JP2005134296A - アルミニウム溶湯中の介在物量測定方法及びその装置 - Google Patents

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直人 大城
Satoshi Miyajiri
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Abstract

【課題】 アルミニウム溶湯中の介在物量を再現性よく迅速かつ簡便に測定でき、製造現場における工程管理にも使用可能なアルミニウム溶湯中の介在物量測定装置を提供する。
【解決手段】 坩堝26の少なくとも内面に高耐熱性の離型層40が形成されているので、坩堝26の内面は摩擦係数が低く且つ離型性が良い。このため、坩堝26内のアルミニウム溶湯を加圧ろ過する際、坩堝26の内面にアルミニウム溶湯が付着・残留することが少ない。また、坩堝26内に投入したアルミニウム溶湯のほぼ全量をフィルター44で加圧ろ過して、アルミニウム溶湯と介在物との分離をよくするようにしているので、加圧ろ過の終点が明確であり、複数の測定者が当該介在物量測定装置10を操作しても、各測定者の測定操作にバラツキが生じ難い。
【選択図】 図2

Description

本発明は、アルミニウムまたはアルミニウム合金などの金属溶湯中に存在する介在物の含有量を測定する方法ならびにその測定装置に関するものである。
一般に、アルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯(以下、「アルミニウム溶湯」という)中にはAl23,MgAl24およびMgOなどの非金属介在物やその他の不純物(以下、単に「介在物」という)が混在しており、これら介在物が鋳造時におけるハードスポットなどの欠陥の原因となっている。
また、アルミニウム(以下、「Al」と言う)は、再溶解にかかるエネルギーがAl鉱石を電解精錬する場合の約30分の1程度であり、リサイクルに適した金属であることから、近年、Alスクラップを鋳造原料として使用する割合が増加しているが、このAlスクラップを溶解して得られる溶湯には、新塊を用いたものに比べて、より多くの介在物が存在することが知られている。
したがって、鋳造品の品質を高め、後加工工程でのトラブルを回避するためには、鋳造工場における各製造プロセスにおいて現に使用しているアルミニウム溶湯中の介在物の量を迅速かつ的確に把握する必要がある。
このため、従来より、AlまたはAl合金鋳物を鋳造する際には、加圧ろ過法によるアルミニウム溶湯中の介在物測定が行なわれている。この加圧ろ過法とは、フィルターでアルミニウム溶湯を加圧ろ過する際、ろ過済みアルミニウム溶湯重量の経時変化(すなわち、ろ過曲線)を求め、これを基準と比較してアルミニウム溶湯の清浄度を測定するとともに、ろ過後のフィルターとその上に残したAlを切断・研磨し、光学顕微鏡を用いて金属組織学的に介在物の種類や量を分析する方法である。この方法によれば、アルミニウム溶湯中の介在物の量のみならず介在物の種類についても知ることができる。
しかしながら、この加圧ろ過法では、分析に様々な機器を使用しており、分析操作が煩雑であるとともに分析に時間がかかるため、Al鋳造現場におけるAl溶解時のきめ細かな工程管理には不向きであるという問題があった。
このような問題を解決し得る技術として、所定の長さの管体の一方端部にガラス繊維製のフィルターを取り付け、このフィルターを取付けた管体の一方端部をアルミニウム溶湯に挿入するとともに管体の他方端部から所定の圧力の真空を作用させて管体内にアルミニウム溶湯を吸引し、吸引したアルミニウム溶湯の長さを測定することによってアルミニウム溶湯中の介在物量を測定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この技術によれば、アルミニウム溶湯中の介在物量について、その多少を相対的に且つ簡便に比較することができる。
しかしながら、アルミニウム溶湯中に具体的にどれ位の量の介在物が存在するかを知るためには、別途、検量線を作成して、その量を求めなければならないという問題があった。換言すると、この技術では一義的にアルミニウム溶湯中の介在物の量を定量することができなかった。このため、測定者間で測定値にバラツキが生じ易く再現性があまり良くないという問題があった。なお、このような問題は、上述した加圧ろ過法でも同様のことが言える。
また、製造現場で使用する機材はその激務に耐え得るだけの耐久性が必要であるが、この技術では、測定装置がガラスなどからなる細長い管体で構成されており、少しの衝撃でも当該管体は壊れて使用不能となる。したがって、製造現場で使用する上での耐久性にも問題があった。
特開2001−174451号公報(第2−4頁、第2図)
それゆえに、本発明の主たる課題は、アルミニウム溶湯中の介在物量を再現性よく迅速かつ簡便に測定でき、製造現場における工程管理にも使用可能なアルミニウム溶湯中の介在物量測定装置を提供することである。
請求項1に記載した発明は、「少なくともその内面に高耐熱性の離型層(40)が形成され且つその底面に設けられた開口(26b)にフィルター(44)が取着された坩堝(26)内にアルミニウム溶湯を準備し、坩堝(26)内のアルミニウム溶湯を加圧してその全量をフィルター(44)でろ過し、ろ過前後のアルミニウム溶湯の重量差で介在物量を測定する」ことを特徴とするアルミニウム溶湯中の介在物量測定方法である。
また、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載のアルミニウム溶湯中の介在物量測定方法を実行するための装置であって、「少なくともその内面に高耐熱性の離型層(40)が形成され且つその底面に開口(26b)が設けられた坩堝(26)と、坩堝(26)の開口(26b)に取着され、坩堝(26)内に収容したアルミニウム溶湯をろ過するフィルター(44)と、坩堝(26)内に収容したアルミニウム溶湯を加圧する加圧手段と、アルミニウム溶湯のろ過前後の重量を測定する計量器(14)とで構成されている」ことを特徴とするアルミニウム溶湯中の介在物量測定装置(10)である。
本発明の介在物量測定方法および介在物量測定装置(10)では、坩堝(26)の少なくとも内面に高耐熱性の離型層(40)が形成されているので、坩堝(26)の内面は摩擦係数が低く且つ離型性が良い。このため、坩堝(26)内にアルミニウム溶湯を投入し、坩堝(26)底面の開口(26b)に取着したフィルター(44)を介してアルミニウム溶湯を加圧ろ過する際、坩堝(26)の内面に付着・残留するアルミニウム溶湯が少なく、坩堝(26)内に投入したアルミニウム溶湯のほぼ全量をろ過することができる。また、坩堝(26)内に投入したアルミニウム溶湯のほぼ全量をフィルター(44)で加圧ろ過して、アルミニウム溶湯と介在物とを完全に分離するようにしているので、加圧ろ過の終点が明確であり、複数の測定者が当該介在物量測定装置(10)を操作しても、各測定者の測定操作にバラツキが生じ難い。したがって、測定の回数や測定者の異同にかかわり無く、アルミニウム溶湯中の介在物量を正確に且つ再現性よく測定することができる。
さらに、坩堝(26)内に投入したアルミニウム溶湯のほぼ全量を加圧ろ過し、ろ過前後のアルミニウム溶湯の重量差によって簡単に介在物量を求めることができるので、検量線などを作成する必要がなく、アルミニウム溶湯中の介在物の量を迅速且つ簡便に測定することができる。
そして、介在物量測定装置(10)中に細長い管体のような脆弱な部材を含まないため、装置の耐久性が高く、製造現場での使用にも十分耐えることができる。
請求項3に記載した発明は、請求項2に記載したアルミニウム溶湯中の介在物量測定装置(10)において、「離型層(40)がボロンナイトライドで構成されている」ことを特徴とするもので、これにより、アルミニウム溶湯の温度以上の高い耐熱性を有する強固な離型層(40)を形成することができる。
本発明によれば、坩堝の少なくとも内面に高耐熱性の離型層が形成されているので、坩堝の内面にアルミニウム溶湯が付着して残留することが少なく、坩堝内に投入したアルミニウム溶湯のほぼ全量をろ過することができる。また、坩堝内に投入したアルミニウム溶湯のほぼ全量をフィルターで加圧ろ過するようにしているので、加圧ろ過の終点が明確であり、各測定者の測定操作にバラツキが生じ難い。したがって、測定の回数や測定者の異同にかかわり無く、アルミニウム溶湯中の介在物量を正確に且つ再現性よく測定することができる。
さらに、アルミニウム溶湯中の介在物の量を、ろ過前後のアルミニウム溶湯の重量差で簡単に求めることができるので、検量線などを作成する必要がなく、迅速且つ簡便に測定することができる。
そして、介在物量測定装置中に脆弱な部材を含まないため、装置の耐久性が高く、製造現場での使用にも十分耐えることができる。
したがって、アルミニウム溶湯中の介在物量を再現性よく迅速かつ簡便に測定でき、製造現場における工程管理にも使用可能なアルミニウム溶湯中の介在物量測定装置を提供することができる。
図1に示すこの発明の一実施例の介在物量測定装置(10)は、アルミニウム溶湯中の介在物の量を再現性よく迅速かつ簡便に測定する装置であり、大略、測定装置本体(12),計量器(14)および制御装置(16)などで構成されている。
測定装置本体(12)は、Al地金を溶解して調製したアルミニウム溶湯、或いは、製造工程より直接採取したアルミニウム溶湯を加圧ろ過するためのものであり、矩形のフレーム(18)と、該フレーム(18)の上部に載置された加圧ろ過装置(20)と、フレーム(18)の下部に着脱自在に取着され、加圧ろ過装置(20)で加圧ろ過したアルミニウム溶湯を受けるための溶湯受け皿(22)とで構成されている。なお、フレーム(18)の底面にはキャスター(18a)が取付けられており、測定装置本体(12)が移動できるようになっている。
加圧ろ過装置(20)は、ケーシング(24),坩堝(26)およびフィルターユニット(28)などで構成されている。
ケーシング(24)は、金属などの耐熱性の材料からなる矩形の筺体であり、その上下両面にはそれぞれ上側開口(24a)および下側開口(24b)が設けられている。そして、この上側開口(24a)からケーシング(24)内に坩堝(26)が出し入れ自在に取着されるとともに、下側開口(24b)と坩堝(26)との間にはフィルターユニット(28)が介装されている。
また、該ケーシング(24)内に取着された坩堝(26)の周囲には、当該坩堝(26)を所定の高温に加熱或いは保温するためのヒータ(30)が配されており、坩堝(26)とヒータ(30)とが取着された部分を除くケーシング(24)内部には図示しない断熱材が充填されている。
さらに、ケーシング(24)の上側開口(24a)には、ケーシング(24)内に取着した坩堝(26)の上部を密閉する蓋体(32)が、固定用クランプ(34)および固定用ハンドル(36)によって着脱自在に固着されており、この蓋体(32)には、坩堝(26)の内部にエア或いは不活性ガス(例えば窒素など)を圧入するためのガス配管(38)が取付けられている。なお、このガス配管(38)には図示しないガスボンベなどのガス供給源や当該ガスを加圧して供給するコンプレッサーなどが接続されており、ガス配管(38)に接続されたこれらの機器を含め、全体で「加圧手段」として機能している。
坩堝(26)は、黒鉛などの高耐熱性の材料からなる上面が開放された略円筒状の容器で、その内部にてアルミニウム溶湯を収容する、或いは、その内部に投入したAlインゴットを溶解してアルミニウム溶湯を調製するためのものである(図2参照)。
この坩堝(26)の下部には、その側壁が底面中央に向けてテーパー状に縮径した縮径部(26a)が形成されるとともに、底面中央部には開口(26b)が設けられている。かかる構造により、坩堝(26)内に収容したアルミニウム溶湯を加圧ろ過する際、当該溶湯が開口(26b)へと集まり易くなるようにしている。
そして、この坩堝(26)の内面全体は、ボロンナイトライドなどの薄膜で形成された離型層(40)で被覆されている。ここで、離型層(40)を形成するボロンナイトライド(窒化ホウ素;BN)は、700℃以上の高温における安定性や耐熱衝撃性に優れた化学的に安定な物質であり、固体潤滑材として機能するものである。このような離型層(40)を設けることで坩堝(26)内に収容したアルミニウム溶湯が坩堝(26)の内壁に付着するのを防止することができる。
なお、坩堝(26)の内面にボロンナイトライドからなる離型層(40)を形成する方法としては、溶媒に分散したボロンナイトライドならびにアルミナセメント等の高耐熱性バインダーを坩堝(26)内に均一にスプレー塗布した後、溶媒を蒸発させて離型層(40)を形成する方法などが挙げられる。
また、坩堝(26)の内部には、坩堝(26)内に収容したアルミニウム溶湯の温度を測定するための熱電対(図示せず)が取着されている。
フィルターユニット(28)は、上述した坩堝(26)の開口に取着され、坩堝(26)内に収容したアルミニウム溶湯をろ過して介在物を捕捉するためのものであり、図2に示すように、下側部材(42)、フィルター(44)および上側部材(46)で構成されている。
下側部材(42)は、断熱材料にて形成された短円筒状の部材である。この下側部材(42)の中心部にはアルミニウム溶湯が通過する貫通孔(42a)が穿設されており、また、この貫通孔(42a)には、貫通孔(42a)の内径が拡大したフィルター嵌合穴(42b)および上側部材嵌合穴(42c)が、下側部材(42)の上端面に向けてこの順に連設されている。
フィルター(44)は、磁器,陶器,石英,黒鉛およびアルミナなど高耐熱性の材料によって形成され、上述のフィルター嵌合穴(42b)の内径とほぼ同じ外径を有する円盤状の多孔質体であり、口径50μm〜200μm程度の細孔でアルミニウム溶湯内の介在物のみを捕捉するとともに、アルミニウム溶湯を通過させるものである。
上側部材(46)は、下側部材(42)と同じ断熱材料によって形成され、上述の上側部材嵌合穴(42c)の内径とほぼ同じ外径を有する円盤状の部材であり、その中心部にはフィルター(44)の外径よりもやや小さな内径の貫通孔(46a)が穿設されている。
計量器(14)は、坩堝(26)に投入するAl地金もしくはアルミニウム溶湯とフィルター(44)で加圧ろ過した後のアルミニウム溶湯の重量を測定するための秤である。
制御装置(16)は、図示しない配線を介して測定装置本体(12)や計量器(14)に接続され、ヒータ(30)の温度や加圧手段による坩堝(26)内の加減圧を制御したり、計量器(14)やセンサ(図示せず)などの計測データを記憶あるいは表示するためのものであり、図示しないリレーなどの制御回路が収められた矩形の本体(16a)と、本体上面に設置された表示・操作パネル(16b)とを有する。なお、測定装置本体(12)と同様に、この制御装置(16)の底面にもキャスター(16c)が取付けられており、移動できるようになっている。
次に、上述した本発明の介在物量測定装置(10)を用いてアルミニウム溶湯中の介在物量を測定する際には、まず、図2に示すように、フィルターユニット(28)の下側部材(42)のフィルター嵌合穴(42b)にフィルター(44)を嵌合した後、上側部材嵌合穴(42c)に上側部材(46)を嵌合してフィルターユニット(28)を組み立てる。
続いて、フィルターユニット(28)をケーシング(24)内の下側開口(24b)の位置に取付けるとともに、フィルターユニット(28)の上面に坩堝(26)を取付ける。このとき、坩堝(26)の開口(26b)とケーシング(24)の下側開口(24b)とがフィルター(44)を介して連通するようになっている。
続いて、Al地金或いはアルミニウム溶湯を所定量(本実施例の場合は4kg)秤量して坩堝(26)内に投入し、坩堝(26)の上面に蓋体(32)を取付け、固定用クランプ(34)と固定用ハンドル(36)とで蓋体(32)をケーシング(24)上面に固定して坩堝(26)を密閉するとともに、制御装置(16)でヒータ(30)の制御を行い、坩堝(26)内がAlの融点以上の所定温度(具体的には、約670℃以上)となるように加熱する。
続いて、坩堝(26)内の温度が所定の設定温度で安定すると、制御装置(16)で加圧手段の制御を行い、不活性ガス配管(38)を介して坩堝(26)内にエア或いは不活性ガスを圧入し、所定圧力にて坩堝(26)内のアルミニウム溶湯のほぼ全量を加圧ろ過する。ここで、坩堝(26)内の加圧圧力は、フィルター(44)に捕捉した介在物がフィルター(44)から流出しないように設定されている。すると、アルミニウム溶湯がフィルター(44)を通過して溶湯受け皿(22)に溜められるとともに、介在物がフィルター(44)内にて捕捉される。
そして、溶湯受け皿(22)に溜まったアルミニウム溶湯の重量を計量器(14)で計量し、加圧ろ過前後のアルミニウム溶湯の重量差を求めることによって、介在物量を定量する。
表1は、本発明の介在物量測定装置(10)を用いて、JIS H2118で規定された市販AD12.1合金同一ロット中の介在物量を繰返し測定した結果である。なお、試験は、測定試料重量4kg,溶湯温度710℃,坩堝(26)内加圧圧力0.07MPaの条件で行なった。また、以下に示す全ての介在物量測定例では、定量した介在物量を、残渣率すなわちアルミニウム溶湯全体に占める介在物の重量割合(重量%)で示す。
Figure 2005134296
表1が示すように、本発明の介在物量測定装置(10)を用いて同一ロットつまり同じAl合金中に含まれる介在物量を繰返し測定した場合、得られる測定値にバラツキが少なく、再現性のよいことがうかがえる。
また、図3は、同一ロットの市販AD12.1合金にAD12.1合金相当のダライ粉(切り粉)を所定量添加してインゴット試料を鋳造し、本発明の介在物量測定装置(10)を用いて当該インゴット試料中の介在物量を測定した結果である。なお、試験は、測定試料重量4kg,溶湯温度712℃,坩堝(26)内加圧圧力0.07MPaの条件で行なった。
図3が示すように、ダライ粉添加量の増加に伴いアルミニウム溶湯中の介在物量が増加し、これらの間に高い相関性のあることがうかがえる。
以上のように、本発明の介在物量測定装置(10)では、坩堝(26)の少なくとも内面に高耐熱性の離型層(40)が形成されているので、坩堝(26)の内面にアルミニウム溶湯が付着して残留することが少なく、坩堝(26)内に投入したアルミニウム溶湯のほぼ全量をろ過することができる。
また、坩堝(26)内に投入したアルミニウム溶湯のほぼ全量をフィルター(44)で加圧ろ過するようにしているので、加圧ろ過の終点が明確であり、各測定者の測定操作にバラツキが生じ難い。したがって、測定の回数や測定者の異同にかかわり無く、アルミニウム溶湯中の介在物量を正確に且つ再現性よく測定することができる。
さらに、アルミニウム溶湯中の介在物の量を、ろ過前後のアルミニウム溶湯の重量差で簡単に求めることができるので、検量線などを作成する必要がなく、迅速且つ簡便に測定することができる。
そして、介在物量測定装置(10)中に脆弱な部材を含まないため、装置の耐久性が高く、製造現場での使用にも十分耐えることができる。
なお、上述の例では、坩堝(26)を黒鉛などの高耐熱性材料で形成するとともに、その内面全体にボロンナイトライドからなる離型層(40)を設ける場合を示したが、離型層(40)を別途設けずに、坩堝(26)全体をボロンナイトライドで形成するようにしてもよい。つまり、坩堝(26)がアルミニウム溶湯を収容できる耐熱性を有し、且つ、その内面の表層が固体潤滑材として機能するものであれば、その態様は如何なるものであってもよい。
また、計量器(14)を独立して設ける場合を示したが、この計量器(14)をフレーム(18)の下部と溶湯受け皿(22)との間に介装するようにしてもよい。計量器(14)を係る位置に配置することによって、加圧ろ過に伴うアルミニウム溶湯のろ過重量の経時変化、つまり、ろ過曲線を求めることもできるようになる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
試験サンプルとしてJIS H2118で規定された市販AD12.1合金の同一ロットを準備し、上述した介在物量測定装置(10)を用いて、測定試料重量4kg,溶湯温度710℃,坩堝(26)内加圧圧力0.07MPaの条件で、繰り返し3回、アルミニウム溶湯中の介在物量を測定し、平均値,標準偏差ならびに変動係数を算出した。得られた結果を表2に示す。
[比較例]
坩堝(26)としてその内部に何らコーティングを施していない、つまり、離型層(40)を形成していない黒鉛のみで形成されたものを使用した以外は、上述の実施例と同じ条件ならびに方法でアルミニウム溶湯中の介在物量を測定し、平均値,標準偏差ならびに変動係数を算出した。得られた結果を表2に示す。
Figure 2005134296
表2より、実施例では、測定データの変動係数が小さく、3回行なった介在物量の測定データ間でバラツキが極めて少ない、つまり再現性の高いことがうかがえる。これに対し、比較例では、測定データの変動係数が大きく、実施例に比べて、3回行なった介在物量の測定データ間でバラツキが大きい。また、同一試料を用いたにもかかわらず、比較例のほうが実施例よりも残渣率すなわちアルミニウム溶湯中の介在物量が多い結果となっている。
このような差異は、坩堝(26)内面における離型層(40)の有無に起因している。すなわち、実施例では、坩堝(26)の内面に離型層(40)が設けられているので、坩堝(26)内のアルミニウム溶湯を加圧ろ過した際、アルミニウム溶湯が坩堝(26)の壁面に付着・残留することが少なく、坩堝(26)内に投入したアルミニウム溶湯のほぼ全量をろ過することができる。これに対し、比較例では、坩堝(26)の内面に離型層(40)が設けられていないので、坩堝(26)内のアルミニウム溶湯を加圧ろ過した際、アルミニウム溶湯が坩堝(26)の壁面に付着・残留し、坩堝(26)内に投入したアルミニウム溶湯の全量を完全にろ過することができない。したがって、測定データ間のバラツキが大きくなるとともに、坩堝(26)の壁面に残留したアルミニウム溶湯が介在物としてカウントされるため、実施例に比べて介在物量が多く計測される。
このように、本発明の介在物量測定装置(10)では、アルミニウム溶湯中の介在物量を高い精度で再現性よく測定することができる。
本発明は、アルミニウム溶湯のみならず、Alよりも融点の低いダイカスト用金属の溶湯であれば、その中に混在する介在物の量を再現性よく迅速かつ簡便に測定することができる。
本発明の一実施例の介在物量測定装置を示す構成図である。 本発明の一実施例の坩堝ならびにフィルターユニットを示す斜視図である。 ダライ粉添加量と残渣率との相関を示す相関検定グラフである。
符号の説明
(10)・・・介在物量測定装置
(12)・・・測定装置本体
(14)・・・計量器
(16)・・・制御装置
(18)・・・フレーム
(20)・・・加圧ろ過装置
(22)・・・溶湯受け皿
(24)・・・ケーシング
(26)・・・坩堝
(26b)・・・開口
(28)・・・フィルターユニット
(30)・・・ヒータ
(32)・・・蓋体
(34)・・・固定用クランプ
(36)・・・固定用ハンドル
(38)・・・ガス配管
(40)・・・離型層
(42)・・・下側部材
(44)・・・フィルター
(46)・・・上側部材

Claims (3)

  1. 少なくともその内面に高耐熱性の離型層が形成され且つその底面に設けられた開口にフィルターが取着された坩堝内にアルミニウム溶湯を準備し、
    前記坩堝内のアルミニウム溶湯を加圧してその全量を前記フィルターでろ過し、
    ろ過前後のアルミニウム溶湯の重量差で介在物量を測定することを特徴とするアルミニウム溶湯中の介在物量測定方法。
  2. 少なくともその内面に高耐熱性の離型層が形成され且つその底面に開口が設けられた坩堝と、
    前記坩堝の開口に取着され、前記坩堝内に収容したアルミニウム溶湯をろ過するフィルターと、
    前記坩堝内に収容したアルミニウム溶湯を加圧する加圧手段と、
    前記アルミニウム溶湯のろ過前後の重量を測定する計量器とで構成されていることを特徴とするアルミニウム溶湯中の介在物量測定装置。
  3. 前記離型層がボロンナイトライドで構成されていることを特徴とする請求項2に記載のアルミニウム溶湯中の介在物量測定装置。
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