JP2005131527A - 水素化触媒及び当該触媒を用いた水素化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 分子径又は分子量の大きな不飽和炭素炭素結合を有する有機化合物を効率よく行うための水素化触媒を得ること。
【解決手段】 グリコサーマル法により得られた球状担体に金属粒子を担持させた触媒を用いて炭化水素を熱分解することにより三次元的に絡合したカーボンナノチューブを得、当該カーボンナノチューブに金属粒子を担持させることにより得られる水素化触媒として用いることにより、分子径又は分子量の大きな有機化合物の水素化を効率良く行うことができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、不飽和結合を有する有機化合物の水素化を行うための触媒及び当該触媒を用いた水素化方法に関する。
有機化合物の水素化反応を行うための水素化触媒としては、カーボン粉末、アルミナ等に白金、ニッケル等の金属を担持させた触媒が使用されている。
しかしながら、このような触媒は、エチレンやシクロヘキサン等の分子径又は分子量の小さな化合物を効率良く水素化することができるが、分子径又は分子量の大きな(嵩の高い)化合物を効率良く水素化することは困難である。
従って、工業的に嵩の高い有機化合物を効率良く水素化するための触媒が求められている。
未公開特許文献1
特願2003-118875
本発明の主な目的は、不飽和結合を有し、分子径又は分子量の大きな(嵩の高い)有機化合物を効率良く水素化するための触媒を提供することである。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、特定のカーボンナノチューブに金属を担持させた水素化触媒を使用することにより、分子径又は分子量の大きな(嵩の高い)有機化合物を効率良く水素化できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
1.三次元的に絡合したカーボンナノチューブに金属粒子が担持されてなる水素化触媒。
2.当該カーボンナノチューブが、金属粒子が球状担体に担持された触媒の存在下に炭化水素を熱分解することにより得られたものである上記項1記載の水素化触媒。
3.球状担体が、グリコサーマル法により得られた金属酸化物粒子である上記項2記載の水素化触媒。
4.金属粒子が貴金属の粒子である上記項2記載の水素化触媒。
5.上記項1〜4のいずれかに記載の触媒の存在下に不飽和結合を有する有機化合物を水素化することを特徴とする水添化合物の製造方法。
6.不飽和結合を有する有機化合物が、分岐鎖を有するアルキル基及びアリール基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を2以上有するオレフィン類である上記項5記載の製造方法。
7.水素化を液相中で行うことを特徴とする上記項5記載の製造方法。
本発明の水素化触媒によれば、分子径又は分子量の大きな(嵩の高い)有機化合物でも効率良く水素化することができる。
本発明の水素化触媒は、三次元的に絡合したカーボンナノチューブに金属粒子を担持させたことを特徴とする触媒である。三次元的に絡合したカーボンナノチューブとは、少なくとも1ヶ所の湾曲部又は屈曲部を含んでいるカーボンナノチューブを意味し、好ましくは、湾曲部又は屈曲部を含んでいるために絡み合った構造を有するカーボンナノチューブを意味する。このようなカーボンナノチューブは、以下のようにして得ることができる。
(1)三次元的に絡合したカーボンナノチューブの製造
三次元的に絡合したカーボンナノチューブは、金属粒子が球状担体に担持された触媒の存在下に、炭化水素を熱分解することにより得ることができる。
(1−1)三次元的に絡合したカーボンナノチューブを製造するための触媒
当該球状担体は、球又は球に近い形状を有している。発明において、三次元的に絡合したカーボンナノチューブを得るためには、当該担体が球状であることが特に好ましい。また、球状担体の平均粒径は限定されないが、10〜1000nm程度、好ましくは50〜1000nm程度が挙げられる。
球状担体としては、ジルコニア(ZrO2)、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、エルビウムガリウムガーネット(Er3Ga5O12)をはじめとする希土類ガリウムガーネット(希土類元素としては、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb等が挙げられる)等が使用でき、その中でも、ジルコニア(ZrO2)、シリカ(SiO2)、エルビウムガリウムガーネット(Er3Ga5O12)等の希土類ガリウムガーネット等が好ましい。
球状担体は、グリコサーマル法により製造することができる。より詳細には、球状担体の原料金属のアルコキシド(ノルマルプロポキシド、イソプロポキシド等)、球状担体の原料金属のアセチルアセトネート、球状担体の原料金属の酢酸塩等を、有機溶媒中、特にグリコール中に懸濁して昇温することにより反応させた後、適当な温度で焼成することにより、球状担体を得ることができる。
球状担体を合成するに当たって用いる原料として、ジルコニアを合成する場合にはジルコニウムテトライソプロポキシド、希土類ガリウムガーネットを合成する場合には希土類酢酸塩及びガリウムアセチルアセトナート、ニオブ酸リチウムを合成する場合には酢酸リチウム及びNb(OEt)5等を使用することができるが、これらに限定されるものではない。
また、溶媒としてのグリコールは、エチレングリコール、1,4-ブタンジオール等が挙げられ、1,4-ブタンジオールがより好ましい。2種以上のグリコールを混合して使用することも可能である。
また、溶媒中には、その他のグリコサーマル法を促進できる化合物を添加することも可能である。
本発明においてグリコサーマル法を行う条件としては、球状担体が得られれば限定されない。例えば、必要に応じて撹拌しながら、不活性ガス雰囲気下で200〜500℃程度、好ましくは250〜400℃程度で反応を行うことができる。
また、この反応は、不活性ガスで置換したオートクレーブ内で反応容器中で行うことが好ましい。オートクレーブ内の圧力も限定されず、目的とする化合物の種類等に応じて適宜選択することができる。
不活性ガスの種類は限定されないが、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン等が使用できる。反応時間も限定されず、0.5〜10時間程度、好ましくは1〜5時間程度が例示できる。
このようにしてグリコサーマル法により得られた化合物を、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン等の有機溶剤で洗浄、乾燥した後、例えば、250〜800℃程度、好ましくは300〜500℃程度で焼成すればよい。焼成時間も限定されず、焼成する化合物の種類、量等により適宜選択することができる。例えば、0.5〜10時間程度、好ましくは1〜3時間程度焼成すればよい。このようにして焼成を行うことにより、粒状担体を得ることができる。得られた担体は、電子顕微鏡で観察することにより、球状の形態を持つことが確認される。
本発明において、三次元的に絡合したカーボンナノチューブを得るための触媒は、上記のようにして得られた粒状担体に、金属粒子を担持させることにより得ることができる。金属粒子としては、ニッケル、コバルト、鉄、銅、モリブデン、マンガン、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム等の少なくとも1種が挙げられる。前記金属粒子の粒子径は、例えば0.1〜200nm程度、好ましくは0.2〜50nm程度がよい。
これらの金属粒子を球状担体に担持させる方法は限定されず、定法に従って行うことができる。例えば、(i)金属化合物溶液に粒状担体を浸漬する方法(含浸法)、(ii)金属化合物溶液と各種還元剤を用いて、粒状担体に触媒金属粒子を還元付着・析出させる方法、(iii)金属化合物溶液用いて、光照射により粒状担体に金属粒子を還元付着・析出させる方法、(iv)金属化合物溶液のpH制御中和により、粒状担体に金属粒子を析出沈殿させる方法、(v)球状担体表面に、溶液中の金属化合物を吸着させる方法、(vi)球状担体表面に対して、気相の金属化合物を化学的に蒸着させる方法(CVD法)、(vii)球状担体表面に対して、気相の金属化合物を物理的に蒸着させる方法(PVD)法、(viii)球状担体表面に対して、金属化合物を真空蒸着させる方法、(ix)球状担体表面に対して、金属のイオンを注入する方法、(x)金属粒子と球状担体とを混合する方法、等を用いることができる。
本発明においては、実験が容易なことから含浸法を使用するのが好ましい。より詳細には、必要に応じて撹拌下において、塩化白金酸、Pt(NH3)4(NO3)2、硝酸ニッケル、硝酸コバルト、硝酸鉄、ギ酸銅、モリブデン酸アンモニウム、塩化マンガン等の金属塩の水溶液に球状担体を浸漬するのが好ましい。このときの金属塩の濃度、浸漬する時間等の条件は限定されず、所望の触媒に応じて適宜選択することができる。
その後、得られた金属塩が担持された球状担体を乾燥した後に、200〜800℃程度、好ましくは300〜600℃程度で焼成することにより、本発明で使用するカーボンナノチューブを作るための触媒を得ることができる。焼成時間は限定されず、金属塩が担持された球状担体の量等に応じて適宜選択することができる。
金属化合物の担持量は、三次元的に絡合したカーボンナノチューブが得られれば限定されない。例えば、金属粒子及び球状担体全体に対して、2〜30重量%程度、好ましくは5〜10重量%程度がよい。
(1−2)三次元的に絡合したカーボンナノチューブの製造
このようにして得られた触媒の存在下に炭化水素を熱分解することにより、三次元的に絡合したカーボンナノチューブを得ることができる。熱分解の方法は、三次元的に絡合したカーボンナノチューブが得られれば限定されないが、例えば、特定の温度下で炭化水素のガスを触媒上に流す方法を用いることができる。
ここで使用できる炭化水素の種類は限定されないが、例えば、炭素数1〜4の飽和炭化水素又は炭素数2〜4の不飽和炭化水素を使用することができる。炭素数1〜4の飽和炭化水素としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブタンが挙げられ、炭素数2〜4の飽和炭化水素としては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、2-ブテン、2-メチル-1-プロペンが挙げられる。また、天然ガスやナフサ等を、そのまま、又は必要に応じて精製ないし前処理して、反応ガスとして使用することもできる。
反応温度は、400〜800℃程度、好ましくは450〜650℃程度が挙げられる。炭化水素のガスを流す速さとしては、三次元的に絡合するカーボンナノチューブが生成すれば限定されず、適宜選択することができる。また、反応時間も、所望のカーボンナノチューブが得られれば限定されず、適宜選択することができる。
反応終了後、カーボンナノチューブと触媒とを分離すればよい。分離する方法も限定されない。例えば、濃フッ酸のような強酸中で、好ましくは長時間攪拌して触媒成分を溶解させ、カーボンナノチューブを得るという方法がよい。その後、単離したカーボンナノチューブを洗浄液が中性になるまで、蒸留水で洗浄すればよい。
このようにして得られたカーボンナノチューブは三次元的に絡合している。当該カーボンナノチューブの長さは、分子径又は分子量の大きな(嵩の高い)有機化合物の水素化を行うことができれば限定されず、適宜選択することができる。
得られたカーボンナノチューブの形状等は、例えば、透過型電子顕微鏡により確認することができる。
(2)カーボンナノチューブへの金属粒子の担持
本発明の水素化触媒は、上記のようにして得られた三次元的に絡合したカーボンナノチューブに金属粒子を担持させたものである。ここで使用される金属粒子としては、金、白金、銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム等の貴金属が例示できる。この中でも、水素化効率の点から白金が好ましい。
カーボンナノチューブに担持させる金属粒子の大きさ、表面積等も限定されず、適宜選択することができる。金属粒子の担持量は、有機化合物の水素化を効率良く行うことができれば限定されないが、例えば、得られる触媒全体に対して1〜20重量%程度、好ましくは2〜10重量%程度がよい。
カーボンナノチューブに金属粒子を担持させる方法は限定されず、定法に従って行うことができる。例えば、(i)金属化合物の溶液にカーボンナノチューブを浸漬する方法(含浸法)、(ii)金属化合物の溶液と各種還元剤を用いて、カーボンナノチューブ表面に金属化合物を還元付着・析出させる方法、(iii)金属化合物の溶液を用いて、光照射によりカーボンナノチューブ表面に金属を還元付着・析出させる方法、(iv)金属化合物の溶液のpH制御中和により、カーボンナノチューブ表面に金属を析出沈殿させる方法、(v)カーボンナノチューブ表面に、溶液中の金属化合物を吸着させる方法、(vi)カーボンナノチューブ表面に対して、気相の金属化合物を化学的に蒸着させる方法(CVD法)、(vii)カーボンナノチューブ表面に対して、気相の金属化合物を物理的に蒸着させる方法(PVD)法、(viii)カーボンナノチューブ表面に対して、金属化合物を真空蒸着させる方法、(ix)カーボンナノチューブ表面に対して、金属イオンを注入する方法、(x)金属微粒子とカーボンナノチューブとを混合する方法、などにより行うことができる。
本発明においては、実験が容易なことから含浸法を使用することが好ましい。より詳細には、金属化合物の溶液にカーボンナノチューブを浸漬することにより、カーボンナノチューブに金属化合物を担持させ、その後、金属粒子が担持されたカーボンナノチューブを、例えば、150℃程度以上、好ましくは300℃程度の高温下で水素気流中で乾燥することにより還元し、本発明の水素化触媒を得ることができる。
金属化合物としては、金の場合、塩化金、塩化金酸、金アセチルアセトナート、クロロ(トリフェニルホスフィン)金(I)[AuCl[P(C6H5)3]]等、白金の場合、塩化白金酸、Pt(NH3)4(NO3)2等、パラジウムの場合、硝酸パラジウム、硫酸パラジウム、塩化パラジウム、臭化パラジウム、H2PdCl4、K2PdCl4、K2PdBr4、Pd(NH3)4Cl2、Pd(NH3)2Cl2、Pd(NO2)2(NH3)2、Pd(NH3)4(OH)2、PdCl2(C2H8N2)、酢酸パラジウム、パラジウム(II)アセチルアセトナート、塩化パラジウム、Pd(NH3)4Cl2、Pd(NH3)2Cl2、Pd(NO2)2(NH3)2、Pd(NO3)2等が使用でき、他の金属、例えば、銀、ルテニウム、ロジウム、オスミウム、イリジウム等についてもそれぞれの硝酸塩や硫酸鉛、アセチルアセトナート、塩化金属酸等を使用することができる。
(3)本発明の水素化触媒を用いた有機化合物の水素化反応
上記のようにして得られた本発明の水素化触媒は、不飽和結合を有する有機化合物、特に分子径又は分子量が大きい(嵩の高い)有機化合物を効率良く水素化(水添)することができる。
分子径又は分子量が大きい(嵩の高い)有機化合物としては、2以上の基を有するオレフィン類が挙げられ、その中でも、tert-ブチル基等の分岐鎖を有するアルキル基、アリール基等の立体的に嵩高い基を2以上有するオレフィン類を効率良く水素化することができる。そのような化合物としては、具体的には、スチルベン、ケイ皮酸エチル等が例示できる。
本発明において水素化を行う条件は限定されないが、溶媒中(液相)で行うことが好ましい。溶媒の種類は限定されず、水素化される有機化合物の種類に応じて適宜選択することができる。
水素化を行う方法も特に限定されない。例えば、水素化触媒を含む溶媒中で水素を吹き込みながら(バブリングしながら)、有機化合物を溶解させた溶液を滴下することにより行うことができる。滴下する有機化合物の濃度も、滴下する速度も限定されない。例えば、本発明の水素化触媒10mgに対して水素を吹き込む速度は、例えば、2〜200mL/分程度、好ましくは20mL/分程度とすることができる。
得られた化合物(水添化合物)は、ガスクロマトグラフのような公知の方法で確認することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳述する。
実施例1
<三次元的に絡合したカーボンナノチューブの製造>
130mLの1,4-ブタンジオール及び12.5gのジルコニウムテトライソプロポキシドを試験管に入れ、そこに更に30mLの1,4-ブタンジオール中を加えて、オートクレーブ中に設置した。オートクレーブを窒素置換した後、撹拌しながら2.5℃/分の速度で昇温し、300℃程度で2時間保持した。
生成物をメタノールで洗浄し、風乾させた後、大気雰囲気下で400℃程度で焼成を行い、粒径0.1〜5μm程度の球状ZrO2を得た。球状のZrO2が得られたことは、電子顕微鏡による観察で確認できた。
得られた球状ZrO2に対してニッケルの担持量が10wt%となるように、硝酸ニッケル水溶液中に含浸し、乾燥した後、大気雰囲気下で400℃程度で焼成を行い、球状担体上に金属粒子を担持した触媒:Ni/ZrO2を得た。
次に、このNi/ZrO2触媒をアルゴンガス中で昇温し、所定の反応温度(500〜700℃程度)に達した後にアルゴンガスの流通を止め、メタンガスの流通に切り替えた。メタンガスを40mL/分の流速で100〜200分程度反応させた。
得られた固形成分(カーボンナノチューブと触媒との混合物)を濃フッ酸水溶液中で撹拌して、触媒成分を溶解除去した後、単離したカーボンナノチューブを洗浄液が中性になるまで蒸留水で洗浄した。
得られたカーボンナノチューブが三次元的に絡合していることを透過型電子顕微鏡で確認した(図1)。
<本発明の水素化触媒の製造>
このようにして得られたカーボンナノチューブを、白金の担持量が5重量%となるように、65℃で塩化白金酸のエタノール溶液に含浸した。これを閉鎖循環系反応管に入れ、水素気流中で300℃で還元して触媒とした。
<本発明の水素化触媒を用いた有機化合物の水素化>
上記のようにして得られた本発明の水素化触媒を用いて、以下のようにして有機化合物を水素化した。まず、フラスコ中でスチルベン(トランス体)0.2gを12mLのトルエン中に溶解させ、そこに10mgの本発明の水素化触媒を添加し、流速20mL/分の水素ガスでバブリングして反応させた。
一定時間経過後、少量の溶液をサンプリングして生成物の組成をガスクロマトグラフィーにより分析した。水素化率の結果を図2(▲)に示す。
比較例1
水素化触媒として白金−活性炭素(白金担持量が5重量%)(和光純薬製)を使用した以外は、実施例1と同様にスチルベンの水素化を行った。結果を図2(◆)に示す。
比較例2
カーボンナノチューブの代わりにグラファイト(和光純薬)を用いた以外は実施例1と同様に水素化触媒を製造し、水素化反応を行った。結果を図2(●)に示す。
比較例3
カーボンナノチューブの代わりに活性炭(Darco G60;和光純薬)を用いた以外は実施例1と同様に水素化触媒を製造し、水素化反応を行った。結果を図2(■)に示す。
図2より、本発明の水素化触媒を用いることにより、嵩の高い有機化合物を非常に効率良く水素化できることがわかった。
比較例4
実施例1で得られた水素化触媒(▲)及び比較例1(◆)で用いた水素化触媒をそれぞれ用いて、trans-β-メチルスチレンの水素化を行った。結果を図3に示す。この図より、水素化反応の基質としてtrans-β-メチルスチレンを用いた場合には、本発明の水素化触媒を用いた場合でも市販の触媒を用いた場合でも、水素化の効率はあまり変わらないことがわかった。
三次元的に絡合したカーボンナノチューブの透過型電子顕微鏡写真を示す。 種々の水素化触媒を用いてスチルベンの水素化反応を行った場合の結果を示す。 種々の水素化触媒を用いてtrans-β-メチルスチレンの水素化反応を行った場合の結果を示す。

Claims (7)

  1. 三次元的に絡合したカーボンナノチューブに金属粒子が担持されてなる水素化触媒。
  2. 当該カーボンナノチューブが、金属粒子が球状担体に担持された触媒の存在下に炭化水素を熱分解することにより得られたものである請求項1記載の水素化触媒。
  3. 球状担体が、グリコサーマル法により得られた金属酸化物粒子である請求項2記載の水素化触媒。
  4. 金属粒子が貴金属の粒子である請求項2記載の水素化触媒。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の触媒の存在下に不飽和結合を有する有機化合物を水素化することを特徴とする水添化合物の製造方法。
  6. 不飽和結合を有する有機化合物が、分岐鎖を有するアルキル基及びアリール基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を2以上有するオレフィン類である請求項5記載の製造方法。
  7. 水素化を液相中で行うことを特徴とする請求項5記載の製造方法。
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