JP2005125161A - ロータリ式塗装装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 複数のワークを効率良く連続的に塗装可能なロータリ式塗装装置を提案すること。
【解決手段】 ロータリ式塗装装置１は、間歇回転する円盤状の回転テーブル３と、この回転テーブル３の周方向に等角度間隔で複数本取り付けられたワークキャリア４と、回転テーブル３の回転により塗装位置Ｐに移動したワークキャリア４を回転駆動するキャリア回転機構５と、塗装位置Ｐにおいて自転するワークキャリア４に担持され、自転しているワーク２に塗料を吹き付ける上下一対のスプレーガン６Ａ、６Ｂと、スプレーガン昇降機構６とを有している。塗装位置Ｐにおいて、ワーク２を自転させながら、上側からスプレーガン６Ａにより、下側からスプレーガン６Ｂにより塗料をワーク２に吹き付けることにより、ワーク２の外面全体が確実に塗装される。
【選択図】 図１

Description

本発明は、金属部品、樹脂部品などのワークを回転させながら塗装するロータリ式塗装装置に関するものである。

金属部品、樹脂部品などのワーク表面の塗装作業では、一般に、複数のワークを塗装台に置き、スプレーガンなどの塗装具を往復移動させながらワークに塗料を吹き付けるようにしている。ワークの一方の側の表面部分を塗装した後は、ワークを反転させて反対側の表面部分を上方に向け、再度、スプレーガンなどを往復移動させながら塗料の吹き付けを行う。

このような塗装作業においては、一方の側から塗料をワークに吹き付け、しかる後にワークを反転あるいはワークの向きを変更して再度塗料を吹き付ける必要があるので、連続した一連の吹き付け作業によってワークの塗装を完了することができない。また、円筒状のワークのように、外周面および両端面を備えているワークの場合には、塗料の吹き付け方向を切り換えないと、外周面および両端面のそれぞれに塗料を吹き付けることができない。このように、従来の塗装作業では、ワークの反転あるいは向きの変更作業が必要であり、また、スプレーガンなどの塗装具を吹き付け方向を変更しながら塗装作業を行う必要がある。

本発明の課題は、このような点に鑑みて、効率良く連続して複数のワークを塗装可能なロータリ式塗装装置を提案することにある。

上記の課題を解決するために、本発明のロータリ式塗装装置は、
ワークを担持するワークキャリアと、
前記ワークキャリアを塗装位置を経由するループ状の搬送路に沿って搬送する搬送機構と、
前記塗装位置に到った前記ワークキャリアをその中心軸線回りに回転させるキャリア回転機構と、
前記塗装位置において前記ワークキャリアによって回転している前記ワークの表面に塗料を吹き付ける第１および第２スプレーガンと、
前記第１および第２スプレーガンを前記ワークキャリアの中心軸線に沿った方向に移動させるスプレーガン移動機構とを有し、
前記第１スプレーガンのスプレー方向は前記回転中心線に直交する方向に対して一方の側に傾斜した方向であり、前記第２スプレーガンのスプレー方向は他方の側に傾斜した方向であることを特徴としている。

ここで、搬送路は一般に水平な円形軌道とされる。この場合には、前記搬送機構は、テーブル中心点を通る垂線を中心として回転自在の状態に支持されているリング状の回転テーブルと、前記回転テーブルを回転させるテーブル回転機構とを備えた構成とされ、前記ワークキャリアは、前記回転テーブルに回転自在の状態で垂直に支持されていると共に、当該回転テーブルの円周方向に沿って等角度間隔に配列された構成とされる。

また、塗装位置に到ったワークキャリアのみをその中心軸線の回りに回転させるためには、前記キャリア回転機構を、前記ワークキャリアに同軸状態に固定した従動ローラと、前記塗装位置に到った前記従動ローラに対して所定の押圧力で外接可能な位置に配置されている駆動ローラとを備えた構成とすればよい。

さらに、搬送路が水平な円形軌道の場合には、ワークキャリアが垂直に回転テーブルに取り付けられ、そこにワークが垂直に担持される構成が一般的である。この場合には、前記第１スプレーガンのスプレー方向を下向きに傾斜した方向とし、前記第２スプレーガンのスプレー方向を上向きに傾斜した方向とすればよい。

また、この場合には、前記回転テーブルを、前記ワークキャリアのそれぞれが前記塗装位置に至る毎に一定期間だけ静止するように間歇的に回転し、前記塗装位置において自転しているワークに対して、前記第１および第２スプレーガンの上昇時に前記第２スプレーガンから塗料を前記ワークに吹き付け、それらの下降時には前記第１スプレーガンから塗料を前記ワークに吹き付けるようにすればよい。このようにすれば、ワークの表面全体を確実に塗装できる。

本発明のロータリ式塗装装置では、円形などのループ状の搬送路に沿ってワークが順位に塗装位置に向けて搬送される。塗装位置においては、ワークキャリアが自転するので、そこに担持されているワークも自転する。この状態で、ワークキャリアの回転中心線の方向に移動するスプレー方向の異なる第１および第２のスプレーガンによってワーク外面に塗料が吹き付けられる。従って、本発明によれば、円筒状などの外形形状をしたワークの外周面、上端面および下端面の塗装を連続的に行うことができ、しかも効率良く行うことができる。

以下に、図面を参照して、本発明を適用したロータリ式塗装装置の一例を説明する。

図１はロータリ式塗装装置を示す斜視図である。ロータリ式塗装装置１は、例えば円筒状のワーク２の外面（外周面および上下の端面）を塗装するためのものである。ロータリ式塗装装置１は、ワーク塗装位置Ｐを経由する円形のワーク搬送路に沿ってワークを搬送し、ワーク塗装位置においては、自転しているワーク２の外面に上下一対の塗装用スプレーガン６Ａ、６Ｂを昇降させながら塗料を吹き付けるように構成されている。

詳細に説明すると、ロータリ式塗装装置１は、水平に配置されたリング状の回転テーブル３と、この回転テーブル３に円周方向に沿って等角度間隔で垂直に配置された複数本のワークキャリア４と、回転テーブル３の回転により塗装位置Ｐに移動したワークキャリア４をその中心軸線回りに回転させるキャリア回転機構５と、キャリア回転機構５により回転するワークキャリア４に担持されているワーク２に塗料を吹き付ける上下一対のスプレーガン６Ａ、６Ｂと、これらスプレーガンを昇降させる昇降機構６と、装置架台７とを有している。

装置架台７の上面には、クロスローラベアリングなどの不図示のスラスト軸受を介して、回転テーブル３がそのテーブル中心回りに回転自在の状態で支持されている。回転テーブル３の円形内周面には摩擦内周面３１が形成されており、この摩擦内周面３１にはテーブル駆動モータ３２の出力軸に固着した駆動摩擦ローラ３３が係合している。回転テーブル３の回転角度位置はマイクロスイッチなどのセンサ３４によって検出可能となっており、この回転テーブル３の回転は装置架台７に取り付けた制御盤８によりセンサ出力に基づき制御される。

リング状の回転テーブル３には、その円周方向に沿って等角度間隔で垂直に複数本のワークキャリア４が取り付けられている。ワークキャリア４は回転テーブル３に垂直に取り付けた円筒４１と、この円筒４１によって回転自在の状態で支持されているスピンドル４２と、このスピンドル４２における円筒４１の下端から下方に突出している部分に同軸状態に取り付けた金属製の従動ローラ４３と、スピンドル４２の上端に形成されたワーク担持部４４とを備えている。この構成のワークキャリア４をその中心軸線の回りに回転させるためのキャリア回転機構５は、制御盤８によって駆動されるスピンドル駆動モータ５１と、ベルト・プーリ式動力伝達機構５２を介してモータ５１によって駆動されるウレタン製の駆動ローラ５３とを備えている。

図２はキャリア回転機構５の動作説明図である。図２（ａ）に示すように、ワークキャリア４が塗装位置Ｐに位置していない場合にはキャリア回転機構５とは離れている。しかるに、図２（ｂ）に示すように、駆動ローラ５３は、塗装位置Ｐに到ったワークキャリア４の従動ローラ４３に対して、所定の押圧力で内側から外接可能な位置に配置されている。従って、塗装位置Ｐに到ったワークキャリア４のスピンドル４２は駆動モータ５１によってその中心軸線回りに回転するので、その上端に同軸状態で担持されているワーク２もその中心軸線回りに回転する。回転テーブル３が回転して、ワークキャリア４が塗装位置Ｐから離れると、従動ローラ４３と駆動ローラ５３の当接状態が解除され、ワークキャリア４、従ってワーク２の自転が止む。

一方、回転テーブル３の中心位置には、装置架台７に支持された昇降機構６が配置されている。この昇降機構６によって上下一対のスプレーガン６Ａ、６Ｂが一定のストロークで昇降する。昇降機構６は、垂直なリニアガイド６１と、このリニアガイド６１によって昇降するスプレーガン支持部材６２とを備えている。上側のスプレーガン６Ａは、塗装位置Ｐに到ったワーク２に対して下向きに一定角度傾斜した方向に塗料を吹き付けるように、その向きが定められている。下側のスプレーガン６Ｂは、同一角度で上向きに塗料を吹き付けるように、その向きが定められている。昇降機構６およびスプレーガン６Ａ、６Ｂの駆動制御は制御盤８によって行われる。

図３はスプレーガンの動作説明図であり、本例では、図３（ａ）に示すように、下降時には上側のスプレーガン６Ａによって吹付けが行われ、図３（ｂ）に示すように、上昇時には下側のスプレーガン６Ｂによって吹付けが行われる。

この構成のロータリ式塗装装置１の動作を説明する。各ワークキャリア４にワーク２を担持させ、回転テーブル３を回転させる。回転テーブル３は、各ワークキャリア４が塗装位置Ｐに到る毎に一定期間静止する間歇回転を行う。ワークキャリア４が塗装位置Ｐに到ると、ワークキャリア４が自転し、そこに担持されているワーク２も自転する。この状態において、上下一対のスプレーガン６Ａ、６Ｂが昇降しながら、自転しているワーク２に対して塗料を吹き付ける。従って、ワーク２の外周面２ａは勿論のこと、その上端面２ｂおよび下端面２ｃにも確実に塗料が吹き付けられ、ワーク２の外面全体が確実に塗装される。

回転テーブル３が再び一定角度だけ回転すると、次のワークキャリア４が塗装位置Ｐに到り、同様にしてワーク２への塗装が行われる。塗装後のワーク２は、例えば、予め定めたワークアンロード位置においてワークキャリア４から取り外される。また、例えば、予め定めたワークロード位置において新たなワーク２が取り付けられる。このようにして、連続的にワーク２の塗装が行われる。この代わりに、ワークキャリア４にワーク２を担持させた後に、全てのワーク２に塗装が行われた後に一括してワーク２を取り外して、新たなワーク２を担持させる等のバッチ方式で塗装を行ってもよい。

本発明を適用した塗装装置を示す斜視図である。 （ａ）、（ｂ）は、それぞれ図１に示す塗装装置のキャリア回転機構の動作説明図である。 （ａ）、（ｂ）は、それぞれ図１に示す塗装装置のスプレーガンの動作説明図である。

符号の説明

１ ロータリ式塗装装置
２ ワーク
３ 回転テーブル
４ ワークキャリア
５ キャリア回転機構
６ 昇降機構
６Ａ、６Ｂ スプレーガン
７ 装置架台
８ 制御盤
３１ 摩擦内周面
３２ モータ
３３ 駆動摩擦ローラ
３４ センサ
４１ 円筒
４２ スピンドル
４３ 従動ローラ
４４ ワーク担持部
５１ モータ
５３ 駆動ローラ
６１ リニアガイド
６２ スプレーガン支持部材

Claims (5)

1. ワークを担持するワークキャリアと、
   前記ワークキャリアを塗装位置を経由するループ状の搬送路に沿って搬送する搬送機構と、
   前記塗装位置に到った前記ワークキャリアをその中心軸線回りに回転させるキャリア回転機構と、
   前記塗装位置において前記ワークキャリアによって回転している前記ワークの表面に塗料を吹き付ける第１および第２スプレーガンと、
   前記第１および第２スプレーガンを前記ワークキャリアの中心軸線に沿った方向に移動させるスプレーガン移動機構とを有し、
   前記第１スプレーガンのスプレー方向は前記回転中心線に直交する方向に対して一方の側に傾斜した方向であり、前記第２スプレーガンのスプレー方向は他方の側に傾斜した方向であるロータリ式塗装装置。
2. 請求項１において、
   前記搬送機構は、テーブル中心点を通る垂線を中心として回転自在の状態に支持されているリング状の回転テーブルと、前記回転テーブルを回転させるテーブル回転機構とを備え、
   前記ワークキャリアは、前記回転テーブルに回転自在の状態で垂直に支持されていると共に、当該回転テーブルの円周方向に沿って等角度間隔に配列されているロータリ式塗装装置。
3. 請求項２において、
   前記キャリア回転機構は、前記ワークキャリアに同軸状態に固定した従動ローラと、前記塗装位置に到った前記従動ローラに対して所定の押圧力で外接可能な位置に配置されている駆動ローラとを備えているロータリ式塗装装置。
4. 請求項２または３において、
   前記第１スプレーガンのスプレー方向は下向きに傾斜した方向であり、前記第２スプレーガンのスプレー方向は上向きに傾斜した方向であるロータリ式塗装装置。
5. 請求項４において、
   前記回転テーブルは前記ワークキャリアのそれぞれが前記塗装位置に至る毎に一定期間だけ静止するように間歇的に回転し、
   前記塗装位置において自転しているワークに対して、前記第１および第２スプレーガンの上昇時に前記第２スプレーガンから塗料を前記ワークに吹き付け、それらの下降時には前記第１スプレーガンから塗料を前記ワークに吹き付けるロータリ式塗装装置。

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