JP2005125407A - 調質圧延機における形状制御方法 - Google Patents

調質圧延機における形状制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ワークロールベンダーと中間ロールベンダーを具備した6重式の調質圧延機による調質圧延に際し、オペレータが介入することなしに鋼板形状を目標範囲内に迅速に入れる形状制御を行うことを可能とした形状制御方法を提供する。
【解決手段】 鋼板の規格・寸法毎に形状パラメータの目標範囲を実形状との関係に基づいて予め定めておき、前記鋼板の規格・寸法の変更点が調質圧延機を通過する際に、鋼板の形状の制御目標を当該変更点後の鋼板に応じた目標範囲に設定し、次いで調質圧延後の鋼板形状を目標範囲に入れる形状フィードバック制御を各ロールベンダーを組み合わせて行うとともに、ライン速度の加減速に伴う圧延荷重の荷重変動量に応じて荷重補正ベンダー圧を計算し、各ロールベンダーのベンダー圧に加えて、鋼板の形状制御を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、連続焼鈍後の冷延鋼板(以下、単に鋼板とも言う。)の調質圧延を行う調質圧延機における形状制御方法に関する。
近年、冷延鋼板は、連続焼鈍炉、調質圧延機、精整処理装置が連続的に配置された一連の連続製造ラインに通板されて製品とされるようになっている。このような連続製造ラインにおける調質圧延機としては、従来から6重式の圧延機が広く利用されている。また鋼板の調質圧延においては、調質圧延機出側に設置された形状検出器で調質圧延後のストリップ形状を検出し、調質圧延後の鋼板形状を目標形状に近づける形状フィードバック制御が実施されている(特許文献1)。
なお6重式の調質圧延機は、図8に示すように、鋼板1を挟圧する上下のワークロール(WR)13と、更にその上下に配置される中間ロール(IMR)12、バックアップロール(BUR)11の6段構成とされている。そして、バックアップロール(BUR)11のチョックをミル圧下装置14で圧下することで調質圧延を行う。また、ワークロール(WR)13と中間ロール(IMR)12には、それぞれワークロールベンダー(WRベンダー)16、中間ロールベンダー(IMRベンダー)15が設けられており、その組み合わせ方と、各ロールベンダーのベンダー圧の調整によって鋼板の形状制御を行っている。
例えば、形状検出器で検出した調質圧延後のストリップ形状を高次関数近似して鋼板の形状制御を行うに当たり、4次式を用い、その係数を組み合わせた形状パラメータΛ1〜Λ4を用いることが知られている。ここで、形状パラメータΛ1〜Λ4は、例えば、非特許文献1にて説明されている。
ところで、6重式の調質圧延機における形状制御方法に関し、例えば特許文献1には、中間ロール位置をシフトさせるとともに、ワークロールのベンディング制御を行うことで板材の形状不良を防止し、板形状を平坦且つ均一にする調質圧延方法が開示されている。
特許第2541989号公報 社団法人日本鉄鋼協会 共同研究会 圧延理論部会編、「板圧延の理論と実際」、1984年、p98
しかしながら、連続焼鈍後の鋼板の調質圧延を行う場合には、形状フィードバック制御だけでは応答性が悪いため、実際には実用に供され難いのが現状である。すなわち、連続焼鈍後の鋼板の調質圧延では頻繁に、ライン速度の加減速が行われ、それに伴って圧延荷重が変動する。
そのため、オペレータが形状検出器で検出される形状パラメータ(急峻度など)を見て形状判定を行い、調質圧延機の圧下荷重、ワークロールのベンダー圧、中間ロールのベンダー圧を手動介入することで鋼板形状を制御している。従って、調質圧延における鋼板の形状精度は、オペレータの経験と技量によって決まってしまうと言っても過言ではなかった。
また特許文献1の方法は、中間ロールシフト装置を具備していない6重式の調質圧延機には適用することができなかった。
本発明は、ワークロールベンダーと中間ロールベンダーを具備した6重式の調質圧延機による調質圧延に際し、オペレータが介入することなしに迅速に鋼板形状が目標範囲内となるように形状制御を行う形状制御方法を提供するものである。
本発明は、ワークロールとバックアップロール間に中間ロールを配置した6重式圧延機により、焼鈍後の鋼板の調質圧延を行う際にワークロールベンダーと中間ロールベンダーを用いて鋼板の形状制御を行う調質圧延機における形状制御方法であって、前記鋼板の規格・寸法毎に形状パラメータの目標範囲を実形状との関係に基づいて予め定めておき、前記鋼板の規格・寸法の変更点が調質圧延機を通過する際に、鋼板形状の制御目標を当該変更点後の鋼板に応じた形状パラメータの目標範囲に設定し、次いで調質圧延後の鋼板形状が該目標範囲内となるように形状フィードバック制御を各ロールベンダーを組み合わせて行うとともに、ライン速度の加減速に伴う圧延荷重の荷重変動量に応じて荷重補正ベンダー圧を計算し、該荷重補正ベンダー圧を各ロールベンダーのベンダー圧に加えて、鋼板の形状制御を行うことを特徴とする調質圧延機における形状制御方法である。
その際、前記鋼板形状を4次式関数で近似し、近似した4次式関数の2次、4次の係数で以下のように、定義した対称成分を表す形状パラメータΛ、Λを用い、あるいはさらに1次、3次の係数で定義した非対称成分を表す形状パラメータΛ、Λを用いて、鋼板の形状制御を行うことが好ましい。
Λ=λ+λ、Λ4=(1/2)・λ+(1/4)λ
Λ=λ+λ、Λ=(1/√3)・λ+(1/3√3)・λ
ただし、λ、λ、λ、λは、鋼板形状yとして伸び率を取り、幅方向には板幅で無次元した座標x(−1≦x≦1)を取って、次の4次式関数で近似した場合の係数
y=λ+λ・x+λ・x+λ・x+λ・x
また前記鋼板形状の制御目標を以下に示す重み付き形状δ2、δ3あるいはさらにδ1として鋼板の形状制御を行うことが好ましい。
δ1=ΔΛ+α・ΔΛ
ΔΛ1-=Λ−Λ 、ΔΛ3-=Λ−Λ
ただしΛ 、Λ :形状パラメータΛ、Λの目標値範囲、0≦α≦1
δ2=ΔΛ2+β・ΔΛ4
δ3=ΔΛ2−γ・ΔΛ4
ΔΛ=Λ−Λ 、ΔΛ4-=Λ−Λ
ただしΛ 、Λ :形状パラメータΛ、Λの目標値範囲、0≦β≦1、
0≦γ≦1
またさらに前記形状パラメータの目標範囲を設定する際に、形状パラメータの許容範囲も設定し、前記調質圧延機の出側に設置した形状検出器で検出した鋼板形状のデータに基づいて鋼板形状の合否判定を行うことが好ましい。
本発明によれば、形状制御の自動化を達成でき、オペレータが介入することなしに迅速に鋼板形状が目標範囲内となるように形状制御を行うことが可能となる。したがって従来に比べて、効率よく鋼板形状を平坦且つ均一にできるという優れた効果が得られる。
本発明の調質圧延機における形状制御方法は、連続焼鈍後の鋼板の調質圧延を行う図1に示すような形状制御システムに好適に適用される。
図1の形状制御システムは、バックアップロール(BUR)11、中間ロール(IMR)12、ワークロール(WR)13を配置した6重式の調質圧延機10と、鋼板の形状を制御するアクチュエータであるワークロールベンダー16及び中間ロールベンダー15(図8参照)と、調質圧延機10出側に設置された形状検出器2と、形状制御装置(DDC)3を備え、形状制御装置(DDC)3には、プロセス計算機(P/C)4とその上位の上位計算機(O/C)5が接続されている。
焼鈍後の鋼板1を調質圧延するに際しては、調質圧延後の鋼板1形状が形状検出器2で検出され、形状実績が形状制御装置3に取り込まれる。また圧延荷重も形状制御装置3に取り込まれ、形状制御装置3により本発明の形状制御が具体的に実行され、中間ロール12に対するIMRベンダー指令とワークロール13に対するWRベンダー指令が出力される。その際、鋼板の規格・寸法毎に予め定めた形状パラメータの目標範囲が上位計算機5からプロセス計算機4を介して形状制御装置3に入力される。なお形状検出器2としては、例えば、幅方向に一定の、例えば50mm程度のピッチで鋼板の形状を測定することができる圧電素子を用いた検出器を用いることができる。
図1中、Aは規格・寸法の変更点を示し、規格・寸法の変更点Aは、連続した圧延を行うために鋼板同士が溶接により接続されている溶接点等である。通常、鋼板の規格・寸法の変更点Aが、調質圧延機10を通過する際、低速で、例えば通板時の最高速度の5%程度で通板し、この間は制御の不感帯とし、ワークロールベンダー及び中間ロールベンダーによる制御は中断される。
本発明の調質圧延機における形状制御方法は、鋼板の規格・寸法の変更点Aが調質圧延機10を通過する際、すなわち上記のようにワークロールベンダー及び中間ロールベンダーによる形状制御を中断し、鋼板が調質圧延機を上記のような低速で通板する間に、形状の制御目標を当該変更点A後の鋼板に応じた目標範囲に設定し、次いで鋼板の規格・寸法の変更点Aが調質圧延機10を通過後、通速速度が上記低速をこえると中断していた制御を再開し、調質圧延後の鋼板形状を目標範囲に入れる形状フィードバック制御を行う。調質圧延後の鋼板形状は、調質圧延機10の出側に設置した形状検出器2で検出される。
また、上記形状フィードバック制御とともに、後述する荷重補正ベンダー制御を併用して鋼板の形状制御を行う。
ここで、前記の形状パラメータの目標範囲は、鋼板1の規格・寸法毎に実形状に基づいて予め定めておく。例えば図2、図3には、本発明を適用した調質圧延機10で調質圧延時の鋼板1の形状パラメータΛ2、Λ4の値をそれぞれ横軸に取り、一方当該箇所の実際の形状をオフラインで測定し、腹延び、耳延び形状として縦軸に取って示した。
この調質圧延時の鋼板1の形状パラメータΛ2、Λ4と、実際の鋼板形状の関係から、腹延びがXmm以下、耳延びがYmm以下となるΛ2、Λ4の許容範囲を定めた。したがって調質圧延機において鋼板1の形状制御を行う際、形状パラメータの目標範囲をこのΛ2、Λ4の許容範囲内に設定し、調質圧延後の鋼板形状がΛ2、Λ4の目標範囲内となるようにすることにより、実際の鋼板形状を腹延びXmm以下、耳延びYmm以下とすることができる。
なお図2、図3には、板厚が1.0mm未満、板幅が1000mm未満の低炭素鋼について示した。
ここで前記形状パラメータΛ2、Λ4は、鋼板形状の幅方向分布を4次式関数で近似し、近似した4次式関数の2次、4次の係数で次のように定義した、幅中央に対して対称な対称成分を表す形状パラメータである。
Λ=λ+λ、Λ4=(1/2)・λ+(1/4)λ
また幅中央に対して非対称な非対称成分を表す形状パラメータΛ、Λは、近似した4次式関数の1次、3次の係数で次のように定義される。
Λ=λ+λ、Λ=(1/√3)・λ+(1/3√3)・λ
ただし、λ、λ、λ、λは、鋼板形状yとして一般に伸び率を取り、幅方向には板幅で無次元した座標x(−1≦x≦1)を取って、式(1)の4次式関数で近似した場合の係数である。
y=λ+λ・x+λ・x+λ・x+λ・x・・・(1)
代表的な鋼板形状を図4、図5に示す。図4には幅中央に対して対称な鋼板形状を示し、図5には幅中央に対して非対称な鋼板形状を示す。ただし、幅中央における伸び率を基準(λ=0)として示した。
このように鋼板形状を4次式関数で近似し、その係数で定義した形状パラメータΛ〜Λを用いると、精度よく、迅速に鋼板形状を表すパラメータを得ることができるので好ましい。
形状パラメータΛ〜Λを用いたときの具体的な鋼板形状の制御目標は以下に示す重み付き形状偏差δ2、δ3あるいはさらにδ1とし、重み付き形状偏差δ2、δ3あるいはさらにδ1を比例積分し、それに基づいて各ロールベンダーのベンダー圧を操作するようにした。
δ1=ΔΛ+α・ΔΛ ・・・・・(2)
ΔΛ1-=Λ−Λ 、ΔΛ3-=Λ−Λ
ただしΛ 、Λ :形状パラメータΛ、Λの目標値範囲、0≦α≦1
δ2=ΔΛ2+β・ΔΛ4 ・・・・・(3)
δ3=ΔΛ2−γ・ΔΛ4 ・・・・・(4)
ΔΛ=Λ−Λ 、ΔΛ4-=Λ−Λ
ただしΛ 、Λ :形状パラメータΛ、Λの目標値範囲、0≦β≦1、
0≦γ≦1
前記形状パラメータΛ、Λを用いた制御目標δ2、δ3によれば、例えば図4に示したような幅中央に対して対称な鋼板形状をそれぞれ制御することできる。また形状パラメータΛ、Λを用いた制御目標δ1は、必要な場合に付加することができ、制御目標δ1によれば、例えば図5に示したような幅中央に対して非対称な鋼板形状を制御することができる。各ロールベンダーの具体的な操作は表1のようになる。
Figure 2005125407
図6、図7により、形状パラメータΛ、Λを用いた場合の鋼板形状の変化を説明する。この場合、形状パラメータΛ、Λを用いた鋼板形状の制御は行っていない。
図6のモニタの画面中、21は、鋼板形状が軌跡22を経て点21に到達したことを示している。23は、現在6重式の調質圧延機10(図1および図8参照)により調質圧延されている鋼板形状の許容範囲を示し、24は、同鋼板形状の目標範囲を示す。
このモニタの画面中には、鋼板形状が目標範囲24を逸脱している状態は示していないが、鋼板形状が目標範囲24の外側の許容範囲23を逸脱し、4隅の近くにあると急速に鋼板形状が目標範囲24に近づき、例えば図6に示す軌跡22の始まりにつながるように形状制御が行われる。すなわち形状制御の開始時に、鋼板形状が図6中、右上隅近くの単純な耳伸び形状または左下隅近くの単純な腹伸び形状であると、主として対称成分を制御対称とする制御(重み付き形状偏差δ2による各ロールベンダーの操作)が働き、右下隅近くのクオータ伸び形状または左上隅近くの対称複合成分伸び形状であると、主として対称複合成分を制御対称とする制御(重み付き形状偏差δ3による各ロールベンダーの操作)が働き、急速に鋼板形状を目標範囲24に近づけることができる。そして、これらの形状パラメータΛ、Λを用いた、対称成分を制御対称とする制御と、対称複合成分を制御対称とする制御とが相まって、確実にかつ迅速に鋼板形状を目標範囲24内に入れることができるのである。
図7においてモニタの画面には、形状の許容範囲23と、許容範囲23に収まる形状の目標範囲24のみが示されている。
ところで、本発明における鋼板の形状制御では、鋼板の規格・寸法の変更点が調質圧延機を通過した後に、前述したような形状フィードバック制御とともに、荷重補正ベンダー制御を併用する。
この荷重補正ベンダー制御は、ライン速度の加減速に伴う圧延荷重の荷重変動量に応じて荷重補正ベンダー圧指令値(kN/chock)を算出し、算出した荷重補正ベンダー圧指令値(kN/chock)を各ロールベンダー毎にベンダー圧指令値(kN/chock)に加えて荷重変動量に起因する形状の変化を補正する形状制御を行うものである。
具体的な制御は、形状制御装置(DDC)3内において、下記の計算式にてΔF(kN/chock)を求め、4箇所のロールベンダーに対して共通の補正を行うようにするため、4等分して、ΔF/4を各ロールベンダーのベンダー圧指令値(kN/chock)に重畳する。ΔFは、調整ゲインKpfの項と、モデルにより合わせ込んだ板幅の影響係数を計算する項と、調質圧延和荷重からベンダー圧を除いた、実質の荷重変動量の線圧換算を計算する項の3つの項を乗じて算出する。
Figure 2005125407
W :板幅mm
P :調質圧延和荷重(kN)
IMR :IMRベンダー圧実績(片側チョック当り) (kN/chock)
WR :WRベンダー圧実績(片側チョック当り) (kN/chock)
pf :調整ゲイン
a、b:定数
L : 制御のロックオン値を表す添字
なお、計算式の定数a、bは、荷重のロール軸方向に対する均一な線圧、鋼板の板幅、各ベンダー圧(chock当り)を種々変更してロールたわみを計算した後、鋼板のエッジ部から一定位置、例えば25mmの位置での板クラウン量を整理して適正ベンダー圧を計算することで導出したものとすればよい。制御のロックオン値は、一連の鋼板を接続して行う連続した圧延の初期において圧延が安定した際に形状制御装置(DDC)3内に記憶させた値である。
以上説明したように本発明は、鋼板の規格・寸法毎に形状パラメータの目標範囲を実形状との関係に基づいて予め定めておき、前記鋼板の規格・寸法の変更点が調質圧延機を通過する際、すなわち前記制御の不感帯が調質圧延機を通過中に、鋼板形状の制御目標を当該変更点後の鋼板に応じた目標範囲に設定し、次いで調質圧延後の鋼板形状が目標範囲内となるように形状フィードバック制御を各ロールベンダーを組み合わせて行うとともに、ライン速度の加減速に伴う圧延荷重の荷重変動量に応じて荷重補正ベンダー圧を計算し、各ロールベンダーのベンダー圧に加えて、鋼板の形状制御を行う。
したがって本発明によれば、鋼板の規格・寸法毎に予め形状パラメータの目標範囲を定めたので、鋼板の規格・寸法変更に際して迅速に形状制御できるとともに、荷重補正ベンダー圧を計算し、各ロールベンダーのベンダー圧に加えるようにしたから、形状フィードバック制御だけで行うよりも迅速に各ロールベンダーを操作することができ、荷重変動量に起因する形状の変化を補正することができる。
また本発明の鋼板の形状制御では、形状制御の目標がある範囲を持っていることから、ベンダー圧が発散することを防止することができ、かつ目標形状に正確に制御することができる。またオペレータは、図6のモニタの画面、あるいはさらに非対称な形状パラメータΛ、Λを用いた鋼板の形状制御を実施している場合には図7のモニタの画面を監視し、鋼板の形状が目標範囲24内に収束していることを確認する。ただし、形状の許容範囲23を外れそうになった場合には、必要な手介を行うことも可能とされている。
また本発明の鋼板の形状制御では、形状パラメータの目標範囲だけでなく前記鋼板の規格・寸法毎に許容される形状の許容範囲を設定し、形状検出器2で検出した鋼板形状のデータを形状制御装置(DDC)3から上位計算機5に送り、上位計算機5において、上記形状の許容範囲内か否かを判断して鋼板形状の合否判定を行うようにしている。この機能を利用することによって、形状検出器2で検出した鋼板形状のデータに基づいて形状厳格材などの形状の判定を厳密に行うことができるので好ましい。
本発明の実施例を図9に示す。
図9は、6重式の調質圧延機で鋼板を調質圧延した際の出側速度、圧延荷重、ワークロールと中間ロールのベンダー圧、形状パラメータΛ2とΛ4の時間的な推移を示したものである。なお、本実施例では、鋼板の形状制御に、鋼板の規格・寸法毎に前述のようにして予め定めた形状パラメータΛ2、Λ4を用いた。また、荷重補正ベンダー圧指令値の計算式の定数は、鋼板のエッジ部から25mmの位置での板クラウン量を整理して導出した。
本実施例では、鋼種・寸法の変更後に、別の作業の必要からオペレータが出側速度を変更しており、一時的な速度変動があるものの、形状フィードバック制御に加えて、ライン速度の加減速に伴う圧延荷重の変動に対して荷重補正ベンダー制御を併用していることから、ワークロールベンダー及び中間ロールベンダーに対してのオペレータによる手介は一切無く、鋼板の形状制御を行うことに成功している。
その際、極低炭材から低炭材への規格・寸法の変更点が調質圧延機を通過するに際しては、形状の制御目標を、通板する低炭材について予め定めた形状パラメータの目標範囲Λ=−1.0〜−0.1、Λ=−0.2〜0.4、許容範囲Λ=−1.3〜0.2、Λ=−0.4〜0.6に設定を変更したので、ワークロールベンダー及び中間ロールベンダーが鋼板形状を低炭材の形状パラメータの目標範囲にすべく、動作しており、また低炭材を通板中にライン加減速があっても、Λ、Λは安定しており、形状は平坦かつ均一となっており、また形状は上記許容範囲内であり、合格範囲内であることがわかる。
これに対して、図10に示す本発明を実施する前の調質圧延機における鋼板形状のタイムチャートから、本発明を実施する前には、ライン速度の加減速に伴う圧延荷重の変動によって鋼板形状が形状の許容範囲を外れる箇所が発生していることがわかる。そして鋼板形状が形状の許容範囲を外れた場合には、オペレータによる手介を実施して形状制御し、Λ、Λが許容範囲内となるようにした。
本発明を適用する調質圧延機の形状制御システムの概要を示す模式図である。 実際の鋼板形状と形状パラメータΛ2の関係を例示する図である。 実際の鋼板形状と形状パラメータΛ4の関係を例示する図である。 形状パラメータΛ2、Λ4を説明する図である。 形状パラメータΛ、Λを説明する図である。 対称制御を行う形状フィードバック制御のモニタ画面の模式図である。 非対称制御を行う形状フィードバック制御のモニタ画面の模式図である。 調質圧延機の6段のロールと圧下装置の配置を示す模式図である。 本発明の形状制御方法を適用した実施例のタイムチャートである。 本発明を適用する前の鋼板形状のタイムチャートである。
符号の説明
A 変更点
1 鋼板
2 形状検出器
3 形状制御装置(DDC)
4 プロセス計算機(P/C)
5 上位計算機(O/C)
10 調質圧延機
11 バックアップロール(BUR)
12 中間ロール(IMR)
13 ワークロール(WR)
14 ミル圧下装置
15 中間ロールベンダー(IMRベンダー)
16 ワークロールベンダー(WRベンダー)
21 点
22 軌跡
23 形状の許容範囲
24 形状の目標範囲

Claims (4)

  1. ワークロールとバックアップロール間に中間ロールを配置した6重式圧延機により、焼鈍後の鋼板の調質圧延を行う際にワークロールベンダーと中間ロールベンダーを用いて鋼板の形状制御を行う調質圧延機における形状制御方法であって、前記鋼板の規格・寸法毎に形状パラメータの目標範囲を実形状との関係に基づいて予め定めておき、前記鋼板の規格・寸法の変更点が調質圧延機を通過する際に、鋼板形状の制御目標を当該変更点後の鋼板に応じた形状パラメータの目標範囲に設定し、次いで調質圧延後の鋼板形状が該目標範囲内となるように形状フィードバック制御を各ロールベンダーを組み合わせて行うとともに、ライン速度の加減速に伴う圧延荷重の荷重変動量に応じて荷重補正ベンダー圧を計算し、該荷重補正ベンダー圧を各ロールベンダーのベンダー圧に加えて、鋼板の形状制御を行うことを特徴とする調質圧延機における形状制御方法。
  2. 前記鋼板形状を4次式関数で近似し、近似した4次式関数の2次、4次の係数で以下のように定義した対称成分を表す形状パラメータΛ、Λを用い、あるいはさらに1次、3次の係数で定義した非対称成分を表す形状パラメータΛ、Λを用いて、鋼板の形状制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の調質圧延機における形状制御方法。
    Λ=λ+λ、Λ4=(1/2)・λ+(1/4)λ
    Λ=λ+λ、Λ=(1/√3)・λ+(1/3√3)・λ
    ただし、λ、λ、λ、λは、鋼板形状yとして伸び率を取り、幅方向には板幅で無次元した座標x(−1≦x≦1)を取って、次の4次式関数で近似した場合の係数
    y=λ+λ・x+λ・x+λ・x+λ・x
  3. 前記鋼板形状の制御目標を以下に示す重み付き形状δ2、δ3あるいはさらにδ1として鋼板の形状制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の調質圧延機における形状制御方法。
    δ1=ΔΛ+α・ΔΛ
    ΔΛ1-=Λ−Λ 、ΔΛ3-=Λ−Λ
    ただしΛ 、Λ :形状パラメータΛ、Λの目標値範囲、0≦α≦1
    δ2=ΔΛ2+β・ΔΛ4
    δ3=ΔΛ2−γ・ΔΛ4
    ΔΛ=Λ−Λ 、ΔΛ4-=Λ−Λ
    ただしΛ 、Λ :形状パラメータΛ、Λの目標値範囲、0≦β≦1、
    0≦γ≦1
  4. 前記形状パラメータの目標範囲を設定する際に、形状パラメータの許容範囲も設定し、前記調質圧延機の出側に設置した形状検出器で検出した鋼板形状のデータに基づいて鋼板形状の合否判定を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の調質圧延機における形状制御方法。
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KR101289106B1 (ko) 2010-12-27 2013-07-23 주식회사 포스코 선재 압연에 있어서 출측 소재 형상 및 특성 예측 장치 및 방법
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CN116748297A (zh) * 2023-06-25 2023-09-15 张家港宏昌钢板有限公司 一种翘曲钢板平整处理方法

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