JP2005105555A - 再生型枠及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【目的】 安価で高品質な再生型枠を提供する。
【構成】 使用済みの型枠を解体し、木枠10から板材20を分離する。板材20の痛みが激しい両端部21,21を切り捨て、再使用に耐える中央部22を前記木枠10にクギ止めし、再使用する。足らない部分を補うために、別の使用済みの型枠から採取した板材23を継ぎ足して使用する。板材22,23の表面にポリエステル樹脂塗料又はウレタン樹脂塗料を塗り、その上にガラス繊維31を敷き、その上にポリエステル樹脂塗料又はウレタン樹脂塗料を塗る。乾燥後、更にウレタン樹脂塗料を上塗りする。板材22,23の表面に、樹脂層32中にガラス繊維31が塗り込められた樹脂被覆層30を形成することにより、傷や継目を埋め、表面を平滑化する。板材22は木枠10から取り外さずにそのまま残して、クギ抜きを省略することもできる。
【選択図】 図1
【構成】 使用済みの型枠を解体し、木枠10から板材20を分離する。板材20の痛みが激しい両端部21,21を切り捨て、再使用に耐える中央部22を前記木枠10にクギ止めし、再使用する。足らない部分を補うために、別の使用済みの型枠から採取した板材23を継ぎ足して使用する。板材22,23の表面にポリエステル樹脂塗料又はウレタン樹脂塗料を塗り、その上にガラス繊維31を敷き、その上にポリエステル樹脂塗料又はウレタン樹脂塗料を塗る。乾燥後、更にウレタン樹脂塗料を上塗りする。板材22,23の表面に、樹脂層32中にガラス繊維31が塗り込められた樹脂被覆層30を形成することにより、傷や継目を埋め、表面を平滑化する。板材22は木枠10から取り外さずにそのまま残して、クギ抜きを省略することもできる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、使用済みの型枠を再利用して製造される再生型枠及びその製造方法に関する。
従来より、コンクリート型枠としては、図3に示すように、桟木と呼ばれる角材を縦方向及び横方向に組み合わせて構成された木枠10に、ベニヤ板からなる板材20をクギ止めした構造の木製パネルが使用されている。この型枠は、一度使用すると板材20の表面が傷むために、次回の用途が制限される。このため、使用済みの型枠が施工業者の倉庫に山積みとなり、その保管が大きな問題になっている。
即ち、従来は不要になった型枠を野焼きにより処分していたが、環境の問題から、最近はこの野焼きが禁止され、焼却処分は専門の業者に依託する必要が生じた。しかし、専門業者による焼却処分には多大のコストがかかる。このため、使用済みの型枠が施工業者の倉庫に溜まる一方となり、その処理が大きな技術課題になってきたのである。
このような事情から、使用済み型枠の再利用法が様々に考えられており、その一つが使用済み型枠の再生である(特許文献1参照)。即ち、使用済みの型枠といえども、傷んでいるのは主に板材20の表面であり、板材20を取り外せば木枠10は再使用が可能であることが多い。しかしながら、この型枠の再生には以下の問題がある。
板材20は木枠10に多数本のクギにより強固に固定されている。このため、型枠の解体が容易でなく(クギ抜きに手間がかかり)、再生型枠は新品より高価になるのが通例である。即ち、型枠の再生を阻害する理由の一つは、使用済み型枠の解体(クギ抜き)が容易でないことである。
型枠を解体できても、新品の板材20を使用すると、再生型枠のコストが高くなる。このため、板材20を裏返し、痛みが少ない裏面を表にして使用するのが有効となる。しかし、板材20の痛みは長手方向両端部で激しく、その板材20を裏返しても、両端部は使用に耐えないのが現状である。このため、結局は新しい板材20を使用しなければならず、この板材コストの問題も、型枠の再生を阻害する大きな理由になっている。
本発明の第1の目的は、板材コストの低減を図ることができる経済的な再生型枠及びその製造方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、板材コストの低減を図り、合わせて解体コストの低減を図ることができる経済的な再生型枠及びその製造方法を提供することにある。
本発明に係る第1の再生型枠は、使用後の型枠を解体して得られた木枠と、該木枠の表面に複数枚を継ぎ足して固定され、複数枚のうちの少なくとも1枚が、型枠を解体して得られた再利用品である板材と、木枠の表面に固定された全板材の表面に跨がって形成され、内部に繊維が塗り込められた樹脂被覆層とを具備している。
本発明に係る第2の再生型枠は、使用後の型枠から板材の一部を部分的に除去し、板材の他の部分を残した木枠と、板材が除去された部分に継ぎ足して固定された別の板材と、木枠の表面に固定された全板材の表面に跨がって形成され、内部に繊維が塗り込められた樹脂被覆層とを具備している。
本発明に係る第1の再生型枠の製造方法は、使用後の型枠を解体して木枠から板材を分離する解体工程と、複数枚のうちの少なくとも1枚が、型枠を解体して得られた再利用品である板材を前記木枠の表面に継ぎ足して固定する固定工程と、内部に繊維が塗り込められた樹脂被覆層を、前記木枠の表面に固定された全板材の表面に跨がって形成する被覆工程とを包含している。
本発明に係る第2の再生型枠の製造方法は、使用後の型枠を解体してその木枠から板材の一部を部分的に除去し、板材の他の部分を前記木枠上に残す解体工程と、板材が除去された部分に別の板材を継ぎ足して固定する固定工程と、内部に繊維が塗り込められた樹脂被覆層を、前記木枠の表面に固定された全板材の表面に跨がって形成する被覆工程とを包含している。
本発明に係る第1の再生型枠及びその製造方法では、使用済み板材を木枠から取り外し、その板材の痛みが顕著な部分(通常は長手方向両端部)を除く部分を部分的に使用する。これにより、使用済み板材の再利用が可能になり、その部分を裏返して使用する場合は、特に高い平坦性も得られる。使用後の型枠では、板材の痛みは長手方向両端部で激しいが、両端部ではそれほどではく、特にその裏面の痛みが少ない。
しかし、使用済み板材を部分的に使用すると、複数枚の板材を継ぎ足して使用することが必要になり、継目ができる。また、使用済み板材の痛みが顕著な部分を除く部分を部分的に使用するとは言え、使用済みである以上、クギ孔などの凹凸が残っており、新品のような平坦性は得られない。そこで、内部に繊維が塗り込められた樹脂被覆層を全板材の表面に跨がって形成する。これにより、新品に近い平坦性が得られる。
本発明に係る第2の再生型枠及びその製造方法では、使用済み板材のなかで痛みが顕著な部分(通常は長手方向両端部)が木枠から部分的に取り外され、再使用に耐え得る部分はそのまま木枠上に残される。このため、解体に要する手数が大幅に軽減される。その一方では、残った板材に継ぎ足す別の板材が必要になり、突き合わせ部に隙間ができる。また、使用に耐え得る部分を部分的に使用するとは言え、使用済みである以上、新品のような平坦性は得られない。そこで、内部に繊維が塗り込められた樹脂被覆層を全板材の表面に跨がって形成する。これにより、新品に近い平坦性が得られる。
本発明に係る再生型枠及びその製造方法は、使用後の型枠を解体して得た板材の部分使用と、内部に繊維が塗り込められた樹脂層の表面被覆とにより、板材の再使用で問題になる平坦性の低下を解消し、板材の再使用を可能にするので、経済性に優れる。
特に、本発明に係る第1の再生型枠及びその製造方法では、板材の痛みの少ない部分を裏返して使用できるので、平坦性に特に優れる。一方、本発明に係る第2の再生型枠の及びその製造方法では、板材の痛みの少ない部分を木枠上に残したまま使用し、この分、クギ抜きを省略できるので、解体に要するコストを低減でき、経済性が特に良好である。
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態に係る再生型枠の製造方法及び構造を示す斜視図である。
本実施形態に係る再生型枠は、第1の再生型枠である。この再生型枠を製造するためには、図1(a)に示すように、使用済みの型枠を解体する。具体的には、木枠10から板材20を取り外す。この取り外しのためには、例えば木枠10に板材20を固定しているクギを抜くが、特許文献1に記載された解体法を用いてもよい。
板材20が取り外されると、その板材20の痛みが激しい長手方向両端部21,21を切り落とす。次いで、図1(b)に示すように、残った中央部22を裏返して、再度前記木枠10にクギ止めする。足らない部分を補うために、別の使用済みの型枠から採取した板材23をクギ止めする。この板材23も、痛みが激しい長手方向両端部を切り落とし、残った部分を適当なサイズに切断したものであり、裏返して使用される。中央部22についても、別の使用済みの型枠から板材を使用することができる。
板材22,23のクギ止めが終わると、その表面に連続した樹脂被覆層30を形成する。具体的には、まずポリエステル樹脂塗料又はウレタン樹脂塗料を塗り、その上にガラス繊維31を敷き、その上にポリエステル樹脂塗料又はウレタン樹脂塗料を塗る。乾燥後、更にウレタン樹脂塗料を上塗りする。こうして、樹脂層32中にガラス繊維31が塗り込められた樹脂被覆層30を形成する。
こうして製造された第1の再生型枠の特徴は以下のとおりである。
使用済みの型枠から採取された木枠10が使用される。板材22,23も使用済みの型枠から採取された再使用品である。このため、新品の板材を使用する再生型枠と比べて製造コストが安価となる。
板材22,23は再使用品であるが、痛みの激しい長手方向両端部を含んでおらず、しかも裏返して痛みの少ない裏面を使用することができる。このため、比較的平坦性が良好である。これに加え、板材22,23の表面に連続して樹脂被覆層30が形成されているため、板材22,23の隙間やクギ孔、傷が隠れ、新品の板材を使用した場合と殆ど変わらない平坦度が得られる。即ち、高品質で低コストな再生型枠が得られる。
樹脂被覆層30がガラス繊維31を有せず、樹脂層32のみの場合は、板材22,23の隙間やクギ孔、傷を十分に隠すことができない。ガラス繊維31以外の繊維を用いたり、ウレタン樹脂又はポリエステル樹脂以外の樹脂を用いることができるが、取扱性や効果はガラス繊維31とウレタン樹脂又はポリエステル樹脂の組合せが良好であり、ウレタン樹脂塗料で上塗りしたものが最良である。
板材20の取り外しに特許文献1に記載された解体法を使用した場合は、新たに生じた貫通孔を木栓で埋めることが必要となる。板材23については新品を使用することもできる。
図2は本発明の別の実施形態に係る再生型枠の製造方法および構造を示す斜視図である。
本実施形態に係る再生型枠は、第2の再生型枠である。この再生型枠を製造するためには、図2(a)に示すように、使用済みの型枠を解体する。具体的には、木枠10から板材20の長手方向両端部21,21のみを取り外し、他の部分、即ち中央部22を木枠10にそのまま残す。両端部21,21の取り外しは、例えば切断、クギ抜きにより行うが、特許文献1に記載された解体法を使用してもよい。
板材20の両端部21,21が取り外されると、図2(b)に示すように、足らない部分を補うために、別の使用済みの型枠から採取した板材24,24をクギ止めする。この板材24,24も、痛みが激しい長手方向両端部を切り落とし、残った部分を適当なサイズに切断したものであり、裏返して使用するのがよい。
板材24,24のクギ止めが終わると、板材22,24,24の表面に連続した樹脂被覆層30を形成する。具体的には、まずポリエステル樹脂塗料又はウレタン樹脂塗料を塗り、その上にガラス繊維31を敷き、その上にポリエステル樹脂塗料又はウレタン樹脂塗料を塗る。乾燥後、更にウレタン樹脂塗料を上塗りする。こうして、樹脂層32中にガラス繊維31が塗り込められた樹脂被覆層30を形成する。
こうして製造された第2の再生型枠の特徴は以下のとおりである。
使用済みの型枠から採取された木枠10が使用される。板材22,24,24も使用済みの型枠から採取された再使用品である。しかも、板材22は木枠10から取り外されずに使用される。このため、新品の板材を使用する再生型枠と比べて製造コストが、材料費及び解体費用の両面から大幅に低減される。
板材22,24,24は再使用品であるが、痛みの激しい長手方向両端部を含んでおらず、しかも板材24,24については裏返して痛みの少ない裏面を使用することができる。このため、比較的平坦性が良好である。これに加え、板材22,24,24の表面に連続して樹脂被覆層30が形成されているため、板材22,24,24の隙間やクギ孔、傷が隠れ、新品の板材を使用した場合と殆ど変わらない平坦度が得られる。即ち、高品質で低コストな再生型枠が得られる。
樹脂被覆層30がガラス繊維31を有せず、樹脂層32のみの場合は、板材22,23の隙間やクギ孔、傷を十分に隠すことができない。ガラス繊維31以外の繊維を用いたり、ウレタン樹脂又はポリエステル樹脂以外の樹脂を用いることができるが、取扱性や効果はガラス繊維31とウレタン樹脂又はポリエステル樹脂の組合せが良好であり、ウレタン樹脂塗料で上塗りしたものが最良である。
板材20の両端部21,21の取り外しに特許文献1に記載された解体法を使用した場合は、新たに生じた貫通孔を木栓で埋めることが必要となる。板材24,24については新品を使用することもできる。
板材20において切除すべき両端部のそれぞれの長さは20cm以上が好ましい。切除する範囲が狭いと、痛みの激しい部分が製品に残り、品質低下を招くおそれがある。切除する範囲が広すぎても品質上は問題ないが、あまりに広すぎると板材20の再利用効率が低下し、コスト上昇を招くおそれがある。
10 木枠
20 板材
21,21 板材20の両端部
22 板材20の中央部
23,24 別の型枠から採取した板材
30 樹脂被覆層
31 ガラス繊維
32 樹脂層
20 板材
21,21 板材20の両端部
22 板材20の中央部
23,24 別の型枠から採取した板材
30 樹脂被覆層
31 ガラス繊維
32 樹脂層
Claims (4)
- 使用後の型枠を解体して得られた木枠と、該木枠の表面に複数枚を継ぎ足して固定され、複数枚のうちの少なくとも1枚が、型枠を解体して得られた再利用品である板材と、木枠の表面に固定された全板材の表面に跨がって形成され、内部に繊維が塗り込められた樹脂被覆層とを具備することを特徴とする再生型枠。
- 使用後の型枠から板材の一部を部分的に除去し、板材の他の部分を残した木枠と、板材が除去された部分に継ぎ足して固定された別の板材と、木枠の表面に固定された全板材の表面に跨がって形成され、内部に繊維が塗り込められた樹脂被覆層とを具備することを特徴とする再生型枠
- 使用後の型枠を解体して木枠から板材を分離する解体工程と、複数枚のうちの少なくとも1枚が、型枠を解体して得られた再利用品である板材を前記木枠の表面に継ぎ足して固定する固定工程と、内部に繊維が塗り込められた樹脂被覆層を、前記木枠の表面に固定された全板材の表面に跨がって形成する被覆工程とを包含することを特徴とする再生型枠の製造方法。
- 使用後の型枠を解体してその木枠から板材の一部を部分的に除去し、板材の他の部分を前記木枠上に残す解体工程と、板材が除去された部分に別の板材を継ぎ足して固定する固定工程と、内部に繊維が塗り込められた樹脂被覆層を、前記木枠の表面に固定された全板材の表面に跨がって形成する被覆工程とを包含することを特徴とする再生型枠の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003336866A JP2005105555A (ja) | 2003-09-29 | 2003-09-29 | 再生型枠及びその製造方法 |
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JP2003336866A JP2005105555A (ja) | 2003-09-29 | 2003-09-29 | 再生型枠及びその製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102296805A (zh) * | 2011-06-21 | 2011-12-28 | 常州市宏发纵横新材料科技股份有限公司 | 可回收的复合材料建筑模板及其制造方法 |
CN108571168A (zh) * | 2018-03-21 | 2018-09-25 | 五冶集团上海有限公司 | 高温干燥环境下变形模板的校直方法 |
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2003
- 2003-09-29 JP JP2003336866A patent/JP2005105555A/ja active Pending
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