JP2005106002A - オイルセパレーター及びpcvシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】 気液分離対象の流体流量に依らず十分な気液分離能を実現でき、装置構成の複雑化及び経済性の悪化を防止できるオイルセパレーター及びPCVシステムを提供する。
【解決手段】 PCVシステム100は、内燃機関101及び吸気系102に接続されたサイクロンセパレーター1を有するものである。サイクロンセパレーター1は、ブローバイガスの吸入管3が接続された円筒部21の上端側及び下端側に、それぞれ蓋部22及び逆円錐部23が設けられて成るサイクロン2を備えている。円筒部21は、互いに摺動自在に設けられた複数の平板71を含む隔壁で構成されており、その外周には、高さ方向に一定間隔で配置された弾性ベルト10が巻設されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、オイルセパレーター及びそのオイルセパレーターを備えるPCV(PositiveCrankcase Ventilation;ブローバイガス還元装置)システムに関する。
一般に、内燃機関の圧縮工程又は膨張工程においてピストンとシリンダとの間からクランクケース内に漏出するブローバイガスは、霧状のオイルと混合されてオイルミストになる。このようにオイル分とガス分を含むブローバイガスは、通常、気液分離が施された後、オイル分は回収され、ガス分は内燃機関側へ戻入される。
このとき、気液分離が不十分であると、オイル消費が増大するため、オイルセパレーターとして種々の気液分離構造が提案されている。一例として、特許文献1には、複数のサイクロンセパレーターを有し、ブローバイガス(クランクケース通気ガス)の流量に応じて使用するセパレーターの数を変化させるように構成した装置が記載されている。具体的には、ブローバイガスの体積流を複数の部分流に分割し、各部分流を並列配置された異なるサイクロンセパレーターに独立に流通させるものである。
この従来装置は、ブローバイガスの体積流の大きさが内燃機関の負荷状態等に依存することから、上述したような構成により、その体積流の変動に関わらず最適条件でもってブローバイガスの脱油を行うことを企図したものである。
特表2002−543321号公報
しかし、上記従来の装置に備わる各サイクロンセパレーターは、それに導入される部分流の最大流量を処理できるように構成される必要がある。これとは逆に、部分流の流量範囲の下限に合わせてサイクロンセパレーターの容量を決定してしまうと、大流量のときに通気抵抗が過大となってしまい、流通が妨げられてしまう傾向にある。
よって、ブローバイガスを部分流に分割したとしても、全体流量又はその部分流量が過小な場合、その最大流量に基づいて設計されたサイクロンセパレーター内では流速が不十分となってしまう。こうなると、気液分離を十分に行うために必要な遠心力が発生しないので、気液分離効率を十分に高めることができない。
また、部分流に分割してサイクロンセパレーターの設置員数を増やすと、装置構成が複雑となるばかりか、より広い設置スペースが必要となる。これは、例えば車両等の限られた空間に搭載する際に極めて不利であり、しかも装置の部材コストの有意な増大を招いてしまう。
さらに、特許文献1には、部分流が少量の際にその部分流をサイクロンセパレーターに通気させないようにするためのボールバルブを用いた構成も開示されている。しかし、そもそも分割前のブローバイガス流量が過小な場合には、かかる構成をもってしても十分な気液分離性能を得ることは困難である。加えて、ボールバルブを用いるので、装置構造が一層複雑化してしまい、コストの増大をも招いてしまう傾向にある。
そこで、本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、気液分離に供される流体の流量に依らず十分な気液分離性能を実現でき、しかも装置構成の複雑化及び経済性の悪化を防止できるオイルセパレーター及びそれを用いたPCVシステムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明のオイルセパレーターは、オイル分とガス分とを含む流体が供給されて気液分離が行われるサイクロン方式のオイルセパレーターであって、略筒状を成し且つ流体の流量に応じて断面径が変化するように設けられた胴部と、流体が胴部の半径方向と所定角を成す方向、好ましくは胴部の接線方向からその胴部内へ流入するように設けられた流体吸入部と、胴部の下方に設けられており且つ流体から分離されたオイル分が当該オイルセパレーターの外部へ排出されるオイル排出部と、オイル排出部よりも上方に設けられており且つ流体から分離されたガス分が当該オイルセパレーターの外部へ排出されるガス排出部とを備えることを特徴とする。
このような構成により、本発明によるオイルセパレーターは、流体が胴部壁から流入する方式、特にその流入角が胴部の半径方向と略直角を成す場合に接線流入式のサイクロンセパレーターとして機能する。すなわち、気液混合体である流体が、流体吸入部に案内されて胴部の接線方向からその内部に流入し、サイクロン効果によって気液分離が行われる。分離されたオイル分は胴部の内壁を伝って胴部下方に設けられたオイル排出部へ流動して集められ、外部へ排出される。一方、分離されたガス分(清澄な処理済ガス)は、ガス排出部から胴部の外部へ排出される。
このとき、胴部が流体流量に応じてその断面径が変化するように、例えば、流量が相対的に小さいときには断面径が比較的小さくなるように且つ逆に大きいときには断面径が大きくなるように設けられている。
これを具体的に明示すれば、本発明のオイルセパレーターに備わる胴部は、下記式(1);
Ri>Rj …(1)、
で表される関係を満たすように設けられたものである。
ここで、式中、Ri及びRjは、流体吸入部における流体の流速がそれぞれFn及びFm(ただし、Fn>Fm)であるときの胴部の断面径を示す。
こうすれば、流体流量の広い範囲において、胴部内における十分な流速が確保されると共に通気抵抗の増大が抑えられる。したがって、流体を部分流に分割する必要もなく、オイルセパレーターを複数台使用することも要しない。
また、胴部の断面径を上述のように流量に応じて変化させる手段は特に制限されないものの、胴部は、複数の板状部材を含み且つそれら複数の板材部材のうち隣接する板材部材が互いに摺動自在に重なり合うように全体として略筒状に形成された隔壁を有するものであると好ましい。
こうすれば、例えば、流体が供給されない状態で胴部が収縮するように付勢しておくことにより、流体の供給圧が増大するにつれて(つまり流体の供給流量が増大するにつれて)隔壁が膨張し、胴部の断面径が連続的に変化し得る。胴部が収縮した状態では板状部材が重なり合う面積が大きくなる一方、膨張した状態ではその面積が小さくなる。
そして、複数の板状部材が重なり合うように全体として筒状に配置されるので、板状部材における一方の長辺の縁端が胴部の内側に偏向して突設し、隔壁の内側ひいては胴部の内壁に複数の突条或いは凹凸が形成される。
この突条又は凸の配向と流体の流入方向とが交差するように流体が胴部内に導入されると、流体が板状部材に衝突し易くなるので、胴部内面が滑らかに形成されている場合に比して気液分離性能が高められる。
さらに、隔壁は、隣接する板状部材間に棒状又は管状を成す封止部材が介設されて成るものであると好ましい。こうすれば、板状部材間の密閉性が向上されると共に、胴部が収縮又は膨張する際に、その密閉性が保持されると共に、板状部材同士の摩擦が軽減されて摺動性が向上される。
更に具体的には、複数の板状部材は、胴部の外側に向かって凸となるように曲率を有して湾曲した断面弧状を成すもの、逆に言えば、いわゆる‘内反り’状態、つまり胴部の内側に向かって凹となるような弧状断面を有するものであると好適である。
このように構成すれば、板状部材の一方の長辺の縁端が、胴部の内側により急な角度で偏向するので、流体が板状部材により衝突し易くなる。よって、気液分離効率がより一層高められる。また、板状部材が平板の場合に比して、隔壁の外周形状がまとまりよく且つより滑らかに形成される。
なお、隔壁がこのように構成されており且つ上述した棒状又は管状の封止部材を設ける場合、その封止部材は、互いに隣接する板状部材のうちより内側に位置する一方の板状部材の凸面と、外側に位置する他方の板状部材の凹面とに当接するように設けられる。これにより、封止部材の保持性及び転がり性が高められ、板状部材間の封止がより確実とされると共に、板状部材同士の摺動性が向上される。
更に具体的には、胴部を収縮させるように付勢する手段として、隔壁の周囲に巻設されたゴム、バネ(スプリング)といった弾性部材を例示できる。その弾性部材の形状としては、環状、筒状等が挙げられ、隔壁の保護及び/又は胴部の密閉性を高める必要がある場合には、隔壁の周囲全体を覆うような筒状が望ましい。
或いは、胴部が略筒状に形成された弾性体から成る隔壁を有するものであっても好ましい。
このようにしても、例えば、隔壁を、流体が供給されない状態において非緊張状態で小径となるように形成しておくことにより、流体の供給圧が増大するにつれて(つまり流体の供給流量が増大するにつれて)隔壁が拡張され、胴部の断面径が連続的に変化し得る。
弾性体の一例としては、連続的若しくは断続的な平滑面又は蛇腹等の凹凸面を有するゴムが挙げられ、供給される流体の種類や温度条件により種々の合成ゴム又は天然ゴムから選択して使用可能である。また、他の例として、蛇腹等の折り畳み自在な凹凸面を有する非ゴム材が挙げられる。この場合には、胴部を収縮させるように付勢する手段として、隔壁の周囲に巻設されたゴム、バネといった弾性部材を設けることが望ましい。その弾性部材の形状としては、環状、筒状等が挙げられる。さらに、一部がゴムであり残部が非ゴム材であって全体として弾性を有するものも用いられる。
また、本発明によるPCVシステムは、本発明によるオイルセパレーターを備えており、流体として内燃機関から生じるブローバイガスがそのオイルセパレーターに供給されるように構成されたものである。

本発明のオイルセパレーター及びそれを用いたPCVシステムによれば、気液分離に供される流体の流量に依らず十分な気液分離能を実現でき、しかも装置構成の複雑化及び経済性の悪化をも防止することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、同一要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。また、図面の寸法比率は、図示の比率に限られるものではない。
図1は、本発明によるオイルセパレーターを備えるPCVシステムの好適な実施形態を模式的に示す正面図(一部ブロック図)である。
PCVシステム100,200は、車両や動機器等(図示せず)に備わる内燃機関101及び吸気系102に接続されたサイクロンセパレーター1(オイルセパレーター)を有するものである。まず、PCVシステム100について説明する。
[第1実施形態]
PCVシステム100におけるサイクロンセパレーター1は、円筒部21の上端側及び下端側にそれぞれ蓋部22及びロート状の逆円錐部23が設けられたサイクロン2を備えている。
円筒部21は、後述する複数の平板71,…(板状部材)を含む隔壁で構成されており、円筒部21の外周には、高さ方向に一定間隔で配置された環状を成す複数の弾性ベルト10が巻設されている。このように、円筒部21及び弾性ベルトから胴部が構成されている。また、円筒部21には、内燃機関101の例えば図示しないクランクケースに配管P1を介して接続された吸入管3が接続されている。
蓋部22及び逆円錐部23は、それぞれ円筒部21の上方端及び下方端を封止するように円筒部21を構成する平板71に接合されており、これにより、円筒部21、蓋部22、及び逆円錐部23が一体に形成されている。なお、図1において、蓋部22及び逆円錐部23の表面を縞状に図示したが、これは、蓋部22及び逆円錐部23が平板71に接合された状態を示すことを企図したものであり、これらは、複数の板状部材で構成されていてもよく、他の弾性部材で一様に形成されていてもよい。
また、蓋部22に設けられた貫通孔41には、吸気系102に配管P2を介して接続された出口管4(ガス排出部)が蓋部22を貫通するように設置されている。なお、出口管4は、その下端が円筒部21の高さ中心の近傍まで延在するように設けられている。またさらに、逆円錐部23の下方端51には、開閉バルブVを有し且つオイル回収系103に配管P3を介して接続された排出管5(オイル排出部)が接続されている。
図2(A)及び(B)は、共に図1におけるII−II線に沿う断面図であり、それぞれ流量の異なるブローバイガスG1,G2(流体)がサイクロン2内に供給されたときの状態を示すものである。
両図において、円筒部21は、サイクロン2の高さ方向に延在する略短冊状を成す複数の平板71,…を有しており、各平板71が一体毎に丸棒73(封止部材)を介して環状に配設されたものである。ここで、図3は、二枚の平板71,71の設置状態を模式的に示す斜視図である。このように、丸棒73が、隣接する二枚の平板71,71の間に各々の対向面に当接するように介設され、これらの平板71,71が一定の面角を有するように連設されている。これにより、各平板71間が封止され、密閉された隔壁たる円筒部21が構成される。
また、各丸棒73は、両側に位置する二枚の平板71,71の双方と非固着状態で設けられており、これにより、二枚の平板71,71同士が摺動自在に且つ各々の一部が重なり合うように設けられている。このように複数の平板71,…が重なり合うように全体として筒状に配置されるので、各平板71の一辺が円筒部21の内側に偏向して配置されて複数の突条或いは凹凸が形成される。さらに、円筒部21に設けられた吸入口31の周縁にあたる平板71には、吸入管3(流体吸入部)がその軸方向と円筒部21の接線方向とが略一致するように接続されている。
図2(A)及び(B)を更に参照して、このように構成されたPCVシステム100によるブローバイガスG1,G2の処理について説明する。
ブローバイガスG1,G2は、内燃機関101内で発生したオイル液滴(オイル分)と燃焼ガス(ガス分)との気液混合体つまりオイルミストであり、内燃機関101の運転条件に応じて流量が変化し、よって吸入口31に達したときの流速が異なる。ここでは、ブローバイガスG1の流速F1がブローバイガスG2の流速F2よりも大きい状態を想定する。なお、図示において、ブローバイガスG1,G2を表す矢印の長さは、両者の流速F1,F2の大小を模式的に示す。これは、後述する図4及び図7において同様である。
ブローバイガスG1は、吸入管3を通して円筒部21内にその接線方向に沿って供給され、これにより、サイクロンセパレーター1が接線流入式のサイクロンセパレーターとして機能する。
ブローバイガスG1が円筒部21内に流入すると、その流速F1が比較的大きいので、円筒部21の内圧が高まって弾性ベルト10の弾力を上回り、隔壁たる円筒部21が押し広げられるように各平板71が摺動する。こうして、円筒部21の断面径が大きくされ(径R1)、その結果、内容積が増大する(図2(A)参照)。
一方、流量が小さいブローバイガスG2が円筒部21内に流入すると、その流速F2が比較的小さいので、円筒部21の内圧がそれほど大きくならず、弾性ベルト10の弾力によって隔壁が収縮するように各平板71が摺動する。こうして、円筒部21の断面径が小さくされ(径R2)、その結果、内容積が減少する(図2(B)参照)。
つまり、円筒部21は、ブローバイガスG1,G2の流量ひいては流速の大小及び弾性ベルト10の弾力に応じて、断面径ひいては内容積が自在に変化する。よって、上述した式(1)を満たし、ブローバイガスの流量が大きいほど円筒部21がより拡張されるので、サイクロン2内での流速を確保しつつ流体抵抗を十分に低減できる。また、ブローバイガスの流量が小さいほど円筒部21がより収縮するので、サイクロン2内での渦流速を十分に確保できる。
こうして円筒部21内に導入されたブローバイガスG1,G2の流れは、円筒部21内で直線流から渦流に変化し、円筒部21の内壁に沿って回転しながら螺旋状に下降する。それから、逆円錐部23に到達すると、回転速度を増しながら更に下降し、逆円錐部23の下方端51近傍で反転上昇し、円筒部21の略中心部を回転しながら上昇する。
このとき、ブローバイガスG1,G2中に微小粒子として含まれるオイル液滴は、旋回運動によって遠心力を得て円筒部21の側壁に向かって水平方向に移動し、平板71に衝突して運動量を失い、平板71を伝って流下する。逆円錐部23の下方端51付近に溜まったオイルは、開閉バルブVの適宜の操作により排出管5を通してオイル回収系103へ送られる。
こうして、ブローバイガスG1,G2の気液分離が行われ、円筒部21の略中心部を上昇するガスはオイル液滴が分離された清澄ガスとなり、出口管4及び配管P2を通して吸気系102へ送られる。なお、サイクロン2内の実際の気流は、より一層複雑な挙動を示す傾向にあり、作用は上述したものに限定されない。
ここで、主要部位の寸法形状について概説する。ブローバイガスの流量がQ1からQ2へ変化し、吸入管3内の流速がF1からF2へ変化した場合、吸入管3の内径が一定であれば、下記式(2);
F2=F1×Q2/Q1 …(2)、
で表される関係が満たされる。
また、このようにブローバイガス流量がQ1からQ2へ変化しても、サイクロン2の円筒部21に流入したブローバイガスに同等の遠心力が作用するように円筒部21の内径がR1からR2へ変化する場合、下記式(3);
R2=R1×(Q2/Q1) …(3)、
で表される関係が概ね満たされればよい。
より具体的には、吸入管3の内径(円筒部21への入口径)が10mmφの場合について例示すると、ブローバイガスの流量が60L/minから30L/minへ変化したとき、吸入管3内の流速(円筒部21への入口流速)が12m/secから6m/secへ変化する。そして、この場合、円筒部21の内径が40mmφから10mmφへと変化するように、平板71、丸棒73及び弾性ベルト10の各々の種類、寸法形状、及び員数等を決定することができる。なお、かかる関係は、後述する図4及び図7に示す態様において同様である。
そして、上述したように、円筒部21がブローバイガスG1,G2の流量に応じて拡張又は収縮し、適度な断面径R1,R2へと変化することによって流体抵抗を低減しつつ十分な流速を実現できる。よって、ブローバイガスの流量が変化しても、その流量の広い範囲で気液分離効率を十分に高く維持できる。より具体的には、ブローバイガスG1が大流量のときにサイクロン2の通気抵抗が過大となることを抑止できる。一方、ブローバイガスG2が小流量のときでも、サイクロン2内で十分な遠心力を発生させることができる。
したがって、従来のようにオイル分を含むブローバイガスを気液分離の前段で部分流に分割する必要がなく、或いはオイルセパレーターを複数台用いる必要もない。その結果、PCVシステム100の構成を簡略化でき且つその設置スペースを狭小化でき、もってコストの低減を図ることが可能となる。
また、各平板71の一辺が円筒部21内に突設するように配置されているので、ブローバイガスG1,G2と各平板71との衝突が生じ易くなる。よって、ブローバイガスG1,G2に含まれるオイルミストが運動量を失い易くなり、気液分離性能を更に向上させることができる。
[第2実施形態]
次に、図1に戻り、PCVシステム200について説明する。PCVシステム200は、サイクロン2の代わりに、円筒部61の上方端及び下方端が蓋部62及び逆円錐部63で封止されたサイクロン6を備えること以外は、PCVシステム100と同様に構成されたものである。このように、円筒部61及び弾性ベルト10から胴部が構成されている。
図4(A)及び(B)は、共に図4におけるIV−IV線に沿う断面図であり、それぞれ流量の異なるブローバイガスG1,G2がサイクロン6内に供給されたときの状態を示すものである。円筒部61は、平板71及び丸棒73の代わりに、それぞれ反り板81(板状部材)及び丸棒83(封止部材)を有すること以外は、円筒部21と同様に構成されている。すなわち、サイクロン2の高さ方向に延在する断面弧状を成す複数の反り板81,…が一体毎に丸棒83を介して環状に配設されて円筒部21が構成されている。
ここで、図5は、二枚の平板81,81の設置状態を模式的に示す斜視図である。反り板81は、その水平断面において円筒部61の内側に向かって一定の曲率で湾曲しており、隣接する二枚の反り板81,81の間に各々の対向面(凸面と凹面)に当接するように丸棒83が介設されている。
このように構成されたサイクロン6を有するサイクロンセパレーター1においても、円筒部61の各反り板81が摺動自在に設けられているので、流量の異なるブローバイガスG1,G2が流入すると、それらの流速に応じて円筒部61の断面径が自在に変化する。図示の例では、流量が比較的大きいブローバイガスG1のときの径R3が、流量が比較的小さいブローバイガスG2のときの径R4よりも大きくされ、上述した式(1)を満たす。
よって、PCVシステム200によれば、PCVシステム100が奏するのと同様にして優れた気液分離性能が実現される。その作用効果の詳細については、上述したのと同様であり、重複を避けるためここでの説明は省略する。
さらに、各反り板81が断面弧状を成しているので、平板71を設けた場合に比して、反り板81の一方辺の縁端が円筒部61の内側により急角度で偏向するので、ブローバイガスG1,G2が反り板81に更に衝突し易くなる。よって、気液分離効率を一層高めることが可能となる。またさらに、隔壁である円筒部21の外周形状を、円筒部21よりもまとまりよく滑らかに形成でき、これにより、円筒部21の幾何学的形状をより小型化できる。
さらにまた、丸棒83が、隣接する二枚の反り板81,81のそれぞれ凸面と凹面とに挟まれるので、丸棒83の保持性、及び転がり性が高められる。よって、各反り板81間をより確実に封止できる。しかも、反り板81同士の摺動性をも向上されるので、円筒部61の拡張及び収縮動作がより円滑に行われる。よって、ブローバイガスG1,G2の流量変化に対する追従性を向上させることができる。
[第3実施形態]
図6は、本発明によるオイルセパレーターを備えるPCVシステムの他の好適な実施形態を模式的に示す正面図(一部ブロック図)である。PCVシステム300は、サイクロン2を有するサイクロンセパレーター1の代わりに、サイクロン9を有するサイクロンセパレーター11(オイルセパレーター)を備えること以外は、PCVシステム100と同様の構成を有するものである。
サイクロン9は、弾性体で形成された円筒部91の上方端及び下方端が蓋部92及び逆円錐部93で封止されたものである。このように、円筒部91は、隔壁及び胴部を兼ねるものである。円筒部91に用いられる弾性体は、円筒部91全体としてその径方向に自在に拡張及び収縮するものであれば特に制限されない。
このような弾性体としては、例えば、連続平滑面又は蛇腹等の凹凸面を有するゴムが挙げられ、供給されるブローバイガスG1,G2の種類や温度条件により、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、エピクロルヒドリンゴム(CHR)、クロロスルフォン化ポリエチレン(CSM)、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等の合成ゴムや天然ゴムのなかから適宜選択して使用可能である。
また、円筒部91は、蛇腹等の折り畳み自在な凹凸面を有する非ゴム材で形成されていてもよい。なお、このとき、円筒部91を収縮させるように付勢するために円筒部91の周囲に弾性ベルト10(図1参照)を巻設することが望ましく、この場合には、円筒部91及び弾性ベルト10から胴部が構成される。或いは、円筒部91の一部をゴムとし、残部を非ゴム材で形成しても構わない。
蓋部92及び逆円錐部93は、円筒部91と同種の材料又は部材で形成されていてもよく、異なる材料又は部材、例えばそれぞれ蓋部22,62及び逆円錐部23,63と同様に形成されていてもよい。なお、図6においては、これら円筒部91、蓋部92、及び逆円錐部93の境界を図示せず、それらが一体に形成された状態を例示した。
図7(A)及び(B)は、共に図6におけるVII−VII線に沿う断面図であり、それぞれ流量の異なるブローバイガスG1,G2がサイクロン9内に供給されたときの状態を示すものである。
このように構成されたPCVシステム300によれば、比較的大流量のブローバイガスG1が円筒部91内に流入すると、その内圧が円筒部91の収縮力(弾力による収縮圧)に打ち勝って円筒部91の断面径が拡大される。一方、比較的小流量のブローバイガスG2が流入した際には、円筒部91の収縮力により、断面径が縮小される。すなわち、上述した式(1)が満たされ、前者の径R5が後者の径R4より大きくされる。
このように流量の異なるブローバイガスG1,G2が流入すると、それらの流速に応じて円筒部91の断面径が自在に変化するので、ブローバイガスの流量に依らず、高い気液分離性能を実現できる。よって、従来のようにオイル分を含むブローバイガスを気液分離の前段で部分流に分割することもオイルセパレーターを複数台用いることも必要ない。
その結果、PCVシステム300の構成を簡略化でき且つその設置スペースを狭小化でき、コスト低減を図ることができる。また、円筒部91を単一部品で構成することが可能であり、封止性を担保し易い。さらに、部品点数を低減できるので、経済性を更に向上できる。
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない限度において様々な変形が可能である。例えば、吸入管3の円筒部21,61,91への接続方向は、円筒部21,61,91の接線方向に沿うようにするのが望ましいものの、それに制限されず、それらの半径方向と一定の角度を成すように接続してもよい。こうしても、ブローバイガスG1,G2が円筒部21,61,91の半径方向と所定角を成す方向から内部へ流入するので、サイクロン効果が奏される。
また、丸棒73,83の代わりに中空管状のものを用いてもよい。さらに、各実施形態において、図示高さ方向の設置スペースを極力縮小化する例示として、貫通孔41及び出口管4を蓋部22,62,92の頭頂部から偏芯させて設けたが、サイクロン2,6,9と同軸状に設けてももちろんよい。
本発明によるオイルセパレーター及びそれを備えるPCVシステムは、気液分離の対象である流体の流量に依らず十分な気液分離能を実現でき、しかも装置構成の複雑化及び経済性の悪化を防止できるので、ブローバイガス等のオイル分を含む気液混合体が発生し得る内燃機関を備える機器、動機、設備等に広く利用できる。
本発明によるオイルセパレーターを備えるPCVシステムの好適な実施形態を模式的に示す正面図(一部ブロック図)である。 図2(A)及び(B)は、共に図1におけるII−II線に沿う断面図であり、それぞれ流量の異なるブローバイガスG1,G2がサイクロン2内に供給されたときの状態を示す。 平板71,71の設置状態を模式的に示す斜視図である。 図4(A)及び(B)は、共に図4におけるIV−IV線に沿う断面図であり、それぞれ流量の異なるブローバイガスG1,G2がサイクロン6内に供給されたときの状態を示す。 平板81,81の設置状態を模式的に示す斜視図である。 本発明によるオイルセパレーターを備えるPCVシステムの他の好適な実施形態を模式的に示す正面図(一部ブロック図)である。 図7(A)及び(B)は、共に図6におけるVII−VII線に沿う断面図であり、それぞれ流量の異なるブローバイガスG1,G2がサイクロン9内に供給されたときの状態を示す。
符号の説明
1,11…サイクロンセパレーター(オイルセパレーター)、2,6,9…サイクロン、3…吸入管(流体吸入部)、4…出口管(ガス排出部)、5…排出管(オイル排出部)、10…弾性ベルト、21,61…円筒部(隔壁)、22,62,92…蓋部、23,63,93…逆円錐部、31…吸入口、41…貫通孔、51…下方端、71…平板(板状部材)、73,83…丸棒(封止部材)、81…反り板(板状部材)、91…円筒部(隔壁、胴部)、100,200,300…PCVシステム、101…内燃機関、102…吸気系、103…オイル回収系、G1,G2…ブローバイガス(流体)、P1,P2,P3…配管、V…開閉バルブ。

Claims (6)

  1. オイル分とガス分とを含む流体が供給されて気液分離が行われるサイクロン方式のオイルセパレーターであって、
    略筒状を成し、該流体の流量に応じて断面径が変化するように設けられた胴部と、
    前記流体が前記胴部の半径方向と所定角を成す方向から該胴部内へ流入するように設けられた流体吸入部と、
    前記胴部の下方に設けられており、前記流体から分離された前記オイル分が当該オイルセパレーターの外部へ排出されるオイル排出部と、
    前記オイル排出部よりも上方に設けられており、前記流体から分離された前記ガス分が当該オイルセパレーターの外部へ排出されるガス排出部と、
    を備えるオイルセパレーター。
  2. 前記胴部は、複数の板状部材を含み且つ該複数の板材部材のうち隣接する板材部材が互いに摺動自在に重なり合うように全体として略筒状に形成された隔壁を有する、
    請求項1記載のオイルセパレーター。
  3. 前記隔壁は、前記隣接する板状部材間に棒状又は管状を成す封止部材が介設されて成るものである、
    請求項2記載のオイルセパレーター。
  4. 前記複数の板状部材は、前記胴部の外側に向かって凸となるように曲率を有して湾曲した断面弧状を成すものである、
    請求項2又は3記載のオイルセパレーター。
  5. 前記胴部は、略筒状に形成された弾性体から成る隔壁を有するものである、
    請求項1記載のオイルセパレーター。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のオイルセパレーターを備えており、
    前記流体として内燃機関から生じるブローバイガスが前記オイルセパレーターに供給される、
    PCVシステム。



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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007134783A1 (de) * 2006-05-18 2007-11-29 Daimler Ag Flüssigkeitsabscheider, insbesondere für brennstoffzellen
JP2009133235A (ja) * 2007-11-29 2009-06-18 Toyota Motor Corp オイルセパレータ
CN109464851A (zh) * 2018-12-28 2019-03-15 启明星宇节能科技股份有限公司 一种烟气与污水气体中污水的分离装置

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