JP2005093133A - 強誘電体結晶材料及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ペロブスカイト型強誘電体結晶にエンジニアード・ドメイン構造を導入することにより、圧電特性を飛躍的に向上させた材料および圧電特性を飛躍的に向上させるエンジニアード・ドメイン構造の導入方法を提供する。
【解決手段】ペロブスカイト型強誘電体結晶に微細な多分域構造のエンジニアード・ドメイン構造を導入することにより、圧電特性の著しい向上を得ることができる。微細な多分域構造の導入は、ペロブスカイト型強誘電体結晶を構造相転移する温度以上に加熱し、結晶の強誘電自発分極方向とは異なる方位に電界を印加し、電界を印加した状態を保って結晶の温度を下げることにより得ることかできる。
【選択図】図7
【解決手段】ペロブスカイト型強誘電体結晶に微細な多分域構造のエンジニアード・ドメイン構造を導入することにより、圧電特性の著しい向上を得ることができる。微細な多分域構造の導入は、ペロブスカイト型強誘電体結晶を構造相転移する温度以上に加熱し、結晶の強誘電自発分極方向とは異なる方位に電界を印加し、電界を印加した状態を保って結晶の温度を下げることにより得ることかできる。
【選択図】図7
Description
本発明は、超音波トランスデューサ、圧電振動子、圧電フィルター、超音波センサおよび圧電アクチュエータなどの各種圧電デバイスの圧電材料などとして用いることのできる強誘電体結晶材料およびその製造方法に関する。
強誘電体結晶は、超音波トランスデューサ、圧電振動子、圧電フィルター、超音波センサおよび圧電アクチュエータなどの各種圧電デバイスに用いる圧電材料として利用されるほか、光学素子に用いられるなど、幅広く利用されてきた。
強誘電体結晶は通常、結晶育成されたまま(As-grown)の状態では、結晶内に強誘電体自発分極の向きが異なる領域(一般に分域、あるいはドメインと呼ばれる)が多数存在する。この状態の結晶は多分域結晶と呼ばれる。多分域結晶を圧電材料として利用しようとすると、外部から印加される電界に各分域がそれぞれ異なる挙動をし、また分域と分域の境界でそれぞれの分域のエネルギーが散逸するので、結晶の圧電性能を十分に引き出すことができない。このため、結晶の圧電性能を十分に引き出すために、結晶内の強誘電体自発分極の方向を一方向に揃え、結晶全体を一つの分域にする単一分域化処理をするのが一般的である。
例えば、ニオブ酸リチウム結晶、タンタル酸リチウム結晶などのようにイルメナイト構造を有する強誘電体結晶は、キュリー温度において構造相転移を経ないので、結晶の単一分域化処理には、結晶の強誘電体自発分域方向に合わせて電極を設け、同結晶をキュリー温度以上、ニオブ酸リチウム結晶は1150℃以上、タンタル酸リチウム結晶は650℃以上まで加熱し、上記の電極間に電界を印加し、電界を印加したまま室温まで徐冷する方法が取られる。
チタン酸バリウム結晶、ニオブ酸カリウム結晶などのように歪んだぺロブスカイト構造を有する結晶は、室温から加熱していくとキュリー温度、あるいは特定の温度で構造相転移を経るので、自発分極を発現する方向に合わせて電界を印加するように電極を形成し、キュリー温度あるいは構造相転移する温度より低い温度で電界を印加したまま室温まで徐冷する。例えばチタン酸バリウム結晶は130℃のキュリー温度より低い温度から(特許文献1参照)、またニオブ酸カリウム結晶は構造相転移温度の225℃より低い温度から(特許文献2参照)、それぞれ上記の電極間に電界を印加し、電界を印加した状態で室温まで徐冷する。
単一分域化処理を施され、誘電体自発分極方向が一方向に揃った結晶は、単一分域化結晶あるいはシングルドメイン結晶と呼ばれ、その物質特有の圧電特性を有している。
これに対し、近年、強誘電体結晶を自発分極方向に単一分域化処理する代わりに、自発分極方向と異なる特定の結晶方位に電界を印加し、結晶中におおむね印加電界に沿った自発分極を有しかつ自発分極方向の異なる分域を有する多分域構造とすることにより、圧電特性を向上させることが検討されている。このように自発分極方向と異なる特定の結晶方位に電界を印加した場合に導入される分域の各自発分極は、印加された電界の方向に対し角度をなしており、自発分極の総和が概ね印加電界を打ち消すように分布する。
自発分極方向と異なる特定の結晶方位に電界を印加し多分域構造とすることによる圧電特性の向上は、亜鉛酸ニオブ酸鉛−チタン酸鉛の単結晶において見出された。亜鉛酸ニオブ酸鉛−チタン酸鉛の室温で菱面体晶系と正方晶系との相境界となる付近の組成は、多結晶セラミックスにて優れた圧電特性を示すことがよく知られている。非特許文献1には、室温付近で菱面体晶から正方晶に相転移する亜鉛酸ニオブ酸鉛−チタン酸鉛系の単結晶を育成し、菱面体晶における自発分極方向である[111]方位に分極化処理した場合と正方晶における自発分極方向である[001]方位に分極処理した場合の圧電特性を研究した結果、自発分極と異なる方向に分極して多分域構造にした場合に圧電特性の著しい向上が見出されたことが記載されている。非特許文献2には、菱面体晶の亜鉛酸ニオブ酸鉛−チタン酸鉛系単結晶およびこれと関連するマグネシウム酸ニオブ酸鉛−チタン酸鉛系単結晶において、自発分極方向である[111]方位に分極する代わりに、[001]方位に分極することによって高い圧電特性が得られることが記載されている。
上記のような方法で強誘電体結晶に導入された多分域構造は「制御されたドメイン構造」という意味でエンジニアード・ドメイン構造と呼ばれる(非特許文献3〜5)。例えば室温で結晶構造が正方晶系であるチタン酸バリウム単結晶にこのエンジニアード・ドメイン構造を導入する場合には、自発分極を持つ方位が<001>であり、[111]方位に大きな電界を印加すると、[100]、[010]および[001]方向に自発分極を有する分域が多数導入される。このとき、導入された各分域間の自発分極方向は約90°の角度をなし、電界印加方向に対し、それぞれ空間角で約54.7°をなす。このドメインの入り方には双晶の入り方と同じ結晶学的な制約がある。
このような強誘電体結晶エンジニアード・ドメイン構造を導入することにより、単一分域化するよりも圧電特性が向上すると考えられ、結晶で作られた素子の特性を改善・向上でき、その応用範囲を拡大するとして期待されてきた。しかしながら、亜鉛酸ニオブ酸鉛−チタン酸鉛系単結晶では圧電特性の顕著な向上が見られ、特にもとから圧電特性の大きな菱面体晶と正方晶の相境界付近の組成では、この構造の導入により、大きな圧電特性が得られたものの、チタン酸バリウムやニオブ酸カリウムなどの強誘電体の結晶については、エンジニアード・ドメイン構造の導入を試みても圧電特性の大きな性能向上が実現されなかった(非特許文献6〜11)。他方、圧電性能の向上がみられた亜鉛酸ニオブ酸鉛−チタン酸鉛系単結晶は、均一な組成の結晶を得ることが難しいこと、鉛を成分に含んでいるため環境に優しくないなどの問題があった。このため、チタン酸バリウムやニオブ酸カリウムなどの強誘電体の結晶にエンジニアード・ドメイン構造を適切に導入することにより、圧電特性を大きく向上させることが望まれた。
特開2002−348195号公報
特開平10−177194号公報
J.Kuwata,K.Uchino and S.Nomura:Jpn.J.Appl.Phys., 21(1982) p.1298
S.E.Park and T.R.Shrout:J.Appl.Phys., 82(1997) p.1804
S.Wada,S.E.Park,L.E.Cross and T.R.Shrout:Proc.8th US-Japan Seminar, Plymouth (1997) p.11
S.Wada,S.E.Park,L.E.Cross and T.R.Shrout:Ferroelectrics 221 (1999) p.147
S.Wada,S.E.Park,L.E.Cross and T.R.Shrout:J.Korean Phys.Soc.,32 (1998) p.1290
S.Wada, H.Kakemoto, T.Tsurumi, S.E.Park, L.E.Cross and T.R.Shrout: Trans.Mater.Res.Soc.Jpn.,27 (2002) p.281
S.Wada,S.Suzuki, T.Noma, T.Suzuki,M.Okada, S.E.Park, L.E.Cross and T.R.Shrout: Jpn.J.Appl.Phys., 38 (1999) p.5505
S.E.Park, S.Wada,L.E.Cross and T.R.Shrout: J.Appl.Phys., 86 (1999) p.2746
S.Wada, T.Tsurumi: Trans.Mater.Res.Soc.Jpn.,26 (2001) p.11
S.Wada, A.Seike and T.Tsurumi: Jpn.J.Appl.Phys., 40 (2001) p.5690
清家 晃 平成12年度東京工業大学修士論文
本発明の課題は、強誘電体結晶において、エンジニアード・ドメイン構造を導入して圧電特性を飛躍的に向上させた材料を提供すること、および圧電特性を飛躍的に向上させることのできるエンジニアード・ドメイン構造の導入方法を提供することにある。
本発明者は、エンジニアード・ドメインを導入することができるものの、エンジニアード・ドメイン構造を導入しても、これまではあまり顕著な圧電特性の向上が実現されなかった正方晶系ぺロブスカイト型結晶のチタン酸バリウム単結晶や斜方晶系ぺロブスカイト型結晶のニオブ酸カリウム結晶などに着目し、これらの結晶にエンジニアード・ドメインを導入する場合の条件および導入されたエンジニアード・ドメイン分布と圧電特性との関係について詳細に研究した。その結果、以下の方法でエンジニアード・ドメインを導入することにより、結晶に微細な多分域構造が形成されるとともに、圧電特性を飛躍的に向上させることができることを見出し、本発明をなすに至った。
本発明の強誘電体結晶材料は、ペロブスカイト型強誘電体結晶に微細な多分域構造が導入されてなることを特徴とする。
本発明において、人工的に導入された微細な多分域構造は、分極された方向に自発分極の成分を持つ多分域構造であるとともに、その分域の大きさは結晶成長されたままの結晶の分域の大きさに比べて十分に微細なものである。ここに分域の微細さの程度は、分域壁の密度で表現することができる。圧電特性の向上を得るためには、分域壁の密度として分域壁が100μm当たり5個以上であることが好ましく、より高い圧電特性を得るために分域壁が100μm当たり10個以上の分域壁密度であることがさらに好ましい。
本発明の強誘電体結晶材料の微細な多分域構造は、ペロブスカイト型強誘電体結晶を室温より高い構造相転移温度以上の温度に加熱し、結晶の強誘電自発分極方向とは異なる特定の方位に電界を印加し、電界の印加を保ちながら結晶をこの構造相転移温度以下の温度まで下げることにより導入されたものであることが好ましい。
本発明において、強誘電体結晶への微細な多分域構造の導入は、次のようにして行なうことができる。まず室温で強誘電性を有する結晶を加熱し、その温度を結晶相転移温度以上に昇温して高温相に転移させ、室温の強誘電性相における自発分極の方位と異なる特定方位に電界を印加し、電界誘起構造相転移により、高温相の中に強誘電性の室温相の領域を発生させる。なお、結晶に対する電界印加は、電界を発生させるための電極対をあらかじめ結晶に形成しておき、この電極対に電圧を加えることによって行なうことができる。
電界印加により高温相の中に強誘電性の室温相の領域を発生させた2相共存状態では、応力歪みにより室温相の中に細かい分域構造が形成されることがわかった。この2相共存状態は、温度条件と電界条件との組み合わせで発生するものである。この2相共存状態は、1)高温相で結晶に印加する電界を徐々に高めてゆく方法と、2)高温相で適当な電界を印加しつつ、高温相中で結晶の温度を徐々に下げてゆく方法、の2つの方法によって実現できる。この2相共存状態から構造相転移温度を経て、例えば室温まで徐々に冷却すると、結晶中に強誘電性の室温相の微細な多分域構造が導入できる。
本発明において強誘電体結晶に微細な多分域構造を導入することにより、結晶の圧電定数を著しく大きくできる機構については、まだ十分に明らかにできてはいないが、その機構について、次のような二つの推測をすることが可能である。
その一つは、分域と分域の境界である分域壁が、弾性的な効果を生んでいるという推測である。この方法によって導入される分極は、互いに180°をなす分極を消失させ、非180°分域を増やす分極である。非180°分域では、分域間の分極壁である非180°分域壁が歪んだ構造を持っており、本来分極壁での分極量は小さいとされていることから外部からの電界あるいは応力に対して歪みやすいと考えられ、従ってこの分極域を増やすと変形し易くなるともの考えられる。実際、後述の実施例の表1に示されている通り、この方法で導入される分域によって弾性コンプライアンスが大きくなっている。こうした効果により、圧電特性が向上することが考えられる。
もう一つの推測は、分域壁での分極発生の効果に関するものである。通常は外部電界により分極壁は移動するが、分極壁付近では分極量が小さいとされていることから、このエンジニアード・ドメイン構造では、分域壁の移動は起こりにくいと考えられる。このため電界を印加すると分域壁付近にごく小さな分極が発生し、この結果、圧電特性が向上することが考えられる。
本発明の強誘電体結晶材料においては、上記ペロブスカイト型強誘電体結晶が室温において正方晶系の結晶構造を有するものであり、上記特定方位を立方晶系標記の<110>方位とすることが好ましい。
また本発明の強誘電体結晶材料においは、上記ペロブスカイト型強誘電体結晶が室温において正方晶系の結晶構造を有するものであり、上記特定方位を立方晶系標記の<111>方位とすることが好ましい。
ここで強誘電性の状態において正方晶系の結晶構造を示すペロブスカイト型強誘電体結晶の具体例としてチタン酸バリウム結晶を取り上げ、本発明について詳細に説明する。図1(a)は室温を含む5℃〜130℃において正方晶系の結晶構造を示すチタン酸バリウム結晶の自発分極の方位を示す。立方晶系標記で<001>の6方位が、この温度範囲におけるチタン酸バリウム結晶の自発分極の方位である(以下、ペロブスカイト型結晶の結晶方位の標記は立方晶系標記を用いる)。
この結晶を例えば140℃に加熱すると、結晶構造は立方晶になり、自発分極を持たなくなる。この状態で、図1(b)に示すように、[110]方位に電界Eを印加すると、[100]および[010]方位に自発分極をもつ分域が電界誘起構造相転移の結果として導入され得る状態となり、電界を徐々に強くするか適当な電界にて徐々に温度を下げていくと、上記の立方晶系構造体の中に自発分極を持つ立方晶系構造分域が発生してくる。これを電界を印加した状態を保ち室温まで徐冷すると、微細な多分域構造が導入されたチタン酸バリウム圧電材料が得られる。このとき、微細な多分域は、[100]および[010]方位にバランスよく自発分極をもつ分域の集合体となる。なおこの処理に供する結晶は、単一分域化処理をした単分域結晶であっても、また単一分域化処理が未処理の多分域結晶であっても、どちらも同じ効果を得ることができる。
同様にして、この結晶を例えば140℃に加熱し、図1(c)に示すように[111]を特定方位とし、この方位に電界Eを印加すると、[100]、[010]および[001]方位に自発分極をもつ分域が電界誘起構造相転移の結果として導入でき、電界を徐々に強くしていくか、適当な電界で徐々に温度を下げていくと、上記の立方晶系構造体の中に[100]、[010]および[001]方位に自発分極を持つ正方晶系構造分域が発生してくる。これを電界を印加したままで室温まで徐冷すると、微細な多分域構造が導入されたチタン酸バリウム圧電材料が得られる。このとき、微細な多分域は[100]、[010]および[001]方位にバランスよく自発分極をもつ分域の集合体となる。
また本発明の強誘電体結晶材料においては、ペロブスカイト型強誘電体結晶が室温において斜方晶系の結晶構造を有するものであり、上記特定方位を立方晶系標記の<111>方位とすることが好ましい。
また本発明の強誘電体結晶材料においては、ペロブスカイト型強誘電体結晶が室温において斜方晶系の結晶構造を有するものであり、上記特定方位を立方晶系標記の<001>方位とすることが好ましい。
ここでは強誘電性状態において斜方晶系の結晶構造を示すペロブスカイト型強誘電体結晶の具体例としてニオブ酸カリウム結晶を取り上げ、本発明を詳細に説明する。図2(a)は室温を含む−5℃〜225℃で斜方晶系の結晶構造を示すニオブ酸カリウム結晶の自発分極の12方位を示す。立方晶系標記で<110>方位がこの温度範囲におけるニオブ酸カリウム結晶の自発分極の方位である。
この結晶を例えば235℃に加熱すると、結晶構造は正方晶に転移し、[100]、[010]、[001]、[-100]、[0 -10]および[00 -1]方向に自発分極を持つ粗い分域の集合体となる。この状態で図2(b)に示すように、[111]方位を特定方位としてこの方位に電界Eを印加すると、[110]、[011]および[101]方位に自発分極をもつ分域が電界誘起構造相転移の結果として導入でき、電界を徐々に強くするか適当な電界で徐々に温度を下げていくと、上記の立方晶系構造体の中に[110]、[011]および[101]方位に自発分極を持つ斜方晶系構造分域が発生してくる。これを電界を印加したままで室温まで徐冷すると、微細な多分域構造が導入されたニオブ酸カリウム圧電材料が得られる。このとき、微細な多分域は[110]、[011]および[101]方位にバランスよく自発分極をもつ分域の集合体となる。また、この処理前の結晶は単一分域化処理をした単分域結晶でも、単一分域化処理が未処理の多分域結晶でも、同じ効果を得ることができる。
同様に、この結晶を235℃に加熱し、図2(c)に示すように[100]方位を特定方位とし、この方位に電界Eを印加すると、[110]、[1 -10]、[101]および[10 -1]方位に自発分極をもつ分域が電界誘起構造相転移の結果として導入でき、電界を徐々に強くするか、適当な電界で徐々に温度を下げていくと、上記の立方晶系構造体の中に[110]、[1 -10]、[101]および[10 -1]方位に自発分極をもつ方位に自発分極を持つ正方晶系構造分域が発生してくる。これを電界を印加したままで室温まで徐冷すると、微細な多分域構造が導入されたニオブ酸カリウム圧電材料が得られる。このとき、微細な多分域は[110]、[1 -10]、[101]および[10 -1]方位にバランスよく自発分極をもつ分域の集合体となる。
本発明におけるペロブスカイト型強誘電体結晶としては、上記したチタン酸バリウムのほか、チタン酸バリウムストロンチウムおよびチタン酸ジルコニウム酸バリウムなどの結晶が使用できる。さらに本発明におけるペロブスカイト型強誘電体結晶としては、上記したニオブ酸カリウムのほかに、ニオブ酸タンタル酸カリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコニウム酸鉛などの結晶が使用できる。
本発明の圧電素子は、上記の微細な多分域構造の導入されたペロブスカイト型強誘電体結晶を用いたことを特徴としている。
上記の微細な多分域構造の導入によりペロブスカイト型強誘電体結晶は、圧電特性が著しく向上しているので、この結晶を用いることによって、高い変換効率を有する圧電トランスデューサーを得ることができる。またこの結晶を用いることによって、高感度の圧電センサーを得ることができる。
本発明の強誘電体結晶材料の製造方法は、ペロブスカイト型強誘電体結晶に対しこの結晶の室温における自発分極方向とは異なる特定の方位に電界を印加するための電極対を形成する工程と、この結晶を室温より高温の構造相転移温度以上に加熱する工程と、この結晶に電界を印加したままこの結晶を室温まで冷却する工程とを備え、ペロブスカイト型強誘電体結晶に微細な多分域構造を導入することを特徴としている。
上記本発明の強誘電体結晶材料の製造方法によれば、ペロブスカイト型強誘電体結晶に微細な多分域構造を導入することができ、それによってペロブスカイト型強誘電体結晶の圧電特性を著しく向上させることができる。
本発明により、強誘電体結晶に微細な分域構造を導入することによって、強誘電体結晶の圧電特性を著しく高めることができた。この強誘電体結晶を用いることにより、優れた特性を持つ圧電素子を得ることができるほか、この著しく高い圧電特性が利用され、これまでにない新しい素子が開発されることも期待できる。
次に本発明を実施するための最良の形態を、実施例により具体的に述べる。
室温で正方晶系の結晶構造の強誘電性を示すペロブスカイト型強誘電体結晶に対する微細な多分域構造の人工的導入の実施例を述べる。
TSSG法(Top Seeded Solution Growth 法)で育成された多分域構造を持つチタン酸バリウム結晶について、背面反射ラウエ法を用い、立方晶標記の[111]方位を決定し、図3に模式的に示したように[111]方向が0.5mm、[1 -10]方向が0.2mmであり、[11 -2]方向が2.0mmの形状の試料31に加工した。この試料31の0.2mm×2mmの面32の2つの面には金電極をスパッター法により100μmの厚さに形成し、また0.5mm×2.0mmの面33の2つの面は、偏光顕微鏡で内部の分極の状態を観察できるように鏡面状に精密研磨した。
この結晶試料を図4に模式的に示したCCDカメラ付きの分極装置に設置した。図4において、試料41はチャンバー42内に収容され、その温度が冷却・加熱装置43により、精密に制御される。また試料41の電極には、高電圧源44から高電圧が印加されるようになっている。また試料の分域構造は偏光顕微鏡の照明系45−1により、照明孔46を通じて照明され、偏光顕微鏡の光学系45−2により捉えられ、CCDカメラ47によって撮像され、モニター48を通じて観察することができる。ここに顕微鏡用の冷却・加熱装置43には、リンカム社製LK600型を用い、偏光顕微鏡45にはニコン社製の偏光顕微鏡を用い、また高電圧源44にはKEPCO高電圧発生装置を用いた。
この装置によって試料の温度は−190℃から600℃まで変化させることができ、また試料に対する印加電圧を−1kVから+1kVまで連続的に変化させることができる。また図示していないが、この装置では、ラマン散乱測定装置を備え、ラマン散乱による光学的な結晶構造のモニターをすることができる。
この装置を用いて温度と電界強度の分域の分布を調べた結果を図5に示す。用いた結晶試料は室温で正方晶系構造の多分域結晶である。図5のCの領域でまず温度25℃、電界0kV/cm、すなわち電界を印加していない育成したままの状態での分域構造をまず観察した。観察された分域構造は、分域壁密度が100μmあたり多くても1〜2個程度の多分域構造であった。
チタン酸バリウム結晶は電界を印加していない状態で5℃まで温度を下げると図5のAの領域に入り、結晶は斜方晶に構造相転移し、斜方晶系の多分域構造Aを示す。電界を印加した状態では、温度を5℃まで下げなくても、例えば温度19.6℃で電界8.0kV/cmにて電界誘起構造相転移により斜方晶の領域Bに相転移し、多分域になる。
チタン酸バリウム結晶は温度135℃では図5の領域Dの立方晶になり、自発分極のない光学等方体になる。立方晶は正方晶のように偏光特性を持たないので、偏光顕微鏡で観察すると25℃の正方晶の状態との相違がみられる。例えば偏光顕微鏡の偏光子と検光子を直交した状態では、立方晶では最も暗く見え、試料の方向を変えても明るさは変わらないが、偏光特性を持つ正方晶の場合はサンプルの方向により明るさが変わる。転移温度よりも高温側の135℃でも、電界を印加すると電界誘起構造相転移により、正方晶系構造が発生することが、このような顕微鏡観察によって観察できる。
図5の領域Eでは、光学異方性が現われるので電界を印加する前よりも明るく見えるが、分域構造は観察されない。ラマン散乱測定でも立方晶系と変わりがなかった。
図5の領域Fでは、Eの状態の中に細かい分域構造が生じる。立方晶の中に正方晶系領域が存在する2相共存状態と考えられる。また図5の領域Gでは視野全体が正方晶系で微細な分域構造の集合体になっている。
ここでは2種類の多分域密度を持つチタン酸バリウム結晶を作製し、圧電特性を測定した。試料1は、チタン酸バリウム結晶を立方晶系の温度領域まで加熱し、電界を印加して図5の領域Gを経て室温まで冷却した本発明の一実施例の試料である。また試料2は正方晶系の上限付近の温度まで加熱し、ここで電界を印加して室温まで冷却した従来技術による比較例の試料である。
これら試料を加熱する際の昇温速度は0.2〜3℃/分である。昇温速度が0.2℃/分未満では所定の温度に加熱するまでに8時間を超える時間が必要となるため、生産性の観点から好ましくない。他方、昇温速度が3℃/分を超えると結晶の温度分布が均一にならずに構造相転移するため、結晶にマイクロクラックなどの損傷を生じる可能性が高まる。
試料1に電界の印加を開始する温度は、構造相転移温度130℃に対し、130〜150℃、望ましくは132〜140℃である。 電界の印加を開始する温度が130℃未満の場合は、結晶が正方晶系であるため電界誘起構造相転移を経ないので、結晶に形成される多分域構造は密度の低い粗い多分域構造になる。また電界の印加を開始する温度が140℃より高い場合には、分域構造の観察されない領域Eが存在するので、強い電界を印加して電界誘起相転移を起す必要があり、その一方で電界を強くすると結晶内に電流が流れ易くなり、室温に冷却した後にもリーク電流が大きくなり圧電特性が低下する傾向があることや、場合によっては電界印加によって結晶が破壊する可能性もあることから好ましくない。
その際に結晶に印加する電界強度は、上述した通り、結晶の温度に応じて電界誘起構造相転移を生じることのできる電界強度を選ぶことができる。その好ましい範囲は0.05〜30kV/cmである。
電界印加後の冷却は、0.2〜3℃/分の冷却速度で行なう。0.2℃/分未満では生産性が低く、他方で3℃/分を超えると結晶の温度分布が均一にならないで結晶にマイクロクラックなどの損傷を生じる可能性が高まる。
本実施例の試料1は110℃まで1℃/分、それ以上140℃までは0.4℃/分の昇温速度にて加熱し、結晶を完全に立方晶にし、その後0.4℃/分で134℃まで冷却して保持した。試料の温度を134℃に安定させた直後から電極間に電界を加え、毎分1kV/cmで増やしていくとドメイン構造が現われはじめた。電界が8.8kVに達したところで約10分間保持した後、試料の温度を0.4℃/分の冷却速度で100℃まで下げた。ここで電界を0kV/cmにしてもよいが、本実施例では100℃で電界を毎分約1kV/cmで4kV/cmまで下げ、4kV/cmの電界を印加した状態で1℃/分の冷却速度で冷却し、50℃で電界を毎分約1kV/cmで1kV/cmまで下げてから、さらに30℃まで冷却し、30℃にて毎分約1kV/cmで印加電界を0kV/cmにして電源のスイッチをオフにし、以後試料が室温なるまで放冷した。得られた結晶内部の観察により、分域壁は100μmあたり約15〜16個、分域幅が6〜7μmであった。
本実施例に対する比較例の試料2は、110℃まで1℃/分、それ以上120℃までは0.4℃/分の昇温速度にて加熱し、温度が120℃に安定した直後から、電極間に電界を加え、毎分1kV/cmで増やしていくとドメイン構造が現われはじめた。電界が18.8kVに達したところで約10分間保持した後、試料の温度を0.4℃/分の冷却速度で100℃まで下げた。100℃で毎分約1kV/cmで4kV/cmまで下げ、4kV/cmの電界を印加した状態で1℃/分の冷却速度で冷却し、50℃で電界を毎分約1kV/cmで1kV/cmまで下げてから、さらに30℃まで冷却し、30℃にて毎分約1kV/cmで印加電界を0kV/cmにして電源のスイッチをオフにし、以後試料が室温なるまで放冷した。得られた結晶内部の観察により、分域密度が100μmあたり1〜2、分域幅が50〜100μmであった。
図6は上記した実施例の試料1および比較例の試料2の分極処理における試料温度と印加電界の関係の概略を示した図である。この図6において、実線は実施例の試料1の分極処理、点線は比較例の試料2の分極処理を示す。
このようにして処理した試料1および試料2は31振動子としての特性を測定した。図7は試料1の微細な多分域構造を持つチタン酸バリウム結晶から作られた31振動子の共振、***振特性の測定結果である。図7における共振点と***振点から求めた圧電定数d31として181pC/Nが得られ、また電気機械結合係数k31として41%が得られた。この微細な多分域構造(エンジニアード・ドメイン)を導入する前の圧電定数d31は33pC/Nであったことから、この微細な多分域構造の導入によって、圧電定数d31は約6倍に増大したことがわかった。
図8は試料2の粗い多分域構造を持つチタン酸バリウム結晶から作られた31振動子の共振、***振特性の測定結果である。図8における共振点と***振点から求めた圧電定数d31は98pC/Nであり、また電気機械結合係数k31は26%であった。
試料1および2についての各種の測定結果を表1にまとめて示す。表において分域密度は試料の偏光顕微鏡観察によって測定したものであり、電気機械結合定数、圧電定数および弾性コンプライアンスは図7および図8の共振−***振曲線から求めたものである。さらに誘電率はアジレントテクノロジー社製4294型インピーダンスアナライザーを用いて測定した容量値から求めたものである。
ここで図7および図8はどちらも位相が90°に達していないことが注目される。これはまだ分極が不十分であり、電界印加方向と逆方向に自発分極が向いた分域が存在していることを示す。欠陥の少ない良質な結晶やシングルドメイン結晶などを用いること、および分極条件の最適化により、逆方向に自発分極が向いた分域を減らすことができ、圧電特性はさらに大きく向上することが予想される。また分域をさらに高密度にし、100μmあたりの1000、分域幅にして0.1μm程度にすることにより、圧電定数が飛躍的に向上するものと予想される。
以上は、室温で正方晶系の強誘電性ペロブスカイト型強誘電体結晶の具体例としてチタン酸バリウム単結晶を取り上げ、この結晶に対して微細な多分域構造を人工的に導入する本発明の一実施例を述べたものである。
この実施例と同様にして、TSSG法で育成されたニオブ酸カリウム結晶について、室温の斜方晶系の結晶構造が高温側で転移する構造相転移温度より高い235℃まで加熱し、この温度で斜方晶における強誘電自発分極方向である<110>方位とは異なる<111>方位に電界を印加し、電界を印加したまま結晶の温度を室温まで下げる分極処理により、微細な分域構造が導入でき、圧電特性を著しく高めることができた。また上記において電界の印加方向を<001>方位に変えた場合も、微細な分域構造が導入でき、圧電特性を著しく高めることができた。
本発明による微細な分域構造を有する強誘電体材料は、その分域構造が微細であればあるほど、高い圧電特性を持つことができる。この材料を用いることにより、圧電素子の特性を大幅に向上できるほか、優れた圧電特性を利用した新しい素子の開発が期待できる。
31…試料、32…電極形成面、33…鏡面仕上げ面、41…試料、42…チャンバ、43…冷却・加熱装置、44…高電圧源
Claims (8)
- ペロブスカイト型強誘電体結晶に微細な多分域構造が導入されてなることを特徴とする強誘電体結晶材料。
- 前記微細な多分域構造は、ペロブスカイト型強誘電体結晶を室温より高い構造相転移温度以上の温度に加熱し、結晶の強誘電体自発分極方向とは異なる特定方位に電界を印加し、電界の印加を保ちながら前記結晶を前記構造相転移温度以下の温度まで下げることにより導入されたものであることを特徴とする請求項1記載の強誘電体結晶材料。
- 前記ペロブスカイト型強誘電体結晶は、室温において正方晶系の結晶構造を有するものであり、前記特定方位を立方晶系標記の<110>方位としたことを特徴とする請求項2記載の強誘電体結晶材料。
- 前記ペロブスカイト型強誘電体結晶は、室温において正方晶系の結晶構造を有するものであり、前記特定方位を立方晶系標記の<111>方位としたことを特徴とする請求項2記載の強誘電体結晶材料。
- 前記ペロブスカイト型強誘電体結晶は、室温において斜方晶系の結晶構造を有するものであり、前記特定方位を立方晶系標記の<111>方位としたことを特徴とする請求項2記載の強誘電体結晶材料。
- 前記ペロブスカイト型強誘電体結晶は、室温において斜方晶系の結晶構造を有するものであり、前記特定方位を立方晶系標記の<001>方位としたことを特徴とする請求項2記載の強誘電体結晶材料。
- 請求項1〜6のいずれか1項記載の微細な多分域構造の導入されたペロブスカイト型強誘電体結晶を用いたことを特徴とする圧電素子。
- ペロブスカイト型強誘電体結晶に対し、この結晶の室温における自発分極方向とは異なる特定方位に電界を印加するための電極対を形成する工程と、
前記結晶を室温より高温の構造相転移温度以上の温度に加熱する工程と、
前記結晶に電界を印加したまま前記結晶を室温まで冷却する工程と
を備えたことを特徴とする微細な多分域構造の導入された強誘電体結晶材料の製造方法。
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