JP2005133692A - エンジンの冷却装置 - Google Patents

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克彦 蟻沢
Shigetaka Yoshikawa
重孝 吉川
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Abstract

【課題】流入通路及び流出通路に最も近い気筒において、それら通路に近い吸気ポートの暖機性が悪化して複数の吸気ポート間で暖機性にばらつきが生じるのを抑制し、エミッション及び燃費等の改善効果が低下するのを抑制する。
【解決手段】流出通路8に最も近い一番気筒では、供給通路15のウォータジャケット5への冷却水の流出位置が流出通路8から遠い吸気ポート22b側に所定量a1だけ偏奇させられる。このため、一番気筒#1においては供給通路15からウォータジャケット5内に入った冷却水が流出通路8に近い吸気ポート22a周りに留まり易くなる。また、流入通路7に最も近い七番気筒#7では、上記流出位置が流入通路7から遠い吸気ポート22a側に所定量a7だけ偏奇させられる。このため、七番気筒#7においては供給通路15からウォータジャケット5内に入った冷却水が流入通路7に近い吸気ポート22b周りに留まり易くなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エンジンの冷却装置に関するものである。
エンジンの冷却装置は、エンジン本体を冷却する冷媒を循環させる冷却回路を備えている。冷却回路にはシリンダヘッドのウォータジャケットに冷媒を流入させる流入通路、及び同ウォータジャケット内の冷媒を流出させる流出通路が設けられ、冷却回路を循環する冷媒が上記ウォータジャケットを通過するようにされる。こうした冷却回路を設けることにより、エンジン本体が高温状態にあるときには、シリンダヘッドなどエンジン本体の熱が冷却通路を循環する冷媒によって奪われ、エンジン本体の温度上昇が抑制される。
冷却回路の流入通路及び流出通路は、例えば上記ウォータジャケットの気筒配列方向一方側及び他方側に設けられる。このように流入通路及び流出通路を設けることで、流入通路からウォータジャケット内に流入した冷媒は、気筒配列方向に流れてシリンダヘッドにおける各気筒に対応する部分から最大限に熱を奪った後、流出通路からウォータジャケット外に流出するようになる。その結果、冷却回路を循環する冷媒によってシリンダヘッドを効率よく冷却することが可能になる。
ところで、冷却回路を循環する冷媒はエンジン本体等からの熱を受けて温度上昇するが、このように暖められた冷媒をエンジンの暖機に利用することが提案されている。例えば、特許文献1では、エンジン本体等との熱交換によって温度上昇した冷媒を蓄熱容器に保温して蓄え、例えば冷えた状態でのエンジン始動に際し蓄熱容器内の冷媒をエンジンの各気筒毎に設けられた供給通路を介してシリンダヘッドのウォータジャケットに流入させるようにしている。そして、各供給通路からウォータジャケット内に流入した冷媒によって、シリンダヘッドが暖められて噴射燃料の気化が促進され、エンジンにおけるエミッション及び燃費等の改善が図られる。
なお、特許文献1に示されるように、一つの気筒に対し複数(具体的には二つ)の吸気ポートが設けられるエンジンにおいて、それら吸気ポートに向けて燃料噴射が行われる場合には、蓄熱容器の冷媒をシリンダヘッドのウォータジャケットに流入させる際、同冷媒によって各吸気ポートの壁面を均等に暖めることが好ましい。これは、一方の吸気ポートの壁面の温度上昇が進まずに各吸気ポート間で暖機性にばらつきが生じると、上記一方の吸気ポートでは壁面に付着した噴射燃料の気化が進みにくくなり、その分だけ蓄熱容器の冷媒をウォータジャケットに流入させることによるエンジンのエミッション及び燃費等の改善効果が低下するためである。
特開2003−3843公報
しかしながら、特許文献1に示されるごとく、各気筒の供給通路のウォータジャケット内への冷媒の流出位置を各気筒で同一の位置に設定したのでは、流入通路及び流出通路に近い気筒において、各吸気ポートの壁面を均等に暖めることが困難になる。これは、冷却回路の流入通路及び流出通路がウォータジャケットの気筒配列方向一方側及び他方側に設けられており、各気筒に対応した供給通路からウォータジャケットに冷媒を流入させたとき、流入通路に最も近い気筒では当該冷媒が流入通路から外部に流出し易く、流出通路に最も近い気筒では当該冷媒が流出通路から流出し易くなるためである。
即ち、流入通路に最も近い気筒では、同通路に近い吸気ポート周りに上記冷媒が留まりにくくなることから、流入通路に近い吸気ポートでは同通路から遠い吸気ポートに比べて暖機性が悪化する。また、流出通路に最も近い気筒では、同通路に近い吸気ポート周りに上記冷媒が溜まりにくくなることから、流出通路に近い吸気ポートでは遠い吸気ポートに比べて暖機性が悪化する。このため、流入通路に最も近い気筒、及び流出通路に最も近い気筒では、各吸気ポートの壁面を均等に暖めることが困難になり、各吸気ポート間で暖機性にばらつきが生じることとなる。
以上のように、流入通路及び流出通路に最も近い気筒において、複数の吸気ポート間で暖機性にばらつきが生じるとき、暖機性の悪い吸気ポートではその壁面の温度上昇が進みにくくなって当該壁面に付着した噴射燃料の気が進みにくくなる。そして、その分だけ、蓄熱容器の冷媒をウォータジャケットに流入させることによるエミッション及び燃費等の改善効果が低下することは上述したとおりである。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、流入通路及び流出通路に最も近い気筒において、それら通路に近い吸気ポートの暖機性が悪化して複数の吸気ポート間で暖機性にばらつきが生じるのを抑制し、エミッション及び燃費等の改善効果が低下するのを抑制することのできるエンジンの冷却装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、一つの気筒に複数の吸気ポートを備える多気筒エンジンに適用され、エンジン本体を冷却する冷媒が循環する冷却回路に、シリンダヘッドのウォータジャケットに対し冷媒を流入させる流入通路、及び前記ウォータジャケット内の冷媒を流出させる流出通路を設け、前記冷却回路内の冷媒を蓄熱容器に保温して蓄え、この蓄熱容器内の冷媒を各気筒毎に設けられた供給通路を介して前記ウォータジャケットに流入させるエンジンの冷却装置において、前記流入通路に最も近い気筒では、前記供給通路の前記ウォータジャケット内への冷媒の流出位置を、当該気筒のシリンダボアの中心に対し前記流入通路から離れる方向にずれた位置とし、前記流出通路に最も近い気筒では、前記供給通路の前記ウォータジャケット内の冷媒の流出位置を、当該気筒のシリンダボアの中心に対し前記流出通路から離れる方向にずれた位置とした。
流入通路に最も近い気筒では、当該気筒に対応する供給通路からウォータジャケットに流入する冷媒が流入通路側に流れ易くなることから、当該気筒の複数の吸気ポートのうち流入通路寄りのものほど、吸気ポート周りに上記冷媒が留まりにくくなる。しかし、上記供給通路のウォータジャケットへの冷媒の流出位置がシリンダボアの中心に対し流入通路から離れる方向にずれた位置とされることで、流入通路寄りの吸気ポート周りに冷媒が留まり易くなるため、当該吸気ポートの暖機性が悪化するのを抑制することができる。従って、当該吸気ポートで暖機性が悪化して各吸気ポート間で暖機性にばらつきが生じるのを抑制し、上記吸気ポートでの暖機性悪化分だけ蓄熱容器の冷却水をウォータジャケットに流入させることによるエミッション、及び暖機等の改善効果が低下するのを抑制することができる。また、流出通路に最も近い気筒では、当該気筒に対応する供給通路からウォータジャケットに流入する冷媒が流出通路側に流れ易くなることから、当該気筒の複数の吸気ポートのうち流出通路寄りのものほど、吸気ポート周りに上記冷媒が留まりにくくなる。しかし、上記供給通路のウォータジャケットへの冷媒の流出位置がシリンダボアの中心に対し流出通路から離れる方向にずれた位置とされることで、流出通路寄りの吸気ポート周りに冷媒が留まり易くなるため、当該吸気ポートの暖機性が悪化するのを抑制することができる。従って、当該吸気ポートで暖機性が悪化して各吸気ポート間で暖機性にばらつきが生じるのを抑制し、上記吸気ポートでの暖機性悪化分だけ蓄熱容器の冷却水をウォータジャケットに流入させることによるエミッション、及び暖機等の改善効果が低下するのを抑制することができる。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記流入通路寄りに位置する各気筒のうち、同通路に最も近い気筒よりも前記流出通路寄りの気筒でも、前記供給通路の前記ウォータジャケット内への冷媒の流出位置を、当該気筒のシリンダボアの中心に対し前記流入通路から離れる方向にずれた位置とし、前記流出通路寄りに位置する各気筒のうち、同通路に最も近い気筒よりも前記流入通路寄りの気筒でも、前記供給通路の前記ウォータジャケット内の冷媒の流出位置を、当該気筒のシリンダボアの中心に対し前記流出通路から離れる方向にずれた位置とした。
流入通路寄りに位置する各気筒のうち、同通路に最も近い気筒よりも前記流出通路寄りの気筒においても、流入通路に最も近い気筒と同じく複数の吸気ポートのうち流入通路寄りのものほど、当該気筒に対応する供給通路からウォータジャケット内に流入する冷媒が留まりにくくなる。しかし、上記供給通路のウォータジャケットへの冷媒の流出位置がシリンダボアの中心に対し流入通路から離れる方向にずれた位置とされることで、流入通路寄りの吸気ポート周りに冷媒が留まり易くなるため、当該吸気ポートで暖機性が悪化するのを抑制することができる。また、流出通路寄りに位置する各気筒のうち、同通路に最も近い気筒よりも前記流入通路寄りの気筒においても、流出通路に最も近い気筒と同じく複数の吸気ポートのうち流出通路寄りのものほど、当該気筒に対応する供給通路からウォータジャケット内に流入する冷媒が留まりにくくなる。しかし、上記供給通路のウォータジャケットへの冷媒の流出位置がシリンダボアの中心に対し流出通路から離れる方向にずれた位置とされることで、流入通路寄りの吸気ポート周りに冷媒が留まり易くなるため、当該吸気ポートで暖機性が悪化するのを抑制することができる。
請求項3記載の発明では、請求項2記載の発明において、前記流入通路寄りに位置する各気筒のうち、同通路に最も近い気筒よりも前記流出通路寄りの気筒での前記供給通路の流出位置の前記シリンダボアの中心に対するずれ量を、前記流入通路に最も近い気筒での前記供給通路の流出位置の前記シリンダボアの中心に対するずれ量よりも小さくし、前記流出通路寄りに位置する各気筒のうち、同通路に最も近い気筒よりも前記流入通路寄りの気筒での前記供給通路の流出位置の前記シリンダボアの中心に対するずれ量を、前記流出通路に最も近い気筒での前記供給通路の流出位置の前記シリンダボアの中心に対するずれ量よりも小さくした。
流入通路寄りに位置する各気筒のうち、同通路に最も近い気筒よりも流出通路寄りの気筒については、流入通路に最も近い気筒よりはウォータジャケット内に流入した冷媒が流入通路側に流れ難くなる。このことを考慮して、流入通路に最も近い気筒よりも流出通路寄りの気筒については、流入通路に最も近い気筒に比べて、供給通路のウォータジャケットへの冷媒の流出位置のシリンダボアの中心に対するずれ量が小さくされている。従って、流入通路に最も近い気筒よりも流出通路寄りの気筒において、流入通路寄りの吸気ポートでの暖機性悪化を的確に抑制しつつ、上記ずれ量が過度に大きくなるのを抑制することができる。また、流出通路寄りに位置する各気筒のうち、同通路に最も近い気筒よりも流入通路寄りの気筒については、流出通路に最も近い気筒よりはウォータジャケット内に流入した冷媒が流出通路側に流れ難くなる。このことを考慮して、流出通路に最も近い気筒よりも流入通路寄りの気筒については、流出通路に最も近い気筒に比べて、供給通路のウォータジャケットへの冷媒の流出位置のシリンダボアの中心に対するずれ量が小さくされている。従って、流出通路に最も近い気筒よりも流入通路寄りの気筒において、流出通路寄りの吸気ポートでの暖機性悪化を的確に抑制しつつ、上記ずれ量が過度に大きくなるのを抑制することができる。
請求項4記載の発明では、一つの気筒に二つの吸気ポートを備える多気筒エンジンに適用され、エンジン本体を冷却する冷媒が循環する冷却回路に、シリンダヘッドのウォータジャケットに対し冷媒を流入させる流入通路、及び前記ウォータジャケット内の冷媒を流出させる流出通路を設け、前記冷却回路内の冷媒を蓄熱容器に保温して蓄え、この蓄熱容器内の冷媒を各気筒毎に設けられた供給通路を介して前記ウォータジャケットに流入させるエンジンの冷却装置において、前記流入通路に最も近い気筒では、前記供給通路の前記ウォータジャケットへの冷媒の流出位置を、前記流入通路から遠い吸気ポート側に偏奇させ、前記流出通路に最も近い気筒では、前記供給通路の前記ウォータジャケットへの冷媒の流出位置を、前記流出通路から遠い吸気ポート側に偏奇させた。
流入通路に最も近い気筒では、当該気筒に対応する供給通路からウォータジャケットに流入する冷媒が流入通路側に流れ易くなることから、当該気筒における流入通路に近い吸気ポートについては、流入通路から遠い吸気ポートに比べてポート周りに上記冷媒が留まりにくくなる。しかし、上記供給通路のウォータジャケットへの冷媒の流出位置を流入通路から遠い吸気ポート側に偏奇させることで、流入通路に近い吸気ポート周りに冷媒が留まり易くなるため、当該吸気ポートの暖機性が悪化するのを抑制することができる。従って、当該吸気ポートで暖機性が悪化して二つの吸気ポート間で暖機性にばらつきが生じるのを抑制し、上記吸気ポートでの暖機性悪化分だけ蓄熱容器の冷却水をウォータジャケットに流入させることによるエミッション、及び暖機等の改善効果が低下するのを抑制することができる。また、流出通路に最も近い気筒では、当該気筒に対応する供給通路からウォータジャケットに流入する冷媒が流出通路側に流れ易くなることから、当該気筒における流出通路に近い吸気ポートについては、流出通路から遠い吸気ポートに比べて吸気ポート周りに上記冷媒が留まりにくくなる。しかし、上記供給通路のウォータジャケットへの冷媒の流出位置を流出通路から遠い吸気ポート側に偏奇させることで、流出通路に近い吸気ポート周りに冷媒が留まり易くなるため、当該吸気ポートで暖機性が悪化するのを抑制することができる。従って、当該吸気ポートで暖機性が悪化して二つの吸気ポート間で暖機性にばらつきが生じるのを抑制し、上記吸気ポートでの暖機性悪化分だけ蓄熱容器の冷却水をウォータジャケットに流入させることによるエミッション、及び暖機等の改善効果が低下するのを抑制することができる。
請求項5記載の発明では、請求項4記載の発明において、前記流入通路寄りに位置する各気筒のうち、同通路に最も近い気筒よりも前記流出通路寄りの気筒でも、前記供給通路の前記ウォータジャケット内への冷媒の流出位置を、前記流入通路から遠い吸気ポート側に偏奇させ、前記流出通路寄りに位置する各気筒のうち、同通路に最も近い気筒よりも前記流入通路寄りの気筒でも、前記供給通路の前記ウォータジャケット内の冷媒の流出位置を、前記流出通路から遠い吸気ポート側に偏奇させた。
流入通路寄りに位置する各気筒のうち、同通路に最も近い気筒よりも前記流出通路寄りの気筒においても、流入通路に最も近い気筒と同じく流入通路に近い吸気ポートについては、流入通路から遠い吸気ポートに比べて当該気筒に対応する供給通路からウォータジャケット内に流入する冷媒が留まりにくくなる。しかし、上記供給通路のウォータジャケットへの冷媒の流出位置を流入通路から遠い吸気ポート側に偏奇させることで、流入通路に近い吸気ポート周りに冷媒が留まり易くなるため、当該吸気ポートで暖機性が悪化するのを抑制することができる。また、流出通路寄りに位置する各気筒のうち、同通路に最も近い気筒よりも前記流入通路寄りの気筒においても、流出通路に最も近い気筒と同じく流出通路に近い吸気ポートについては、流出通路から遠い吸気ポートに比べて当該気筒に対応する供給通路からウォータジャケット内に流入する冷媒が留まりにくくなる。しかし、上記供給通路のウォータジャケットへの冷媒の流出位置を流出通路から遠い吸気ポート側に偏奇させることで、流出通路に近い吸気ポート周りに冷媒が留まり易くなるため、当該吸気ポートで暖機性が悪化するのを抑制することができる。
請求項6記載の発明では、請求項5記載の発明において、前記流入通路寄りに位置する各気筒のうち、同通路に最も近い気筒よりも前記流出通路寄りの気筒での前記供給通路の流出位置の偏奇を、前記流入通路に最も近い気筒での前記供給通路の流出位置の偏奇よりも小さくし、前記流出通路寄りに位置する各気筒のうち、同通路に最も近い気筒よりも前記流入通路寄りの気筒での前記供給通路の流出位置の偏奇を、前記流出通路に最も近い気筒での前記供給通路の流出位置の偏奇よりも小さくした。
流入通路寄りに位置する各気筒のうち、同通路に最も近い気筒よりも流出通路寄りの気筒については、流入通路に最も近い気筒よりはウォータジャケット内に流入した冷媒が流入通路側に流れ難くなる。このことを考慮して、流入通路に最も近い気筒よりも流出通路寄りの気筒については、流入通路に最も近い気筒に比べて、供給通路のウォータジャケットへの冷媒の流出位置の偏奇が小さくされている。従って、流入通路に最も近い気筒よりも流出通路寄りの気筒において、流入通路寄りの吸気ポートで暖機性悪化を的確に抑制しつつ、上記流出位置の偏奇が過剰に行われるのを抑制することができる。また、流出通路寄りに位置する各気筒のうち、同通路に最も近い気筒よりも流入通路寄りの気筒については、流出通路に最も近い気筒よりはウォータジャケット内に流入した冷媒が流出通路側に流れ難くなる。このことを考慮して、流出通路に最も近い気筒よりも流入通路寄りの気筒については、流出通路に最も近い気筒に比べて、供給通路のウォータジャケットへの冷媒の流出位置の偏奇が小さくされている。従って、流出通路に最も近い気筒よりも流入通路寄りの気筒において、流入通路寄りの吸気ポートでの暖機性悪化を的確に抑制しつつ、上記流出位置の偏奇が過剰に行われるのを抑制することができる。
以下、本発明をV型八気筒の自動車用エンジンの冷却装置に具体化した一実施形態を図1〜図7に従って説明する。
図1に示されるエンジン1においては、一方のバンク1aに一番気筒#1、三番気筒#3、五番気筒#5、及び七番気筒#7が一列となるように設けられ、他方のバンク1bに二番気筒#2、四番気筒#4、六番気筒#6、及び八番気筒#8が一列となるように設けられている。これらバンク1a,1bは、エンジン1の冷却装置の冷却回路Rを循環する冷却水によって冷却されるようになっている。なお、バンク1aとバンク1bとは同一の構成となっているため、以下ではバンク1aについて詳しく説明する。
冷却回路Rには、エンジン1により駆動されるウォータポンプ6と、ウォータポンプ6から吐出された冷却水をバンク1aのウォータジャケット5における気筒配列方向一方側(図中右側)から流入させる流入通路7と、ウォータジャケット5内の冷却水を気筒配列方向他方側(図中左側)から流出させる流出通路8とが設けられている。更に、冷却回路Rには、循環する冷却水を外気との熱交換により温度低下させるラジエータ12と、ラジエータ12を迂回するバイパス通路9と、冷却水の温度に応じてラジエータ12への冷却水の流入を禁止・許可するサーモスタット10とが設けられている。
そして、冷却回路Rを循環する冷却水は、矢印Aで示されるように流入通路7を介してウォータジャケット5に流入し、ウォータジャケット5内を気筒配列方向(図中右から左)に流れて各気筒から熱を奪った後、流出通路8からウォータジャケット5外に流出するようになる。
エンジン1の冷却装置には、冷却回路R内の高温の冷却水を次回のエンジン始動の際のエンジン1の暖機等に利用するための蓄熱回路Hが設けられている。この蓄熱回路Hには、同回路H内の冷却水の圧送を行う電動ポンプ13と、冷却水を保温して蓄える蓄熱容器14と、蓄熱容器14内の冷却水をウォータジャケット5に向けて送り出す分配通路16とが設けられている。分配通路16には各気筒毎に設けられた供給通路15が接続されており、それら供給通路15により分配通路16とウォータジャケット5の各気筒に対応する部分とが連通している。
そして、冷却回路R内の冷却水の温度が高いときには、その冷却水が電動ポンプ13の駆動により蓄熱回路Hに引き込まれて蓄熱容器14内に保温した状態で蓄えられる。蓄熱容器14に蓄えられた冷却水は、例えばエンジン始動に際して電動ポンプ13の駆動により分配通路16に流されて各供給通路15に分配され、それら供給通路15を介してウォータジャケット5に流入させられる。そして、ウォータジャケット5に流入した温かい冷却水は、バンク1aの各気筒に対応する部分との間の熱交換によって当該部分を暖め、その後に冷却回路Rの流入通路7及び流出通路8からウォータジャケット5外に流出するようになる。
ここで、供給通路15からウォータジャケット5内への冷却水の流出位置について図2及び図3を参照して説明する。
図2は、バンク1aにおけるシリンダヘッド2の拡大断面図である。シリンダヘッド2においては、エンジン1の燃焼室21に繋がる吸気通路22及び排気通路23が設けられるとともに、燃焼室21、吸気通路22、及び排気通路23の周りにウォータジャケット5が入り組むように形成されている。なお、上記吸気通路22は二つに分岐して燃焼室21に接続されるものであって(図には一方の分岐部分のみ図示)、吸気通路22の分岐していない部分には燃料噴射弁24が設けられている。この燃料噴射弁24は、燃焼室21において上記のように分岐した吸気通路22との接続部分である複数(二つ)の吸気ポート22a,22bに向けて燃料を噴射するようになっている。
供給通路15のウォータジャケット5内への冷却水の流出位置は、吸気ポート22a,22bの近傍に設定されている。このような設定を行うことで、蓄熱容器14内の温かい冷却水を各供給通路15を介してウォータジャケット5の各気筒に対応した部分に流入させるとき、流入した冷却水が最初にシリンダヘッド2における吸気ポート22a,22b付近に接触することから、吸気ポート22a,22bの壁面を効果的に暖めることができるようになる。従って、燃料噴射弁24からの噴射燃料が吸気ポート22a,22bの壁面に付着したとしても、その燃料が気化し易くなり、当該壁面への液状燃料の付着に起因するエミッション、燃費、及び始動性への悪影響を抑制することができる。
なお、エミッション、燃費、及び始動性の改善を図る上では、各気筒毎の二つの吸気ポート22a,22bを均等に暖めることが好ましい。このため、供給通路15のウォータジャケット5内への冷却水の流出位置は、吸気ポート22a,22bの壁面を上記冷却水によって均等に暖め易いよう、図3に示されるように吸気ポート22a,22b間に位置するように設定される。
ただし、流出通路8に最も近い一番気筒#1では、供給通路15を介してウォータジャケット5に流入する冷却水が流出通路8から外部に流出し易くなる。このため、一番気筒#1では流出通路8寄りの吸気ポート22a周りに上記冷却水が留まりにくくなり、当該吸気ポート22aの暖機性が流出通路8から遠い吸気ポート22bよりも悪化する傾向がある。また、流入通路7に最も近い七番気筒#7では、供給通路15を介してウォータジャケット5に流入する冷却水が流入通路7から外部に流出し易くなる。このため、七番気筒#7では流入通路7寄りの吸気ポート22b周りに上記冷却水が留まりにくくなり、当該吸気ポート22bの暖機性が流入通路7から遠い吸気ポート22aよりも悪化する傾向がある。
以上のような一番気筒#1での吸気ポート22aの暖機性の悪化、及び七番気筒#7での暖機性の悪化については、それら気筒における供給通路15のウォータジャケット5内への冷却水の流出位置の設定によって抑制される。以下、上記流出位置の設定について、一番気筒#1の場合と七番気筒#7の場合とで個別に説明する。
[一番気筒#1]
一番気筒#1では、吸気ポート22aの暖機性の悪化を抑制すべく、上記流出位置が流出通路8から遠い吸気ポート22b側に偏奇させられる。言い換えれば、上記流出位置が一番気筒#1のシリンダボアの中心C1に対し流出通路8から離れる方向に所定量a1だけずれた位置とされる。このように上記流出位置を設定することで、一番気筒#1において供給通路15からウォータジャケット5に入った冷却水が吸気ポート22a周りに留まり易くなるため、吸気ポート22aで暖機性が悪化して二つの吸気ポート22a,22b間に暖機性のばらつきが生じるのを抑制することができる。そして、吸気ポート22a,22b間での上記暖機性のばらつきが生じたとき、吸気ポート22aでの暖機悪化分だけ、蓄熱容器14からウォータジャケット5への冷却水の流入によるエミッション、燃費、及び始動性等の改善効果が低下するのを抑制することができる。
ここで、蓄熱容器14からウォータジャケット5に冷却水を流入させたときの一番気筒#1での二つの吸気ポート22a,22bの壁面の温度変化について、上記流出位置の設定(以下、オフセット設定という)を行った場合と、同設定を行わない場合(非オフセット設定)とでどのような違いがみられるかを図4及び図5に基づいて詳しく説明する。なお、上記非オフセット設定の例として、ここでは各気筒全てにおいて上記流出位置を二つの吸気ポート22a,22bの中間位置とした状態をあげることとする。
非オフセット設定では、ウォータジャケット5への冷却水の流入が行われると、一番気筒#1における吸気ポート22aの壁面の温度は図4に実線で示されるように上昇し、吸気ポート22bの壁面の温度は破線で示されるように上昇する。同図からわかるように、流出通路8から遠い吸気ポート22bの壁面の温度は、当該壁面に燃料噴射弁24からの噴射燃料が付着したときに同燃料を気化可能な最低限の温度である目標値に達するのに対し、流出通路8寄りの吸気ポート22aの壁面の温度は目標値に達しなくなる。これは、吸気ポート22aは流出通路8に近いことから、供給通路15からウォータジャケット5に流入した冷却水が流入後すぐに流出通路8から外部に流出してしまい、吸気ポート22a周りに留まりにくくなって、冷却水と吸気ポート22aの壁面との間で十分な熱交換が行われないためである。
これに対し、オフセット設定では、ウォータジャケット5への冷却水の流入が行われると、一番気筒#1における吸気ポート22aの壁面の温度は図5に実線で示されるように上昇し、吸気ポート22bの壁面の温度は破線で示されるように上昇する。この場合、流出通路8から遠い吸気ポート22bの壁面の温度が目標値に達するのは勿論のこと、流出通路8寄りの吸気ポート22aの壁面の温度も目標値に達することとなる。これは、供給通路15のウォータジャケット5内への冷却水の流出位置が吸気ポート22b側に偏奇しており、この偏奇によって供給通路15からウォータジャケット5に流入した冷却水が吸気ポート22a周りに留まり易くなって、冷却水と吸気ポート22aの壁面との間で十分な熱交換が行われるためである。
[七番気筒#7]
七番気筒#7では、吸気ポート22bの暖機性の悪化を抑制すべく、上記流出位置が流入通路7から遠い吸気ポート22a側に偏奇させられる。言い換えれば、上記流出位置が七番気筒#7のシリンダボアの中心C7から所定量a7だけずれた位置とされる。このように上記流出位置を設定することで、七番気筒#7において供給通路15からウォータジャケット5に入った冷却水が吸気ポート22b周りに留まり易くなるため、吸気ポート22bで暖機性が悪化して二つの吸気ポート22a,22b間に暖機性のばらつきが生じるのを抑制することができる。そして、吸気ポート22a,22b間で上記暖機性のばらつきが生じたとき、吸気ポート22bでの暖機悪化分だけ、蓄熱容器14からウォータジャケット5への冷却水の流入によるエミッション、燃費、及び始動性等の改善効果が低下するのを抑制することができる。
ここで、蓄熱容器14からウォータジャケット5に冷却水を流入させたときの七番気筒#7での二つの吸気ポート22a,22bの壁面の温度変化について、上記流出位置の設定(オフセット設定)を行った場合と、同設定を行わない場合(非オフセット設定)とでどのような違いがみられるかを図6及び図7に基づいて詳しく説明する。なお、ここでの非オフセット設定についても、[一番気筒#1]の場合と同様に、各気筒全てにおいて上記流出位置を二つの吸気ポート22a,22bの中間位置とした状態を例としてあげている。
非オフセット設定では、ウォータジャケット5への冷却水の流入が行われると、七番気筒#7における吸気ポート22aの壁面の温度は図6に実線で示されるように上昇し、吸気ポート22bの壁面の温度は破線で示されるように上昇する。同図からわかるように、流入通路7から遠い吸気ポート22aの壁面の温度は上記目標値に達するのに対し、流入通路7寄りの吸気ポート22bの壁面の温度は目標値に達しなくなる。これは、吸気ポート22bは流入通路7に近いことから、供給通路15からウォータジャケット5に流入した冷却水が流入後すぐに流入通路7から外部に流出してしまい、吸気ポート22b周りに留まりにくくなって、冷却水と吸気ポート22bの壁面との間で十分な熱交換が行われないためである。
これに対し、オフセット設定では、ウォータジャケット5への冷却水の流入が行われると、七番気筒#7における吸気ポート22bの壁面の温度は図7に破線で示されるように上昇し、吸気ポート22aの壁面の温度は実線で示されるように上昇する。この場合、流入通路7から遠い吸気ポート22aの壁面の温度が目標値に達するのは勿論のこと、流入通路7寄りの吸気ポート22bの壁面の温度も目標値に達することとなる。これは、供給通路15のウォータジャケット5内への冷却水の流出位置が吸気ポート22a側に偏奇しており、この偏奇によって供給通路15からウォータジャケット5に流入した冷却水が吸気ポート22b周りに留まり易くくなって、冷却水と吸気ポート22bの壁面との間で十分な熱交換が行われるためである。
ところで、流出通路8寄りに位置する一番気筒#1及び三番気筒#3のうち、一番気筒#1については流出通路8寄りの吸気ポート22a周りに冷却水が留まりにくくなる傾向があることは上述したが、一番気筒#1よりも流入通路7寄りの三番気筒#3についても一番気筒#1と同様の傾向がある。また、流入通路7寄りに位置する五番気筒#5及び七番気筒#7のうち、七番気筒#7については流入通路7寄りの吸気ポート22b周りに冷却水が留まりにくくなる傾向があることは上述したが、七番気筒#7よりも流出通路8寄りの五番気筒#5及びについても七番気筒#7と同様の傾向がある。
そして、三番気筒#3での吸気ポート22aの暖機性の悪化、及び五番気筒#5での暖機性の悪化についても、それら気筒における供給通路15のウォータジャケット5内への冷却水の流出位置の設定によって抑制される。以下、三番気筒#3及び五番気筒#5での上記流出位置の設定について、図3を併せ参照しつつ、三番気筒#3、五番気筒#5の順で個別に説明する。
[三番気筒#3]
三番気筒#3では、吸気ポート22aの暖機性の悪化を抑制すべく、上記流出位置が流出通路8から遠い吸気ポート22b側に偏奇させられる。言い換えれば、上記流出位置が三番気筒#3のシリンダボアの中心C3に対し流出通路8から離れる方向に所定量a3だけずれた位置とされる。ただし、三番気筒#3では、供給通路15からウォータジャケット5に流入した冷却水の流出通路8側に流れ易くなる傾向が一番気筒#1に比べると小さくなり、上記冷却水が一番気筒#1よりは流出通路8側に流れにくくなる。このことを考慮して、上記所定量a3については、一番気筒#1の所定量a1よりも小さい値に設定される。従って、三番気筒#3では、上記流出位置の吸気ポート22b側への偏奇が一番気筒#1での同様の偏奇に比べて小さくされる。言い換えれば、三番気筒#3での上記流出位置のシリンダボアの中心C3に対するずれ量(所定量a3)が、一番気筒#1での同様のずれ量(所定量a1)よりも小さくされる。こうした三番気筒#3での上記流出位置の設定により、同気筒で吸気ポート22aの暖機性が悪化するのを抑制することができる。
[五番気筒#5]
五番気筒#5では、吸気ポート22bの暖機性の悪化を抑制すべく、上記流出位置が流入通路7から遠い吸気ポート22a側に偏奇させられる。言い換えれば、上記流出位置が五番気筒#5のシリンダボアの中心C5に対し流入通路7から離れる方向に所定量a5だけずれた位置とされる。ただし、五番気筒#5では、供給通路15からウォータジャケット5に流入した冷却水の流入通路7側に流れ易くなる傾向が七番気筒#7に比べると小さくなり、上記冷却水が七番気筒#7よりは流入通路7側に流れにくくなる。このことを考慮して、上記所定量a5については、七番気筒#1の所定量a7よりも小さい値に設定される。従って、五番気筒#5では、上記流出位置の吸気ポート22a側への偏奇が七番気筒#7での同様の偏奇に比べて小さくされる。言い換えれば、五番気筒#5での上記流出位置のシリンダボアの中心C5に対するずれ量(所定量a5)が、七番気筒#7での同様のずれ量(所定量a7)よりも小さくされる。こうした五番気筒#5での上記流出位置の設定により、同気筒で吸気ポート22bの暖機性が悪化するのを抑制することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)流出通路8に最も近い一番気筒では、供給通路15のウォータジャケット5への冷却水の流出位置を流出通路8から遠い吸気ポート22b側に偏奇させている。このため、一番気筒#1においては供給通路15からウォータジャケット5内に入った冷却水が流出通路8に近い吸気ポート22a周りに留まり易くなり、当該吸気ポート22aの暖機性が悪化するのを抑制することができる。従って、一番気筒#1においては、吸気ポート22aで暖機性が悪化して二つの吸気ポート22a,22b間で暖機性にばらつきが生じるのを抑制し、上記吸気ポート22aでの暖機性悪化分だけ蓄熱容器14の冷却水をウォータジャケット5に流入させることによるエミッション、燃費、及び始動性の改善効果が低下するのを抑制することができる。また、流入通路7に最も近い七番気筒#7では、上記流出位置を流入通路7から遠い吸気ポート22a側に偏奇させている。このため、七番気筒#7においては供給通路15からウォータジャケット5内に入った冷却水が流入通路7に近い吸気ポート22b周りに留まり易くなり、当該吸気ポート22bの暖機性が悪化するのを抑制することができる。従って、七番気筒#7においては、吸気ポート22bで暖機性が悪化して二つの吸気ポート22a,22b間で暖機性にばらつきが生じるのを抑制し、上記吸気ポート22bでの暖機性悪化分だけ蓄熱容器14の冷却水をウォータジャケット5に流入させることによるエミッション、燃費、及び始動性の改善効果が低下するのを抑制することができる。
(2)流出通路8寄りの気筒である三番気筒#3では、一番気筒#1と同様に供給通路15からウォータジャケット5に入った冷却水が流出通路8寄りの吸気ポート22a周りに留まりにくくなる傾向がある。ただし、こうした傾向は一番気筒#1よりは小さくなる。このため、三番気筒#3では、上記流出位置が吸気ポート22b寄りに一番気筒#1に比べて小さく偏奇させられる。これにより、三番気筒#3において、流出通路8寄りの吸気ポート22aの暖機性悪化を的確に抑制しつつ、上記流出位置の偏奇が過剰に行われるのを抑制することができる。また、流入通路7寄りの気筒である五番気筒#5では、七番気筒#7と同様に供給通路15からウォータジャケット5に入った冷却水が流入通路7寄りの吸気ポート22b周りに留まりにくくなる傾向がある。ただし、こうした傾向は七番気筒#7よりは小さくなる。このため、五番気筒#5では、上記流出位置が吸気ポート22a寄りに七番気筒#7に比べて小さく偏奇させられる。これにより、五番気筒#5において、流入通路7寄りの吸気ポート22bの暖機性悪化を的確に抑制しつつ、上記流出位置の偏奇が過剰に行われるのを抑制することができる。
なお、ここまではバンク1aを対象として詳しく説明したが、バンク1aと同一の構成となっているバンク1bについても、バンク1aで奏する効果と同様の効果が得られるようになる。
以下、上記実施形態の変形例について記載する。
・三番気筒#3では、供給通路15のウォータジャケット5内への冷却水の流出位置のずれ量を所定量a3としたが、この所定量a3を一番気筒#1の所定量a1と等しくしてもよい。また、五番気筒#5では、上記流出位置のずれ量を所定量a5としたが、この所定量a5を七番気筒#7の所定量a7と等しくしてもよい。
・三番気筒#3及び五番気筒#5については、供給通路15のウォータジャケット5内への冷却水の流出位置を必ずしも偏奇させる必要はない。
・一つの気筒につき三つ以上の吸気ポートを備えるエンジンに本発明を適用してもよい。
・直列四気筒やV型六気筒などV型八気筒以外の形式のエンジンに本発明を適用してもよい。
本実施形態におけるエンジンの冷却装置全体を示す略図。 上記エンジンにおけるシリンダヘッドの内部構造を示す拡大断面図。 各気筒の供給通路におけるウォータジャケット内への冷却水の流出位置を示す略図。 蓄熱容器からエンジンのウォータジャケットに冷却水を流したとき、一番気筒の吸気ポート壁面の温度がどのように変化するかを示すグラフ。 蓄熱容器からエンジンのウォータジャケットに冷却水を流したとき、一番気筒の吸気ポート壁面の温度がどのように変化するかを示すグラフ。 蓄熱容器からエンジンのウォータジャケットに冷却水を流したとき、七番気筒の吸気ポート壁面の温度がどのように変化するかを示すグラフ。 蓄熱容器からエンジンのウォータジャケットに冷却水を流したとき、七番気筒の吸気ポート壁面の温度がどのように変化するかを示すグラフ。
符号の説明
1…エンジン、1a,1b…バンク(エンジン本体)、2…シリンダヘッド、5…ウォータジャケット、6…ウォータポンプ、7…流入通路、8…流出通路、9…バイパス通路、10…サーモスタット、12…ラジエータ、13…電動ポンプ、14…蓄熱容器、15…供給通路、16…分配通路、17…開閉弁、21…燃焼室、22…吸気通路、22a,22b…吸気ポート、23…排気通路、24…燃料噴射弁。

Claims (6)

  1. 一つの気筒に複数の吸気ポートを備える多気筒エンジンに適用され、エンジン本体を冷却する冷媒が循環する冷却回路に、シリンダヘッドのウォータジャケットに対し冷媒を流入させる流入通路、及び前記ウォータジャケット内の冷媒を流出させる流出通路を設け、前記冷却回路内の冷媒を蓄熱容器に保温して蓄え、この蓄熱容器内の冷媒を各気筒毎に設けられた供給通路を介して前記ウォータジャケットに流入させるエンジンの冷却装置において、
    前記流入通路に最も近い気筒では、前記供給通路の前記ウォータジャケット内への冷媒の流出位置を、当該気筒のシリンダボアの中心に対し前記流入通路から離れる方向にずれた位置とし、
    前記流出通路に最も近い気筒では、前記供給通路の前記ウォータジャケット内の冷媒の流出位置を、当該気筒のシリンダボアの中心に対し前記流出通路から離れる方向にずれた位置とした
    ことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  2. 前記流入通路寄りに位置する各気筒のうち、同通路に最も近い気筒よりも前記流出通路寄りの気筒でも、前記供給通路の前記ウォータジャケット内への冷媒の流出位置を、当該気筒のシリンダボアの中心に対し前記流入通路から離れる方向にずれた位置とし、
    前記流出通路寄りに位置する各気筒のうち、同通路に最も近い気筒よりも前記流入通路寄りの気筒でも、前記供給通路の前記ウォータジャケット内の冷媒の流出位置を、当該気筒のシリンダボアの中心に対し前記流出通路から離れる方向にずれた位置とした
    請求項1記載のエンジンの冷却装置。
  3. 前記流入通路寄りに位置する各気筒のうち、同通路に最も近い気筒よりも前記流出通路寄りの気筒での前記供給通路の流出位置の前記シリンダボアの中心に対するずれ量を、前記流入通路に最も近い気筒での前記供給通路の流出位置の前記シリンダボアの中心に対するずれ量よりも小さくし、
    前記流出通路寄りに位置する各気筒のうち、同通路に最も近い気筒よりも前記流入通路寄りの気筒での前記供給通路の流出位置の前記シリンダボアの中心に対するずれ量を、前記流出通路に最も近い気筒での前記供給通路の流出位置の前記シリンダボアの中心に対するずれ量よりも小さくした
    請求項2記載のエンジンの冷却装置。
  4. 一つの気筒に二つの吸気ポートを備える多気筒エンジンに適用され、エンジン本体を冷却する冷媒が循環する冷却回路に、シリンダヘッドのウォータジャケットに対し冷媒を流入させる流入通路、及び前記ウォータジャケット内の冷媒を流出させる流出通路を設け、前記冷却回路内の冷媒を蓄熱容器に保温して蓄え、この蓄熱容器内の冷媒を各気筒毎に設けられた供給通路を介して前記ウォータジャケットに流入させるエンジンの冷却装置において、
    前記流入通路に最も近い気筒では、前記供給通路の前記ウォータジャケットへの冷媒の流出位置を、前記流入通路から遠い吸気ポート側に偏奇させ、
    前記流出通路に最も近い気筒では、前記供給通路の前記ウォータジャケットへの冷媒の流出位置を、前記流出通路から遠い吸気ポート側に偏奇させた
    ことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  5. 前記流入通路寄りに位置する各気筒のうち、同通路に最も近い気筒よりも前記流出通路寄りの気筒でも、前記供給通路の前記ウォータジャケット内への冷媒の流出位置を、前記流入通路から遠い吸気ポート側に偏奇させ、
    前記流出通路寄りに位置する各気筒のうち、同通路に最も近い気筒よりも前記流入通路寄りの気筒でも、前記供給通路の前記ウォータジャケット内の冷媒の流出位置を、前記流出通路から遠い吸気ポート側に偏奇させた
    請求項4記載のエンジンの冷却装置。
  6. 前記流入通路寄りに位置する各気筒のうち、同通路に最も近い気筒よりも前記流出通路寄りの気筒での前記供給通路の流出位置の偏奇を、前記流入通路に最も近い気筒での前記供給通路の流出位置の偏奇よりも小さくし、
    前記流出通路寄りに位置する各気筒のうち、同通路に最も近い気筒よりも前記流入通路寄りの気筒での前記供給通路の流出位置の偏奇を、前記流出通路に最も近い気筒での前記供給通路の流出位置の偏奇よりも小さくした
    請求項5記載のエンジンの冷却装置。
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