JP2005111139A - 身体拭きおよびウエットティッシュ - Google Patents
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Abstract
【課題】 人体や動物の皮膚を拭くために使用される身体拭きは、体臭の除去、皮膚に付着した***物の除去、保湿などの目的で使用されている。また、所謂ウエットティッシュは、顔(口、鼻、耳)や手を拭いたりする用途に使用されているが、本発明の課題は、アトピー性皮膚炎等の皮膚炎や敏感肌の改善効果に優れた安全性の高い身体拭き及びウエットティッシュを提供することにある。
【解決手段】 紙製または布製基材中に、キシロオリゴ糖分子中にウロン酸残基を有する酸性キシロオリゴ糖を有効成分として含有し、アトピー性皮膚炎または敏感肌用に有効な身体拭き又はウエットティッシュ。酸性キシロオリゴ糖は、キシロースの重合度が異なるオリゴ糖の混合組成物であり、平均重合度が2.0〜15.0であることが好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】 紙製または布製基材中に、キシロオリゴ糖分子中にウロン酸残基を有する酸性キシロオリゴ糖を有効成分として含有し、アトピー性皮膚炎または敏感肌用に有効な身体拭き又はウエットティッシュ。酸性キシロオリゴ糖は、キシロースの重合度が異なるオリゴ糖の混合組成物であり、平均重合度が2.0〜15.0であることが好ましい。
【選択図】 なし
Description
本発明は、人間や動物の身体を拭く身体拭き、あるいは顔や手を拭いたりするウエットティッシュに関する。
近年、特に乳幼児にアトピー性皮膚炎等のアレルギー性疾患の患者数が増加し、大きな問題となっている。アトピー性皮膚炎は思春期に完治するのが一般的であるが、完治に至らず成人型難治性アトピー性皮膚炎に悪化したり、或いは、成人後初めて発症したりするケ−スが増加している。又、犬や猫等の小動物においてもアトピー性皮膚炎が増加傾向にある。
アトピー性皮膚炎の治療を目的として抗アレルギー剤(抗ヒスタミン剤、ヒスタミン遊離抑制剤等)が用いられているが、効果が十分でないことに加えて、眠気、口渇、頭痛、消化器障害等の副作用を引き起こす可能性があり、長時間使用した場合の人体への安全性が懸念されている。又、皮膚の炎症を抑制する薬剤としてステロイド剤があるが、副腎・肝機能異常等の副作用が問題視されている。従って、長時間使用しても人体に対して安全なアトピー性皮膚炎改善剤が求められている。
人体や動物の皮膚を拭くために使用される身体拭きは、体臭の除去、皮膚に付着した***物の除去、保湿などの目的で使用されている。また、身体拭きと類似の商品でかなりの機能が重複する所謂ウエットティッシュは、顔(口、鼻、耳)や手を拭いたりする用途に使用されている。安全性の高いアトピー性皮膚炎改善剤を身体拭き又はウエットティッシュに含有させることにより、皮膚の清浄と同時にアトピー性皮膚炎の改善が可能となると考えられる。
アトピー性皮膚炎の治療を目的として抗アレルギー剤(抗ヒスタミン剤、ヒスタミン遊離抑制剤等)が用いられているが、効果が十分でないことに加えて、眠気、口渇、頭痛、消化器障害等の副作用を引き起こす可能性があり、長時間使用した場合の人体への安全性が懸念されている。又、皮膚の炎症を抑制する薬剤としてステロイド剤があるが、副腎・肝機能異常等の副作用が問題視されている。従って、長時間使用しても人体に対して安全なアトピー性皮膚炎改善剤が求められている。
人体や動物の皮膚を拭くために使用される身体拭きは、体臭の除去、皮膚に付着した***物の除去、保湿などの目的で使用されている。また、身体拭きと類似の商品でかなりの機能が重複する所謂ウエットティッシュは、顔(口、鼻、耳)や手を拭いたりする用途に使用されている。安全性の高いアトピー性皮膚炎改善剤を身体拭き又はウエットティッシュに含有させることにより、皮膚の清浄と同時にアトピー性皮膚炎の改善が可能となると考えられる。
ウエットティッシュに機能を付加した例として、塩化ベンザルコニウムを含有した消毒・除菌用ウエットティッシュ(特許文献1参照)。
タケ乾留物を清浄化剤として含有したウエットティッシュ(特許文献2参照)、ユーカリ属植物とキトサンを併用した殺菌剤を含有するウエットティッシュ(特許文献3参照)、ユーカリ抽出物を保湿成分として含有するウエットティッシュ(特許文献4参照)、おむつかぶれ抑制作用のあるユーカリ抽出物を含有するウエットティッシュ(特許文献5参照)等が報告されているが、アトピー性皮膚炎に対して優れた効果をもつウエットティッシュや身体拭きについては、開示されていない。
なお、本出願人らは、酸性キシロオリゴ糖の製造方法を報告しており(特許文献6参照)、また、酸性キシロオリゴ糖を用いた育毛剤を提案している(特許文献7参照)。
特開平8−164191
特開平9−87123
特開平2000−154109
特開平2001−329482
特開2003-159194
特開2003-183303
特開2003-183133
タケ乾留物を清浄化剤として含有したウエットティッシュ(特許文献2参照)、ユーカリ属植物とキトサンを併用した殺菌剤を含有するウエットティッシュ(特許文献3参照)、ユーカリ抽出物を保湿成分として含有するウエットティッシュ(特許文献4参照)、おむつかぶれ抑制作用のあるユーカリ抽出物を含有するウエットティッシュ(特許文献5参照)等が報告されているが、アトピー性皮膚炎に対して優れた効果をもつウエットティッシュや身体拭きについては、開示されていない。
なお、本出願人らは、酸性キシロオリゴ糖の製造方法を報告しており(特許文献6参照)、また、酸性キシロオリゴ糖を用いた育毛剤を提案している(特許文献7参照)。
本発明の課題は、アトピー性皮膚炎等の皮膚炎や敏感肌の改善効果に優れた安全性の高い身体拭き及びウエットティッシュを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決する為、鋭意研究した結果、ウロン酸残基が付加した酸性キシロオリゴ糖組成物を含有する身体拭き(ウエットティッシュ)で動物やヒトの皮膚を拭いた場合、優れたアトピー性皮膚炎改善効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の(1)〜(6)の構成を採用する。
(1)紙製または布製基材中に、キシロオリゴ糖分子中にウロン酸残基を有する酸性キシロオリゴ糖を有効成分として含有する身体拭き又はウエットティッシュ。
(2)上記(1)の発明において、アトピー性皮膚炎または敏感肌用であることを特徴とする身体拭き又はウエットティッシュ。
(3)上記(1)または(2)の発明において、前記酸性キシロオリゴ糖が、キシロースの重合度が異なるオリゴ糖の混合組成物であり、平均重合度が2.0〜15.0であることを特徴とする身体拭き又はウエットティッシュ。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかの発明において、前記酸性キシロオリゴ糖が、「リグノセルロース材料を酵素的及び/又は物理化学的に処理してキシロオリゴ糖成分とリグニン成分の複合体を得、次いで該複合体を酸加水分解処理してキシロオリゴ糖混合物を得、得られるキシロオリゴ糖混合物から、1分子中に少なくとも1つ以上のウロン酸残基を側鎖として有するキシロオリゴ糖を分解して得たもの」であることを特徴とする身体拭き又はウエットティッシュ。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかの発明において、ウロン酸が、グルクロン酸もしくは4−O−メチル−グルクロン酸であることを特徴とする身体拭き又はウエットティッシュ。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかの発明において、基材の乾燥質量に対して酸性キシロオリゴ糖を0.025〜50質量%含有することを特徴とする身体拭き又はウエットティッシュ。
即ち、本発明は以下の(1)〜(6)の構成を採用する。
(1)紙製または布製基材中に、キシロオリゴ糖分子中にウロン酸残基を有する酸性キシロオリゴ糖を有効成分として含有する身体拭き又はウエットティッシュ。
(2)上記(1)の発明において、アトピー性皮膚炎または敏感肌用であることを特徴とする身体拭き又はウエットティッシュ。
(3)上記(1)または(2)の発明において、前記酸性キシロオリゴ糖が、キシロースの重合度が異なるオリゴ糖の混合組成物であり、平均重合度が2.0〜15.0であることを特徴とする身体拭き又はウエットティッシュ。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかの発明において、前記酸性キシロオリゴ糖が、「リグノセルロース材料を酵素的及び/又は物理化学的に処理してキシロオリゴ糖成分とリグニン成分の複合体を得、次いで該複合体を酸加水分解処理してキシロオリゴ糖混合物を得、得られるキシロオリゴ糖混合物から、1分子中に少なくとも1つ以上のウロン酸残基を側鎖として有するキシロオリゴ糖を分解して得たもの」であることを特徴とする身体拭き又はウエットティッシュ。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかの発明において、ウロン酸が、グルクロン酸もしくは4−O−メチル−グルクロン酸であることを特徴とする身体拭き又はウエットティッシュ。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかの発明において、基材の乾燥質量に対して酸性キシロオリゴ糖を0.025〜50質量%含有することを特徴とする身体拭き又はウエットティッシュ。
本発明により、アトピー性皮膚炎や敏感肌の改善効果に優れた安全性の高い身体拭き又はウエットティッシュが提供される。
本発明の身体拭きとは、紙製または布製基材に薬液を含浸させた形態であり、人体や動物の皮膚を拭く目的で使用されるものを指す。薬液の主成分は水であり、必要に応じて、抗菌剤、防黴剤、保湿剤などの成分を溶解または分散させても良い。本発明の身体拭きは、乾燥した状態で流通させ、使用する時点で、水または薬液を含浸して使用しても良い。
紙製基材とは、下記に示すようなウエットティッシュ用の基材と同様のものであり、布製基材とは、タオル、ガーゼ、布巾などである。
本発明のウエットティッシュとは、紙、パルプ製不織布、合成繊維製不織布などの基材に水を含浸したものであり、一般的には、抗菌剤、防黴剤、保湿剤などの成分を必要に応じて含有する前記薬液を含浸しても良い。
合成繊維不織布を構成する繊維あるいは、パルプ製不織布に混合しても良い繊維としては、レーヨン、ポリエステル、ポリアミド、アクリル、ポリオレフィンなどの各種繊維が挙げられる。
不織布の製造方法として、湿式抄紙法、乾式抄紙法、スパンボンド法などが挙げられ、ウォータージェットにより繊維を交絡させることも可能である。
これらの繊維を1種類或いは複数の種類を混合して使用することができる。基材の米坪は、20〜100g/m2が好ましい。このような構成のウエットティッシュは、本発明の身体拭きに使用できる。
紙製基材とは、下記に示すようなウエットティッシュ用の基材と同様のものであり、布製基材とは、タオル、ガーゼ、布巾などである。
本発明のウエットティッシュとは、紙、パルプ製不織布、合成繊維製不織布などの基材に水を含浸したものであり、一般的には、抗菌剤、防黴剤、保湿剤などの成分を必要に応じて含有する前記薬液を含浸しても良い。
合成繊維不織布を構成する繊維あるいは、パルプ製不織布に混合しても良い繊維としては、レーヨン、ポリエステル、ポリアミド、アクリル、ポリオレフィンなどの各種繊維が挙げられる。
不織布の製造方法として、湿式抄紙法、乾式抄紙法、スパンボンド法などが挙げられ、ウォータージェットにより繊維を交絡させることも可能である。
これらの繊維を1種類或いは複数の種類を混合して使用することができる。基材の米坪は、20〜100g/m2が好ましい。このような構成のウエットティッシュは、本発明の身体拭きに使用できる。
以下、本発明の構成について詳述する。キシロオリゴ糖とは、キシロースの2量体であるキシロビオース、3量体であるキシロトリオース、あるいは4量体〜20量体程度のキシロースの重合体を言う。本発明で使用する酸性キシロオリゴ糖とは、キシロオリゴ糖1分子中に少なくとも1つ以上のウロン酸残基を有するものを言う。
又、キシロースの重合度が異なるオリゴ糖の混合組成物であっても良い。一般的には、天然物から製造するために、このような組成物として得られることが多く、以下、主として酸性キシロオリゴ糖組成物について説明する。
該組成物は、平均重合度で示す数値は正規分布をとる酸性キシロオリゴ糖のキシロース鎖長の平均値で、2.0〜15.0が好ましく、5.0〜15.0がより好ましい。キシロース鎖長の上限と下限との差は10以下が好ましく、2以下がより好ましい。ウロン酸は天然では、ペクチン、ペクチン酸、アルギン酸、ヒアルロン酸、ヘパリン、コンドロイチン硫酸、デルタマン硫酸等の種々の生理活性を持つ多糖の構成成分として知られている。本発明におけるウロン酸としては特に限定されないが、グルクロン酸もしくは4-O-メチル-グルクロン酸が好ましい。
又、キシロースの重合度が異なるオリゴ糖の混合組成物であっても良い。一般的には、天然物から製造するために、このような組成物として得られることが多く、以下、主として酸性キシロオリゴ糖組成物について説明する。
該組成物は、平均重合度で示す数値は正規分布をとる酸性キシロオリゴ糖のキシロース鎖長の平均値で、2.0〜15.0が好ましく、5.0〜15.0がより好ましい。キシロース鎖長の上限と下限との差は10以下が好ましく、2以下がより好ましい。ウロン酸は天然では、ペクチン、ペクチン酸、アルギン酸、ヒアルロン酸、ヘパリン、コンドロイチン硫酸、デルタマン硫酸等の種々の生理活性を持つ多糖の構成成分として知られている。本発明におけるウロン酸としては特に限定されないが、グルクロン酸もしくは4-O-メチル-グルクロン酸が好ましい。
上記のような酸性キシロオリゴ糖組成物を得ることが出来れば、その製法は特に限定されないが、(1)木材からキシランを抽出し、それを酵素的に分解する方法と、(2)リグノセルロース材料を酵素的及び/又は物理化学的に処理してキシロオリゴ糖成分とリグニン成分の複合体を得、次いで該複合体を酸加水分解処理してキシロオリゴ糖混合物を得、得られるキシロオリゴ糖混合物から、1分子中に少なくとも1つ以上のウロン酸残基を側鎖として有するキシロオリゴ糖を分離する方法が挙げられる。
特に、(2)の方法が5〜15量体のように比較的高い重合度のものを大量に安価に製造することが可能である点で好ましく、以下にその概要を示す。
特に、(2)の方法が5〜15量体のように比較的高い重合度のものを大量に安価に製造することが可能である点で好ましく、以下にその概要を示す。
酸性オリゴ糖組成物は、化学パルプ由来のリグノセルロース材料を原料とし、加水分解工程、濃縮工程、希酸処理工程、精製工程を経て得ることができる。加水分解工程では、希酸処理、高温高圧の水蒸気(蒸煮・爆砕)処理もしくは、ヘミセルラーゼによってリグノセルロース中のキシランを選択的に加水分解し、キシロオリゴ糖とリグニンからなる高分子量の複合体を中間体として得る。濃縮工程では逆浸透膜等により、キシロオリゴ糖−リグニン様物質複合体が濃縮され、低重合度のオリゴ糖や低分子の夾雑物などを除去することができる。濃縮工程は逆浸透膜を用いることが好ましいが、限外濾過膜、塩析、透析などでも可能である。得られた濃縮液の希酸処理工程により、複合体からリグニン様物質が遊離し、酸性キシロオリゴ糖と中性キシロオリゴ糖を含む希酸処理液を得ることができる。この時、複合体から切り離されたリグニン様物質は酸性下で縮合し沈殿するのでセラミックフィルターや濾紙などを用いたろ過等により除去することができる。希酸処理工程では、酸による加水分解を用いることが好ましいが、リグニン分解酵素などを用いた酵素分解などでも可能である。
精製工程は、限外濾過工程、脱色工程、吸着工程からなる。一部のリグニン様物質は可溶性高分子として溶液中に残存するが、限外濾過工程で除去され、着色物質等の夾雑物は活性炭を用いた脱色工程によってそのほとんどが取り除かれる。限外濾過工程は限外濾過膜を用いることが好ましいが、逆浸透膜、塩析、透析などでも可能である。こうして得られた糖液中には酸性キシロオリゴ糖と中性キシロオリゴ糖が溶解している。
イオン交換樹脂を用いた吸着工程により、この糖液から酸性キシロオリゴ糖のみを取り出すことができる。糖液をまず強陽イオン交換樹脂にて処理し、糖液中の金属イオンを除去する。ついで強陰イオン交換樹脂を用いて糖液中の硫酸イオンなどを除去する。この工程では、硫酸イオンの除去と同時に弱酸である有機酸の一部と着色成分の除去も同時に行っている。強陰イオン交換樹脂で処理された糖液はもう一度強陽イオン交換樹脂で処理し更に金属イオンを除去する。最後に弱陰イオン交換樹脂で処理し、酸性キシロオリゴ糖を樹脂に吸着させる。
樹脂に吸着した酸性オリゴ糖を、低濃度の塩(NaCl、CaCl2、KCl、MgCl2など)によって溶出させることにより、夾雑物を含まない酸性キシロオリゴ糖溶液を得ることができる。この溶液を、例えば、スプレードライや凍結乾燥処理により、白色の酸性キシロオリゴ糖組成物の粉末を得ることができる。
樹脂に吸着した酸性オリゴ糖を、低濃度の塩(NaCl、CaCl2、KCl、MgCl2など)によって溶出させることにより、夾雑物を含まない酸性キシロオリゴ糖溶液を得ることができる。この溶液を、例えば、スプレードライや凍結乾燥処理により、白色の酸性キシロオリゴ糖組成物の粉末を得ることができる。
化学パルプ由来のリグノセルロースを原料とし、キシロオリゴ糖とリグニンからなる高分子量の複合体を中間体とした酸性キシロオリゴ糖組成物の上記製造法のメリットは、経済性とキシロースの平均重合度の高い酸性キシロオリゴ糖組成物が容易に得られる点にある。平均重合度は、例えば、希酸処理条件を調節するか、再度ヘミセルラーゼで処理することによって変えることが可能である。また、弱陰イオン交換樹脂溶出時に用いる溶出液の塩濃度を変化させることによって、1分子あたりに結合するウロン酸残基の数が異なる酸性キシロオリゴ糖組成物を得ることもできる。さらに、適当なキシラナーゼ、ヘミセルラーゼを作用させることによってウロン酸結合部位が末端に限定された酸性キシロオリゴ糖組成物を得ることも可能である。
上記方法により得られた酸性キシロオリゴ糖組成物は、水に溶解させたりまたはスプレードライヤーで乾燥し粉体に加工後、使用することができる。また、外用用途に支障のない材質を用いてマイクロカプセル化したりリポソームに内含させて添加してもよい。
上記の酸性キシロオリゴ糖を身体拭き又はウエットティッシュの薬液に配合する場合、本発明の効果を損なわない範囲で、医薬品、医薬部外品、化粧品等に一般的に用いられる各種成分、保湿剤、酸度調節剤、安定化剤、界面活性剤、抗酸化剤、消臭剤、抗菌剤、防黴剤等に用いられている成分を配合することができ、これらの補助成分は2成分以上を配合しても良い。
上記の酸性キシロオリゴ糖を身体拭き又はウエットティッシュの薬液に配合する場合、本発明の効果を損なわない範囲で、医薬品、医薬部外品、化粧品等に一般的に用いられる各種成分、保湿剤、酸度調節剤、安定化剤、界面活性剤、抗酸化剤、消臭剤、抗菌剤、防黴剤等に用いられている成分を配合することができ、これらの補助成分は2成分以上を配合しても良い。
医薬品、医薬部外品、化粧品等に一般的に用いられる各種成分としては、抗アレルギー剤、抗炎症剤、かゆみ抑制剤、かぶれ抑制剤、肌荒れ抑制剤、低級アルコール、多価アルコール、香料、清涼剤、動植物性多糖類及びその分解物、動植物性糖蛋白質及びその分解物、微生物培養代謝成分、アミノ酸及びその塩、脱臭剤、乳化剤等と共に配合し、併用して用いることができる。
保湿剤としては、アロエエキス、延命草エキス、オトギリソウエキス、オオムギエキス、オレンジエキス、海藻エキス、カミツレエキス、カンゾウエキス、キューカンバーエキス、コンフリーエキス、ゴボウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シソエキス、セージエキス、デュークエキス、冬虫夏草エキス、ドクダミエキス、ユーカリエキス、ハタケシメジエキス、ビワエキス、ブドウ葉エキス、フユボダイジュエキス、プルーンエキス、ヘチマエキス、ボタンピエキス、マイカイエキス、モモノハエキス、ユリエキス、リンゴエキス、アーモンド油、オリーブ油、ゴマ油、サフラワー油、ジメチルシリコーン、シリコーン油、変性シリコーン、大豆油、椿油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、ヤシ油、ラノリン、アラビノース、ガラクトース、キシロース、グルコース、ショ糖、ソルビトール、フルクトース、マルトース、マルチトール、マンノース、ミツロウ、ヒアルロン酸、プラセンタエキス、ラムノース、キシロビオース、チューベローズポリサッカライド、トリサッカライド、トレハロース、可溶性コラーゲン、グリチルリチン、コンドロイチン硫酸、ジグリセリン、スクワラン、セラミド類似化合物、トリグリセリン、尿素、ビタミンCリン酸エステルカルシウム塩、ビタミンE、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ヒノキチオール、流動パラフィン、ワセリン、多価アルコール等が挙げられる。
これらの保湿剤のうち、アロエエキス、延命草エキス、オトギリソウエキス、コンフリーエキス、シソエキス、セージエキス、セラミド類似化合物、ドクダミエキス、ユーカリエキス、ハタケシメジエキス、ビワエキス、フユボダイジュエキス、ボタンピエキス、ヒマシ油、ホホバ油、ラノリン、ヒアルロン酸、プラセンタエキス、ラムノース、キシロオリゴ糖、可溶性コラーゲン、グリセリン、コンドロイチン硫酸、スクワラン、尿素、多価アルコールが肌に対する保湿効果が高く、より好ましく使用できる。多価アルコールとしては、エチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール等が好ましい。中でも、アロエエキス、ユーカリエキス、セラミド類似化合物、ハタケシメジエキス、尿素、1,3−ブチレングリコール及びプロピレングリコールが特に好ましい。
酸度調節剤及び機能の安定化剤としては、例えば、アジピン酸、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、グリシン、グリセリン脂肪酸エステル、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、DL-酒石酸、L-酒石酸、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム、炭酸塩類、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、リゾチーム、DL-リンゴ酸、DL-リンゴ酸ナトリウム、リン酸、リン酸塩類、重合リン酸塩類、イタコン酸、フィチン酸等が挙げられる。
界面活性剤としては例えば、モノステアリン酸グリセロール、トリオレイン酸ポリグリセロール等のグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、リゾレシチン、ポリエチレングリコール、ポリオキシアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリアミン、アルキルポリオキシエチレン硫酸エステル塩、アルキル硫酸エステル塩、アシルメチルタウリン塩、N-アシルグルタミン酸塩、アルキルアミドベタイン等が挙げられる。
抗酸化剤としてはカテキン、トコフェロール、プロポリス、エラグ酸、セージ、セリ、ローズマリー、ユーカリ等の植物抽出物が挙げられる。
消臭剤としては、消臭活性がある物質であれば特に制限はなく、例えば、植物・キノコ等の抽出物、精油等が挙げられる。
抗酸化剤としてはカテキン、トコフェロール、プロポリス、エラグ酸、セージ、セリ、ローズマリー、ユーカリ等の植物抽出物が挙げられる。
消臭剤としては、消臭活性がある物質であれば特に制限はなく、例えば、植物・キノコ等の抽出物、精油等が挙げられる。
抗菌剤としては、抗菌活性がある物質であれば特に制限はなく、例えば、ヒノキチオール、トリクロサン、塩化セチルピリジニウム、グルコン酸クロルヘキシジン等が挙げられる。
防黴剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸エチル、バラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル等のパラオキシ安息香酸類、植物抽出物、精油等が挙げられる。
防黴剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸エチル、バラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル等のパラオキシ安息香酸類、植物抽出物、精油等が挙げられる。
本発明の身体拭きまたはウエットティッシュの製造方法を以下に説明する。
本発明における身体拭き又はウエットティッシュは、例えば、酸性キシロオリゴ糖を含む薬液を基材に含浸する方法、薬液をスプレー等の方法により基材に噴霧する方法、薬液をグラビア印刷ロールにより基材に塗布する方法、薬液中に基材を浸漬する方法等により製造することができる。
基材に含浸させる薬液は、例えば、酸性キシロオリゴ糖を単独で水に溶解する方法、又、酸性キシロオリゴ糖に酸性キシロオリゴ糖以外の各種成分を添加して水に溶解する方法などにより製造することができる。複数の成分を溶解する場合、各成分を添加する順序は、成分が均一に溶解、または分散すれば特に制限はない。各種成分の溶解性を向上させるために例えば、エタノール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等を水に混合して溶媒として用いても良い。
又、酸性キシロオリゴ糖および各種成分の基材への添加方法としては、例えば、最初に基材に酸性キシロオリゴ糖を特定量添加した後、次に酸性キシロオリゴ糖以外の各種成分を添加する方法、あるいは、最初に基材に酸性キシロオリゴ糖以外の各種成分を添加した後、次に酸性キシロオリゴ糖を添加する方法が挙げられる。
本発明における身体拭き又はウエットティッシュは、例えば、酸性キシロオリゴ糖を含む薬液を基材に含浸する方法、薬液をスプレー等の方法により基材に噴霧する方法、薬液をグラビア印刷ロールにより基材に塗布する方法、薬液中に基材を浸漬する方法等により製造することができる。
基材に含浸させる薬液は、例えば、酸性キシロオリゴ糖を単独で水に溶解する方法、又、酸性キシロオリゴ糖に酸性キシロオリゴ糖以外の各種成分を添加して水に溶解する方法などにより製造することができる。複数の成分を溶解する場合、各成分を添加する順序は、成分が均一に溶解、または分散すれば特に制限はない。各種成分の溶解性を向上させるために例えば、エタノール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等を水に混合して溶媒として用いても良い。
又、酸性キシロオリゴ糖および各種成分の基材への添加方法としては、例えば、最初に基材に酸性キシロオリゴ糖を特定量添加した後、次に酸性キシロオリゴ糖以外の各種成分を添加する方法、あるいは、最初に基材に酸性キシロオリゴ糖以外の各種成分を添加した後、次に酸性キシロオリゴ糖を添加する方法が挙げられる。
本発明の身体拭きを乾燥状態で流通する場合、身体拭きの製造方法としては、抄紙工程に或いは不織布製造工程おいてウェブの乾燥前の湿潤状態の原紙、あるいは抄紙後の乾燥後の紙または不織布に、酸性キシロオリゴ糖を含む水をスプレーし乾燥する方法が挙げられる。
本発明における身体拭き又はウエットティッシュは、基材中に特定量含有されていればアトピー性皮膚炎等の皮膚炎や敏感肌に対して改善効果を発揮することができる。酸性キシロオリゴ糖の基材への添加量は、基材の乾燥重量に対して、0.025〜50質量%の範囲が望ましく、0.1〜12.5質量%がさらに望ましい。0.025質量%未満になると、効果が明確に発揮されず、添加量が50質量%を越えると製造コストの面で好ましくない。
また、含浸する薬液の量は、基材の乾燥固形分質量に対して1.5倍〜4倍程度が好ましく、特に2〜3倍の範囲が好ましい。
また、含浸する薬液の量は、基材の乾燥固形分質量に対して1.5倍〜4倍程度が好ましく、特に2〜3倍の範囲が好ましい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。まず、各測定法の概要、本発明で有効成分として含有させた酸性キシロオリゴ糖(UX10、UX5、UX2)の調製例1〜3を示す。
<測定法の概要>
(1) 全糖量の定量:
全糖量は検量線をD−キシロース(和光純薬工業(株)製)を用いて作製し、フェノール硫酸法(還元糖の定量法、学会出版センター発行)にて定量した。
(2) 還元糖量の定量:
還元糖量は検量線をD−キシロース(和光純薬工業(株)製)を用いて作製、ソモジ−ネルソン法(還元糖の定量法、学会出版センター発行)にて定量した。
(3) ウロン酸量の定量:
ウロン酸は検量線をD−グルクロン酸(和光純薬工業(株)製)を用いて作製、カルバゾール硫酸法(還元糖の定量法、学会出版センター発行)にて定量した。
(4) 平均重合度の決定法:
サンプル糖液を50℃に保ち15000rpmにて15分遠心分離し不溶物を除去し上清液の全糖量を還元糖量(共にキシロース換算)で割って平均重合度を求めた。
(5) 酸性キシロオリゴ糖の分析方法:
オリゴ糖鎖の分布はイオンクロマトグラフ(ダイオネクス社製、分析用カラム:Carbo Pac PA−10)を用いて分析した。分離溶媒には100mM NaOH溶液を用い、溶出溶媒には前述の分離溶媒に酢酸ナトリウムを500mMとなるように添加し、溶液比で、分離溶媒:溶出溶媒=10:0〜4:6となるような直線勾配を組み分離した。得られたクロマトグラムより、キシロース鎖長の上限と下限との差を求めた。
(6) オリゴ糖1分子あたりのウロン酸残基数の決定法
サンプル糖液を50℃に保ち15000rpmにて15分遠心分離し不溶物を除去し上清液のウロン酸量(D−グルクロン酸換算)を還元糖量(キシロース換算)で割ってオリゴ糖1分子あたりのウロン酸残基数を求めた。
(7) 酵素力価の定義:
酵素として用いたキシラナーゼの活性測定にはカバキシラン(シグマ社製)を用いた。酵素力価の定義はキシラナーゼがキシランを分解することで得られる還元糖の還元力をDNS法(還元糖の定量法、学会出版センター発行)を用いて測定し、1分間に1マイクロモルのキシロースに相当する還元力を生成させる酵素量を1ユニットとした。
(1) 全糖量の定量:
全糖量は検量線をD−キシロース(和光純薬工業(株)製)を用いて作製し、フェノール硫酸法(還元糖の定量法、学会出版センター発行)にて定量した。
(2) 還元糖量の定量:
還元糖量は検量線をD−キシロース(和光純薬工業(株)製)を用いて作製、ソモジ−ネルソン法(還元糖の定量法、学会出版センター発行)にて定量した。
(3) ウロン酸量の定量:
ウロン酸は検量線をD−グルクロン酸(和光純薬工業(株)製)を用いて作製、カルバゾール硫酸法(還元糖の定量法、学会出版センター発行)にて定量した。
(4) 平均重合度の決定法:
サンプル糖液を50℃に保ち15000rpmにて15分遠心分離し不溶物を除去し上清液の全糖量を還元糖量(共にキシロース換算)で割って平均重合度を求めた。
(5) 酸性キシロオリゴ糖の分析方法:
オリゴ糖鎖の分布はイオンクロマトグラフ(ダイオネクス社製、分析用カラム:Carbo Pac PA−10)を用いて分析した。分離溶媒には100mM NaOH溶液を用い、溶出溶媒には前述の分離溶媒に酢酸ナトリウムを500mMとなるように添加し、溶液比で、分離溶媒:溶出溶媒=10:0〜4:6となるような直線勾配を組み分離した。得られたクロマトグラムより、キシロース鎖長の上限と下限との差を求めた。
(6) オリゴ糖1分子あたりのウロン酸残基数の決定法
サンプル糖液を50℃に保ち15000rpmにて15分遠心分離し不溶物を除去し上清液のウロン酸量(D−グルクロン酸換算)を還元糖量(キシロース換算)で割ってオリゴ糖1分子あたりのウロン酸残基数を求めた。
(7) 酵素力価の定義:
酵素として用いたキシラナーゼの活性測定にはカバキシラン(シグマ社製)を用いた。酵素力価の定義はキシラナーゼがキシランを分解することで得られる還元糖の還元力をDNS法(還元糖の定量法、学会出版センター発行)を用いて測定し、1分間に1マイクロモルのキシロースに相当する還元力を生成させる酵素量を1ユニットとした。
<調整例:酸性キシロオリゴ糖の調製例>
<調製例1>
混合広葉樹チップ(国内産広葉樹70%、ユーカリ30%)を原料として、クラフト蒸解及び酸素脱リグニン工程により、酸素脱リグニンパルプスラリー(カッパー価9.6、パルプ粘度25.1cps)を得た。スラリーからパルプを濾別、洗浄した後、パルプ濃度10%、pH8に調製したパルプスラリーを用いて以下のキシラナーゼによる酵素処理を行った。
バチルスsp.S−2113株(独立行政法人産業技術総合研究所特許微生物寄託センター、寄託菌株FERM BP-5264)の生産するキシラナーゼを1単位/パルプgとなるように添加した後、60℃で120分間処理した。その後、濾過によりパルプ残渣を除去し、酵素処理液1050Lを得た。
次に、得られた酵素処理液を濃縮工程、希酸処理工程、精製工程の順に供した。濃縮工程では、逆浸透膜(日東電工(株)製、RO NTR-7410)を用いて濃縮液(40倍濃縮)を調製した。希酸処理工程では、得られた濃縮液のpHを3.5に調整した後、121℃で60分間加熱処理し、リグニンなどの高分子夾雑物の沈殿を形成させた。さらに、この沈殿をセラミックフィルター濾過で取り除くことにより、希酸処理溶液を得た。
精製工程では、限外濾過・脱色工程、吸着工程の順に供した。限外濾過・脱色工程では、希酸処理溶液を限外濾過膜(オスモニクス社製、分画分子量8000)を通過させた後、活性炭(和光純薬(株)製)770gの添加及びセラミックフィルター濾過により脱色処理液を得た。吸着工程では、脱色処理液を強陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製PK218)、強陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製PA408)、強陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製PK218)各100kgを充填したカラムに順次通過させた後、弱陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製WA30)100kgを充填したカラムに供した。この弱陰イオン交換樹脂充填カラムから75mM NaCl溶液によって溶出した溶液をスプレードライ処理することによって、酸性キシロオリゴ糖の粉末(全糖量353g、回収率13.1%)を得た。以下、この酸性キシロオリゴ糖をUX10とする。前述の測定方法により、UX10は平均重合度10.3、キシロース鎖長の上限と下限との差は10、酸性キシロオリゴ糖1分子あたりウロン酸残基を1つ含む糖組成化合物であった。
<調製例1>
混合広葉樹チップ(国内産広葉樹70%、ユーカリ30%)を原料として、クラフト蒸解及び酸素脱リグニン工程により、酸素脱リグニンパルプスラリー(カッパー価9.6、パルプ粘度25.1cps)を得た。スラリーからパルプを濾別、洗浄した後、パルプ濃度10%、pH8に調製したパルプスラリーを用いて以下のキシラナーゼによる酵素処理を行った。
バチルスsp.S−2113株(独立行政法人産業技術総合研究所特許微生物寄託センター、寄託菌株FERM BP-5264)の生産するキシラナーゼを1単位/パルプgとなるように添加した後、60℃で120分間処理した。その後、濾過によりパルプ残渣を除去し、酵素処理液1050Lを得た。
次に、得られた酵素処理液を濃縮工程、希酸処理工程、精製工程の順に供した。濃縮工程では、逆浸透膜(日東電工(株)製、RO NTR-7410)を用いて濃縮液(40倍濃縮)を調製した。希酸処理工程では、得られた濃縮液のpHを3.5に調整した後、121℃で60分間加熱処理し、リグニンなどの高分子夾雑物の沈殿を形成させた。さらに、この沈殿をセラミックフィルター濾過で取り除くことにより、希酸処理溶液を得た。
精製工程では、限外濾過・脱色工程、吸着工程の順に供した。限外濾過・脱色工程では、希酸処理溶液を限外濾過膜(オスモニクス社製、分画分子量8000)を通過させた後、活性炭(和光純薬(株)製)770gの添加及びセラミックフィルター濾過により脱色処理液を得た。吸着工程では、脱色処理液を強陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製PK218)、強陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製PA408)、強陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製PK218)各100kgを充填したカラムに順次通過させた後、弱陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製WA30)100kgを充填したカラムに供した。この弱陰イオン交換樹脂充填カラムから75mM NaCl溶液によって溶出した溶液をスプレードライ処理することによって、酸性キシロオリゴ糖の粉末(全糖量353g、回収率13.1%)を得た。以下、この酸性キシロオリゴ糖をUX10とする。前述の測定方法により、UX10は平均重合度10.3、キシロース鎖長の上限と下限との差は10、酸性キシロオリゴ糖1分子あたりウロン酸残基を1つ含む糖組成化合物であった。
<調製例2>
調整例1と同様にして得られた希酸処理液1160mlに、スミチームX(新日本化学工業(株)製のキシラナーゼ)28mgを添加し、40℃で20時間の反応させた。加熱処理(70℃、1時間)により酵素を失活させた後、スミチームX処理液を調整例1と同様の精製工程を経て、酸性キシロオリゴ糖粉末(全糖量21.3g、回収率22.2%)を得た。以下、この酸性キシロオリゴ糖をUX5とする。前述の測定方法により、UX5は平均重合度4.8、キシロース鎖長の上限と下限との差は9、酸性キシロオリゴ糖1分子あたりウロン酸残基を1つ含む糖組成化合物であった。
調整例1と同様にして得られた希酸処理液1160mlに、スミチームX(新日本化学工業(株)製のキシラナーゼ)28mgを添加し、40℃で20時間の反応させた。加熱処理(70℃、1時間)により酵素を失活させた後、スミチームX処理液を調整例1と同様の精製工程を経て、酸性キシロオリゴ糖粉末(全糖量21.3g、回収率22.2%)を得た。以下、この酸性キシロオリゴ糖をUX5とする。前述の測定方法により、UX5は平均重合度4.8、キシロース鎖長の上限と下限との差は9、酸性キシロオリゴ糖1分子あたりウロン酸残基を1つ含む糖組成化合物であった。
<調製例3>
調整例1より得られたUX10の10%水溶液100mlに、スミチームX(新日本化学工業(株)製のキシラナーゼ)50mgを添加し、60℃、20時間反応後、弱アニオン交換樹脂(WA30)10gを充填したカラムに供した。カラムを水洗した後、75mM NaCl溶液によって溶出した溶液を凍結乾燥することによって、酸性キシロオリゴ糖粉末(全糖量2.1g、回収率21%)を得た。以下、この酸性キシロオリゴ糖をUX2とする。前述の測定方法により、UX2は平均重合度2.3、キシロース鎖長の上限と下限との差は2、酸性キシロオリゴ糖1分子あたりウロン酸残基を1つ含む糖組成化合物であった。
上記の製造方法により得られた平均重合度の異なる3種の酸性キシロオリゴ糖(UX2、UX5、UX10)を含有する身体拭きを作成し、アトピー性皮膚炎改善試験を実施した。以下、実施例(実施例1〜4→UX2を含有する身体拭き、実施例5〜8→UX5を含有する身体拭き、実施例9〜12→UX10を含有する身体拭き)及び比較例で試験内容を詳しく説明する。
調整例1より得られたUX10の10%水溶液100mlに、スミチームX(新日本化学工業(株)製のキシラナーゼ)50mgを添加し、60℃、20時間反応後、弱アニオン交換樹脂(WA30)10gを充填したカラムに供した。カラムを水洗した後、75mM NaCl溶液によって溶出した溶液を凍結乾燥することによって、酸性キシロオリゴ糖粉末(全糖量2.1g、回収率21%)を得た。以下、この酸性キシロオリゴ糖をUX2とする。前述の測定方法により、UX2は平均重合度2.3、キシロース鎖長の上限と下限との差は2、酸性キシロオリゴ糖1分子あたりウロン酸残基を1つ含む糖組成化合物であった。
上記の製造方法により得られた平均重合度の異なる3種の酸性キシロオリゴ糖(UX2、UX5、UX10)を含有する身体拭きを作成し、アトピー性皮膚炎改善試験を実施した。以下、実施例(実施例1〜4→UX2を含有する身体拭き、実施例5〜8→UX5を含有する身体拭き、実施例9〜12→UX10を含有する身体拭き)及び比較例で試験内容を詳しく説明する。
<実施例1〜4及び比較例1〜2> UX2を用いた試験
<実施例1>
不織布40g(目付40g/m2)に下記の酸性キシロオリゴ糖(UX2)を含む薬液100gをスプレーで均一に噴霧し、身体拭きを作製し、実施例1とした。
薬液組成:
酸性キシロオリゴ糖(UX2)10g、プロピレングリコール5g、安息香酸エチル0.15gを蒸留水に溶解し、100gの薬液を得た。
<実施例1>
不織布40g(目付40g/m2)に下記の酸性キシロオリゴ糖(UX2)を含む薬液100gをスプレーで均一に噴霧し、身体拭きを作製し、実施例1とした。
薬液組成:
酸性キシロオリゴ糖(UX2)10g、プロピレングリコール5g、安息香酸エチル0.15gを蒸留水に溶解し、100gの薬液を得た。
<実施例2>
実施例1記載の薬液組成の「酸性キシロオリゴ糖(UX2)10g」を「1g」に変更した以外は実施例1と同様に身体拭きを作成し、実施例2とした。
実施例1記載の薬液組成の「酸性キシロオリゴ糖(UX2)10g」を「1g」に変更した以外は実施例1と同様に身体拭きを作成し、実施例2とした。
<実施例3>
実施例1記載の薬液組成の「酸性キシロオリゴ糖(UX2)10g」を「0.1g」に変更した以外は実施例1と同様に身体拭きを作成し、実施例3とした。
実施例1記載の薬液組成の「酸性キシロオリゴ糖(UX2)10g」を「0.1g」に変更した以外は実施例1と同様に身体拭きを作成し、実施例3とした。
<実施例4>
実施例1記載の薬液組成の「酸性キシロオリゴ糖(UX2)10g」を「0.01g」に変更した以外は実施例1と同様に身体拭きを作成し、実施例4とした。
実施例1記載の薬液組成の「酸性キシロオリゴ糖(UX2)10g」を「0.01g」に変更した以外は実施例1と同様に身体拭きを作成し、実施例4とした。
<比較例1>
実施例1記載の薬液組成の「酸性キシロオリゴ糖(UX2)10g」を「添加なし」に変更した以外は実施例1と同様に身体拭きを作成し、比較例1とした。
実施例1記載の薬液組成の「酸性キシロオリゴ糖(UX2)10g」を「添加なし」に変更した以外は実施例1と同様に身体拭きを作成し、比較例1とした。
<比較例2>
実施例1記載の薬液組成の「酸性キシロオリゴ糖(UX2)10g」を「0.001g」に変更した以外は実施例1と同様に身体拭きを作成し、比較例2とした。
上記実施例1〜4、比較例1、2で作製した身体拭きを用いて、以下の動物試験を行った。
実施例1記載の薬液組成の「酸性キシロオリゴ糖(UX2)10g」を「0.001g」に変更した以外は実施例1と同様に身体拭きを作成し、比較例2とした。
上記実施例1〜4、比較例1、2で作製した身体拭きを用いて、以下の動物試験を行った。
<動物試験>
アトピー性皮膚炎モデル動物として汎用されているNC/NgaTndCrjマウス(以下NCマウスと略:日本チャールズ・リバー(株))を用いて下記の手順で試験を行った。NCマウス(雄、6週齢、SPFグレード)を予備飼育後(1週間後)、マウスの腹部を毛刈り後、5%濃度の2,4,6−トリニトロクロロベンゼン(以下PiClと略)を塗布し、感作させた。更に、1週間後、NCマウス背部を毛刈り後、0.8%PiCl溶液を塗布(誘発処理)した。誘発処理は週1回実施し、試験終了まで継続した。誘発開始から5週間後、マウスの皮膚炎症状及び体重が均等になるように6群(実施例1〜4、比較例1、2)に群分けを行った(1群6匹)。次に、各マウスの背部を実施例1〜4、および比較例1、2で作製した身体拭きで1週間に2回拭き、誘発開始から10週間後に皮膚症状を観察した。尚、全飼育期間中の餌〔MF固形飼料(オリエンタル酵母工業(株)製)〕と水は自由摂取とし、飼育は通常の環境下(温度23±1℃、湿度55%±5%)で実施した。
各マウス皮膚炎の症状について下記基準に従ってスコア判定を行った。スコアは、(1)掻痒症、(2)発赤・出血、(3)浮腫、(4)擦傷・組織欠損、(5)痂皮形成・乾燥の各項目について、症状の軽い順から0〜5の5段階評価の和とした。また、各マウスの症状の写真を撮影し、第三者によるスコア判定も実施した。結果を表1に示す。
アトピー性皮膚炎モデル動物として汎用されているNC/NgaTndCrjマウス(以下NCマウスと略:日本チャールズ・リバー(株))を用いて下記の手順で試験を行った。NCマウス(雄、6週齢、SPFグレード)を予備飼育後(1週間後)、マウスの腹部を毛刈り後、5%濃度の2,4,6−トリニトロクロロベンゼン(以下PiClと略)を塗布し、感作させた。更に、1週間後、NCマウス背部を毛刈り後、0.8%PiCl溶液を塗布(誘発処理)した。誘発処理は週1回実施し、試験終了まで継続した。誘発開始から5週間後、マウスの皮膚炎症状及び体重が均等になるように6群(実施例1〜4、比較例1、2)に群分けを行った(1群6匹)。次に、各マウスの背部を実施例1〜4、および比較例1、2で作製した身体拭きで1週間に2回拭き、誘発開始から10週間後に皮膚症状を観察した。尚、全飼育期間中の餌〔MF固形飼料(オリエンタル酵母工業(株)製)〕と水は自由摂取とし、飼育は通常の環境下(温度23±1℃、湿度55%±5%)で実施した。
各マウス皮膚炎の症状について下記基準に従ってスコア判定を行った。スコアは、(1)掻痒症、(2)発赤・出血、(3)浮腫、(4)擦傷・組織欠損、(5)痂皮形成・乾燥の各項目について、症状の軽い順から0〜5の5段階評価の和とした。また、各マウスの症状の写真を撮影し、第三者によるスコア判定も実施した。結果を表1に示す。
<実施例5〜8及び比較例1,3> UX5を用いた試験
<実施例5>
不織布40g(目付40g/m2)に下記の酸性キシロオリゴ糖(UX5 )を含む薬液100gをスプレーで均一に噴霧し、身体拭きを作製し、実施例5とした。
薬液組成:
酸性キシロオリゴ糖(UX5)10g、プロピレングリコール5g、安息香酸エチル0.15gを蒸留水に溶解し、100gの薬液を得た。
<実施例5>
不織布40g(目付40g/m2)に下記の酸性キシロオリゴ糖(UX5 )を含む薬液100gをスプレーで均一に噴霧し、身体拭きを作製し、実施例5とした。
薬液組成:
酸性キシロオリゴ糖(UX5)10g、プロピレングリコール5g、安息香酸エチル0.15gを蒸留水に溶解し、100gの薬液を得た。
<実施例6>
実施例5記載の薬液組成の「酸性キシロオリゴ糖(UX5)10g」を「1g」に変更した以外は実施例5と同様に身体拭きを作成し、実施例6とした。
実施例5記載の薬液組成の「酸性キシロオリゴ糖(UX5)10g」を「1g」に変更した以外は実施例5と同様に身体拭きを作成し、実施例6とした。
<実施例7>
実施例5記載の薬液組成の「酸性キシロオリゴ糖(UX5)10g」を「0.1g」に変更した以外は実施例5と同様に身体拭きを作成し、実施例7とした。
実施例5記載の薬液組成の「酸性キシロオリゴ糖(UX5)10g」を「0.1g」に変更した以外は実施例5と同様に身体拭きを作成し、実施例7とした。
<実施例8>
実施例5記載の薬液組成の「酸性キシロオリゴ糖(UX5)10g」を「0.01g」に変更した以外は実施例5と同様に身体拭きを作成し、実施例8とした。
実施例5記載の薬液組成の「酸性キシロオリゴ糖(UX5)10g」を「0.01g」に変更した以外は実施例5と同様に身体拭きを作成し、実施例8とした。
<比較例3>
実施例5記載の薬液組成の「酸性キシロオリゴ糖(UX5)10g」を「0.001g」に変更した以外は実施例5と同様に身体拭きを作成し、比較例3とした。
上記実施例5〜8、比較例1,3で作製した身体拭きを用いて、前記と同様の方法で動物試験を行った。結果を表2に示す。
実施例5記載の薬液組成の「酸性キシロオリゴ糖(UX5)10g」を「0.001g」に変更した以外は実施例5と同様に身体拭きを作成し、比較例3とした。
上記実施例5〜8、比較例1,3で作製した身体拭きを用いて、前記と同様の方法で動物試験を行った。結果を表2に示す。
<実施例9〜12及び比較例1,4> UX10を用いた試験
<実施例9>
不織布40g(目付40g/m2)に下記の酸性キシロオリゴ糖(UX10 )を含む薬液100gをスプレーで均一に噴霧し、身体拭きを作製し、実施例9とした。
薬液組成:
酸性キシロオリゴ糖(UX10)10g、プロピレングリコール5g、安息香酸エチル0.15gを蒸留水に溶解し、100gの薬液を得た。
<実施例9>
不織布40g(目付40g/m2)に下記の酸性キシロオリゴ糖(UX10 )を含む薬液100gをスプレーで均一に噴霧し、身体拭きを作製し、実施例9とした。
薬液組成:
酸性キシロオリゴ糖(UX10)10g、プロピレングリコール5g、安息香酸エチル0.15gを蒸留水に溶解し、100gの薬液を得た。
<実施例10>
実施例9記載の薬液組成の「酸性キシロオリゴ糖(UX10)10g」を「1g」に変更した以外は実施例9と同様に身体拭きを作成し、実施例10とした。
実施例9記載の薬液組成の「酸性キシロオリゴ糖(UX10)10g」を「1g」に変更した以外は実施例9と同様に身体拭きを作成し、実施例10とした。
<実施例11>
実施例9記載の薬液組成の「酸性キシロオリゴ糖(UX10)10g」を「0.1g」に変更した以外は実施例9と同様に身体拭きを作成し、実施例11とした。
実施例9記載の薬液組成の「酸性キシロオリゴ糖(UX10)10g」を「0.1g」に変更した以外は実施例9と同様に身体拭きを作成し、実施例11とした。
<実施例12>
実施例9記載の薬液組成の「酸性キシロオリゴ糖(UX10)10g」を「0.01g」に変更した以外は実施例9と同様に身体拭きを作成し、実施例12とした。
実施例9記載の薬液組成の「酸性キシロオリゴ糖(UX10)10g」を「0.01g」に変更した以外は実施例9と同様に身体拭きを作成し、実施例12とした。
<比較例4>
実施例9記載の薬液組成の「酸性キシロオリゴ糖(UX10)10g」を「0.001g」に変更した以外は実施例9と同様に身体拭きを作成し、比較例4とした。
上記実施例9〜12、比較例1、4で作製した身体拭きを用いて、実施例1〜4と同様の方法で動物試験を行った。結果を表3に示す。
実施例9記載の薬液組成の「酸性キシロオリゴ糖(UX10)10g」を「0.001g」に変更した以外は実施例9と同様に身体拭きを作成し、比較例4とした。
上記実施例9〜12、比較例1、4で作製した身体拭きを用いて、実施例1〜4と同様の方法で動物試験を行った。結果を表3に示す。
<実施例13>
<安全性試験>
酸性キシロオリゴ糖の安全性試験として、皮膚刺激性試験、急性経口毒性試験を実施した。
<皮膚刺激性試験>
2質量%の酸性キシロオリゴ糖(UX2、UX5、UX10)水溶液100μlを、各々、除毛後のC3Hマウス(雄、6週齢、日本チャールズリバー(株)製)の背皮に、約1ヶ月間、連続塗布した(1回/日、各群10匹)。塗布期間及び塗布終了後の2週間、マウス背皮において、紅斑、浮腫、炎症等の異常は特に観察されなかった。また、ブランク(水塗布群)と比較し、体重推移においても有意差(P<0.05)が認められなかった。
<急性経口毒性試験>
60質量%の酸性キシロオリゴ糖(UX2、UX5、UX10)水溶液を、各々、ICR系マウス(雄、6週齢、日本チャールズリバー(株)製)に胃ゾンデを用いて、経口投与した(投与量:5g/マウス体重1kg、各群10匹)。投与してから2週間後まで、死亡例はなかった。又、体重推移においてもブランク(水投与群)と比較し、有意差(P<0.05)が認められなかった。
<安全性試験>
酸性キシロオリゴ糖の安全性試験として、皮膚刺激性試験、急性経口毒性試験を実施した。
<皮膚刺激性試験>
2質量%の酸性キシロオリゴ糖(UX2、UX5、UX10)水溶液100μlを、各々、除毛後のC3Hマウス(雄、6週齢、日本チャールズリバー(株)製)の背皮に、約1ヶ月間、連続塗布した(1回/日、各群10匹)。塗布期間及び塗布終了後の2週間、マウス背皮において、紅斑、浮腫、炎症等の異常は特に観察されなかった。また、ブランク(水塗布群)と比較し、体重推移においても有意差(P<0.05)が認められなかった。
<急性経口毒性試験>
60質量%の酸性キシロオリゴ糖(UX2、UX5、UX10)水溶液を、各々、ICR系マウス(雄、6週齢、日本チャールズリバー(株)製)に胃ゾンデを用いて、経口投与した(投与量:5g/マウス体重1kg、各群10匹)。投与してから2週間後まで、死亡例はなかった。又、体重推移においてもブランク(水投与群)と比較し、有意差(P<0.05)が認められなかった。
<実施例14>
<安定性試験>
60質量%の酸性キシロオリゴ糖(UX2、UX5、UX10)水溶液を調整後、室温で保存した。調製直後、及び、1ヶ月保存後の酸性キシロオリゴ糖水溶液をイオンクロマトグラムで分析した。1ケ月保存後のサンプルのクロマトグラムのパターンは、調製直後のサンプルと比較して変化はなかった。又、クロマトグラムの各ピークの面積の差は、1ケ月保存後のサンプルと調製直後のサンプルの間で、5%未満であった。
<安定性試験>
60質量%の酸性キシロオリゴ糖(UX2、UX5、UX10)水溶液を調整後、室温で保存した。調製直後、及び、1ヶ月保存後の酸性キシロオリゴ糖水溶液をイオンクロマトグラムで分析した。1ケ月保存後のサンプルのクロマトグラムのパターンは、調製直後のサンプルと比較して変化はなかった。又、クロマトグラムの各ピークの面積の差は、1ケ月保存後のサンプルと調製直後のサンプルの間で、5%未満であった。
本発明によりアトピー性皮膚炎等の皮膚炎や敏感肌の改善効果に優れた人体に対しても安全性の高い身体拭き又はウエットティッシュが提供される。
Claims (6)
- 紙製または布製基材中に、キシロオリゴ糖分子中にウロン酸残基を有する酸性キシロオリゴ糖を有効成分として含有する身体拭き又はウエットティッシュ。
- アトピー性皮膚炎または敏感肌用であることを特徴とする請求項1に記載の身体拭き又はウエットティッシュ。
- 前記酸性キシロオリゴ糖が、キシロースの重合度が異なるオリゴ糖の混合組成物であり、平均重合度が2.0〜15.0であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の身体拭き又はウエットティッシュ。
- 前記酸性キシロオリゴ糖が、「リグノセルロース材料を酵素的及び/又は物理化学的に処理してキシロオリゴ糖成分とリグニン成分の複合体を得、次いで該複合体を酸加水分解処理してキシロオリゴ糖混合物を得、得られるキシロオリゴ糖混合物から、1分子中に少なくとも1つ以上のウロン酸残基を側鎖として有するキシロオリゴ糖を分解して得たもの」であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の身体拭き又はウエットティッシュ。
- ウロン酸が、グルクロン酸もしくは4−O−メチル−グルクロン酸であることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の身体拭き又はウエットティッシュ。
- 基材の乾燥質量に対して酸性キシロオリゴ糖を0.025〜50質量%含有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の身体拭き又はウエットティッシュ。
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