JP2005089306A - 炎症性腸疾患治療用の経直腸投与製剤 - Google Patents

炎症性腸疾患治療用の経直腸投与製剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 便秘を引き起こすなどの特別な副作用がなく、炎症性腸疾患(例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎)、人工肛門周辺部の皮膚炎症またはクローン病患者のロウ孔若しくは痔ろうの治療に用いる製剤を提供すること。
【解決手段】活性炭を有効成分として含有することを特徴とする、炎症性腸疾患、人工肛門周辺部の皮膚炎症またはクローン病患者のロウ孔若しくは痔ろうの治療に用いる経直腸投与製剤。活性炭が球形活性炭であり、製剤が、坐剤、起泡剤または注腸剤であるのが好ましい。

Description

本発明は、活性炭を有効成分とする炎症性腸疾患、人工肛門周辺部の皮膚炎症またはクローン病患者のロウ孔若しくは痔ろうの治療に用いる経直腸投与製剤に関するものである。特に、クローン病の治療に有用である。
炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease;IBD)は、炎症を伴う腸疾患の総称であり、その主要な疾患としては潰瘍性大腸炎およびクローン病が挙げられる。
潰瘍性大腸炎は、主として大腸粘膜を侵し、しばしば、びらんや潰瘍を形成するびまん性非特異性炎症疾患である。病変は粘膜下層に主に生じる。臨床症状は、粘血便、腹痛、血便、水様便、発熱、食欲不振、悪心、嘔吐などである。潰瘍性大腸炎の治療用薬剤として、サラゾスルファピリジン「サラゾピリン(登録商標)」、副腎皮質ステロイド、免疫抑制剤、5−アミノサリチル酸(5−ASA)「ペンタサ(登録商標)」などが使用されているが、これらの薬剤では、潰瘍性大腸炎の治療が十分とは言えない。
クローン病は、原因不明の特発性の慢性腸炎であり、小腸から大腸にかけて非特異的な炎症症状が表れる。特にクローン病は、繊維化や潰瘍を伴う肉芽腫性病変からなり、口腔から肛門まで全消化管に発症の可能性がある。クローン病の臨床症状としては、腹痛、全身倦怠、下痢、下血・潜血陽性、発熱、体重減少、貧血、イレウス症状、腹部腫瘤、悪心、嘔吐、腹膜炎症状などが挙げられる。
クローン病は、栄養障害の他、種々の消化器および腸管外症状、例えば、腸管狭窄、腸穿孔、腹部濃瘍、大出血などの重篤な症状を同時に引き起こし、腸手術などの処置を要することが多い。日本国内では主にアミノ酸を含有した栄養治療法が主に使用され、主として薬剤による治療が試みられている。クローン病の治療用薬剤として、日本ではアミノ酸含有の栄養治療剤をベースに、サラゾスルファピリジン「サラゾピリン(登録商標)」、メトロニダゾール「フラジール(登録商標)」、副腎皮質ステロイド、免疫抑制剤、5−アミノサリチル酸(5−ASA)「ペンタサ(登録商標)」などが投与される。最近では抗TNF抗体「レミケード(登録商標)」の投与も臨床で使用され始めている。しかしながら、これらの薬剤の投与によっても、クローン病の治療はまだ不十分といえる。
人工肛門周辺部の皮膚炎症は、炎症性腸疾患(例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎)の腸管病変部分を除去して人工肛門を装着した後に人工肛門周辺部に生じる皮膚炎症である。人工肛門周辺部の皮膚炎症の症状としては、便の漏れや汚れによる、人工肛門周辺部のかぶれ、びらん、そう痒、発赤等の炎症などが挙げられる。
人工肛門周辺部の皮膚炎症は、皮膚の保護剤、乳剤、クリーム、抗炎症剤、抗生物質などが使用されている。しかしながら、これらの薬剤の使用によっても、人工肛門周辺部の皮膚炎症を根本的に治療することはできず、まだ不十分といえる。
クローン病患者の中には、ロウ孔若しくは痔ろうを併発している場合がある。ここで、痔ろうとは、肛門管およびその周辺に存在するロウ孔(瘻孔)であり、細菌感染により一時的に発生したものである。
ロウ孔若しくは痔ろうは、殺菌消毒剤、鎮痛・消炎剤、止血剤、収斂剤などの坐剤、軟膏剤、内服剤などが使用されている。しかしながら、薬剤を使用しても根本的に治療することはできず、まだ不十分といえる。
最近では、活性炭を経口投与することによりクローン病患者特有のロウ孔や痔ろうを治療することが検討されている(特許文献1参照)。しかしながら、クローン病患者のロウ孔、痔ろうは主に直腸から肛門に近い部分で見出されることが多く、経口投与では、活性炭の投与量も多くなり、また一方で直接的な治療効果が不十分であり、より効果的な治療方法が求められている。
炎症性大腸炎の場合、経口投与では確かに胃から小腸、大腸右部での治療効果は有意に認められるが、一方で直腸部分から肛門部分にかけての治療効果が弱いことが以前から指摘されていた。5−ASAや副腎ステロイド剤などでは、腸溶製剤や徐放製剤が開発され、大腸左部へ薬剤が到達するように工夫されているが、薬効的にはまだ満足できるようなものではない。
一方で、上記の5−ASAや副腎ステロイド剤の経直腸投与も検討され、注腸による薬剤の直接投与によって、大腸下部や肛門付近の潰瘍治療に効果を挙げている。
また、球形活性炭製剤は、従来から経口解毒剤として使われている。この球形活性炭製剤は、さらに、炎症性腸疾患(例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎)、人工肛門周辺部の皮膚炎症の治療薬としての検討も行われているが、いずれも経口投与する製剤に関する検討であり(特許文献1)、直腸投与することについて検討されたことはない。
特開平8−40918号
本発明は、便秘を引き起こすなどの特別な副作用がなく、炎症性腸疾患(例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎)、人工肛門周辺部の皮膚炎症またはクローン病患者のロウ孔若しくは痔ろうの治療に用いる製剤を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の目的を達成すべく、炎症性腸疾患(具体的には、クローン病、潰瘍性大腸炎)について鋭意研究した結果、活性炭(特に、球形活性炭)を直腸投与することにより、優れた効果が現れることを見い出し、本発明を完成するに至った。なお、球形活性炭製剤は、従来から経口の解毒剤として使われており、最近では、また、経口の炎症性腸疾患または人工肛門周辺部の皮膚炎症の治療薬として検討も行われているが、直腸投与することについて報告された例はない。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1) 活性炭を有効成分として含有することを特徴とする、炎症性腸疾患、人工肛門周辺部の皮膚炎症またはクローン病患者のロウ孔若しくは痔ろうの治療に用いる経直腸投与製剤。
(2) 坐剤、起泡剤または注腸剤であることを特徴とする(1)記載の経直腸投与製剤。
(3) 活性炭が、日本薬局方薬用炭または球形活性炭であることを特徴とする(1)または(2)記載の経直腸投与製剤。
(4) 活性炭が粒径0.05〜2.0mmの球形活性炭であることを特徴とする(1)〜(3)記載の経直腸投与製剤。
(5) カプセル剤皮に活性炭を充填したことを特徴とする(1)〜(4)記載の経直腸投与製剤。
(6) カプセル剤皮がゼラチン、セルロース誘導体またはでんぷんから選択されるものであることを特徴とする(5)記載の経直腸投与製剤。
(7) セルロース誘導体がヒドロキシプロピルメチルセルロースであることを特徴とする(6)記載の経直腸投与製剤。
(8) 活性炭を錠剤として成型したことを特徴とする(1)、(3)または(4)記載の経直腸投与製剤。
(9) 活性炭を含有する剤が直腸または肛門で溶解するものであることを特徴とする(8)記載の経直腸投与製剤。
(10) pH7以上で溶解する腸溶製剤であることを特徴とする(8)または(9)記載の経直腸投与製剤。
(11) 蒸留水、精製水または生理的溶液に活性炭を懸濁した注腸剤形態であることを特徴とする(1)〜(4)記載の経直腸投与製剤。
(12) 水が食塩水注腸を形成するだけの量で存在することを特徴とする(11)記載の経直腸投与製剤。
(13) 起泡剤が、直腸や肛門投与に好適な泡剤であることを特徴とする(1)または(2)記載の経直腸投与製剤。
(14) 起泡剤が、活性炭、界面活性剤、補助剤および発泡剤を含むことを特徴とする(1)、(2)または(13)記載の経直腸投与製剤。
(15) 起泡剤が、有効成分としての活性炭、プロピレングリコール、乳化ロウ、ポリオキシエチレン−10−ステアリルエーテル、エチルアルコール、メチルパラベン、トロラミン、メチルセルロースおよびプロピルパラベンから選ばれる1または2以上の薬剤、精製水および不活性推進剤であるジクロロジフルオロメタンもしくはジクロロテトラフルオロエタンを含む泡剤、を含むことを特徴とする(14)記載の経直腸投与製剤。
(16) 活性炭と併用して抗炎症作用をもたらすのに効果的な量のステロイド、5-アミノサリチル酸、サラゾピリン、免疫抑制剤から選ばれる少なくとも1つの薬剤を含有する坐剤、起泡剤または注腸剤であることを特徴とする(1)〜(15)記載の経直腸投与製剤。
(17)活性炭を含有することを特徴とする、経直腸投与用の炎症性腸疾患、人工肛門周辺部の皮膚炎症またはクローン病患者のロウ孔若しくは痔ろうの治療剤。
(18)炎症性腸疾患がクローン病または潰瘍性大腸炎である(17)記載の治療剤。
さらに、また、本発明は以下の通りである。
(19)活性炭を含有する坐剤、起泡剤または注腸剤を、炎症性腸疾患の患者の直腸または肛門に投与することを特徴とする炎症性腸疾患の治療方法。
(20) 活性炭を含有する坐剤、起泡剤または注腸剤を、人工肛門装着者の直腸または肛門に投与することを特徴とする人工肛門周辺部の皮膚炎症の治療方法。
(21) 活性炭を含有する坐剤、起泡剤または注腸剤を、クローン病患者の直腸または肛門に投与することを特徴とするロウ孔若しくは痔ろうの治療方法。
本発明は、活性炭(特に、粒径0.05〜2.0mmの球形活性炭)を経直腸製剤として投与することにより、便秘を引き起こすなどの特別な副作用がなく、炎症性腸疾患(具体的には、クローン病または潰瘍性大腸炎)、人工肛門周辺部の皮膚炎症またはクローン病患者のロウ孔若しくは痔ろうの治療に有効であり、特に、クローン病の治療に優れた効果を有するものである。また、直接直腸に投与することにより、活性炭の投与量を経口投与に比べて減少させることが可能であり、さらに、本発明は、活性炭と、副腎皮質ホルモン、5−ASA、サラゾピリンまたは免疫抑制剤から選ばれる少なくとも1つの薬剤とを併用することにより、併用薬剤の投与量を減らすことが可能であり、副作用の軽減が期待できるものである。
以下、本発明を詳述する。
本発明における「活性炭」としては、日本薬局方薬用炭または球形活性炭が挙げられる。ここで、「日本薬局方薬用炭」としては、日本の薬局方薬における炭をいい、「球形活性炭」としては、球形に製した活性炭をいう。このうち、球形活性炭は、粉末活性炭に比し、直腸投与時に飛散せず、しかも、連続使用しても便秘を惹起しない利点を有し、本発明における疾患の治療薬の有効成分としてより好ましい。また、更にゼオライト等の吸着剤を用いることも出来、これも本件発明に含まれるものである。
本発明における「球形活性炭」は、吸着能に優れていることが好ましく、市販の比表面積測定装置による比表面積が500〜2,000m/gのような吸着能に優れたものを用いることが好ましい。例えば、球形活性炭としては、医療用に内服使用し得る粒径が通常0.05〜2.0mm、好ましくは0.1〜1.0mmの球形活性炭が使用される。粒径が0.05mm未満の場合は、便秘などの副作用が発生することがあり、2.0mmを超える場合は、直腸投与し難いだけでなく、目的とする薬理効果も迅速に発現されない。
「球形活性炭」の例としては、炭素質粉末からの造粒球形活性炭、有機合成高分子由来の球形活性炭および石油系炭化水素(石油系ピッチ)由来の球形活性炭が挙げられる。また、球形活性炭の製造方法としては、一般的に知られている方法で製することでよく、例えば、原料の炭素質を小粒球形に造粒後、不活性雰囲気中で600〜1000度の温度に加熱焼成して炭化後、更に賦活化する方法が挙げられる。賦活化としては、水蒸気、空気、炭酸ガス、薬品等の雰囲気中で行われる。球形活性炭の製造には、任意の原料、例えば、オガ屑、石炭、ヤシ殻、石油系もしくは石炭系の各種ピッチ類または有機合成高分子を原料として製造することができる。
前述の石油系炭化水素由来の球形活性炭を有効成分とする商品として、「クレメジン(登録商標)」(呉羽化学工業株式会社製商品)が挙げられる。「クレメジン」の有効成分は、石油系炭化水素由来の球形微粒多孔質炭素を高温にて酸化及び還元処理して得た球形吸着炭であり、クレメジンは、粒径約0.2〜0.4mmの単一球形微粒子状活性炭を有効成分とする慢性腎不全治療薬である経口投与製剤である。
本発明における「炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease;IBD)」は、炎症を伴う腸疾患の総称である。その主要な疾患としては、潰瘍性大腸炎およびクローン病が挙げられる。
このうち「潰瘍性大腸炎」は、主として大腸粘膜を侵し、しばしば、びらんや潰瘍を形成するびまん性非特異性炎症疾患である。病変は粘膜下層に主に生じる。臨床症状は、粘血便、腹痛、血便、水様便、発熱、食欲不振、悪心、嘔吐などである。
また、「クローン病」は、原因不明の特発性の慢性腸炎である。小腸から大腸にかけて非特異的な炎症症状が表れる。特にクローン病は、繊維化や潰瘍を伴う肉芽腫性病変からなり、口腔から肛門まで全消化管に発症の可能性がある。クローン病の臨床症状としては、腹痛、全身倦怠、下痢、下血・潜血陽性、発熱、体重減少、貧血、イレウス症状、腹部腫瘤、悪心、嘔吐、腹膜炎症状などが挙げられる。
「人工肛門周辺部の皮膚炎症」は、炎症性腸疾患(例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎)の腸管病変部分を除去して人工肛門を装着した後に人工肛門周辺部に生じる皮膚炎症である。人工肛門周辺部の皮膚炎症の症状としては、便の漏れや汚れによる、人工肛門周辺部のかぶれ、びらん、そう痒、発赤等の炎症などが挙げられる。
「痔ろう」とは、肛門管およびその周辺に存在するロウ孔(瘻孔)であり、「ロウ孔」とは、痔ろうの際に肛門管およびその周辺に存在するロウ管(瘻管)の開口部分である。これは、細菌感染等により一時的に発生する。
本発明の炎症性腸疾患、人工肛門周辺部の皮膚炎症またはクローン病患者のロウ孔若しくは痔ろうの治療剤の適用対象は、ヒトおよび哺乳動物であり、経直腸的に投与するものである。そして、その投与量としては、対象(ヒトまたは哺乳動物)、年齢、個人差、病状などに依存するものであるが、例えば、ヒトの場合の1日当たりの投与量は、球形活性炭量として、通常0.2〜20g、好ましくは1〜10gであるが、症状により、投与量を適宜増減することが出来る。また、投与は、1回/日であっても、複数回に分けて行ってもよい。
本発明の活性炭含有製剤の投与経路は、経直腸である。具体的には、坐剤として投与することもできるし、生理的溶液に懸濁して注腸剤あるいは起泡剤として投与することも出来る。このように剤型として、坐剤、起泡剤または注腸剤などの任意の剤形を採用することが出来るものである。
これらの製剤は、例えば、球形活性炭はそのまま容器に封入され、下記のとおり製剤化することが出来る。カプセル剤とする場合には、例えば、ゼラチンカプセルに球形活性炭200mgを封入することにより調製することが出来る。起泡剤は、適当な溶媒に界面活性剤および補助剤を加え、球形活性炭を懸濁後適当な容器やカプセルに詰めて製剤化することができる。注腸剤は、生理的溶液に球形活性炭を懸濁後、適当な注腸用容器に充填し製剤化することができる。
本発明の製剤を坐剤としてカプセル剤に充填した製剤とする場合、通常のゼラチンカプセルに充填して製するほか、必要に応じ、腸溶解性のカプセルを使用することも出来る。カプセル剤皮としては、例えば、ゼラチン、セルロース誘導体またはでんぷんを挙げることができ、このうち、セルロース誘導体としては例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースなどを挙げることができる。また、坐剤として錠剤とする場合には、直接打錠することも出来るが、薬学的に許容される賦形剤等を用いることが出来るのは言うまでもない。さらに、体内で元の活性炭に解錠されることが好ましい。このような坐剤とする場合には、活性炭を含有する剤が直腸または肛門で溶解するものとすることもでき、さらにpH7以上で溶解する腸溶製剤とすることもでき、これらの軽微な変更も本件発明に含有されるものである。
本発明の注腸剤とするには、薬学的に許容される生理的な溶液であれば使用することができ、蒸留水、精製水なども使用することができる。適切な坐剤基剤は1以上の活性な化合物と坐剤基剤との組み合わせからなり、例えば、天然もしくは合成のトリグリセリドまたはパラフィン炭化水素を挙げることができる。また、液体または発泡注腸とすることもでき、起泡剤としては、直腸および肛門内で、効率よく泡を生産させ、活性炭を満遍なく直腸及び肛門内に分散させるものであれば、薬学的に許容される、一般に知られる剤を使用することができ、界面活性剤、補助剤および発泡剤を含む組成物や、プロピレングリコール、乳化ロウ、ポリオキシエチレン−10−ステアリルエーテル、エチルアルコール、メチルパラベン、トロラミン、メチルセルロースおよびプロピルパラベンから選ばれる1または2以上の薬剤、精製水および不活性推進剤であるジクロロジフルオロメタンもしくはジクロロテトラフルオロエタンを含む泡剤を挙げることができる。
本発明の製剤中の活性炭の含有量としては、通常、1%以上100%以下であり、薬学的に許容される賦形剤、安定化剤、界面活性剤、補助剤および発泡剤を適宜含有させることができるものである。
また、本発明では、活性炭と併用して抗炎症作用をもたらすのに効果的な量のステロイド、5-アミノサリチル酸(5−ASA)、サラゾピリンまたは免疫抑制剤等から選ばれる少なくとも1つの薬剤を適宜含有させることもでき、これらも本発明に含まれるものである。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[製造例1] 石油系炭化水素由来の球形多孔質炭素に酸化、還元処理を施した球形活性炭の1gをビーカーに取り、約50℃で溶融したウイテプゾールW35の2gを撹拌しながら少量ずつ加えた。十分に混和し、均一な混液とし、約40℃で坐剤型に注入した後、室温で固化させ、活性炭1gを含有する坐剤を製した。
[製造例2] 製造例1に用いたのと同じ球形活性炭の1gを秤り、プロピレングリコール5mLをビーカー中にて十分に混合し、注腸用容器に充填して、注腸剤を得た。
以上、詳述した通り、活性炭(特に、粒径0.05〜2.0mmの球形活性炭)を直腸から投与することは、炎症性腸疾患(例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎)、人工肛門周辺部の皮膚炎症またはクローン病患者のロウ孔若しくは痔ろうの治療に有効であり、優れた効果を有する。特に、クローン病の治療に優れた効果を有する。

Claims (18)

  1. 活性炭を有効成分として含有することを特徴とする、炎症性腸疾患、人工肛門周辺部の皮膚炎症またはクローン病患者のロウ孔若しくは痔ろうの治療に用いる経直腸投与製剤。
  2. 坐剤、起泡剤または注腸剤であることを特徴とする請求項1記載の経直腸投与製剤。
  3. 活性炭が、日本薬局方薬用炭または球形活性炭であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の経直腸投与製剤。
  4. 活性炭が粒径0.05〜2.0mmの球形活性炭であることを特徴とする請求項1〜3記載の経直腸投与製剤。
  5. カプセル剤皮に活性炭を充填したことを特徴とする請求項1〜4記載の経直腸投与製剤。
  6. カプセル剤皮がゼラチン、セルロース誘導体またはでんぷんから選択されるものであることを特徴とする請求項5記載の経直腸投与製剤。
  7. セルロース誘導体がヒドロキシプロピルメチルセルロースであることを特徴とする請求項6記載の経直腸投与製剤。
  8. 活性炭を錠剤として成型したことを特徴とする請求項1、3または4記載の経直腸投与製剤。
  9. 活性炭を含有する剤が直腸または肛門で溶解するものであることを特徴とする請求項8記載の経直腸投与製剤。
  10. pH7以上で溶解する腸溶製剤であることを特徴とする請求項8または9記載の経直腸投与製剤。
  11. 蒸留水、精製水または生理的溶液に活性炭を懸濁した注腸剤形態であることを特徴とする請求項1〜4記載の経直腸投与製剤。
  12. 水が食塩水注腸を形成するだけの量で存在することを特徴とする請求項11記載の経直腸投与製剤。
  13. 起泡剤が、直腸や肛門投与に好適な泡剤であることを特徴とする請求項1または2記載の経直腸投与製剤。
  14. 起泡剤が、活性炭、界面活性剤、補助剤および発泡剤を含むことを特徴とする請求項1、2または13記載の経直腸投与製剤。
  15. 起泡剤が、有効成分としての活性炭、プロピレングリコール、乳化ロウ、ポリオキシエチレン−10−ステアリルエーテル、エチルアルコール、メチルパラベン、トロラミン、メチルセルロースおよびプロピルパラベンから選ばれる1または2以上の薬剤、精製水および不活性推進剤であるジクロロジフルオロメタンもしくはジクロロテトラフルオロエタンを含む泡剤、を含むことを特徴とする請求項14記載の経直腸投与製剤。
  16. 活性炭と併用して抗炎症作用をもたらすのに効果的な量のステロイド、5-アミノサリチル酸、サラゾピリン、免疫抑制剤から選ばれる少なくとも1つの薬剤を含有する坐剤、起泡剤または注腸剤であることを特徴とする請求項1〜15記載の経直腸投与製剤。
  17. 活性炭を含有することを特徴とする、経直腸投与用の炎症性腸疾患、人工肛門周辺部の皮膚炎症またはクローン病患者のロウ孔若しくは痔ろうの治療剤。
  18. 炎症性腸疾患がクローン病または潰瘍性大腸炎である請求項17記載の治療剤。
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