に対応した高さのデータが求められる。全ての高さデータの平均値を取り、平均値よりも高さが高い領域を凸、平均値よりも高さが低い領域を凹とみなす。このようにして得られた凹凸を二値化した画像に変換し、画像処理ソフトウェアを用いて凸又は凹の面積を計算する。画像処理ソフトウェアとしては、凸又は凹それぞれのピクセルの数をカウントできるものであれば特に限定はないが、図4及び図5に示す例や後述する実施例では、画像処理ソフトウェアとして NIH imageを用い、二値化した画像の凸又は凹それぞれに該当する部分のピクセル数をカウントし、面積を求めた。NIH image とは、米国の NIH(National Institute of Health)で開発された画像処理ソフトウェアであり、開発機関の名をとって、NIH image と命名されている。
次に、画像処理により得られた最大面積から最小面積の間を10〜100等分することができる程度に面積を等分に分割し、分割された隣接する各面積間の面積に該当する凸又は凹の個数を勘定し、頻度を求める。面積の分割が細かすぎると、頻度が離散的になりすぎて分布が求めにくくなり、逆に面積の分割が大きすぎると、頻度が大まかにしか見られなくなるため、好ましくない。図4及び図5に示す例や後述する実施例では、面積を10μm2間隔で分割した。すなわち、図4及び図5においては、横軸の面積を10μm2間隔で表示しており、最初の区切りに「0」とあるのは0μm2以下を意味し、その次の区切りは0μm2から10μm2までの面積であり、その後の例えば「50」とある部分の区切りは、40μm2から50μm2までの面積を意味する。ヒストグラムを表す以下の図6、図10及び図11においても、同様である。
さらに、見かけの面積の分布を得るために、隣接する各面積の平均値とその区間に属する凸又は凹の個数(頻度)の積を取り、見かけの面積の頻度とする。例えば、10μm2間隔で面積を分割した場合、20μm2から30μm2の間(中間値25μm2)にある凸又は凹の数が5個であったとすると、見かけの面積の頻度は、25μm2×5個=125μm2となる。得られた見かけの面積の頻度を面積値に対してプロットし、見かけの面積のヒストグラムを作成する。このヒストグラムのピークの半値幅をもって、凹凸の見かけの面積の分布と定義した。面積に対する「面積×頻度」のヒストグラムにおけるピーク値とは、上記のようにして得られたヒストグラムにおける「面積×頻度」の最大値、すなわち、図5の例でいえば、20μm2と30μm2の間の面積区切りに現れる値をいう。
ここで、ヒストグラムにおけるピークの半値幅の求め方を、図6に基づいて説明する。図6は、図5のヒストグラムを横軸が0〜200μm2の間について拡大したものである。そして、測定範囲全体のうち縦軸(面積×頻度)が最も大きい値を示す点を、ピーク値を示す点Pとする。この点Pから横軸に対して垂線Aを引き、それが横軸の面積×頻度=0の直線と交わる点をベース点Bとし、ピーク線分PBを二等分する点Cを通って横軸に平行な直線(半値線)を引き、それがヒストグラムと交わる最小値と最大値の間の面積間隔を半値幅WHとする。なお、図6のように、ピーク値を示す点Pから下降するヒストグラムがピーク値の半値に至る前に再び上昇する場合や、ヒストグラムがピーク値の半値以下になった後、再び上昇してピーク値の半値を超える場合には、ヒストグラムが再びピーク値の半値を超えることがなく、最後に半値を超えている点U,Vを定め、そのUV間の幅をもって、半値幅WHと定める。半値幅WHを定めるにあたって、半値線がヒストグラムと交わる最小値は、その棒柱が表す面積区切りの最小値、また半値線がヒストグラムと交わる最大値は、その棒柱が表す面積区切りの最大値とする。すなわち、図6に示した例においては、面積の小さい側で半値線が10μm2と20μm2の間の面積を表す棒柱と最後に交わっているから、点Uの値は10μm2とし、また面積の大きい側で半値線が140μm2と150μm2の間の面積を表す棒柱と最後に交わっているから、点Vの値は150μm2とし、したがってこの例の半値幅WHは140μm2(=150−10)となる。
上記のようにして得られる「面積×頻度」の面積に対するヒストグラムにおいて、ピークの半値幅がゼロであれば、凸又は凹の面積が1点に集中していることになる。一方、この半値幅が大きくなると、凹凸それぞれの見かけの面積の分布が広い(大きい)ことを意味する。この半値幅が小さくなるほど、凹凸それぞれの見かけの面積の分布が狭い(小さい)ことになる。
見かけの面積の分布が広い場合は、見かけの大きい凸又は凹と、見かけの小さい凸又は凹が混在していることに対応し、原因は定かでないものの、ぎらつきが大きくなることがわかった。また、見かけの面積の分布が狭い場合、凸又は凹の面積が比較的そろっていることに対応して、高精細パネルと組み合わせた場合にぎらつきが少なくなることが明らかになった。見かけの面積の分布、すなわち、上記した見かけの面積の頻度を表すヒストグラムにおけるピークの半値幅が100μm2を超えると、ぎらつきが大きくなり、視認性が著しく低下する。一方で、見かけの面積の分布(ピークの半値幅)が60μm2以下であれば、ぎらつきがほとんど観察されず、良好な視認性を得ることができる。そこで、特に高精細の表示装置における視認性を高めるためには、この見かけの面積の分布(ピークの半値幅)を100μm2以下とすることが肝要であり、好ましくはこの半値幅が60μm2以下となるようにする。見かけの面積の頻度を表すヒストグラムにおけるピークの半値幅は、より好ましくは50μm2以下である。ただし、凹凸が規則正しく並んで半値幅がゼロになると、干渉縞が目立つようになり、この半値幅が10μm2以下になると、この傾向が出てくる。そこで、凸又は凹の見かけの面積は、ある程度の分布を持っているのが好ましく、上記の半値幅が10μm2より大きくなるようにするのが好ましい。
本発明で特定する表面形状を有するフィルムは、任意の方法で作製可能であるが、例えば、適切な表面形状を有するエンボス鋳型に、加熱状態で熱可塑性の透明樹脂フィルムを押し当てて賦型する方法、上記のエンボス鋳型に、紫外線硬化型樹脂が塗工された透明基材をその紫外線硬化型樹脂塗工面で密着させ、その状態で紫外線を照射して硬化させる方法などにより、作製することができる。
エンボス鋳型の作製方法としては、例えば、フォトリソグラフィーによる凹凸の形成とそこへの金属の電鋳(電気メッキ)とを組み合わせた方法が、好適なものとして挙げられる。具体的には、基材上にフォトレジスト膜を形成し、そこに階調露光を施し、次いで現像することにより、上記フォトレジスト膜上に凹凸を形成し、その凹凸が形成されたフォトレジスト膜上に金属を電鋳した後、この金属をフォトレジスト膜から剥離することにより、凹凸形状が転写された金属板、すなわちエンボス鋳型を作製するものである。このエンボス鋳型を用い、熱可塑性の透明樹脂フィルムを加熱状態でこのエンボス鋳型に押し当てる方法や、紫外線硬化型樹脂が塗工された透明基材をその紫外線硬化型樹脂塗工面でエンボス鋳型に密着させ、その状態で紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させる方法などにより、所定の表面形状が賦型された防眩フィルムを得ることができる。
このように、フォトリソグラフィーと電鋳の組合せによりエンボス鋳型を作製し、それを用いて防眩フィルムを作製する方法の例を、図7に基づいて説明する。まず図7(A)に示すように、フォトレジスト膜形成用基材11の表面にフォトレジスト膜12を形成する。ここで用いる基材11は、表面が平坦なものであってフォトレジスト膜が適度に接着するものであればよく、例えば、ガラス、石英、アルミナのような無機透明基材や、銅、ステンレス鋼のような金属基材などが挙げられる。また、この基材11上に塗布されるフォトレジストは、感光性を有し、適度の解像度を有するものであればよく、露光部分が現像液に可溶性となって現像後に除去されるポジ型フォトレジスト、また露光部分が硬化して現像液に不溶となり、現像により未露光部分が除去されるネガ型フォトレジストのいずれも用いることができる。ただし、後の露光工程において、プロキシミティー露光によりエッジ部に光の回折を起こさせ、その後の現像により丸みを帯びた凹部を形成させるためには、ポジ型フォトレジストが好ましい。ポジ型フォトレジストとしては、例えば、ノボラック樹脂、アクリル系樹脂、スチレンとアクリル酸との共重合体、ポリビニルフェノール、ポリ(α−メチルビニルフェノール)のようなアルカリ可溶性樹脂と、キノンジアジド基含有化合物のような感光性化合物とを有機溶剤に溶解してなる組成物などが挙げられる。図7を参照して以下に示す例は、ポジ型フォトレジストを用いた場合のものである。
基材11上に形成されるフォトレジスト膜の厚さは、防眩フィルムの表面に形成しようとする凹凸の深さや形状等によって適宜調整すればよく、目的とする凹凸の深さと同等、又はそれよりやや厚めに成膜するのが好ましい。具体的な膜厚の範囲としては、目的とする凹凸の深さ以上、目的とする凹凸の深さ+5μm 以下であることが好ましい。
基材11上にフォトレジスト膜12を形成するには、例えば、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法など、公知の適宜の塗布法が採用できる。成膜後は、フォトレジスト中に含まれる溶剤を除去するために、通常はプリベークが施される。プリベークは、例えば、ホットプレートやオーブンなどを用い、60〜120℃程度の温度で 0.5〜10分程度の時間行われる。プリベークの温度及び時間は、フォトレジストの種類やフォトレジストに求められる感度等によって、適宜調整することができる。
こうして基材11上に形成されたフォトレジスト膜12に対し、次いで図7(B)に示すように、階調露光が施される。図7(B)には、二階調のフォトマスク14を介して階調露光を行う例が示されている。二階調のフォトマスクとは、露光光源に対して透明なガラスや石英などからなる基板上に、露光光源からの光を透過する透過部と露光光源からの光を遮蔽する遮光部とが形成されたものである。具体的には例えば、露光光源に対して透明な基材上にクロム等の金属が遮光部として形成されたメタルマスクや、乳剤等を感光させることによって遮光部が形成されたエマルジョンマスクなどが挙げられる。
このような二階調のフォトマスク14を、図7(B)に示すように、フォトレジスト膜12の表面からやや間隔を置いて配置し、プロキシミティー露光を行う。プロキシミティー露光とは、このように、フォトマスク14をフォトレジスト膜12に近接させるが、密着はさせず、やや間隔を置いて配置し、露光することをいう。このような二階調のフォトマスク14を用いたプロキシミティー露光を行うことで、フォトマスク14のマスクパターンのエッジ部において光の回折が生じ、フォトマスク14の像がぼけ、その透過部を通過した光束15が遮光部背面にわたって広がりをみせ、連続的な光量の分布が生じる。そして、プロキシミティー露光された光量の分布に応じてフォトレジスト膜12が感光するため、その後の現像により、照射光量に応じてフォトレジスト残膜が変化し、現像後のフォトレジスト膜12の表面には、マスクパターン、露光量、フォトマスクとフォトレジスト膜の間の距離(「露光ギャップ」又は「プロキシミティーギャップ」と呼ばれる)などに応じた凹凸が形成される。この際、フォトマスクの開口径は1種類だけであってもよいが、複数種、例えば2種類又は3種類の開口径を組み合わせて、フォトマスクを形成するのも有効である。
図7(B)には、二階調のフォトマスク14を用いてプロキシミティー露光することにより階調露光を行う例を示したが、その他、多階調のフォトマスクを介して階調露光を行う方法、場所によって露光光源の光強度を変化させることが可能な空間光変調素子を介して階調露光を行う方法などによっても、同様の効果が得られる。
多階調のフォトマスクとは、上述した二階調のフォトマスクとは異なり、場所によって透過率が多段階又は連続的に変化するフォトマスクである。かかる多階調のフォトマスクとしては、例えば、電子線描画装置等の高解像度のフォトマスク描画装置を用いて、露光光の波長より充分に小さい大きさの遮光部と透過部とを設け、遮光部と透過部との面積比で階調を表現したもの、電子ビームやレーザービーム等の高エネルギービームにより感光して透過率が変化する物質を透明な媒体に分散させたマスクブランクスに、高エネルギービームをその強度が場所により変化するように照射することで透過率を連続的に変化させたもの、乳剤のような、感光性を有し、照射する光の量に応じて光学濃度が変化する物質を基材上に形成し、光量を変えてその物質を感光させ、場所により光学濃度を変化させたものなどを使用することができる。
一方、場所によって露光光源の光強度を変化させることが可能な空間光変調素子とは、この素子を透過した光又はこの素子で反射した光の強度を空間的に変化させることができるものであり、例えば、液晶素子やデジタルマイクロミラー素子(Digital Micromirror Device:DMD)などからなる画素が多数配置された光変調素子を挙げることができる。液晶素子を空間光変調素子として用いた場合は、複数の画素を構成する液晶素子の個々の画素毎に透過率を設定することができるため、露光光源からの空間的に均一な強度分布を持った光をこの液晶素子に通過させることにより、液晶素子の画素の透過率に応じた露光光の強度分布を得ることができ、フォトレジスト膜に照射される露光光の空間的な強度分布が生じることになる。また、DMDを空間光変調素子として用いた場合は、微小ミラーの傾斜角により光をフォトレジスト膜の方向へ反射させることと、フォトレジスト膜以外の方向へ反射させることとを適宜変化させることになるが、フォトレジスト膜の方向へ反射させる時間を画素毎に変化させることにより、単位時間あたりの実質的な反射率を画素毎に変えることができる。すなわち、露光光源からの空間的に均一な強度分布を持った光をDMDで反射させることにより、微小ミラーが傾斜している時間に応じた露光光の強度分布を得ることができ、フォトレジスト膜に照射される露光光の空間的な強度分布が生じることになる。
露光に用いる光源は、フォトレジスト膜12を感光させることができるものであればよく、フォトレジストの種類に応じて適宜の光源が用いられる。例えば、高圧水銀灯や超高圧水銀灯などを光源として、そこから発するg線、h線、i線等の近紫外線を用いたり、これらの水銀の輝線に近い波長に発信波長を有するレーザー光を用いたりすることができる。
かくして階調露光が施されたフォトレジスト膜12には、次いで現像処理が施されて、図7(C)に示すように、凹凸が形成されたフォトレジスト膜13が得られる。現像処理は、例えば、基板11上に形成された露光後のフォトレジスト膜12を、その種類に応じた現像液に接触させ、ポジ型フォトレジストの場合には露光部を取り除くことにより、フォトレジスト膜12上に凹凸を形成させるものである。現像液は、従来公知のものから、フォトレジストの種類に応じて適宜選択して用いることができる。現像後には通常、水によるリンス、さらにはポストベークが施される。ポストベークにより、残存フォトレジスト膜の強度を向上させることができ、また基板11との密着性を高めることができる。ポストベークは、例えば、オーブンやホットプレートなどを用い、100〜200℃程度の温度で 0.5〜30分程度の時間行われる。
こうして凹凸が形成されたフォトレジスト膜13には、次いで、図7(D)に示すように、金属17を電鋳して、フォトレジスト膜13の表面の凹凸を電鋳された金属17に転写する。電鋳に用いる金属は、従来から電気メッキの分野で用いられているものでよく、例えば、ニッケル、ニッケル−リン合金、鉄−ニッケル合金、クロム、クロム合金などを挙げることができる。電鋳によりフォトレジスト膜13上に形成する金属17の厚みは特に制限されないが、耐久性等の点からは、0.05〜3mm 程度とするのが好ましい。フォトレジスト膜13上に直接電鋳を行う場合には、電鋳前にフォトレジスト膜13の表面を導電化する必要があり、この導電化処理は、例えば、厚み1μm 以下の金属膜を蒸着やスパッタリング等により形成する方法や無電解メッキによる方法などで行うことができる。フォトレジスト膜13上に直接電鋳を行いたくない場合、例えば、フォトレジスト膜13上の凹形状を金属17に転写して凸形状を形成させるのではなく、フォトレジスト膜13上の凹形状と同じものを金属17に転写して凹形状としたい場合には、例えば、フォトレジスト膜13に形成された凹凸形状を樹脂に転写した後、その樹脂の凹凸面に対して上述したような方法で導電化処理を施し、そこに電鋳する方法を採用することができる。
凹凸が形成されたフォトレジスト膜13の凹凸が転写された金属板17は、その後、フォトレジスト膜13から剥離して、あるいはフォトレジスト膜13の凹凸を樹脂に転写してからそこに電鋳した場合はその樹脂から剥離して、図7(E)に示すような、表面に凹凸が形成された金属板、すなわちエンボス鋳型18となる。
こうして得られるエンボス鋳型18を用い、その表面に形成された凹凸をフィルム上に転写して、防眩フィルムを得る。図7の(F)及び(G)に示す例では、透明基材フィルム21の上に紫外線硬化型樹脂22を塗工し、その紫外線硬化型樹脂22側でエンボス鋳型22に密着させ、その状態で透明基材フィルム21側から紫外線を照射して、紫外線硬化型樹脂22を硬化させ、透明基材フィルム22上に凹凸を有する紫外線硬化樹脂22の層が形成された防眩フィルム20を得るようになっている。この例に限らず、先述した如く、熱可塑性の透明樹脂フィルムを加熱状態で上記のエンボス鋳型18に押し当てて賦型する方法によっても同様に、表面に凹凸が形成された防眩フィルムを得ることができる。
なお、以上の説明では、図7の(A)〜(E)に従って、フォトレジスト膜12上に階調露光を施して現像し、凹凸を形成させたものを原版とし、最終的にはフィルム上に連続的に凹凸形状が転写された防眩フィルム20を作製するようにしている。そのため、原版用のフォトマスク14を作るためにマスクパターンを設計する必要があるが、このマスクパターンは、本発明で規定する形状が得られるように設計することになる。このようなマスクパターンをフォトマスク14の全面にわたって設計することは、非常に手間のかかる作業であり、マスクパターンのデータ容量が大きくなるため、マスク描画機への負担も大きくなることから、原理的には可能であるが、必ずしも現実的とはいえない。そこで、所定の面積からなるユニットセルを構成するマスクパターンを設計し、かかるユニットセルを前後左右に複数枚並べて、フォトレジスト膜12の全面を覆うフォトマスクとするのが有利である。このような手法を採用することにより、フォトマスク14全体としてのマスクパターンを設計する手間を軽減することができ、工業的に有利となる。
また、上記のようにして凹凸が形成された金属板、すなわちエンボス鋳型18をロールに巻きつけて、あるいは必要に応じてかかるエンボス鋳型18を複数枚ロール表面に並べた状態で巻きつけて、表面に凹凸を有するエンボスロールを作製し、このエンボスロールを用いて、凹凸形状をフィルム表面に連続的に転写する方法も好適である。このような方法を採用すれば、広い面積のフィルムに対して凹凸形状を連続的に効率よく転写することができ、高い生産性を得ることができる。
以上説明したような、フォトリソグラフィーによる凹凸の形成とそこへの金属の電鋳とを組み合わせた方法によりエンボス鋳型を作製し、それを用いてフィルム表面に凹凸を転写する場合は、フォトマスクのパターン、露光量、露光ギャップなどの条件を適切に選択することによって、本発明で規定する表面形状を有する防眩フィルムを作製することができる。
この防眩フィルムは、上で説明した如く、紫外線硬化型樹脂を塗工した透明基材フィルムに、上記手法等により得られるエンボス鋳型を押し当てた状態で紫外線を照射する方法や、熱可塑性の透明フィルムを加熱状態でエンボス鋳型に押し当てる方法など、任意の方法で作製することができる。透明基材フィルムは、実質的に光学的に透明であればよく、例えば、トリアセチルセルロースフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどの樹脂フィルムが挙げられる。
紫外線硬化型樹脂としては、市販されているものを用いることができる。例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等の多官能アクリレートをそれぞれ単独で、あるいはそれら2種以上を混合して用い、それと、“イルガキュアー 907”、“イルガキュアー 184”(以上、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)、“ルシリン TPO”(BASF社製)等の光重合開始剤とを混合したものを、紫外線硬化型樹脂とすることができる。
熱可塑性の透明フィルムとしては、実質的に透明なものであれば、いかなるものであっても用いることができ、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂の溶剤キャストフィルムや押出フィルムなどを用いることができる。
防眩フィルムのぎらつきは、高精細の液晶パネル上に防眩フィルムを置き、液晶パネルと防眩フィルムをバックライトからの光で照明し、パネル表面を目視検査することにより評価することができる。ぎらつきを評価するために用いる液晶パネルは、高精細なものほど、ぎらつきが見えやすいので好ましい。パネルの精細度としては150ppi(pixel per inch )以上が好ましく、より好ましくは170ppi 以上である。
本発明の防眩フィルムは、正反射角度から20°ずれた方向への反射率が 0.001%以下であるのが好ましい。ここで正反射角度とは、図8に示すように、フィルム20の主法線5に対して角度ψで光線6が入射するとき、その法線5と入射光線方向6を含む平面7内にて入射光線方向6とは反対方向に角度ψで反射する光8の方向が、主法線5に対してなす角度をいう。ψは入射角度であり、正反射角度ともなるが、厳密には、その符号が正負逆になる。そして、正反射角度から20°ずれた方向とは、図8に示すように、正反射方向8から20°ずれた方向9をいう。正反射角度から20°ずれた方向9は、正反射方向8を中心に円錐状に現れるが、ここでいう正反射角度から20°ずれた方向への反射率は、上記の法線5と入射光線方向6を含む平面7内にてフィルム側へ20°ずれた方向への反射率を意味する。
また、この防眩フィルムは、暗部と明部の幅が1.0mm の光学くしを用いて測定される45°反射鮮明度が50%以下であるのが好ましい。45°反射鮮明度は、 JIS K 7105 に規定される反射法による像鮮明度の測定方法に従って求めることができる。測定時の試験片への光の入射方向及び反射方向は、この JISの規定に従って45°とする。この JISには光学くしとして、暗部と明部の幅の比が1:1で、その幅が0.125mm、0.5mm、1.0mm及び2.0mmである4種類が定められているが、本明細書及び特許請求の範囲で規定する45°反射鮮明度は、暗部と明部の幅が1.0mm の光学くしを用いたときに得られる値である。
さらに、この防眩フィルムは、暗部と明部の幅が0.125mm、0.5mm、1.0mm 及び2.0mm である4種類の光学くしを用いて測定される透過鮮明度の合計値が200%以上であるのが好ましい。透過鮮明度も、同じく JIS K 7105 に規定される透過法による像鮮明度の測定方法に従って求めることができる。試験片への光の入射方向は、この JISの規定に従って垂直方向とする。そしてこの場合は、上記4種類の光学くしを用いたそれぞれについて透過法による像鮮明度を測定し、それらの合計値をもって、上記の透過鮮明度の合計値とする。
さらにまた、本発明の防眩フィルムは、そのヘイズが15%以下であるのが好ましい。ヘイズ値は、 JIS K 7105 に規定されている方法によって求めることができる。ヘイズ値は、(拡散透過率/全光線透過率)×100(%)で表される値である。本発明の防眩フィルムでは、この方法により測定されるヘイズ値が一般に20%以下となるが、ヘイズ値が15%以下となるようにするのが好ましく、さらには10%以下となるようにするのが一層好ましい。ヘイズ値があまり高くなると、この防眩フィルムを表示装置、特に液晶表示装置に適用した場合に、液晶表示装置の視野角特性上、その法線から傾斜した方向、特に60゜以上傾斜した方向に出射するコントラストの低い光が正面方向に散乱されて観測されるため、正面から観測した場合のコントラストの低下を招く。
先に説明した鋳型の製造方法や凹凸の形成方法における条件を適切に選択することにより、上記の光学特性を満足する防眩フィルムを作製することができる。例えば、フォトリソグラフィーによる凹凸の形成とそこへの金属の電鋳とを組み合わせた方法によりエンボス鋳型を作製し、それを用いてフィルム表面に凹凸を転写する場合は、フォトマスクの開口径、露光量、露光ギャップなどの条件を適切に選択することにより、上記の光学特性を満足する表面形状を与えるのに適したエンボス鋳型を作製し、これを用いて防眩フィルムを作製すればよい。
以上のように構成される本発明の防眩フィルムは、防眩効果に優れ、高精細表示パネルと組み合わせたときのぎらつきが良好に改善されているため、画像表示装置に装着したときに視認性に優れたものとなる。画像表示装置が液晶ディスプレーである場合には、この防眩フィルムを偏光フィルムとすることができる。すなわち、偏光フィルムは一般に、ヨウ素又は二色性染料が吸着配向されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムからなる偏光子の少なくとも片面に保護フィルムが積層された形のものが多いが、このような偏光フィルムの一方の面に、上記のような凹凸が付与された防眩フィルムを貼合すれば、防眩性の偏光フィルムとなる。また、上記のような防眩性の凹凸が付与された光学フィルムを、保護フィルム兼防眩層として用い、その凹凸面が外側となるように偏光子の片面に貼合することによっても、防眩性の偏光フィルムとすることができる。さらには、保護フィルムが積層された偏光フィルムにおいて、その片面保護フィルムの表面に上記のような防眩性の凹凸を付与することにより、防眩性の偏光フィルムとすることもできる。
本発明の画像表示装置は、以上説明したような特定の表面形状を有する防眩フィルムを画像表示手段に配置したものである。ここで画像表示手段は、上下基板間に液晶が封入された液晶セルを備え、電圧印加により液晶の配向状態を変化させて画像の表示を行う液晶パネルが代表的であるが、その他、プラズマディスプレイパネル、エレクトロルミネッセンス(EL)又は有機発光ダイオード(O−LED)表示体、陰極線管(CRT)表示体なども挙げることができる。そして、上記の防眩フィルムを画像表示手段よりも視認側に配置することで、画像表示装置が構成される。この際、防眩フィルムの凹凸面が外側(視認側)となるように配置される。防眩フィルムは、画像表示手段の表面に直接貼合してもよいし、液晶パネルを画像表示手段とする場合は、例えば先述のように、偏光フィルムを介して液晶パネルの表面に貼合することもできる。このように本発明の防眩フィルムを備えた画像表示装置は、防眩フィルムの有する表面の凹凸によって入射光を散乱して映り込み像をぼかすことができ、優れた視認性を与えるものとなる。
以下、実施例をもとに本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%は、特記ないかぎり重量基準である。また、以下の例における防眩フィルムの評価及び測定方法は、次のとおりである。
(表面形状の測定と凸又は凹の見かけの面積の算出)
非接触3次元表面形状・粗さ測定機“New View 5010”(Zygo Corporation 製)を用いて、防眩フィルムの約480μm×640μmの領域につき表面形状を測定した。この測定機は、水平分解能が1.18μm、垂直分解能が0.1nm のものである。得られた全ての高さデータの平均値を取って、平均高さより高い領域(凸)と平均高さより低い領域(凹)を画像処理ソフトウェア“NIH image ”により二値化した画像に変換し、さらに個々の凸又は凹の面積を求めた。得られた個々の面積データを10μm2刻みで分割し、各10μm2毎の頻度(個数)を求めた。次に、各10μm2刻みの平均面積に上記の頻度を乗じて、各10μm2毎の見かけの面積の頻度を求めた。得られた見かけの面積の頻度を面積値に対してプロットし、見かけの面積の度数分布のグラフ(ヒストグラム)を作成した。このヒストグラムから、ピークの半値幅、すなわち見かけの面積の分布を求めた。
(防眩フィルムの反射率の測定)
防眩フィルムの凹凸面に、フィルム主法線に対して30゜傾斜した方向から、平行化したハロゲンランプ光源の光を 3.4゜の立体角となるように集光して照射し、フィルム主法線と照射方向を含む平面内における反射率の角度変化の測定を行った。反射率の測定には、いずれも横河電機(株)製の“3292 03 オプティカルパワーセンサー”と “3292 オプティカルパワーメーター”を用いた。
(ヘイズの測定)
JIS K 7105 に従って測定した。サンプルは、反りを防止するため、光学的に透明な粘着剤を用いて、凹凸面が表面となるようにガラス基板に貼合してから測定に供した。
(反射鮮明度及び透過鮮明度の測定)
JIS K 7105 に従って測定した。透過鮮明度を測定する際には、サンプルの反りを防止するため、光学的に透明な粘着剤を用いてガラス基板に貼合してから測定に供した。反射鮮明度を測定する際にも、透過鮮明度の測定に用いたのと同じガラス貼合サンプルを用いたが、ガラス面からの反射を防止するため、防眩フィルムを貼ったガラス板のガラス面に2mm厚みの黒色ポリメチルメタクリレート板を水で密着させて貼り付け、この状態でサンプル(防眩フィルム)側から光を入射し、測定を行った。
実施例1
10mm×10mmの領域に、直径が8μm、9μm及び10μm の3種類である円形の開口がランダムに合計512,820個、各開口部の中心座標間の最短距離の平均値が12.0μm となるように配置されたユニットセルを設計した。このユニットセルが、6インチ角(約152mm角)の石英基板上の100mm×100mmの領域全面に10mm周期で配置された二階調のフォトマスクを用意した。
一方、100mm×100mmのガラス基板上に、ポジ型で黒色顔料が混合されたフォトレジストである東京応化工業(株)製の“P70BK”をプリベーク後の厚みが約1.1μm となるようにスピンコートした。こうして得られたフォトレジスト膜付きガラス基板を85℃に設定したホットプレート上に120秒間置き、プリベークを行った。このフォトレジスト膜上に、上で作製したフォトマスクを露光ギャップが120μm となるように保持し、そのフォトマスクを介して、露光光源である超高圧水銀灯からのg線、h線及びi線のマルチライン光を、g線換算で240mJ/cm2 となるように照射してプロキシミティー露光を行った。露光後のフォトレジスト膜付きガラス基板を23℃の 0.5%水酸化カリウム水溶液で現像し、次に純水でリンスした。その後、180℃に加熱したオーブン中で20分間加熱(ポストベーク)することで、表面に多数の窪みが形成された樹脂層を得た。
こうして得られた窪み付き樹脂層の上に、蒸着法によりニッケル膜を形成し、樹脂層表面の導電化処理を行った。次いでこの導電化処理面に、電鋳によって約0.3mm の厚みとなるようにニッケル膜を形成させた。窪み付き樹脂層の上にニッケル膜が付着した状態のまま、ニッケル膜の裏面を研削し、さらに研磨して、その膜厚を0.15mm とした。研磨後のニッケル膜を窪み付き樹脂層から剥離して、表面に多数の突起を有するニッケル板を作製した。
別途、大日本インキ化学工業(株)製の紫外線硬化型樹脂“GRANDIC PC806T2 ”を酢酸エチルに50%濃度となるように溶解して、塗布液を調製した。この塗布液を、乾燥後の膜厚が約5μm となるようにトリアセチルセルロースフィルム上に塗布し、60℃のオーブン中で3分間乾燥させた。さらに、先に作製した突起付きニッケル板の凸面に、紫外線硬化型樹脂の塗布面が接するようにゴムロールで押し付けたのち、トリアセチルセルロースフィルム側から無電極タイプの紫外線ランプの光をh線換算光量で100mJ/cm2 となるように照射して、上記の紫外線硬化型樹脂を硬化させた。トリアセチルセルロースフィルムを硬化樹脂ごとニッケル板から剥離し、表面に凹凸を有する硬化樹脂とトリアセチルセルロースフィルムとの積層体からなる透明な防眩フィルムを得た。
この防眩フィルムの表面形状を、前記した Zygo Corporation 製の非接触3次元表面形状・粗さ測定機“New View 5010 ”により、約480μm×640μmの領域で測定した。そして、この防眩フィルムの高さ情報を階調に変換して表示すると、図9に示すデータが得られた。さらに、この高さ情報から前記した方法により個々の凹の面積を求め、図10に示す凹面積のヒストグラムが得られた。このとき観測された凹面積の最大値は約584μm2、最小値は約5μm2であり、ヒストグラム作成時の面積の間隔(刻み)は10μm2とした。次に、前記した方法により頻度×面積の計算を行い、図11に示す見かけの面積のヒストグラムを得た。このヒストグラムでは、40μm2と50μm2の間の区切りにピーク(最大値)が観測された。図11に示す見かけの面積のヒストグラムよりピークの半値幅を求めると、30μm2となり、100μm2よりも小さかった。したがって、このフィルムは、凹凸の見かけの面積の分布が小さいものである。
得られた防眩フィルムを200ppi の高精細液晶パネルの上に置き、後方からバックライトで照明してぎらつきを目視評価したところ、ぎらつきは観察されなかった。また、この防眩フィルムの正反射方向の反射率は 0.92%、正反射角度からフィルム側へ20゜ずれた方向の反射率は 0.00025%であった。
この防眩フィルムのトリアセチルセルロース面をガラスに貼合して、ヘイズを測定するとともに、暗部と明部の幅が1.0mm である光学くしを用いた45゜入射時の反射鮮明度を測定した。その結果、ヘイズが8.0%、反射鮮明度が44.5%であり、低ヘイズで高い映り込み防止能を有していることが確認された。また、同じくガラスに貼合した状態の防眩フィルムについて、暗部と明部の幅が0.125mm、0.5mm、1.0mm及び2.0mmの光学くしを用いた透過鮮明度を測定したところ、それぞれ以下の値であって、これら4種の透過鮮明度の合計値は297.4%となり、高い鮮明性を有することが確認された。
0.125mm光学くし: 透過鮮明度 70.5%
0.5mm光学くし : 透過鮮明度 75.0%
1.0mm光学くし : 透過鮮明度 75.6%
2.0mm光学くし : 透過鮮明度 76.3%
合計 297.4%
実施例1における以上の評価及び測定データを表1にまとめた。
実施例2
10mm×10mmの領域に、直径が8μm、9μm及び10μm の3種類である円形の開口がランダムに合計588,069個、各開口部の中心座標間の最短距離の平均値が11.6μm となるように配置されたユニットセルが、100mm×100mmの領域全面に10mm周期で配置された二階調のフォトマスクを用いた以外は、実施例1と同様にして防眩フィルムを作製した。得られたフィルムの表面に形成された凹の見かけの面積の分布を評価したところ、「面積×頻度」のピーク(最大値)は60μm2と70μm2の間の区切りに観測され、そのピークの半値幅は30μm2であった。また、実施例1と同様の方法でぎらつきを目視評価したところ、ぎらつきは観察されなかった。さらに、この防眩フィルムのその他の光学特性は表1に示すとおりであった。
比較例1
住友化学工業(株)から販売されている防眩フィルム“AG6”につき、実施例1と同様の方法で、表面に形成された凸の見かけの面積の分布を評価したところ、ピークは20μm2と30μm2の間の区切りに観測され、そのピークの半値幅は140μm2であった。さらに、実施例1と同様の方法でぎらつきを目視評価したところ、ぎらつきが観察され、見えにくかった。この防眩フィルムのその他の光学特性は、表1に示すとおりであった。
比較例2
住友化学工業(株)から販売されている防眩フィルム“GH5”につき、実施例1と同様の方法で、表面に形成されたの見かけの面積の分布を評価したところ、ピークは10μm2と20μm2の間の区切りに観測され、そのピークの半値幅は300μm2より大きかった。さらに、目視によりぎらつきを評価したところ、ぎらつきが観察され、見えにくかった。この防眩フィルムのその他の光学特性は、表1に示すとおりであった。
[表1]
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見かけの面積の分布 光 学 特 性 目視評価
ピーク 半値幅 20°ずれた ヘイズ 反射 透過 ぎらつき
方向の反射率 鮮明度 鮮明度
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実施例1 40-50μm2 30μm2 0.00025 % 8.0 % 44.5 % 297.4 % ○
〃 2 60-70μm2 30μm2 0.00019 % 5.9 % 21.8 % 311.0 % ○
───────────────────────────────────────
比較例1 20-30μm2 140μm2 0.00670 % 32.4 % 4.7 % 31.7 % ×
〃 2 10-20μm2 >300μm2 0.00046 % 49.4 % 4.4 % 57.4 % ×
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備考)透過鮮明度は4種類の合計値。
本発明の防眩フィルムは、液晶表示装置をはじめとする画像表示装置の視認性を高めるのに特に有用である。
防眩フィルムの表面形状の概略を示す斜視図である。 防眩フィルムのある部分の表面について、各点の高さをプロットした三次元等高線図である。 防眩フィルムのある部分の表面について、平均高さよりも高い領域(凸)を白色で、平均高さよりも低い領域(凹)を黒色でそれぞれ示した二次元等高線図である。 防眩フィルム表面で観測される個々の凸又は凹が現れる頻度を面積に対してプロットしたヒストグラムの例であって、横軸は面積(単位はμm2)を、縦軸はその面積の凸又は凹が現れる頻度(単位は個数)を示す。 図4のデータから、縦軸を面積×頻度(単位はμm2)で表したヒストグラムの例である。 凸又は凹の見かけの面積のヒストグラムにおけるピークの半値幅の求め方を示す図であって、図5の横軸が0〜200μm2の間を拡大して示すヒストグラムである。 本発明に係る防眩フィルムの製造方法の一例を工程毎に縦断面模式図で示すものである。 正反射角度とそこから20°ずれた方向への反射率を説明するための斜視図である。 実施例1で得られた防眩フィルムの縦約480μm ×横約640μm の範囲について、高さ情報を階調に変換して表示した拡大図であって、右横に示すものは、高さを表すグレースケールである。 実施例1で得られた防眩フィルムについて、表面で観測される個々の凸又は凹が現れる頻度を面積に対してプロットしたヒストグラムである。 図10のデータから、縦軸を面積×頻度(単位はμm2)で表したヒストグラムである。
符号の説明
1……防眩フィルムの主平面、
2……フィルムの投影面、
3……フィルム表面の凸(平均高さより高い領域)、
4……フィルム表面の凹(平均高さより低い領域)、
5……フィルムの主法線、
6……入射光線方向、
7……フィルムの主法線と入射光線方向を含む面、
8……正反射方向、
9……正反射角度から20°ずれた方向、
ψ……入射角度(=正反射角度)、
11……フォトレジスト膜形成用の基板、
12……フォトレジスト膜、
13……凹凸が形成されたフォトレジスト膜、
14……フォトマスク、
15……フォトマスク通過後の露光光束、
17……電鋳された金属、
18……エンボス鋳型、
20……防眩フィルム、
21……透明基材フィルム、
22……紫外線硬化型樹脂又はその硬化物。

Claims (8)

  1. 表面に微細な凹凸が形成されている防眩フィルムであって、凹凸の平均高さよりも高い領域を凸、凹凸の平均高さよりも低い領域を凹とし、個々の凸の投影面積又は凹の投影面積を求めて、所定の面積刻みで当該凸又は凹の頻度を求め、さらに面積×頻度により上記所定面積刻みで見かけの面積の頻度を計算し、得られる凸又は凹の見かけの面積の頻度をヒストグラムで表したときに、ピーク値が300μm2以下の位置に現れ、かつそのピークの半値幅が60μm2以下であることを特徴とする、防眩フィルム。
  2. 該ピーク値が150μm2以下の位置に現れる請求項1記載の防眩フィルム。
  3. 該ピークの半値幅が10μm2より大きい請求項1又は2記載の防眩フィルム。
  4. 正反射角度から20°ずれた方向への反射率が 0.001%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の防眩フィルム。
  5. 暗部と明部の幅が1.0mm の光学くしを用いて測定される45°反射鮮明度が50%以下である請求項1〜4のいずれかに記載の防眩フィルム。
  6. 暗部と明部の幅が0.125mm、0.5mm、1.0mm及び2.0mmである4種類の光学くしを用いて測定される透過鮮明度の合計値が200%以上である請求項1〜4のいずれかに記載の防眩フィルム。
  7. ヘイズが15%以下である請求項1〜6のいずれかに記載の防眩フィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の防眩フィルムと画像表示手段を備え、該防眩フィルムが画像表示手段の視認側に配置されていることを特徴とする、画像表示装置。
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