JP2005127361A - サーモスタット装置 - Google Patents

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浩 須田
Masahiro Tokunaga
匡洋 徳永
Katsuhiko Ishizuka
克彦 石塚
Susumu Mikami
晋 三上
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Abstract

【課題】 装置全体の構成を見直し、装置内部での通水抵抗を削減しサーモスタットとしての所要の流量特性を得ることができるサーモスタット装置を得る。
【解決手段】 ピストンロッド21aを熱膨張体の熱膨張、収縮により摺動させるサーモエレメント21を備えたサーモスタット装置20において、弁体22が着座可能に配置される弁座29を開口部内周縁に備えるフランジ状部材27に、最小開口径部分を有するとともに前記ピストンロッドの摺動方向の両端側を大径とするように湾曲形成された内面をもつリップ状筒部30を設ける。また、熱膨張体を内蔵するとともに前記弁体を備えるサーモエレメントの外周部に、該サーモエレメントのピストンロッド先端側を最小径とし弁体側を大径とするように湾曲形成されて前記弁体の弁座側の面に連続する外周面を有する整流用の筒状部33を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、たとえば自動車等に使用される内燃機関(以下、エンジンという)を冷却する冷却水を、熱交換器(以下、ラジエータという)との間で循環させるエンジンの冷却水回路において、冷却水の温度変化により作動することでエンジン冷却水の流れを切換えて冷却水温度を制御するために用いられる温度感知式自動弁であるサーモスタット装置に関する。
自動車用エンジンにおいて、これを冷却するためには、一般にはラジエータを用いた水冷式の冷却システムが使用されている。従来からこの種の冷却システムにおいては、エンジンに導入する冷却水の温度を制御できるように、ラジエータ側に循環させる冷却水量を調節する熱膨張体を用いたサーモスタットや電気制御によるバルブユニットが使用されている。
すなわち、上記の熱膨張体を用いたサーモスタットまたは電気制御によるバルブユニット等による制御バルブを、冷却水通路の一部、たとえばエンジンの入口側または出口側に介装し、冷却水温度が低い場合に、該制御バルブを閉じて冷却水をラジエータを経由せずバイパス通路を介して循環させ、また冷却水温度が高くなった場合は、制御バルブを開いて冷却水がラジエータを通して循環させることで、エンジン冷却水の温度を所要の状態に制御することができるものである。
サーモスタットを用いた自動車用エンジンの冷却システム(冷却水温度制御系)の全体の概要を、図5を用いて以下に説明する。
図5において、1はシリンダブロックおよびシリンダヘッドにより構成された内燃機関としての自動車用エンジンであり、このエンジン1のシリンダブロックおよびシリンダヘッド内には、矢印aで示した冷却水通路が形成されている。
2は熱交換器、すなわちラジエータであり、このラジエータ2には周知の通り冷却水通路が形成されており、ラジエータ2の冷却水入口部2aおよび冷却水出口部2bは、前記エンジン1との間で冷却水を循環させる冷却水回路3により接続されている。
この冷却水回路3は、エンジン1に設けられた冷却水の出口部1cからラジエータ2に設けられた冷却水の入口部2aまで連通する流出側冷却水路3aと、ラジエータ2に設けられた冷却水の出口部2bからエンジン1に設けられた冷却水の入口部1bまで連通する流入側冷却水路3bと、これら冷却水路3a,3bの途中の部位を接続するバイパス通路3cとから構成されている。
これらのエンジン1、ラジエータ2、冷却水路3によって冷却水循環路が形成されている。
このような冷却水回路3における冷却水の流れと流量とを、該冷却水の温度に応じて制御するためのサーモスタット装置5を、前記エンジン1の入口側の冷却水路3bの途中であって、ラジエータ2と前記パイパス通路3cからの冷却水を切換え制御できる交差部に設けている。なお、図中3dは該交差部からエンジン1の入口部1bに至る冷却水路である。
また、図5では図示を省略したが、エンジン1の入口部1b部分には、エンジン1の図示しないクランクシャフトの回転により回転軸が回転されて冷却水を冷却水路3内で強制的に循環させるためのウォータポンプが配置される。さらに、図中符号6はラジエータ2に強制的に冷却風を取り入れるための冷却ファンユニットである。
こような冷却水回路3における冷却水の流れは、サーモスタット装置5により切換え制御される。すなわち、冷却水温度が低いときは、冷却水をバイパス通路3cを介して循環させ、冷却水温度が高くなったときは該バイパス通路3cではなく、ラジエータ2側を循環させてエンジン1に冷却水を供給するように構成されている。
前記サーモスタット装置5は、図6に示すように、流体の温度変化により作動する作動体7の一端側(図中上側)に第1の弁体8を設け、その作動体7の他端側(図中下側)に第2弁体9を設け、第1の弁体8を弁閉位置に付勢する付勢手段であるコイルばね10と、本体フレーム11を備えている。
前記作動体7はいわゆるサーモエレメントと呼ばれるところであり、温度感知部7aとガイド部7bからなり、流体の温度を感知して膨張収縮するワックス等の熱膨張体7cを温度感知部7aに内蔵し、温度感知部7aの先端から延出したガイド部7bにピストンロッド7dを内嵌している。また、ピストンロッド7dの先端にはピストンロッド7dの先端を押える押受体12が設けられている。
前記第1の弁体8は、ガイド部7bに設けられており、押受体12が第1の弁体8の弁座となっている。また、押受体12は外側に水路との取付部となるフランジ状部分12aを突設している。12bはパッキンである。
前記第2の弁体9は温度感知部7aの後端から延出した弁棒13に止め具13aで取付けられており、その第2の弁体9と温度感知部7aとの間に介装したコイルばね14で第2の弁体9が弁棒13の端部側へばね付勢されている。
前記付勢手段であるコイルばね10は、第1の弁体8とフレーム11との間に縮退して設け、第1の弁体8を常時弁閉位置に付勢している。
このようなサーモスタット装置5は、第1の弁体8が冷却水路3bを開閉し、第2の弁体9がバイパス通路3cを開閉するように位置させており、次のように作動する。すなわち、温度感知部7a内の熱膨張体7cが冷却水温の上昇により膨張してピストンロッド7dを押圧することになり、作動体5がコイルばね10の付勢力に抗して作動する。これにより第1の弁体8が開放位置に移動して冷却水路3bを開放することになるとともに、第2の弁体9が弁閉位置に移動してバイパス通路3cを閉鎖することになる。また、冷却水温の下降により熱膨張体7cが収縮し、ピストンロッド7dの押圧力が弱まっていき、コイルばね10の付勢力で第1の弁体2を弁閉位置に移動して水路3bを閉鎖するとともに、第2の弁体9を弁開位置に移動してバイパス通路3cを開放することになる。
このようにサーモスタット装置5は、温度感知式自動弁としてエンジンの冷却水回路3内で、エンジンウォータジャケット1からの暖められた冷却水と、ラジエータ2からの冷された冷却水とを混合および切換えることで、エンジンウォータジャケット1に送られる冷却水温を適温に制御している(例えば、特許文献1参照)。
特許第3225386号公報
ところで、上述した従来のサーモスタット装置5によれば、以下のような不具合があった。
すなわち、従来のサーモスタット装置は、構造やコスト面での要求を満足するために、サーモスタットの機能として本来重視しなければならない流量特性は、サーモスタット全開流量時の流量を決定する弁体の開口径をを重視し、ハウジング形状、サーモスタット構造を工夫されたことはなかった。
そのため、高速回転まで回すエンジンやウォータポンプ入口部の抵抗が大きいエンジン、さらに最大流量が必要なエンジンにおいては、全開時の流量不足になったりキャビティションの発生により必要な流量を確保できなくなるなどの不具合を招いていた。
この理由としては、サーモスタット装置の主要構成部品であるエレメントが流体流路の中に位置していたり、弁座を構成するフランジの形状をプレスによる生産効率を優先して形成し、流体の流れまでを考慮していなかったからであった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、たとえばエンジンの冷却システムにおいて冷却水を冷却水温度に応じて制御して循環させるためのサーモスタット装置において全体の構成を見直し、装置内部での通水抵抗を削減し、サーモスタットとしての所要の流量特性を得ることができるサーモスタット装置を得ることを目的とする。
このような目的に応えるために本発明(請求項1記載の発明)に係るサーモスタット装置は、内燃機関の冷却水路に設けられ、冷却液の温度変化により熱膨張または収縮する熱膨張体を内蔵し、この熱膨張体の熱膨張、収縮により摺動するピストンロッドを有し、前記熱膨張体の体積変化に伴う前記ピストンロッドの摺動により弁体の開閉を行うサーモスタット装置において、前記弁体が着座可能に配置される弁座を開口部内周縁に備えるフランジ状部材には、最小開口径部分を有するとともに前記ピストンロッドの摺動方向の両端側を大径とするように湾曲形成された内面をもつリップ状筒部が設けられていることを特徴とする。
本発明(請求項2記載の発明)に係るサーモスタット装置は、請求項1記載のサーモスタット装置を具体的に限定したものであり、前記リップ状筒部は、フランジ状部材の開口部内周縁において周方向の一部を除いた部分に形成されていることを特徴とする。
本発明(請求項3記載の発明)に係るサーモスタット装置は、内燃機関の冷却水路に設けられ、冷却液の温度変化により熱膨張または収縮する熱膨張体を内蔵し、この熱膨張体の熱膨張、収縮により摺動するピストンロッドを有し、前記熱膨張体の体積変化に伴う前記ピストンロッドの摺動により弁体の開閉を行うサーモスタット装置において、前記熱膨張体を内蔵するとともに前記弁体を外周部に備えるサーモエレメントには、該サーモエレメントのピストンロッドの先端側を最小径とし弁体側を大径とするように湾曲形成されて前記弁体の弁座側の面に連続する外周面を有する整流用の筒状部が設けられていることを特徴とする。
本発明(請求項4記載の発明)に係るサーモスタット装置は、請求項3記載のサーモスタット装置を具体的に限定したものであり、前記弁体の弁座側であって前記整流用の筒状部の外周部に連続する面が、流体の流れに直交する平面部と、その外周縁部分において流体の流れに沿ったテーパ部とによって構成され、該平面部は、前記弁座の開口径の少なくとも半分以上の面積を占める大きさをもって形成されていることを特徴とする。
本発明(請求項5記載の発明)に係るサーモスタット装置は、請求項3または請求項4記載のサーモスタット装置を具体的に限定したものであり、前記整流用の筒状部は、前記弁体またはサーモエレメントを構成する部材の少なくともいずれか一方に一体に形成されていることを特徴とする。
本発明(請求項6記載の発明)に係るサーモスタット装置は、請求項3ないし請求項5のいずれか1項に記載のサーモスタット装置を具体的に限定したものであり、前記弁体が着座可能に配置される弁座を開口部内周縁に備えるフランジ状部材には、最小開口径部分を有するとともに前記ピストンロッドの摺動方向の両端側を大径とするように湾曲形成された内面をもつリップ状筒部が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、弁座となる開口端部分に形成したリップ状筒部やサーモエレメントにおける弁体の弁座側に近接する外周部に設けた整流用の筒状部による流体の通水機能によって、サーモスタット装置としての所要の流量特性を確保することができるのである。
特に、本発明によれば、サーモエレメントのピストンロッド先端を係止する係止部をもつキャップと別体に形成したフランジ状部材の開口部の開口縁部分を、流体の流れに対して通水抵抗を低減する方向、すなわちすぼまり方向または広がり方向に湾曲形成したリップ状筒状部によって、流体の流れを円滑に行える流体案内形状を得ることができるのである。
また、本発明によれば、サーモエレメントの外周部から弁体の弁座側の面にかけて湾曲する外周面をもつ整流用の筒状部を、一体的または一体に設けるだけで、所要の流量特性を得られる整流機能を得ることができるのである。特に、この整流用の筒状部の形状を調整することにより、バルブの開口面積を充分に確保し、また通水抵抗も低減できるから、円滑な流体の流れを確保することができ、流量特性が向上することになる。
以上説明したように本発明に係るサーモスタット装置によれば、フランジ状部材の弁座となる開口端部分に形成したリップ状筒部、あるいは弁体の弁座側でサーモエレメントの外周部との間に設けた整流用の筒状部による流体の通水機能によって、サーモスタット装置としての所要の流量特性を確保することができる。
特に、本発明によれば、サーモエレメントのピストンロッド先端を係止する係止部をもつキャップと別体に形成したフランジ状部材の開口部の開口縁部分を、流体の流れに対して通水抵抗を低減する方向、すなわちすぼまり方向または広がり方向に湾曲させる曲げ加工(カール加工またはテーパ加工)を施すことで、流体案内形状を得ているものであり、構造が簡単で加工性の面でも支障なく、コスト面でも有利である等の利点がある。
また、本発明によれば、弁体の流体流入側であってサーモエレメントの外周部にかけての湾曲面をもつ整流用の筒状部を、一体的または一体に設けた構成であるから、構造が簡単で加工、組立性の面でも優れ、しかも所要の流量特性を簡単に得られるという利点がある。特に、この整流用の筒状部の形状、平面部とテーパ部とを所要の関係で組み合わせて調整することにより、バルブの開口面積を充分に確保し、また通水抵抗も低減できるから、円滑な流体の流れを確保することができ、流量特性を向上させることができる。
図1ないし図4は本発明に係るサーモスタット装置の一つの実施の形態を示す。ここで、この実施の形態では、エンジンの冷却システムにおいてエンジンの入口側で冷却水路中に臨んで配置され、冷却水温度を制御するために用いた場合を説明する。
これらの図において、符号20で示す温度感知式自動弁であるサーモスタット装置は、前述した従来例を示す図5から明らかなように、ラジエータ2側の冷却水路3bと、エンジン出口部1c側からのバイパス通路3cとの交差部に付設され、これらの通路によって構成される第1、第2の流体流路での冷却水の流れを選択的に切り換えてエンジン入口部1bに至る冷却水路3dに給送するために用いられる。
このサーモスタット装置20は、図1、図2に示すように、冷却水の温度変化により作動する作動体としてのサーモエレメント21と、このサーモエレメント21に一体または一体的に設けられ第1、第2の流体流路を開閉するための第1、第2の弁体22,23と、第1の弁体22を弁閉位置に、第2の弁体23を弁開位置に付設する付勢手段であるコイルばね24と、これらの周囲を覆うカップ状を呈するフレーム25とを備えている。
なお、上述したサーモエレメント21は、その内部にワックス等の熱膨張体を内封し、流体の温度を感知することで熱膨張体の熱膨張、収縮によりピストンを駆動することにより、ピストンロッド21aを軸線方向に押出し、または退出動作させるものであるが、その詳細は周知の通りであり、ここでの説明は省略する。
また、前記フレーム25の上部には、後述するサーモエレメント21から突設されたピストンロッド21aの上端部を係止する係止部26aを、上端側に設けたキャップ26と、前記第1の弁体22に対応する弁座29を開口部内周縁に形成するフランジ状部材27とが、該フレーム25の上端側に一体的に連結して設けられている。
ここで、前記キャップ26は、図1ないし図3に示すように、帯状板材を側面視三角形状に屈曲させることにより上端側に係止部26aを形成するとともに、下端側の両端部が前記フランジ状部材27上に組み付けられ、溶接、ろう付け、半田付け、かしめ等によって固定される。また、前記フレーム25の上端部25aは、図2および図3に示すように、フランジ状部材27上にキャップ26の下端側を組み付けた状態で、溶接、ろう付け、半田付け、かしめ等で固定される。この実施の形態では、フレーム25の上端部25aを、フランジ状部材27、その上面に組み付けられるキャップ26の下端側の両端部にかしめ付けることで、これらの部材を一体化した場合を示している。図中25aはかしめ付けによる結合部である。
前記フランジ状部材27における開口部の内周縁部分に設けた弁座29と前記第1の弁体22とによって、第1の流体流路での冷却水の流れを開閉する第1のバルブが構成されている。また、前記第2の弁体23は、図示しないが、バルブハウジングの一部に開口する前記バイパス通路3cの開口端に対向し、その開口端を弁座としてその流路をサーモエレメント21の動きで開閉可能に構成されている。なお、23aは第2の弁体23を弾性支持するばねである。
本発明によれば、外周縁が被固定側であるハウジング部材(図示せず)に固定されるフランジ状部材27における開口部内周縁を、サーモエレメント21側の第1の弁体22が着座する弁座29としているサーモスタット装置20において、前記フランジ状部材27の開口部内周縁に、最小開口径部分を有するとともに前記ピストンロッド21aの摺動方向の両端側を大径とするように湾曲形成された内面をもつリップ状筒部30を設け、弁開時の通水抵抗を低減できるように構成したところを特徴としている。
ここで、このようなリップ状筒部30としては、このフランジ状部材27の開口部内周縁に全周にわたって設けることが望ましいが、上記キャップ26の下端側の両端部を設ける必要から、この実施の形態では、該キャップ26の下端部に対応する周方向の一部分を切り欠いて形成している。したがって、このキャップ26は、リップ状筒部30とは干渉しない形状で、しかも干渉しない状態で一体的に結合されていることになる。そして、このようにフランジ状部材27とキャップ26とを別体に構成し、上記のリップ状筒部30を設けることにより、サーモスタット装置20における第1のバルブでの流体流入側の開口面積を増大させることができるのである。
なお、このようなリップ状筒部30の向きは、図中下向き(流体流出側)であることが理想であるが、上向き(流体流入側)であってもよい。この向きが流体の流量制御に影響しないことは実験により確認されている。
さらに、キャップ26の下端側の両端部の形状をリップ状筒部30と干渉しない形状に変更することによって、フランジ状部材27の開口部内周縁に全周に設ける形態であってもよい。
また、本発明によれば、上述した構成において、サーモエレメント21における第1の弁体22aの流体流入側(弁座29側)に近接する外周部に、該サーモエレメント21のピストンロッド21aの先端側を最小径とし弁体側を大径とするように湾曲形成されて前記弁体22aの流体流入側(弁座29側)の面に連続する外周面を有する整流用の筒状部33を設け、弁開時に流体を前記弁体22aの外周縁に向かって導くように構成している。
ここで、この実施の形態では、整流用の筒状部33としての筒状部材を、図1等に示すように、サーモエレメント21の外周部に介装することで設けており、その外側面を、弁体22の外周縁に設けられているパッキン22aの外表面に連続して整流機能を果たすように形成されている。
なお、このような整流用の筒状部33は上述したパッキン22aと一体または一体的に形成してもよい。また、整流用の筒状部33は、前記弁体22を構成するプレート部の形状を上記の湾曲面が得られるように形成することで構成してもよい。換言すれば、プレート部のサーモエレメント21への取付部の折曲方向を逆向きにするとよい。さらに、サーモエレメント21側の部材と一体または一体的に形成することで、上記の整流用筒状部33を形成することや、サーモエレメント21側の部材と別部材で構成してもよく、種々の変形例が考えられる。
要は、整流用の筒状部33を設けることにより、弁体22の流体流入側から流体流出側への流体の流れを、通水抵抗を低減させた状態で円滑に行えればよい。
ここで、整流用の筒状部33においてのサーモエレメント21の外周面から弁体22の平坦な部分に至る整流面の曲率Rを小さくすると、サーモエレメント21の温度−リフト特性であってサーモスタット装置20が全開ではなく中間程度の開口になっている状態(以下、中間リフト時という)の流量が増し、全開リフト時の流量が減る。一方、曲率Rを大きくすると、中間リフト時の流量が減り、前記全開リフト時の流量が増えるという関係にある。これらのバランスを考えて、上記の曲率Rを設定することが必要である。
したがって、整流用の筒状部33におけるサーモエレメント21の外周面から弁体22の平坦な部分に至る整流面の曲率Rを変更することによって、同一のサーモスタット装置20において、温度−流量特性を変更することが可能となる。このため、たとえばサーモスタット装置20でのバルブの開き始めから中間程度までの流量を増やしたい場合は曲率Rを小さくし、温度上昇時やエンジン負荷が増大した場合等のバルブ全開時の特性を重視したい場合は曲率Rを大きくするとよい。
また、前記弁体22の流体流入側(弁座29側)であって前記整流用筒状部33の外周部から弁体22の外周縁に連続する面が、流体の流れに直交する平面部33aと、その外周縁部分において流体の流れに沿ったテーパ部33bとによって構成されている。
このような整流用の筒状部33を含む弁体22の流体流入側での平面部33aは、バルブの開弁時においてこの平面部33aと弁座29との間の開口面積を充分に確保するために機能する。また、テーパ部33bは前記弁体33と弁座29との間から流出する流体の流れを円滑にするための役割りを果たすところである。なお、上述したテーパ部33bは、バルブの閉弁時において、フランジ状部材27の開口部内周縁に形成されているリップ状筒部30の湾曲した内周面に密着して着座し、この部分をシールする。
ここで、平面部33aは、前記弁座29によるバルブ開口径の70%の面積または70%以上の面積を占める大きさをもって形成されている。すなわち、上記の平面部33aが小さく、また上記の曲率Rが大きいと、流体の流れはスムーズになるものの、実際の開口径である整流用の筒状部33の最小開口部径よりも、バルブの開弁時に弁座29との間の間隔が小さくなって流路が絞られることになる。これとは逆に、平面部33aが開口径に対して100%近くになり、曲率Rが小さくなると、バルブの開弁時に弁座29との間の間隔が大きくなって流路は広がるが、弁体22の流体流入側での流れが直角に近づき、円滑な流れを得にくいためで、これらの不具合を解消するには、上述した70%かそれ以上の面積をもって形成するとよい。
以上の構成によれば、フランジ状部材27における弁座29となる開口部内周縁部分に形成したリップ状筒部30や弁体22の流体流入側に設けた整流用の筒状部33による流体の通水機能によって、サーモスタット装置20としての所要の流量特性を確保することができるのである。このような構成によるサーモスタット装置20によるサーモスタットリフト量に対する流量特性を、図4に示しており、図中細い実線で示す従来の量産品に比べて約20%向上することが実験により確認されている。
なお、本発明は上述した実施の形態で説明した構造には限定されず、サーモスタット装置20を構成する各部の形状、構造等を適宜変形、変更し得ることはいうまでもない。
たとえば、上述した実施の形態では、フランジ状部材27の開口部内周縁にリップ状筒部30を形成し、また弁体22の流体流入側に整流用の筒状部33を設けた場合を説明したが、本発明はこれに限定されず、リップ状筒部30、整流用の筒状部33の少なくともいずれか一方を設けた場合でもあっても、所要の効果を発揮し得るものである。
また、上述した実施の形態では、サーモスタット装置20を、エンジン冷却水回路においてエンジン1の入口部1b側に組み込んだ例を説明したが、本発明はこれに限定されず、エンジン1の出口部1c側に組み込んだ場合においても、同等の作用効果が得られることは言うまでもない。このときの流体(冷却水)の流れは逆になる。
本発明に係るサーモスタット装置の一実施の形態を示し、サーモスタット装置全体の概略構成を説明するための要部断面図である。 図1のサーモスタット装置の平面図である。 図1、図2のサーモスタット装置の正面図である。 リフト−流量特性を示すグラフである。 サーモスタット装置をエンジンの入口側に組み込んだエンジン冷却水回路を示す説明図である。 従来のサーモスタット装置の一例を説明するための要部断面図である。
符号の説明
1…エンジン、1b…エンジン入口部、1c…エンジン出口部、2…ラジエータ、3…冷却水回路、3a,3b…冷却水路、3c…バイパス通路、3d…冷却水路、20…サーモスタット装置、21…サーモエレメント、21a…ピストンロッド、22…第1の弁体、23…第2の弁体、24…コイルばね(付勢手段)、25…フレーム、26…キャップ、26a…係止部、27…フランジ状部材、29…第1の弁座、30…リップ状筒部、33…整流用の筒状部、33a…平面部、33b…テーパ部。

Claims (6)

  1. 内燃機関の冷却水路に設けられ、冷却水の温度変化により熱膨張または収縮する熱膨張体を内蔵し、この熱膨張体の熱膨張、収縮により摺動するピストンロッドを有し、前記熱膨張体の体積変化に伴う前記ピストンロッドの摺動により弁体の開閉を行うサーモスタット装置において、
    前記弁体が着座可能に配置される弁座を開口部内周縁に備えるフランジ状部材には、最小開口径部分を有するとともに前記ピストンロッドの摺動方向の両端側を大径とするように湾曲形成された内面をもつリップ状筒部が設けられていることを特徴とするサーモスタット装置。
  2. 請求項1記載のサーモスタット装置において、
    前記リップ状筒部は、フランジ状部材の開口部内周縁において周方向の一部を除いた部分に形成されていることを特徴とするサーモスタット装置。
  3. 内燃機関の冷却水路に設けられ、冷却水の温度変化により熱膨張または収縮する熱膨張体を内蔵し、この熱膨張体の熱膨張、収縮により摺動するピストンロッドを有し、前記熱膨張体の体積変化に伴う前記ピストンロッドの摺動により弁体の開閉を行うサーモスタット装置において、
    前記熱膨張体を内蔵するとともに前記弁体を外周部に備えるサーモエレメントには、該サーモエレメントのピストンロッドの先端側を最小径とし弁体側を大径とするように湾曲形成されて前記弁体の弁座側の面に連続する外周面を有する整流用の筒状部が設けられていることを特徴とするサーモスタット装置。
  4. 請求項3記載のサーモスタット装置において、
    前記弁体の弁座側であって前記整流用の筒状部の外周部に連続する面が、流体の流れに直交する平面部と、その外周縁部分において流体の流れに沿ったテーパ部とによって構成され、
    該平面部は、前記弁座の開口径の少なくとも半分以上の面積を占める大きさをもって形成されていることを特徴とするサーモスタット装置。
  5. 請求項3または請求項4記載のサーモスタット装置において、
    前記整流用の筒状部は、前記弁体またはサーモエレメントを構成する部材の少なくともいずれか一方に一体に形成されていることを特徴とするサーモスタット装置。
  6. 請求項3ないし請求項5のいずれか1項に記載のサーモスタット装置において、
    前記弁体が着座可能に配置される弁座を開口部内周縁に備えるフランジ状部材には、最小開口径部分を有するとともに前記ピストンロッドの摺動方向の両端側を大径とするように湾曲形成された内面をもつリップ状筒部が設けられていることを特徴とするサーモスタット装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010084743A (ja) * 2008-10-02 2010-04-15 Fuji Seiko Kk サーモスタット装置

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