JP2005140651A - Nmr用プローブ - Google Patents

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Abstract

【課題】少なくとも2つの核種を含む試料から、LF域およびHF域のNMR信号を効率良く検出できるようなNMR用プローブを提供する。
【解決手段】2つの核種からのNMR信号を検出するNMR用プローブにおいて、少なくとも1つのサンプルコイルから成る第1のサンプルコイルと、第1のサンプルコイルの両端に直列に接続された第2および第3のサンプルコイルとを有し、第1の核種のNMR信号を検出する際には、前記第1、第2、及び第3のサンプルコイルを合わせて1つの集中定数回路として動作させながら、低周波数域の共振周波数によりNMR信号を検出し、第2の核種のNMR信号を検出する際には、第2および第3のサンプルコイルを、高周波数域の共振周波数を持った高周波を遮断・反射するリジェクティング回路として動作させながら、第1のサンプルコイルにより高周波数域の共振周波数でNMR信号を検出するように構成した。
【選択図】図2

Description

本発明は、少なくとも2つの核種を含む試料からNMR信号を検出するNMR用プローブに関する。
NMR分光学の分野においては、複数の核種からNMR信号を検出する必要がある場合がある。例えば、固体高分解NMR分光法においては、1H核から異核Xに交差分極を行なう場合がある。このような場合には、1H核とX核の両方のNMR信号を検出することが必要である。
ここで、NMR信号の共鳴帯域は、核種によって異なる。例えば、2D、13C、15N、32P、低γ核種などは低周波数(LF)域のNMR信号を発生し、1H、19F、31Pなどは、高周波数(HF)域のNMR信号を発生する。このようなLF域およびHF域のNMR信号を同時に観測の対象とする場合、これら両方の帯域の信号に対応できるNMRプローブが必要である。
図1は、従来のNMR用プローブの概略的な構成を示す図である。このNMR用プローブは、HF域のNMR信号を検出するHF域信号検出部101、およびLF域のNMR信号を検出するLF域信号検出部102を備えている。
HF域信号検出部101は、1H核または19F核を想定し、サンプルコイルL101と、これに並列に配置されたコンデンサC101により構成される並列共振回路によって共振周波数を設定する。さらに、可変容量コンデンサC111、C112によって、この共振周波数を調整することができる。前記コンデンサC101には、Q値が高く、耐電圧が高い機能を有するセラミックチップコンデンサを用いる。
LF域信号検出部102は、観測する各種に応じて、適切な回路配置が異なるが、ここでは、13Cなどを測定する場合に用いられる一般的な回路を示す。このLF域信号検出部102は、サンプルコイルL100と、これに並列に配置された可変容量コンデンサC100とにより構成される並列共振回路によって共振周波数を設定する。
このように、例えば13C核と1H核のNMR信号のように、LF域とHF域に離れて出現するNMR信号を同時に観測しようとすれば、従来のNMR用プローブでは、LF域およびHF域信号用にそれぞれ別のサンプルコイルを備え、検出回路もそれぞれ別に用意していた。
このように、従来のNMR用プローブでは、複数のサンプルコイルや複数の検出回路を備えているため、核種によっては、異なる観測モードでNMR信号が検出されるため、分解能、感度、定量性などで複雑な較正を必要としていた。
また、前記HF域信号検出部101のサンプルコイルを13C核および1H核の両方の核種のNMR信号の検出に兼用する技術がすでに開示されているものの、この技術では、回路中にダミーコイルを挿入する必要があり、検出効率の低下は避けられなかった(例えば、特許文献1を参照)。
特公昭58−24738号公報。
このように、従来、LF域およびHF域のNMR信号を同時に観測する場合、LF域およびHF域の信号に対応するサンプルコイルおよび検出回路をそれぞれ別々に用意したり、または、回路中に、効率を低下させるようなダミーコイルを挿入したりする必要があった。いずれの場合も、LF域およびHF域のNMR信号の検出について、相互の効率を十分に引き出せない回路構成を組まざるを得ず、効率の低下の原因となっていた。
本発明の目的は、上述した点に鑑み、少なくとも2つの核種を含む試料から、LF域およびHF域のNMR信号を効率良く検出できるようなNMR用プローブを提供することにある。
この目的を達成するため、本発明のNMR用プローブは、
2つの核種からのNMR信号を検出するNMR用プローブにおいて、
少なくとも1つのサンプルコイルから成る第1のサンプルコイルと、第1のサンプルコイルの両端に直列に接続された第2および第3のサンプルコイルとを有し、
第1の核種のNMR信号を検出する際には、前記第1、第2、及び第3のサンプルコイルを合わせて1つの集中定数回路として動作させながら、低周波数域の共振周波数によりNMR信号を検出し、
第2の核種のNMR信号を検出する際には、第2および第3のサンプルコイルを、高周波数域の共振周波数を持った高周波を遮断・反射するリジェクティング回路として動作させながら、第1のサンプルコイルにより高周波数域の共振周波数でNMR信号を検出する
ように構成されていることを特徴としている。
また、前記第2および第3のサンプルコイルは、高周波数域の共振周波数を持った高周波のλ/4共振器であることを特徴としている。
また、前記第1の核種は、2D、13C、15N、32P、および低γ核種であることを特徴としている。
また、前記第2の核種は、1H、19F、および31Pであることを特徴としている。
また、少なくとも1つのサンプルコイルから成る第1のサンプルコイルと、
第1のサンプルコイルの両端に直列に接続され、第1のサンプルコイルとともに、高周波数域の高周波に対する直列共振回路を形成する容量素子と、
第1のサンプルコイルの両端に直列に接続され、高周波数域の高周波に対しては、第1のサンプルコイル側からの高周波を遮断・反射するリジェクティング回路として動作するとともに、低周波数域の高周波に対しては、前記第1のサンプルコイルを合わせて1つの集中定数回路として動作する第2および第3のサンプルコイルと、
第2および第3のサンプルコイルの、第1のサンプルコイルとの接続端とは反対側の接続端に直列に接続され、第1、第2、および第3のサンプルコイルとともに、低周波数域の高周波に対する直列共振回路を形成する容量素子と、
高周波数域の高周波の注入端子および低周波数域の高周波の注入端子と
を備えたことを特徴としている。
また、前記第2および第3のサンプルコイルは、高周波数域の共振周波数を持った高周波のλ/4共振器であることを特徴としている。
また、前記第1の核種は、2D、13C、15N、32P、および低γ核種であることを特徴としている。
また、前記第2の核種は、1H、19F、および31Pであることを特徴としている。
2つの核種からのNMR信号を検出するNMR用プローブにおいて、少なくとも1つのサンプルコイルから成る第1のサンプルコイルと、第1のサンプルコイルの両端に直列に接続された第2および第3のサンプルコイルとを有し、第1の核種のNMR信号を検出する際には、前記第1、第2、及び第3のサンプルコイルを合わせて1つの集中定数回路として動作させながら、低周波数域の共振周波数によりNMR信号を検出し、第2の核種のNMR信号を検出する際には、第2および第3のサンプルコイルを、高周波数域の共振周波数を持った高周波を遮断・反射するリジェクティング回路として動作させながら、第1のサンプルコイルにより高周波数域の共振周波数でNMR信号を検出するように構成したので、少なくとも2つの核種を含む試料から、LF域およびHF域のNMR信号を効率良く検出できるようなNMR用プローブを提供することが可能になった。
また、少なくとも1つのサンプルコイルから成る第1のサンプルコイルと、第1のサンプルコイルの両端に直列に接続され、第1のサンプルコイルとともに、高周波数域の高周波に対する直列共振回路を形成する容量素子と、第1のサンプルコイルの両端に直列に接続され、高周波数域の高周波に対しては、第1のサンプルコイル側からの高周波を遮断・反射するリジェクティング回路として動作するとともに、低周波数域の高周波に対しては、前記第1のサンプルコイルを合わせて1つの集中定数回路として動作する第2および第3のサンプルコイルと、第2および第3のサンプルコイルの、第1のサンプルコイルとの接続端とは反対側の接続端に直列に接続され、第1、第2、および第3のサンプルコイルとともに、低周波数域の高周波に対する直列共振回路を形成する容量素子と、高周波数域の高周波の注入端子および低周波数域の高周波の注入端子とを備えたので、少なくとも2つの核種を含む試料から、LF域およびHF域のNMR信号を効率良く検出できるようなNMR用プローブを提供することが可能になった。
以下、本発明にかかるNMR用プローブの実施の形態について、図面を参照して、詳細に説明する。尚、本実施の形態については、LF域およびHF域のNMR信号を与える核種として、13C核および1H核を想定するが、他の核種の組み合わせについても同様にして適用することができる。
図2は、本実施の形態のNMR用プローブを適用したNMR分光装置の概略的な構成を示す図である。
このNMR分光装置は、試料を格納する試料管1に、ほぼ一様な静磁場を印加するマグネット2と、室温においてマグネット2による静磁場の不均一を補正する室温シム3と、試料管1に格納された試料からNMR信号を検出するNMR用プローブ4と、試料管1およびNMR用プローブ4を格納して温度を変化させる温度可変(VT)装置5と、を有している。
前記NMR用プローブ4は、単独ないし3個から成るサンプルコイルを有し、少なくとも2つの核種を含む試料からLF域およびHF域のNMR信号が検出されるようなものである。このNMR用プローブ4については、後に詳細に説明する。
また、このNMR分光装置は、室温シム3による静磁場の補正を制御する磁場補正装置6と、このNMR分光装置の全体を制御するコンピュータ7と、このNMR分光装置の稼働状態や観測したNMR信号を表示するLCDなどの表示器8と、NMR用プローブ4に送受する信号の多重化および分離を行なうデュプレクサ9と、NMR用プローブ4からデュプレクサ9を介して送られた信号を増幅する増幅器10と、増幅器10で増幅されたNMR信号に復調および検波を施す復調検波器11と、復調検波器11から出力された信号にアナログ・デジタル変換を施すアナログ・デジタル・コンバータ(ADC)12と、を有している。
更に、このNMR分光装置は、NMR用プローブ4にデュプレクサ9を介して送る第1の周波数f1の高周波(RF)を電力増幅する第1の電力増幅器13と、同じく、NMR用プローブ4にデュプレクサ9を介して送る第2の周波数f2のRFを電力増幅する第2の電力増幅器15と、同じく、NMR用プローブ4にデュプレクサ9を介して送る第3の周波数f3のRFを電力増幅する第3の電力増幅器16と、第1の電力増幅器13、第2の電力増幅器15、および第3の電力増幅器16に、第1の周波数f1のRF、第2の周波数f2のRF、および第3の周波数f3のRFを供給する発振器14と、を有している。
ここで、第1の周波数f1、および第2の周波数f2は、13C核によるLF域のNMR信号、および1H核によるHF域のNMR信号に対応している。発振器14は、復調検波器11から送られた観測信号に基づいて、これら第1の周波数f1のRF、および第2の周波数f2のRFを生成する。第3の周波数f3は、前記核種以外の第3の核種のNMR信号に対応している。
図3は、本実施の形態のNMR分光装置に用いられるNMR用プローブの構成を示す図である。図3(a)は、このNMR用プローブの概略的な構成を示す回路図であり、図3(b)は、このNMR用プローブの動作を説明するための模式図である。
図3(a)におけるNMR用プローブのサンプルコイルSは、第1のサンプルコイルS1−a、第2のサンプルコイルS2−a、第3のサンプルコイルS1−b、第4のサンプルコイルS2−b、の4つのコイルから成っている。このうち、図3(b)に示すように、4つのサンプルコイルの両端に位置するサンプルコイル、すなわち第3のサンプルコイルS1−bと第4のサンプルコイルS2−bを、それぞれ、ある長さを持った伝送ラインと仮定すれば、サンプルコイルSは、2つの分布定数回路(S1−bとS2−b)で挟まれた1つの集中定数回路(S1−aとS2−a)と見なすことができる。
このようなNMR用プローブにおいて、サンプルコイルSの両端は、LF同調用コンデンサC5、C6を直列に介して接地されている。これにより、サンプルコイルSとLF同調用コンデンサC5、C6とで、LFに対する直列共振回路が構成される。また、サンプルコイルSの左端には、LF整合用バリコンC7を介して、LF域のRFを注入する端子port1が接続されている。また、LF整合用バリコンC7と端子port1の間は、LF同調用コンデンサC8を介して接地されている。これらにより、port1から注入されるLF域のRFに対して、同調整合が行なわれる。尚、C7の代わりに、C8がバリコンであっても良いし、あるいはC7とC8が共にバリコンであっても良い。
このようなLF域での回路動作を近似的な概念として示したものが、図4である。図4に示すように、HF同調用コンデンサC1、C2は、容量が小さいため、LF共振時には、ハイ・インピーダンスとなり、存在が無視できる。その結果、回路は、サンプルコイルSと同調コンデンサC5、C6による直列共振回路として近似的に表わされ、サンプルコイルS(S1−a、S1−b、S2−a、S2−b)を1つの集中定数回路として動作させながら、LF域のRF、例えば、13C核の共鳴周波数域のRFに対して、共振することができる。
次に、サンプルコイルSの中央部を構成する集中定数回路(S1−aとS2−a)の両端は、HF同調用コンデンサC1、C2、C3を直列に介して接地されている。これにより、サンプルコイルSとHF同調用コンデンサC1、C2、C3とで、HFに対する直列共振回路が構成される。また、集中定数回路(S1−aとS2−a)の左端には、HF同調用コンデンサC2とHF整合用バリコンC4を介して、HF域のRFを注入する端子port2が接続されている。また、HF整合用バリコンC4は、HF同調用コンデンサC3を介して接地されている。これらにより、port2から注入されるHF域のRFに対して、同調整合が行なわれる。尚、C4の代わりに、C3がバリコンであっても良いし、あるいはC3とC4が共にバリコンであっても良い。
また、サンプルコイルSの両端部を構成する2つの分布定数回路(S1−bとS2−b)は、伝送ラインとしての長さが、HFのλ/4となるように設定されているので、HF共振時、S1−bとS2−bは、それぞれ、HFを遮断・反射するリジェクティング回路として働く。従って、S1−bとS2−bは、HFを、サンプルコイルSの中央部を構成する集中定数回路(S1−aとS2−a)とHF同調用コンデンサC1、C2、C3とで構成される直列共振回路内に閉じ込めるように作用する。
このようなHF域での回路動作を近似的な概念として示したものが、図5である。図5に示すように、LF同調用コンデンサC5、C6の存在は、HFを遮断・反射するリジェクティング回路の存在によって無視できるので、回路は、サンプルコイルSの中央部を構成する集中定数回路(S1−aとS2−a)とHF同調用コンデンサC1、C2、C3だけによって構成された直列共振回路として近似的に表わされる。その結果、本回路は、S1−aとS2−aをHF域のRFを遮断・反射するリジェクティング回路として動作させながら、HF域のRF、例えば、1H核の共鳴周波数域のRFに対して、共振することができる。
このように、本実施の形態のサンプルコイルSは、その両端に接続されたコイルS1−bとS2−bの線路長を分布定数回路とすることができる一方、両端のコイルS1−bおよびS2−bを中央部のコイルS1−aおよびS2−aと合わせた集中定数回路として、1つのインダクタンスと見なすこともできる。
サンプルコイルSは、分布定数回路と集中定数回路として動作する場合に、異なった共振周波数を有することになる。本実施の形態では、サンプルコイルSの一部を分布定数回路として動作させることにより、1H核による高域のNMR信号に対応すると同時に、サンプルコイルSの全体を集中定数回路として動作させることにより、13C核による低域のNMR信号に共振するように設定している。
図6は、前記NMR用プローブに用いられる鞍型サンプルコイルの構成を示す図である。図6(a)はサンプルコイルSの展開図であり、図6(b)はサンプルコイルSの斜視図である。
サンプルコイルSは、第1のサンプルコイルS1−aと第2のサンプルコイルS2−aが接続部25で半田付けされて成る鞍型コイルに、2つのリード部L1、L2が付加されたものである。第1および第2のサンプルコイルS1−a、S2−aに2つのリード部L1、L2を加え、接続部25の長さL3を除いた実効的な長さ(以下、第1および第2の線路長と呼ぶ。)S1、S2は、それぞれ、次のように定義される。
S1=L2+Z4+W4+Z3+W3
S2=L1+W1+Z1+W2+Z2
また、第1、第2、第3、第4のサンプルコイル、S1−a、S1−b、S2−a、S2−bは、それぞれ、次のように定義される。
S1−a=Z4+W4+Z3+W3
S1−b=L2
S2−a=W1+Z1+W2+Z2
S2−b=L1
このとき、L1とW1の接続点に、HF同調用コンデンサC1の片方の端子が、また、L2とZ4の接続点に、HF同調用コンデンサC2の片方の端子が、それぞれ接続され、HF同調用コンデンサC1のもう片方の端子は接地、また、HF同調用コンデンサC2のもう片方の端子は、HF同調整合回路を介して、HF注入端子port2と接地に接続される。また、リード部L1の先端部には、LF同調用コンデンサC5の片方の端子が、また、リード部L2の先端部には、LF同調用コンデンサC6の片方の端子が、それぞれ接続され、これらのLF同調用コンデンサC5、C6のもう片方の端子は、それぞれ接地される。
本実施の形態のサンプルコイルSにおいては、第1および第2の線路長S1、S2は、同一またはほぼ同一に設定されている。すなわち、S1=S2またはS1≒S2である。更に、2つのリード部L1、L2の線路長は、ほぼ等しい長さであり、HF域のRFに対して、ともにλ/4波長で共振するような長さに設定されている。
例えば、HF域の周波数f=600MHzに対しては、2つのリード部L1、L2をほぼ125mmに設定する。また、例えば、HF域の周波数f=500MHzに対しては、2つのリード部L1、L2をほぼ150mmに設定する。
このように、L1とW1の接続点に、HF同調用コンデンサC1の片方の端子が付き、また、L2とZ4の接続点に、HF同調用コンデンサC2の片方の端子が付くことで、Z4+W4+Z3+W3+Z2+W2+Z1+W1の線分が、HF共振コイルとなるとともに、残りのリード部L1、L2が、HFのλ/4波長共振器となって、HFを遮断・反射する特性インピーダンスを持ったHFリジェクティング機能分布定数回路となる。
尚、図6においては、1回のみ巻回したコイルを示したが、2回以上巻回した場合も、同様にして、2つのリード部L1、L2を設定することができる。図7は、1回、または2回以上に渡って巻回したサンプルコイルを示す図である。図7(a)は1回のみ巻回した場合、図4(b)は2回に渡って巻回した場合、図4(c)は3回に渡って巻回した場合を示す。尚、図7(a)〜図7(c)は、いずれもシリーズ巻の鞍型コイルの例であるが、パラ巻の鞍型コイルでもほぼ同様であることは、図8に示す通りである。
図8は、パラ巻で2回に渡って巻回した鞍型コイルの場合を示している。この場合、HF同調用コンデンサC1、C1’は、左右のコイル上におけるHFの最大振幅点に接続されるため、その接続点は、コイルの中途の位置にある。ただし、HFの位相によっては、HF同調用コンデンサC1、C1’の接続点を、HFの最大振幅点からずらす必要がある場合もある。2つのHF同調用コンデンサC1、C1’の容量は、左右のコイルが等しい場合(平衡回路の場合)は、互いに等しい容量に設定されるが、一般的には、コンデンサC1、C1’が接続される位置に応じて、その容量も変化させる。
また、本発明は、鞍型のサンプルコイルのみでなく、ソレノイド型のサンプルコイルに対しても、適用が可能である。図9は、本発明をソレノイド型コイルに適用した場合を示している。図中、サンプルコイル30が図3のS1−aとS2−aに、また、サンプルコイル35が図3のS1−bに、また、サンプルコイル40が図3のS2−bに、それぞれ対応している。
このように、2つの核種からのNMR信号を検出するNMR用プローブにおいて、少なくとも1つのサンプルコイルから成る第1のサンプルコイルと、第1のサンプルコイルの両端に直列に接続された第2および第3のサンプルコイルとを有し、第1の核種のNMR信号を検出する際には、前記第1、第2、及び第3のサンプルコイルを合わせて1つの集中定数回路として動作させながら、低周波数域の共振周波数によりNMR信号を検出し、第2の核種のNMR信号を検出する際には、第2および第3のサンプルコイルを、高周波数域の共振周波数を持った高周波を遮断・反射するリジェクティング回路として動作させながら、第1のサンプルコイルにより高周波数域の共振周波数でNMR信号を検出するように構成したので、少なくとも2つの核種を含む試料から、LF域およびHF域のNMR信号を効率良く検出できるようなNMR用プローブを提供することが可能になった。
また、少なくとも1つのサンプルコイルから成る第1のサンプルコイルと、第1のサンプルコイルの両端に直列に接続され、第1のサンプルコイルとともに、高周波数域の高周波に対する直列共振回路を形成する容量素子と、第1のサンプルコイルの両端に直列に接続され、高周波数域の高周波に対しては、第1のサンプルコイル側からの高周波を遮断・反射するリジェクティング回路として動作するとともに、低周波数域の高周波に対しては、前記第1のサンプルコイルを合わせて1つの集中定数回路として動作する第2および第3のサンプルコイルと、第2および第3のサンプルコイルの、第1のサンプルコイルとの接続端とは反対側の接続端に直列に接続され、第1、第2、および第3のサンプルコイルとともに、低周波数域の高周波に対する直列共振回路を形成する容量素子と、高周波数域の高周波の注入端子および低周波数域の高周波の注入端子とを備えたので、少なくとも2つの核種を含む試料から、LF域およびHF域のNMR信号を効率良く検出できるようなNMR用プローブを提供することが可能になった。
NMR用プローブに利用できる。
従来の複同調NMR用プローブを示す図である。 本発明にかかるNMR分光装置の構成を示す図である。 本発明にかかるNMRプローブの構成を示す図である。 本発明にかかるNMRプローブのLF域での動作概念を示す図である。 本発明にかかるNMRプローブのHF域での動作概念を示す図である。 本発明のNMRプローブに用いられる鞍型コイルの一例を示す図である。 本発明のNMRプローブに用いられる鞍型コイルの一例を示す図である。 本発明のNMRプローブに用いられる鞍型コイルの一例を示す図である。 本発明のNMRプローブに用いられるソレノイド型コイルの一例を示す図である。
符号の説明
1:試料管、2:マグネット、3:室温シム、4:NMR用プローブ、5:温度可変(VT)装置、6:磁場補正装置、7:コンピュータ、8:表示器、9:デュプレクサ、10:増幅器、11:復調検波器、12:アナログ・デジタル・コンバータ(ADC)、13:第1の電力増幅器、14:発振器、15:第2の電力増幅器、16:第3の電力増幅器、25:接続部、30:サンプルコイル、35:サンプルコイル、40:サンプルコイル、101:HF域信号検出部、102:LF域信号検出部、C1:HF同調用コンデンサ、C2:HF同調用コンデンサ、C3:HF同調用コンデンサ、C4:HF整合用バリコン、C5:LF同調用コンデンサ、C6:LF同調用コンデンサ、C7:LF整合用バリコン、C8:LF同調用コンデンサ、C100:可変容量コンデンサ、C101:コンデンサ、C111:可変容量コンデンサ、C112:可変容量コンデンサ、L1:リード部、L2:リード部、L100:サンプルコイル、L101:サンプルコイル、S:サンプルコイル、S1:第1の線路長、S2:第2の線路長、S1−a:第1のサンプルコイル、S1−b:第3のサンプルコイル、S2−a:第2のサンプルコイル、S2−b:第4のサンプルコイル

Claims (8)

  1. 2つの核種からのNMR信号を検出するNMR用プローブにおいて、
    少なくとも1つのサンプルコイルから成る第1のサンプルコイルと、第1のサンプルコイルの両端に直列に接続された第2および第3のサンプルコイルとを有し、
    第1の核種のNMR信号を検出する際には、前記第1、第2、及び第3のサンプルコイルを合わせて1つの集中定数回路として動作させながら、低周波数域の共振周波数によりNMR信号を検出し、
    第2の核種のNMR信号を検出する際には、第2および第3のサンプルコイルを、高周波数域の共振周波数を持った高周波を遮断・反射するリジェクティング回路として動作させながら、第1のサンプルコイルにより高周波数域の共振周波数でNMR信号を検出する
    ように構成されていることを特徴とするNMR用プローブ。
  2. 前記第2および第3のサンプルコイルは、高周波数域の共振周波数を持った高周波のλ/4共振器であることを特徴とする請求項1記載のNMR用プローブ。
  3. 前記第1の核種は、2D、13C、15N、32P、および低γ核種であることを特徴とする請求項1または2記載のNMR用プローブ。
  4. 前記第2の核種は、1H、19F、および31Pであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のNMR用プローブ。
  5. 少なくとも1つのサンプルコイルから成る第1のサンプルコイルと、
    第1のサンプルコイルの両端に直列に接続され、第1のサンプルコイルとともに、高周波数域の高周波に対する直列共振回路を形成する容量素子と、
    第1のサンプルコイルの両端に直列に接続され、高周波数域の高周波に対しては、第1のサンプルコイル側からの高周波を遮断・反射するリジェクティング回路として動作するとともに、低周波数域の高周波に対しては、前記第1のサンプルコイルを合わせて1つの集中定数回路として動作する第2および第3のサンプルコイルと、
    第2および第3のサンプルコイルの、第1のサンプルコイルとの接続端とは反対側の接続端に直列に接続され、第1、第2、および第3のサンプルコイルとともに、低周波数域の高周波に対する直列共振回路を形成する容量素子と、
    高周波数域の高周波の注入端子および低周波数域の高周波の注入端子と
    を備えたことを特徴とするNMR用プローブ。
  6. 前記第2および第3のサンプルコイルは、高周波数域の共振周波数を持った高周波のλ/4共振器であることを特徴とする請求項5記載のNMR用プローブ。
  7. 前記第1の核種は、2D、13C、15N、32P、および低γ核種であることを特徴とする請求項5または6記載のNMR用プローブ。
  8. 前記第2の核種は、1H、19F、および31Pであることを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1項に記載のNMR用プローブ。
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