JP2005089758A5 - - Google Patents

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エラストマーと剥離クレイ小板からなるナノコンポジットの製造方法、該ナノコンポジットで構成されるゴム組成物並びにタイヤを含む製造物品
本発明は、エラストマー及び少なくとも部分的に剥離され、挿入された、多層の水膨潤可能なクレイ(例えば、スメクタイトクレイ)のその中の分散系で構成されるナノコンポジットの製造に関する。本発明はさらに、このようなナノコンポジットで構成されるゴム組成物、前記ナノコンポジットまたは前記ゴム組成物で構成される少なくとも1つの成分を含む製造物品の例えばタイヤ及び工業製品、例えばコンベヤーベルト、パワートランスミッションベルト及びホースに関する。このようなゴム組成物のための特定の適応がゴムタイヤ構成要素の例えばトレッドのために予想され、ここでカーボンブラック補強材をかなり置き換えることは、タイヤの耐久性のために熱蓄積を低減するために及び乗り物用燃料の節減のための例えば航空機タイヤトレッドのためのタイヤ重量の低減のために望ましいことがある。ナノコンポジットは、水膨潤可能なクレイ粒子の水懸濁液を陰イオン性(負に帯電した)エラストマー粒子の水性エマルションに加えてこれらの混合物を形成し、これに陽イオン性(正に帯電した)高分子第四級アミンまたはエチレンポリアミンの形態で少なくとも2つのアミン中心を有するアミンをそれに続いて加えて、多層のクレイのギャラリー(gallery)内部での単数種または複数種の陽イオン交換可能なイオンを用いたイオン交換によって、水膨潤したクレイ粒子に挿入しかつ少なくとも部分的に剥離し、エラストマー及び得られたクレイ粒子が凝析し、これらのナノコンポジットを形成するのを促進するのを助けることによって製造する。凝析は、酸または塩/酸を加えてpHを低下させ、それによって水性エマルションを不安定化させることによって助けてよい。水性エマルションは、例えば、合成陰イオン性スチレン/ブタジエンコポリマー粒子、または天然陰イオン性シス1,4−ポリイソプレンゴム粒子(例えば、天然ゴムラテックス)としてよい。
様々なゴム組成物がこれまで、後続のゴム組成物、及びマスターバッチから誘導された後続のゴム組成物で構成されるゴム組成物の少なくとも1つの成分を有するタイヤを含む製造物を製造するためのマスターバッチまたは予備成形済みゴム組成物として製造されてきた。
例えば、少なくとも部分的に剥離されて個々の小板(platelet)になる挿入されたクレイの粒子の分散系を含むエラストマーで構成されるナノコンポジットが製造されてきた。
比較的にかさばった実質的に親水性のクレイは、それ自体では通常補強材ではなくゴム希釈剤であると考えられる一方、より疎水性の非常に小さなクレイ小板の形態のクレイ小板は、ゴム組成物の補強のためにかなりより効果的なことがある。
実際、単にクレイをジエンベースのゴム組成物と混合することによってクレイ粒子の良好な分散系を得るのは幾分困難であり、というのはクレイ粒子は一般に主に性質が親水性であり、従ってジエンベースのエラストマーとより相溶性がなく、これによって反発される傾向があるからであることは了解できるはずである。水膨潤可能なクレイ粒子から誘導された非常に小さな剥離クレイ小板がエラストマー組成物における補強材として使用するために望ましい場合、本明細書において、エラストマー内部の粒子の分散が良好な程、補強効果は良好であると考えられる。従って、本明細書において、より良好な分散は、クレイをエラストマー組成物と単に乾式混合する代わりに、剥離クレイ粒子を1つ以上のエラストマーとこれらのナノコンポジットの形態でブレンドすることによって成し遂げられると考えられ、ここで、エラストマー粒子の陰イオン性エマルション内部の水膨潤可能なクレイの層のギャラリー内部に含まれる単数種または複数種の陽イオン交換可能なイオンを用いたイオン交換による、エラストマー粒子の陰イオン性エマルション内部でインシトゥで陽イオン性高分子第四級アミンまたはエチレンポリアミンとしての少なくとも2つのアミン中心を有するアミンの使用による挿入及び剥離によって、非常に小さな剥離クレイ小板は性質がより疎水性になっており、従ってジエンベースのエラストマーとより相溶性がある。
本発明の1態様においては、マスターバッチから誘導されたゴム組成物が上述のナノコンポジットとして得られ、ここでナノコンポジットは本明細書においてマスターバッチと呼んでよく、マスターバッチナノコンポジットを、分散し、部分的に剥離され、挿入されたクレイ粒子内容物と共に少なくとも1つの追加のエラストマーとブレンドして、結果として生じるゴム組成物を形成する。
本発明の別の態様においては、製造物品の例えばタイヤ及び工業製品の例えばコンベヤーベルト、パワートランスミッションベルト及びホースが得られ、これらは、ナノコンポジットで構成されるゴム組成物の少なくとも1つの成分を有するかまたはこのようなナノコンポジットを含む(またはナノコンポジットをマスターバッチと呼ぶ場合にはマスターバッチ)前記ゴム組成物で構成される。
本明細書において、このようなナノコンポジットを含むこのようなゴム組成物は、通常使用されるカーボンブラック補強材を置き換えるために使用される場合、タイヤ、特にタイヤトレッドの例えば航空機タイヤトレッドのための成分として使用するために特に適応可能なことがあると考えられる。低下したヒステリシス(例えば、100℃反発弾性値の増大またはタンジェントデルタ値の低下)は、タイヤの熱蓄積の低減、従ってタイヤの耐久性の増大を促進するために望ましい。この組成特性は、離陸及び着陸の最中に航空機タイヤが経験する比較的に高い速度及び負荷が理由となって特に重要である。ゴム組成物のカーボンブラック補強材の一部分を置き換えることによって可能な重量低減は、地上及び空中の両方での航空機の乗り物用燃料の節減の増大を促進することができる。成分重量の低減は、前述の促進されたタイヤの耐久性と組み合わせて、特に航空機自体の機体製造業者の設計によってタイヤ重量が厳しく制限されている用途において、タイヤ製造業者にとってもタイヤ設計におけるより大きな自由度が可能になり、タイヤ全体をより耐久性のあるものにする。
エラストマー及び挿入され、場合によっては部分的に剥離され、水膨潤したクレイの粒子の分散系で構成されるナノコンポジットは、これまで様々な方法で製造されてきた。
例えば、このようなナノコンポジットは、まず挿入化合物(例えば、第四級アンモニウム塩)を含む水中の多層で親水性の水膨潤可能なクレイに該化合物をイオン交換を引き起こすことによって予め挿入して、これにより第四級アンモニウム塩多層のクレイのギャラリー内部に含まれる1つ以上の陽イオンと置換することによって製造されてきた。得られた挿入されたクレイ粒子を乾燥し、次にエラストマーと混合して、エラストマー内部のこの分散系を形成する。小さな程度に、挿入されたクレイの層は、挿入プロセスの最中にまたはそれに続くエラストマーとの高剪断混合時に、層間剥離するかまたは剥離されて、小板の層間剥離するかまたは剥離した積層を含むことがある個々の小板になることがある。
このような方法は、本明細書において、挿入されたクレイのエラストマー組成物中への高剪断混合に過度に依存し、エラストマーマトリックス内部の挿入された水膨潤可能なクレイの実質的に剥離された小板の良好な全分散系を得るという範囲では比較的に非効率であり、従ってナノコンポジット製造の比較的に費用効果的な方法ではないだろうと考えられる。
ナノコンポジット製造の他の提案された方法は、例えば、水性ラテックス中に含まれる、負に帯電した積層小板の多数の層で構成される水膨潤可能なクレイの積層小板のギャラリー内部に含まれる陽イオン交換可能なイオンと陽イオン性(負に)帯電したエラストマー粒子との間のイオン交換現象を利用することを含む。このような方法によって、剥離小板はそれによってラテックス内部でインシトゥで生成すると予想される。
実際に、クレイの個々の小板への剥離の最大の状態は、本明細書において、製造物品、特にタイヤ及びより詳細にはタイヤトレッドのエラストマーベースの成分の補強を向上させるために望ましいと考えられる。
従って、本明細書において、高剪断条件下でエラストマー組成物と乾式ブレンドする前に、かなり剥離され、挿入された、水膨潤可能なクレイを、比較的に低剪断の媒質の例えばラテックス中でまたはこれから提供することが望ましい。
従って、本発明の場合、本明細書において、過去の実施からのかなりの逸脱であると考えられる、エラストマー中の剥離クレイ小板の分散系を生成する方法が得られる。
実際に、本発明の場合、エラストマー中の少なくとも部分的に剥離され、挿入された、水膨潤可能なクレイ粒子の分散系が得られ、これは、全てインシトゥで、水膨潤可能な多層のクレイ(例えば、スメクタイトクレイ)の水スラリーを、約6〜約10の範囲内のpHを有する陰イオン性(負に帯電した)エラストマー粒子のエマルション(ラテックス)ラテックスとブレンドし、これを陽イオン性(正に帯電した)高分子第四級アミンまたはエチレンポリアミンとしての少なくとも2つのアミン中心を有するアミンとブレンドして、クレイの積層小板のギャラリー内部に含まれる単数種または複数種の陽イオン交換可能なイオンを用いたイオン交換を達成し、それによってクレイに挿入し、クレイの個々のクレイ小板への少なくとも部分的な剥離を引き起こすことによる。実際に、少量の酸、または塩/酸の組合せを加えて、エマルションのpHを、例えば、約3〜約4の範囲内の値に低下させて、エラストマー粒子及び部分的に剥離され、挿入されたクレイがナノコンポジットとして凝析(沈殿)するのを助ける。
ナノコンポジットは、凝析物または沈殿物を乾燥することによって簡単に回収してよい。
実際に、合成エラストマーの陰イオン性(負に帯電した)エラストマー粒子を、例えば単数種または複数種の陰イオン界面活性剤の使用によって形成してエマルションを安定化してよい。このような目的での陰イオン界面活性剤のこのような使用は、当業者には周知である。
実際に、酸または塩/酸の組合せをしばしば使用して、陰イオン性ラテックスのpHを、例えば、約6〜約10の範囲内からより酸性の値、例えば、約3〜約4の範囲内のpHに低下させて、従ってエマルションの不安定化を促進し、エマルションからのエラストマー粒子の凝析または沈殿を促進する。このような目的のための酸または塩/酸の組合せの代表的な例は、例えば硫酸または塩化ナトリウム及び硫酸の組合せである。酸または塩/酸の組合せのこのような使用は、当業者には周知である。
実際に、陰イオン性エマルション中のエラストマー粒子のための凝析促進剤は、例えば陽イオン性液体高分子第四級アミンとしてよい。時々このような目的で使用される陽イオン性高分子第四級アミンを含む材料の代表的な例は、例えばザ・ペトロライト・カンパニー(the Petrolite Company)製のパーケム 503TM(Perchem 503TM)である。このような目的のためのエチレンポリアミンの混合物としてのエチレンポリアミンの代表的な例は、例えばザ・ユニオン・カーバイド・カンパニー(the Union Carbide Company)製のPM−1969TMである。
しかしながら、残留回収エラストマー中のこのような陽イオン性高分子第四級アミンの存在はまた、回収エラストマーを含む硫黄加硫可能なゴム組成物中の硫黄加硫促進剤として役立つ。
従って、ラテックスからの陰イオン性エラストマー粒子の凝析のためのこのような陽イオン性高分子第四級アミンの過度の使用は、本明細書において望ましくないと考えられ、というのは、硫黄硬化可能なジエンベースのエラストマー(例えば、スチレン/ブタジエンコポリマーエラストマー)内部のその含量は、本明細書において、ジエンベースのエラストマーの硫黄硬化または加硫を不満足に促進すると考えられるからである。
本発明の場合、しかしながら、本明細書において、陰イオン性(負に帯電した)エラストマー粒子の水性エマルション中の水膨潤したクレイ及び陽イオン性(正に帯電した)高分子第四級アミンの包接の得られた相乗的組合せが生じると考えられる。
機構の1態様は十分に理解されていないかもしれないが、前述のエラストマー粒子の凝析を達成するために必要な高分子第四級アミンの量の低減が恐らく理由となっているかまたは恐らく高分子第四級アミンがその硫黄加硫促進を弱めるように前述の挿入されたクレイと組み合わせられたために、ナノコンポジットを含む硫黄含有ゴム組成物においてより低い硫黄加硫促進効果を有するようなので、得られた高分子第四級アミンのより許容可能な含量または有効な含量は回収ナノコンポジット中に含まれるようである。
このようにして、本明細書において、エマルションからのエラストマーのための陽イオン性高分子第四級アミン凝析剤のより効果的な使用が可能になり、かつまた得られたエラストマー中での少なくとも部分的に剥離され、挿入されたクレイの形態の補強材料のより効果的なインシトゥ形成が可能になると考えられる。
さらに、陰イオン性エマルション混合物からのエラストマー及びクレイ粒子の凝析または沈殿のために陽イオン性高分子第四級アミンまたはエチレンポリアミンとしての少なくとも2つのアミン中心を有するアミンを加えることと組み合わせてまたは一緒に、酸または塩/酸の組合せの前述の使用を有益に使用して、エマルション/クレイ混合物のpHを低下させることによって凝析方法を助けることができる。従って、1態様においては、酸または塩/酸の組合せを加えることを、1態様においては、相乗的手順の一部分と考えてよい。
従って、本発明は、本明細書において、陽イオン性高分子第四級アミンまたはエチレンポリアミンとしての少なくとも2つのアミン中心を有する少量のアミンと陰イオン性エラストマー粒子及び膨潤した、水膨潤可能なクレイの水性混合物とを、酸、または塩と酸の組合せと一緒に相乗的にブレンドして、エラストマー/クレイ粒子コンポジットの凝析/沈殿及び部分的に剥離され、挿入されたクレイ粒子のエラストマーのための補強材のインシトゥ形成の両方を達成することによって、過去の実施からのかなりの逸脱であると考えられる。
従って、本発明の重要な態様は、エラストマー粒子の陰イオン性エマルション中に含まれる水膨潤したクレイの挿入であり、ここで水膨潤したクレイは、その小板同士の間のギャラリー内部に陽イオン交換可能なイオン(例えば、ナトリウムイオン)を含み、挿入は、陽イオン性高分子第四級アミンまたはエチレンポリアミンとしての少なくとも2つのアミン中心を有するアミンを加えて、クレイギャラリー内部のイオンと陽イオン性第四級アミンまたはエチレンポリアミンとの間のイオン移動を達成することによって成し遂げられる。
本発明のさらに重要な態様は、エラストマー及び挿入された(及び少なくとも部分的に剥離された)クレイ粒子の含まれた分散系のナノコンポジットとしての実質的に同時の沈殿(凝析)であり、これは酸性水を加えてエマルションを不安定化させることによって助けられる。
従って、本発明の実施は、陰イオン性エマルションを不安定化させ、エマルション混合物からエラストマー/クレイコンポジットを凝析/沈殿するための酸または塩/酸の組合せの単独の使用を除外する。
過去の実施からのさらなる逸脱において、水膨潤可能なクレイを、予め水膨潤したが挿入剤を用いて最初に挿入することなく陰イオン性エラストマー粒子のエマルション中に導入し(例えば、エマルションに加える前に第四級アンモニウム塩を用いて最初に挿入してイオン交換を達成していない水膨潤したクレイとしての予め挿入されていないクレイ)、その結果、陽イオン性高分子第四級アミンまたはエチレンポリアミンをエマルション/クレイ混合物に加えることは、陰イオン性エラストマー粒子のエマルション内部でインシトゥでの前述のイオン交換によって水膨潤したクレイに挿入することに依拠する。
本発明の実施の場合、本発明のためのクレイ挿入及び剥離方法は、陰イオン性(負に帯電した)エラストマー粒子の存在下で、熱可塑性ポリマーラテックスを除外し、陽イオン性(正に帯電した)エラストマー粒子、特に陽イオン界面活性剤中に含まれる陽イオン性エラストマー物品を除外して行われることを意図している。
要約すると、本発明の方法は過去の実施とかなり異なり、というのは、少なくとも部分的には、水膨潤可能なクレイ(例えば、スメクタイトクレイ)は
(A)モノマーの重合の最中に挿入されず、
(B)乾燥エラストマーとして凝析し、回収した後に、スメクタイトクレイをエラストマーと物理的にブレンドすることによって挿入されず、
(C)予め挿入されたクレイをエラストマーとブレンドする前に第四級アンモニウム塩を用いて処理することによって予め挿入されたスメクタイトクレイをブレンドすることによって挿入されないからである。
従って、本発明の方法は、高分子第四級アミンを用いてラテックスエマルションを凝析する比較的に単純な過去の実施とかなり異なることは容易に分かり、また本明細書においてこのように考えられる。
実際、本発明の方法の幾つかの要素は、作用の性質において幾分過度に単純化しているように思われるかもしれないが、本明細書において、全技術的手順の利用は過去の実施からのかなりの逸脱であると考えられる。
本発明において使用するために考えられる水膨潤可能なクレイは、小板同士の間のギャラリー中に陽イオン交換可能なイオンを含む複数の積層小板(例えば非常に薄いケイ酸塩ベースの小板)で構成されるクレイである。このようなクレイの代表は、水膨潤可能なスメクタイトクレイ、バーミキュライトベースのクレイ及び雲母ベースのクレイである。好ましくはこのような水膨潤可能なクレイはスメクタイトクレイである。スメクタイトクレイの代表は、例えば、モンモリロナイト、ヘクトライト、ノントライト、バイデライト、ヴォルコンスコイト、サポナイト、ソーコナイト、ソボッカイト、ステレンサイト、及びシンフォダイトクレイであり、この中でモンモリロナイト及びヘクトライトクレイが好ましい。様々な模範的なスメクタイトクレイに関しては、例えば米国特許第5,552,469号を参照されたい。上述のギャラリー中に含まれる上述の陽イオン交換可能なイオンは、典型的にナトリウムイオン及びカリウムイオンのうちの少なくとも1つで構成され、またカルシウムイオン及び/またはマグネシウムイオンを含んでよいが、追加の陽イオン交換可能なイオンが存在してよいことは理解される。典型的に、上述のギャラリーの中にナトリウムイオンを含むモンモリロナイトクレイが好ましいが、少量の追加の陽イオン交換可能なイオン、例えばカルシウムイオンが上述のギャラリー中に含まれてよいことは理解される。
実際に、挿入されたクレイ小板の剥離の程度は、例えば、広角X線回折(WAXD)によって定性的に評価することができ、これはX線ピークが実質的にないことによって証明され、このような評価の周知の方法である。このような評価は、WAXDピーク強度及び小板同士の間の底面間隔の変化(増大)を観察することに依拠する。
実際に、陰イオン性エラストマー粒子の合成エマルションは、例えば、水エマルション媒質中、ラジカル重合開始剤によって、陰イオン界面活性剤の存在下で、スチレン及び1,3−ブタジエンまたは1,3−ブタジエン、または1,3−ブタジエン及びアクリロニトリル、またはスチレン及びイソプレン、またはイソプレンから選択されるモノマー、並びに特にスチレン及び1,3−ブタジエンモノマーの乳化重合によって製造してよいことは了解できるはずである。好ましくはモノマーは、エマルション中の陰イオン性スチレン/ブタジエンコポリマーエラストマー粒子を形成するためのスチレン及び1,3−ブタジエンの組合せである。
また、陰イオン性エラストマー粒子のエマルションまたはラテックスは、天然ゴムラテックス中に含まれる天然シス1,4−ポリイソプレンとしてよいことは了解できるはずである。
陰イオン性エラストマー粒子の合成エマルションの製造のための陰イオン界面活性剤の代表的な例は、例えば、McCutcheon's, Volume 1, "Emulsifier & Detergents", North American Edition, 2001, Pages 291 and 293に見い出すことができ、非イオン性界面活性剤の代表的な例は294〜300ページに示され、陽イオン界面活性剤の例は300及び301ページに示される。
本発明の実施の場合、合成エラストマー粒子の製造のための陽イオン界面活性剤は除外されるべきである。
1態様においては、水膨潤可能なクレイ、例えばスメクタイトクレイの例えばモンモリロナイトクレイは、本発明において使用する場合、例えば複数の積層し薄く比較的に平らな層で構成される構造を有する天然に存在するクレイとして説明されることがあり得、ここでこのような個々の層は、2つの非常に薄い四面体形シリカ層の間に挟まれた非常に薄い八面体形アルミナ層で構成されてアルミノケイ酸塩構造を形成すると考えられる構造を有するとしてよい。一般に、天然に存在するモンモリロナイトクレイ中のこのようなアルミノケイ酸塩構造の場合、アルミニウム陽イオン(Al+3)の幾つかはマグネシウム陽イオン(Mg+2)によって置き換えられたと考えられ、クレイ構造の小板層に実効負電荷をもたらす。このような負電荷は、天然に存在するクレイ中で、前述のアルミノケイ酸塩層すなわち小板同士の間の間隔(時々“ギャラリー”と呼ぶ)内部で水和ナトリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム及び/またはカリウム陽イオン、通常主にナトリウムイオンとバランスがとれていると考えられる。
本発明の説明においては、“phr”という用語を使用して、材料の重量部/100重量部のエラストマーを示す。“ゴム”及び“エラストマー”という用語は、特に断らない限り互換性がある。“加硫した”及び“硬化した”、並びに“未加硫”または“未硬化”という用語は、特に断らない限り互換性がある。
本発明によれば、エラストマー及び少なくとも部分的に剥離され、挿入された水膨潤可能なクレイで構成されるナノコンポジットの製造方法(陰イオン性エラストマー粒子のエラストマーホスト内部でインシトゥで)は、
(A)以下のものをブレンドすることによって、水膨潤したクレイ及び陰イオン性ポリマー粒子エマルションの第1のブレンドを形成することと:
(1)水及び多層の水膨潤可能なクレイ(該クレイのための挿入剤を除外して(例えば、第四級アンモニウム塩を除外して))で構成される水性混合物、ここで前記水膨潤可能なクレイは、複数の積層小板と該小板同士の間の水膨張した(膨潤した)ギャラリーで構成され、ここで前記ギャラリーは天然に存在する陽イオン交換可能なイオンをその中に含む(例えば、前記ギャラリー内部にナトリウムイオンを含むモンモリロナイトクレイ)、及び
(2)ラジカル発生重合開始剤及び非重合可能な陰イオン界面活性剤の存在下でのモノマーの水溶液ラジカル誘導重合によって製造する陰イオン性エラストマー粒子(陰イオン界面活性剤から誘導される表面に陰イオンを有するエラストマー粒子)で構成される約6〜約11の範囲内のpHを有する水性予備成形済みエラストマーとしての陰イオン性合成エラストマー粒子のエマルション(熱可塑性ポリマーラテックスを除外して)、
ここで前記合成エラストマー粒子は、イソプレン及び1,3−ブタジエンモノマーまたはスチレンのうちの少なくとも1つ及びイソプレン及び1,3−ブタジエンモノマーまたはアクリロニトリルのうちの少なくとも1つ及びイソプレン及び1,3−ブタジエンモノマーのうちの少なくとも1つで構成されるモノマー、好ましくはスチレン及び1,3−ブタジエンからなるモノマーの水溶液重合から誘導され、または
(3)陰イオン性天然シス1,4−ポリイソプレンエラストマー粒子のエマルション、並びに
(B)前記第1のブレンドと以下のものをブレンドすることと、
(1)水及び陽イオン性高分子第四級アミンまたはエチレンポリアミンから選択される少なくとも2つのアミン中心を有するアミンで構成される水性混合物、及び
(2)水及び約3〜約4の範囲内のpHを有する無機酸で構成される水性混合物;
を含む。
さらに本発明によれば、前記合成エラストマー粒子のための前記モノマーは;
(A)約0.1〜約40、他に約15〜約35重量%のスチレンモノマーで構成されるスチレン及び1,3−ブタジエンモノマー、
(B)約0.1〜約40、他に約15〜約35重量%のスチレンモノマーで構成されるスチレン及びイソプレンモノマー、
(C)イソプレンモノマー、
(D)1,3−ブタジエンモノマー、
(E)イソプレン及び1,3−ブタジエンモノマー、
(F)約5〜約45重量%のアクリロニトリルモノマーで構成される1,3−ブタジエン及びアクリロニトリルモノマー、または、
(G)約5〜約45重量%のアクリロニトリルモノマーで構成されるイソプレン及びアクリロニトリルモノマー、
の水性エマルション重合から誘導される。
実際に、クレイの層同士の間のギャラリー内部に陽イオン交換可能なイオンを含むクレイ、エラストマー自体及び陽イオン性高分子第四級アミンまたはエチレンポリアミンから選択される少なくとも2つのアミン中心を有するアミンの性質に幾分依存して、100重量部の前記エラストマー粒子当り好ましくは約0.5〜約80、他に約5〜約45重量部の前記水膨潤したクレイを前記陰イオン性エマルションに加える。
従って、得られたナノコンポジットは、100重量部のエラストマーホスト当り約0.5〜約80、他に約5〜約45重量部の少なくとも部分的に剥離され、挿入された、多層の水膨潤可能なクレイ粒子を含んでよい。
実際に、前記陽イオン性高分子第四級アミンは陽イオン性高分子電解質としてよく、この中の様々な陽イオン性高分子電解質が、CRC Press, Inc.が出版したPolymeric Materials Encylopedia, Volume 8, (1996)において説明されており、その5837〜5849ページを本明細書において参考のためにその全体を引用する。
実際に、前記エチレンポリアミン(例えば前記PM−1969)は、エチレンポリアミン類の混合物としてよいかまたは混合物中に含まれてよく、例えば、混合物は、一般に少なくとも2つのアミン中心を有するエチレンポリアミン類、ペンタエチレンヘキサミン混合物、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン混合物、トリエチレンテトラミン混合物、アミノエチルエタノールアミン、アミノエチルピペラジンで構成される。少なくとも2つのアミン中心を有する少なくとも1つのエチレンポリアミンを含むかまたはこれで構成されるこのような混合物を、より簡単に、本明細書において、少なくとも2つのアミン中心を有するエチレンポリアミンと呼ぶ。
上文で説明したように、実際に、陰イオン性エラストマー粒子のエマルションを、例えば、水ベースの媒質中、ラジカル開始剤及び前記単数種または複数種の陰イオン界面活性剤の存在下で、モノマーのラジカル重合によって製造してよい。陰イオン界面活性剤(乳化剤)ベースの重合に関する、スチレン及び1,3−ブタジエンの水性エマルション重合の一般的な説明を例えば、The Vanderbilt Rubber Handbook, 1978 Edition, Pages 55 through 61に見い出すことができる。ミセル発生物質(乳化剤、界面活性剤、セッケン)の一般的な説明は、Edmulsion Polymerization Theory and Practice by D. C. Blackley, 1975, Pages 251 through 328によって与えられる。
スチレン/ブタジエンエラストマーを形成するための、スチレン/ブタジエンモノマー系の水性エマルションのための様々なラジカル発生開始剤の使用は、当業者には周知である。
実際に、前記合成エラストマー粒子の製造のための前記ラジカル発生重合開始剤を、例えば、
(A)解離性開始剤、または
(B)上記に参照した"Emulsion Polymerization Theory and Practice"において説明されているような酸化還元開始剤、
から選択してよい。
このようなラジカル発生重合開始剤は当業者には周知である。
実際に、水及び前記高分子第四級アミンの前記水性混合物並びに水及び無機酸の前記水性混合物を好ましくは実質的に同時に、エラストマー粒子のエマルション及び水膨潤した、水膨潤可能なクレイ粒子の前記第1のブレンドに加える。
実際に、前記第1のブレンドに加えるための前記無機酸を、鉱酸の例えば硫酸、硝酸、塩酸及びリン酸から選択してよい。また、有機酸の例えばギ酸、及び酢酸を使用してよいが、鉱酸が好ましい。
実際に、前記酸/塩の組合せの場合、水及び酸、好ましくは無機酸の前記水性混合物は、希望するなら、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、炭酸カリウム及びリン酸三カリウムのうちの少なくとも1つから選択される水溶性塩も含んでよい。
実際に、水及び水膨潤可能なクレイの前記水性混合物のための前記水は、好ましくは脱塩形態でまたは少なくとも容易に感知できる無機質含量無しに提供される。
実際に、少なくとも部分的に上文で検討したように、前記水膨潤可能なクレイをスメクタイトクレイ、バーミキュライトベースのクレイ及び雲母クレイから選択してよく、好ましくはモンモリロナイト、ヘクトライト、ノントライト、バイデライト、ヴォルコンスコイト、サポナイト、ソーコナイト、ソボッカイト、ステレンサイト、及びシンフォダイトクレイのうちの少なくとも1つから選択されるスメクタイトクレイであり、この中でモンモリロナイト及びヘクトライトクレイが好ましい。
実際に、前記陽イオン性高分子第四級アミンは、少なくとも2つの第四級アミン中心または部分(例えば、平均2〜約4の第四級アミン部分)を含み、通常界面活性剤とはみなされない高分子第四級アミンである(好ましくは、だが必ずしもでないが、23℃で水溶性である)。このような高分子第四級アミンは、これが通界面活性剤とはみなされず、少なくとも2つの第四級アミン中心を含むならば、陽イオン性高分子電解質とみなされる。様々な陽イオン性高分子電解質の代表が、CRC Press, Inc.が出版したPolymeric Materials Encylopedia, Volume 8, (1996)において説明されており、その5837〜5849ページを本明細書において参考のためにその全体を引用する。
陽イオン性高分子アミンを、材料の混合物の形態の適切な反応物の反応の生成物として提供してよく、この中で、重要な、好ましくは主成分は、陽イオン性高分子第四級アミンとしての陽イオン性高分子電解質である。
前述のPolymeric Materials Encylopediaの5838及び5839ページの例は、塩酸の存在下で、材料の混合物として生成物を提供するためのエピクロロヒドリン及び第三級アミンの反応を示し、この中で、主要な部分は、本明細書において、陽イオン性高分子電解質、すなわち陽イオン性高分子電解質、特に少なくとも2つの第四級アミン部分を有する陽イオン性高分子第四級アミンであると予想され、従って本明細書において、少なくとも2つの第四級アミン部分を必要とするという範囲では性質が高分子であると考えられる。
このような反応の生成物は、本明細書において錯体であると考えられ、ただし重要な副産物は、2つの第四級アミン中心または部分で構成される液体高分子第四級アミンであることは理解される。このような反応物は以下のものとして表してよく、生成物は、材料の錯体混合物であると理解される。このような反応物は以下のように表されることがあり得る:
Figure 2005089758
本明細書において、上記の第三級ジアミンの場合、R1、R2、R4及びR5ラジカルはメチル基(ラジカル)としてよく、R3は−(CH2m−としてよく、ここでmは2〜3の値であるが、他に、Rラジカルのうちの1つまたは2つは水素としてよいと考えられる。
このような陽イオン性高分子第四級アミンのさらなる例は、ポリ(アルキレンアミン)、例えば、ポリ(エチレンアミン)の混合物であり、ここで重要な(例えば主)成分は、水溶性で非界面活性剤の少なくとも2つの第四級アミン部分または基を含む陽イオン性高分子第四級アミンである。
実際に、本発明の方法は、望ましくは少なくとも部分的に酸または塩/酸の組合せの使用に依拠して、陰イオン性エマルションを不安定化させ、それによって陰イオン性エラストマー粒子/クレイ粒子混合物の凝析/沈殿を助けてよいことは了解できるはずである。比較的に最小量の陽イオン性高分子第四級アミンを使用して、水膨潤したクレイに挿入し、並びにエラストマー粒子及び挿入されたクレイを凝析(沈殿する)のが望ましい。しかしながら、酸または塩/酸の組合せを使用することなく、陽イオン性高分子第四級アミンをこのような目的で使用してよいことが本明細書において予想されることは了解できるはずである。
前記予備成形済みエラストマー粒子の製造のための前記モノマーは、希望するなら、例えば、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、4−アニリノフェニルメタクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ビニルピリジン及び4’−ピロリジノ−4−エチル−スチレンから選択される少量(例えば、総モノマーを基準として、約0.1〜約20、他に約0.1〜約5重量%)のエラストマー官能基化モノマーも含んでよい。
さらに本発明によれば、少なくとも部分的に剥離され、陽イオン性高分子第四級アミンを挿入された水膨潤可能なクレイ粒子の分散系を含む少なくとも1つのエラストマーで構成されるナノコンポジットが得られる。
さらに本発明によれば、前記インシトゥで形成され、部分的に剥離され、挿入された、水膨潤可能なクレイの分散系を含むエラストマーで構成されるナノコンポジットが得られ、これは本発明の方法によって製造される。
従って、上文で検討したように、前記ナノコンポジットは、100重量部のエラストマーホストを基準として、約0.5〜約80、約5〜約80または他に約5〜約45重量部の前記インシトゥで形成され、部分的に剥離され、挿入された、水膨潤可能なクレイで構成されてよい。
実際に、得られたナノコンポジットを追加のエラストマーとブレンドしてゴムコンポジットを生成してよい。例えば、ゴムコンポジットは、ナノコンポジットを様々な追加のジエンベースのエラストマーの例えばイソプレン及び1,3−ブタジエンから選択されるモノマーのホモポリマー及びコポリマー及びイソプレン及び1,3−ブタジエンから選択される少なくとも1つのジエンのコポリマー及びスチレン及びアルファメチルスチレンから選択されるビニル芳香族化合物、好ましくはスチレンとブレンドすることによって製造してよい。
このような追加の共役ジエンベースのエラストマーの代表は、例えば、シス1,4−ポリイソプレン(天然及び合成)、シス1,4−ポリブタジエン、スチレン/ブタジエンコポリマー(水性エマルション重合製造及び有機溶媒溶液重合製造)、ビニル1,2−含量約15〜約90%の範囲内を有するビニルポリブタジエン、イソプレン/ブタジエンコポリマー、及びスチレン/イソプレン/ブタジエンターポリマーである。スズ結合エラストマーも使用してよく、例えば、スズ結合有機溶液重合製造スチレン/ブタジエンコポリマー、イソプレン/ブタジエンコポリマー、スチレン/イソプレンコポリマー、ポリブタジエン及びスチレン/イソプレン/ブタジエンターポリマーである。
本発明のさらなる実施においては、剥離小板に加えて、ナノコンポジット及び/またはゴムコンポジットのための追加の粒子状補強材として、カーボンブラック及び/または粒子状合成無定形シリカ、特に沈降シリカ、またはカーボンブラック及びこのような無定形シリカの組合せも、通常約5〜約100、他に約5〜約90phrの範囲内の量で含んでよい。このようなカーボンブラック及びシリカの組合せを使用する場合、通常少なくとも約5phrのカーボンブラック及び少なくとも10phrのシリカを使用する。例えば、約1/5〜5/1の範囲にわたるシリカ対カーボンブラックの重量比が使用されることがあり得る。
さらに本発明によれば、重量部/100重量部エラストマー(phr)を基準として:
(A)約5〜約150、他に約5〜約115phrの本発明のナノコンポジット、
(B)ゼロ〜約95、他に約5〜約95phrの少なくとも1つの追加のジエンベースのエラストマー(前記ナノコンポジット中に含まれるエラストマー及び前記追加のジエンベースのエラストマーの合計が100重量部ならば)、
(C)カーボンブラック、沈降シリカ凝集体、シリカのドメインを表面に含むシリカ含有カーボンブラック、及びこれらの混合物から選択されるゼロ〜約80、他に約10〜約80、他に約10〜約60phrの少なくとも1つの追加の補強粒子状充填剤、及び、所望により
(D)前記剥離小板小板の表面の周辺縁部表面に含まれるヒドロキシル基(例えばシラノール基)と反応性があり、前記シリカ及び/またはシリカ含有カーボンブラックを使用する場合、前記沈降シリカ及び前記シリカ含有カーボンブラックの表面に含まれるヒドロキシル基(例えばシラノール基)と反応性がある部分、及び前記ナノコンポジットの単数種または複数種のエラストマーの前記ジエンベースの単数種または複数種のエラストマー及び前記追加のエラストマーのうちの少なくとも1つと相互作用する別の部分を含むカップリング剤、
を含むゴム組成物が得られる。
本発明によれば、少なくとも部分的に剥離され、陽イオン性高分子第四級アミンまたはエチレンポリアミンを挿入された水膨潤可能なクレイ粒子の分散系を含む少なくとも1つのエラストマーで構成されるナノコンポジットが得られ、ここで、前記高分子第四級アミン及びエチレンポリアミンは少なくとも2つのアミン中心を含む。
さらに本発明によれば、少なくとも1つの追加のエラストマー及び前記ナノコンポジットのブレンドとしてゴムコンポジットまたは組成物が得られ、並びに、前記ナノコンポジットを製造し、次に少なくとも1つのエラストマー、特にジエンベースのエラストマーをこれとブレンドすることによるゴムコンポジットの製造方法が得られる。
さらに本発明によれば、前記ナノコンポジット及び/または前記ゴムコンポジットまたはゴム組成物で構成される少なくとも1つの成分を有する製造物品が得られ、並びに、前記ナノコンポジット及び/または前記ゴムコンポジットを製造し、次に製造物品を製造することによる製造物品の製造方法が得られる。
さらに本発明によれば、少なくとも部分的に剥離され、陽イオン性高分子第四級アミンまたはエチレンポリアミンを挿入された水膨潤可能なクレイ粒子の分散系を含む少なくとも1つのエラストマーで構成されるナノコンポジットで構成される少なくとも1つの成分を有し、特に前記ナノコンポジットを含む製造物品が得られ、ここで、前記高分子第四級アミン及びエチレンポリアミンは少なくとも2つのアミン中心を含む。
さらに本発明によれば、前記製造物品は工業製品を含み、これは例えば(以下のものは限定することを意図したものではない)、前記ナノコンポジット及び/または前記ゴムコンポジットで構成される少なくとも1つの成分を有するコンベヤーベルト、パワートランスミッションベルト、ホース、モーターマウント及びタンクトラックパッドのうちの少なくとも1つである。
さらに本発明によれば、前記ナノコンポジット及び/または前記ゴムコンポジットで構成される少なくとも1つの成分を有するタイヤが得られる。本発明の1態様においては、前記成分は、例えば、タイヤトレッド、タイヤインナーライナー、タイヤサイドウォールインサート(特に、タイヤサイドウォール内部に位置決めされたタイヤサイドウォール支持及び/または剛化成分)としてよく、並びに、前記ナノコンポジット及び/または前記ゴムコンポジットを製造し、次にタイヤを製造することによるタイヤの製造方法が得られる。
さらに本発明によれば、少なくとも1つのジエンベースのエラストマー及び本発明のナノコンポジットで構成されるゴム組成物を有する少なくとも1つの成分の例えばトレッドを有するタイヤが得られ、ここで前記ゴム組成物はカーボンブラック補強充填剤を含み、ここで前記カーボンブラック補強材の少なくとも一部分を、前記ナノコンポジット中に含まれる前記部分的に剥離され、挿入されたクレイ粒子によって置き換える。この模範例は、少なくとも1、好ましくは約3〜約10phrの範囲の前記部分的に剥離され、挿入されたクレイ粒子を含む上述のゴム組成物である。
特に代表的なタイヤは、ゴムコンポジットまたは組成物を有する円周リブの走行面で構成される円周トレッドを支持する少なくとも6以上のファブリック補強カーカスゴムプライで構成される剛性カーカスを有する航空機タイヤであり、ゴムコンポジットまたは組成物は:
(A)以下のものととブレンドされる本発明のナノコンポジット;
(B)シス1,4−ポリイソプレン、シス1,4−ポリイソプレン、及び追加のスチレン/ブタジエンコポリマーエラストマーのうちの1つから選択される少なくとも1つの追加のエラストマー;及び
(C)所望によりカーボンブラック補強充填剤;
で構成され、ここで前記ナノコンポジットはスチレン/ブタジエンコポリマーエラストマー(E−SBR)及び/または天然シス1,4−ポリイソプレンエラストマーで構成され、これは、約5〜約80、他に約5〜約45重量部の前記部分的に剥離され、挿入されたクレイ粒子/前記ナノコンポジットの100重量部の前記単数種または複数種のエラストマーのインシトゥで形成された分散系を含む。
実際に、本明細書において、前記航空機タイヤのための前記ゴム組成物は、例えば、前記ナノコンポジットの前記クレイ粒子として1〜約30重量部/100部のエラストマーの範囲内の補強充填剤及び所望によりゼロ〜約60重量部/100部のエラストマーの範囲内のカーボンブラックを含んでよいが、状況に依存してより多量またはより少量を使用してよいと考えられる。
実際に、前記ナノコンポジットのエラストマー対追加のエラストマーの重量比は、例えば、約5/1〜約1/5の範囲内にあるのが望ましいことがあるが、状況に依存して製造物品のためのゴム組成物を製造するために状況に依存してより高いまたはより低い比をを使用してよい。しかしながら、状況に依存して、製造物品のためのゴム組成物を製造するために、任意の追加のエラストマーを含むことなくナノコンポジットを使用してよいことは了解できるはずである。
実際に、ゴム補強のためのこのようなインシトゥで形成され、部分的に剥離され、挿入されたクレイ粒子の使用は、通常使用されるカーボンブラック補強材、またはシリカ補強材の一部分でさえも置き換えてよいように、エラストマー、特にジエンベースのエラストマーのための増大した補強効率を与えることがあり、その結果、エラストマーまたはゴム製品ための全粒子状補強材が低減され、場合によっては、実質的に低減することが予想される。例えば、このようなクレイ粒子対置き換えられたカーボンブラック及び/または無定形の沈降シリカの重量比は約1/6から約1/1を幾分超える範囲にわたり、他にこのような重量比は約5/1〜約1.5/1の範囲内であり、ゴム組成物の実質的に同様のまたは等しい物理的性質をしばしば実現するが、これは全てゴム組成物自体及びその使用目的に依存することは予想される。従って、1重量部のインシトゥで形成され、部分的に剥離され、挿入されたクレイ粒子は、少なくとも1から恐らく最高6重量部までのカーボンブラック及び/またはシリカ補強材を置き換えることがあり得る。従って、本明細書において、一般に、このようなクレイ粒子は、ゴム補強カーボンブラック及び/または無定形の沈降シリカと比較して、ジエンベースのエラストマーのための増大した補強効率を有することができると考えられる。
一般に用いられる合成無定形シリカまたはゴム配合用途において使用されるシリカ質顔料を、本発明においてシリカとして使用でき、ここで沈降シリカの凝集体が通常好ましい。
好ましくは本発明において用いる沈降シリカ凝集体は沈降シリカであり、例えば、可溶性ケイ酸塩、例えば、ケイ酸ナトリウムの酸性化によって得るものであり、共沈シリカ及び少量のアルミニウムを含んでよい。
このようなシリカは、窒素ガスを使用して測定して、好ましくは約40〜約600の範囲内、より通常約50〜約300平方メートル/グラムの範囲内のBET表面積を有することを特徴とすることがあり得る。表面積を測定するBET法は、the Journal of the American Chemical Society, Volume 60, Page 304 (1930)において説明されている。
シリカはまた典型的に、約50〜約400cm3/100g、より通常約100〜約300cm3/100gの範囲内のフタル酸ジブチル(DBP)吸収値を有することを特徴としてよい。
様々な市販の沈降シリカを本発明において使用するために考えてよく、例えば限定するものではなく本明細書において例としてのみ挙げると、PPGインダストリーズ(PPG Industries)製のHi−Silという商標の名称Hi−Sil 210、Hi−Sil 243等のシリカ;ローディア(Rhodia)製のシリカの例えば、ゼオシル 1165MP(Zeosil 1165MP)及びゼオシル 165GR、デガッサAG(Degussa AG )製のシリカの例えば名称VN2及びVN3及びウルトラシル7005(Ultrasil 7005)、並びにエラ
ストマー補強のために使用することができる他の等級のシリカ、特に沈降シリカである。
上文で検討したように、様々なカップリング剤を、希望するなら使用してよい。例えば、ポリスルフィドブリッジ中に平均2〜2.6または3.5〜4個の連結硫黄原子を有するビス(3−トリアルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドを使用してよく、特にビス(3−トリアエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドである。
ナノコンポジット、またはゴムコンポジットは、例えば様々な硫黄加硫可能な成分ゴムと様々な一般に使用される添加剤材料の例えば、硬化助剤の例えば硫黄、活性化剤、遅延剤及び促進剤、加工添加剤の例えば油、粘着付与樹脂を含む樹脂、シリカ、及び可塑剤、充填剤、顔料、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス、抗酸化剤及びオゾン劣化防止剤、素練り促進剤及び所望により補強材料の例えばカーボンブラックと混合することのような、ゴム配合の従来技術において一般に周知の方法によって配合されると思われることは当業者であれば容易に理解されよう。当業者には周知であるように、硫黄加硫可能な及び硫黄加硫済みの材料(ゴム)の使用目的に依存して、上述の添加剤を選択し、一般に従来の量で使用する。
粘着付与剤樹脂の典型的な量(使用する場合)は、約0.5〜約10phr、通常約1〜約5phrを含む。加工助剤の典型的な量は約1〜約50phrを含む。このような加工助剤は、例えば、芳香族、ナフテニック(napthenic)、及び/またはパラフィン性加工油を含むことができる。抗酸化剤の典型的な量は約1〜約5phrを含む。代表的な抗酸化剤は例えば、ジフェニル−p−フェニレンジアミン及び他のもの、例えば、The Vanderbilt Rubber Handbook (1978), Pages 344 through 346において開示するものとしてよい。オゾン劣化防止剤の典型的な量は約1〜5phrを含む。ステアリン酸を含むことができる脂肪酸の典型的な量(使用する場合)は約0.5〜約3phrを含む。酸化亜鉛の典型的な量は約1〜約10phrを含む。ワックスの典型的な量は約1〜約5phrを含む。しばしばミクロクリスタリンワックスを使用する。素練り促進剤の典型的な量は約0.1〜約1phrを含む。
加硫を典型的に硫黄加硫剤の存在下で行うが、過酸化物及び他の非硫黄硬化剤を時々適切に用いてエラストマーを加硫してよい。適切な硫黄加硫剤の例としては、元素状硫黄(遊離硫黄)または硫黄供与加硫剤、例えば、アミンジスルフィド、高分子ポリスルフィドまたは硫黄オレフィン付加物が挙げられる。好ましくは、硫黄加硫剤は元素状硫黄である。当業者には周知であるように、硫黄加硫剤を約0.5〜約4phr、または、幾つかの状況においては、最高約8phrまでの範囲内の量でさえ使用する。
促進剤を使用して、加硫にとって必要な時間及び/または温度を制御し、加硫ゴムの特性を改良する。1具体例においては、単一促進剤系、すなわち、一次促進剤を使用してよい。従来また好ましくは、単数種または複数種の一次促進剤を約0.5〜約4、好ましくは約0.8〜約1.5phrの範囲にわたる全量で使用する。別の具体例においては、一次及び二次促進剤の組合せを、より少量(約0.05〜約3phr)使用される二次促進剤と共に使用して、加硫ゴムの特性を活性化し、改良することがあり得る。こうした促進剤の組合せは、最終特性に対して相乗効果を生じることがあり得、いずれかの促進剤単独での使用によって生じるものよりも幾分良好であると予想される。加えて、遅効性加硫促進剤を使用してよく、これは通常の加工温度によって影響されないが通常の加硫温度で満足な硬化を生じる。加硫遅延剤もまた使用されることがあり得る。本発明において使用してよい適切なタイプの促進剤は、アミン、ジスルフィド、グアニジン、チオ尿素、チアゾール、チウラム、スルフェンアミド、ジチオカルバメート及びキサンテートである。好ましくは、一次促進剤はスルフェンアミドである。第2の促進剤を使用する場合、二次促進剤は好ましくはグアニジン、ジチオカルバメートまたはチウラム化合物である。
上記の添加剤の存在及び相対量は、本明細書において特に断らない限り、本発明の態様であるとはみなされず、より主としてナノコンポジット並びにこのようなナノコンポジットを含むゴムコンポジット並びに前記ナノコンポジット及び/またはゴムコンポジットで構成される少なくとも1つの成分を有するタイヤを含む製造された物品の製造に関する。
ゴムコンポジットの製造、すなわちゴム組成物の混合は、ゴム混合の当業者には周知の方法によって成し遂げることができる。例えば、成分は典型的に少なくとも2段階で、すなわち、少なくとも1つの非生産的段階続いて生産的混合段階で混合される。最終加硫剤は典型的に、従来“生産的”混合段階と呼ぶ最終段階で混合され、ここで混合は典型的に、単数または複数の先行する非生産的混合段階の単数または複数の混合温度よりも低い温度でまたは最終温度で行われる。ゴム及び所望により追加の補強充填剤の例えばシリカ及びシリカ処理済みカーボンブラック並びに接着剤を、1つ以上の非生産的混合段階で混合する。“非生産的”及び“生産的”混合段階という用語は、ゴム混合の当業者には周知である。
以下の実施例を、本発明を示すために提出するが、限定することを意図したものではない。部及びパーセントは特に断らない限り重量による。
実施例I
スチレン/ブタジエンエラストマー(E−SBR)の陰イオン性ラテックスの製造
約9.5〜10.5の範囲内の塩基性のpHを有する乳化重合製造スチレン/ブタジエンコポリマーエラストマー(E−SBR)の陰イオン性水性ラテックスを、スチレン及び1,3ブタジエンモノマーを水性媒質中で共重合することで合成した。
E−SBRラテックスの製造のために、低温(10℃)乳化重合方法を一連の逐次連続的に撹拌中の反応器によって使用しこ、ここで30重量%のスチレン及び70重量%の1,3−ブタジエンのモノマー混合物を第1の反応器に装填した。
モノマー装填物を、水性活性化剤溶液、水性セッケン(界面活性剤)溶液、重合調節剤及び開始剤と一緒に連続的に第1の反応器に装填した。
活性化剤溶液は、硫酸第一鉄七水和物(約0.009phmの量で)(ここでphmは重量部/100重量部のモノマー)、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート二水化物(約0.07phmの量で)、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(約0.035phmの量で)及び水(約9.97phmの量で)の混合物だった。セッケン溶液は、混合C14〜C18及びC16〜C18不飽和脂肪酸(約2.34phmの量で)、不均化ロジン酸のカリウム塩(約1.4phmの量で)、塩化カリウム(約0.23phmの量で)、リン酸三カリウム(約0.05phmの量で)、希釈した水酸化ナトリウム(約0.16phmの量で)及び50重量%の水酸化カリウム(約0.18phmの量で)の混合物だった。開始剤はピナンヒドロペルオキシド(約0.05phmの量で)だった。
重合を、モノマーからポリマーへの転換率約62〜65%で、50重量%の水酸化カリウム(約0.02phmの量で)及び水(約8phm)を含むイソプロピルヒドロキシルアミン(約0.04phmの量で)溶液を用いて停止させた。
実施例II
E−SBR/クレイナノコンポジットの製造
12,235グラムの熱水(60℃)中の249グラムの非挿入(挿入剤の例えば第四級アンモニウムを用いて前処理していない)で、水膨潤したモンモリロナイトクレイ(サザン・クレイ・プロダクツ・カンパニー製のクロイサイト NA+TM( Cloisite NA+TMfrom the Southern Clay Products Company )として)の水性懸濁液を、クレイ/水混合物を約2時間撹拌することによって製造した。
クレイ/水懸濁液に、約1.5phr(重量/100重量部ゴム)の従来の抗劣化剤を含む約11.5キログラム(約25.3ポンド)の実施例IのE−SBRラテックス(21.7重量%のE−SBR固形物として)を雰囲気温度(約23℃)で加え、十分に混合した。追加の約12.5キログラム(約27.5ポンド)の水を加えた。
クレイ/水/ラテックスの撹拌中の混合物に、10重量%の高分子第四級アミン混合物(ザ・ペトロライト・カンパニー製のパーケム 503TMとして)の約2キログラムの水溶液を雰囲気温度で滴下した。
分散系/溶液から沈殿したクレイ/E−SBRナノコンポジットは、本明細書において、E−SBR及びインシトゥで形成され、少なくとも部分的に剥離され、挿入されたクレイ粒子で構成されると考えられる。加え終わった後、沈降ナノコンポジットを遠心分離し、水を用いて洗浄したた。
得られた洗浄済みナノコンポジットを、布張りトレイ上で強制空気オーブン中、約66℃(約150°F)でトレイ乾燥した。乾燥したナノコンポジットは、ムーニーML(1+4)粘度値約75を有し、約10phrのクレイ粒子で構成された。
実施例III
クレイ無しの対照E−SBRの製造
約11412キログラム(約2513ポンド)の実施例IのSBRラテックス(21.7重量%の固形物)を、希硫酸を用いて調節済みであり3〜4の範囲内のpHを有する約22.7キログラム(約50ポンド)の水及び400グラムの高分子第四級アミン(パーケム 503TM)の撹拌中の混合物に、約60℃(約140°F)の温度で徐々に加えることによって、クレイ無しの対照E−SBRを製造した。得られた凝析済みE−SBRクラムを、水を用いて洗浄し、約66℃(約150°F)でオーブン乾燥した。乾燥したE−SBRのムーニーML(1+4)粘度値は53だった。
実施例IV
追加のE−SBR/クレイナノコンポジットの製造
約12.2キログラムの熱水(60℃)中の249グラムの水膨潤したモンモリロナイトクレイ(サザン・クレイ・プロダクツ・カンパニー製のクロイサイト NA+(tm)として)のクレイ/水懸濁液を、クレイ/水混合物を、約2時間第1の容器中で撹拌することによって製造した。
クレイ/水懸濁液に約1.5phr(重量/100重量部ゴム)の従来の抗劣化剤を含む約11.8キログラム(約26ポンド)の実施例IのE−SBRラテックス(21.6重量%のE−SBR固形物として)を雰囲気温度(約23℃)で加え、十分に混合することで、クレイ/E−SBR/水懸濁液の容器を準備した。
希硫酸を加えることによって3〜4の範囲内のpHを維持した約12.5キログラム(約27.5ポンド)の水を含んだ第2の容器に、雰囲気温度(約23℃)で約30〜40分間にわたって、同時に
(A)第1の容器のクレイ/E−SBR/水混合物、及び
(B)水中の1100グラムの陽イオン性高分子第四級アミン(5%のパーケム 503TMとして)を小型ポンプによって滴下した。
分散系/溶液から沈殿したクレイ/E−SBRナノコンポジットは、本明細書において、E−SBR及びインシトゥで形成され、少なくとも部分的に剥離され、挿入されたクレイ粒子で構成されると考えられる。加え終わった後、沈降ナノコンポジットを遠心分離し、水を用いて洗浄した。得られたナノコンポジットクラムを、布張りトレイ中で強制空気オーブン中、約66℃(約150°F)でトレイ乾燥した。乾燥したナノコンポジットは、ムーニーML(1+4)粘度値約72を有した。
乾燥量基準で、ナノコンポジットは本明細書において、約10phrのインシトゥで形成され、少なくとも部分的に剥離され、挿入されたクレイ粒子(クレイの重量部/100重量部のE−SBR)で構成されると考えられた。
実施例V
天然ゴム/クレイナノコンポジットの製造
約4.1キログラム(約9ポンド)の天然シス1,4−ポリイソプレンゴムラテックス(高アンモニア、61%の固形物ラテックス)に、約8.2キログラム(約18ポンド)の軟水(従って本明細書において脱塩水であると考えられる)を加え、混合物を十分に撹拌した。希釈したラテックスのpHは約10.8だった。希釈したラテックスに約31.5グラムの20重量%のイルガノックス 565TM(Irganox 565TM)抗酸化剤エマルションを加え、それによって約0.25重量部のイルガノックス565抗酸化剤/100重量部の乾燥天然ゴムを提供した。その後、約14.4キログラム(約31.8ポンド)のサザン・クレイ・プロダクツ製のクロイサイト NA+クレイスラリー(約2.6%の固形物)を希釈したラテックスに加え、混合物を十分に撹拌した。クレイ/天然ゴムラテックスを、底部流出弁を含む第1の容器に加えた。
第2の容器に、雰囲気温度(約23℃)で、希硫酸を加えることによって約3〜約4のpHを維持した約12.3キログラム(約27ポンド)の軟水を、必要に応じて約30〜40分間にわたって加えた。
同時に、第2の容器中の水に、第1の容器(そのオーバーフロー弁によって)から、クレイ/天然ゴムラテックスを、水中の陽イオン性高分子第四級アミン(パーケム 503TM材料)の約2200グラムの5重量%の溶液と一緒に、小型ポンプによって約30〜約40分間にわたって滴下することによって加えた。
得られたクレイ/天然ゴム(ナノコンポジットを溶液/ラテックスから微細粒子として沈殿した。
第2の容器に加え終わった後、沈降微細ナノコンポジット粒子を遠心分離し、遠心分離機中で水を用いて洗浄した。得られたナノコンポジットクラムを、チーズ削り器を用いて分解して微細粒子にし、スクリーン張りトレイ上で強制空気オーブン中、約66℃(約150°F)でトレイ乾燥した。
乾燥量基準で、ナノコンポジットは本明細書において、約15phrのインシトゥで形成され、少なくとも部分的に剥離され、挿入されたクレイ粒子(クレイの重量部/100重量部の天然ゴム)で構成されると考えられた。
実施例VI
クレイ無しの対照天然ゴム(NR)の製造
天然ゴムラテックス(シス1,4−ポリイソプレンエラストマー陰イオン性エマルション)を、グッドイヤー・スマトラ・ラバー・プランテーションズ、スマトラウタラ、インドネシアから得た。ラテックスを出荷のために約50%の固形物に濃縮し、エマルションはアンモニアを用いて安定化した。この実施例の場合、上記に説明した約98キログラムの天然ゴムラテックス(50重量%固形物)を、高分子第四級アミンの約200グラムの水溶液の撹拌中の混合物(50重量%のパーケム 503TMとして)に、希硫酸を用いて調節済みであり3〜4の範囲内のpHを有する45キログラムの水を一緒に徐々に加えながら、約60℃(約140°F)の温度で徐々に加えることによって、クレイ無しの対照凝析済み天然ゴムの添加を行うことができる。得られた凝析済み天然ゴムクラムを、水を用いて洗浄し、約66℃(約150°F)でオーブン乾燥した。
実施例VII
ゴムコンポジットの製造
実施例I〜IVにおいて説明されている方法によって製造する様々なナノコンポジットを含むゴムコンポジットを製造し、本明細書において対照試料A及び試料B〜Dとして識別する。
対照試料Aを、実施例IIIにおいて説明されているように水性重合製造スチレン/ブタジエンコポリマーエラストマーから製造し、これに50phrのカーボンブラック(N299)をブレンドしてカーボンブラック補強材を提供する。試料Aは実施例II及びIVのナノコンポジットを含まない。
試料Bを、実施例IVに示すように製造したE−SBR/クレイナノコンポジット(本明細書においてナノコンポジットXと呼ぶ)から製造するが、ただしこれは、100重量部のE−SBR中に予め分散させた約6重量部のモンモリロナイトクレイ補強材を含んだ。
試料Cを、実施例IVに示すように製造したE−SBR/クレイナノコンポジット(本明細書においてナノコンポジットYと呼ぶ)から製造するが、ただしこれは、100重量部のE−SBR中に予め分散させた約9重量部のモンモリロナイトクレイ補強材を含んだ。
試料Dを、実施例IVに示すように製造したE−SBR/クレイナノコンポジット(本明細書においてナノコンポジットZと呼ぶ)から製造するが、ただしこれは、100重量部のE−SBR中に予め分散させた約15重量部のモンモリロナイトクレイ補強材を含んだ。
それぞれの試料の組成を以下の表1に示し、ここで示された成分をまず非生産的混合段階で内部ゴムミキサー中で温度約100℃に混合し(加硫剤無し)、混合物をミキサーから空け、40℃未満に冷却し、次に生産的混合段階で混合し(加硫剤あり)、この間加硫剤を短時間で加えて内部ゴムミキサー中で温度約60℃にし、得られた混合物をミキサーから空けた。“非生産的”混合及び“生産的”混合という用語は、ゴム混合の当業者には周知である。
Figure 2005089758
1実施例IIIにおいて製造したスチレン/ブタジエンエラストマー
2ASTM名称N299としてのカーボンブラック
3過酸化ジクミル加硫剤。
実施例VIII
実施例VIIにおいて製造した試料の様々な粘弾性特性を、以下の表2に報告する。試験を、DMTA(動機械的熱分析計、モデルDMTA IV(Dynamic Mechanical Thermal Analyzer, Model DMTA IV)、レオメトリック・サイエンティフィック(Rheometric Scientific)によって製造)を用い、テンションモードで室温で(例えば、約23℃で)実行し、E’及びタンデルタ値を様々な歪みで測定した。
Figure 2005089758
11%、5%及び7%歪みで決定したE’値は、動的貯蔵弾性率の尺度であり、通常ゴム組成物の剛性の尺度と考えられ、ここでE’値の増大は、ゴム組成物の剛性の増大を対応して示す。
21%、5%及び7%歪みで決定したンデルタ値は、動的損失弾性率対動的貯蔵弾性率の比であり、通常ヒステリシスの尺度と考えられ、ここでより低いヒステリシスは、ゴム組成物のトレッドを有するタイヤの場合に良好なタイヤ転がり抵抗を示し(転がりに対するより少ない抵抗)、従ってより良好な乗り物用燃料の節減に関連するので、一般に望ましい。タンデルタ値の減少は一般に、ゴム組成物のヒステリシスの望ましい減少を対応して示す。
それぞれナノコンポジットを含む試料B及びCは、ナノコンポジットを含まない対照試料Aと比較して、同様であるがより高い動的貯蔵弾性率E’値によって示されるように、比較的に同様であるがより高いこわさ特性を有することが表2から分かる。しかしながら、試料B及びCのヒステリシスは、タンデルタ値によって示されるように、対照試料Aのタンデルタ値よりもはるかに低い。従って、本明細書において、試料B及びC中にナノコンポジットを含むことは、重要で有益であると考えら、というのは、実質的にこわさを維持しながらゴム組成物のヒステリシスを低下させることは、本明細書において、タイヤトレッドを含むタイヤの様々な成分にとってタイヤ性能のために一般に望ましい特性であると考えられるからである。
試料B、C、及びDのゴム組成物は、対照試料Aと比較して、かなり減少した補強充填剤添加量、すなわち含量、すなわちカーボンブラック及びクレイ補強材の合計を有し、従ってより低い比重、または重量/単位体積を示すことも表2から分かり、これは、本明細書において、タイヤトレッドを含むタイヤの様々な成分にとってタイヤ性能のために、特に改良された関連する乗り物用燃料の節減のためにより軽いタイヤが望ましい場合に一般に望ましい特性であると考えられる。
実施例IX
ゴムコンポジットの製造
実施例I〜IVのように製造したナノコンポジットを含むゴムコンポジットを製造し、本明細書において対照試料E及びF並びに試料G、H及びJとして識別する。実施例Iの名称との混乱の可能性を避けるために、試料Iはない。
対照試料Eを、実施例Iにおいて説明されている水性重合製造スチレン/ブタジエンコポリマーエラストマーから製造し、回収し、これに10phrのカーボンブラック(N299)をブレンドしてカーボンブラック補強材を提供する。対照試料Eはナノコンポジットを含まない。
対照試料Fを、対照試料Eと同じスチレン/ブタジエンコポリマーエラストマーから製造し、これに10phrの精製され未処理の(水膨潤しておらず、挿入していない)モンモリロナイトクレイ補強材(サザン・クレイ・プロダクツCo.製のクロイサイト NA+)を、非生産的混合段階でスチレン/ブタジエンコポリマーエラストマーと乾式ブレンドし、クレイ挿入及び/または部分的剥離の程度は、この実施例におけるラストマーと物理的に混合することによって生じる。
試料Gを、実施例IIのように製造したE−SBR/クレイナノコンポジットを用いて製造し、本明細書においてナノコンポジットMと呼び、これはエラストマーエマルションマトリックス中にインシトゥで予備成形済みの10phrのモンモリロナイトクレイ補強材を含む。
試料Hを、実施例IVのように製造したE−SBR/クレイナノコンポジットを用いて製造し、本明細書においてナノコンポジットNと呼び、これはエラストマーエマルションマトリックス中にインシトゥで予備成形済みの10phrのモンモリロナイトクレイ補強材を含む。
試料Jを試料Hに従って製造するが、ただし3phrのカップリング剤(カップリング剤及びカーボンブラックのコンポジットとして)を非生産的混合段階の最中にゴム組成物とブレンドする。
混合物を、前述の非生産的及び生産的混合段階に関して以下の表3に示す。
Figure 2005089758
1実施例IIIにおいて製造したスチレン/ブタジエンエラストマー
2ASTM名称N299としてのカーボンブラック
3サザン・クレイ・プロダクツCo.製のクロイサイト NA+(精製され未処理のナトリウムモンモリロナイト)としてのモンモリロナイトクレイ
4重合済み1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリンとしての抗酸化剤
5デガッサ製のSi266として得られる50/50重量比のカップリング剤及びカーボンブラックのコンポジットであり、ここでカップリング剤は、ポリスルフィドブリッジ中に平均2〜2.5個の連結硫黄原子を有するビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドである
6N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド及びテトラメチルチウラムジスルフィドとしての加硫促進剤。
実施例X
実施例IXにおいて製造した組成物の引張り特性を、以下の表4に報告する。表4において、“UTS”という用語は“極限引張系”を意味する。試験を室温でインストロン万能試験装置モデル4201を用いて実行した。クロスヘッド速度を20インチ/分(50.8cm/分)で設定した。
Figure 2005089758
対照試料F(物理的に混合したクレイありでかつカーボンブラック補強材無し)は、対照試料E(クレイの代わりにカーボンブラック補強材あり)と比較して、等しい補強充填剤添加量、すなわち10phrを有し、同様の10%弾性率特性、幾分増大した50%弾性率特性、並びにかなり増大した100及び200%弾性率特性を有することが表4から分かる。
しかしながら、試料Fは、対照試料Eと比較してかなり低下した極限引張強さ及び破断時極限伸び特性を有し、これは本明細書においてより望ましくないと考えられる。
重要なことに、試料G(インシトゥで形成され、それによって予め分散され、部分的に剥離され、挿入されたクレイ小板補強材を有するナノコンポジットMを含んだ)は、対照試料F(物理的に混合した補強材あり)と比較して、同じ量のクレイを使用したが、様々な歪みでかなり増大した引張弾性率、並びに極限引張強さ及び破断時伸びの物理的性質を有することも表4から分かる。こうした物理的性質は、本明細書において、タイヤトレッドにおいて使用されるゴム組成物にとってタイヤ性能のために一般に望ましい特性であると考えられる。実施例IIのように製造したナノコンポジットMを含む試料Gによって示されるより良好な特性は、物理的に混合したモンモリロナイトクレイ粉末を有する対照試料Fと比較して、部分的に剥離され、挿入されたクレイ分散系の予備成形済みで陰イオン性のインシトゥで生成した分散系の実質的な寄与を示す。
要約すると、試料G、H、及びJ(インシトゥで形成され、部分的に剥離され、挿入されたクレイ小板補強材を含んだ)の場合、対照試料E及びFの両方と比較して、実質的に増大した引張剛性、極限引張強さ及び伸びが明らかであり、これは、従来の補強充填剤の例えばゴム補強カーボンブラック(対照試料E)及び単純に物理的に混合したモンモリロナイトクレイ(試料F)から得られるかもしれないものを越える、予め分散され、陰イオン性でインシトゥで形成され、部分的に剥離され、挿入されたクレイ小板の実質的なエラストマー補強寄与を示す。
試料J(カップリング剤を加えた)は、試料H(カップリング剤添加無し)と比較して、さらに増大した極限引張強さと低下した極限伸びを示し、これは、カップリング剤の使用による改良されたゴム/充填剤接着を示す。これは、本明細書において、タイヤトレッドを含むタイヤの様々な成分にとってタイヤ性能のために一般に望ましい特性であると考えられる。
実施例XI
ゴム組成物製造
実施例VIの方法によって製造した凝析済み天然ゴムを含むゴム組成物を製造し、この実施例において対照試料K、L、M及びNと呼ぶ。
実施例VIの凝析済み天然ゴム/クレイナノコンポジットを含むゴム組成物を製造し、本明細書において試料Oと呼ぶ。
対照試料K、L、M及びNは、それぞれ30、40、50及び60phrのカーボンブラック(ASTM名称N299カーボンブラック)を含んで、剥離され、挿入されたクレイ補強材の存在無しで様々なレベルのカーボンブラック補強材を提供する。
試料Oは、実施例VIIのように製造した天然ゴム/クレイナノコンポジットを含み、陰イオン性エラストマーエマルションホスト内部でインシトゥで製造された約6phrの部分的に剥離され、挿入されたモンモリロナイトクレイ補強材を含む。
ゴム組成物試料を、内部ゴムミキサー中で示される混合温度にして、非生産的及び生産的混合段階に関して以下の表6に示すように製造した。硫黄加硫可能なジエンベースのゴム組成物のためのこのような非生産的混合(硫黄加硫剤無し)続いて生産的混合(硫黄加硫剤及び促進剤あり)は、当業者には周知である。
Figure 2005089758
1ASTM名称N299としてのカーボンブラック
2100phrの天然ゴム及び6phrの部分的に剥離され、挿入されたモンモリロナイトクレイ粒子のその中の均一分散系で構成される、実施例VIIにおけるように製造したナノコンポジット。
3N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンとしての抗酸化剤
4ナフテン性/パラフィン性ゴム加工油としての加工油
5N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドとしての加硫促進剤。
実施例XII
実施例XIにおいて製造した試料の引張及び粘弾性物理的性質を以下の表6に報告する。
表において、“RPA”という用語は、アルファ・テクノロジーズ(Alpha Technologies)(以前はザ・フレクスシス・カンパニー(the Flexsys Company)であり、以前はザ・モンサント・カンパニー(the Monsanto Company))によるRPA 2000TM装置としてのゴムプロセス分析計(Rubber Process Analyzer)を指す。RPA 2000装置
に対する参照は、以下の刊行物:H. A. Palowski, et al, Rubber World, June 1992 and January 1997, 並びにRubber & Plastics News, April 26 and May 10, 1993に見い出すことができる。
“RPA”試験結果を、100℃、動的剪断モードで周波数11ヘルツで得られるデータとして及び報告された動的歪み値で報告する。
表において、“UTS”という用語は、インストロン万能試験装置モデル4201及びクロスヘッド速度20インチ/分(50.8cm/分)を使用した“極限引張系”を指す。
Figure 2005089758
11%、5%及び10%歪みで決定したG’値は、動的貯蔵弾性率の尺度であり、通常ゴム組成物の剛性の尺度と考えられ、ここでE’値の増大は、ゴム組成物の剛性の増大を対応して示す。
21%、5%及び10%歪みで決定したンデルタ値は、動的損失弾性率対動的貯蔵弾性率の比であり、通常ヒステリシスの尺度と考えられ、ここでより低いヒステリシスは、ゴム組成物のトレッドを有するタイヤの場合に良好なタイヤ転がり抵抗を示し(転がりに対するより少ない抵抗)、従ってより良好な乗り物用燃料の節減に関連するので、一般に望ましい。タンデルタ値の減少は一般に、ゴム組成物のヒステリシスの望ましい減少を対応して示す。
カーボンブラック添加量は、対照試料Kにおける30phrから対照試料Nにおける60phrまで体系的に増大し、比例してゴム化合物の剛性(G’)は増大し、並びにヒステリシスは増大した(増大したタンデルタ値)ことが表2から分かる。しかしながら、ナノコンポジット中に6phrの剥離され、挿入されたクレイ粒子を含み、並びに30phrのカーボンブラックを加えた試料Oにおいては、G’(剛性)並びにタンデルタ(ヒステリシス)値の両方は、試料Oに30phrのみを加えた代わりに40phrのカーボンブラックを加えた対照試料Kのものと同様であり、これは、本明細書において、カーボンブラック補強材の一部分を、剥離され、挿入されたクレイ粒子補強材で成功裏に置き換えることに関する限りは望ましいと考えられる。
UTS試験から、試料Oの場合に報告された引張弾性率は、対照試料K及びL(それぞれ30及び40phrのカーボンブラックを含む)の場合よりもかなり高く、対照試料M(50phrのカーボンブラックを含む)の場合の100%弾性率と同様であり、対照試料M(50phrのカーボンブラックを含む)の場合の200%及び300%弾性率よりもわずかに低いことが表2から分かる。
これは本明細書において望ましいと考えられ、というのは、これは、より少ない全補強充填剤(試料Oの36phrのカーボンブラックプラス剥離され、挿入されたクレイ粒子)を使用して、それぞれ30phr及び40phrのカーボンブラック含有の対照試料K及びLと比較的に等しいかまたは同様のG’(剛性)及びタンデルタ(ヒステリシス)の物理的性質を得る能力を証明するからである。
実際、実質的に同等のゴム物理的性質を有するそれぞれのゴム組成物中のより少ない補強充填剤添加量は、ゴム組成物及びこのようなゴム組成物を有する成分を有するタイヤのための低下した重量を意味し、さらに、関連する乗り物のためのより良好な燃料の節減を意味する。
実施例XIII
本明細書において実施例IVのように製造されたE−SBR及びインシトゥで形成され、剥離され、挿入された、水膨潤可能なクレイ(モンモリロナイトクレイ)で構成されるナノコンポジットをブレンドすることによってゴム組成物を製造するが、ただしこの実施例のモンモリロナイトは、実施例IVの10重量部のクレイの代わりに、10、30及び45重量部のクレイ/100重量部のホストエラストマーを含んだ。
この実施例のゴム組成物を、対照試料P及び試料Q、R及びSと呼ぶ。
対照試料Pは、シス1,4−ポリブタジエンゴム、天然シス1,4−ポリイソプレンゴム及び合成シス1,4−ポリイソプレンゴムで構成されるゴム組成物である。対照試料Pはナノコンポジットを含まない。
試料Q、R及びSは、対照試料Pと同様のゴム組成物であるが、ただしこれらはクレイ/E−SBRナノコンポジットを含み、ここで個々のナノコンポジットを、本明細書においてマスターバッチと呼ぶことがあり得る。ナノコンポジットマスターバッチは、15、30及び45重量部/100重量部ゴムのクレイ粒子の上記に参照した量で、実質的に剥離され、挿入されたクレイ(モンモリロナイトクレイ)の分散系を含んだ。表7は、ナノコンポジットマスターバッチ中に存在するクレイ粒子を示す。E−SBRは、スチレン/ブタジエンコポリマー自体を基準として、スチレン含有率約23.5重量%を有した。
Figure 2005089758
以下の表8に示す成分をまず非生産的混合段階で内部ゴムミキサー中で温度約160℃に混合し(加硫剤無し)、混合物をミキサーから空け、40℃未満に冷却し、次に生産的混合段階で混合し、この間加硫剤を短時間で加えて内部ゴムミキサー中で温度約110℃にし、得られた混合物をミキサーから空けた。“非生産的”混合及び“生産的”混合という用語は、ゴム混合の当業者には周知である。
Figure 2005089758
1ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー(the Goodyear Tire & Rubber Company)製のブデン 1254TM(Budene 1254TM)としての合成シス1,4−ポリブタジエンゴム
2ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー製のナツィン 2200TM(Natsyn 2200TM)としての合成シス1,4−ポリイソプレンゴム
3ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー製のプライオフレックス 1712TM(PLIOFLEX 1712TM)としてのスチレン/ブタジエンゴム
4ベンゾチアゾールジスルフィド及びジチオモルホリンタイプとしての加硫促進剤。
対照試料Pは、シス1,4−ポリブタジエンゴム、天然シス1,4−ポリイソプレンゴム、合成シス1,4−ポリイソプレンゴム、及び実施例IIIにおいて説明されているように水性重合によって製造したスチレン/ブタジエンコポリマーエラストマーで構成され、これに65phrのカーボンブラック(N200)をブレンドしてカーボンブラック補強材を提供し、部分的に剥離され、挿入されたクレイを有しないゴム組成物である。
試料Qは、クレイ含量以外は実施例IVと同様に製造したナノコンポジットAマスターバッチ、すなわちナノコンポジットマスターバッチを用いて製造し、そこでナノコンポジットマスターバッチAは、約15重量部の部分的に剥離され、挿入されたモンモリロナイトクレイ補強材/ナノコンポジットの100重量部のE−SBRホスト(全ゴム組成物中4.5phrのクレイ粒子)を含み、一緒に45phrのN220カーボンブラックを全ゴム組成物に加えた。
試料Rは、クレイ含量以外は実施例IVと同様に製造したナノコンポジットBマスターバッチ、すなわちナノコンポジットマスターバッチを用いて製造し、そこでナノコンポジットマスターバッチBは、約30重量部の部分的に挿入され、部分的に剥離されたモンモリロナイトクレイ補強材/ナノコンポジットの100重量部のエラストマーホスト(全ゴム組成物中9phrのクレイ粒子)を含み、一緒に38phrのN220カーボンブラックを全ゴム組成物に加えた。
試料Sは、クレイ含量以外は実施例IVと同様に製造したナノコンポジットCマスターバッチ、すなわちナノコンポジットマスターバッチを用いて製造し、そこでナノコンポジットマスターバッチCは、約45重量部の部分的に挿入され、部分的に剥離されたモンモリロナイトクレイ補強材/ナノコンポジットの100重量部のエラストマーホスト(全ゴム組成物中13.5phrのクレイ粒子)を含み、一緒に25phrのN220カーボンブラックを全ゴム組成物に加えた。
試料Q、R及びS中に含まれる個々のナノコンポジットの量に関するナノコンポジットの量の要約を、試料Q、R及びSの場合に加えるカーボンブラック並びに対照試料P中に含まれるE−SBR及びカーボンブラックと一緒に以下の表9に示す。
Figure 2005089758
実施例XIV
実施例XIIIの対照試料P並びに試料Q、R及びSの様々な粘弾性特性を、以下の表10に報告する。試験をRPA(前に説明した)、MTS及びATS装置または装置系を用いて実行した。“MTS”という用語は、MTSカンパニー製の“材料試験系”モデル810、を指す。“ATS”という用語を、本明細書において“自動化引張系”と呼び、ここで様々な試験を様々な装置上で実行し、これは例えばリング弾性率、反発弾性、ショアーA硬さ及び比重である。特に、試験を、インストロンモデル4201装置(例えば、リング弾性率、引張強さ及び伸び値)、ツヴィック反発弾性装置(反発弾性値の場合)、及びウォーレス比重計装置上で実行した。このような計器装備及び試験は当業者には周知である。
Figure 2005089758
G’値は、ねじれ剪断におけるゴム試料の剛性の尺度であり、通常ゴム組成物の弾性剛性率(elastic shear modulus)の尺度と考えられ、ここでG’の増大は、特にねじれ下でのゴム試料の組成に関する剛性を対応して示す。
E’値は、動的貯蔵弾性率の尺度であり、通常ゴム組成物の剛性の尺度と考えられ、ここでE’値の増大は、ゴム組成物の剛性の増大を対応して示す。
試料Q、R、及びSは、対照試料Pと比較して、タンデルタ値のかなりの低下及び反発弾性値のかなりの増大を示し、これはヒステリシスのかなりの減少を示し、これは、荷重下で機能する場合のゴム組成物の熱蓄積(温度の増大)の低減を示すことが表10から分かる。
従って、カーボンブラック補強材の一部分の代わりに、剥離され、挿入されたクレイ(E−SBRホスト内部でインシトゥで分散系として形成された)を使用することは、本明細書において、熱蓄積の実質的な低減(ヒステリシスのかなりの減少)を提供し、同時に依然としてゴム組成物の妥当な補強及び剛性を維持することが分かる。剥離され、挿入されたクレイを含むことは従って、ここでは、これは、ゴム組成物の適切な剛性を提供し、同時にそのヒステリシスを低下することを可能にするという点で、ゴム組成物たのために重要で有益な物理的性質を選択することが分かる。
試料Q、R、及びSは、対照試料Pと比較して、かなりより低い比重を有し、従ってかなりの重量低減を示すことも分かり、これは主に、カーボンブラック補強材の一部分を置き換えるために、剥離され、挿入されたクレイ(E−SBRホスト内部でインシトゥで分散系として形成された)を使用することが理由である。加えて、試料Q、R及びSの弾性率/引張/伸び及び耐磨耗性特性は、対照試料Pのものと同様であることは了解できるはずである。
こうした態様は、本明細書において、タイヤ及び特に航空機タイヤトレッドのための成分のためのゴム組成物に特に適していると考えられ、ここでヒステリシスの低下は航空機タイヤトレッドにとって熱蓄積を低減するためにかなり望ましく、従って航空機の離陸及び着陸のためのタイヤの耐久性を促進し、航空機タイヤトレッド自体の重量の低減は、地上及び空中の両方での航空機の乗り物用燃料を温存する(燃料の節減)ためにかなり望ましい。
本発明を実施するために様々な具体例を本明細書において開示してきたが、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、本発明に様々な変更及び修正を行い得ることは当業者であれば明白であろう。

Claims (3)

  1. エラストマー及び少なくとも部分的に剥離され、挿入された水膨潤可能なクレイを含むナノコンポジットの、陰イオン性エラストマー粒子のエラストマーホスト内部でのインシトゥでの製造方法であって:
    (A)以下のものをブレンドすることによって、水膨潤したクレイ及び陰イオン性ポリマー粒子エマルションの第1のブレンドを形成することと:
    (1)水及び多層の水膨潤可能なクレイ(該クレイのための第四級アンモニウム塩挿入剤を除くを含む水性混合物、ここで前記水膨潤可能なクレイは、複数の積層小板と該小板同士の間の水膨張したギャラリーを含み、ここで前記ギャラリーは天然に存在する陽イオン交換可能なイオンをその中に含む、と一緒に
    (2)ラジカル発生重合開始剤及び非重合性の陰イオン界面活性剤の存在下でのスチレン及び1,3−ブタジエンモノマーの水性ラジカル誘導重合によって製造される陰イオン性エラストマー粒子を含む約6〜11の範囲内のpHを有する水性予備成形済みエラストマーとしての陰イオン性合成エラストマー粒子のエマルション(熱可塑性ポリマーラテックスを除く)、または
    (3)陰イオン性天然シス1,4−ポリイソプレンエラストマー粒子のエマルション、並びに
    (B)前記第1のブレンドと以下のものをブレンドすることと、
    (1)水及び陽イオン性高分子第四級アミンエチレンポリアミンから選択される少なくとも2つのアミン中心を有するアミンを含む水性混合物、及び所望により
    (2)水及び3〜4の範囲内のpHを有する無機酸を含む水性混合物;
    を含むことを特徴とする方法であって、
    ここで、前記ラジカル発生重合開始剤は:
    (A)カリウムペルオキシジスルフェート及びアンモニウムペルオキシジスルフェートのうちの少なくとも1つから選択される陰イオン性水性重合開始剤、または
    (B)ベンゾイルペルオキシド、アゾビスイソブチロニトリル及びヒドロペルオキシドのうちの少なくとも1つから選択される中性ラジカル水性重合開始剤であり、
    前記水膨潤可能なクレイは、水膨潤可能なスメクタイトクレイ、バーミキュライトベースのクレイ及び雲母クレイのうちの少なくとも1つから選択され、ここで、前記スメクタイトクレイは、モンモリロナイト、ヘクトライト、ノントライト、バイデライト、ヴォルコンスコイト、サポナイト、ソーコナイト、ソボッカイト、ステレンサイト、及びシンフォダイトクレイのうちの少なくとも1つから選択される、方法。
  2. ゴム組成物であって、重量部/100重量部エラストマー(phr)を基準として:
    (A)約5〜約150phrの請求項1に記載の方法によって製造されるナノコンポジット、
    (B)ゼロ〜約95phrの少なくとも1つの追加のジエンベースのエラストマー(前記ナノコンポジットから誘導される前記ゴム組成物中に含まれるエラストマー及び前記追加のジエンベースのエラストマーの合計が100重量部ならば)、
    (C)カーボンブラック、沈降シリカ凝集体、シリカのドメインを表面に含むシリカ含有カーボンブラック、及びこれらの混合物から選択されるゼロ〜約100phrの少なくとも1つの追加の補強粒子状充填剤、及び、所望により
    (D)前記剥離小板小板表面の周辺縁部に含まれるヒドロキシルと反応性があり、前記シリカ及び/またはシリカ含有カーボンブラックを使用する場合、前記沈降シリカ凝集体及び前記シリカ含有カーボンブラックの表面に含まれるヒドロキシル基と反応性がある部分、及び前記ナノコンポジットを構成するエラストマーのうちの前記ジエンベースエラストマー及び前記追加のエラストマーのうちの少なくとも1つと相互作用する別の部分を含むカップリング剤、
    を含むゴム組成物。
  3. 請求項2に記載のゴム組成物を含むトレッドを有するタイヤ。
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