JP2005121441A - Muc−1定量による間質性肺炎発症を予測する検査方法 - Google Patents

Muc−1定量による間質性肺炎発症を予測する検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、薬剤、特にインターフェロン投与により引き起こされる間質性肺炎の発症を、インターフェロンを投与する前から予測することにある。
【解決手段】インターフェロン投与により間質性肺炎を発症した患者では、血清中MUC-1/KL-6値が、インターフェロン投与前から異常高値を示すことが明らかとなり、血清中MUC-1/KL-6値を測定することによりインターフェロン投与による間質性肺炎の発症を予測できることが可能となった。
【選択図】図2

Description

本発明は、MUC-1を定量することにより、薬剤投与による間質性肺炎発症を予測する検査方法、及びその方法に用いるMUC-1抗原を定量する検査試薬に関する。
インターフェロンαは、C型慢性肝炎の治療に広く用いられている。インターフェロンαの副作用として、頻度は低いものの重篤な間質性肺炎が報告されている(非特許文献1)。間質性肺炎はインターフェロンの投与が続けられる限り進行するので、インターフェロン投与の初期から注意深く患者を観察することが求められる(非特許文献2)。
血清中LDH量が間質性肺炎の診断を補完するものとして使用されてきたが、LDHは多くの疾患で非特異的に上昇するため間質性肺炎のマーカとしては不適である。最近、肺上皮組織特異的な蛋白、例えばKL-6抗原(以下MUC-1と称す、非特許文献3)、疎水性サーファクタント蛋白A(非特許文献4)及びD(非特許文献5)(それぞれSP-A、SP-D)が間質性肺炎の診断に用いられるようになった。これら肺上皮特異的な蛋白質の血清中レベルが上昇するのは、間質性肺炎により、肺における血管の空気との間の透過性が上昇するためであると考えられている(非特許文献6)。
MUC-1は2型肺胞上皮細胞及び気管支上皮細胞に強く発現している高分子量ムチン型糖蛋白質であり(非特許文献3)、血清中MUC-1は、間質性肺炎、過敏性肺炎、類肉腫症(sarcoidosis)、放射線肺炎の70〜100%で上昇するが、非間質性の肺疾患の患者では見られない(非特許文献6)。また血中MUC-1の定量値が、特発性肺繊維症を予見するのに有用であることが報告されている(非特許文献7)。
SP-A及びSP-Dは、末梢気道の非睫毛性上皮細胞、クラーラ細胞、2型肺胞細胞に発現し、血清中のSP-A及びSP-D量を測定することが、特発性間質性肺炎の診断と予測に有用であることが報告されている(非特許文献4,5,8)。
しかしながら、これまでにインターフェロン投与により誘発される間質性肺炎を予測できるマーカは知られていない。
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本発明の課題は、インターフェロン投与による間質性肺炎の発症を予測できる検査方法、並びに検査試薬を開発することにある。
本発明者らは、インターフェロン投与により間質性肺炎を発症する患者では、C型肝炎ウイルスへの免疫応答等により、投与前に既に不顕性に間質性肺炎を発症しており、インターフェロンで免疫が賦活することによって間質性肺炎を発症するに至るのではないかと考えた。そして、感度特異性共に優れるMUC-1の測定により、不顕性に発症している間質性肺炎を見出すことができれば、ひいてはインターフェロン投与による間質性肺炎の発症を予測できるのではないかと考えた。
本発明者らは、インターフェロン投与により間質性肺炎を発症した患者血清中のMUC-1が、投与前から既に正常値を超えた高値を示すことを見出し、MUC-1を定量することで間質性肺炎の発症予測が可能であることを明らかにして、本発明を完成するに到った。
すなわち本発明は、以下に関する。
1.薬剤投与による間質性肺炎の発症を予測する検査方法であって、体液中のMUC-1を定量し、正常値より高値を示した場合に、間質性肺炎を発症する可能性が高いと判断する検査方法。
2.薬剤がインターフェロンである1に記載の検査方法。
3.MUC-1を測定する方法が免疫化学的方法である、1または2に記載の検査方法。
4.MUC-1を測定する方法が免疫化学的方法がKL-6抗体を使う方法である、3に記載の検査方法。
5.MUC-1を免疫化学的方法により定量することを特徴とする、薬剤投与による間質性肺炎の発症を予測する検査試薬。
6.MUC-1を定量する免疫化学的方法が、KL-6抗体を使う方法である5に記載の検査試薬。
本発明により、インターフェロン投与による間質性肺炎の発症を予測することが可能となった。
以下に本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本明細書中において体液とは、生体より採取された血液・血漿・血清・肺洗浄液等を意味するものである。
本発明では、不顕性に発症している間質性肺炎が薬剤の投与をきっかけに、間質性肺炎となる可能性のあることを見出したものであるから、投与される薬剤はインターフェロンに限られないが、好ましくは免疫応答に影響を与える薬剤、更に好ましくはインターフェロン、更にはインターフェロンαである。
MUC-1とは、2型肺胞上皮細胞及び気管支上皮細胞に強く発現している高分子量ムチン型糖蛋白質であり(非特許文献3)、モノクローナル抗体Ma552, Ma695, DF3, FH6(Tumor Biol; 19(suppl), 134-146, 1998)、KL-6(Int. J. Cancer; Supplement 8, 81-83, 1994)と反応する抗原として同定される。
MUC-1抗原を認識するモノクローナル抗体としては、Ma552, DF3, FH6(Tumor Biol; 19(suppl 1), 134-146, 1998)、KL-6(Int. J. Cancer; Supplement 8, 81-83, 1994)が知られており、該文献に記載の方法により作製が可能である。また、Ma552、DF3は、それぞれコスモ・バイオ社、DAKO社より市販されている。
ここでKL-6抗体は、特許2011158に記載された抗体である。
MUC-1抗原を認識するモノクローナル抗体で、好ましいのはKL-6抗体である。KL-6抗体を作製する方法は特許2011158に記載されている。
KL-6抗体をコートしたカップあるいはビーズ、及び酵素あるいはルテニウム(Ru)標識したKL-6抗体は、エイテストKL-6あるいはピコルミKL-6として三光純薬(株)から販売されている。
MUC-1を測定する方法としては、免疫化学的方法・電気泳動・クロマトグラフィ等が考えられる。電気泳動としては、ポリアクリルアミド電気泳動を行ってチトクロムをバンドとして検出する方法、キャピラリー電気泳動でピークとして検出する方法等がある。また、クロマトグラフィーとしては、高速液体クロマトグラフィーでピークとして検出する方法等がある。場合によっては感度を上げるために、蛍光標識することも許されるが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
MUC-1を測定する方法としては、感度・簡便性から免疫化学的方法が好ましい。ここで免疫化学的方法とは、MUC-1に対する抗体を用いて、MUC-1を定量する方法である。免疫化学的方法としては、MUC-1を標識する競合法、抗体を標識するサンドイッチ法、抗体コートしたビーズの凝集を観察するラテックスビーズ法等、様々な方法があるが、MUC-1に対する抗体を用いた方法であれば、本発明に含まれる。抗体はモノクローナル抗体でも、ポリクローナル抗体でも良い。また標識する方法にも、放射性同位元素による標識、電気化学発光する化合物による標識、蛍光標識、酵素標識、ビオチン標識等、様々な方法があるが、本発明はこれらの例に限られるものではない。抗体の作製法及び標識法は、例えば続生化学実験講座5 免疫生化学研究法(社団法人日本生化学会編 株式会社東京化学同人発行)および新生化学実験講座12 分子免疫学 III(社団法人日本生化学会編 株式会社東京化学同人発行)に記載されている。
MUC-1を測定する免疫化学的方法の例として、以下にサンドイッチ法についてステップを追って説明する。
1).MUC-1に対する抗体をビーズあるいはカップ上に固相化する。固相化する抗体は、必要な感度、好ましくは100 U/ml、更に好ましくは50 U/mlのMUC-1が測定できる感度が得られる抗体であれば、ポリクローナル抗体であってもモノクローナル抗体であっても許される。抗体としてはKL-6抗体が好ましい。ビーズはマイクロビーズでもよく、その場合は磁性体のマイクロビーズが好ましい。固相化は、共有結合により結合させても非共有結合により結合させても構わない。通常、ビーズあるいはカップ上の非特異的な結合部位をふさぐため、ウシ血清アルブミン(BSA)・カゼイン等の蛋白質、Tween 20等の界面活性剤でブロッキング操作を行う。
2).検体を、必要であればウシ血清アルブミン(BSA)・カゼイン等の蛋白質、Tween 20等の界面活性剤を含むバッファーで希釈し、ビーズあるいはカップに加える。また、既知の量のMUC-1も同様に希釈して加える。
3).ビーズあるいはカップを、できればTween 20等の界面活性剤を含むバッファーで洗浄後、できればウシ血清アルブミン(BSA)・カゼイン等の蛋白質、Tween 20等の界面活性剤を含むバッファーで希釈された標識抗MUC-1抗体を加える。標識抗体は、必要な感度、好ましくは100 U/ml、更に好ましくは50 U/mlのMUC-1が測定できる感度が得られる抗体であれば、ポリクローナル抗体であってもモノクローナル抗体であっても許される。抗体としてはKL-6抗体が好ましい。
4).ビーズあるいはカップを、できればTween 20等の界面活性剤を含むバッファーで洗浄後、標識に応じた方法、放射性標識であれば放射活性を、酵素標識であれば酵素活性を測定する。また、ビオチン化標識であれば更に標識アビジンを加えて、標識に応じた方法で測定する。
5).既知量のMUC-1を含む検体の測定値から検量線を作成し、検体中に含まれるMUC-1量を計算する。
以上のステップにより、検体中のMUC-1が定量される。
更に本発明は、インターフェロン投与による間質性肺炎の発症を予測する検査試薬にも関する。その一例として、サンドイッチ法によりMUC-1を測定する測定試薬は、例えば1).抗MUC-1抗体コートカップ、あるいは抗MUC-1抗体コートビーズ、2).標識抗MUC-1抗体を含み、好ましくは更に3).既知濃度のMUC-1標準溶液、4).希釈液、5).洗浄液を含有する試薬である。更に酵素標識であれば、6).発色基質、7).反応停止液が含まれてもよい。
本発明で開示されるMUC-1の検査方法ならびに検査試薬は、インターフェロン投与による間質性肺炎の発症を予測するために用いることができる。
本発明で開示されるMUC-1の検査方法ならびに検査試薬により測定されたMUC-1の定量値が、間質性肺炎を発症していない患者、好ましくは健常人のMUC-1定量値の分布から外れて(UNL、upper limit of normal)高値の場合、その患者はインターフェロン投与により間質性肺炎を発症する可能性が高いと判断される。UNLは、暫定的に間質性肺炎であると診断するUNLである500 U/mlとしても良い。
MUC-1は、インターフェロン投与による間質性肺炎発症の可能性を的確に知るための有用な指標となり得る。
以下に、具体的な例をもって本発明を示すが、本発明はこれに限られるものではない。%は、特記しない限り質量%である。
[実施例1]患者の背景
対象とした患者は、1992年1月から2000年7月にかけて、国立療養所東京病院消化器科でインターフェロンαの投与を受けた558名のC型慢性肝炎患者患者であり、そのうち6名(1.1%)が間質性肺炎を発症した。リバビリン投与を受けた患者と受けなかった患者の両方を含む。このうち1名の患者(症例5)は、インターフェロンαの投与中1993年に間質性肺炎を発症し、その回復後にインターフェロンα-2bとリバビリンの併用療法を受けて再度2002年に間質性肺炎を発症した症例である。再度の発症までの9年間の間、この患者は呼吸器系疾患を罹患しなかったため、2回の発症は独立した2症例(5-1及び5-2)として扱った。
またインターフェロン投与により発症した間質性肺炎の診断基準は、1).インターフェロン投与以前に呼吸器系疾患がないこと;2).インターフェロンの投与中に呼吸器系の症状が発症したこと;3).胸部CT及びX線で浸潤性の影が両側下部または肺全域にわたって現れること;4).肺機能及び動脈血液ガス分析に異常が見られること、5).感染症が無いこと、である。
表1に間質性肺炎を発症した7症例の背景を載せた。7例中3例に呼吸器系の既往歴が認められたが、投与開始時には呼吸器系の症状は見られなかった。
また表2には、各症例のC型慢性肝炎ウイルスの型、ウイルスRNA量、AST、ALT検査値及び肝組織像の所見をまとめた。
Figure 2005121441
Figure 2005121441
表3に各症例の治療経過をまとめた。どの症例も間質性肺炎の発症に伴って、治療を中止している。平均したインターフェロンの総投与量は427 MU、平均投与期間は2.5ヶ月である。
Figure 2005121441
[実施例2]間質性肺炎を発症した6症例のMUC-1(KL-6)、LDH、SP-A及びSP-Dの測定
以降の実施例中では、MUC-1値はKL-6抗体により測定しているので、MUC-1値をKL-6と記載している。また血清検体は-80℃に保存し、以下の測定に用いた。
血清中のKL-6は、市販のEIAキット(エイテストKL-6、三光純薬社製)により測定した。同様に血清中のSP-Aは、非特許文献4で報告された方法により、SP-Dは市販のEIAキット(SP-D EIAキット、ヤマサ社製)により測定した。それぞれの正常値の最大値(UNL)は、MUC-1が500 U/ml、SP-Aが43.8 ng/ml、SP-Dが110 ng/mlである。
また、その時のLDHのUNLは国立療養所東京病院の基準に従い、1993年9月までは399 IU/Iに、それ以降は474 IU/Iとして計算した。
インターフェロン投与により間質性肺炎を発症した7症例について、インターフェロン投与前及び、間質性肺炎発症後にKL-6、LDH、SP-A及びSP-Dを測定した結果を図1に示す。
間質性肺炎発症時の異常高値出現率は、KL-6:100%、LDH:100%、SP-A:71%及びSP-D:29%であった。また間質性肺炎発症後の異常高値出現率は、KL-6:71%、LDH:57%、SP-A:0%及びSP-D:0%であった。インターフェロン投与により間質性肺炎を発症した7症例症例中5例で(再発である症例5-2を除くと6例中5例で)、投与前からKL-6が異常高値を示すことが見出された。
[実施例3]インターフェロン投与により間質性肺炎を発症した症例と発症しなかった症例での、インターフェロン投与前のKL-6測定値の比較
インターフェロン投与による間質性肺炎発症例で、インターフェロン投与前からKL-6値が異常高値を示す症例が多く見られたことから、間質性肺炎を発症した患者の最低年齢(症例3及び6の54歳)を下回らない年齢の患者から、インターフェロンの投与により間質性肺炎を発症しなかった48名のC型慢性肝炎患者患者を無作為に抽出して投与前のKL-6値を測定した。間質性肺炎発症例と比較した結果を図2に示す。
間質性肺炎発症例の異常高値出現が7例中5例(71%)であるのに対し、間質性肺炎非発症例48例中の異常高値出現はわずか3例(6%)であり、異常高値の出現率は間質性肺炎発症例で有意(P=0.003)に高かった。また、KL-6測定値も間質性肺炎発症例で543±105 U/ml、非発症例で304±98 U/mlであり、間質性肺炎発症例で有意(P=0.0001)に高かった。
以上の結果より、インターフェロン投与により間質性肺炎を発症する患者では、既に不顕性に間質性肺炎を発症しており、インターフェロン投与により顕在化した可能性が示唆された。インターフェロン投与前にKL-6を測定することは、インターフェロン投与中の間質性肺炎発症の予測に有用であることが示された。
インターフェロン投与により間質性肺炎を発症した患者では、血清中MUC-1/KL-6値が、インターフェロン投与前から異常高値を示すことが明らかとなり、血清中MUC-1/KL-6値を測定することによりインターフェロン投与による間質性肺炎の発症を予測できることが可能となった。
インターフェロン投与により間質性肺炎を発症した7症例の、インターフェロン投与前及び、間質性肺炎発症後のMUC-1(KL-6)、LDH、SP-A及びSP-Dの測定値。 インターフェロン投与により間質性肺炎を発症した症例と発症しなかった症例での、ンターフェロン投与前のMUC-1(KL-6)測定値の比較。

Claims (6)

  1. 薬剤投与による間質性肺炎の発症を予測する検査方法であって、体液中のMUC-1を定量し、正常値より高値を示した場合に、間質性肺炎を発症する可能性が高いと判断する検査方法。
  2. 薬剤がインターフェロンである請求項1に記載の検査方法。
  3. MUC-1を測定する方法が免疫化学的方法である、請求項1または請求項2に記載の検査方法。
  4. MUC-1を測定する方法が免疫化学的方法がKL-6抗体を使う方法である、請求項3に記載の検査方法。
  5. MUC-1を免疫化学的方法により定量することを特徴とする、薬剤投与による間質性肺炎の発症を予測する検査試薬。
  6. MUC-1を定量する免疫化学的方法が、KL-6抗体を使う方法である請求項5に記載の検査試薬。
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