JP2005114495A - 時計用外装部品及びその型,それらの製造方法 - Google Patents

時計用外装部品及びその型,それらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
軽量で実用性の高い時計用外装部品を提供するとともに、該部品を精度よく製造することができる型及びそれらの製造方法を提供する。
【解決手段】
ベゼル16は、炭素繊維シート20の両面に、熱硬化性樹脂22からなる熱硬化性樹脂層22A及び22Bを備えた積層構造となっている。ベゼル16の原型の周囲にシート状のセパレータを取り付け、該セパレータごと原型をシリコンゴム中に埋没させて硬化し、硬化後に前記セパレータの上面に沿って上型52と下側50に分割する。このような上型52と下型50を利用し、炭素繊維シート20に熱硬化性樹脂22と硬化剤の混合物を含浸させるとともに、この樹脂混合物で炭素繊維シート20の両面を挟んで上型52と下型50でプレスしたまま熱硬化させ、切り抜き線76,78に沿ってカットすると、高精度なベゼル16が得られる。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、ベゼルやケースなどの時計用外装部品及びその型,その製造方法に関し、特に、軽量で実用性が高い時計部品と、それを精度よく製造するのに好適な型及びそれらの製造方法に関するものである。
腕時計の外装部品としては、ダイバーズウォッチ等の文字盤の周囲に摺動自在に設けられたベゼルや裏蓋などがある。このような時計部品の素材としては、ステンレスやチタン,チタン合金などの金属が多く用いられている。その中でも、最近では、チタンやチタン合金が耐食性,強度,軽さ,ならびに金属アレルギーが起きにくいという面で優れた特徴を発揮し、腕時計用外装部品に使用される割合が多くなっている。また、ステンレス鋼も、適度な重量感があり、耐食性もあることから時計の素材としてもっとも広く使用される金属材料である。この他にも、ポリカーボネートやABSなどのプラスチックや、一部では、真ちゅうにメッキを施したものなども用いられている。
これらの素材を用いて部品を形成する一般的な方法としては、金型を利用する方法がある。その場合、まず、製造する部品の原寸の型(原型)を用意し、その原型を利用して金型を製造する。そして、該金型に、例えば、チタン粉末とその他の金属粉末を混ぜ合わせたものを充填して加圧のもとで焼結して所望の形状に鋳造成型したり(特許文献1)、前記金型を上下または左右など複数に分割し、これらで成型する素材を挟んで型抜き(打ち抜き)したり,あるいは、前記金型に液状化したプラスチックを射出したりする方法がある。
特開平9−194982号公報(第2頁)
しかしながら、以上のような背景技術には次のような不都合がある。まず、金型を用意する必要があるが、金型製造方法の一つであるロストワックス方法では、原型をゴムで挟み、該ゴムを加熱して固化させてから原型を取り除き、その原型があった空隙部分にワックスを流し込んで原型と同型のワックス模型を作成する。そして、該ワックス模型の周囲を石膏などの耐火物で固めた後、加熱によってワックスを流し出し、その空隙部分(鋳型)に溶かした金属を鋳込み、金属が固まったら上下や左右などに分割して完成した部品を抜き取る。この場合、外側から部品の位置が正確に把握し難いため、金型の分割位置を決定するのが困難である。部品が小さいものになるほどその傾向は顕著になり、熟練者の技術によるところが大きくなる。
また、金型として金属を使用する場合には、溶かした金属の中に部品の原型を入れ、金属が固まったら上下や左右などに分割して原型を抜き取る。この場合、原型よりも金型用金属が低融点でなければならず、金型としての強度があまり得られないことや、低融点金属は熱膨張係数が大な傾向にあるため、凝固冷却時に原型にかじりつきを生ずるという問題もあった。
上下の型で挟んで打ち抜き成型を行う場合には、部品の素材自体に柔軟性がないと金型と接触した縁が欠け、精度のよい成型を行うことができない。更に、素材自体の問題として、ステンレスを用いた場合でも巣が除去できずに、実際には完全に腐食を防止することができなかったり、大きなものになると重量が増したりするという不都合がある。また、チタン合金は、金属アレルギー対策として有効であるが、上記のような鋳造法で作る場合には巣がさけられず、高価である。プラスチック素材を金型材にして射出成形する場合には、製品の強度に欠けるという問題がある。
この発明は、以上の点に着目したもので、軽量で実用性の高い時計用外装部品を提供するとともに、該部品を精度よく製造するのに好適な時計用外装部品の型及びそれらの製造方法を提供することを、その目的とするものである。
前記目的を達成するため、本発明の時計用外装部品は、熱硬化性樹脂を含浸させたシート状の炭素繊維,該炭素繊維シートの両面に設けられた熱硬化性樹脂層,からなる積層体を成型したことを特徴とする。主要な形態の一つは、前記熱硬化性樹脂層が、セラミックス粒子を含むことを特徴とする。他の形態は、前記炭素繊維シートの両面の熱硬化性樹脂層が、それぞれ異なる熱硬化性樹脂によって形成されていることを特徴とする。
本発明の時計用外装部品の型を製造する方法は、時計用外装部品の型を製造する方法であって、前記時計用外装部品の原型の周囲に、シート状のセパレータを取り付ける工程,容器内に充填された液状の弾性樹脂上に、前記セパレータ付きの原型を乗せる工程,前記セパレータ付きの原型上に、前記液状の弾性樹脂を流し込んで被覆する工程,前記液状の弾性樹脂を、荷重を掛けながら硬化させる工程,硬化後の弾性樹脂を、前記セパレータを利用して上型と下型に分割する工程,前記セパレータ付き原型を型から取り除く工程,を含むことを特徴とする。主要な形態の一つは、前記セパレータに、複数の穴を設けたことを特徴とする。他の形態は、前記液状の弾性樹脂に、セラミックス粒子を混合したことを特徴とする。
本発明の時計用外装部品の型は、前記いずれかに記載の方法で製造されたことを特徴とする。
本発明の時計用外装部品の製造方法は、前記型を利用する製造方法であって、シート状の炭素繊維に、液状の熱硬化性樹脂を含浸させる工程,これによって樹脂を含浸させた炭素繊維シートの両面を、液状の熱硬化性樹脂を介して前記上型と下型で挟み、荷重を掛けた状態で熱硬化させる工程,硬化後の熱硬化性樹脂と炭素繊維シートの積層体を、前記外装部品の形状に合わせて成型する工程,を含むことを特徴とする。
他の発明の時計用外装部品は、前記記載の方法で製造されたことを特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
本発明は、弾性樹脂を利用して型を形成する際に、部品の原型の周囲にシート状のセパレータを設けることとしたので、精度がよく分割が容易なゴム型を作ることができる。また、前記ゴム型を利用して、炭素繊維シートの両面に熱硬化性樹脂層を備えた積層体を成型することとしたので、高精度に炭素繊維を使用した部品を成型することができる。また、外装部品が炭素繊維シートの両面に熱硬化性樹脂層を備えた積層体により形成されているため、耐水性,耐腐食性を備えつつ、軽量化,強度の向上,薄膜化,加工性の向上,コストの低減を図ることができるという効果が得られる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
<概要>・・・以下、図1〜図3を参照しながら、本発明の実施例1を詳細に説明する。図1は、本実施例の構成を示す図であり、(A)は外観を示す斜視図,その#A−#A線に沿って切断し、矢印方向に見た断面の様子が同図(B)に示されている。図2は、本実施例のゴム型の製造工程を示す図であり、図3は、前記ゴム型を利用して時計用外装部品を製造する工程を示す図である。
本実施例は、図1に示すように、本発明の型及び外装部品の製造方法を、腕時計10のベゼル16に適用したものである。ベゼル16は、一般に、ダイバーズウォッチ等のアナログ式の腕時計10に設けられる略環状のもので、時刻を示す長針14Aと短針14Bが設けられた文字盤12の周囲に、摺動可能に設けられている。該ベゼル16の表面には、等間隔で目盛18と数字が刻まれており、例えば、酸素ボンベの容量に合わせてベゼル16を所定角度回してから潜水するようにすると、酸素ボンベ内の酸素残量または潜水可能な残り時間を容易に知ることができる。このようなベゼル16は、用途上、耐水性・耐腐食性を有することが必要であり、更に、強度や軽量化,薄型化,成型性,外観,コスト面などの改善・改良が常に求められている。本実施例は、図1(B)の断面に示すように、炭素繊維シート20の両面を熱硬化性樹脂層22A,22Bで被覆した構成となっており、該構成によって上述した課題を実現するものである。
<ゴム型の製造>・・・最初に、本実施例のベゼル16を製造するためのゴム型の製造方法について、図2を参照しながら説明する。本実施例のベゼル16は、上述したように炭素繊維シート16とその両面に設けられた熱可塑性樹脂層22A,22Bの積層体からなっている。しかしながら、炭素繊維シート16の伸びにくいという性質上、背景技術のような金属の上型と下型で挟んでプレスする方法では、炭素繊維シート16が金型に当ると切断してしまい、精度よく成型することができない。このため、本実施例では、外装部品を製造するにあたり、弾力性のあるゴム型を利用している。以下に、そのゴム型の製造手順を示す。
まず、図2(A)に示すように、製造するベゼル16と同形・同寸の原型30を用意する。原型30は、例えば、チタンなどの金属で形成する。そして、該リング状の原型30の外側に、シート状のセパレータ32を取り付ける。セパレータ32は、ゴム型の材料の樹脂が硬化した後に、上型と下型に分割するときに利用するものであって、例えば、塩化ビニルやポリカーボネートの厚さ0.2mm〜0.5mm程度のシートが利用される。なお、セパレータ32は、略中央の開口部34の縁に設けられた凸部35を、原型30の下縁に固定することによって取り付けられる。このようなセパレータ30には、前記開口部34の外側に、複数の穴36が形成されている。該穴36を設けることにより、ゴム型の上型と下型の間に、セパレータ32の厚みに相当する間隔の隙間が得られ、ベゼル16の材料を硬化させるときに、そこから余分な樹脂や空気を抜くことができる。
一方、上方が開放した箱40には、ゴム型を形成するために、所定の割合で図示しない硬化剤を混合した液状のシリコンゴム42が流し込まれる。箱40の内側には、硬化後のシリコンゴム42を外しやすくするために、必要に応じて予め剥離剤などが塗布される。前記シリコンゴム42には、後述する工程で荷重をかけても耐えられる強度になるように、セラミックス粒子44が混合されている。セラミックス粒子44としては、例えば、メッシュ番号400程度の粒径のアルミナ(Al)を、シリコンゴム42に対して約8wt%混合する。セラミックス粒子44の粒径や混合割合は、必要に応じて適宜変更可能であるが、例えば、メッシュ番号1500程度の粒径のアルミナを添加すると、細かすぎて均一に混合することができず、シリコンゴム42の液体に入れたときに粉末の表面に吸着されている空気により気泡が発生し、硬化後のゴム型に穴ができてしまうため、粒径が小さすぎないよう適度な大きさのものを利用すると好都合である。また、メッシュ番号400程度のアルミナ粒子でも、添加量を20wt%に増やすと、メッシュ番号1500程度の粒径のアルミナを添加した場合と同様に気泡が生じたりゴムとの混合が均一にできないなどの問題が生じるため、適量を加えるようにする。
次に、セパレータ32を取り付けた原型30を、前記箱40内に流し込んだシリコンゴム42の上におく。このとき、シリコンゴム42と原型30及びセパレータ32の間の空気は、セパレータ32の開口部34や穴36から大部分が抜かれる。そして、必要に応じて原型30の表面上に剥離剤などを塗布した後、図2(B)に示すように、硬化剤と混合したシリコンゴム42を原型30が完全に埋没するまで箱40に注入する。箱40の上端近くまでシリコンゴム42を注入したら、図2(C)に示すように、シリコンゴム42の表面に蓋46をつけ、該蓋46の上に重り48を乗せて荷重をかける。このように蓋46に重り48を乗せることにより、シリコンゴム42中に残った空気が周囲に押され、箱40の内側(すなわち、シリコンゴム42のわき)から抜くことができる。前記重り48としては、例えば、500g〜2kg程度のものが利用されるが、蓋46が重り48を兼ねることができるものを用いるようにすれば、必ずしも重り48を乗せる必要はない。
以上のようにしてシリコンゴム42中に、原型30及びセパレータ32を埋没させ荷重をかけた状態で、シリコンゴム42を硬化させる。硬化条件は、例えば、室温(20℃)で8時間〜24時間程度であるが、気温や湿度に応じて、硬化時間や室温を調節するとよい。また、硬化時の圧力は、概ね3g/cm〜20g/cmが望ましく、例えば、30g/cmを超える圧力を加えるとゴム型に微細な変形が生じ、成形品の寸法精度を低下する要因となる。シリコンゴム42が完全に硬化したら、図2(D)に示すように箱40から取り出し、セパレータ32を利用して図2(E)に示すように上型52と下型50に分割する。本実施例の場合は、図2(D)の状態にあるシリコンゴム42を、セパレータ32の上面に沿ってカットしたあと、原型30及びセパレータ32を下型50から取り外す。これら上型52と下型50は、図2(E)に点線で示すように、上型52を下型50に合わせると、原型30と同形のリング状の穴56を形成する。また、下型50には、前記セパレータ32に設けられた穴36に対応する位置に突起54が形成されている。このため、下型50に上型52を重ね合わせると、突起54によりセパレータ32の厚みに相当する隙間58が形成される。該隙間58は、上述したように、ベゼル16の材料の樹脂を硬化させる際に、余分や樹脂や空気を抜くための通路となる。
<外装部品の製造>・・・次に、図3を参照して、前記工程で製造したゴム型を利用してベゼル16を製造する工程について説明する。まず、図3(A)に示すように熱硬化性樹脂22としてエポキシ樹脂を利用し、これに図示しない硬化剤を適宜割合で混合して2〜3分程度混合する。エポキシ樹脂と硬化剤の割合は、硬化時間により硬化剤の添加量が異なるが、例えば、重量で4:1〜5:1程度である。硬化剤との反応によりエポキシ樹脂の粘度が増してきたら、シート60上の炭素繊維シート20に、前記樹脂混合物を垂らし、ヘラ66などで該樹脂混合物を炭素繊維シート20に練り込んで馴染ませ、繊維中の空気を抜く。前記シート60としては、例えば、エポキシ樹脂などと反応しにくく接着しないような紙やポリプロピレン,ポリエチレンシートなどが利用される。なお、前記樹脂混合物には、耐磨耗性の向上のために、例えば、アルミナなどのセラミックス粒子62が混合される。該セラミックス粒子62は、熱硬化性樹脂22に対して、例えば、10%wt以下,すなわち数wt%添加する。このようにセラミックス粒子62を混合すると、例えば、鉄の3倍程度の耐磨耗性を得ることができる。
次に、図3(B)に示すように、前記工程で製造したシリコンゴムの下型50の表面に、前記樹脂混合物を少量垂らす。このとき、必要に応じて下型50の表面に剥離剤などを塗布しておくようにしてもよい。そして、その上に、エポキシ樹脂を含浸させた炭素繊維シート20をおき、更に、その上から図3(C)に示すように前記樹脂混合物を垂らし、下型50に対して上型52の形状を合わせて乗せる。なお、上型52の内側にも必要に応じて剥離剤などを塗布しておくようにしてもよい。
この状態で、図3(D)に示すようにゴム型の周囲と底を板材68などで押え、更に、水平安定板70を上型52の上面に置き、重り72を乗せて硬化させる。水平安定板70は、例えば、5cm×10cm四方で重さ約2kg程度のものを利用し、重り72としては、例えば、500g程度のものを利用する。なお、リング状の穴56に入りきらない熱硬化性樹脂22や、荷重をかけることによって樹脂の内部から抜けようとする気泡は、前記セパレータ32の厚みに相当する隙間58にはみ出す。このような状態で、例えば、23℃〜28℃程度のやや高めの室温下で16〜24時間程度放置すると、エポキシ樹脂が硬化(固化)する。なお、硬化時の温度を上げると早く固まる性質を有しているため、硬化時間を十分にとれないときには温度をあげるよう調節する。
エポキシ樹脂が完全に硬化したら、図3(E)に示すように、周囲と底の板材68,水平安定板70及び重り72を外し、炭素繊維シート20と熱硬化性樹脂層22A及び22Bの積層体74を得る。該積層体74には、下型50の突起54に相当する位置に穴75が形成されており、更に、ベゼル16の略中央部とその縁からは、炭素繊維シート20が露出している。そこで、該積層体74を、内側の切り抜き線78と外側の切り抜き線80(凸部76の先端)に沿って、カッターやハサミなどでベゼル16の形に切り抜く。その後、必要に応じてベゼル16の表面に目盛18や数字を付す。このようにして成型されたベゼル16の径方向の誤差は、例えば、測定単位として1/100mmまでで0%,縦(上下)方向の誤差も同様にして1/100mmまでで±0.05%であり、極めて精度の高いベゼル16が成型されたことが分かる。
<実施例の効果>・・・このように、実施例1によれば、次のような効果が得られる。
(1)シリコンゴムを利用して型を形成する際に、原型30の周囲にシート状のセパレータ32を設けることとしたので、精度がよく分割が容易なゴム型を作ることができる。
(2)前記ゴム型を利用して、炭素繊維シート20の両面に熱硬化性樹脂層22A,22Bを備えた積層体74を成型することとしたので、高精度に炭素繊維を使用した部品を成型することができる。
(3)炭素繊維シート20を使用してベゼル16を形成することとしたので、耐水性,耐腐食性を備えつつ、軽量化,強度の向上,薄膜化,コストの低減を図ることができる。また、炭素繊維シート20を利用しているため、加工が容易である。
(4)炭素繊維シート20に含浸させる熱硬化性樹脂22及び上下の熱硬化性樹脂層22A,22Bに、アルミナなどのセラミックス粒子62を混合することとしたので、硬化後の熱硬化性樹脂22の耐磨耗性を向上させることができる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記ゴム型を形成する材料としては各種のものが知られており、それら公知のものを使用してもよい。また、熱硬化性樹脂22についても、エポキシ樹脂に限定されるものではなく、同様の効果を奏するものであれば、公知の各種の樹脂を用いるようにしてよい。例えば、尿素樹脂,メラミン樹脂,フェノール樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,アルキド樹脂,ウレタン樹脂などである。更に、熱硬化性樹脂22やシリコンゴム42に混合するセラミックス粒子44や62についても一例であり、アルミナに限定されるものではなく、公知の各種のセラミックス粒子であるジルコニア、BNなどの粒子も利用可能である。さらにガラスビーズなども利用できるので、反射機能を有する回転ベゼルも製造可能である。
(2)前記実施例に示した各部の大きさ,形状も一例であり、必要に応じて適宜変更可能である。また、色彩,模様についても同様に必要に応じて適宜変更してよく、例えば、熱硬化性樹脂層22Aや22Bにラメや蓄光塗料を混ぜるようにしてもよいし、炭素繊維シート20自体に蒸着などの手法で直接色をつけるようにしてもよい。また、紫外線に反応する樹脂を入れて、ブラックライトの照射で光るようにするようにしてもよい。
(3)前記実施例では、炭素繊維シート20の両面に、同材料からなる熱硬化性樹脂層22A,22Bを形成することとしたが、炭素繊維シート20の上下で異なる樹脂を使用してもよい。例えば、下層の熱硬化性樹脂層22Aは機能性(強度など)を重視してアルミナ粒子を添加し、上層の熱硬化性樹脂層22Bは、見栄え(デザイン)を重視してカラフルな樹脂を利用するなどである。
(4)前記実施例では、時計用外装部品として、ベゼル16を例にあげて説明したが、本発明は、その他の外装部品,例えば、腕時計のバンドやケース,ネジ裏蓋など、時計用外装部品全般に適用可能である。
(5)前記実施例で示した硬化条件も一例であり、使用するシリコンゴムや熱硬化性樹脂の種類,硬化剤の種類や添加割合,気温や湿度などにより適宜変更してよい。
(6)原型30に対するセパレータ32の取り付け方も一例であり、同様の効果を奏するように適宜変更してよい。例えば、前記形態では、セパレータ32の4つの凸部35と原型30の縁を固定することとしたが、セパレータ32を原型30の外周全体に取り付けるようにしてもよい。この場合、前記図3(E)に示す工程において、積層体74は、ベゼル16の中央のみが炭素繊維シート20で塞がれた状態となっているが、切り抜き方は前記実施例と同様に、ベゼル16の内周と外周に沿ってカッターなどで切り抜く。すなわち、ドーナツ型を抜くように、積層体74を切り抜けばよい。
(7)完全に熱硬化性樹脂が固化する以前にゴム型から離型し、通常の金型による外形抜き、内径抜きをすることも可能である。完全に固化した場合にはクリアランスを小さくして、拘束状態でせん断加工することにより硬質な熱硬化性樹脂に亀裂を生じさせない工夫をするとよい。
本発明によれば、部品の原型の周囲にシート状のセパレータを設けることとしたので、弾性樹脂を利用したゴム型を製造する用途に適用できる。特に、前記ゴム型を利用することで、炭素繊維シートの両面に熱硬化性樹脂層を備えた積層体を高精度に成型できるため、耐水性,耐腐食性を備えつつ、軽量化,強度の向上,薄膜化,加工性の向上,コストの低減が望まれる部品の製造に好適である。
本発明の実施例1を示す図であり、(A)は本実施例の外観を示す斜視図,(B)は、前記(A)を#A−#A線に沿って切断した断面図である。 前記実施例のゴム型製造工程の一例を示す図である。 前記ゴム型によるベゼルの製造工程の一例を示す図である。
符号の説明
10:腕時計
12:文字盤
14A:長針
14B:短針
16:ベゼル
18:目盛
20:炭素繊維シート
22:熱可塑性樹脂
22A,22B:熱可塑性樹脂層
24:硬化剤
30:原型
32:セパレータ
34:開口部
35:凸部
36:穴
40:箱
42:シリコンゴム
44:セラミックス粒子
46:蓋
48:重り
50:下型
52:上型
54:突起
56:穴
58:隙間
60:シート
62:セラミックス粒子
66:ヘラ
68:板材
70:水平安定板
72:重り
74:積層体
75:穴
76,78:切り抜き線

Claims (9)

  1. 時計用外装部品であって、
    熱硬化性樹脂を含浸させたシート状の炭素繊維,
    該炭素繊維シートの両面に設けられた熱硬化性樹脂層,
    からなる積層体を成型したことを特徴とする時計用外装部品。
  2. 前記熱硬化性樹脂層が、セラミックス粒子を含むことを特徴とする請求項1記載の時計用外装部品。
  3. 前記炭素繊維シートの両面の熱硬化性樹脂層が、それぞれ異なる熱硬化性樹脂によって形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の時計用外装部品。
  4. 時計用外装部品の型を製造する方法であって、
    前記時計用外装部品の原型の周囲に、シート状のセパレータを取り付ける工程,
    容器内に充填された液状の弾性樹脂上に、前記セパレータ付きの原型を乗せる工程,
    前記セパレータ付きの原型上に、前記液状の弾性樹脂を流し込んで被覆する工程,
    前記液状の弾性樹脂を、荷重を掛けながら硬化させる工程,
    硬化後の弾性樹脂を、前記セパレータを利用して上型と下型に分割する工程,
    前記セパレータ付き原型を型から取り除く工程,
    を含むことを特徴とする時計用外装部品の型の製造方法。
  5. 前記セパレータに、複数の穴を設けたことを特徴とする請求項4記載の時計用外装部品の型の製造方法。
  6. 前記液状の弾性樹脂に、セラミックス粒子を混合したことを特徴とする請求項4又は5記載の時計用外装部品の型の製造方法。
  7. 請求項4〜6のいずれかに記載の方法で製造されたことを特徴とする時計用外装部品の型。
  8. 請求項7記載の型を利用する時計用外装部品の製造方法であって、
    シート状の炭素繊維に、液状の熱硬化性樹脂を含浸させる工程,
    これによって樹脂を含浸させた炭素繊維シートの両面を、液状の熱硬化性樹脂を介して前記上型と下型で挟み、荷重を掛けた状態で熱硬化させる工程,
    硬化後の熱硬化性樹脂と炭素繊維シートの積層体を、前記外装部品の形状に合わせて成型する工程,
    を含むことを特徴とする時計用外装部品の製造方法。
  9. 請求項8に記載の製造方法で製造されたことを特徴とする時計用外装部品。

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