JP2005119315A - 加飾シート成形用金型 - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱や型締め力により金型面に加飾シートが付着しない加飾シート成形用金型を提供する。
【解決手段】 基体シート1上に少なくとも加飾層2が形成された加飾シートを金型面にクランプ材3で押し付けて保持した状態で成形加工するための加飾シート成形用金型であって、該加飾シートと接触するクランプ面またはこれに対応する金型面金型面の平均表面粗をRaが0.01〜30.0×10−3mmにする。
【選択図】 図5

Description

この発明は、加飾シート成形用金型に関する。
従来、基体シート上に種々の模様を有する加飾層が形成された加飾シートがあった。
加飾シートは、通常、平面状から所望の立体形状に変形させて使用される。加飾シートを立体形状に変形させる具体的な方法としては次の2例がある。
(1)加飾シートを雌型の凹部の周囲の金型面にクランプ材で押し付け、加熱して軟化状態とした加飾シートを真空吸引して雌型の凹部に吸い付けた後、立体形状となった加飾シートを常温に冷却することにより成形加工する方法。
(2)加熱して軟化状態とした加飾シートを射出成形用金型の雄型と雌型との間に挟み込んで型締めとともに雄型の凸部により雌型の凹部に押し込むか、あるいは、常温のままの加飾シートを射出成形用金型の雄型と雌型との間に挟み込んで射出された溶融樹脂の熱圧により加飾シートを軟化状態として雌型の凹部に押し込み、加飾シートを常温に冷却することにより成形加工する方法。
しかし、加飾シートが加熱される工程で、熱により加飾シートの基体シート側または加飾層側に付着性が生じ、その付着性が生じた部分が金型面またはクランプ面に接触するときに付着しやすくなり、前記(1)のクランプ材の押し付けや(2)の型締めによる外力がかかると付着はより強固なものとなる。このため、金型面またはこれに対応するクランプ面から加飾シートを引き離す際、加飾シートを構成する基体シートまたは加飾層の一部が凝集破壊または層間剥離して、加飾シートに欠損が生じたり、凝集破壊片が雌型に残留したりするという問題点が生じる(図3参照)。
なお、「付着性が生じ」るとは、加飾シートの材質中に含まれている可塑剤が熱によって表面に溶出してべとついたり、熱によって加飾シートがやわらかくなったりして金型面に付着しやすくなることをいう。また、金型面に対する付着性の大きさは、基体シート側と加飾層側とでは異なる。その理由は、基体シートと加飾層とでは使用する樹脂の可塑剤の含有量や使用する樹脂の融点(Tm)、軟化温度が異なるからである。
したがって、この発明は上記のような問題ができるだけ少ない加飾シート成形用金型を提供することを目的とする。
この発明は、次のようにした。
請求項1に記載したように、基体シート上に少なくとも加飾層が形成された加飾シートを金型面にクランプ材で押し付けて固定した状態で、加飾シートに形成された加飾層と金型形状との位置精度を保って成形加工するための加飾シート成形用金型であって、該加飾シートと接触するクランプ面またはこれに対応する金型面の平均表面粗さRaが0.01〜30.0×10−3mmであることを特徴とする加飾シート成形用金型とした。
請求項2に記載したように、上記加飾シート成形用金型が樹脂成形品用真空成形金型である加飾シート成形用金型としてもよい。
請求項3に記載したように、基体シート上に少なくとも加飾層が形成された加飾シートを雄型と雌型との間に挟み込み押し付けて固定した状態で、加飾シートに形成された加飾層と金型形状との位置精度を保って成形加工するための加飾シート成形用金型であって、加飾シートを挟み込んだときに加飾シートと接触する雄型または雌型の少なくとも一方の金型面の平均表面粗さRaが0.01〜12.5×10−3mmであることを特徴とする加飾シート成形用金型としてもよい。
請求項4に記載したように、上記加飾シート成形用金型が樹脂成形品用射出成形金型であである加飾シート成形用金型であってもよい。
この発明の加飾シート成形用金型は、基体シート上に少なくとも加飾層が形成された加飾シートを金型面にクランプ材で押し付けて固定した状態で、加飾シートに形成された加飾層と金型形状との位置精度を保って成形加工するための加飾シート成形用金型であって、該加飾シートと接触するクランプ面またはこれに対応する金型面の平均表面粗さRaが0.01〜30.0×10−3mmである。
また、この発明の加飾シート成形用金型は、基体シート上に少なくとも加飾層が形成された加飾シートを雄型と雌型との間に挟み込み押し付けて固定した状態で、加飾シートに形成された加飾層と金型形状との位置精度を保って成形加工するための加飾シート成形用金型であって、加飾シートを挟み込んだときに加飾シートと接触する雄型または雌型の少なくとも一方の金型面の平均表面粗さRaが0.01〜12.5×10−3mmである。
したがって、加飾シートが加熱される工程で、熱により加飾シートの基体シート側の表面または加飾層側の表面に付着性が生じ、かつ、クランプ材や型締めによる外力がかかっても、金型面に加飾シートが付着しない。したがって、金型面から加飾シートを引き離す際、加飾シートを構成する基体シートまたは加飾層の一部が凝集破壊や層間剥離して、凝集破壊片が成形用金型に残留したり、加飾シートが欠損したりすることがない。
この発明の加飾シート成形用金型は、基体シート上に少なくとも加飾層が形成された加飾シートを金型面にクランプ材で押し付けて固定した状態で、加飾シートに形成された加飾層と金型形状との位置精度を保って成形加工するための加飾シート成形用金型であって、該加飾シートと接触するクランプ面またはこれに対応する金型面の平均表面粗さRaが0.01〜30.0×10−3mmである。
また、この発明の加飾シート成形用金型は、基体シート上に少なくとも加飾層が形成された加飾シートを雄型と雌型との間に挟み込み押し付けて固定した状態で、加飾シートに形成された加飾層と金型形状との位置精度を保って成形加工するための加飾シート成形用金型であって、加飾シートを挟み込んだときに加飾シートと接触する雄型または雌型の少なくとも一方の金型面の平均表面粗さRaが0.01〜12.5×10−3mmである。
加飾シート成形用金型としては、図1、図2に示すような凹部6を有する雌型5と凸部7を有する雄型4とからなり、プレスにより加飾シート21を成形するプレス成形用金型8がある。また、図4、図5に示すような凹部6を有する雌型5を有する樹脂成形品用真空成形金型9がある。樹脂成形品用真空成形金型9には真空吸引孔22が形成されている。金型面には二の字状のクランプ材3が取付けられている。クランプ材3は、図7に示すように枠状となっていてもよい。なお、加飾シート21を金型面にクランプ材3で押し付けて保持した状態で成形加工するための加飾シート成形用金型としては、前記樹脂成形品用真空成形金型9以外にも、たとえば圧空成形(超高圧成形含む)金型、ブロー成形金型、ハイドロフォーミング金型などがある。
また、図6に示すような凹部6を有する雌型5と雄型4とからなる樹脂成形品用射出成形金型10がある。雌型5には樹脂射出口11が形成されている。
金型面の平均表面粗さRaを前記の数値にする方法としては、バフ仕上げ、研磨、ヤスリ仕上げ、放電、ホーン仕上げ、研削、タンブリング、圧延などがある。
平均表面粗さRaを前記の数値にする個所は、金型面のうち加飾シート21と接触するクランプ面またはこれに対応する個所である。
例えば、樹脂成形品用真空成形金型9を用いる場合は、加飾シート21を金型内に載置しクランプした時に、金型およびクランプ材3に接触する部分である。
樹脂成形品用射出成形金型10を用いる場合は、加飾シート21を雄型4と雌型5の間に載置し、成形機の型締め時に、加飾シート21が雄型4及び雌型5により挟み込まれる部分である。
平均表面粗さRaを前記の数値にする個所は、少なくとも該加飾シートと接触するクランプ面またはこれに対応する金型面であって、それ以外の個所に形成してもよい。
この発明では、基体シート1の樹脂の種類を替えた加飾シート21について、樹脂成形品用真空成形金型9を用いて、加飾シート21を金型面にクランプ材3で押し付けて保持する場合について、金型面の平均表面粗さRaと加飾シート21との間の動摩擦係数および加飾シート21の付着防止効果の関係を測定し、平均表面粗さRaの適用可能な範囲を選定した。
また、樹脂成形品用射出成形金型10を用いて、雄型4と雌型5との間に加飾シート21を挟み込む場合についても、金型面の平均表面粗さRaと加飾シート21との間の動摩擦係数および加飾シート21の付着防止効果の関係を測定し、平均表面粗さRaの適用可能な範囲を選定した。
その結果、樹脂成形品用真空成形金型9を用いた場合では、上記加飾シート21のインキ層14と接触する金型面の平均表面粗さRaが30×10−3mm(30μm)以下になるまで金型面を平滑に加工すれば、テストした全ての加飾シート21で付着防止効果が確認された(表1参照)。特に、平均表面粗さRaを6.3×10−3mm(6.3μm)以下にすれば、テストした全ての加飾シート21で付着がなくなった(表1参照)。
Figure 2005119315
このときの金型面と加飾シート21との間の動摩擦係数は、加飾シート21の樹脂によって異なるものの全て、2.4以下であった(表3参照)。
Figure 2005119315
一方、樹脂成形品用射出成形金型10を用いた場合では、上記加飾シート21のインキ層14と接触する金型面の平均表面粗さRaが12.5×10−3mm(12.5μm)以下になるまで金型面を平滑に加工すれば、テストした全ての加飾シート21で付着防止効果が確認された(表2参照)。特に、表面部分の平均表面粗さRaを1.6×10−3mm以下にすれば、テストした全ての加飾シート21で付着がなくなった(表2参照)。
Figure 2005119315
このときの金型面と加飾シート21との間の動摩擦係数は、加飾シート21の樹脂によって異なるものの、全て1.0以下であった(表4参照)。
Figure 2005119315
なお、平均表面粗さRaは、JISB0601−1994に準拠したガウシャンフィルタからなる粗さ計(例えば、小坂研究所F3500D)を用い、表面の断面曲線から平均線(うねり曲線)を差し引くことで粗さ曲線をもとめ、その粗さ曲線から得られる算術平均値とする。
樹脂成形品用真空成形金型9の場合と樹脂成形品用射出成形金型10の場合とでは、各々、加飾シート21が金型面に押し付けられる圧力が異なるため、付着防止効果を奏することができる平均表面粗さRaや動摩擦係数の数値範囲も異なっているのである。
例えば、加飾シート21を樹脂成形品用真空成形金型9に用いる場合は、加飾シート21はクランプ材3によって数N〜数100N(数Kg重〜数10Kg重)の力で金型面に押し付けられるため、元来、金型面に加飾シート21が付着しにくい。よって、平均表面粗さRaは、上限が高いほうへシフトしている。
一方、加飾シート21を樹脂成形品用射出成形金型10やプレス成形用金型8に用いる場合は、雄型4と雌型5との型締め力によって加飾シート21が数百トンの力で金型に挟み込まれるため、金型面に加飾シート21が付着しやすい。よって、平均表面粗さRaは、上限が低いほうへシフトしている。
(加飾シートについて)加飾シートについては、前記数値範囲の平均表面粗さRaを有する金型面との関係を両者間の動摩擦係数でもって相関を取り、付着防止効果を奏する動摩擦係数の数値範囲を選定した。
なお、この発明で「動摩擦係数」とは、図8に示すように、1cm角で厚さ1mmのプラスチック板12の片面に、両面テープ13を介して加飾シート21を貼付け、平均表面粗さRaの金型面の上に置く。金型面には加色シートのインキ層14(加飾層2)側を接触させる。そのプラスチック板12の反対面に導線15を貼り付け、その上に重さ0.98Nの分銅16を載せ、導線15を介して加飾シート21が貼り付けられているプラスチック板12を、平均表面粗さRaの金型面上で5cm/sの速度で引張り、その時の荷重を測定する。荷重測定は、上記導線15を滑車17を通して引張試験機18の引張りチャック19につなげて引張り駆動体24を移動させたときの荷重データを記録用パソコン20で演算してグラフ上に記録し、その5cm移動時の荷重値の平均値を取る。この平均荷重値(N)を分銅16の重さ0.98Nで割った値を動摩擦係数とする(プラスチック板12や導線15、両面テープ13の重さは0.005N未満となるようにする。)。上記において、プラスチック板12の大きさを1cm角としたのは、平均表面粗さRaの金型面のパターンが小面積でも評価できるようにするためである。また、分銅16の重さを0.98Nとしたのは、装置の誤差を取り除くために前記小面積の試験片に載せられる範囲でできる限り重いものにするためである。なお、測定誤差には、プラスチック板12などの重さの誤差も含まれる。この定義は、加飾シート21の加飾層2と平均表面粗さRaの金型面との関係においても、加飾シート21の基体シート1と平均表面粗さRaの金型面との関係においても同様である。上記各測定値に基づき記録用パソコン20で演算して動摩擦係数の値を算出する。
この発明において、動摩擦係数の程度は、金型面の物理的粗さと化学的付着力の両方に依存すると考えられる。
加飾シート21に要求される動摩擦係数の値は、その加飾シート21が用いられる成形用金型の種類によって異なってくる。成形用金型の種類によって金型面への加飾シート21の押し付け力に大きな違いが出てくるからである。
つまり、加飾シート21を樹脂成形品用真空成形金型9に用いる場合は、加飾シート21はクランプ材3によって数N〜数100N(数Kg重〜数10Kg重)の力で金型面に押し付けられるため、元来、金型面に加飾シート21が付着しにくいので、動摩擦係数は比較的大きくてもよい。
加飾シート21を樹脂成形品用射出成形金型10やプレス成形用金型8に用いる場合は、雄型4と雌型5との型締め力によって加飾シート21が数百トンの力で金型に挟み込まれるため、金型面に加飾シート21が付着しやすくなるので、動摩擦係数は比較的小さくする必要がある。
表3は、複数種類の加飾シート21を、樹脂成形品用真空成形金型9に用いた場合の、平均表面粗さRaが30(×10−3mm)の金型面と加飾シート21の基体シート1との間の動摩擦係数を測定し、付着防止効果が発揮される範囲を示した表である(表3参照)。測定方法は図8に示す方法に準じた。
表4は、複数種類の加飾シート21を、射出成形用金型に用いた場合の、平均表面粗さRaが12.5(×10−3mm)の金型面と加飾シート21の基体シート1との間の動摩擦係数を測定し、付着防止効果が発揮される範囲を示した表である(表4参照)。測定方法は図8に示す方法に準じた。
なお、この発明に係る加飾シート21は、各種の用途に適用することができる。また、その製品形態としては、立体成形用シート、転写箔、化粧シートなどがある。立体成形用シートとは、立体形状に成形された加飾シート21を完成品として販売するものであったり、または、立体形状に成形された加飾シート21を射出成形用金型内に嵌め込んだ後、射出成形品と一体化接着させたりして用いるものである。転写箔とは、被転写物に転写層を転写し基体シート1を剥離して用いるものである。化粧シートとは、平面状の加飾シート21を樹脂成形用射出成形金型の雄型4と雌型5との間に送り込んで雌型5の凹部6に沿わせた後、挟み込み、キャビティ内に溶融樹脂を射出し、固化させることにより、加飾シート21を立体形状に成形加工するとともに、成形品と一体化接着させて用いるものである。
加飾シート21の構成は、基体シート1上に少なくとも加飾層2が形成されたものであれば、転写箔(基体シート1を剥離するもの)、インサートシート(基体シート1を剥離しないもの)のいずれであってもよい。単なる化粧シートとは、基体シート1上に少なくとも加飾層2が形成されたものであって、接着層を有しないものをいう。
基体シート1の材質としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などの樹脂シートなど、通常の加飾シート21の基体シート1として用いられるものを用いることができる。
加飾層2は、基体シート1上に、通常は印刷層として形成する。印刷層の材質としては、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド系樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを用いるとよい。印刷層の形成方法としては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの通常の印刷法などを用いるとよい。印刷層は、表現したい図柄に応じて、全面的に形成する場合や部分的に形成する場合もある。
加飾層2は、金属薄膜層からなるもの、あるいは印刷層と金属薄膜層との組み合わせからなるものでもよい。金属薄膜層は、加飾層2として金属光沢を表現するためのものであり、真空蒸着法、スパッターリング法、イオンプレーティング法、鍍金法などで形成するとよい。表現したい金属光沢の色に応じて、アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、インジウム、銀、チタニウム、鉛、亜鉛などの金属、これらの合金または化合物を用いるとよい。金属薄膜層は部分的に形成してもよい。また、金属薄膜層を形成する際の他の層との密着性を向上させるために、アンカー層を形成してもよい。
また、必要に応じて接着層を形成してもよい。接着層は、成形樹脂などの上に加飾シート21を接着するものである。接着層としては、成形樹脂などの素材に適した感熱性あるいは感圧性の樹脂を適宜用いる。たとえば、成形樹脂の材質がアクリル系樹脂の場合はアクリル系樹脂を用いるとよい。また、材質がポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン共重合体系樹脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを用いるとよい。さらに、材質がポリプロピレン樹脂の場合は、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂などを用いるとよい。接着層の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。また上記材質よりなる接着性を持つシートをラミネート法などにより貼り合せて接着層とすることもできる。
また、必要に応じてオーバーコート層を形成してもよい。オーバーコート層は、加飾層2を保護するための層である。オーバーコート層としては、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などを用いるとよい。
加飾シート21の構成は、上記した態様に限定されるものではなく、たとえば、加飾層2の材質として成形樹脂との接着性に優れたものを用いる場合には、接着層を省略することができる。また、加飾層2に隠蔽が必要な場合は、隠蔽層を形成してもよい。隠蔽層は、酸化チタン等の顔料を含有した層や、膜厚0.01×10−3mm以上の金属蒸着層などで構成するとよい。
(成形された加飾シートの製造方法について)この発明の成形された加飾シートの製造方法は、例えば、上記した樹脂成形品用真空成形金型9および加飾シート21を用いて金型面にクランプ材3で押付けて平面状の加飾シート21を立体形状に成形加工することよりなる(図2、図5参照)。
なお、金型面にクランプ材3で加飾シート21を押付けて加工する成形方法であれば、たとえば圧空成形(超高圧成形含む)、ブロー成形、ハイドロフォーミングなどを適用することが可能である。
また、この発明の成形された加飾シートの製造方法は、例えば、上記説明した樹脂成形品用射出成形金型10を用いて、雄型4と雌型5との間に加飾シート21を挟み込んだ状態で平面状の加飾シート21を立体形状に成形加工することよりなる(図6参照)。
なお、金型に雄型4と雌型5との間に加飾シート21を挟み込んで成形加工する方法であれば、たとえば圧縮成形やプレス成形などを適用することが可能である。前記樹脂成形品用真空成形金型9と樹脂成形用射出成形金型とを組合せたものを用いることも可能である。
(加飾シート付き成形品の製造方法)前記樹脂成形品用射出成形金型10を用いて、雄型4と雌型5との間に前記加飾シートを挟み込み、キャビティ内に溶融樹脂を射出し、固化させることにより、平面形状の加飾シート21を立体形状に成形加工するとともに加飾シート21と樹脂成形品とを一体化させる。
加飾シート21を成形加工するには、雌型5と加飾シート21との間を真空吸引して行なうとよい。溶融樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AN樹脂などの汎用樹脂を挙げることができる。
図1、図2に示すような断面コの字形状の凹部を有する雌型、その雌型の凹部に合致する凸部を有する雄型からなるプレス成形用金型の雌型の凹部の外周(平均表面粗さRa=55×10−3mm(55μm))を、研磨により、平均表面粗さRaが1×10−3mm(1μm)になるよう加工した。
次に、厚さ2mmの樹脂シートを基体シートとし、その上にウレタン系インキを使用しグラビア印刷によって木目柄の加飾層を形成した。さらに、この上にオーバーコート層として透明のウレタン系樹脂とイソシアネート系樹脂とからなる層が形成された建材用の加飾シートを作成した。
この建材用の加飾シートを、前記プレス成形用金型に載置しプレス成形加工したところ、金型面から加飾シートを引き離す際に凝集破壊片が雌型に残留したり、加飾シートに欠損が生じたりすることはなかった。研磨する前の上記プレス成形金型では、雌型の凹部内面の角部と凹部の外周に、オーバーコート層の凝集破壊片の一部がプレス成形用金型に付着していた。
このように成形された加飾シートは、オーバーコート層側ではなく基体シート側に溶融樹脂を接触させて一体化する。
上記、プレス成形用金型の研磨する前の金型面および研磨した後の金型面のそれぞれと、上記建材用の加飾シートのオーバーコート層の間の動摩擦係数を測定したところ前者が2.9、後者が0.6であった。
図4、図5に示すような箱形状の凹部をもつ樹脂成形品用真空成形金型の凹部の外周(Ra=65×10−3mm)を研削加工により、金型面の平均表面粗さRaが10×10−3mmになるように加工した。
次に、無色透明のアクリル樹脂フィルムを基体シートとしビニル系インキを印刷して加飾層を形成し、次いでその上に着色軟質塩化ビニル樹脂フィルムを貼り合せ加飾シートを作成した。着色軟質塩化ビニル樹脂フィルムは、剛性の付与とフィルムの割れ防止の機能を持たせるために形成した。
この加飾シートを、上記樹脂成形品用真空成形金型に載置し、金型面にクランプ材で押し付けて保持した状態で真空成形加工したところ、金型面から加飾シートを引き離す際に凝集破壊片が雌型に残留したり、加飾シートに欠損が生じたりすることはなかった。切削加工する前の上記樹脂成形品用真空成形金型では、着色軟質塩化ビニル樹脂フィルムの可塑剤と思われる溶出物が付着していた。
上記、樹脂成形品用真空成形金型の研削加工する前の金型面および研削加工後の金型面のそれぞれと、上記加飾シートの着色軟化塩化ビニル樹脂フィルムとの間の動摩擦係数を測定したところ前者が3.3、後者が1.5であった。
図6に示すような凹部形状をもつ樹脂成形品用射出成形金型の凹部全面(Ra=50×10−3mm)を放電加工して平均表面粗さRaが0.2×10−3mmになるように加工した。
次に、ポリエステル樹脂フィルムを基体シートとし、アクリル系インキを使用して絵柄層を形成し、さらに、この上にビニル樹脂系インキを使用して接着層を形成し、木目模様の転写箔を作成した。
この転写箔を、上記樹脂成形品用射出成形金型の雄型と雌型との間に載置し、型締めし、射出成形加工したところ、金型面から転写箔を引き離す際に凝集破壊片が雌型に残留したり、加飾シートに欠損が生じたりすることはなかった。放電加工する前の上記樹脂成形品用射出成形金型では、成形後、雄型表面に転写箔の絵柄層、接着層の一部が付着していた。
上記、樹脂成形品用射出成形金型の放電加工する前の金型面および放電加工後の金型面のそれぞれと、上記転写箔の接着層の間の動摩擦係数を測定したところ前者が2.8、後者が0.4であった
この発明は、加飾シート成形用金型に関するものであり産業上有用なものである。
この発明の加飾シート成形用金型を示す斜視図である。 この発明の加飾シート成形用金型と成形された加飾シートの製造方法の一工程を示す断面図である。 従来の加飾シート成形用金型と成形された加飾シートの製造方法の一工程を示す断面図である。 この発明の加飾シート成形用金型を示す斜視図である。 この発明の加飾シート成形用金型と成形された加飾シートの製造方法の一工程を示す断面図である。 従来の加飾シート成形用金型と成形された加飾シートの製造方法の一工程を示す断面図である。 この発明の加飾シート成形用金型を示す斜視図である。 加飾シートの動摩擦係数を測定している状態を示す模式図である。
符号の説明
1 基体シート
2 加飾層
3 クランプ材
4 雄型
5 雌型
6 凹部
7 凸部
8 プレス成形用金型
9 樹脂成形品用真空成形金型
10 樹脂成形品用射出成形金型
11 樹脂射出口
12 プラスチック板
13 両面テープ
14 インキ層
15 導線
16 分銅
17 滑車
18 引張試験機
19 引張りチャック
20 記録用パソコン
21 加飾シート
22 真空吸引孔
23 ガード
24 引張り駆動体

Claims (4)

  1. 基体シート上に少なくとも加飾層が形成された加飾シートを金型面にクランプ材で押し付けて固定した状態で、加飾シートに形成された加飾層と金型形状との位置精度を保って成形加工するための加飾シート成形用金型であって、該加飾シートと接触するクランプ面またはこれに対応する金型面の平均表面粗さRaが0.01〜30.0×10−3mmであることを特徴とする加飾シート成形用金型。
  2. 上記加飾シート成形用金型が樹脂成形品用真空成形金型である請求項1に記載の加飾シート成形用金型。
  3. 基体シート上に少なくとも加飾層が形成された加飾シートを雄型と雌型との間に挟み込み押し付けて固定した状態で、加飾シートに形成された加飾層と金型形状との位置精度を保って成形加工するための加飾シート成形用金型であって、加飾シートを挟み込んだときに加飾シートと接触する雄型または雌型の少なくとも一方の金型面の平均表面粗さRaが0.01〜12.5×10−3mmであることを特徴とする加飾シート成形用金型。
  4. 上記加飾シート成形用金型が樹脂成形品用射出成形金型である請求項3に記載の加飾シート成形用金型。
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