JP2005105475A - 衣料、衣料の製造方法及び布帛の結合部分 - Google Patents

衣料、衣料の製造方法及び布帛の結合部分 Download PDF

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Abstract

【課題】 洗濯を繰り返しても縫合部位に縮みによるしわが生じがたく、結合方法が簡易でコストが低い、衣料の製造方法を提供する。
【解決手段】 第一の布地10の第一表面11に第二の布地20の第一表面21を重ね合わせ、第二の布地20の第二表面22に熱接着性物質を有する結合媒体30の第一表面31を重ね合わせ、第一の布地10、第二の布地20、及び結合媒体30の端部を揃える工程と、第二の布地20を、結合媒体30と重ね合わされていない部位で折り目26を設けて折り返し、折り返された第二の布地20(28)の第二表面22を結合媒体30の第二表面32に重ね合わせる工程と、第一の布地10、第二の布地20、結合媒体30、及び折り返された第二の布地20(28)を縫合する工程と、加熱により熱接着性物質を溶融させる工程を有することを特徴とする衣料の製造方法。
【選択図】 図5

Description

本発明は、衣料又は衣料の製造方法又は布帛の結合部分に関する。より詳しくは、布地を縫合して衣料を製造する方法又は縫合による布帛の結合部分に係る。ここでいう衣料には、シャツ等の完成品のみならず、半製品も含まれる。
従来、衣料において、洗濯を繰り返すと縫合部位に縮みによるしわが生じやすかった。特に、ワイシャツやドレスシャツ等において、外部から見える箇所にこのようなしわが生じると、外観を大いに損なうものであった。
このような縮み及びしわが生じるのは、主として、洗濯による縫糸の縮小量が布地の縮小よりも大きいことによると考えられる。
このような縮み及びしわを防止するための衣料の製造方法に関する発明がすでに知られている(例えば、特許文献1,2,3参照。)。
特開平7−310276号公報 特開平10−280215号公報 特開平11−200127号公報
特許文献1,2,3において、衣料構成要素(布地)を適宜折り返して熱接着性物質からなる結合要素とともに縫い合わせた後、加熱と加圧により熱接着性物質を溶融させることにより、衣料構成要素を強固に結合し、縫合せ部分の縮みを防止し、しわを防止する旨が開示されている。
しかし、これら従来技術における衣料の製造方法は、手間が掛かり、製造コストが高くなりがちである。
すなわち、特開平7−310276号公報(特許文献1)記載の発明では、第1衣料構成要素20、第2衣料構成要素22、結合要素32をまず縫合するが、これらの間の位置ぎめが難しい。また、この縫合の後で第1衣料構成要素20を折り返すのみならず、第2衣料構成要素22を折り畳んで、その折曲げ部を第2衣料構成要素22自身と結合要素32の間に入れるが、これも作業がしにくい。また、同公報の図面では、第1衣料構成要素20と第2衣料構成要素22の端部を突き合わせるようになっているが、実際には、突合せ部に空隙が生じて強度が低下するか、逆に重なりが生じて美観を害することになりやすい。
特開平10−280215号公報(特許文献2)記載の発明は、ポケットの取付けに関するものであるが、第1衣類構成要素20の縁部で結合ストリップ34を包むようにして第2衣類構成要素40上で位置ぎめするためには、第1衣類構成要素20と結合ストリップ34を一旦仮留め又は縫合する必要があり、手間がかかっていた。
特開平11−200127号公報(特許文献3)記載の発明においても、第1衣類構成要素18と第2衣類構成要素20の両方を折り畳むので手間がかかる。また、結合部において第1衣類構成要素、第2衣類構成要素ともに二重になっているので、計四重となり、結合部があまりに堅くなりすぎる場合があった。
本発明は、このような問題点に対し、洗濯を繰り返しても縫合部位に縮みによるしわが生じがたいのみならず、手間がかからず、結合方法が簡易で製造コストが低い、衣料の製造方法及び布帛の結合部分を提供することを、解決すべき課題とする。
上記の課題を解決するため、請求項1記載の本発明の衣料の製造方法は、第一の布地の第一表面に第二の布地の第一表面を直接的に又は他の部材を介在させて重ね合わせ、第二の布地の第二表面に、熱接着性物質を有するシート状部材の第一表面を直接的に又は他の部材を介在させて重ね合わせ、第一の布地、第二の布地、及びシート状部材の端部を揃える工程と、第二の布地を折り返し、折り返された第二の布地の第二表面側をシート状部材の第二表面側に折り重ねる工程と、第一の布地、第二の布地、シート状部材、及び折り返された第二の布地を縫合する工程と、加熱により熱接着性物質を溶融させる工程を有することを特徴とする衣料の製造方法。
ここで、「第一の布地の第一表面に第二の布地の第一表面を重ね合わせ」ることと「第二の布地の第二表面に熱接着性物質を有するシート状部材の第一表面を重ね合わせる」ことは、いずれを先に行ってもよく、双方同時に行ってもよい。また、「第一の布地、第二の布地、及びシート状部材の端部を揃える」とは、第一の布地、第二の布地、及びシート状部材を重ねて裁断することにより端部を揃える方法と、これらを先に裁断しておいてこれらの端部を揃える方法のいずれであってもよい。なお、これらの点は、他の請求項についても同様である。
「熱接着性物質」とは、加熱により溶融し、布地同士を接着し得る物質であり、例えば、熱溶融性樹脂である。熱溶融性樹脂としては、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリウレタン系、ポリ塩化ビニル系、ポリ酢酸ビニル系、アクリル系等の低融点合成樹脂が使用できるが、接着性、耐久性、取扱い性や風合いのソフト化等の面から、ポリエチレン系が好ましい。熱接着性物質の融点は140℃〜160℃が適当である。
この熱接着性物質を有する「シート状部材」として、布帛状のものを用いてもよいし、薄肉プラスチックシート状のものを用いてもよい。
縫合の方法としては、ミシンによる錠縫い(ロックステッチ)、環縫い(チェーンステッチ)、かがり縫い等を適宜選択して用いればよく、手縫いでもよいが、ミシンによる錠縫い、単環縫い等が強度上望ましい。
熱溶融性樹脂を溶融させるための加熱手段としては、アイロン、プレス機、コテ、ローラ加熱圧着機、高周波溶着機、超音波溶着機、ヒートシーラ等などの加熱圧着装置を適宜選択して用いることができる。
本発明の方法によれば、第一の布地、第二の布地、及びシート状部材の端部を揃えるので、位置ぎめが容易であり、手間がかからず、低コストとなる。
シート状部材の熱接着性物質を溶融させることにより、第一の布地、第二の布地、及び折り返された第二の布地は、固化した熱接着性物質により強固に固定され、相対移動できないので、縫糸の縮小による縫合部位の縮みやしわが生じがたい。
この製造方法は、例えばシャツのアームホール縫合せ部分やサイドシーム部分のように、2枚の布地を比較的幅の狭い重合部を設けて結合する場合に適する。
請求項2記載の本発明の衣料の製造方法は、第一の布地の第一表面に第二の布地の第一表面を直接的に又は他の部材を介在させて重ね合わせ、第二の布地の第二表面に、熱接着性物質を有するシート状部材の第一表面を直接的に又は他の部材を介在させて重ね合わせ、第一の布地、第二の布地、及びシート状部材の端部を揃える工程と、第一の布地、第二の布地、及びシート状部材を縫合する工程と、第二の布地を折り返し、折り返された第二の布地の第二表面側をシート状部材の第二表面側に折り重ねる工程と、第一の布地、第二の布地、シート状部材、及び折り返された第二の布地をさらに縫合する工程と、加熱により熱接着性物質を溶融させる工程を有することを特徴とする衣料の製造方法である。
この方法によれば、第一の布地、第二の布地、及びシート状部材の端部を揃えたところで一旦縫合することにより、結合部の強度が増す。また、以後の工程において布地等が相対的にずれることを防止して加工精度を向上することができる。なお、縫合には、ミシンによる錠縫い、環縫い、若しくはかがり縫い、又は手縫い等が含まれることは、前記と同様である。
請求項3記載の本発明の衣料の製造方法は、第一の布地の第一表面に第二の布地の第一表面を直接的に又は他の部材を介在させて重ね合わせ、第二の布地の第二表面に熱接着性物質を有するシート状部材の第一表面を直接的に又は他の部材を介在させて重ね合わせ、第一の布地、第二の布地、及びシート状部材をともに裁断することによりこれらの端部を揃える工程と、第一の布地、第二の布地、及びシート状部材の上記端部をかがり縫いする工程と、第二の布地を折り返し、折り返された第二の布地の第二表面側をシート状部材の第二表面側に折り重ねる工程と、第一の布地、第二の布地、シート状部材、及び折り返された第二の布地をさらに縫合する工程と、加熱により熱接着性物質を溶融させる工程を有することを特徴とする衣料の製造方法である。
この方法によれば、第一の布地、第二の布地、及びシート状部材をともに裁断することによりこれらの端部を迅速に揃えることができる。また、その端部(裁ち目)をかがり縫いするので、端部(裁ち目)からのほころびが防止される。
請求項4記載の衣料の製造方法は、第一の布地、第二の布地、及びシート状部材を上記端部と異なる部位で縫合する工程と、当該縫合部分から第二の布地を折り返すことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の衣料の製造方法である。
本発明では、縫合部分から第二の布地を折り返すので、折り目部分が明確になる。
さらに第一の布地、第二の布地、及びシート状部材の上記端部(裁ち目)をかがり縫いするほかに、第一の布地、第二の布地、及びシート状部材を上記端部(裁ち目)と異なる部位で縫合する方法を採用すれば、結合部の強度がさらに増す。
特に、上記端部(裁ち目)と異なる部位として、シート状部材の他端部の近傍を選べば、シート状部材が安定し、操作が容易となる。
ここで、裁ち目と異なる部位における縫合の方法は、特に限定されるものではないが、ミシンによる錠縫い、単環縫い等が強度上適当である。
請求項5記載の衣料の製造方法は、かがり縫いの端部から第二の布地を折り返すことを特徴とする請求項3に記載の衣料の製造方法である。
請求項5に記載の発明によれば、第一の布地、第二の布地、シート状部材の上記端部をかがり縫いをし、前記かがり縫いの端部から先の部分を第二の布地の第二表面側に重ねて第二の布地に折り目を設けるので、共縫いを用いずに折り開くことができ、共縫いの工程を省略することも可能となる。
また第一の布地、第二の布地、及びシート状部材の上記端部をかがり縫いする工程の後、シート状部材と第二の布地の間にその他の層形成部材を挿入する工程を追加してもよい(請求項6)。
またシート状部材と第二の布地の間にその他の層形成部材を挿入する工程を追加してもよい(請求項7)。
第二の布地を折り返す工程においては、第二の布地をシート状部材と重ね合わされていない部位で折り目を設けて折り返すことが推奨される(請求項8)。
第二の布地を折り返す工程においては、シート状部材の中間部分に相当する位置で第二の布地を折り返す方策を採用することもできる(請求項9)。
またシート状部材は、テープ状であり、布帛の一面又は両面に熱接着性物質層が設けられたものであることが望ましい(請求項10)。
この方法によれば、シート状部材がテープ状であることにより、第二の布地との重ね合わせ作業が容易となる。テープ状のシート状部材は、布帛状であってもよいし、薄肉プラスチックシート状であってもよい。
また請求項11に記載の発明は、第一の布地、第二の布地、及びシート状部材の端部をかがり縫いする工程、又は第一の布地、第二の布地、及びシート状部材の端部を縫う工程、裁断、及び上記端部と異なる部位における縫合をインターロックミシンによって行うことを特徴とする請求項5乃至10のいずれかに記載の衣料の製造方法である。
この方法によれば、インターロックミシンを用いることにより、裁断とほとんど同時にかがり縫いを行い、それらと並行して他の部位における縫合を行うことができるので、裁断、かがり縫い、他の部位における縫合の3工程を実質1工程とし、作業を迅速・簡易にしてコストを低減することができる。
また請求項12に記載の発明は、所定形状のパーツに裁断された布地を縫製によって結合して成形する衣料の製造方法において、少なくとも一部の布地の縫製に、シート状部材が使用され、当該シート状部材は、所定の温度では溶融しない布地を基材とし当該基材の少なくとも一方の面に熱接着性樹脂を含有する糊剤が塗布されたものであり、第一の布地の第一表面に第二の布地の第一表面を直接的に又は他の部材を介在させて重ね合わせ、第二の布地の第二表面にシート状部材を直接的に又は他の部材を介在させて重ね合わせる工程と、第一の布地、第二の布地、及びシート状部材の端部をともに裁断することによりこれらの端部を揃える工程と、第一の布地、第二の布地、及びシート状部材の上記端部を縫う工程と、第一の布地、第二の布地、及びシート状部材を、シート状部材の幅方向中間部分に相当する部位で共縫いする工程と、第一の布地及び第二の布地を前記共縫い部分から折り開き、前記共縫い部分から先の部分を第二の布地の第二表面側に重ねて第二の布地に折り目を設け、シート状部材を前記共縫い部分から折り重ねる工程と、第一の布地、第二の布地の本体側、第二の布地の折り重ね側、シート状部材の一方の折り重ね片、シート状部材の他方の折り重ね片をさらに縫合する工程と、前記縫合工程の後に加熱により熱接着性物質を溶融させる工程を有することを特徴とする衣料の製造方法である。
シート状部材は、テープ状であることが望ましい。
本発明の衣料の製造方法は、主として縫製部分の剛性や硬度を高めることによってしわの発生を防がんとするものである。すなわち本発明の衣料の製造方法では、少なくとも一部のパーツの縫製にシート状部材が使用され、当該シート状部材は、所定の温度で溶融しない布地を基材とし、当該基材の少なくとも一方の面に熱接着性物質を含有する糊剤が塗布されたものである。
本発明の衣料の製造方法では、第一の布地、第二の布地、及びシート状部材をシート状部材の幅方向中間部分に相当する部位で共縫いする工程を備える。そして第一の布地及び第二の布地を前記共縫い部分から折り開き、共縫い部分から先の部分を第二の布地の第二表面側に重ね、シート状部材を前記共縫い部分から折り重ねる。具体的には共縫い部分から先の部分を折って、第一の布地の端部と第二の布地の端部とシート状部材の一方の折り重ね片を折り曲げ、シート状部材の一方の折り重ね片をシート状部材の他方の折り重ね片に重ねる。従って、当該部分においては、第二の布地の本体部分の第二表面側に、二つ折りにされた状態のシート状部材が積層され、さらにその背面側に第二布地の端部及び第一布地の端部が重ねられる。
そして本発明では、第一の布地、第二の布地の本体側と折り重ね側、シート状部材の一方の折り重ね片と他方の折り重ね片をさらに縫合する。
ここで本発明の衣料の製造方法では、縫合部分にシート状部材が二重に挿入されている。すなわち本発明では、テープは、二つ折りにされた状態で第二の布地の本体部分と折り重ね部分の間に挿入されている。本発明の衣料の製造方法では、上記した様にシート状部材が二重に挿入された状態で縫合されるが、テープの一方の折り重ね片と他方の折り重ね片は、自由移動を許す。そのためミシンによって縫合する際に針の貫通が容易であり、針と共にこれらを貫通する糸に局部的な力が掛かりにくい。すなわち本発明によると、縫合の際に糸に付加される力が小さい。そのため本発明の衣料の製造方法によると、縫製の際に糸に係る内部応力が小さく、糸の経時的な縮みが少なく、縫合せ部分の経時的なしわが小さいものとなる。
本発明の衣料の製造方法では、前記した縫合工程の後に加熱により熱接着性物質を溶融させる。当該工程によってテープの一方の折り重ね片と他方の折り重ね片が接着され、テープの剛性が飛躍的に高まる。そのため縫製部分の硬度と剛性が高まり、縫合せ部分の縮みが小さいものとなる。
また本発明では、共縫いの際に、シート状部材の幅方向中間部分に相当する部位で第一の布地及び第二の布地と縫合されるので、製造過程において、テープが離れてしまうことがない。すなわち二枚のテープを個別に当該部分に挿入しようとすると、それぞれのテープの位置決め等に苦労することとなるが、本発明の衣料の製造方法では、一枚のテープを使用してその中間部分を予め他の布地に縫合するため、テープの位置決めが容易である。さらに本発明では、第一の布地、第二の布地、及びシート状部材をシート状部材の幅方向中間部分に相当する部位で共縫いした後、第一の布地及び第二の布地を前記共縫い部分から折り開くが、テープはこの時に同時に折り重ねられる。そのため本発明の方法によると、テープを予め折り曲げておくといった工程は不要である。
また本発明についても、前記した発明と同様に、第一の布地、第二の布地及びシート状部材をともに裁断することによりこれらの端部を迅速に揃えることができる。また、その端部(裁ち目)を縫うので端部(裁ち目)からのほころびが防止される。なお端部はかがり縫いすることが望ましい。
請求項13に記載の発明は、所定形状のパーツに裁断された布地を縫製によって結合して成形する衣料の製造方法において、少なくとも一部の布地の縫製に、第一シート状部材と第二シート状部材が使用され、前記第二シート状部材は全体が所定の温度で溶融する熱接着性物質から成り、前記第一シート状部材は、所定の温度では溶融しない布地を基材とし当該基材の少なくとも一方の面に熱接着性樹脂を含有する糊剤が塗布されたものであり、第一の布地の第一表面に第二の布地の第一表面を直接的に又は他の部材を介在させて重ね合わせ、第二の布地の第二表面側に第一シート状部材を重ね合わせ、さらに前記第二シート状部材を重ねる工程と、第一の布地、第二の布地、第一シート状部材及び第二シート状部材の端部をともに裁断することによりこれらの端部を揃える工程と、第一の布地、第二の布地、第一シート状部材及び第二シート状部材の上記端部をかがり縫いする工程と、第一の布地及び第二の布地を前記かがり縫いの端部から折り開き、前記かがり縫いの端部から先の部分を第二の布地の第二表面側に重ねて第二の布地に折り目を設け、第一シート状部材を前記かがり縫いの端部から折り重ねる工程と、第一の布地、第二の布地の本体側、第二の布地の折り重ね側、第一シート状部材の一方の折り重ね片、第一シート状部材の他方の折り重ね片、第二シート状部材をさらに縫合する工程と、前記縫合工程の後に加熱により熱接着性物質を溶融させる工程を有することを特徴とする衣料の製造方法
本発明の衣服の製造方法によると、少なくとも一部のパーツの縫製に第一シート状部材が使用され、当該第一シート状部材は、所定の温度で溶融しない布地を基材とし、当該基材の少なくとも一方の面に熱接着性物質を含有する糊剤が塗布され、さらに、全体が所定の温度で溶融する熱接着性物質から成る第二シート状部材が使用されているので、縫製部分の剛性や硬度を高めることによってしわの発生を防ぐことができる。
また、第一の布地、第二の布地、第一シート状部材及び第二シート状部材の上記端部をかがり縫いをし、前記かがり縫いの端部から先の部分を第二の布地の第二表面側に重ねて第二の布地に折り目を設けるので、共縫いを用いずに折り開くことができ、共縫いの工程を省略することが可能となる。
なお第一、第二シート状部材は、テープ状であることが望ましい。
請求項14に記載の発明は、所定形状のパーツに裁断された布地を縫製によって結合して成形する衣料の製造方法において、少なくとも一部の布地の縫製に、シート状部材が使用され、前記シート状部材は、所定の温度では溶融しない布地を基材とし当該基材の少なくとも一方の面に熱接着性樹脂を含有する糊剤が塗布されたものであり、第一の布地の第一表面に第二の布地の第一表面を直接的に又は他の部材を介在させて重ね合わせる工程と、第一の布地及び第二の布地の端部をともに裁断することによりこれらの端部を揃える工程と、第一の布地及び第二の布地を共縫いする工程と、第一の布地、及び第二の布地の上記端部をかがり縫いする工程と、第一の布地及び第二の布地を共縫いの部分で折り開き、前記共縫いの部分から先の部分を第二の布地の第二表面側に重ねて第二の布地に折り目を設けながら、シート状部材を第二の布地の間に挿入する工程と、第一の布地、第二の布地の本体側、第二の布地の折り重ね側、シート状部材をさらに縫合する工程と、前記縫合工程の後に加熱により熱接着性物質を溶融させる工程を有することを特徴とする衣料の製造方法である。
請求項15に記載の発明は、所定形状のパーツに裁断された布地を縫製によって結合して成形する衣料の製造方法において、少なくとも一部の布地の縫製に、第一シート状部材及び全体が所定の温度で溶融する熱接着性物質から成る第二シート状部材が使用され、前記第一シート状部材は、所定の温度では溶融しない布地を基材とし当該基材の少なくとも一方の面に熱接着性樹脂を含有する糊剤が塗布されたものであり、第一の布地の第一表面に第二の布地の第一表面を直接的に又は他の部材を介在させて重ね合わせ、第二の布地の第二表面に第二シート状部材を重ね合わせる工程と、第一の布地、第二の布地及び第二シート状部材の端部をともに裁断することによりこれらの端部を揃える工程と、第一の布地、第二の布地、及び第二シート状部材を共縫いする工程と、第一の布地、第二の布地及び第二シート状部材の上記端部をかがり縫いする工程と、第一の布地及び第二の布地を共縫いの部分で折り開き、前記共縫いの部分から先の部分を第二の布地の第二表面側に重ねて第二の布地に折り目を設けながら、第一シート状部材を第二の布地の間に挿入する工程と、第一の布地、第二の布地の本体側、第二の布地の折り重ね側、第二シート状部材の一方の折り重ね片、第二シート状部材の他方の折り重ね片、第一シート状部材をさらに縫合する工程と、前記縫合工程の後に加熱により熱接着性物質を溶融させる工程を有することを特徴とする衣料の製造方法である。
請求項14及び請求項15に記載の発明によれば、共縫いの部分から先の部分を第二の布地の第二表面側に重ねて第二の布地に折り目を設けながら、第一シート状部材を第二の布地の間に挿入するので、第一シート状部材のかがり縫いが不要となり、第一シート状部材によって縫い目を覆うことができる。
すなわち、かがり縫いは内部に位置し、第一の布地又は第二の布地によって覆われているが、かかる布地が厚みが薄い場合や色の薄い場合には、縫い目が透けて見えてしまう。しかしながら、かがり縫いがされない第一シート状部材によって、縫い目を覆うことができるので、外部から縫い目が見えるのを防ぐことができる。
特に、請求項15に記載の発明によれば、全体が所定の温度で溶融する熱接着性物質から成る第二シート状部材を用いているので、強固に固定することができる。
請求項16記載の衣料の製造方法は、加熱により熱接着性物質を溶融させる工程に加えて、加圧により定着させる工程を有することを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の衣料の製造方法である。
この方法によれば、加圧により、折り目等が定着し、結合部分の厚みが減少する。また、第一の布地、第二の布地、及び折り返された第二の布地が緊密に接触し、さらに、シート状部材が圧迫されるため、溶融した熱接着性物質が各布地によく浸透する。したがって、緊密な結合が得られる。
ここで、「加圧により折り目を定着させる工程」を「加熱により熱接着性物質を溶融させる工程」と同時に実施して1工程化するのが、作業の迅速・簡易化のために好ましいが、「加熱により熱接着性物質を溶融させる工程」の後に「加圧により折り目を定着させる工程」を実施してもよい。
また上記した発明は、いずれも第一の布地と第二の布地を接合するものとして説明したが、例えば袖の部分のように、一つのパーツを環状に結合する場合も本発明を適用することができる。すなわち請求項17に記載の発明は、第二の布地に代わって第一の布地の他の辺部が重ねられることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載の衣料の製造方法である。
また請求項18記載の本発明の布帛の結合部分は、第一の布地と、二つ折りにされて第一の布地に直接的に又は他の部材を介在させて重ねられた第二の布地と、第二の布地に挟持された熱接着性物質を有するシート状部材との積層体からなり、第一の布地、第二の布地、及びシート状部材は各々の一端部を揃えてかがり縫いされており、さらに第一の布地、第二の布地、シート状部材、及び折り返された第二の布地が縫合されていることを特徴とする布帛の結合部分である。
本請求項記載の発明でも、第一の布地、第二の布地、結合媒体、及び折り返された第二の布地を縫合する方法は、ミシンによる錠縫い、環縫い、かがり縫い等を適宜選択して用いればよく、手縫いでもよいが、ミシンによる錠縫い、単環縫い等が強度上望ましい。
本発明の布帛の結合部分では、結合媒体の熱接着性物質を溶融させることにより、第一の布地、第二の布地、及び折り返された第二の布地は、固化した熱接着性物質により強固に固定され、相対移動できないので、縫糸の縮小によって縫合部位に縮みが生じがたい。
また、第一の布地、第二の布地、及び結合媒体の端部を揃えたところでかがり縫いされているので、端部(裁ち目)からのほころびが防止され、結合部の強度が増している。
請求項19記載の本発明は、第一の布地と、二つ折りにされて第一の布地に直接的に又は他の部材を介在させて重ねられた第二の布地と、第二の布地に挟持された熱接着性物質を有するシート状部材との積層体からなり、第一の布地、第二の布地、及びシート状部材は各々の一端部を揃えてかがり縫いされており、第一の布地、第二の布地、及びシート状部材は、シート状部材の他端部の近傍でも縫合されており、さらに第一の布地、第二の布地、シート状部材、及び折り返された第二の布地が縫合されていることを特徴とする布帛の結合部分である。
この布帛の結合部分では、第一の布地、第二の布地、及び結合媒体は、一端部でかがり縫いされているほかに、結合媒体の他端部の近傍でも縫合されているので、結合部の強度がさらに増している。
ここで、他端部の近傍における縫合の方法は、特に限定されるものではないが、ミシンによる錠縫い、単環縫い等が強度上適当である。
請求項20に記載の発明は、第一の布地と、二つ折りにされて第一の布地に直接的に又は他の部材を介在させて重ねられた第二の布地と、第二の布地に挟持された熱接着性物質を有するシート状部材との積層体からなり、第一の布地及び第二の布地は各々の一端部を揃えてかがり縫いされており、さらに第一の布地、第二の布地、シート状部材及び折り返された第二の布地が縫合されていることを特徴とする布帛の結合部分である。
請求項20に記載の発明によれば、テープ部材がかがり縫いされていないので、テープ部材によって縫い目を覆うことができる。すなわち、かがり縫いは内部に位置し、第一の布地又は第二の布地によって覆われているが、かかる布地が厚みが薄い場合や色の薄い場合には、縫い目が透けて見えてしまう。しかしながら、かがり縫いがされないテープ部材によって、縫い目を覆うことができるので、外部から縫い目が見えるのを防ぐことができる。
請求項21に記載の発明は、少なくとも第一の布地と、第二の布地と、シート状部材を備え、前記第二の布地は、本体部と折り重ね部を有し二つ折りにされて直接的に又は他の部材を介在させて第一の布地に重ねられ、第二の布地の本体部と折り重ね部の間に前記シート状部材が挟持され、少なくとも第一の布地と、第二の布地の折り重ね部は一端部が揃えてかがり縫いされており、前記かがり縫い部分と第二の布地の本体部の間に前記シート状部材があり、前記シート状部材によってかがり縫い部分が隠蔽されていることを特徴とする布帛の結合部分である。
本発明についてもシート状部材によってかがり縫い部分が隠蔽されているので、外部からかがり縫いの縫い目が見えることを防ぐことができる。
また請求項22に記載の発明は、前記第二の布地の折り返し部分は、かがり縫いの端部であることを特徴とする請求項18乃至21のいずれかに記載の布帛の結合部分である。
請求項22に記載の発明によれば、この布帛の結合部分では、共縫いを用いずに折り開くことができる。
請求項23記載の発明は、複数のパーツを構成する布地が縫製によって結合されて成形された衣料において、少なくとも一部の縫製結合部分に、少なくとも一部に熱接着性を備えたシート状部材が配されており、当該縫製結合部分においては、一方の布地と他方の布地が直接的に又は他の部材を介在させて重ねられており、少なくとも一方の布地と他方の布地は一端部を揃えてかがり縫いされており、かがり縫いの端部を基端として折り開かれたものであり、衣料の裏面側においては、前記基端部分よりも先端側の部位が一方の布地の裏面側に重ねられ、縫製結合部分には縫い目が設けられ、当該縫い目によって一方の布地の一部、シート状部材他方の布地の一部が縫い通されており、シート状部材とこれに接する布地間、及びシート状部材の一方の折り重ね片と他方の折り重ね片間が熱接着されていることを特徴とする衣料である。
本発明の衣料は、主として縫製部分の剛性や硬度を高めることによってしわの発生を防がんとするものである。本発明の衣料では、テープ部材とこれに接する布地とが接着されている。そのため縫製部分の硬度と剛性が高まり、縫合せ部分の縮みが小さいものとなる。
また請求項24に記載の発明は、複数のパーツを構成する布地が縫製によって結合されて成形された衣料において、少なくとも一部の縫製結合部分に、少なくとも一部に熱接着性を備えたシート状部材が配されており、当該縫製結合部分においては、一方の布地と他方の布地が直接的に又は他の部材を介在させて重ねられていると共にシート状部材が幅方向の中間部分から折り重ねられた状態で挿入され、縫製結合部分には縫い目が設けられ、当該縫い目によって一方の布地の一部、シート状部材の一方の折り重ね片、シート状部材の他方の折り重ね片、他方の布地の一部が縫い通されており、シート状部材とこれに接する布地間、及びシート状部材の一方の折り重ね片と他方の折り重ね片間が熱接着されていることを特徴とする衣料である。
請求項24に記載の発明の衣料についても主として縫製部分の剛性や硬度を高めることによってしわの発生を防がんとするものである。すなわち本発明の衣料では、少なくとも一部の縫製結合部分にテープ部材が配され、当該テープ部材は、少なくとも一部に熱接着性を備える。
本発明の衣料では、縫製結合部分においては、一方の布地と他方の布地が重ねられていると共にテープ部材が幅方向の中間部分から折り重ねられた状態で挿入され、縫製結合部分には縫い目が設けられ、当該縫い目によって一方の布地の一部、テープ部材の一方の折り重ね片、テープ部材の他方の折り重ね片、他方の布地の一部が縫い通されている。この様に本発明の衣料の製造方法では、縫合部分にテープ部材が折り重ねられて二重に挿入されている。しかしながら、縫製の際には、テープ部材の一方の折り重ね片、テープ部材の他方の折り重ね片を未接着状態にしておくことが可能であるから、ミシンによって当該部分を縫合する際に針の貫通が容易であり、針と共にこれらを貫通する糸に局部的な力が掛かりにくい。そのため本発明の衣料は、縫製の際に糸に掛かる内部応力が小さく、糸の経時的な縮みが少なく、縫合せ部分の経時的なしわが小さいものとなる。
また本発明の衣料では、テープの一方の折り重ね片と他方の折り重ね片が接着されているので、テープの剛性が高い。さらに本発明の衣料では、テープ部材とこれに接する布地とが接着されている。そのため縫製部分の硬度と剛性が高まり、縫合せ部分の縮みが小さいものとなる。
また少なくとも一方の布地と他方の布地は一端部を揃えてかがり縫いされており、かがり縫いの端部を基端として折り開かれたものであり、衣料の裏面側においては、前記基端部分よりも先端側の部位が一方の布地の裏面側に重ねられていることが推奨される(請求項25)。
請求項26に記載の発明は、複数のパーツを構成する布地が縫製によって結合されて成形された衣料において、少なくとも一部の縫製結合部分に、少なくとも一部に熱接着性を備えたシート状部材が配されており、当該縫製結合部分においては、一方の布地と他方の布地が直接的に又は他の部材を介在させて重ねられ、双方の端部から幾分内側の部位が共縫いされ、当該共縫い部分から折り開かれたものであり、衣料の裏面側においては、共縫い部分よりも先端側の部位が一方の布地の裏面に重ねられ、さらに折り重ね部分の間にはシート状部材が幅方向の中間部分から折り重ねられた状態で挿入され、前記双方の布地の端部は縫われており、布地の端部と共縫い部分の中間部に縫い目が設けられ、当該縫い目によって一方の布地の一部、シート状部材の一方の折り重ね片、シート状部材の他方の折り重ね片、一方の布地の裏面側部分及び他方の布地の裏面側部分が縫い通されており、シート状部材とこれに接する布地間、及びシート状部材の一方の折り重ね片と他方の折り重ね片間が熱接着されていることを特徴とする衣料である。
本発明の衣料は、前記した請求項24に記載の衣料の構成を全て備えるものであり先の発明の作用効果を全て具備する。
そしてさらに本発明では、一方の布地が他方の布地が重ねられた状態で、双方の端部から幾分内側の部位が共縫いされ、当該共縫い部分から折り開かれた構成を備える。そのため本発明の衣料は、布地の合わせ目が綺麗である。
また本発明の衣料は、双方の布地の端部がかがり縫いされている。そのため端部からのほころびが防止される。
また本発明の衣料では、布の端部と共縫い部分の中間部に縫い目が設けられ、当該縫い目によって一方の布地の一部、テープ部材の一方の折り重ね片、テープ部材の他方の折り重ね片、一方の布地の裏面側部分及び他方の布地の裏面側部分が縫い通されている。
請求項27に記載の発明は、複数のパーツを構成する布地が縫製によって結合されて成形された衣料において、少なくとも一部の縫製結合部分に、少なくとも一部に熱接着性を備えたシート状部材が配されており、当該縫製結合部分においては、一方の布地と他方の布地及びシート状部材が直接的に又は他の部材を介在させて重ねられ、前記三者の端部から幾分内側の部位であってシート状部材の幅方向中間部分に相当する部位において一方の布地と他方の布地及びシート状部材が共縫いされ、当該共縫い部分から折り開かれたものであり、衣料の裏面側においては、共縫い部分よりも先端側の部位が一方の布地の裏面に重ねられ、さらに折り重ね部分の間にはシート状部材が幅方向の中間部分から折り重ねられた状態で挿入され、前記双方の布地及びシート状部材の端部は縫われており、前記布地の端部と共縫い部分の中間部に縫い目が設けられ、当該縫い目によって一方の布地の一部、シート状部材の一方の折り重ね片、シート状部材の他方の折り重ね片、一方の布地の裏面側部分及び他方の布地の裏面側部分が縫い通されており、シート状部材とこれに接する布地間、及びシート状部材の一方の折り重ね片と他方の折り重ね片間が熱接着されていることを特徴とする衣料である。
本発明の衣料についても、先に記載した請求項24,26の衣料の構成を全て備えるものであり先の発明の作用効果を全て具備し、さらに別の構成要件が付加されたものである。
すなわち本発明の衣料は、主として縫製部分の剛性や硬度を高めることによってしわの発生を防がんとするものである。本発明の衣料では、一方の布地、他方の布地、及びテープ部材をテープ部材の幅方向中間部分に相当する部位で共縫いされている。そして一方の布地及び他方の布地が前記共縫い部分から折り開かれており、一方の布地の端部と他方の布地の端部とテープ部材の一方の折り重ね片とを他方の布地の第二表面側に重ねられている。従って、当該部分においては、他方の布地の本体部分の第二表面側に、二つ折りにされた状態のテープ部材が積層され、さらにその背面側に他方布地の端部及び一方の布地の端部が重ねられている。
そして本発明の衣料では、一方の布地、他方の布地の本体側と折り重ね側、テープ部材の一方の折り重ね片と他方の折り重ね片が縫合されている。
ここで本発明の衣料では、縫合部分にテープ部材が二重に挿入されている。すなわち本発明では、テープは、二つ折りにされた状態で他方の布地の本体部分と折り重ね部分の間に挿入されている。この様に本発明の衣料の製造方法では、縫合部分にテープ部材が折り重ねられて二重に挿入されている。しかしながら、縫製の際には、テープ部材の一方の折り重ね片、テープ部材の他方の折り重ね片を未接着状態にしておくことが可能であるから、ミシンによって当該部分を縫合する際に針の貫通が容易であり、針と共にこれらを貫通する糸に局部的な力が掛かりにくい。そのため本発明の衣料は、縫製の際に糸に係る内部応力が小さく、糸の経時的な縮みが少なく、縫合せ部分の経時的なしわが小さいものとなる。
また本発明の衣料では、テープの一方の折り重ね片と他方の折り重ね片が接着されているので、テープの剛性が高い。そのため縫製部分の硬度と剛性が高まり、縫合せ部分の縮みが小さいものとなる。
また本発明では、テープ部材の幅方向中間部分に相当する部位で一方の布地及び他方の布地と縫合されるので、製造過程において、テープが離れてしまうことがない。すなわち二枚のテープを個別に当該部分に挿入しようとすると、それぞれのテープの位置決め等に苦労することとなるが、本発明の衣料の製造方法では、一枚のテープを使用してその中間部分を予め他の布地に縫合するため、テープの位置決めが容易である。さらに本発明では、一方の布地、他方の布地、及びテープ部材をテープ部材の幅方向中間部分に相当する部位で共縫され、一方の布地及び他方の布地が前記共縫い部分から折り開かれているが、テープはこの時に同時に折り重ねられる。そのため本発明の衣料を縫製する際には、テープを予め折り曲げておくといった工程は不要である。
また本発明についても、前記した発明と同様に、一方の布地、他方の布地及びテープ部材をともに裁断することによりこれらの端部を迅速に揃えることができる。また、その端部(裁ち目)をかがり縫いするので、端部(裁ち目)からのほころびが防止される。
また請求項28に記載の発明は、複数のパーツを構成する布地が縫製によって結合されて成形された衣料において、少なくとも一部の縫製結合部分においては、少なくとも第一の布地と、第二の布地と、シート状部材を備え、前記第二の布地は、本体部と折り重ね部を有し二つ折りにされて第一の布地に直接的に又は他の部材を介在させて重ねられ、第二の布地の本体部と折り重ね部の間に前記シート状部材が挟持され、少なくとも第一の布地と、第二の布地の折り重ね部は一端部が揃えてかがり縫いされており、前記かがり縫い部分と第二の布地の本体部の間に前記シート状部材があり、前記シート状部材によってかがり縫い部分が隠蔽されていることを特徴とする衣料である。
本発明の衣料は、縫製部分にかがり縫い部分がある。当該かがり縫いの部分が透けて見えると、見栄えが悪いものであるが、本発明では、かがり縫い部分と第二の布地の本体部の間に前記シート状部材があり、前記シート状部材によってかがり縫い部分が隠蔽されている。そのためシート状部材によってかがり縫いの縫い目を覆うことができる。
請求項29に記載の発明は、シート状部材の一端側が第一の布地及び第二の布地と共にかがり縫いされ、シート状部材は、二つ折りにされた状態で第二の布地の折り重ね部と本体部の間に配され、シート状部材の他端側によってかがり縫い部分が隠蔽されていることを特徴とする請求項28に記載の衣料である。
本発明の衣料では、シート状部材は、二つ折りにされた状態で第二の布地の折り重ね部と本体部の間に配されているが、当該シート状部材の一端側は第一の布地及び第二の布地と共にかがり縫いされている。そのため縫製作業時のシート部材の位置決め作業が容易である。
本発明では、シート状部材の他端側によってかがり縫い部分が隠蔽している。
また請求項30に記載の発明は、表裏両面に熱接着性物質が露出した接合媒体を有し、当該接合媒体が第一の布地及び第二の布地と共にかがり縫いされ、シート状部材は前記接合媒体を介して第二の布地の折り重ね部に接着されていることを特徴とする請求項28又は29に記載の衣料である。
本発明の衣料では、表裏両面に熱接着性物質が露出した接合媒体を使用し、この接合媒体によってシート状部材を接着している。そのため本発明の衣料では、シート状部材が強固に固定され、洗濯を繰り返してもしわが生じにくい。
なお「表裏両面に熱接着性物質が露出した接合媒体」とは例えば全部が熱接着性物質で作られたシートやテープの他、基材の両面に熱接着性物質の層が設けられたシート等が挙げられる。
またシート状部材は、所定の温度で溶融しない布地を基材とし、当該基材の一方の面に熱接着性樹脂を含有する糊剤が塗布されたものを採用することができる(請求項31)。
本発明の衣料で採用するテープ部材は、所定の温度で溶融しない布地を基材とする。そのためテープ自体が強度向上機能を持つ。またテープ部材は、二つ折りにされるが、一方の面に塗布された熱接着性樹脂によって折り返し片同士が互いに接着される。
また請求項32に記載の発明は、複数のパーツを構成する布地が縫製によって結合されて成形された衣料において、少なくとも一部の縫製結合部分においては、少なくとも第一の布地と、第二の布地と、第一シート状部材と、第二シート状部材を備え、前記第一シート状部材と第二シート状部材は共にテープ状の部材であって、所定の温度では溶融しない布地を基材とし当該基材の少なくとも一方の面に熱接着性樹脂を含有する糊剤が塗布されたものであり、前記第二の布地は、本体部と折り重ね部を有し二つ折りにされて第一の布地に直接的に又は他の部材を介在させて重ねられ、第二の布地の本体部と折り重ね部の間に前記第一シート状部材と第二シート状部材が挟持され、少なくとも第一の布地と、第二の布地の折り重ね部と第一シート状部材は一端部が揃えてかがり縫いされており、前記かがり縫い部分と第二の布地の本体部の間に第二シート状部材があり、前記第二シート状部材によってかがり縫い部分が隠蔽されていることを特徴とする衣料である。
本発明の衣料では、二枚のシート部材を使用し、一方のシート状部材によってかがり縫い部分を隠蔽するものである。
また二枚のシートは同一のものを使用しても良いが、第二シート状部材は第一シート状部材よりも厚いことが望ましい(請求項33)。
すなわち二枚のシート状部材は互いに接着し合うと共に、それぞれ隣接する布地と接着していることが望ましい。そのためにはシート状部材の基材は熱接着性樹脂を透過しやすいものが望ましいと言える。一方、第二シート状部材は、かがり縫い部分を隠蔽することを主たる目的とするから厚いものであることが望ましい。
そこで第一シート状部材は、第二シート状部材と強固に接着させるために薄いものを採用することが望ましく。第二シート状部材は、かがり縫い部分を隠蔽する効果を高めるために厚いものを採用することが望ましい。
またシート状部材は第二の布地の本体部に接着されていることが望ましい(請求項34)。
また請求項35に記載の発明は、一方の布地と他方の布地及びシート状部材の他に第三の布地が重ねられていることを特徴とする請求項23乃至34のいずれかに記載の衣料である。
本発明は、ワイシャツ等のヨーク部分の構造として特に好適である。
また上記した発明は、いずれも一方の布地と他方の布地を接合するものとして説明したが、例えば袖の部分のように、一つのパーツを環状に結合する場合も本発明を適用することができる。すなわち請求項36に記載の発明は、他方の布地に代わって一方の布地の他の辺部が重ねられていることを特徴とする請求項23乃至34のいずれかに記載の衣料である。
本発明の方法により製造された衣料又は本発明による布帛の結合部分は、結合方法が簡易で手間がかからず、低コストでありながら、縫合部位(結合部分)が強固である。また、外観がよく、風合いにすぐれている。さらに、縫合部位の耐久性が向上し、洗濯を繰り返しても縫合部位に縮みによるしわが生じがたいので、ワイシャツ等のノーアイロン化に役立つ。
以下、本発明のさらに具体的な実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1乃至図10は、本発明の第一実施形態を示す。
本実施形態は、本発明をワイシャツに適用したものである。本実施形態のワイシャツ70(図10)は、前身頃71、後身頃72、袖73、襟74、ヨーク75、カフス76といった所定形状に裁断されたパーツを縫製によって結合して作られたものである。
そして、前身頃71と後身頃72の合わせ部分(サイドシーム部分)80、袖73と前後の身頃71,72及びヨーク75との接続部分(アームホール縫合せ部分)81,82(袖73と後身頃72との接続部分は図示せず)、ヨーク75と前身頃71及び後身頃72との合わせ部分83(ヨーク75と後身頃72との合わせ部分は図示せず)、及び袖73の筒状部分の合わせ部分(図示せず)に本発明の特徴的構造が採用されている。
以下、説明を簡単にするために、第一の布地10及び第二の布地20を接合するものとして特徴的構造部分を説明する。すなわち前身頃71と後身頃72の合わせ部分に本発明を適用する場合においては、後身頃72が第一の布地10であり、前身頃71が第二の布地20に相当する(逆でもよい 以下同じ)。
袖73と前後の身頃71,72及びヨーク75との接続部分に本発明を適用する場合においては、袖73が第一の布地10であり、身頃71,72及びヨーク75が第二の布地20に相当する。またヨーク75と前身頃71及び後身頃72との合わせ部分に本発明を適用する場合においては、前身頃71及び後身頃72が第一の布地10であり、ヨーク75が第二の布地20に相当する。さらに袖73の筒状部分の合わせ部分に本発明を適用する場合においては、袖73の一辺側が第一の布地10であり、他辺側が第二の布地20に相当する。
以下、縫製工程を追って説明する。
なお以下の実施形態では、シート状部材としてテープ部材を使用する。
本実施形態では、第一の布地10及び第二の布地20として、綿とポリエステルの混紡によって製造した布地が用いられている。本実施形態では、第一の布地10、第二の布地20とも、衣料において表側となるべき面を第一表面とし、裏側となるべき面を第二表面と定めて説明を進めることとする。なお、図1乃至図8において、第一表面を太線で示す。
まず、図1,2に示すように、第一の布地10と第二の布地20の端辺13,23をほぼ揃えつつ、第一の布地の第一表面11(図1における上面)に第二の布地の第一表面21(同、下面)を重ね合わせ、さらに、第二の布地の第二表面22(同、上面)にテープ状の結合用シート状部材(以下 テープ部材)30の第一表面31(同、下面)を重ね合わせる。このとき、第二の布地の上記端辺23とテープ部材の一長辺33をほぼ揃える。テープ部材は、ポリエチレン系である。
次に、図3に示すように、インターロックミシンにより、第一の布地10、第二の布地20、及びテープ部材30をともに裁断することによりこれらの端部を揃え、この裁断と並行して第一の布地10、第二の布地20、及びテープ部材30の裁断により生じた端部(裁ち目)14,24,34をかがり縫いして縫い目40を形成し、さらに、この裁断及びかがり縫いと並行して、第一の布地10、第二の布地20、及びテープ部材30を、裁ち目と異なる部位で、より具体的にはテープ部材の他の長辺35より僅かに内側で、縫合し、縫い目(共縫い部分)50を形成させる。かがり縫いには縁かがり縫いを用い、端部と異なる部位における縫合には二重環縫いを用いる。
ここで第一の布地10を反転して拡げると、第一の布地10と第二の布地20とテープ部材30との重合部55が立ち上がって図4に示した形状となる。すなわち第一の布地10と第二の布地20を縫い目(共縫い部分)50から折り開く。
次いで重合部55を第二の布地20側へ倒せば、図5,6に示した形状となる。この図の状態を180°反転して見れば、第二の布地20をテープ部材30と重ね合わされていない部位に折り目26を設けて折り返し、折り返された第二の布地20の第二表面22をテープ部材30の第二表面32にさらに重ね合わせたことになる。なお、折り目26は、テープ部材30の長辺35よりも僅かに裁ち目24から遠い側となる。
第二の布地20は、折り目26を境界として二つの部分27,28に分けて考えることができる。第一部分27は、第一の布地10の第一表面11及びテープ部材30の第一表面31に接する部分であり、第二部分(折り返された第二の布地)28は、テープ部材30の第二表面32に接する部分及びその延長部である。第二部分28は、第二の布地20の面積の大部分を占めている。第一部分27は、小面積であり、また、製品となったときには見えない部分である。なお、以下で、第二部分28を「本体部分」、第一部分27を「折り重ね部分」ということがある。
そして第一の布地10、第二の布地20の第一部分27、テープ部材30、及び第二の布地20の第二部分28をさらにロックステッチミシンを用いて錠縫いによって縫合し、縫い目60を形成する。次いで、第二表面12,22側から160℃のプレス機により30秒間加熱及び加圧を行い、テープ部材30を構成している熱接着性物質であるポリエチレン系樹脂を溶融させる。熱接着性物質が再び固化したときには、図8に示すように、第一の布地10、第一部分27、及び第二部分28が熱接着性物質によって固められ、強固な結合が生じる。なお、この図において、テープ部材30を構成していた熱接着性物質は溶融して第一の布地10、第一部分27、及び第二部分28に浸透したので、テープ部材30は図に表れなくなっている。
こうして結合された第一の布地10及び第二の布地20を表側(第一表面側)から見れば、図9のように折り目26と縫い目60が見えるだけであり、シンプルな外観が得られ、風合いにすぐれている。
このような布地の結合を、図10に示すワイシャツ70のアームホール縫合せ部分81及びサイドシーム部分80に用いたところ、外観、気心地、耐久性とも良好であった。
上記の実施形態のほかに、種々の実施形態が可能である。
例えば、結合媒体は、上記実施形態のテープ部材30では全体が熱接着性物質からなっているのに対し、図11,12に示したテープ部材30a,30bのように、布帛37の一方又は両方の表面に塗布又は接着により熱接着性物質の層38が設けられたものであってもよい。この場合、加熱の後も、テープ部材30a,30bのうち布帛37は結合部に残り、結合部を補強する役割を果たす。
ここで布帛37の材質は、綿、ポリエステル、綿とポリエステルの混紡、ナイロン、レーヨン等から適宜選択すればよい。熱接着性物質は、前記の物質から適宜選択すればよい。
熱接着性物質を層状に設けず、散点状に設けてもよい。
また、テープ部材30は、熱接着性物質を含有する布帛であってもよい。このようなテープ部材30を製造する手段としては、例えば、布帛に熱接着性物質を含浸させる、又は、軟化点の低い熱可塑性の化学繊維と綿、ポリエステル等を混紡又は交織する等が挙げられる。
また、第一の布地、第二の布地、及びテープ部材を重ね合わせてまず縫合し、次いでともに裁断することによりこれらの端部を揃え、次いで第一の布地、第二の布地、及びテープ部材の上記端部をかがり縫いすることもできる。
第一の布地、第二の布地、及びテープ部材の三者をともに裁断するのではなく、例えば、テープ部材の端部は第一の布地及び第二の布地の端部より内側に配置しておいて、第一・第二の布地のみ裁断することもできる。
また、単に三者の端部を揃えるだけでも実施は可能である。あるいは、第一の布地及び第二の布地の端部のみを揃え、テープ部材の端部は第一の布地及び第二の布地の端部より内側になるように三者を重ねてもよい。
次に本発明の第二の実施形態について説明する。図13乃至図22は、本発明の第二実施形態を示す。なお、以下に示す実施形態の説明において、先の実施形態と同一の部材については同一の番号を付して重複した説明を省略し、また、衣料において表側となるべき面を第一表面とし、裏側となるべき面を第二表面とする。
また、図13乃至図19及び図21において、第一表面を太線で示す。
第二の実施形態では、結合用シート部材としてテープ部材30aを使用する。テープ部材30aは、前述した図11に示したテープ部材と同様に層構成を有するものであり、綿とポリエステルの混紡糸を使用して平織りされた布帛37を基材とする。布帛37に使用された混紡糸の太さは、身頃等のパーツのそれと大差ないが、織りの密度は、相当に低い。具体的には、糸と糸との間に目視可能な隙間がある。隙間の大きさは、0.05〜0.2mm程度であり、溶融状態の樹脂が流れることができる程度の開口を形成している。基材たる布帛37は、アイロンやプレスの際にかかる温度(所定温度)では溶融しない。
テープ部材30aは、その一方の面に熱接着性物質からなる糊剤が塗布されている。糊剤は、アイロンやプレスの際にかかる温度(所定温度)で溶融する。
そして本実施形態で採用するテープ部材30aは、先の実施形態で採用したそれに比べて約2倍の幅がある。
以下、縫製工程を追って説明する。
最初の工程として、先の実施形態と同様、図13,14に示すように、第一の布地10と、第二の布地20とテープ部材30aを重ねる。すなわち第一の布地10と第二の布地20の端辺13,23をほぼ揃えつつ、第一の布地の第一表面11(図13における上面)に第二の布地の第一表面21(同、下面)を重ね合わせ、さらに、第二の布地の第二表面22(同、上面)にテープ部材30aを重ねる。ここでテープ部材30aの糊剤塗布面31a(第一表面)は、第二の布地20と接している。
また本実施形態で採用するテープ部材30aは、前記した様に先の実施形態のそれよりも幅が広い。
次に、図15に示すように、インターロックミシンにより、第一の布地10、第二の布地20、及びテープ部材30aをともに裁断することによりこれらの端部を揃え、この裁断と並行して第一の布地10、第二の布地20、及びテープ部材30aの裁断により生じた端部(裁ち目)14,24,34をかがり縫いして縫い目40を形成させる。
またこの裁断及びかがり縫いと並行して、第一の布地10、第二の布地20、及びテープ部材30aを共縫いする。第一の布地10、第二の布地20、及びテープ部材30aを共縫いする位置は、テープ部材30aの略中央であり、テープ部材30aの長手方向に沿って縫い進める。
なお先の実施形態と同様、かがり縫いには縁かがり縫いを用い、端部と異なる部位における縫合には二重環縫いを用いる。
そして第一の布地10と第二の布地20を縫い目(共縫い部分)50から折り開く。
次いで重合部55を図17,18に示すように第二の布地20側へ折り重ねる。
ここで本実施形態では、テープ部材30aの幅が広く、さらにテープ部材30aの略中央で第一の布地10、第二の布地20、及びテープ部材30aが共縫いされている。そのため、前記した様に第一の布地10と第二の布地20を縫い目(共縫い部分)50から折り開き、先端側の重合部55を図17,18に示すように第二の布地20側へ折り重ねると、テープ部材30aは、図の様に幅方向の中央部にある共縫い部分50から折り曲げられ、中央部から二つ折りにされた状態となる。そしてテープ部材30aは、中央部から二つ折りにされた状態で第二の布地20の本体部分28と、折り重ね部分27の間に挿入される。
したがって第二の布地20の第二の表面(裏面)においては、本体部分28と、折り重ね部分27の間にテープ部材30aが二層状態で存在する。
本実施形態の製造方法によると、重合部55を折り曲げる動作に伴って、テープ部材30aも折り曲げられるから、テープ部材30aを予め折り曲げておく必要はない。
またテープ部材30aが折り曲げられる際の基端部は、第二の布地20が折り曲げられる際の基端部と一致するから、テープ部材30aは、第二の布地20の折り曲げ部分の奥まできちんと入ることとなる。
当該部分における層構成をワイシャツの表面側から順次説明すると、図18に示すように、第二の布地20の本体部分28、テープ部材30aの一方の折り重ね片、テープ部材30aの他方の折り重ね片、第二の布地20の折り重ね部分27、第一の布地10の順に積層されている。
そして前記した第二の布地20の本体部分28、テープ部材30aの一方の折り重ね片、テープ部材30aの他方の折り重ね片、第二の布地20の折り重ね部分27、第一の布地10をロックステッチミシンを用いて錠縫いによって縫い通し、縫い目60を形成する。縫い目60を形成させる位置は、インターロックミシンによって裁断した第一の布地10、第二の布地20、及びテープ部材30aの端部と、前記した共縫い部分50との中間部分であり、布の端部に近い部位である。
なお縫い目60を形成させる段階では、第二の布地20の本体部分28、テープ部材30aの一方の折り重ね片、テープ部材30aの他方の折り重ね片、第二の布地20の折り重ね部分27は、いずれも接着されておらず、フリーの状態である。また本実施形態では、テープ部材30aは織り目が荒い。そのため縫い目60を形成させる際に、ミシンの針は通りがよく、運針の際の抵抗は少ない。そのため針が通過する際に、縫い糸がテープ部材30a等から受ける摩擦力は小さく、糸に残留する応力は小さい。
製造工程の説明に戻ると、縫い目60の形成に次いで、第二表面12,22側から160℃のプレス機により30秒間加熱及び加圧を行い、テープ部材30aの糊剤を溶融させる。
本実施形態では、テープ部材30aの糊剤塗布面は、第二の布地20と接しているから、テープ部材30aを加熱及び加圧することによって溶融した糊剤が第二の布地20と接し、テープ部材30aは第二の布地20の本体部分28と折り重ね部分27に接着される。
また本実施形態で採用されるテープ部材30aは、織り目が荒いので、加圧によって糊剤がテープ部材30a同士の内側に流れ込む。
そのためテープ部材30aは、二つ折りになった状態で接着固定される。
熱接着性物質が再び固化したときには、テープ部材30aを介して第二の布地20の本体部分28と折り重ね部分27が一体的に結合され、さらにその間に、二重に重なって一体固化したテープ部材30aが挿入されている。そのため当該縫製部分は、これらによって硬化される。
こうして製作された縫製結合部は、図19の通り、第一の布地10と第二の布地20及びテープ部材30aが重ねられたものとなっている。そして第一の布地10と第二の布地20及びテープ部材30aの端部は揃えられてかがり縫いされている。また、かがり縫い部分から幾分内側の部位であってテープ部材30aの幅方向中間部分に相当する部位で、第一の布地10と第二の布地20及びテープ部材30aの三者が共縫いされている。また第一の布地10と第二の布地20は、前記した共縫い部分50から折り開かれ、ワイシャツの裏面側においては、共縫い部分50よりも先端側の部位が一方の布地の裏面に重ねられている。そして折り重ね部分の間にはテープ部材30aが挿入されており、このテープ部材30aは、前記した共縫い部分50に沿って、幅方向の中間部分から折り重ねられた状態で挿入されている。
また前記した布地の端部と共縫い部分の中間部に縫い目60が設けられており、当該縫い目によって第二の布地20の本体部分28、テープ部材30aの一方の折り重ね片、テープ部材30aの他方の折り重ね片、第二の布地20の裏面側部分(折り重ね部分27)及び第一の布地10の裏面側部分が縫い通されている。なお縫い目60の位置は、前記した様に布地の端部と共縫い部分の中間部であるが、布地の端部に近い位置である。
さらに第二の布地20の本体部及び裏面側部分とテープ部材30aが強固に接着され、且つテープ部材の一方の折り重ね片と他方の折り重ね片についても強固に接着されている。
従来技術のワイシャツは、洗濯を繰り返すと、前記した縫い目60の部分にしわが生じ、問題であったが、本実施形態によると、縫い目60にしわが生じにくい。すなわち本実施形態のワイシャツでは、表面から目視される面たる、第二の布地20の第一表面の裏に、テープ部材30aが二重に配備されており、二重のテープ部材30aは、糊剤によって一体化されると共に第二の布地20に強固に接着されている。さらに二重に配されたテープ部材30aの更に裏面には、第二の布地20の折り返し部も接着されている。そのため第二の布地20の表面は、これらの部材によって裏打ちされ、硬度が高く、変形しにくい。
加えて、前記した様に、本実施形態のワイシャツは、縫製の際に糸にかかる負荷が小さく、糸の残留応力が小さい。そのため本実施形態のワイシャツは、洗濯を繰り返しても、縫い目60の部分にしわが生じることは少ない。
なお、前記した様に袖73の筒状部分の合わせ部分に本発明を適用する場合においては、袖73の一辺側が第一の布地10であり、他辺側が第二の布地20に相当する。袖73の筒状部分の合わせ部分に本発明を適用した場合における袖73の横断面図を図20に示す。図20の円内を拡大すると、前記した図17,18と同様の構造となっている。
また、第二の実施形態の応用例として、ヨーク部分については、型崩れを防ぐために、第三の布地が設けられている。図21は、ヨーク部分の構造を示す断面斜視図である。
ヨーク部分においては、図21に示すように、第一の布地10の裏面側に第三の布地90が設けられている。
すなわちヨーク部分においては、第三の布地90、第一の布地10、第二の布地20、及びテープ部材30aを、この順に積層して有し、これらの端部は揃えられてかがり縫い40’がされている。また、テープ部材30aの幅方向中間部分に相当する部位で、第三の布地と第一の布地10と第二の布地20及びテープ部材30aの四者が共縫いされている。また第一の布地10と第二の布地20は、前記した共縫い部分50’から折り開かれ、ワイシャツの裏面側においては、共縫い部分よりも先端側の部位が第二の布地20の裏面に重ねられている。そして折り重ね部分の間にはテープ部材30aが前記した共縫い部分50’に沿って、幅方向の中間部分から折り重ねられた状態で挿入されている。
また前記した布地の端部と共縫い部分の中間部に縫い目60’が設けられており、当該縫い目によって第二の布地20の本体部、テープ部材30aの一方の折り重ね片、テープ部材30aの他方の折り重ね片、第二の布地20の裏面側部分及び第一の布地10の裏面側部分が縫い通されている。
縫い目60’を形成させる位置は、インターロックミシンによって裁断した第一の布地10、第二の布地20、第三の布地90、及びテープ部材30aの端部と、前記した共縫い部分50’との中間部分であり、共縫い部分50’に近い部位である。
さらに第二の布地20の本体部分28及び裏面側部分とテープ部材30aが強固に接着され、且つテープ部材30aの一方の折り重ね片と他方の折り重ね片についても強固に接着されている。
ヨーク部分についても、縫い目60’部分は、表面から目視される面たる、第二の布地20の第一表面の裏に、テープ部材30aが二重に配備されており、二重のテープ部材30aは、糊剤によって一体化されると共に第二の布地20に強固に接着されている。さらに二重に配されたテープ部材30aの更に裏面には、第二の布地20の折り重ね部分27も接着されている。
そのためヨーク部分についても、縫い目60’の部分にしわが生じることは少ない。
本実施形態で採用したテープ部材30aは前記した様に布帛37の一方の表面に熱接着性物質の層38が設けられたものであるが、これに代えて図12に示されるテープ部材30bのように、布帛37の両方の表面に塗布又は接着により熱接着性物質の層38が設けられるものを用いることもできる。テープ部材30bを使用すると、二つ折りになった状態での接着固定をより確実に行うことができる。
そして、テープ部材30bを用いることにより、図22に図示されるように、二つ折りにした状態でプレス機により加熱及び加圧されるので、熱接着性物質の層38同士が接着され、二つ折りの内側同士が接着されて固定される。したがって、この結合部分が採用された衣料を使用し、洗濯などを行っても、この二つ折りの内側同士が外れにくく、重合部55が外れにくく耐久性に優れる。
次に本発明の第三の実施形態について説明する。図23乃至図28は、本発明の第三実施形態を示す。また、図23乃至図27において、第一表面を太線で示す。
第三の実施形態は、前記した第二の実施形態における共縫いの作業を省略したものである。
第三の実施形態では、二つのテープ部材131,132を使用する。
第一テープ部材131は、前述した図11に示したテープ部材と同様に層構成を有するものであり、第二の実施形態のテープ部材と同様のものが用いられる。
第二テープ部材132は、主として結合媒体として機能するものであり、全体が所定の温度で溶融する熱接着性物質から成るものが用いられる。そして、第二テープ部材132の幅は第一テープ部材131の幅の2分の1前後である。
第一テープ部材131は、その一方の面に熱接着性物質からなる糊剤が塗布されている。糊剤は、アイロンやプレスの際にかかる温度(所定温度)で溶融する。そして、第一テープ部材131の厚みは0.15〜0.20mmが望ましく、具体的には0.1mmのものが用いられている。第二テープ部材132は全体が所定の温度で溶融する熱接着性物質から成るものが用いられており、その材質は、上述したものを用いている。第二テープ部材132の厚みは、0.08mm〜0.15mmが望ましく、具体的には0.11mmのものが用いられている。
次に、縫製工程について説明する。
最初の工程として、図23及び図24に示されるように、第一の布地10、第二の布地20、第一テープ部材131及び第二テープ部材132を重ねる。
次に、図25に示されるように、インターロックミシンにより、第一の布地10、第二の布地20、第一テープ部材131及び第二テープ部材132をともに裁断することによりこれらの端部を揃え、この裁断と並行して第一の布地10、第二の布地20、及び第一テープ部材131の裁断により生じた端部(裁ち目)14,24,134,135をかがり縫いして縫い目40を形成させる。なお、このかがり縫いの端部は、後に示すように、折り開く際に基準となるので、前記した実施形態のかがり縫いよりも幅広としている。
また、第二の実施形態では、この裁断及びかがり縫いと並行して共縫いが行われていたが、第三の実施形態では共縫いは行われない。したがって、共縫いの工程を省略することができ、共縫いの縫い目が表面に移ることを防止することができるので外観性を向上させることができる。なお、このように、共縫いの工程を省略して、かがり縫いの端部で折り開く方法は、他の実施形態にも用いることができる。
そして、図26に示されるように、第一の布地10と第二の布地20をかがり縫いの端部で折り開く。
次いで重合部55を図27,28に示すように第二の布地20側へ折り重ねて、錠縫いによって縫い通し、縫い目60を形成する。
ここで本実施形態では、第一テープ部材131の幅が広く、さらに第一テープ部材131の略中央であって、第二テープ部材132の端部付近にかがり縫いの端部が位置している。そのため、前記した様に第一の布地10と第二の布地20をかがり縫いの端部から折り開き、先端側の重合部55を第二の布地20側へ折り重ねると、第一テープ部材131は、中央部から二つ折りにされた状態となり、さらに、第一テープ部材131の折りたたまれた内側に第二テープ部材132が位置する状態となる。
そして、これらの第一テープ部材131と、第二テープ部材132は、第二の布地20の第二の表面(裏面)の内側に位置している。
本実施形態の製造方法によると、重合部55を折り曲げる動作に伴って、第一テープ部材131も折り曲げられる。また第一テープ部材131と第二テープ部材132の基端部は、第二の布地20が折り曲げられる際の基端部と一致するから、第一テープ部材131,第二テープ部材132は、第二の布地20の折り曲げ部分の奥まできちんと入ることとなる。
当該部分における層構成をワイシャツの表面側から順次説明すると、図28に示すように、第二の布地20の本体部分28、第一テープ部材131の一方の折り重ね片、第二テープ部材132、第一テープ部材131の他方の折り重ね片、第二の布地20の折り重ね部分27、第一の布地10の順に積層されている。
そして、錠縫いよって縫い通し、縫い目60を形成する。この錠縫いは、第二の布地20の本体部分28、第一テープ部材131の一方の折り重ね片、第二テープ部材132、第一テープ部材131の他方の折り重ね片、第二の布地20の折り重ね部分27、第一の布地10の順に積層されたものをロックステッチミシンを用いて行う。縫い目60を形成させる位置は、インターロックミシンによって裁断した第一の布地10、第二の布地20、及び第一テープ部材131の端部と、前記したかがり縫いの端部との中間部分であり、布の端部に近い部位である。なお、この縫い目60を形成させる位置は、上記積層されたものを縫い付けることができれば、どの位置でもよい。
縫い目60の形成した後に、第二表面12,22側から160℃のプレス機により30秒間加熱及び加圧を行い、第一テープ部材131及び第二テープ部材132により接着する。
本実施形態では、第一テープ部材131の糊剤塗布面は、第二の布地20と接しているから、第一テープ部材131を加熱及び加圧することによって溶融した糊剤が第二の布地20と接し、第一テープ部材131は第二の布地20の本体部分28と折り重ね部分27に接着される。さらに、第二テープ部材132が設けられており、第一テープ部材131は織り目が荒いので、この加熱及び加圧によって、第二テープ部材132の樹脂等が溶融してより強固に接着することができる。
熱接着性物質が再び固化したときには、第一テープ部材131を介して第二の布地20の本体部分28と折り重ね部分27が一体的に結合され、さらにその間に、二重に重なって一体固化した第一テープ部材131が挿入されている。そのため当該縫製部分は、これらによって硬化される。
こうして製作された縫製結合部は、第一の布地10と第二の布地20及び第一テープ部材131,結合部材132が重ねられたものとなっている。そして第一の布地10と第二の布地20及び第一テープ部材131,結合部材132の端部は揃えられてかがり縫いされている。また第一の布地10と第二の布地20は、前記したかがり縫い部分の端部から折り開かれている。そして折り重ね部分の間には第一テープ部材131が挿入されており、この第一テープ部材131は、前記したかがり縫い部分の端部に沿って、幅方向の中間部分から折り重ねられた状態で挿入されている。
また前記した布地の端部とかがり縫い部分の中間部に縫い目60が設けられている。なお縫い目60の位置は、布地の端部に近い位置である。
さらに第二の布地20の本体部及び裏面側部分と第一テープ部材131が強固に接着され、且つ第一テープ部材131の一方の折り重ね片と他方の折り重ね片についても強固に接着されている。
したがって、本実施形態を用いることによって、縫い目60にしわが生じにくい。
次に本発明の第四の実施形態について説明する。図29乃至図33は、本発明の第四実施形態を示す。また、図29乃至図32において、第一表面を太線で示す。
第四の実施形態についても結合用シート状部材としてテープ部材140を使用する。テープ部材140は、図12に示されるような布帛37の両方の表面に塗布又は接着により熱接着性物質の層38が設けられたテープ部材30bが用いられている。この熱接着性物質は、アイロンやプレスの際にかかる温度(所定温度)で溶融する。
また、本実施形態におけるテープ部材140は、上記の実施形態に用いられるテープ部材よりも厚めのものが用いられる。これは、テープ部材140が折り曲げられることがないので、テープ部材140が厚くても結合部分が完成した際に全体の厚みを押さえることができるからである。そして、後述するように、このテープ部材140によってかがり縫いの跡が表側から透けて見えるのを防止する。
また、テープ部材140の厚みは0.20〜0.30mmのものが望ましく、具体的には0.25mm程度のものが用いられている。
次に、縫製工程について説明する。
最初の工程として、図29及び図30に示されるように、第一の布地10、第二の布地20を重ねる。
次に、図31に示されるように、インターロックミシンにより、第一の布地10及び第二の布地20をともに裁断することによりこれらの端部を揃え、この裁断と並行して第一の布地10及び第二の布地20の裁断により生じた端部(裁ち目)14,24をかがり縫いして縫い目40を形成させる。
またこの裁断及びかがり縫いと並行して、第一の布地10及び第二の布地20を共縫いする。第一の布地10及び第二の布地20の共縫いは、長手方向に沿って縫い進める。
なお先の実施形態と同様、かがり縫いには縁かがり縫いを用い、端部と異なる部位における縫合には二重環縫いを用いる。
そして第一の布地10と第二の布地20を縫い目(共縫い部分)50から折り開く。
次いで重合部55を図32に示すように第二の布地20側へ折り重ねる。このとき、テープ部材140を第二の布地20の間に挿入しながら、錠縫いよって縫い通し、縫い目60を形成する。
なお、図32では、右奥側から左手前側に向かって縫い進まれており、図32で示される状態では、縫い目60は途中段階を示している。また、重合部55は、右奥側については錠縫いによって縫い付けられて倒れている状態であり、左手前側は、折り重ねられておらず、倒れていない状態を示している。
そして、第一乃至第三実施形態では、テープ部材は、第一の布地10と第二の布地20を縫い目(共縫い部分)50から折り開く前にあらかじめ第二の布地20に縫製されるものであったが、本実施形態のテープ部材であるテープ部材140は、第一の布地10と第二の布地20を折り開く前にあらかじめ第二の布地に縫製されるものでなく、重合部55を折り曲げて重ね合わせる際に挿入して、その後錠縫いされる。
このため、テープ部材140はかがり縫いされることは無く、完成した状態で表側からみると、かがり縫いの部分は第二の布地20とテープ部材140によって覆われる。そのためかがり縫いの部分はテープ部材140によって隠蔽され、見栄えが良い。
また、テープ部材140は上述したように、厚めのものを採用することができるので、かがり縫いの跡が表側から透けにくく、外観性が向上する。特に、後述するように、プレス機により加熱及び加圧を行ってテープ部材140により接着する工程を有するので、このプレス工程により、かがり縫いの糸の跡が透けやすくなるが、本実施形態ではそのようなことは起こりにくい。
当該部分における層構成をワイシャツの表面側から順次説明すると、図33に示すように、第二の布地20の本体部分28、テープ部材140、第二の布地20の折り重ね部分27、第一の布地10の順に積層されている。
そして、錠縫いよって縫い通し、縫い目60を形成する。この錠縫いは、第二の布地20の本体部分28、テープ部材140、第二の布地20の折り重ね部分27、第一の布地10の順に積層されたものをロックステッチミシンを用いて行う。そして、この錠縫いは、テープ部材140の挿入した直後に行われるので、テープ部材140が外れることはない。
縫い目60を形成させる位置は、インターロックミシンによって裁断した第一の布地10、第二の布地20、及びテープ部材140の端部と、前記した共縫い部分50との中間部分であり、布の端部に近い部位である。なお、この縫い目60を形成させる位置は、上記積層されたものを縫い付けることができれば、どの位置でもよい。
縫い目60の形成した後に、第二表面12,22側から160℃のプレス機により30秒間加熱及び加圧を行い、テープ部材140により接着する。
こうして製作された縫製結合部は、第一の布地10と第二の布地20及びテープ部材140が重ねられたものとなっている。そして第一の布地10と第二の布地20の端部は揃えられてかがり縫いされ、テープ部材140はかがり縫いされていない。また第一の布地10と第二の布地20は、共縫いした部分から折り開かれ、ワイシャツの裏面側においては、共縫い部分50よりも先端側の部位が一方の布地の裏面に重ねられている。そして折り重ね部分の間にはテープ部材140が挿入されている。
また前記した布地の端部とかがり縫い部分の中間部に縫い目60が設けられている。なお縫い目60の位置は、前記した様に布地の端部と共縫い部分の中間部であるが、布地の端部に近い位置である。
さらに第二の布地20の本体部及び裏面側部分とテープ部材140が強固に接着され、且つテープ部材140の一方の折り重ね片と他方の折り重ね片についても強固に接着されている。
したがって、本実施形態を用いることによって、縫い目60にしわが生じにくい。
なお、上記した実施形態では、テープ部材140は、図12に示されるような布帛37の両方の表面に熱接着性物質の層38が設けられたテープ部材30bを使用したが、片面だけに熱接着性物質の層38が設けられたテープ部材30aを使用することもできる。
続いて第五の実施形態について説明する。図34乃至図38は、本発明の第五実施形態を示す。また、図34乃至図37において、第一表面を太線で示す。
第五の実施形態は、第四の実施形態にさらに改良を加えたものである。具体的には、全体が熱接着性物質からなっている結合用テープ部材(結合媒体 第一シート状部材)152と、第四の実施形態で用いたテープ部材140と同様に、布帛の両面に熱接着性物質の層が設けられたものや、布帛の片面だけに熱接着性物質の層が設けられたテープ部材151(結合媒体 第二シート状部材)の二種類が用いられている。
また、テープ部材151の厚みは0.20〜0.30mmのものが望ましく、具体的には0.25mm程度のものが用いられている。結合用テープ部材152の厚みは、0.08mm〜0.15mmが望ましく、具体的には0.11mmのものが用いられている。そして、テープ部材151の厚みに対する結合用テープ部材152の厚みは、50〜100%程度である。
結合用テープ部材152の幅は、テープ部材151の幅よりも広い。
次に、縫製工程について説明する。
最初の工程として、図34及び図35に示されるように、第一の布地10、第二の布地20、及び結合用テープ部材152を重ねる。
次に、図36に示されるように、インターロックミシンにより、第一の布地10、第二の布地20及び結合用テープ部材152をともに裁断することによりこれらの端部を揃え、この裁断と並行して第一の布地10、第二の布地20、及び結合用テープ部材152の裁断により生じた端部(裁ち目)14,24,153をかがり縫いして縫い目40を形成させる。
またこの裁断及びかがり縫いと並行して、第一の布地10、第二の布地20、及び結合用テープ部材152を共縫いする。第一の布地10、第二の布地20、及び結合用テープ部材152を共縫いする位置は、テープ部材152の長手方向に沿って縫い進める。
なお先の実施形態と同様、かがり縫いには縁かがり縫いを用い、端部と異なる部位における縫合には二重環縫いを用いる。
そして第一の布地10と第二の布地20を縫い目(共縫い部分)50から折り開く。
次いで重合部55を図37に示すように第二の布地20側へ折り重ねる。このとき、テープ部材151を、前記した第四の実施形態のテープ部材140の様に、テープ部材151を第二の布地20の間に挿入しながら、錠縫いよって縫い通し、縫い目60を形成する。
なお、布帛の片面だけに熱接着性物質の層が設けられたテープ部材151を使用する場合は、熱接着性物質の層が第二の布地20の本体部分28側となる様にテープ部材151を挿入して行く。より具体的には、テープ部材151の糊剤が塗布された側が第二の布地20の第二表面と接するようにテープ部材151を挿入する。
このため、テープ部材151はかがり縫いされることは無く、完成した状態で表側からみると、かがり縫いの部分は第二の布地20とテープ部材151によって覆われる。そのためかがり縫いの部分はテープ部材151によって隠蔽され、見栄えが良い。
また、テープ部材151は上述したように、厚めのものを採用することができるので、かがり縫いの跡が表側から透けにくく、特に、後述するように、プレス機により加熱及び加圧を行う工程を有するが、本実施形態の構造を採用することにより、かがり縫いの跡が透けにくい。
当該部分における層構成をワイシャツの表面側から順次説明すると、図38に示すように、第二の布地20の本体部分28、テープ部材151、結合用テープ部材152、第二の布地20の折り重ね部分27、第一の布地10の順に積層されている。また、結合用テープ部材152は、折り返しの部分の層を第二の布地20の本体部分28とテープ部材151との間に有するが、その部分は短く部分的である。
そして、錠縫いによって縫い通し、縫い目60を形成する。この錠縫いは、第二の布地20の本体部分28、テープ部材151、結合用テープ部材152、第二の布地20の折り重ね部分27、第一の布地10の順に積層されたものをロックステッチミシンを用いて行う。そして、この錠縫いは、テープ部材151の挿入した直後に行われるので、テープ部材151が外れることはない。
縫い目60を形成させる位置は、インターロックミシンによって裁断した第一の布地10、第二の布地20、及び結合用テープ部材152の端部と、前記した共縫い部分50との中間部分であり、布の端部に近い部位である。なお、この縫い目60を形成させる位置は、上記積層されたものを縫い付けることができれば、どの位置でもよい。
縫い目60の形成した後に、第二表面12,22側から160℃のプレス機により30秒間加熱及び加圧を行い、テープ部材151,結合用テープ部材152により接着する。
こうして製作された縫製結合部は、第一の布地10と第二の布地20及びテープ部材151,結合用テープ部材152が重ねられたものとなっている。そして第一の布地10と第二の布地20の端部は揃えられてかがり縫いされ、テープ部材151はかがり縫いされていない。また第一の布地10と第二の布地20は、共縫いした部分から折り開かれ、ワイシャツの裏面側においては、共縫い部分50よりも先端側の部位が一方の布地の裏面に重ねられている。そして折り重ね部分の間には第1テープ部材151が挿入されている。
また前記した布地の端部とかがり縫い部分の中間部に縫い目60が設けられている。なお縫い目60の位置は、前記した様に布地の端部と共縫い部分の中間部であるが、布地の端部に近い位置である。
さらに第二の布地20の本体部及び裏面側部分とテープ部材151,結合用テープ部材152が強固に接着され、且つテープ部材151,結合用テープ部材152の一方の折り重ね片と他方の折り重ね片についても強固に接着されている。
したがって、本実施形態を用いることによって、縫い目60にしわが生じにくい。
本実施形態では、結合用テープ部材152は、その幅が、テープ部材151の幅よりも広いものを採用した。そのため図38の様に、結合用テープ部材152は、折り返しの部分の層を第二の布地20の本体部分28とテープ部材151との間に有するが、その部分は短く部分的である。
この折り返し部分の長さは、用途に応じて適宜設定することができる。たとえば図39に示すように、折り返し部分が全く存在しない構造であってもよい。
逆に図40に示すように折り返し部分がテープ部材151の第一表面31の全体を覆うものであってもよい。
また上記した実施形態では、結合用テープ部材(第一シート状部材)152として全体が熱接着性物質からなっているものを使用し、隠蔽用のテープ部材(第二シート状部材)151として布帛の両面又は片面に熱接着性物質の層が設けられたものを採用したが、結合用テープ部材152として布帛の両面又は片面に熱接着性物質の層が設けられたものを採用してもよい。
結合用テープ部材152として布帛の片面に熱接着性物質の層が設けられたものを採用する場合には、基材たる布帛が薄いものや、織り目の荒いものを採用することが望ましい。またこの様な結合用テープ部材を採用する場合には、熱接着性物質の層が第二の布地の折り重ね部分27側となる様に配する。より正確には、熱接着性物質の層が第二の布地の折り重ね部分27の第二表面と接する様に挿入してゆく。
すなわち結合用テープ部材152に期待される作用は、隠蔽用のテープ部材151を第二の布地の折り重ね部分27に接着することであるから、布帛の片面に熱接着性物質の層が設けられた構造のものを採用する場合には、加熱時に片面に熱接着性物質が反対側の面に流れ込むことが望ましい。そのため前記した様に布帛の片面に熱接着性物質の層が設けられたものを採用する場合には、基材たる布帛が薄いものや、織り目の荒いものを採用することが推奨される。
たとえば、結合用テープ部材152に、0.15〜0.20mm程度の厚さのものを採用し、隠蔽用のテープ部材151は、0.20〜0.30mm程度のものを採用することが望ましい。
すなわち隠蔽用のテープ部材151は結合用テープ部材152に対して1.3倍から2倍程度の厚さを有することが推奨される。
続いて第六の実施形態について説明する。図41,42は、本発明の第六実施形態を示す。
第六の実施形態は、前記した第二の実施形態と、第五の実施形態の特徴及び長所を兼ね備えるものである。
第六の実施形態は、第二の布地20の折り返し部分の中に二種類のテープ部材を挟み込んだものであり、さらに一方のテープ部材を二つ折りにしてその中に他方のテープ部材を挿入したものである。重ね合わせ構造については前記した第五の実施形態の図40の構造と同一であるが、第五の実施形態では全てが溶融するテープ部材の中に、布帛を含むテープ部材を挟み込んでいたのに対し、第六の実施形態では、布帛を含むテープ部材30aを二つ折りにしてその間に全てが溶融するテープ部材152を挟み込んだ点が相違する。
すなわち本実施形態で使用するテープ部材30aは、第二の実施形態で使用したテープ部材30aと同様のものであり、綿とポリエステルの混紡糸を使用して平織りされた布帛37を基材とし、その一方の面に熱接着性物質からなる糊剤が塗布されたものである。
一方、結合用テープ部材(結合媒体)152は、その全体が熱接着性物質から構成されている。
結合用テープ部材(結合媒体)152の幅は、テープ部材30aの幅の2分の1以下である。
以下、縫製工程を追って説明する。
本実施形態のおける縫製工程は、かがり縫いの工程までは、前記した第二の実施形態と同一であり、それ以降の工程は、第五の実施形態に近い。
すなわち最初の工程として、先の第二の実施形態と同様、図13,14に示すように、第一の布地10と、第二の布地20とテープ部材30aを重ねる。
次に、図15に示すように、インターロックミシンにより、第一の布地10、第二の布地20、及びテープ部材30aをともに裁断することによりこれらの端部を揃え、この裁断と並行して第一の布地10、第二の布地20、及びテープ部材30aの裁断により生じた端部(裁ち目)14,24,34をかがり縫いして縫い目40を形成させる。
同時に、第一の布地10、第二の布地20、及びテープ部材30aを共縫いする。
そして図41に示すように、第一の布地10と第二の布地20を縫い目(共縫い部分)50から折り開く。
以下の工程は、第五の実施形態に近いものが採用されている。
すなわち第一の布地10と第二の布地20を縫い目(共縫い部分)50から折り開き、次いで重合部を図42に示すように第二の布地20側へ折り重ねる。このとき、結合用テープ部材(結合媒体)152を、テープ部材30aの間に挿入しながら、錠縫いよって縫い通し、縫い目60を形成する。
このため、かがり縫い部分と第二の布地20の間にテープ部材30aの折り返し側と結合用テープ部材(結合媒体)152が存在する。完成した状態で表側からみると、かがり縫いの部分は第二の布地20とテープ部材30aの折り返し側及び結合用テープ部材(結合媒体)152によって覆われる。
当該部分における層構成をワイシャツの表面側から順次説明すると、図42に示すように、第二の布地20の本体部分28、テープ部材30aの一方の折り重ね片、結合用テープ部材(結合媒体)152、テープ部材30aの他方の折り重ね片、第二の布地20の折り重ね部分27、第一の布地10の順に積層されている。
そして前記した第二の布地20の本体部分28、テープ部材30aの一方の折り重ね片、結合用テープ部材(結合媒体)152、テープ部材30aの他方の折り重ね片、第二の布地20の折り重ね部分27、第一の布地10をロックステッチミシンを用いて錠縫いによって縫い通し、縫い目60を形成する。
縫い目60の形成に次いで、第二表面12,22側から160℃のプレス機により30秒間加熱及び加圧を行い、テープ部材30aの糊剤及び結合用テープ部材(結合媒体)152を溶融させる。
本実施形態では、テープ部材30aの糊剤塗布面は、第二の布地20と接しているから、テープ部材30aを加熱及び加圧することによって溶融した糊剤が第二の布地20と接し、テープ部材30aは第二の布地20の本体部分28と折り重ね部分27に接着される。
また結合用テープ部材(結合媒体)152は溶融し、テープ部材30aは、二つ折りになった状態で接着固定される。
熱接着性物質が再び固化したときには、テープ部材30aを介して第二の布地20の本体部分28と折り重ね部分27が一体的に結合され、さらにその間に、二重に重なって一体固化したテープ部材30aが挿入されている。そのため当該縫製部分は、これらによって硬化される。
こうして製作された縫製結合部は、前述した第二の実施形態と略同様であり、図42の通り、第一の布地10と第二の布地20及びテープ部材30aが重ねられたものとなっている。そして第一の布地10と第二の布地20及びテープ部材30aの端部は揃えられてかがり縫いされている。また、かがり縫い部分から幾分内側の部位であってテープ部材30aの幅方向中間部分に相当する部位で、第一の布地10と第二の布地20及びテープ部材30aの三者が共縫いされている。また第一の布地10と第二の布地20は、前記した共縫い部分50から折り開かれ、ワイシャツの裏面側においては、共縫い部分50よりも先端側の部位が一方の布地の裏面に重ねられている。そして折り重ね部分の間にはテープ部材30aが挿入されており、このテープ部材30aは、前記した共縫い部分50に沿って、幅方向の中間部分から折り重ねられた状態で挿入されている。
また前記した布地の端部と共縫い部分の中間部に縫い目60が設けられており、当該縫い目によって第二の布地20の本体部分28、テープ部材30aの一方の折り重ね片、テープ部材30aの他方の折り重ね片、第二の布地20の裏面側部分(折り重ね部分27)及び第一の布地10の裏面側部分が縫い通されている。
続いて第七の実施形態について説明する。図43,44,45は、本発明の第七実施形態を示す。
第七の実施形態では、3種類のテープ部材を使用する。
本実施形態で使用する第一テープ部材160は、第二の実施形態で使用したテープ部材30aと同様のものであり、綿とポリエステルの混紡糸を使用して平織りされた布帛37を基材とし、その一方の面に熱接着性物質からなる糊剤が塗布されたものである。
第二テープ部材161は、先の実施形態で使用した結合用テープ部材(結合媒体)152と同様のものであり、その全体が熱接着性物質から構成されている。
第三テープ部材162は、第一テープ部材160と同様に、綿とポリエステルの混紡糸を使用して平織りされた布帛を基材とし、その一方の面に熱接着性物質からなる糊剤が塗布されたものであるが、布帛部分の厚さが、第一テープ部材160のそれよりも厚い。
以下、縫製工程を追って説明する。
最初の工程として、図43に示すように、第一の布地10と、第二の布地20と第一テープ部材160及び第二テープ部材161を重ねる。ここで第一テープ部材160は、前記した様に一方の面にのみ糊剤が塗布されているが、糊剤塗布面が、第二の布地20に接し、糊剤が無い面が第二テープ部材161と接する様に重ねる。
次に、前述した他の実施形態と同様に、インターロックミシンにより、第一の布地10、第二の布地20、第一テープ部材160及び第二テープ部材161をともに裁断することによりこれらの端部を揃え、この裁断と並行して裁断により生じた端部をかがり縫いする。
同時に、第一の布地10、第二の布地20、第一テープ部材160及び第二テープ部材161を共縫いして共縫い部分50を形成させる。
そして図44に示すように、第一の布地10と第二の布地20を共縫い部分50から折り開開き、次いで重合部を図45に示すように第二の布地20側へ折り重ねる。このとき第三テープ部材162を、第二の布地20の本体部分28と、第二テープ部材161の間に挿入しながら、錠縫いよって縫い通し、縫い目60を形成する。なお、第三テープ部材162は、前記した様に一方の面にのみ糊剤が塗布されているが、糊剤塗布面が、第二の布地20に接し、糊剤が無い面が第二テープ部材161と接する様に挿入する。
このため、第三テープ部材162はかがり縫いされることは無く、完成した状態で表側からみると、かがり縫いの部分は第二の布地20と第三テープ部材162によって覆われる。また、第三テープ部材162は上述したように、厚めのものを採用されているので、かがり縫いの跡が表側から透けにくく、外観性が向上する。
当該部分における層構成をワイシャツの表面側から順次説明すると、図44に示すように、第二の布地20の本体部分28、第三テープ部材162、第二テープ部材161、第一テープ部材160、第二の布地20の折り重ね部分27、第一の布地10の順に積層されている。
縫い目60の形成に次いで、先の実施形態と同様、プレス機により加熱及び加圧を行い、第一テープ部材160及び第三テープ部材162に塗布された糊剤部分及び第二テープ部材161の全体を溶融させる。
本実施形態では、第一テープ部材160の糊剤塗布面は、第二の布地20の折り重ね部分27と接しているから、第一テープ部材160を加熱及び加圧することによって溶融した糊剤が第二の布地20の折り重ね部分27と接し、第一テープ部材160は第二の布地20の折り重ね部分27に接着される。
また第三テープ部材162の糊剤塗布面は、第二の布地20の本体部分28と接しているから、第一テープ部材162を加熱及び加圧することによって溶融した糊剤が第二の布地20の本体部分28と接し、第一テープ部材160は第二の布地20の本体部分28に接着される。
また第一テープ部材160及び第三テープ部材162は、第二テープ部材161によって接合される。すなわち第一テープ部材160及び第三テープ部材162は、いずれも片方だけに糊剤が塗布されているが、糊剤が塗布されていない面同士は、第二テープ部材161を介して接している。そして第二テープ部材161は、全体が熱によって溶融するものであるから、第二テープ部材161を加熱及び加圧することによって溶融した糊剤が第一テープ部材160と第二テープ部材161を接合させる。
熱接着性物質が再び固化したときには、第二の布地20の本体部分28と折り重ね部分27が一体的に結合され、さらにその間に、二重に重なって一体固化したテープ部材30aが挿入されている。そのため当該縫製部分は、これらによって硬化される。
こうして製作された縫製結合部は、図45の通り、第一の布地10と第二の布地20、第一テープ部材160、第二テープ部材161及び第三テープ部材162が重ねられたものとなっている(実際には第二テープ部材161は溶けて原型を止めていない)。
そして第一の布地10と第二の布地20と第一テープ部材160及び第二テープ部材161の端部は揃えられてかがり縫いされている。また、かがり縫い部分から幾分内側の部位において、第一の布地10と第二の布地20と第一テープ部材160及び第二テープ部材161の四者が共縫いされている。また第一の布地10と第二の布地20は、前記した共縫い部分50から折り開かれ、ワイシャツの裏面側においては、共縫い部分50よりも先端側の部位が一方の布地の裏面に重ねられている。そして折り重ね部分の間には第一テープ部材160、第二テープ部材161及び第三テープ部材162が挿入されている。
また前記した布地の端部と共縫い部分の中間部に縫い目60が設けられており、当該縫い目によって第二の布地20の本体部分28、第三テープ部材162、第二テープ部材161、第一テープ部材160第二の布地20の裏面側部分(折り重ね部分27)及び第一の布地10の裏面側部分が縫い通されている。
本明細書においては、袖の様な筒状部分に本発明を適用する例を第二実施形態の説明部分で述べたが、もちろん他の実施形態についても同様に袖の部分に応用可能である。
またヨーク部分に適用する場合も第二実施形態の説明部分で述べたが、もちろん他の実施形態についても同様に袖の部分に応用可能である。
第3実施形態におけるかがり縫いの端部から第二の布地を折り返す構造は、他の実施形態にも適用可能である。
本発明の第一の実施形態の衣料の製造方法において、第一の布地、第二の布地、及びテープ部材の重ね方を模式的に示す斜視図である。 図1のA−A矢視断面図である。 本発明の第一の実施形態の衣料の製造方法において、第一の布地、第二の布地、及びテープ部材をインターロックミシンで裁断しつつ縫製しているところを模式的に示す斜視図である。 本発明の第一の実施形態の衣料の製造方法において、裁断と縫製を終えた後、第一の布地を反転して拡げたところを示す斜視図である。 図4に示した形状から重合部を第二の布地側へ倒したところを示す斜視図である。 図5のB−B矢視断面を模式的に示す断面図である。 図6に縫い糸を書き加えた模式図である。 本発明の第一の実施形態の衣料の製造方法において、加熱と加圧により結合された第一の布地及び第二の布地を示す斜視図である。 図8を表側(第一表面側)から見たところを示す正面図である。 本発明の衣料の製造方法によって製造される衣料の正面図である。 本発明の衣料の製造方法において使用する結合媒体の他の実施形態を模式的に示す斜視図である。 本発明の衣料の製造方法において使用する結合媒体のさらに他の実施形態を模式的に示す斜視図である。 本発明の第二の実施形態の衣料の製造方法において、第一の布地、第二の布地、及びテープ部材の重ね方を模式的に示す斜視図である。 図13のA−A矢視断面図である。 本発明の第二の実施形態の衣料の製造方法において、第一の布地、第二の布地、及びテープ部材をインターロックミシンで裁断しつつ縫製しているところを模式的に示す斜視図である。 本発明の第二の実施形態の衣料の製造方法において、裁断と縫製を終えた後、第一の布地を反転して拡げたところを示す斜視図である。 図4に示した形状から重合部を第二の布地側へ倒したところを示す斜視図である。 本発明の第二の実施形態における布帛の結合部分を模式的に示す断面図である。 本発明の第二の実施形態の衣料の製造方法において、加熱と加圧により結合された第一の布地及び第二の布地を示す斜視図である。 本発明の衣料の製造方法によって製造されるワイシャツの袖の断面図である。 本発明の衣料の製造方法によって製造されるワイシャツのヨーク部分の断面斜視図である。 本発明の第二の実施形態における布帛の結合部分であって、両面に熱接着性物質の層を有するテープ部材を用いた場合における布帛の結合部分を模式的に示す断面図である。 本発明の第三の実施形態の衣料の製造方法において、第一の布地、第二の布地、及びテープ部材の重ね方を模式的に示す斜視図である。 図23のA−A矢視断面図である。 本発明の第三の実施形態の衣料の製造方法において、第一の布地、第二の布地、及びテープ部材をインターロックミシンで裁断しつつ縫製しているところを模式的に示す斜視図である。 本発明の第三の実施形態の衣料の製造方法において、裁断と縫製を終えた後、第一の布地を反転して拡げたところを示す斜視図である。 図26に示した形状から重合部を第二の布地側へ倒したところを示す斜視図である。 本発明の第三の実施形態における布帛の結合部分を模式的に示す断面図である。 本発明の第四の実施形態の衣料の製造方法において、第一の布地、第二の布地の重ね方を模式的に示す斜視図である。 図29のA−A矢視断面図である。 本発明の第四の実施形態の衣料の製造方法において、第一の布地、第二の布地をインターロックミシンで裁断しつつ縫製しているところを模式的に示す斜視図である。 本発明の第四の実施形態の衣料の製造方法において、裁断と縫製を終えた後、第一の布地を反転して拡げた状態で、重合部を第二の布地側へ倒し、テープ部材を挿入しながら縫製している状態を示す斜視図である。 本発明の第四の実施形態における布帛の結合部分を模式的に示す断面図である。 本発明の第五の実施形態の衣料の製造方法において、第一の布地、第二の布地及びテープ部材の重ね方を模式的に示す斜視図である。 図34のA−A矢視断面図である。 本発明の第五の実施形態の衣料の製造方法において、第一の布地、第二の布地をインターロックミシンで裁断しつつ縫製しているところを模式的に示す斜視図である。 本発明の第五の実施形態の衣料の製造方法において、裁断と縫製を終えた後、第一の布地を反転して拡げた状態で、重合部を第二の布地側へ倒し、テープ部材を挿入しながら縫製している状態を示す斜視図である。 本発明の第五の実施形態における布帛の結合部分を模式的に示す断面図である。 本発明の第五の実施形態の変形例における布帛の結合部分を模式的に示す断面図である。 本発明の第五の実施形態の他の変形例における布帛の結合部分を模式的に示す断面図である。 本発明の第六の実施形態の衣料の製造方法において,裁断と縫製を終えた後、第一の布地を反転して拡げたところを示す斜視図である。 本発明の第六の実施形態における布帛の結合部分を模式的に示す断面図である。 本発明の第七の実施形態の衣料の製造方法において、第一の布地、第二の布地及びテープ部材の重ね方を模式的に示す斜視図である。 本発明の第七の実施形態の衣料の製造方法において、裁断と縫製を終えた後、第一の布地を反転して拡げた状態で、重合部を第二の布地側へ倒し、テープ部材を挿入しながら縫製している状態を示す斜視図である。 本発明の第七の実施形態における布帛の結合部分を模式的に示す断面図である。
符号の説明
10 第一の布地
11 第一の布地の第一表面
12 第一の布地の第二表面
14 端部(裁ち目)
20 第二の布地
21 第二の布地の第一表面
22 第二の布地の第二表面
24 端部(裁ち目)
26 折り目
30,30a,30b テープ部材(シート状部材)
31 結合媒体の第一表面
32 結合媒体の第二表面
34 端部(裁ち目)
27 折り重ね部分
28 本体部分
37 布帛
40 縫い目
50 縫い目(共縫い部分)
55 重合部
70 ワイシャツ
73 袖
131 第一テープ部材(シート状部材)
132 第二テープ部材(シート状部材)
140 テープ部材(シート状部材)
151 テープ部材(シート状部材)
152 結合用テープ部材(シート状部材)
160 第一テープ部材(シート状部材)
162 第三テープ部材(シート状部材)

Claims (36)

  1. 第一の布地の第一表面に第二の布地の第一表面を直接的に又は他の部材を介在させて重ね合わせ、第二の布地の第二表面に、熱接着性物質を有するシート状部材の第一表面を直接的に又は他の部材を介在させて重ね合わせ、第一の布地、第二の布地、及びシート状部材の端部を揃える工程と、第二の布地を折り返し、折り返された第二の布地の第二表面側をシート状部材の第二表面側に折り重ねる工程と、第一の布地、第二の布地、シート状部材、及び折り返された第二の布地を縫合する工程と、加熱により熱接着性物質を溶融させる工程を有することを特徴とする衣料の製造方法。
  2. 第一の布地の第一表面に第二の布地の第一表面を直接的に又は他の部材を介在させて重ね合わせ、第二の布地の第二表面に、熱接着性物質を有するシート状部材の第一表面を直接的に又は他の部材を介在させて重ね合わせ、第一の布地、第二の布地、及びシート状部材の端部を揃える工程と、第一の布地、第二の布地、及びシート状部材を縫合する工程と、第二の布地を折り返し、折り返された第二の布地の第二表面側をシート状部材の第二表面側に折り重ねる工程と、第一の布地、第二の布地、シート状部材、及び折り返された第二の布地をさらに縫合する工程と、加熱により熱接着性物質を溶融させる工程を有することを特徴とする衣料の製造方法。
  3. 第一の布地の第一表面に第二の布地の第一表面を直接的に又は他の部材を介在させて重ね合わせ、第二の布地の第二表面に熱接着性物質を有するシート状部材の第一表面を直接的に又は他の部材を介在させて重ね合わせ、第一の布地、第二の布地、及びシート状部材をともに裁断することによりこれらの端部を揃える工程と、第一の布地、第二の布地、及びシート状部材の上記端部をかがり縫いする工程と、第二の布地を折り返し、折り返された第二の布地の第二表面側をシート状部材の第二表面側に折り重ねる工程と、第一の布地、第二の布地、シート状部材、及び折り返された第二の布地をさらに縫合する工程と、加熱により熱接着性物質を溶融させる工程を有することを特徴とする衣料の製造方法。
  4. 第一の布地、第二の布地、及びシート状部材を上記端部と異なる部位で縫合する工程と、当該縫合部分から第二の布地を折り返すことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の衣料の製造方法。
  5. かがり縫いの端部から第二の布地を折り返すことを特徴とする請求項3に記載の衣料の製造方法。
  6. 第一の布地、第二の布地、及びシート状部材の上記端部をかがり縫いする工程の後、シート状部材と第二の布地の間にその他の層形成部材を挿入する工程を有することを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の衣料の製造方法。
  7. シート状部材と第二の布地の間にその他の層形成部材を挿入する工程を有することを特徴とする請求項4又は5に記載の衣料の製造方法。
  8. 第二の布地を折り返す工程においては、第二の布地をシート状部材と重ね合わされていない部位で折り目を設けて折り返すことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の衣料の製造方法。
  9. 第二の布地を折り返す工程においては、シート状部材の中間部分に相当する位置で第二の布地を折り返すことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の衣料の製造方法。
  10. シート状部材は、テープ状であり、布帛の一面又は両面に熱接着性物質層が設けられたものであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の衣料の製造方法。
  11. 第一の布地、第二の布地、及びシート状部材の端部をかがり縫いする工程、又は第一の布地、第二の布地、及びシート状部材の端部を縫う工程、裁断、及び上記端部と異なる部位における縫合をインターロックミシンによって行うことを特徴とする請求項5乃至10のいずれかに記載の衣料の製造方法である。
  12. 所定形状のパーツに裁断された布地を縫製によって結合して成形する衣料の製造方法において、少なくとも一部の布地の縫製に、シート状部材が使用され、当該シート状部材は、所定の温度では溶融しない布地を基材とし当該基材の少なくとも一方の面に熱接着性樹脂を含有する糊剤が塗布されたものであり、第一の布地の第一表面に第二の布地の第一表面を直接的に又は他の部材を介在させて重ね合わせ、第二の布地の第二表面にシート状部材を直接的に又は他の部材を介在させて重ね合わせる工程と、第一の布地、第二の布地、及びシート状部材の端部をともに裁断することによりこれらの端部を揃える工程と、第一の布地、第二の布地、及びシート状部材の上記端部を縫う工程と、第一の布地、第二の布地、及びシート状部材を、シート状部材の幅方向中間部分に相当する部位で共縫いする工程と、第一の布地及び第二の布地を前記共縫い部分から折り開き、前記共縫い部分から先の部分を第二の布地の第二表面側に重ねて第二の布地に折り目を設け、シート状部材を前記共縫い部分から折り重ねる工程と、第一の布地、第二の布地の本体側、第二の布地の折り重ね側、シート状部材の一方の折り重ね片、シート状部材の他方の折り重ね片をさらに縫合する工程と、前記縫合工程の後に加熱により熱接着性物質を溶融させる工程を有することを特徴とする衣料の製造方法。
  13. 所定形状のパーツに裁断された布地を縫製によって結合して成形する衣料の製造方法において、少なくとも一部の布地の縫製に、第一シート状部材と第二シート状部材が使用され、前記第二シート状部材は全体が所定の温度で溶融する熱接着性物質から成り、前記第一シート状部材は、所定の温度では溶融しない布地を基材とし当該基材の少なくとも一方の面に熱接着性樹脂を含有する糊剤が塗布されたものであり、第一の布地の第一表面に第二の布地の第一表面を直接的に又は他の部材を介在させて重ね合わせ、第二の布地の第二表面側に第一シート状部材を重ね合わせ、さらに前記第二シート状部材を重ねる工程と、第一の布地、第二の布地、第一シート状部材及び第二シート状部材の端部をともに裁断することによりこれらの端部を揃える工程と、第一の布地、第二の布地、第一シート状部材及び第二シート状部材の上記端部をかがり縫いする工程と、第一の布地及び第二の布地を前記かがり縫いの端部から折り開き、前記かがり縫いの端部から先の部分を第二の布地の第二表面側に重ねて第二の布地に折り目を設け、第一シート状部材を前記かがり縫いの端部から折り重ねる工程と、第一の布地、第二の布地の本体側、第二の布地の折り重ね側、第一シート状部材の一方の折り重ね片、第一シート状部材の他方の折り重ね片、第二シート状部材をさらに縫合する工程と、前記縫合工程の後に加熱により熱接着性物質を溶融させる工程を有することを特徴とする衣料の製造方法。
  14. 所定形状のパーツに裁断された布地を縫製によって結合して成形する衣料の製造方法において、少なくとも一部の布地の縫製に、シート状部材が使用され、前記シート状部材は、所定の温度では溶融しない布地を基材とし当該基材の少なくとも一方の面に熱接着性樹脂を含有する糊剤が塗布されたものであり、第一の布地の第一表面に第二の布地の第一表面を直接的に又は他の部材を介在させて重ね合わせる工程と、第一の布地及び第二の布地の端部をともに裁断することによりこれらの端部を揃える工程と、第一の布地及び第二の布地を共縫いする工程と、第一の布地、及び第二の布地の上記端部をかがり縫いする工程と、第一の布地及び第二の布地を共縫いの部分で折り開き、前記共縫いの部分から先の部分を第二の布地の第二表面側に重ねて第二の布地に折り目を設けながら、シート状部材を第二の布地の間に挿入する工程と、第一の布地、第二の布地の本体側、第二の布地の折り重ね側、シート状部材をさらに縫合する工程と、前記縫合工程の後に加熱により熱接着性物質を溶融させる工程を有することを特徴とする衣料の製造方法。
  15. 所定形状のパーツに裁断された布地を縫製によって結合して成形する衣料の製造方法において、少なくとも一部の布地の縫製に、第一シート状部材及び全体が所定の温度で溶融する熱接着性物質から成る第二シート状部材が使用され、前記第一シート状部材は、所定の温度では溶融しない布地を基材とし当該基材の少なくとも一方の面に熱接着性樹脂を含有する糊剤が塗布されたものであり、第一の布地の第一表面に第二の布地の第一表面を直接的に又は他の部材を介在させて重ね合わせ、第二の布地の第二表面に第二シート状部材を重ね合わせる工程と、第一の布地、第二の布地及び第二シート状部材の端部をともに裁断することによりこれらの端部を揃える工程と、第一の布地、第二の布地、及び第二シート状部材を共縫いする工程と、第一の布地、第二の布地及び第二シート状部材の上記端部をかがり縫いする工程と、第一の布地及び第二の布地を共縫いの部分で折り開き、前記共縫いの部分から先の部分を第二の布地の第二表面側に重ねて第二の布地に折り目を設けながら、第一シート状部材を第二の布地の間に挿入する工程と、第一の布地、第二の布地の本体側、第二の布地の折り重ね側、第二シート状部材の一方の折り重ね片、第二シート状部材の他方の折り重ね片、第一シート状部材をさらに縫合する工程と、前記縫合工程の後に加熱により熱接着性物質を溶融させる工程を有することを特徴とする衣料の製造方法。
  16. 加熱により熱接着性物質を溶融させる工程に加えて、加圧により定着させる工程を有することを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の衣料の製造方法。
  17. 第二の布地に代わって第一の布地の他の辺部が重ねられることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載の衣料の製造方法。
  18. 第一の布地と、二つ折りにされて第一の布地に直接的に又は他の部材を介在させて重ねられた第二の布地と、第二の布地に挟持された熱接着性物質を有するシート状部材との積層体からなり、第一の布地、第二の布地、及びシート状部材は各々の一端部を揃えてかがり縫いされており、さらに第一の布地、第二の布地、シート状部材、及び折り返された第二の布地が縫合されていることを特徴とする布帛の結合部分。
  19. 第一の布地と、二つ折りにされて第一の布地に直接的に又は他の部材を介在させて重ねられた第二の布地と、第二の布地に挟持された熱接着性物質を有するシート状部材との積層体からなり、第一の布地、第二の布地、及びシート状部材は各々の一端部を揃えてかがり縫いされており、第一の布地、第二の布地、及びシート状部材は、シート状部材の他端部の近傍でも縫合されており、さらに第一の布地、第二の布地、シート状部材、及び折り返された第二の布地が縫合されていることを特徴とする布帛の結合部分。
  20. 第一の布地と、二つ折りにされて第一の布地に直接的に又は他の部材を介在させて重ねられた第二の布地と、第二の布地に挟持された熱接着性物質を有するシート状部材との積層体からなり、第一の布地及び第二の布地は各々の一端部を揃えてかがり縫いされており、さらに第一の布地、第二の布地、シート状部材及び折り返された第二の布地が縫合されていることを特徴とする布帛の結合部分。
  21. 少なくとも第一の布地と、第二の布地と、シート状部材を備え、前記第二の布地は、本体部と折り重ね部を有し二つ折りにされて直接的に又は他の部材を介在させて第一の布地に重ねられ、第二の布地の本体部と折り重ね部の間に前記シート状部材が挟持され、少なくとも第一の布地と、第二の布地の折り重ね部は一端部が揃えてかがり縫いされており、前記かがり縫い部分と第二の布地の本体部の間に前記シート状部材があり、前記シート状部材によってかがり縫い部分が隠蔽されていることを特徴とする布帛の結合部分。
  22. 前記第二の布地の折り返し部分は、かがり縫いの端部であることを特徴とする請求項18乃至21のいずれかに記載の布帛の結合部分。
  23. 複数のパーツを構成する布地が縫製によって結合されて成形された衣料において、少なくとも一部の縫製結合部分に、少なくとも一部に熱接着性を備えたシート状部材が配されており、当該縫製結合部分においては、一方の布地と他方の布地が直接的に又は他の部材を介在させて重ねられており、少なくとも一方の布地と他方の布地は一端部を揃えてかがり縫いされており、かがり縫いの端部を基端として折り開かれたものであり、衣料の裏面側においては、前記基端部分よりも先端側の部位が一方の布地の裏面側に重ねられ、縫製結合部分には縫い目が設けられ、当該縫い目によって一方の布地の一部、シート状部材他方の布地の一部が縫い通されており、シート状部材とこれに接する布地間、及びシート状部材の一方の折り重ね片と他方の折り重ね片間が熱接着されていることを特徴とする衣料。
  24. 複数のパーツを構成する布地が縫製によって結合されて成形された衣料において、少なくとも一部の縫製結合部分に、少なくとも一部に熱接着性を備えたシート状部材が配されており、当該縫製結合部分においては、一方の布地と他方の布地が直接的に又は他の部材を介在させて重ねられていると共にシート状部材が幅方向の中間部分から折り重ねられた状態で挿入され、縫製結合部分には縫い目が設けられ、当該縫い目によって一方の布地の一部、シート状部材の一方の折り重ね片、シート状部材の他方の折り重ね片、他方の布地の一部が縫い通されており、シート状部材とこれに接する布地間、及びシート状部材の一方の折り重ね片と他方の折り重ね片間が熱接着されていることを特徴とする衣料。
  25. 少なくとも一方の布地と他方の布地は一端部を揃えてかがり縫いされており、かがり縫いの端部を基端として折り開かれたものであり、衣料の裏面側においては、前記基端部分よりも先端側の部位が一方の布地の裏面側に重ねられていることを特徴とする請求項24に記載の衣料。
  26. 複数のパーツを構成する布地が縫製によって結合されて成形された衣料において、少なくとも一部の縫製結合部分に、少なくとも一部に熱接着性を備えたシート状部材が配されており、当該縫製結合部分においては、一方の布地と他方の布地が直接的に又は他の部材を介在させて重ねられ、双方の端部から幾分内側の部位が共縫いされ、当該共縫い部分から折り開かれたものであり、衣料の裏面側においては、共縫い部分よりも先端側の部位が一方の布地の裏面に重ねられ、さらに折り重ね部分の間にはシート状部材が幅方向の中間部分から折り重ねられた状態で挿入され、前記双方の布地の端部は縫われており、布地の端部と共縫い部分の中間部に縫い目が設けられ、当該縫い目によって一方の布地の一部、シート状部材の一方の折り重ね片、シート状部材の他方の折り重ね片、一方の布地の裏面側部分及び他方の布地の裏面側部分が縫い通されており、シート状部材とこれに接する布地間、及びシート状部材の一方の折り重ね片と他方の折り重ね片間が熱接着されていることを特徴とする衣料。
  27. 複数のパーツを構成する布地が縫製によって結合されて成形された衣料において、少なくとも一部の縫製結合部分に、少なくとも一部に熱接着性を備えたシート状部材が配されており、当該縫製結合部分においては、一方の布地と他方の布地及びシート状部材が直接的に又は他の部材を介在させて重ねられ、前記三者の端部から幾分内側の部位であってシート状部材の幅方向中間部分に相当する部位において一方の布地と他方の布地及びシート状部材が共縫いされ、当該共縫い部分から折り開かれたものであり、衣料の裏面側においては、共縫い部分よりも先端側の部位が一方の布地の裏面に重ねられ、さらに折り重ね部分の間にはシート状部材が幅方向の中間部分から折り重ねられた状態で挿入され、前記双方の布地及びシート状部材の端部は縫われており、前記布地の端部と共縫い部分の中間部に縫い目が設けられ、当該縫い目によって一方の布地の一部、シート状部材の一方の折り重ね片、シート状部材の他方の折り重ね片、一方の布地の裏面側部分及び他方の布地の裏面側部分が縫い通されており、シート状部材とこれに接する布地間、及びシート状部材の一方の折り重ね片と他方の折り重ね片間が熱接着されていることを特徴とする衣料。
  28. 複数のパーツを構成する布地が縫製によって結合されて成形された衣料において、少なくとも一部の縫製結合部分においては、少なくとも第一の布地と、第二の布地と、シート状部材を備え、前記第二の布地は、本体部と折り重ね部を有し二つ折りにされて第一の布地に直接的に又は他の部材を介在させて重ねられ、第二の布地の本体部と折り重ね部の間に前記シート状部材が挟持され、少なくとも第一の布地と、第二の布地の折り重ね部は一端部が揃えてかがり縫いされており、前記かがり縫い部分と第二の布地の本体部の間に前記シート状部材があり、前記シート状部材によってかがり縫い部分が隠蔽されていることを特徴とする衣料。
  29. シート状部材の一端側が第一の布地及び第二の布地と共にかがり縫いされ、シート状部材は、二つ折りにされた状態で第二の布地の折り重ね部と本体部の間に配され、シート状部材の他端側によってかがり縫い部分が隠蔽されていることを特徴とする請求項28に記載の衣料。
  30. 表裏両面に熱接着性物質が露出した接合媒体を有し、当該接合媒体が第一の布地及び第二の布地と共にかがり縫いされ、シート状部材は前記接合媒体を介して第二の布地の折り重ね部に接着されていることを特徴とする請求項28又は29に記載の衣料。
  31. シート状部材は、所定の温度で溶融しない布地を基材とし、当該基材の一方の面に熱接着性樹脂を含有する糊剤が塗布されたものであることを特徴とする請求項23乃至30のいずれかに記載の衣料。
  32. 複数のパーツを構成する布地が縫製によって結合されて成形された衣料において、少なくとも一部の縫製結合部分においては、少なくとも第一の布地と、第二の布地と、第一シート状部材と、第二シート状部材を備え、前記第一シート状部材と第二シート状部材は共にテープ状の部材であって、所定の温度では溶融しない布地を基材とし当該基材の少なくとも一方の面に熱接着性樹脂を含有する糊剤が塗布されたものであり、前記第二の布地は、本体部と折り重ね部を有し二つ折りにされて第一の布地に直接的に又は他の部材を介在させて重ねられ、第二の布地の本体部と折り重ね部の間に前記第一シート状部材と第二シート状部材が挟持され、少なくとも第一の布地と、第二の布地の折り重ね部と第一シート状部材は一端部が揃えてかがり縫いされており、前記かがり縫い部分と第二の布地の本体部の間に第二シート状部材があり、前記第二シート状部材によってかがり縫い部分が隠蔽されていることを特徴とする衣料。
  33. 第二シート状部材は第一シート状部材よりも厚いことを特徴とする請求項32に記載の衣料。
  34. シート状部材は第二の布地の本体部に接着されていることを特徴とする請求項23乃至33のいずれかに記載の衣料。
  35. 一方の布地と他方の布地及びシート状部材の他に第三の布地が重ねられていることを特徴とする請求項23乃至34のいずれかに記載の衣料。
  36. 他方の布地に代わって一方の布地の他の辺部が重ねられていることを特徴とする請求項23乃至34のいずれかに記載の衣料。
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