以下に本件発明の実施形態を説明する。実施形態と、請求項との関係はおおむね次のようなものである。 実施形態1は、主に、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6などについて説明している。 実施形態2は、主に、請求項7について説明している。 実施形態3は、主に、請求項8について説明している。
<<実施形態1>> <実施形態1の概念> 実施形態1の液晶構造体は、液晶画素を配列して液晶面を構成する液晶画素配列部と、液晶面に到達する法線方向視線を液晶画素単位で遮蔽して遮蔽液晶画素とすることが可能な遮蔽素を配列した遮蔽素配列部と、からなる。
遮蔽素配列部の遮蔽素を制御することにより、携帯型情報通信端末の使用場所、環境、目的、及び表示内容など条件に応じて、液晶画素配列部の平面・立体画面、広い・狭い視角表示を自動、または手動により切替えることが可能である。
<構成要件の明示> 以下に実施形態1の構成要件を明示する。
図1に示すのは、実施形態1の液晶構造体0100の概念を説明する斜視図である。液晶構造体は液晶画素配列部0101と、遮蔽素配列部0102と、からなる。さらに、液晶画素配列部は、液晶画素0103からなる。遮蔽素配列部は遮蔽素0104からなる。
図2に示すのは、図1の液晶構造体を法線方向視線から見た概念を説明する図である。図2(a)は、液晶画素配列部0201に関する図である。液晶画素配列部は、液晶画素0202からなる。一般に、液晶画素配列部は、縦m個の液晶画素×横n個の液晶画素(m行n列)のマトリックス状に構成される。図2(a)では、簡単のため、縦4個の液晶画素×横9個の液晶画素(4行9列)の場合を示している(以下同じ)。ここで、図2(a)に示したように、1行目の1列にある液晶画素の位置を、1−1などと表すことにする。また、例えば、5列目の液晶画素全体を表すときは、(5)などと表し、3行目の液晶画素全体を表すときは、<3>などと表すことにする。また、図2(b)は、遮蔽素配列部0203に関する図である。遮蔽素配列部は、遮蔽素0204からなる。遮蔽素配列部の遮蔽素の配列は、液晶画素配列部の液晶画素の配列と同様であるので説明は省略する。
<構成の説明> 以下に、実施形態1の液晶構造体の構成を説明する。
(液晶画素配列部) 「液晶画素配列部」は、液晶画素を配列して液晶面を構成する。ここで「液晶画素」とは、情報を表示するための表示画面上に、一つの点を表示するために構成された液晶素子からなる構造物のことをいう。液晶画素には、白黒表示用の液晶画素と、カラー表示用の液晶画素がある。白黒表示する場合、各液晶画素が一つの液晶素子により構成されるが、カラー表示する場合、各液晶画素がRGB(Red Green Blue)の三原色液晶素子により構成される。液晶画素は、一例として、駆動が可能な液晶素子で構成される。ここで「駆動が可能な液晶素子」とは、電界・磁界・電圧・電流等により駆動が可能な液晶素子のことをいう。また「液晶面」とは、液晶画素をマトリックス状に配列して面状に構成したものをいう。液晶面には情報が表示される。ここで、「情報」には、画像のみならず、文字も含まれる。液晶面の表示方式には、STN(Super Twisted Nematic)方式やTFT(Thin Film Transistor)方式などがある。
(遮蔽素配列部) 「遮蔽素配列部」は、液晶面に到達する法線方向視線を液晶画素単位で遮蔽して遮蔽液晶画素とすることが可能な遮蔽素を配列する。ここで「法線方向視線」とは、おおよそ液晶面の正面から見た視線のことをいう。また、「遮蔽」とは、各液晶画素の大部分の視線を遮ることをいう。「遮蔽液晶画素」とは、液晶面に到達する法線方向視線を遮蔽された液晶画素のことをいう。「遮蔽素」とは、液晶面に到達する法線方向視線を液晶画素単位で遮蔽して遮蔽液晶画素とすることが可能な液晶素子のことをいう。遮蔽素には、一例として、駆動可能液晶素子(後述)などが該当する。液晶面に到達する法線方向視線を遮蔽されていない遮蔽素を「開素」、遮蔽された遮蔽素のことを「閉素」と呼ぶことにする(以下同じ)。
図3に示すのは、実施形態1の液晶構造体0300の概念を説明する斜視図である。液晶構造体は液晶画素配列部0301と、遮蔽素配列部0302と、からなる。さらに、液晶画素配列部は、液晶画素からなる。遮蔽素配列部は遮蔽素からなる。図3に示すように、遮蔽素が閉素0304を形成すると、閉素によって法線方向視線を遮蔽された液晶画素が遮蔽液晶画素0303となる。
図4に示すのは、図3の液晶構造体を法線方向視線から見た概念を説明する図である。図4(a)は、液晶画素配列部0401に関する図である。液晶画素配列部は、液晶画素からなる。図4(a)では、1−1の液晶画素が遮蔽液晶画素0402となっている。また、図4(b)は、遮蔽素配列部0403に関する図である。遮蔽素配列部は、遮蔽素からなる。図4(b)では、1−1の遮蔽素が閉素0404を形成し、2−1の遮蔽素が開素0405を形成している。
遮蔽液晶画素は、液晶面において情報表示を構成しないようにすることも可能である。ここで「情報」とは、動画像、静止画像、文字などが該当する。「情報表示」とは、情報を意味あるものとして表示することをいう。また、「情報表示を構成しない」とは、液晶画素を駆動するための電源をオフすることに限定されず、視認者に無意味な情報を表示すること、視認されても問題ない情報を表示することなども含む。法線方向視線の視認者は、遮蔽液晶画素以外の液晶画素を視認することが可能であり、遮蔽液晶画素を視認することができない。遮蔽液晶画素を、液晶面において情報表示を構成しないようにすることにより、消費電力の低減あるいは遮蔽液晶画素のみ視認可能な視認者から秘密情報を視認不可とすることができる。
また、遮蔽液晶画素は、液晶面に達する斜方向視線のみから視認可能に配置される構成も可能である。ここで「斜方向視線」とは、おおよそ液晶面と水平方向の視線から法線方向視線までの範囲の視線のことをいう。具体的には、液晶面から20〜30度から60〜70度などの視線が該当する。遮蔽液晶画素を斜方向視線のみから視認可能に配置することにより、セキュリティを確保することができる。一例として、遮蔽液晶画素にのみ液晶面において情報表示を構成するようにすることにより、法線方向視線の視認者に秘密情報を見られないようにすることが可能である。
また、液晶画素配列部の液晶画素のうち、遮蔽液晶画素を除く画素が、液晶面に達する斜方向視線のみから視認不可能に配置される構成とすることも可能である。遮蔽液晶画素を除く画素を、液晶面に達する斜方向視線のみから視認不可能に配置される構成とすることにより、斜方向視線の視認者に秘密情報を見られないようにすることが可能である。
図28は、上記構成を説明するための概念を説明する図であり、実施形態1の液晶構造体を上方向から見た断面図である。液晶構造体2800は、液晶配列部2801と、遮蔽素配列部2802と、からなる。液晶画素列(1)、(3)、(5)、(7)、(9)には画像Aが表示され、液晶画素列(2)、(4)、(6)、(8)には画像Bが表示される。遮蔽素配列部は、遮蔽素列(1)、(3)、(5)、(7)、(9)に閉素列Cが配列され、遮蔽素列(2)、(4)、(6)、(8)に開素列Dが配列されるように、遮蔽素がマトリックス状に配列されている。法線方向視線の視認者には、閉素列C、開素列Dにより、液晶画素配列部の画像Bの光(B1、B2など)のみ通過し、画像A(A1、A2など)の光は遮断される。斜方向視線の視認者には、閉素列C、開素列Dにより、液晶画素配列部の画像Aの光(A1、A2など)を通過する。つまり、遮蔽液晶画素(画像A)は、液晶面に達する斜方向視線のみから視認可能に配置される構成が可能である。さらに、斜方向視線の視認者には、画像Bの光(B1、B2、B3、B4など)は遮断されるようにすることも可能である。つまり、液晶画素配列部の液晶画素のうち、遮蔽液晶画素を除く画素(画像B)が、液晶面に達する斜方向視線のみから視認不可能に配置される構成とすることも可能である。また、遮蔽液晶画素(画像A)は、液晶面において情報表示を構成しないようにすることにより、斜方向視線の視認者が情報を盗み取ることを防止できる。逆に、液晶画素配列部の液晶画素のうち、遮蔽液晶画素を除く画素(画像B)は、液晶面において情報表示を構成しないようにすることにより、法線方向視線の視認者が情報を盗み取ることを防止できる。
遮蔽素配列部は、遮蔽素による遮蔽の配列を変更するための変更手段を有する構成とすることも可能である。ここで「変更手段」は、一例として、遮蔽素に電圧を印加するための電極、電極を通して遮蔽素をオンオフするための電界・電圧・電流源、電界・電圧・電流源に電界・電圧・電流を印加する印加手段、電極と電界・電圧・電流源と印加手段を接続するための配線などで構成される。印加手段を制御し、遮蔽素に加える電圧をオンオフ切替することにより、遮蔽素による遮蔽の配列を変更することができる。
遮蔽素は、駆動可能液晶素子からなり、変更手段は、駆動可能液晶素子を駆動して遮蔽オンオフ切替可能とする構成とすることが可能である。ここで「駆動可能液晶素子」とは、電界・磁界・電圧・電流等により駆動可能な遮蔽素を構成する液晶素子であり、液晶面の液晶画素からの視線を遮ることが可能な液晶素子のことをいう。また「遮蔽オンオフ切替可能」とは、駆動可能液晶素子を駆動して遮蔽素をオンすなわち閉素としたり、オフすなわち開素としたりして、閉素と開素を切替えることが可能であることをいう。
なお、実施形態1の液晶構造体は、携帯型情報端末のみならず、大型の表示装置に使用することも可能である。
<実施形態1の実施例1> 以下に、実施形態1の実施例1について説明する。
図5に示すのは、実施形態1の実施例1の液晶構造体を法線方向視線から見た概念を説明する正面図である。図5(a)は、液晶画素配列部0501に関する図である。液晶画素列(1)、(3)、(5)、(7)、(9)には画像Aが配列されており、液晶画素列(2)、(4)、(6)、(8)には画像Bが配列されているものとする。また、図5(b)は、遮蔽素配列部0502に関する図である。遮蔽素列(1)、(3)、(5)、(7)、(9)は閉素列Cを構成し、遮蔽素列(2)、(4)、(6)、(8)は開素列Dを構成しているものとする。
図6は、実施形態1の実施例1の液晶構造体を上方向から見た概念を説明する断面図である。液晶構造体0600は、液晶配列部0601と、遮蔽素配列部0602と、からなる。一例として、携帯型情報通信端末を考えてみる。携帯型情報通信端末の液晶構造体は、主に二つの要素である液晶画素配列部と、遮蔽素配列部により構成されている。液晶画素配列部には、マトリックス状の細かい液晶画素が配列されている。液晶画素列(1)、(3)、(5)、(7)、(9)には画像Aが表示され、液晶画素列(2)、(4)、(6)、(8)には画像Bが表示される。各液晶画素のオン/オフにより、画像A、Bが画面表示される。白黒の場合、各液晶画素が表示画面の画素と対応しているが、カラー表示する場合、各液晶画素がRGBの三原色画素により構成される。遮蔽素配列部は、遮蔽素列(1)、(3)、(5)、(7)、(9)に閉素列Cが配列され、遮蔽素列(2)、(4)、(6)、(8)に開素列Dが配列されるように、遮蔽素がマトリックス状に配列されている。閉素列C、開素列Dにより、液晶画素配列部の画像A、Bの光を通過、または遮断させ、異なる視角の画面を形成することができる。すなわち、視線を遮蔽したり、しなかったりすることができる。
従来方式の図27の場合、立体画面を表示するために、液晶画素と遮蔽素の相対位置はシフトするように配置されている。図27に示したように、液晶画素中心R1に対して、遮蔽素中心R2とシフトするように配置されている。例えば、液晶画素幅W1が、遮蔽素幅W2と等しい場合、液晶画素中心R1に対して、遮蔽素中心R2はW2/2、あるいはW1/2だけシフトして配置される。遮蔽素幅は、視認者の目の視差(目の間隔)と、視認者の目から遮蔽素配列部までの距離と、液晶画素配列部と遮蔽素配列部の間隔との関係により調整することも可能である。
従来方式と異なり、実施形態1の実施例1において、視角制御の目的で、液晶画素と閉素の相対位置は重なるように配置されている。図6に示したように、液晶画素中心R1は、遮蔽素中心R2と重なるように配置されている。例えば、液晶画素幅W1が、遮蔽素幅W2と等しい場合、液晶画素列(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)(9)と、遮蔽素列(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)(9)が重なるように配置される。
上記の液晶画素列(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)(9)と、遮蔽素列(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)(9)の配置により、液晶面の正面に位置する(法線方向視線の)視認者に対して、液晶画素列(1)、(3)、(5)、(7)、(9)の画像Aから発生された光は、遮蔽素中の一部光通過不可な閉素列C(1)、(3)、(5)、(7)、(9)により遮断され、画面Bに到達しない。すなわち、画像Aの法線方向視線は遮蔽される。一方、液晶画素列(2)、(4)、(6)、(8)の画像Bから発生された光(B1、B2、・・・)は、遮蔽素中の一部光通過可能な開素列D(2)、(4)、(6)、(8)により通過され、画面Bに到達する。すなわち、画像Bの法線方向視線は遮蔽されない。
また、液晶面の側面に位置する(斜方向視線の)視認者に対して、逆に、液晶画素列(1)、(3)、(5)、(7)、(9)の画像Aから発生された光(A1、A2、A3、A4、・・・)は、遮蔽素中の一部光通過可能な開素列D(2)、(4)、(6)、(8)により通過され、画面Aに到達する。すなわち、画像Aの斜方向視線は遮蔽されない。一方、液晶画素列(2)、(4)、(6)、(8)の画像Bから発生された光は、遮蔽素中の一部光通過不可な閉素列C(1)、(3)、(5)、(7)、(9)により遮断され、画面Aに到達しない。すなわち、画像Bの斜方向視線は遮蔽される。
実施形態1の実施例1により、液晶面の正面に位置する(法線方向の)視認者1に対しては、液晶画素列(2)、(4)、(6)、(8)に配列された画像Bにより構成された画面Bが表示される。一方、遮蔽液晶画素(画像A)は、液晶面に達する斜方向視線のみから視認可能に配置される構成であるとすると、液晶面の正面に一定角度を持つ(斜方向視線の)視認者2に対してのみ、液晶画素列(1)、(3)、(5)、(7)、(9)に配列された画像Aにより構成された画面Aが表示される。また、液晶画素配列部の液晶画素のうち、遮蔽液晶画素を除く画素(画像B)が、液晶面に達する斜方向視線のみから視認不可能に配置される構成とすると、視認者2は画面Bを視認することができないため、隣の他人に覗かれないようなセキュリティ保護目的を達成できる。また、遮蔽液晶画素(画像A)は、液晶面において情報表示を構成しないようにすることにより、斜方向視線の視認者が情報を盗み取ることを防止できる。この場合、画面Bは(法線方向の)正面視認者1に対して有益な情報を提供し、画面Aには情報を表示しない、または無益な情報、例えば、静止画面などを表示することができる。画面Aには情報が表示されない場合、液晶画素列(1)、(3)、(5)、(7)、(9)の画像Aに電圧を印加しないことで電力消費を抑えることもできる。
次に、液晶画素の表示原理の簡単な概念について説明する。
図12に示したのは、液晶画素の表示原理の概念を示す図の一例である。ここで、1つの液晶画素のオン/オフ制御について説明する。1つの液晶画素は、上下の偏光フィルター1202a、1206a、1202b、1206bと、上下の配光膜1203a、1205a、1203b、1205bと、液晶分子1204a、1204bと、から構成されている。ここで、配光膜は、一例として、酸化インジウムと酸化スズの化合物(ITO:Indium Tin Oxide)からなる電極膜(ITO電極)として形成されていて、透明性を持つ。電圧1207bは上下の配光膜1203a、1205aに印加されない場合、光1201aはa方向の光は上の偏光フィルター1202aを通過し、液晶分子1204aの90度回転により、下の偏光フィルター1206aを通過することができる。一方、電圧1207bは上下の配光膜1203b、1206bに印加されている場合、光1201bはa方向の光は上の偏光フィルター1202bを通過し、さらに印加電圧により整列された液晶分子1204bを通過したが、下の偏光フィルター1206bの偏光方向bと異なるため、下の偏光フィルター1206bを通過することができない。従って、液晶分子を挟む配光膜に電圧印加の有無によって、光の通過をオン/オフすることが可能である。カラー表示の場合は、前記3つの液晶画素にRGBカラーフィルターを加えて、三原色によりカラーを形成することができる。
一般に、遮蔽素は駆動可能液晶素子で構成されており、駆動可能液晶素子のオン/オフの原理も液晶画素の表示原理と同様であるので説明を省略する。
実施形態1の実施例1に適用した遮蔽素について、閉素列C、開素列Dは、液晶画素列(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)(9)と同様な構造で形成することができる。例えば、各遮蔽素に制御電圧の印加により遮蔽素をオン/オフして、閉素、開素を構成することができる。したがって、携帯型情報通信端末の使用場所、環境、目的、及び表示内容などにより、各遮蔽素の制御を行い、広い・狭い視角表示を実現することができる。
<実施形態1の実施例2> 以下に、実施形態1の実施例2について説明する。実施形態1の実施例2は、実施形態1の実施例1において、液晶画素列の画像Aと画像Bの配列、及び閉素列Cと開素列Dの配列を変更したものである。液晶画素の切替え、閉素と開素の切替えは実施形態1の実施例1と同様に考えることができる。実施形態1の実施例2は、実施形態1の実施例1において、液晶画素列の画像Aと画像Bの配列、及び閉素列Cと開素列Dの配列を変更したものであること以外は、実施形態1の実施例1と同様に考えることができるので、主に、その相違点について説明する。
図7に示すのは、実施形態1の実施例2の液晶構造体を法線方向視線から見た概念を示す正面図である。図7(a)は、液晶画素配列部0701に関する図である。液晶画素列(1)、(2)、(3)、(7)、(8)、(9)には画像Aが配列されており、液晶画素列(4)、(5)、(6)には画像Bが配列されているものとする。また、図7(b)は、遮蔽素配列部0702に関する図である。遮蔽素列(1)、(2)、(3)、(7)、(8)、(9)は閉素列Cを構成し、遮蔽素列(4)、(5)、(6)は開素列Dを構成しているものとする。
図8は、実施形態1の実施例2の液晶構造体を上方向から見た概念を説明する断面図である。液晶構造体0800は、液晶配列部0801と、遮蔽素配列部0802と、からなる。さらに遮蔽素配列部は、変更手段0803を有する。変更手段は、遮蔽素による遮蔽の配列を変更する。
遮蔽素配列部は、遮蔽素列(1)、(2)、(3)、(7)、(8)、(9)に閉素列Cが配列され、遮蔽素列(4)、(5)、(6)に開素列Dが配列されるように、遮蔽素がマトリックス状に配列されている。閉素列C、開素列Dにより、液晶画素配列部の画像Aの光を遮断させ、Bの光を通過させることによりの左右に狭い視野角の画面Bを形成することができる。この場合、遮蔽液晶画素(画像A)は、液晶面において情報表示を構成しないようにすることにより、斜方向視線の視認者が情報を盗み取ることを防止できる。したがって、画面Bは有益な情報を提供し、画面Aには情報を表示しないようにすることができる。
<実施形態1の実施例3> 以下に、実施形態1の実施例3について説明する。実施形態1の実施例3は、実施形態1の実施例1において、液晶画素列の画像Aと画像Bの配列、及び閉素列Cと開素列Dの配列を変更したものである。液晶画素の切替え、閉素と開素の切替えは実施形態1の実施例1と同様に考えることができる。実施形態1の実施例3は、実施形態1の実施例1において、液晶画素列の画像Aと画像Bの配列、及び閉素列Cと開素列Dの配列を変更したものであること以外は、実施形態1の実施例1と同様に考えることができるので、主に、その相違点について説明する。
図9に示すのは、実施形態1の実施例3の液晶構造体を法線方向視線から見た概念を説明する正面図である。図9(a)は、液晶画素配列部0901に関する図である。液晶画素2−4、2−5、2−6、3−4、3−5、3−6にのみ画像Bが配列されており、それ以外はすべて画像Aが配列されているものとする。また、図9(b)は、遮蔽素配列部0902に関する図である。遮蔽素2−4、2−5、2−6、3−4、3−5、3−6のみ開素Dを構成し、それ以外はすべて閉素Cを構成しているものとする。
閉素列C、開素列Dにより、液晶画素配列部の画像Aの光を遮断させ、Bの光を通過させることによりの左右のみならず上下にも狭い視野角の画面Bを形成することができる。この場合、遮蔽液晶画素(画像A)は、液晶面において情報表示を構成しないようにすることにより、斜方向視線の視認者が情報を盗み取ることを防止できる。したがって、画面Bは有益な情報を提供し、画面Aには情報を表示しないようにすることができる。
<実施形態1の実施例4> 以下に、実施形態1の実施例4について説明する。実施形態1の実施例4は、実施形態1の実施例1において、液晶画素列の画像Aと画像Bの配列、及び閉素列Cと開素列Dの配列を変更したものである。液晶画素の切替え、閉素と開素の切替えは実施形態1の実施例1と同様に考えることができる。実施形態1の実施例4は、実施形態1の実施例1において、液晶画素列の画像Aと画像Bの配列、及び閉素列Cと開素列Dの配列を変更したものであること以外は、実施形態1の実施例1と同様に考えることができるので、主に、その相違点について説明する。
図10に示すのは、実施形態1の実施例4の液晶構造体を法線方向視線から見た概念を説明する正面図である。図10(a)は、液晶画素配列部1001に関する図である。液晶画素には、すべて画像Aが配列されているものとする。また、図10(b)は、遮蔽素配列部1002に関する図である。遮蔽素はすべて閉素Cを構成しているものとする。
閉素列Cにより、液晶配列部全体の光を遮断させることができる。この場合、画面Aには情報を表示しないようにすることができる。誤って液晶構造体に電源が入力されて、見られたくない情報を見られてしまうのを防止するのに有効である。
<実施形態1の実施例5> 以下に、実施形態1の実施例5について説明する。実施形態1の実施例5は、実施形態1の実施例1において、液晶画素列の画像Aと画像Bの配列、及び閉素列Cと開素列Dの配列を変更したものである。液晶画素の切替え、閉素と開素の切替えは実施形態1の実施例1と同様に考えることができる。実施形態1の実施例5は、実施形態1の実施例1において、液晶画素列の画像Aと画像Bの配列、及び閉素列Cと開素列Dの配列を変更したものであること以外は、実施形態1の実施例1と同様に考えることができるので、主に、その相違点について説明する。
図11に示すのは、実施形態1の実施例5の液晶構造体を法線方向視線から見た概念を説明する正面図である。図11(a)は、液晶画素配列部1101に関する図である。液晶画素には、画像A、画像Bが任意に配列されているものとする。また、図11(b)は、遮蔽素配列部1102に関する図である。遮蔽素はすべて開素Cを構成しているものとする。
開素列Dにより、液晶配列部全体の光を通過させることができる。テレビ画像など、すべての画像情報を広い視野角で見たい場合に有効である。
<実施形態1の効果の簡単な説明> 以上述べたように、液晶画素列(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)(9)と、遮蔽素列(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)(9)の配置を工夫し、液晶面の正面に位置する視認者1に対しては、液晶画素列(2)、(4)、(6)、(8)の画像Bにより構成された画面Bが表示され、液晶面の正面に一定角度を持つ視認者2に対しては、液晶画素列(1)、(3)、(5)、(7)、(9)の画像Aにより構成された画面Aが表示される。しかも視認者2は、画面Bを視認することができないため、隣の他人に覗かれないようなセキュリティ保護目的を達成することができる。また、遮蔽素配列部の各遮蔽素に液晶表示構造を採用することにより、携帯型情報通信端末の使用場所、環境、目的、及び表示内容などによって、閉素、開素の制御を行うことが可能で、広い・狭い視角表示を切替えすることも可能である。さらに、狭い視角表示する場合には、液晶画素列(1)、(3)、(5)、(7)、(9)の画像Aに制御電圧を印加しないことで電力消費を抑えることもできる。
<<実施形態2>> <実施形態2の概念> 実施形態2の遮蔽素は、複数の遮蔽部分素からなり、遮蔽部分素は、それぞれが遮蔽オンオフ切替可能である実施形態1に記載の液晶構造体に関する。
<構成要件の明示> 以下に実施形態2の構成要件を明示する。
図13に示すのは、実施形態2の液晶構造体1300の概念を説明する斜視図である。液晶構造体は液晶画素配列部1301と、遮蔽素配列部1302と、からなる。また、液晶画素配列部は、液晶画素からなる。遮蔽素配列部は遮蔽素からなる。さらに、遮蔽素は、遮蔽部分素1303からなる。
<構成の説明> 以下に、実施形態2の液晶構造体の構成を説明する。
実施形態2の液晶画素配列部は、実施形態1の液晶画素配列部の説明と同様であるので説明を省略する。
(遮蔽素配列部) 「遮蔽素配列部」は、液晶面に到達する法線方向視線を液晶画素単位で遮蔽して遮蔽液晶画素とすることが可能な遮蔽素を配列する。さらに遮蔽素は、複数の遮蔽部分素からなり、遮蔽部分素は、それぞれが遮蔽オンオフ切替可能である。ここで、遮蔽されていない遮蔽部分素を「開部分素」、遮蔽された遮蔽部分素のことを「閉部分素」と呼ぶことにする(以下同じ)。
図14に示すのは、図13の液晶構造体を法線方向視線から見た概念を説明する正面図である。図14(a)は、液晶画素配列部1401に関する図である。液晶画素配列部は、液晶画素からなる。また、図14(b)は、遮蔽素配列部1402に関する図である。遮蔽素配列部は、遮蔽素からなる。さらに遮蔽素は、遮蔽部分素1403からなる。図14(b)では、遮蔽素を縦に2分割したものを遮蔽部分素としているが、本件発明は、これに限定されるものではない。遮蔽部分素は、遮蔽素を、縦に2分割、3分割、4分割や横に2分割、3分割、4分割など、あるいは縦と横の分割の組み合わせであってもよい。
<実施形態2の実施例1> 以下に、実施形態2の実施例1について説明する。
図15に示すのは、実施形態2の実施例1の液晶構造体を法線方向視線から見た概念を説明する正面図である。図15(a)は、液晶画素配列部1501に関する図である。液晶画素列(1)、(3)、(5)、(7)、(9)には画像Aが配列されており、液晶画素列(2)、(4)、(6)、(8)には画像Bが配列されているものとする。また、図15(b)は、遮蔽素配列部1502に関する図である。遮蔽部分素列(1L、1R)、(3L、3R)、(5L、5R)、(7L、7R)、(9L、9R)は閉部分素列E、Fを構成し、遮蔽部分素列(2L、2R)、(4L、4R)、(6L、6R)、(8L、8R)は開素列G、Hを構成しているものとする。ここで、例えば、(1L、1R)などの記号は、遮蔽素列(1)を分割して遮蔽部分素列を構成していることを示している。1Lは左側の遮蔽部分素を表し、1Rは右側の遮蔽部分素を表している(以下同じ)。
図16は、実施形態2の実施例1の液晶構造体を上方向から見た概念を説明する断面図である。液晶構造体1600は、液晶配列部1601と、遮蔽素配列部1602と、からなる。一例として、携帯型情報通信端末を考えてみる。携帯型情報通信端末の液晶構造体は、基本的には実施形態1の実施例1と同じように、主に二つの要素である液晶画素配列部と、遮蔽素配列部により構成されている。液晶画素配列部は、マトリックス状の細かい液晶画素が配列されている。液晶画素列(1)、(3)、(5)、(7)、(9)には画像Aが表示され、液晶画素列(2)、(4)、(6)、(8)には画像Bが表示される。各液晶画素のオン/オフにより、画像A、Bが画面表示される。白黒の場合、各液晶画素が表示画面の画素と対応しているが、カラー表示する場合、各液晶画素がRGBの三原色画素により構成される。遮蔽素配列部は、遮蔽部分素列(1L、1R)、(3L、3R)、(5L、5R)、(7L、7R)、(9L、9R)は閉部分素列E、Fが配列され、遮蔽部分素列(2L、2R)、(4L、4R)、(6L、6R)、(8L、8R)は開素列G、Hが配列されるように、遮蔽部分素がマトリックス状に配列されている。閉部分素列E、Fと、開素列G、Hとにより、液晶画素配列部の画像A、Bの光を通過、または遮断させ、異なる視角の画面を形成することができる。
実施形態2の実施例1においては、閉部分素列E、Fと、開部分素列G、Hは、図6に示した実施形態1の実施例1と異なり、閉素列Cと開素列Dの幅をさらに1/2としている。図16に示したように、液晶画素中心R1に対して、遮蔽部分素中心R2は、液晶画素幅W1の1/4だけシフトしている。すなわち、1つの液晶画素に対して、2つの遮蔽部分素と重なるように配置されている。例えば、液晶画素幅W1、遮蔽部分素幅W2の場合、W1はW2の2倍の関係にあり、液晶画素列(1)、(3)、(5)、(7)、(9)の画像Aに対して、遮蔽部分素列(1L、1R)、(3L、3R)、(5L、5R)、(7L、7R)、(9L、9R)の閉部分素列E、Fが、液晶画素列(2)、(4)、(6)、(8)の画像Bに対して、遮蔽部分素列(2L、2R)、(4L、4R)、(6L、6R)、(8L、8R)の開素列G、Hが、それぞれ法線方向視線で重なるように配置されている。遮蔽部分素幅は、視認者の目の視差(目の間隔)と、視認者の目から遮蔽素配列部までの距離と、液晶画素配列部と遮蔽素配列部の間隔との関係により調整することも可能である。
上記の液晶画素列(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)(9)と、遮蔽部分素列(1L、1R)、(2L、2R)、(3L、3R)、(4L、4R)、(5L、5R)、(6L、6R)、(7L、7R)、(8L、8R)、(9L、9R)の配置により、液晶面の正面に位置する(法線方向視線の)視認者1に対して、液晶画素列(1)、(3)、(5)、(7)、(9)の画像Aから発生した光(A1、A2、A3、A4、・・・)は、遮蔽部分素中の一部光通過不可な閉部分素列E、Fにより遮断され、画面Bに到達しない。つまり、画像Aの法線方向視線は遮蔽される。一方、液晶画素列(2)、(4)、(6)、(8)の画像Bから発生した光(B1、B2、…)は、遮蔽部分素中の一部光通過可能な開部分素列G、Hにより通過され、画面Bに到達する。つまり、画像Bの法線方向視線は遮蔽されない。
また、液晶面の側面に位置する(斜方向視線の)視認者2に対して、逆に、液晶画素列(1)、(3)、(5)、(7)、(9)の画像Aから発生した光(A1、A2、A3、A4、・・・)は、遮蔽部分素中の一部光通過可能な開部分素列G、Hにより通過され、画面Aに到達する。つまり、画像Aの斜方向視線は遮蔽されない。一方、液晶画素列(2)、(4)、(6)、(8)の画像Bから発生した光(B1、B2、…)は、遮蔽部分素中の一部光通過不可な閉部分素列E、Fにより遮断され、画面Aに到達しない。つまり、画像Bの斜方向視線は遮蔽される。
図16の構成では、実施形態1の実施例1と同様に、液晶面の正面に位置する(法線方向視線の)視認者1に対しては、液晶画素列(2)、(4)、(6)、(8)の画像Bにより構成された画面Bが表示される。液晶面の正面に一定角度を持つ(斜方向視線の)視認者2に対して、液晶画素列(1)、(3)、(5)、(7)、(9)の画像Aにより構成された画面Aが表示される。視認者2は、画面Bを視認することができないため、隣の他人に覗かれないようなセキュリティ保護目的を達成できる。
また、閉部分素列E、Fと開部分素列G、Hの構成は、実施形態1の実施例1と同様に、図12の液晶表示構造を採用することにより、携帯型情報通信端末の使用場所、環境、目的、及び表示内容などによって、閉部分素列E、Fと開部分素列G、Hの制御を行うことが可能で、広い・狭い視角表示を切替えることも可能である。
<実施形態2の実施例2> 以下に、実施形態2の実施例2について説明する。
図17に示すのは、実施形態2の実施例2の液晶構造体を法線方向視線から見た概念を説明する正面図である。図17(a)は、液晶画素配列部1701に関する図である。液晶画素列(1)、(3)、(5)、(7)、(9)には画像Aが配列されており、液晶画素列(2)、(4)、(6)、(8)には画像Bが配列されているものとする。また、図17(b)は、遮蔽素配列部1702に関する図である。遮蔽部分素列(1R、2L)、(3R、4L)、(5R、6L)、(7R、8L)、(9R)は閉部分素列F、G(図18に示す)を構成し、遮蔽部分素列(1L)、(2R、3L)、(4R、5L)、(6R、7L)、(8R、9L)は開素列H、E(図18に示す)を構成しているものとする。
図18は、実施形態2の実施例2の液晶構造体を上方向から見た概念を説明する断面図である。液晶構造体1800は、液晶配列部1801と、遮蔽素配列部1802と、からなる。
実施形態2の実施例2では、図18のように、液晶面の正面に位置する(法線方向視線の)視認者1に対しては、液晶画素列(1)、(3)、(5)、(7)、(9)の画像Aから発生した光(A1、A2、・・・)は、遮蔽部分素中の一部光通過可能な開部分素列H、Eにより通過し、画面Aに到達するが、液晶画素列(2)、(4)、(6)、(8)の画像Bから発生した光は遮蔽部分素中の一部光通過不可な閉部分素列F、Gにより遮断され、画面Aに到達しない。一方、液晶画素列(2)、(4)、(6)、(8)の画像Bから発生した光(B1、B2、・・・)は、遮蔽部分素中の一部光通過可能な開部分素列H、Eにより通過し、画面B到達するが、液晶画素列(1)、(3)、(5)、(7)、(9)の画像Aから発生した光は、遮蔽部分素中の一部光通過不可な閉部分素列F、Gにより遮断され、画面Aに到達しない。この場合、図18のように、液晶面の視認者1には、光通過可能な開部分素列H、Eと光通過不可な閉部分素列F、Gにより構成された視覚差を利用して、左目用液晶画素列(1)、(3)、(5)、(7)、(9)の画像Aによって構成される左目用画面Aと、右目用液晶画素列(2)、(4)、(6)、(8)の画像Bによって構成される右目用画面Bとが左右に分離され、分離された左目用画像および右目用画像は、視認者の左目および右目にそれぞれ到達する。この時、液晶構造体の液晶画素列(1)、(3)、(5)、(7)、(9)の画像Aと液晶画素列(2)、(4)、(6)、(8)の画像Bとには、視差情報を含む左目用画像Aと右目用画像Bとがそれぞれ入力されており、視認者は、これらの画像を左右の目で別々に視認することで、液晶構造体に表示される画像を立体画像として認識することができる。
また、液晶面の側面に位置する(斜方向視線の)視認者2に対しては、画面Aのみ、あるいは画面Bのみしか見えないため、液晶構造体に表示される画像を立体画像として認識することができない。
また、遮蔽部分素列(1L、1R)、(2L、2R)、(3L、3R)、(4L、4R)、(5L、5R)、(6L、6R)、(7L、7R)、(8L、8R)、(9L、9R)の構成は、実施形態1の実施例1と同様に、図12の液晶表示構造を採用することにより、携帯型情報通信端末の使用目的、及び表示内容などによって、開部分素と閉部分素の制御を行うことが可能で、平面・立体画像表示、または広い・狭い視覚表示を切替えることも可能である。
<実施形態2の効果の簡単な説明> 以上述べたように、遮蔽部分素列の構成は、携帯型情報通信端末の使用目的、及び表示内容などによって、開部分素と閉部分素の制御を行うことが可能で、平面・立体画像表示を切替えることも可能である。
<<実施形態3>> <実施形態3の概念> 実施形態3は、遮蔽部分素の遮蔽オンオフ切替をするための遮蔽部分素切替部を有し、遮蔽部分素切替部は、遮蔽部分素の遮蔽オンである配列を制御して液晶面に対して情報を読み取るために到達する視線角度である視野角を変更するための視野角変更手段を有する実施形態2に記載の液晶構造体に関する。
<構成要件の明示> 以下に実施形態3の構成要件を明示する。
図19に示すのは、実施形態3の液晶構造体1908を利用した携帯型情報通信端末の機能ブロック図である。実施形態3の液晶構造体は液晶画素配列部1911と、遮蔽素配列部1912と、遮蔽部分素切替部1913と、からなる。さらに、遮蔽部分素切替部は、視野角変更手段1914を有する。
<構成の説明> 以下に、実施形態3の液晶構造体の構成を説明する。 実施形態3の液晶画素配列部は、実施形態1の液晶画素配列部の説明と同様であるので説明を省略する。
(遮蔽素配列部) 遮蔽素配列部は、液晶面に到達する法線方向視線を液晶画素単位で遮蔽して遮蔽液晶画素とすることが可能な遮蔽素を配列する。さらに遮蔽素は、複数の遮蔽部分素からなり、遮蔽部分素は、それぞれが遮蔽オンオフ切替可能である。
(遮蔽部分素切替部) 遮蔽部分素切替部は、遮蔽部分素の遮蔽オンオフ切替をする。遮蔽部分素切替部は、視野角変更手段を有する。視野角変更手段は、遮蔽部分素の遮蔽オンである配列を制御して液晶面に対して情報を読み取るために到達する視線角度である視野角を変更する。遮蔽部分素の遮蔽オンである配列を制御する方法については、実施形態1の遮蔽素配列部の変更手段による制御と同様であるので説明を省略する。
<実施形態3の実施例1> 以下に、実施形態3の実施例1について説明する。
実施形態3の実施例1では、実施形態3の液晶構造体の制御方法について述べる。ここでは、地上波デジタルテレビ放送受信機能を内蔵した携帯型情報通信端末、例えば、携帯電話を一例として、詳細説明を行う。
図19に示したように、携帯型情報通信端末1900は、基地局(図面表示なし)と無線接続を行うアンテナ1901、無線部1902と、無線部に入出力された変復調ベースバンドの処理を行うベースバンド信号処理部1903と、ハードウェア制御、通信プロトコル制御、アプリケーション制御などを行う端末制御部1904と、地上波デジタルテレビ放送受信を受信するアンテナ1905と、地上波デジタルテレビ放送受信モジュール1906と、携帯型情報通信端末制御プログラム、システムデータ、ユーザデータを保存するメモリ部1910と、ユーザインタフェースである液晶構造体1908、キー操作部1907、音声入出力部1909、外部インタフェース(図面表示なし)などにより構成されている。
また、液晶構造体は、液晶画素配列部1911と、遮蔽素配列部1912と、遮蔽部分素切替部1913と、からなる。さらに、遮蔽部分素切替部は視野角変更手段1914を有する。液晶構造体は、表示画面データと、制御信号の電気接続信号線により端末制御部1904と接続している。遮蔽素配列部は、前記実施形態1又は2に示したような液晶構造により構成される。表示画面データ信号は、ユーザの選択などに応じて、立体画像、平面画像、または広い視角画像、狭い視角画像データを液晶画素配列部に送ることができる。制御信号は、上記の表示画像データに応じて、遮蔽素配列部、遮蔽部分素切替部に、前記実施形態1又は2のような遮蔽素、遮蔽部分素制御信号を供給する。この2つの信号の組合せにより、液晶構造体は、平面・立体画面、または広い・狭い視角画面を表示させることが可能となる。
図20〜26に示すのは、液晶構造体に対する端末制御部の制御方法である。図20〜26は、端末制御部において、本発明と関連している端末制御プログラムの一部シーケンスを示している。
端末制御プログラムは、主に着信またはユーザ操作を待つ待受けモード(ステップS2006)と、地上波デジタルテレビを操作、視聴する地上波デジタルテレビ受信モード(ステップS2105)と、携帯型情報通信端末のインターネットアクセス、例えば日本国内のサービスとして、i−mode(登録商標)、EZweb、J−スカイを利用したインターネットアクセスモード(ステップS2205)と、メール、例えばi−mode(登録商標)サービスのi−mode(登録商標)メール、J−スカイの「スカイメール」、写メールやサウンドの添付が可能な「ロングメール」、ムービー写メールなどが楽しめる「スーパーメール」、ショートメッセージ(SM:Short Message)の作成、及び閲覧可能なメール・ショートメッセージ作成・閲覧モード(ステップS2305)と、電話番号検索・登録、各種機能設定などメニュー操作モード(ステップS2405)と、音声と画像を同時に送られるテレビ(TV)電話通信モード(ステップS2505)と、音声通話を行う音声通信モード(ステップS2605)により構成されている。
以下に、端末制御プログラムの一部シーケンスの詳細について説明する。
図20に示すのは、主に、待受けモードに関する。まず、端末電源ONし(ステップS2001)、基地局(図面表示なし)からの報知情報を受信し、必要の場合、基地局への端末情報を送信する位置登録(ステップS2002)を行い、その後、待受け画面を立体表示するか、または平面表示するかを選択する待受け画面立体表示(ステップS2003)に移行し、ユーザ事前設定した待受け画面表示方法の選択値をメモリ部から呼び出し、または直接ユーザに選択を求めた選択値を利用して、液晶構造体の立体表示制御(ステップS2004)か、または液晶構造体の平面表示制御(ステップS2005)への遷移を判別する。Yesの場合、液晶構造体の立体表示制御を、Noの場合、液晶構造体の平面表示制御を行い、待受けモード(ステップS2006)に移行する。次に、端末電源OFFかどうかを判断し(ステップS2007)、端末電源OFFであれば処理を終了する。端末電源OFFでなければ、次の処理(ステップS2101)に移行する。また、液晶構造体立体表示制御と液晶構造体平面表示制御については、実施形態1又は2における液晶構造体の構成及び制御方法を利用することができる。本発明により、ユーザ事前登録の選択、または直接選択キー入力により、平面、または立体の待受け画面を表示することができる。
次に、待受けモード状態において、下記の6つのイベントが発生することが考えられる。ユーザの操作により、地上波デジタルテレビ受信(ステップS2101)か、インターネットアクセス(ステップS2201)か、メール・ショートメッセージ作成・閲覧(ステップS2301)か、メニュー操作(ステップS2401)か、テレビ電話発信操作または着信(ステップS2501)か、音声発信操作または着信(ステップS2601)か、発生する場合がある。
図21に示すのは、主に、地上波デジタルテレビ受信モードに関する。待受けモード状態において、地上波デジタルテレビ受信するかどうかを判断し(ステップS2101)、受信すると判断した場合には、携帯型情報通信端末の液晶構造体に表示された情報を隣の他人に覗かれないようなセキュリティ保護が要求される狭い視野画面表示かどうかの判断を行う(ステップS2102)。この判断は、各モードに対してユーザが事前設定した液晶構造体表示方法の選択値をメモリ部から呼び出し、または直接ユーザに選択を求めた選択値を利用して、液晶構造体の広い視野表示制御か、または液晶構造体の狭い視野表示制御への移行を判別する。Yesの場合、液晶構造体の狭い視野表示制御(ステップS2104)に、Noの場合、液晶構造体の広い視野表示制御(ステップS2103)に移行する。
その後、前記の地上波デジタルテレビ受信モード(ステップS2105)に移行し、着信が発生しているかどうか、例えば、音声着信、テレビ電話着信、メール・ショートメッセージ着信の割込みが発生しているかどうかを判断して(ステップS2106)、着信発生(Yes)の場合は着信種類を判別し、対応した着信処理を実行し(ステップS2107)、地上波デジタルテレビ受信モードに戻る。Noの場合、モード終了かどうか判断し(ステップS2108)、モード終了であれば(Yesの場合)、待受けモードに戻る。モード終了でなければ(Noの場合)、地上波デジタルテレビ受信モードに戻る。
図22に示すのは、主に、インターネットアクセスモードに関する。待受けモード状態において、地上波デジタルテレビ受信しないと判断した場合には、インターネットアクセスかどうか判断し(ステップS2201)、インターネットアクセスと判断した場合には、携帯型情報通信端末の液晶構造体に表示された情報を隣の他人に覗かれないようなセキュリティ保護が要求される狭い視野画面表示かどうかの判断を行う(ステップS2202)。この判断は、各モードに対してユーザが事前設定した液晶構造体表示方法の選択値をメモリ部から呼び出し、または直接ユーザに選択を求めた選択値を利用して、液晶構造体の広い視野表示制御か、または液晶構造体の狭い視野表示制御への移行を判別する。Yesの場合、液晶構造体の狭い視野表示制御(ステップS2204)に、Noの場合、液晶構造体の広い視野表示制御(ステップS2203)に移行する。
その後、前記のインターネットアクセスモード(ステップS2205)に移行し、着信が発生しているかどうか、例えば、音声着信、テレビ電話着信、メール・ショートメッセージ着信の割込みが発生しているかどうかを判断して(ステップS2206)、着信発生(Yes)の場合は着信種類を判別し、対応した着信処理を実行し(ステップS2207)、インターネットアクセスモードに戻る。Noの場合、モード終了かどうか判断し(ステップS2208)、モード終了であれば(Yesの場合)、待受けモードに戻る。モード終了でなければ(Noの場合)、インターネットアクセスモードに戻る。
図23に示すのは、主に、メール・ショートメッセージ作成・閲覧モードに関する。待受けモード状態において、地上波デジタルテレビ受信、インターネットアクセスをいずれもNoと判断した場合には、メール・ショートメッセージ作成・閲覧かどうか判断し(ステップS2301)、メール・ショートメッセージ作成・閲覧と判断した場合には、携帯型情報通信端末の液晶構造体に表示された情報を隣の他人に覗かれないようなセキュリティ保護が要求される狭い視野画面表示かどうかの判断を行う(ステップS2302)。この判断は、各モードに対してユーザが事前設定した液晶構造体表示方法の選択値をメモリ部から呼び出し、または直接ユーザに選択を求めた選択値を利用して、液晶構造体の広い視野表示制御か、または液晶構造体の狭い視野表示制御への移行を判別する。Yesの場合、液晶構造体の狭い視野表示制御(ステップS2304)に、Noの場合、液晶構造体の広い視野表示制御(ステップS2303)に移行する。
その後、前記のメール・ショートメッセージ作成・閲覧モード(ステップS2305)に移行し、着信が発生しているかどうか、例えば、音声着信、テレビ電話着信、メール・ショートメッセージ着信の割込みが発生しているかどうかを判断して(ステップS2306)、着信発生(Yes)の場合は着信種類を判別し、対応した着信処理を実行し(ステップS2307)、メール・ショートメッセージ作成・閲覧モードに戻る。Noの場合、モード終了かどうか判断し(ステップS2308)、モード終了であれば(Yesの場合)、待受けモードに戻る。モード終了でなければ(Noの場合)、メール・ショートメッセージ作成・閲覧モードに戻る。
図24に示すのは、主に、メニュー操作モードに関する。待受けモード状態において、地上波デジタルテレビ受信、インターネットアクセス、メール・ショートメッセージ作成・閲覧をいずれもNoと判断した場合には、メニュー操作かどうか判断し(ステップS2401)、メニュー操作と判断した場合には、携帯型情報通信端末の液晶構造体に表示された情報を隣の他人に覗かれないようなセキュリティ保護が要求される狭い視野画面表示かどうかの判断を行う(ステップS2402)。この判断は、各モードに対してユーザが事前設定した液晶構造体表示方法の選択値をメモリ部から呼び出し、または直接ユーザに選択を求めた選択値を利用して、液晶構造体の広い視野表示制御か、または液晶構造体の狭い視野表示制御への移行を判別する。Yesの場合、液晶構造体の狭い視野表示制御(ステップS2404)に、Noの場合、液晶構造体の広い視野表示制御(ステップS2403)に移行する。
その後、前記のメニュー操作モード(ステップS2405)に移行し、着信が発生しているかどうか、例えば、音声着信、テレビ電話着信、メール・ショートメッセージ着信の割込みが発生しているかどうかを判断して(ステップS2406)、着信発生(Yes)の場合は着信種類を判別し、対応した着信処理を実行し(ステップS2407)、メニュー操作モードに戻る。Noの場合、モード終了かどうか判断し(ステップS2408)、モード終了であれば(Yesの場合)、待受けモードに戻る。モード終了でなければ(Noの場合)、メニュー操作モードに戻る。
図25に示すのは、主に、テレビ(TV)電話通信モードに関する。待受けモード状態において、地上波デジタルテレビ受信、インターネットアクセス、メール・ショートメッセージ作成・閲覧、メニュー操作をいずれもNoと判断した場合には、テレビ電話発着信かどうか判断し(ステップS2501)、テレビ電話発着信と判断した場合には、携帯型情報通信端末の液晶構造体に表示された情報を隣の他人に覗かれないようなセキュリティ保護が要求される狭い視野画面表示かどうかの判断を行う(ステップS2502)。この判断は、各モードに対してユーザが事前設定した液晶構造体表示方法の選択値をメモリ部から呼び出し、または直接ユーザに選択を求めた選択値を利用して、液晶構造体の広い視野表示制御か、または液晶構造体の狭い視野表示制御への移行を判別する。Yesの場合、液晶構造体の狭い視野表示制御(ステップS2504)に、Noの場合、液晶構造体の広い視野表示制御(ステップS2503)に移行する。
その後、前記のテレビ電話通信モード(ステップS2505)に移行し、着信が発生しているかどうか、例えば、メール・ショートメッセージの着信が発生しているかどうかを判断して(ステップS2506)、着信発生(Yes)の場合は着信種類を判別し、対応した着信処理を実行し(ステップS2507)、テレビ電話通信モードに戻る。Noの場合、モード終了かどうか判断し(ステップS2508)、モード終了であれば(Yesの場合)、待受けモードに戻る。モード終了でなければ(Noの場合)、テレビ電話通信モードに戻る。
図26に示すのは、主に、音声通信モードに関する。待受けモード状態において、地上波デジタルテレビ受信、インターネットアクセス、メール・ショートメッセージ作成・閲覧、メニュー操作、テレビ電話発着信をいずれもNoと判断した場合には、音声発着信かどうか判断し(ステップS2601)、音声発着信と判断した場合には、携帯型情報通信端末の液晶構造体に表示された情報を隣の他人に覗かれないようなセキュリティ保護が要求される狭い視野画面表示かどうかの判断を行う(ステップS2602)。この判断は、各モードに対してユーザが事前設定した液晶構造体表示方法の選択値をメモリ部から呼び出し、または直接ユーザに選択を求めた選択値を利用して、液晶構造体の広い視野表示制御か、または液晶構造体の狭い視野表示制御への移行を判別する。Yesの場合、液晶構造体の狭い視野表示制御(ステップS2604)に、Noの場合、液晶構造体の広い視野表示制御(ステップS2603)に移行する。
その後、前記の音声通信モード(ステップS2605)に移行し、着信が発生しているかどうか、例えば、メール・ショートメッセージの着信が発生しているかどうかを判断して(ステップS2606)、着信発生(Yes)の場合は着信種類を判別し、対応した着信処理を実行し(ステップS2607)、音声通信モードに戻る。Noの場合、モード終了かどうか判断し(ステップS2608)、モード終了であれば(Yesの場合)、待受けモードに戻る。モード終了でなければ(Noの場合)、音声通信モードに戻る。