JP2005105683A - 繊維強化樹脂プレート及びそれを用いた構造物補強方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 補強効果はもちろん、補強により派生したり付随したりすることのない付加的機能を付与した繊維強化樹脂プレートを提供する。
【解決手段】 繊維強化樹脂プレートに樹脂を含浸せしめ所定形状に成型し、硬化してなる繊維強化樹脂プレートであって、構造物補強面と接着可能な面11を少なくとも1面有し、前記接着可能な面とは異なる面に突起部12を設けたことを特徴とする繊維強化樹脂プレートであり、前記突起部を水切り部または持ち手部として使用する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、繊維強化樹脂プレートを用いる構造物の補強に関し、特に構造物の端部補強と同時に構造物側面から下部への雨滴等の回り込みを防止する繊維強化樹脂プレート及びそれを用いた構造物補強方法に関する。
また、本発明では、従来困難であった、構造物の狭い隙間に面した面の補強を可能とする繊維強化樹脂プレート及びそれを用いた構造物補強方法に関する。
一般的に、構造物は鉄等の金属、木材、コンクリート等で構成されており、経年劣化による耐力の低下もさることながら、建造時の設計基準によっても大きく強度が異なっている。また、先の阪神・淡路大震災においては、昭和56年施行の新耐震設計法の基準を満たす建築物の被害が軽微であったとの経験から、新耐震基準での見直しが行われ、既存の構造物についても新耐震基準への適合が求められている。
既存の建造物の場合、取り壊し、新たに建造すれば新耐震基準を満たした建造物も得られるが、建造に長期間を要し、その費用も多大である。したがって、通常は、著しく劣化していない限りは、補修、補強工事が実施される。
また、耐震補強ばかりではなく、載荷規制緩和に伴う道路床版・桁などの補強対策も急務であり、さらにはトンネル、高架、橋などからのコンクリート剥落防止対策にも関心が高まっている。
補修、補強工事に際して、鉄鋼材などを用いて補強する方法もあるが、材料自体の重量が重いため、施工に際して重機の使用が必要であり、また、構造物自体の重量の増加をきたし、好ましくない。更に、補強材自体が錆等により劣化し易いという問題もある。
そこで、このような鉄鋼材に代わる材料として、最近では強化繊維を用いた修復、補強材が注目されている。特に強化繊維として炭素繊維は、鉄鋼材と比較して強度で約10倍、比重が約1/5と、高強度でありながら軽量であり、しかも腐食しないという特性を有している。このため、施工に際して重機の使用が不要となり、施工作業も短時間に簡単に行え、さらに補修、補強すべき構造物の重量も大きく増加しないという利点がある。
ただし、炭素繊維も万能というわけではなく、繊維長の方向への引張応力には優れているものの、圧縮応力は低く、このような特性を活かした曲げ補強や剪断補強などの補修、補強工事に適用される。
強化繊維を用いた補修・補強工事では、まず、補強すべき個所の不陸修正等を行った後、必要によりプライマー層を形成し、繊維強化樹脂シートを貼り付け、熱硬化性樹脂を含浸し、または予め樹脂が含浸されていた繊維強化樹脂プリプレグシートを貼り付けた後、熱硬化性樹脂を加熱硬化させることで、補修・補強面に繊維強化樹脂(FRP)プレートへ転化させ、当該表面へ固着させる。また、加熱硬化の工程を省く目的で、予め硬化させたFRPプレートを貼り付ける工法も知られている。
ところで、高速道路や鉄道等の高架橋においては、騒音防止のため、コンクリート製や金属製の防音壁が設けられるようになり、通常、1.5m〜3m程度の防音壁が設置されている。また、都市部等の人口密集部においては、更に高い防音性が要求されるようになり、7m程度の高い防音壁も設置されるようになってきている。
このような防音壁を設置した場合、防音壁自体の荷重により橋梁床版端部の荷重増加もさることながら、風圧による風荷重も無視できなくなる。最近では、風荷重の低減を目的とした防音壁も提案されているが、風荷重を全くゼロにできるものではなく、補強工事が軽減されるとしても対策を講じる必要はある。
特許文献1(特開2003−129427号公報)には、防音効果と共に、防音壁からのコンクリート小片剥落を防止する防音壁用パネル構造が開示されており、該防音壁用パネルは、心材と、心材の両側に位置する繊維強化プラスチック製スキン材とで構成される防音部と、防音部下方に建築物躯体の垂直面と下面端部付近を覆う繊維強化プラスチック製剥落防止カバーを有する構造である。
このように、橋梁端部においては、構造物の補強やコンクリート小片の剥落防止措置を講ずる必要がある。
一方、高架橋の床版端部にある張出部に雨水等が当たると、張出部側面から下部に雨水が回り込み、コンクリート建造物であれば、コンクリート表面に汚れが付着して美観を損ね、場合によってはコンクリート表面を劣化させたり、鋼製構造物を腐食させたりする問題が発生する。また、降雪地帯や冬季においては、雨に代わって雪が降り、その雪が張出部上部や側面に積もり、その雪が解けた融雪水が下方に流れ、凍結してつららを形成する場合がある。このつららは次第に大きくなり、何らかの振動や温度条件により落下することがあるが、その下を通行する自動車の走行に支障を与えたり、通行人にけがを負わせたりするという問題もあった。
このような雨水の回り込みやつららの増大を防止するため、コンクリート製橋梁の場合には、張出部下面に深さ10mm程度の三角形断面等の溝である水切り用切欠部を設け、そこで、雨水や融雪水を下方に落下させるようにしているが、切欠断面先端部分と主鉄筋との間にある程度以上の距離を確保する必要があるため、その分、張出部のコンクリートを多くする必要がある。また、このような切欠部はコンクリート型枠に三角形断面の凸部を設けてコンクリートを打設し、型枠を撤去することで形成されるが、現場作業であり、型枠撤去時に切欠部の一部に破損が生じやすいという問題もある。
このようなコンクリート部材自体に水切り部を設ける代わりに、水切り部材を張出部下面に密着させて取り付けることが提案されている。特許文献2(特開平9−13327号公報)には、L字型またはT字型水切り板、或いは三角錐や半円筒状の部材を取り付けることが提案されている。しかしながら、これら水切り板の取り付けにはアンカーボルトの打ち込みが必要であり、構造物の強度が低下しやすい。
一方、高速道路などの道路橋床版は、複数の床版を並べているが、床版間にはわずかの隙間しかなく、このような床版間には手が入らないため、従来、このような床版同士が隣接している部分では、FRP補強材による床版側面の補強は実施できなかった。
特開2003−129427号公報 特開平9−13327号公報
従来、繊維強化樹脂プレート等の強化繊維を用いた補強部材には、補強効果のみが求められており、付加的機能が求められるとしても外観上の美観などの補強することにより派生する機能や、補強効果確認のための検査容易性等の補強に付随する機能に過ぎなかった。
本発明の目的とするところは、補強効果はもちろん、補強により派生したり付随したりすることのない付加的機能を付与した繊維強化樹脂プレートを提供することにある。
また、本発明では、従来補修、補強困難であった床版間等の狭い隙間の側面についても補修、補強可能とする繊維強化樹脂プレートを提供することにある。
上記課題を解決するための本発明は、繊維強化樹脂に樹脂を含浸せしめ所定形状に成型し、硬化してなる繊維強化樹脂プレートであって、構造物補強面と接着可能な面を少なくとも1面有し、前記接着可能な面とは異なる面に突起部を設けたことを特徴とする繊維強化樹脂プレートである。特に本発明の繊維強化樹脂プレートは、略L字樋状の内面を接着面とし、前記突起部が略L字樋状外面の角部または角部近傍に樋状体長手方向に連続して形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明は上記繊維強化樹脂プレートを用いた雨雪に曝されうる構造物の補修・補強方法であって、雨滴または融雪水の構造物側面流下端部の補修・補強すべき個所に前記繊維強化樹脂プレートを貼り付け、突起部を水切り部として下方ないしは側方に張り出させることを特徴とする補修・補強方法である。
更に本発明は、構造物の狭い隙間に面した面の補修・補強方法であって、構造物の前記隙間に、接着剤をその接着面に塗布した上記の繊維強化樹脂プレートの一端を前記突起部を持ち手部として挿入することを特徴とする構造物の補修・補強方法に関し、更に、前記挿入するプレート面に連続した突起部を設け、該突起部に、接着する面と反対方向に力を加えることで、挿入先端部を構造物に密着させることは好ましい態様である。
本発明では、構造物の補強はもちろんのこと、補強部材に水切り部材としての機能を付加した付加価値の高い製品の提供が可能となる。
また、本発明では、従来、補修・補強困難であった床版間の隙間に対して、本発明の繊維強化樹脂プレートを使用することで、その突起部を持ち手部として使用して、隙間へのプレート材挿入が容易に行え、しかも、持ち手部にある程度力を加えることで、挿入したプレート先端部を補強面に密着させることができる。
以下、本発明について、橋梁床版張出部端部の補強と同時に水切り部を設ける第1の実施形態について説明するが、本発明の第1の実施形態では、雨雪に曝されうる構造物であれば、どのような構造物に対しても適用可能である。
図3(a)は、橋梁の一部を横方向から見た図であり、床版21の橋桁22間の中央部での荷重Aの効果が最も大きい。図3(b)は、床版張出部端部の断面構造を示しており、通常、床版端部23縁は同図に示すようにコンクリート厚を厚くしてこの応力を緩和しているが、同図に示すように防音壁24を設置することにより荷重が増大し、強度が不足する場合があり、端部下面に対し補強する必要がある。一方、防音壁などを設けることにより横風による風荷重Bが増大する。そのため、張出部側面の補強も必要となる。
通常、このような床版端部の補強には、強化繊維シートを側面から下面に連続して貼り付け、樹脂を含浸させて硬化させて樹脂板とする方法で行われていた。
本発明においても、補強に関しては、従来技術と何ら変わるところはないが、本発明では、図1に示すように、L字樋状体の内面となる接着面11とは異なる面(L字樋状体外面と称す)に水切り部12となる突起部を形成し、その断面がT字型となる繊維強化樹脂プレート(T字状FRPプレート)1を用いる点に特徴がある。このようなFRPプレートを図2に示すように床版21下端角部に貼り付け、水切り部12を下側に張り出させておくことで、雨滴Rが床版側面に当たって下方に流下してくると、水切り部12端部で下方に流下するようになり、床版下部への回り込みを防止することができる。
また、図4に示すように、床版下端角部が面取り形状に形成されている場合もあるが、同図に示すように面取り形状に合わせた接着面を有するように形成しても良い。
図1では、L字樋状体の外側角部に水切り部を設け、その断面がT字型になるように成型したものを使用した例を示しているが、水切り部の突出方向を斜め下方にして、図5(a)に示すようにその断面がY字型となるように成形しても良い。図2では、水切り部を下方に張り出すように貼り付けていたが、図5(b)に示すように側面方向に向けて張り出させ、更に先端部を下方に向くように折り曲げても良い。更に、角部にではなく、プレート端部と角部との間に水切り部を形成するようにしても良い(図5(c))。また、水切り部は単板形状のみではなく、図5(d)に示すような中空形状に形成することもできる。また、角部がR形状を有している場合、その形状に合わせた接着面を有する構造に形成することもできる(図5(e))。もちろん、これらの図に示されている以外に、端部を接着面とは異なる方法に折り曲げ、端部に水切り部を形成することもできるが、FRPプレートを貼り付ける際に、水切り部の荷重により端部が剥がれやすくなる。好ましくは、角部乃至は角部近傍に水切り部を形成するのが望ましい。
FRPプレートは、強化繊維に樹脂を含浸させたプリプレグシートを、所望の補強強度が得られるように所要枚数積層して、この積層体を加圧・加熱して樹脂を硬化させることにより得られるが、例えば、本発明のT字状FRPプレートは、図6(a)に示すように、2枚のプリプレグシートA、Bを積層し、これらを合わせて貼り合わせることで、補強接着面と共に水切り部を有する積層体を得、これを加圧・加熱して樹脂を硬化させることにより図6(b)に示すようにT字状FRPプレートを得ることができる。また、図7に示すように、2枚のシートA,Bに代えて一枚の長尺プリプレグシートDを用い、両端をシートCの両端から順次貼り合わせ、あまり部分を折り返すことでも本発明のFRPプレートを得ることができる。この場合、折り返し位置を変えることで、任意の位置に水切り部を形成することができる。
本発明では、成形に際して繊維方向を考慮する必要がないため、クロスシートプリプレグを用いて成形体を得る方法が好ましいが、UDプリプレグシートを交互に繊維方向を変えて積層するようにしても良い。
また、補強すべき床版端部形状は、直角形状のみではなく、様々な角度に形成される場合があり、その角度に合わせて成形しておくのが望ましい。また、前記したように、場合よっては床版端部角部が面取りされている場合もある。例えば図4に示したような繊維強化樹脂プレートを製造する場合、面取り形状に合わせた積層体を製造し仮硬化させ、それに前記同様、水切り部分を含むプリプレグシートを貼り合わせて、再度加圧加熱して本硬化して、所望の形状の成形品を得ることができる。或いは面取り形状に合わせた型材を補強部分の積層体と水切り部分のプリプレグシートとの間に挟んで一度に硬化させた後、型材を成形体から引き抜いて成形品を得ることができる。或いは型材自体をFRPプレートで形成してそのまま一体化させて使用することもできる。このように一体化する場合は、重量増加を抑えるために中空構造の型材を用いるのが望ましい。本発明では、このような面取り形状も含めて、接着に供する面を「略L字樋状内面」と称す。
また、このようなプリプレグシートを用いる以外に、断面が前記図5に示したような形状を有する型を用いて、引き抜き成型で製造することも可能である。
使用する強化繊維は特に限定されるものではなく、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、その他有機繊維等が使用でき、その用途に応じて適宜選択することができる。中でも炭素繊維が好ましく、例えば、JIS K 7073に準拠した繊維強化プラスチックの引張試験方法において、標準品(Sタイプ)では、1.52×105N/mm2以上、中弾性品(Mタイプ)では1.96×105N/mm2以上、高弾性品(Hタイプ)では2.94×105N/mm2以上の引張弾性率を有する材料を使用することができる。
また、強化繊維に含浸させる樹脂は、熱硬化性樹脂であればいずれの樹脂も使用可能であり、従来、このようなFRP板作製に使用される樹脂が使用できる。
補強接着面は、所望の補強範囲をカバーするように形成される。一方、水切り部の張出長さについては特に限定されるものではないが、あまり長すぎると、繊維強化樹脂プレート自体の使用量が増加するだけであって、水切り効果自体が向上するものではないため、100mm以下となるようするのが望ましい。また、逆に短すぎると水切り効果が十分に発現されない場合があるため、5mm以上であることが望ましい。
また、本発明のFRPプレートは雨水に曝されると共に、日光にも曝される場合が多く、耐光性を改良するため、表面コート処理を施すのが望ましい。例えば、樹脂に色素や耐光性薬剤を混合した組成物を塗装したり、ゲルコート層などにより被覆することができる。通常、FRPプレートは暗色であり、場合によって構造物の意匠乃至は美観を損ねる場合がある。表面コート処理に際して外観を、所望の色や模様に仕上げることも可能である。
次に、本発明のFRPプレートを用いる構造物の補強方法について説明する。
施工に当たっては、補強すべき個所の下地処理を行う。例えば、コンクリートスラブからなる床版に対して補強する場合、下地処理では、FRPプレートを取り付けるコンクリート表面の仕上げ、脆弱コンクリート、ゴミ・汚れ等をブラストやディスクサンダー掛けでFRPプレートの接着面よりもやや広い範囲を除去した後、ひび割れ等の修復(樹脂注入)等を行い、コンクリート表面の健全性を確保する。また、仕上げ材の除去に伴う凹凸や不陸はポリマーセメントモルタル等で補修しておく。
次に、コンクリートとFRPプレートとの接着性を良好にするため、プライマー塗装を行う。使用する接着剤によっては、この工程を省略することもできる。
このようにプライマー塗布を行った床版角部に接着剤を塗布し、一方、必要に応じてFRPプレートにも専用の治具を用いて接着剤を塗布する。接着性を向上させるため、プレートの接着面をサンドペーパー、グラインダー等で目荒らししておくことが望ましい。コンクリート面とFRPプレートとの間に空隙が残らないようにローラー等を用いて押さえる。このとき、接着剤がFRPプレートから押し出されるまで押さえ、はみ出した接着剤は硬化する前に除去する。また、FRPプレートの表面にも接着剤が付着する場合はこれも除去しておくのが望ましい。
ここで、使用する接着剤としては、FRPプレートと補強すべき構造物とを十分に接着でき、所望の補強効果を持続し得る接着剤であれば特に限定されるものではないが、コンクリート補強については、従来使用されてきたエポキシ系接着剤が使用できる。
FRPプレートの設置に際して、水切り部が下方に向くよう設置するのが望ましいが、側方に張り出すように設置しても良い。側方に張り出すように設置した場合、上部から流下してきた雨水は、水切り部の張出端部から下方に落下すると同時に、水切り部が樋となりFRPプレートの両側端部からも落下する場合がある。
また、降雪地などでは側方に張り出す構造よりも、下方に向くように貼り付ける方が、雪の付着による重量増加が少なく好ましい。
本発明のFRPプレートは床版端部全体に設置することが好ましいが、所定の間隙を設けて設置しても良い。本発明では応力の最も掛かる部分に本発明の補強部材を設置することで、切り欠きやアンカーボルト等の打ち込みが不要となり、補強と同時に水切り効果が達成される。
また、本発明では、床版間の狭い隙間に面した面の補強も可能となる。その実施形態について図面を参照して説明する。
本発明のT字状FRPプレートの第2の実施形態について説明する。
図8に示すように、床版81が並列に配置されている場合、わずかに隙間が設けられている。これは、完全に密着させて配置すると振動等により密着させた面が擦れ合い、コンクリート面が破壊されるのを防止するためである。通常、この隙間はわずかであり、手が挿入できるほど広い隙間ではないため、従来工法による強化繊維シートを用いた工法では補強することが困難であった。しかしながら、本発明のT字状FRPプレートでは、突起部を取り付け作業時の持ち手として使用し、突起部と連続しているプレート面を隙間に挿入する。このように、持ち手を設けたことで挿入作業が容易となる。更にそのままでは、挿入先端部が密着しない場合があるため、持ち手部に接着する面とは反対方向、すなわち、図面に示したA方向に力を加えると、接着面角部を支点として挿入先端部はB方向へ寄せられ、挿入先端部を補強面に密着させることができる。更に、隙間に挿入できる治具を用いて押しつけても良い。もう一方の床版側も同様に施工することで、図9に示すように両床版の補修、補強工事が実施できる。
更に、持ち手部となる突起部は、上記のようなT字断面となるようにL字角部に設ける以外に、挿入プレート面ではない面、すなわち、図10に示すように床版の下部への接着面と反対の面にも設けることができる。図10では、床版91の隙間92にFRPプレート93の一面を挿入する場合、下部接着面の対向面側に持ち手部931を2個所設けることで、安定して挿入面を挿入できる。特に挿入面を挿入する場合、狭い隙間に面したコンクリート面に接触させながら挿入すると先端部に塗設した接着剤がこすれて脱落してしまう場合があるが、このように2個所の持ち手部を両手で支えて持ち上げることで、まっすぐに挿入することができ、更に角部に近い側の持ち手部を両持ち手部間の内側方向に若干力を加えながら挿入すれば、挿入面先端は接着面から離れる方向にたわみ、より接着剤の脱落が防げる。このように複数の突起部を形成する方法としては、図7に示した方法や、引き出し成形等により形成する方法が挙げられる。更に持ち手部には、握りやすくするために凹凸を設けたり、一部を厚くしたりしても良い。
尚、このような狭い部位への下地処理は十分に行うことが困難なため、隙間にサンドペーパー等を入れて簡単な下地処理を施し、隙間挿入部のFRPプレートの接着面にやや多めの接着剤を塗布しておけばよい。
以上の本発明の説明では、本発明のFRPプレートの突起部を水切り部或いは持ち手部として使用する態様について説明したが、補強効果を損なわない範囲で様々な用途に該突起部を使用することができる。例えば、突起部を円筒状に形成し、該円筒部を、信号線を通すための導管として使用することもできる。
本発明のFRPプレートの斜視図である。 本発明のFRPプレートによる水切り効果を説明するための概略断面図である。 補強すべき橋梁床版について説明する図であり、(a)は概略側面図、(b)は床版端部の概略断面図である。 面取り形状の角部への設置を可能とする本発明のFRPプレートの一例を説明する断面図である。 本発明のFRPプレートの変更例を示す断面図である。 本発明のFRPプレートの製造方法を説明する概略図である。 本発明のFRPプレートの別の製造方法を説明する概略図である。 本発明のFRPプレートを床版間の隙間に適用する第2の実施形態を説明する断面図である。 床版間に本発明のFRPプレートを設置した状態を示す斜視図である。 本発明のFRPプレートを床版間の隙間に適用する第2の実施形態の別の例を説明する断面図である。
符号の説明
1 FRPプレート
11 接着面
12 突起部(水切り部)
21 床版
22 橋桁
23 床版端部
24 防音壁
81 床版
82 T字状FRPプレート
821 持ち手部
91 床版
92 隙間
93 T字状FRPプレート
931 持ち手部

Claims (7)

  1. 繊維に樹脂を含浸せしめ所定形状に成型し、硬化してなる繊維強化樹脂プレートであって、構造物補強面と接着可能な面を少なくとも1面有し、前記接着可能な面とは異なる面に突起部を設けたことを特徴とする繊維強化樹脂プレート。
  2. 前記プレートは略L字樋状の内面を接着面とし、前記突起部が略L字樋状外面の角部または角部近傍に樋状体長手方向に連続して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の繊維強化樹脂プレート。
  3. 前記突起部は、水切り部であることを特徴とする請求項1または2に記載の繊維強化樹脂プレート。
  4. 前記突起部は、貼り付け作業の際の持ち手部として使用されるものである請求項1または2に記載の繊維強化樹脂プレート。
  5. 請求項1または2に記載の繊維強化樹脂プレートを用いた雨雪に曝されうる構造物の補修・補強方法であって、雨滴または融雪水の構造物側面流下端部の補修・補強すべき個所に前記繊維強化樹脂プレートを貼り付け、突起部を下方乃至は側方に張り出させ、水切り部とすることを特徴とする補修・補強方法。
  6. 構造物の狭い隙間に面した面の補修・補強方法であって、構造物の前記隙間に、接着剤をその接着面に塗布した請求項1または2に記載の繊維強化樹脂プレートの一端を、前記突起部を持ち手部として挿入することを特徴とする構造物の補修・補強方法。
  7. 前記挿入するプレート面に連続した突起部を設け、該突起部に、接着する面と反対方向に力を加えることで、挿入先端部を構造物に密着させることを特徴とする請求項6に記載の構造物の補修・補強方法。
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