JP2005083316A - モータ制御システム及び該モータ制御システムを搭載した真空ポンプ - Google Patents

モータ制御システム及び該モータ制御システムを搭載した真空ポンプ Download PDF

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Abstract

【課題】 ターボ分子ポンプの起動時間を短縮させることのできるモータ制御システム及び該モータ制御システムを搭載した真空ポンプを提供する。
【解決手段】 モータ制御システム600には、モータ温度センサ424、インバータ温度センサ524が設けられている。これらのモータ温度センサ424及びインバータ温度センサ524の検出信号は、ドライブ制御回路510の比較器512に入力されている。そして、比較器512は、特性曲線に従い、モータ温度センサ424及びインバータ温度センサ524で検出された温度に基づいて、モータ巻線126U、126V、126W及びインバータ回路222の両方が満足する連続定格時の電流値を、モータ電流Imの上限値として電流調整回路に設定するようになっている。
【選択図】 図1

Description

本発明はモータ制御システム及び該モータ制御システムを搭載した真空ポンプに係わり、特に、ターボ分子ポンプの起動時間を短縮させることのできるモータ制御システム及び該モータ制御システムを搭載した真空ポンプに関する。
近年のエレクトロニクスの発展に伴い、メモリや集積回路といった半導体の需要が急激に増大している。
これらの半導体は、極めて純度の高い半導体基板に不純物をドープして電気的性質を与えたり、半導体基板上に微細な回路パターンを形成し、これを積層する等して製造される。
そして、これらの作業は空気中の塵等による影響を避けるため高真空状態のチャンバ内で行われる必要がある。このチャンバの排気には、一般に真空ポンプが用いられているが、特に残留ガスが少なく、保守が容易である等の点から真空ポンプの中の1つであるターボ分子ポンプが多用されている。また、半導体の製造工程では、様々なプロセスガスを半導体の基板に作用させる工程が数多くあり、ターボ分子ポンプはチャンバ内を真空にするのみならず、これらのプロセスガスをチャンバ内から排気するのにも使用される。
さらに、ターボ分子ポンプは、電子顕微鏡の設備において、粉塵等の存在による電子ビームの屈折等を防止するため、電子顕微鏡のチャンバ内の環境を高度の真空状態にするのにも用いられている。
また、ターボ分子ポンプは、移動式簡易真空チャンバに使用されたり、フラットパネルディスプレイの製造装置を真空状態とするのにも使用される。
このようなターボ分子ポンプは、半導体製造装置等のチャンバからガスを吸引排気するためのターボ分子ポンプ本体100と、このターボ分子ポンプ本体を制御する制御装置200とから構成されている。
ここで、ターボ分子ポンプの構成図を図5に示す。
図5において、ターボ分子ポンプ本体100は、円筒状の外筒127の上端に吸気口101が形成されている。外筒127の内方には、ガスを吸引排気するためのタービンブレードによる複数の回転翼102a、102b、102c・・・を周部に放射状かつ多段に形成した回転体103が設けられている。
この回転体103の中心にはロータ軸113が取り付けられており、このロータ軸113は、例えば、いわゆる5軸制御の磁気軸受により浮上支持かつ位置制御されるようになっている。
上側径方向電磁石104は、4個の電磁石がX軸とY軸とに対をなして配置されている。この上側径方向電磁石104に近接かつ対応されて4個の電磁石からなる上側径方向センサ107が備えられている。この上側径方向センサ107はロータ軸113の径方向変位を検出し、その変位信号を制御装置200に送るように構成されている。
制御装置200では、上側径方向センサ107が検出した変位信号に基づき、図示しないPID調節機能を有する補償回路を介して上側径方向電磁石104を励磁制御し、ロータ軸113の上側の径方向位置を調整するようになっている。
このとき、ロータ軸113は、高透磁率材(鉄等)により形成され、上側径方向電磁石104の磁力により吸引されるようになっている。かかる調整は、X軸方向とY軸方向とにそれぞれ独立して行われる。
また、下側径方向電磁石105及び下側径方向センサ108が、上側径方向電磁石104及び上側径方向センサ107と同様に配置され、ロータ軸113の下側の径方向位置を上側の径方向位置と同様に調整している。
さらに、軸方向電磁石106A、106Bは、ロータ軸113の下部に備えた円板状の金属ディスク111を上下に挟んで配置されている。金属ディスク111は、鉄等の高透磁率材で構成されている。
また、ロータ軸113の下部側には、ロータ軸113の軸方向変位を検出するための軸方向センサ109が設けられている。そして、この軸方向センサ109による軸方向の変位信号は、制御装置200に送られるようになっている。
制御装置200では、軸方向センサ109が検出した変位信号に基づき、軸方向電磁石106A、106Bを励磁制御するようになっている。このとき、軸方向電磁石106Aは、磁力により金属ディスク111を上方に吸引し、軸方向電磁石106Bは、金属ディスク111を下方に吸引するようになっている。
このように、磁気軸受は、ロータ軸113に及ぼす磁力を適当に調節することで、ロータ軸113を磁気浮上させ、非接触で保持するようになっている。
一方、モータ121は、いわゆるブラシレスモータとなっている。そして、このモータ121には、後述する回転数検出センサ、モータ電流検出センサ、モータ温度センサ等が設けられており、これらのセンサの検出信号に基づいて、制御装置200でロータ軸113の回転数等が制御されるようになっている。このモータ121の制御システムの構成については、後に詳述する。
一方、このロータ軸113には、回転翼102a、102b、102c・・・が形成されている。そして、この回転翼102a、102b、102c・・・とわずかの空隙を隔てて複数枚の固定翼123a、123b、123c・・・が配設されている。また、回転翼102a、102b、102c・・・は、それぞれ排気ガスの分子を衝突により下方向に移送するため、ロータ軸113の軸線に垂直な平面から所定の角度だけ傾斜して形成されている。さらに、固定翼123も、同様にロータ軸113の軸線に垂直な平面から所定の角度だけ傾斜して形成され、かつ外筒127の内方に向けて回転翼102の段と互い違いに配設されている。
そして、固定翼123の一端は、複数の段積みされた固定翼スペーサ125a、125b、125c・・・の間に嵌挿された状態で支持されている。この固定翼スペーサ125はリング状の部材であり、例えばアルミニウム、鉄、ステンレス、銅等の金属、又はこれらの金属を成分として含む合金等の金属によって構成されている。
さらに、固定翼スペーサ125の外周には、わずかの空隙を隔てて外筒127が固定されている。外筒127の底部にはベース部129が配設され、固定翼スペーサ125の下部とベース部129の間にはネジ付きスペーサ131が配設されている。そして、ベース部129中のネジ付きスペーサ131の下部には排気口133が形成され、外部に連通されている。
ネジ付きスペーサ131は、アルミニウム、銅、ステンレス、鉄、又はこれらの金属を成分とする合金等の金属によって構成された円筒状の部材であり、その内周面に螺旋状のネジ溝131aが複数条刻設されている。このネジ溝131aの螺旋の方向は、回転体103の回転方向に排気ガスの分子が移動したときに、この分子が排気口133の方へ移送される方向となっている。
さらに、回転体103の回転翼102a、102b、102c・・・に続く最下部には回転翼102dが垂下されている。この回転翼102dの外周面は、円筒状で、かつネジ付きスペーサ131の内周面に向かって張り出されており、このネジ付きスペーサ131の内周面と所定の隙間を隔てて近接されている。
また、ベース部129は、ターボ分子ポンプ本体100の基底部を構成する円盤状の部材であり、一般には鉄、アルミニウム、ステンレス等の金属によって構成されている。ベース部129は、ターボ分子ポンプ本体100を物理的に保持すると共に、熱の伝導路の機能も兼ね備えているので、鉄、アルミニウムや銅等の剛性があり、熱伝導率も高い金属が使用されるのが望ましい。
かかる構成において、ロータ軸113がモータ121により駆動されて回転翼102と共に回転すると、回転翼102と固定翼123の作用により、吸気口101を通じてチャンバからの排気ガスが吸気される。
そして、吸気口101から吸気された排気ガスは、回転翼102と固定翼123の間を通り、ベース部129へ移送される。このとき、排気ガスが回転翼102に接触する際に生ずる摩擦熱や、モータ121で発生した熱の伝導等により、回転翼102の温度は上昇するが、この熱は輻射又は排気ガスの気体分子等による伝導により固定翼123側に伝達される。さらに、固定翼スペーサ125は、外周部で互いに接合しており、固定翼123が回転翼102から受け取った熱や排気ガスが固定翼123に接触する際に生ずる摩擦熱等を外部へと伝達する。
また、ベース部129に移送されてきた排気ガスは、ネジ付きスペーサ131のネジ溝131aに案内されつつ排気口133へと送られる。
なお、上記では、ネジ付きスペーサ131は回転翼102dの外周に配設し、ネジ付きスペーサ131の内周面にネジ溝131aが刻設されているとして説明した。しかしながら、これとは逆に回転翼102dの外周面にネジ溝が刻設され、その周囲に円筒状の内周面を有するスペーサが配置される場合もある。
また、吸気口101から吸引されたガスが、モータ121、下側径方向電磁石105、下側径方向センサ108、上側径方向電磁石104、上側径方向センサ107等で構成される電装部側に侵入することのないよう、電装部の周囲はステータコラム122で覆われ、この電装部内はパージガスにて所定圧に保たれる。
このため、ベース部129には図示しない配管が配設され、この配管を通じてパージガスが導入される。この導入されたパージガスは、保護ベアリング120とロータ軸113間、モータ121のロータとステータ間、ステータコラム122と回転翼102間の隙間を通じて排気口133へ送出される。
ここに、ターボ分子ポンプ本体100は、個々に調整された固有のパラメータ(例えば、機種の特定、機種に対応する諸特性)に基づいた制御を要する。この制御パラメータを格納するために、ターボ分子ポンプ本体100は電子回路部141を有している。
この電子回路部141は、EEP−ROM等の半導体メモリ及びそのアクセスのための半導体素子等の電子部品、その実装用の基板143等から構成されている。そして、この電子回路部141は、ターボ分子ポンプ本体100の下部を構成するベース部129の中央付近の下部に収容され、気密性の底蓋145によって閉じられている。
ところで、プロセスガスは、反応性を高めるため高温の状態でチャンバに導入されることがある。そして、これらのプロセスガスは、排気される際に冷却されてある温度になると固体となり排気系に生成物を析出する場合がある。そして、この種のプロセスガスがターボ分子ポンプ本体100内で低温となって固体状となり、ターボ分子ポンプ本体100内部に付着して堆積する。例えば、Alエッチング装置にプロセスガスとしてSiCl4が使用された場合、低真空(760[torr]〜10-2[torr])かつ、低温(約20[℃])のとき、固体生成物(例えばAlCl3)が析出し、ターボ分子ポンプ本体100内部に付着堆積することが蒸気圧曲線からわかる。
そして、ターボ分子ポンプ本体100内部にプロセスガスの析出物が堆積すると、この堆積物がポンプ流路を狭め、ターボ分子ポンプ本体100の性能を低下させる原因となる。例えば、前述した生成物は排気口付近の温度が低い部分、特に回転翼102及びネジ付きスペーサ131付近で凝固、付着しやすい状況にあった。
この問題を解決するために、従来はベース部129等の外周に図示しないヒータや環状の水冷管149を巻着させ、かつ例えばベース部129に図示しない温度センサ(例えばサーミスタ)を埋め込み、この温度センサの信号に基づきベース部129の温度を一定の高い温度(設定温度)に保つようにヒータの加熱や水冷管149による冷却の制御(以下、TMSという。TMS;Temperature Management System)が行われている。
ここで、従来のモータ制御システムについて説明する。このモータ制御システムの構成図を図6に示す。
図6において、モータ制御システム300は、そのターボ分子ポンプ本体100側にモータ121を備えている。
また、モータ121には、その固定子側に回転数検出センサ124が設けられている。この回転数検出センサ124は、ロータ軸113を取り囲むように配設されており、例えば半導体ホールセンサである。そして、回転数検出センサ124は、モータ121の回転磁束密度を検出することで、ロータ軸113の回転数を検出するようになっている。
また、モータ121は、その固定子側に3相のモータ巻線126U、126V、126Wを有している。これらのモータ巻線126U、126V、126Wも、ロータ軸113を取り囲むように配設されている。そして、モータ巻線126U、126V、126Wには、モータ電流検出センサ128が設けられており(図中1個のみ示す)、このモータ電流検出センサ128は、モータ巻線126U、126V、126Wに流れるモータ電流Imを検出するようになっている。
さらに、モータ巻線126U、126V、126Wは、制御装置200側のモータ駆動回路220に接続されている。
モータ駆動回路220には、電源230から直流電圧が供給されている(図中+側を正極230a、−側を負極230bとする)。そして、モータ駆動回路220には、モータ巻線126U、126V、126Wのそれぞれに対応したインバータ回路222が設けられており(図中1個のみ示す)、このインバータ回路222を介してモータ巻線126U、126V、126Wに電力が供給されるようになっている。なお、このインバータ回路222は、例えば1個のモータ巻線126Uに対して2個のトランジスタ222a、222bで構成されている。
さらに、モータ駆動回路220には、ドライブ制御回路210からドライブ信号が入力されている。そして、このドライブ信号により、インバータ回路222からモータ巻線126U、126V、126Wに供給する電力が制御されるようになっている。ドライブ制御回路のブロック図を図7に示す。
図7において、ドライブ制御回路210には、回転数検出センサ124及びモータ電流検出センサ128の検出信号が入力されている。そして、これらの検出信号は、比較器212に入力されている。
さらに、比較器212には、基準値設定回路214から指令信号が入力されており、この指令信号は例えば基準回転数を示す信号となっている。
そして、比較器212は、例えば指令信号が示す基準回転数と回転数検出センサ124の検出信号とを比較してPID補償を行った後、さらにこの出力信号を電流指令値としてモータ電流検出センサ128の検出信号と比較しPID補償を行うようになっている。その後、比較器212は、この出力信号をPWM制御回路216に出力するようになっている。
このとき、比較器212には、図示しない電流リミッタ回路が設けられており、この電流リミッタ回路では、PWM制御回路216へ出力される比較結果によりインバータ回路222及びモータ巻線126U、126V、126Wに供給されるモータ電流Imが一定の上限値を超えないように制御している。
そして、PWM制御回路216では、比較器212からの比較結果に基づいて、ドライブ信号をパルス幅制御(PWM制御)するようになっている。
かかる構成において、インバータ回路222及びモータ巻線126U、126V、126Wに供給されるモータ電流Imと、ロータ軸113の回転速度ωとの関係は、数1のように示される。
Figure 2005083316
なお、数1中、L、Rはそれぞれモータ巻線126U、126V、126Wのインダクタンス成分、抵抗成分であり、Kはモータ巻線126U、126V、126Wの逆起電力定数である。また、Eはインバータ回路222から供給される駆動電圧である。
さらに、この数1の関係は、図8に示すインバータ回路及びモータ巻線についての等価回路からも明らかである。図8中、電源251が、インバータ回路222から供給される駆動電圧Eに対応する。また、インダクタンス252、抵抗253が、それぞれモータ巻線126U、126V、126Wのインダクタンス成分L、抵抗成分Rに対応する。さらに、交流電源254が、ロータ軸113の回転に伴いモータ巻線126U、126V、126Wに生じる逆起電力Kωに対応する。
このとき、インバータ回路222から供給される駆動電圧Eは一定値であり、また、モータ巻線126U、126V、126Wのインダクタンス成分L、抵抗成分R及び逆起電力定数Kもモータ121固有の値である。
そのため、インバータ回路222及びモータ巻線126U、126V、126Wに供給できるモータ電流Imは、理論的には数1に従う。特に、ロータ軸113の回転速度ωが定格回転数であるときのモータ電流Imの大きさを、定格回転時電流値Irという。
ここで、ターボ分子ポンプの起動時にロータ軸113を回転させる場合には、比較器212において、ロータ軸113の回転数と指令信号の示す基準回転数とが比較されPID補償される。また、この出力結果である電流指令値とモータ巻線126U、126V、126Wに流れるモータ電流Imとが比較されPID補償される。
そして、この出力結果を受けたPWM制御回路216は、モータ駆動回路220内のインバータ回路222に対しPWM制御されたドライブ信号を出力する。これにより、モータ駆動回路220からモータ巻線126U、126V、126Wに給電が行われ、モータ巻線126U、126V、126Wに交流電圧が発生する。また、ロータ軸113には、このときのモータ電流Imに応じた回転力が発生する。
このとき、ターボ分子ポンプの起動時には、比較器212内の電流指令値として大きな電流値が発生するが、比較器212には電流リミッタ回路が設けられているため、インバータ回路222及びモータ巻線126U、126V、126Wに供給されるモータ電流Imは、この電流リミッタ回路に設定された上限値を超えないように制御される。そして、この電流リミッタ回路に設定される上限値は、上述した定格回転時電流値Irとされている。
この点に関し、ターボ分子ポンプの起動時には、ロータ軸113の回転数は定格回転数未満であるため、逆起電力Kωも、定格回転時の逆起電力Kωよりも小さくなる。そのため、ターボ分子ポンプの起動時には、数1の関係に従うと、理論的にはモータ電流Imとして、定格回転時電流値Ir以上の電流値を供給することが可能である。しかしながら、ロータ軸113の回転数がゼロから定格回転数までの範囲において、インバータ回路222及びモータ巻線126U、126V、126Wを確実に安全に動作させるため、電流リミッタ回路に設定される上限値としては、安全の余裕を見てロータ軸113が定格回転数にあるときのモータ電流Imである定格回転時電流値Irが設定されている。
ここで、ターボ分子ポンプの起動時間とロータ軸113の回転数との関係を図9(A)に、このときのロータ軸113の回転数とモータ電流Imとの関係を図9(B)に示す。なお、ロータ軸113の定格回転数は約37000(rpm)である。
図9(A)において、時刻0でターボ分子ポンプが起動され、その後約10分でロータ軸113の回転数が定格回転数に達している。なお、このロータ軸113の回転数が定格回転数に達するまでの時間を、ターボ分子ポンプの起動時間という。
そして、図9(B)では、ターボ分子ポンプの起動直後からロータ軸113の回転数が定格回転数付近に達するまで、モータ電流Imが一定となっている。これは、インバータ回路222及びモータ巻線126U、126V、126Wに供給されるモータ電流Imが、電流リミッタ回路に設定された上限値(定格回転時電流値Ir)を超えない範囲で制御されるからである。
その後、ロータ軸113の回転数が定格回転数付近に達すると、PID補償された信号に従ってモータ電流Imが減少する。この期間中は、ロータ軸113に与える駆動トルクが小さくて済むため、モータ駆動回路220からモータ巻線126U、126V、126Wへの給電が少量になり、あるいは停止されて、ターボ分子ポンプの起動直後よりモータ電流Imが減少する。
ところで、従来のモータ制御システム300では、ターボ分子ポンプの起動時に、そのモータ電流Imの上限値として定格回転時電流値Irを設定しているため、ロータ軸113には定格回転時電流値Irを超える回転力が与えられず、ターボ分子ポンプの起動時間が十分に速いとはいえなかった。
そして、ターボ分子ポンプの出荷時には、その検査や評価を行うためにターボ分子ポンプの起動や停止を繰り返し行う工程が存在するが、ターボ分子ポンプの起動時間が遅いために、ターボ分子ポンプの製造期間が長期化するおそれがあった。
また、移動式簡易真空チャンバにターボ分子ポンプを使用したときに、ターボ分子ポンプを再起動する場合にも、その起動時間が遅いために、チャンバ内の真空度が低下して材料や測定フィラメントの寿命が短くなるおそれがあった。
さらに、今後フラットパネルディスプレイは大型化する傾向にあり、かつこのような大型のフラットパネルディスプレイの製造装置の真空性能を向上させるためにターボ分子ポンプ自体も大型化する傾向にある。従って、従来のモータ制御システム300を搭載したターボ分子ポンプでは、その起動時間がさらに遅くなるおそれがあった。
本発明はこのような従来の課題に鑑みてなされたもので、ターボ分子ポンプの起動時間を短縮させることのできるモータ制御システム及び該モータ制御システムを搭載した真空ポンプを提供することを目的とする。
このため本発明は、モータ制御システムに関し、回転体と、該回転体に回転力を与えるモータと、該モータへ電力を供給するモータ駆動回路と、前記モータに供給されるモータ電流を制御するドライブ制御手段とを備え、前記モータ電流は、数1から算出したモータ電流Imの値を設定値として制御されることを特徴とする。
数1から算出されるモータ電流Imは、モータ及びモータ駆動回路についての等価回路から求められるモータ電流の理論値である。そして、モータに供給されるモータ電流は、この算出されたモータ電流Imの値を設定値として制御される。このとき、モータ電流をモータやモータ駆動回路の安全の範囲内で制御するために、数1上に余裕を定めることが望ましい。この余裕は、例えば予め実験的により、あるいは演算により求められる。
このことにより、モータやモータ駆動回路の安全の範囲内でモータ電流を大きくすることができ、モータの起動時間を短縮することができる。
なお、モータ電流の設定値は、上限値又は指令値である。
また、本発明は、モータ制御システムに関し、回転体と、該回転体に回転力を与えるモータと、該モータへ電力を供給するモータ駆動回路と、前記モータ及び/又は前記モータ駆動回路の温度を検出する温度検出手段と、前記モータの温度と該モータの連続定格時の電流値の関係、及び/又は前記モータ駆動回路の温度と該モータ駆動回路の連続定格時の電流値の関係が規定された特性曲線と、該特性曲線に従い、前記温度検出手段で検出された温度に基づき該温度における前記連続定格時の電流値を、前記モータに供給されるモータ電流の設定値として設定する設定値設定手段と、該設定値設定手段で設定された設定値を超えないように前記モータ電流を制御するドライブ制御手段とを備えて構成した。
ドライブ制御手段では、設定値設定手段で設定された設定値を超えないようにモータ電流が制御される。このとき、設定値設定手段では、特性曲線に従い、温度検出手段で検出された温度に基づき、この温度におけるモータやモータ駆動回路の連続定格時の電流値が、設定値として設定される。
そのため、モータ電流は、モータやモータ駆動回路の連続定格時の電流値の範囲内において制御される。従って、モータやモータ駆動回路への過大なモータ電流の供給を防止することができる。
このことにより、モータやモータ駆動回路の破壊を防止しながら、モータ電流を大きくさせることができ、モータの起動時間を短縮することができる。
さらに、本発明は、モータ制御システムに関し、回転体と、該回転体に回転力を与えるモータと、該モータへ電力を供給するモータ駆動回路と、前記モータ及び/又は前記モータ駆動回路の温度を検出する温度検出手段と、前記モータの温度と該モータの短時間定格時の電流値の関係、及び/又は前記モータ駆動回路の温度と該モータ駆動回路の短時間定格時の電流値の関係が規定された特性曲線と、該特性曲線に従い、前記温度検出手段で検出された温度に基づき該温度における前記短時間定格時の電流値を、前記モータに供給されるモータ電流の設定値として設定する設定値設定手段と、該設定値設定手段で設定された設定値を超えないように前記モータ電流を制御するドライブ制御手段とを備えて構成した。
特性曲線には、モータやモータ駆動回路の温度と、これらの素子の短時間定格時の電流値の関係が規定される。
そして、設定値設定手段では、この特性曲線に従い、温度検出手段で検出された温度に基づき、この温度におけるモータやモータ駆動回路の短時間定格時の電流値が、設定値として設定される。そのため、連続定格時の電流値以上の範囲内でモータ電流を制御することができる。
従って、モータの起動時間をさらに短縮させることができる。また、モータやモータ駆動回路の短時間定格時の許容値を超えないようにモータ電流を制御しているので、これらの破壊を限界状態で防止することができる。
さらに、本発明は、モータ制御システムを搭載した真空ポンプであって、該真空ポンプは、被対象設備に設置され、該被対象設備から所定のガスを吸引することを特徴とする。
本発明のモータ制御システムは、真空ポンプに搭載される。
そのため、真空ポンプの出荷時における起動や停止を繰り返し行う工程において、これを速やかに行うことができるので、真空ポンプの製造期間を短縮することができる。
また、移動式簡易真空チャンバに真空ポンプを使用したときにも、真空ポンプの再起動の際の起動時間を短縮することができるので、チャンバ内の真空度を早期に回復することが可能となる。そのため、チャンバ内の材料や測定フィラメントの寿命を延ばすことができる。
さらに、大型のフラットパネルディスプレイの製造装置に対応するために真空ポンプが大型化した場合でも、その起動時間の高速化を図ることができる。従って、大型のフラットパネルディスプレイの製造装置の立ち上げ時間の短縮が可能となる。また、従来の大きさの真空ポンプに応用すれば、半導体製造装置や電子顕微鏡のスタートアップ時間の短縮を図ることが可能となる。
以上説明したように本発明によれば、モータやモータ駆動回路の温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段で検出された温度に基づきこの温度における連続定格時の電流値を、モータ電流の設定値として設定する設定値設定手段とを備えて構成したので、モータやモータ駆動回路への過大なモータ電流の供給を防止することができる。このことにより、モータやモータ駆動回路の破壊を防止しながら、モータ電流を大きくさせることができ、モータの起動時間を短縮することができる。
また、モータ電流の設定値として、モータやモータ駆動回路の短時間定格時の電流値を設定することで、モータの起動時間をさらに短縮させることができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の実施形態であるモータ制御システムの構成図を図1に示す。なお、図6と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。
図1において、モータ制御システム600のターボ分子ポンプ本体400側には、そのモータ巻線126U、126V、126Wにモータ温度センサ424が設けられている。このモータ温度センサ424は、例えばサーミスタであり、モータ巻線126U、126V、126Wの温度を検出するようになっている。
また、制御装置500側にも、インバータ回路222にインバータ温度センサ524が設けられている。そして、このインバータ温度センサ524も、例えばサーミスタであり、インバータ回路222を構成するトランジスタ222a、222b等の温度を検出するようになっている。
そして、これらのモータ温度センサ424及びインバータ温度センサ524の検出信号は、以下に示すドライブ制御回路510に入力されている。
このドライブ制御回路のブロック図を図2に示す。なお、図7と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。
図2において、ドライブ制御回路510の比較器512には、モータ温度センサ424及びインバータ温度センサ524の検出信号が入力されている。また、この比較器512には、従来の比較器212と同様に、基準値設定回路214からの指令信号と、回転数検出センサ124及びモータ電流検出センサ128の検出信号が入力されている。
そして、比較器512は、従来の比較器212と同様に、例えば指令信号が示す基準回転数と回転数検出センサ124の検出信号と比較してPID補償を行った後、さらにこの出力信号を電流指令値としてモータ電流検出センサ128の検出信号と比較しPID補償を行うようになっている。
さらに、この比較器512には、従来の比較器212に設けられた電流リミッタ回路の代わりに、図示しない電流調整回路が設けられている。この電流調整回路には、以下に示す特性曲線に従ってモータ電流Imの上限値が可変に設定されるようになっている。
ここで、比較器512には、モータ巻線126U、126V、126W及びインバータ回路222の温度に対する、その温度におけるモータ巻線126U、126V、126W及びインバータ回路222の連続定格時の電流値の関係を規定した特性曲線が備えられている。
この特性曲線は、予め実験的に作表されたり、あるいはドライブ制御回路510やモータ121等をモデル化することにより演算で算出されるようになっている。また、この特性曲線は、制御装置500等の内部に固定で設定されても良いし、外部から書き換え可能に構成しても良い。
そして、比較器512は、この特性曲線に従い、モータ温度センサ424及びインバータ温度センサ524で検出された温度に基づいて、その温度におけるそれぞれのモータ巻線126U、126V、126W及びインバータ回路222の連続定格時の電流値の低い方の値を、モータ電流Imの上限値として電流調整回路に設定するようになっている。このため、電流調整回路で設定される上限値は、モータ巻線126U、126V、126W及びインバータ回路222の両方が満足する連続定格時の電流値となっている。
なお、比較器512には、比較器512における比較動作と、モータ温度センサ424及びインバータ温度センサ524で検出される温度との時間的な遅れによる誤差等を防止するために、図示しないフィードフォワード制御回路が設けられても良い。
かかる構成において、本発明におけるターボ分子ポンプの起動時のモータ電流Imは、従来のモータ電流Imよりも大きくなる。この理由を以下に示す。
従来のモータ制御システム300では、電流リミッタ回路で設定されるモータ電流Imの上限値として、一定の定格回転時電流値Irを設定していた。
これに対し、本発明のモータ制御システム600では、モータ電流Imの上限値として定格回転時電流値Irを用いていない。そして、前述した数1の関係に従うと、ターボ分子ポンプの起動時には、理論的に定格回転時電流値Ir以上のモータ電流Imを供給することが可能である。
従って、本発明のモータ制御システム600では、従来よりもモータ電流Imを大きくすることができる。
ただし、このようにモータ電流Imを大きくするに際しては、過大なモータ電流Imの供給に伴うモータ巻線126U、126V、126W及びインバータ回路222の破壊を防止する必要がある。
そこで、本発明のモータ制御システム600では、モータ温度センサ424及びインバータ温度センサ524を設けて、インバータ回路222及びモータ巻線126U、126V、126Wのそれぞれの温度を検出している。そして、比較器512では、これらのインバータ回路222及びモータ巻線126U、126V、126Wの温度に基づき、モータ電流Imの上限値を設定している。
そのため、本発明では、特性曲線に従い、モータ巻線126U、126V、126W及びインバータ回路222の両方が満足する連続定格時の電流値の範囲内において、モータ電流Imが制御される。従って、過大なモータ電流Imの供給を防止することができる。
ここで、以上の動作に基づくターボ分子ポンプの起動時間とロータ軸113の回転数との関係を図3(A)に、このときのロータ軸113の回転数とモータ電流Imとの関係を図3(B)に示す。なお、図9と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。
図3(B)において、ターボ分子ポンプの起動時におけるモータ電流Imは、従来のモータ電流Imよりも大きくなっている。これは、モータ電流Imの上限値として、従来の定格回転時電流値Irを用いていないためであり、理論的には、数1の関係に従ったモータ電流Imを供給することが可能だからである。
一方、ターボ分子ポンプの起動直後(回転数0)におけるモータ電流Imは9A程度となっており、数1から算出したモータ電流Imの値よりも小さくなっている。これは、比較器512の電流調整回路に設定されたモータ電流Imの上限値が、モータ巻線126U、126V、126W及びインバータ回路222の両方が満足する連続定格時の電流値とされるからである。
その結果、モータ巻線126U、126V、126Wには、この連続定格時の電流値の範囲内で、従来のモータ電流Imより大きいモータ電流Imが供給されるので、ロータ軸113への駆動トルクが増大し、図3(A)に示すように、そのターボ分子ポンプの起動時間を短縮することができる。
このことにより、ターボ分子ポンプの出荷時における起動や停止を繰り返し行う工程においてもこれを速やかに行うことができるので、ターボ分子ポンプの製造期間を短縮することができる。
また、移動式簡易真空チャンバにターボ分子ポンプを使用したときにも、ターボ分子ポンプの再起動の際の起動時間を短縮することができるので、チャンバ内の真空度を早期に回復することが可能となる。そのため、チャンバ内の材料や測定フィラメントの寿命を延ばすことができる。
さらに、大型のフラットパネルディスプレイの製造装置に対応するためにターボ分子ポンプが大型化した場合でも、その起動時間の高速化を図ることができる。従って、大型のフラットパネルディスプレイの製造装置の立ち上げ時間の短縮が可能となる。また、従来の大きさのターボ分子ポンプに応用すれば、半導体製造装置や電子顕微鏡のスタートアップ時間の短縮を図ることが可能となる。
加えて、ターボ分子ポンプの起動時間の短縮のためにモータ電流Imを大きくするに際し、比較器512の電流調整回路において、その特性曲線の示す連続定格時の電流値の範囲内でモータ電流Imを制御しているため、これらの素子の破壊を防止することができる。
なお、本発明においては、比較器512は、特性曲線に従い、モータ温度センサ424及びインバータ温度センサ524で検出された温度に基づいて、その温度における両素子が満足する連続定格時の電流値を、モータ電流Imの上限値として設定するとして説明してきたが、これに限られない。
例えば、モータ巻線126U、126V、126Wやインバータ回路222の温度の検出を行う代わりに、前述した数1に基づく算出によりモータ電流Imの上限値を設定しても良い。
また、この場合には、モータ巻線126U、126V、126W及びインバータ回路222の破壊を防止するために、両素子が満足するモータ電流Imの安全値が、予め実験的により、あるいは演算により求められても良い。そして、比較器512では、この安全値に基づいた余裕を示す関数が数1に追加され、この式からモータ電流Imが算出される。その結果、この算出されたモータ電流Imが、電流調整回路に設定されるモータ電流Imの上限値とされる。
このことにより、モータ温度センサ424やインバータ温度センサ524等を備える必要がないため、部品コストを下げることができる。また、実験的に求めたモータ電流Imの安全値の範囲内でモータ電流Imを制御することができるので、モータ巻線126U、126V、126Wやインバータ回路222に関する様々な要素を反映した信頼性の範囲内で、ターボ分子ポンプの起動時間を短縮することができる。
また、本発明においては、モータ電流Imは、モータ巻線126U、126V、126W及びインバータ回路222の両素子が満足する連続定格時の電流値の範囲内で制御されるとして説明してきたが、これに限られない。
すなわち、モータ巻線126U、126V、126W及びインバータ回路222の一方の連続定格時の電流値が、他方の連続定格時の電流値よりも大きいことが明らかであれば、低い方の素子についてのみの連続定格時の電流値の範囲内で、モータ電流Imの上限値を制御しても良い。
さらに、本発明においては、モータ電流Imは連続定格時の電流値の範囲内で制御されるとして説明してきたが、これに限られない。
例えば、短時間であれば、連続定格時の電流値を超えた範囲内で、すなわち短時間定格時の電流値の範囲内で、モータ電流Imを制御しても良い。
この場合、比較器512には、前述した連続定格時の電流値の関係を示す特性曲線の代わりに、モータ巻線126U、126V、126W及びインバータ回路222のそれぞれの温度に対する、これらの素子の短時間定格時の電流値の関係を示す特性曲線が、各許容時間をパラメータとして備えられている。
そして、このような比較器512では、まず許容時間が選択され、この許容時間に対応する特性曲線が選択される。その結果、比較器512は、この選択された特性曲線に従い、モータ温度センサ424及びインバータ温度センサ524で検出された温度に基づいて、モータ電流Imの上限値を設定する。
このときのモータ電流Imの制御例を示したタイムチャートを図4に示す。
図4において、モータ巻線126U、126V、126Wやインバータ回路222に対し、モータ電流Imとして2値の電流値IL、IHが供給されている。
ここで、電流値ILは、連続定格時の電流値となる。また、電流値IHは、比較器512で決められた許容時間tHに対応した特性曲線に従い、そのときのモータ巻線126U、126V、126Wやインバータ回路222の温度における短時間定格時の電流値となる。
そして、図4に示すように、モータ巻線126U、126V、126Wやインバータ回路222に対し、モータ電流Imとして電流値IL及び電流値IHを交互に供給することで、そのモータ電流Imの平均値を増加させることができる。
その結果、このようなモータ電流Imに対する制御をターボ分子ポンプの起動時に行うことで、その起動時間をさらに短縮させることができる。また、電流値IHを供給するに際して、モータ巻線126U、126V、126Wやインバータ回路222についての短時間定格時の特性曲線に基づいて電流値IHを制御しているため、これらの素子の破壊を限界状態で防止することができる。
本発明の実施形態であるモータ制御システムの構成図 ドライブ制御回路のブロック図 ターボ分子ポンプの起動時間、ロータ軸の回転数、モータ電流の関係を示すグラフ モータ電流の制御例を示したタイムチャート 従来のターボ分子ポンプの構成図 従来のモータ制御システムの構成図 ドライブ制御回路のブロック図 インバータ回路及びモータ巻線についての等価回路 ターボ分子ポンプの起動時間、ロータ軸の回転数、モータ電流の関係を示すグラフ
符号の説明
100、400 ターボ分子ポンプ本体
103 回転体
121 モータ
200、500 制御装置
210、510 ドライブ制御回路
212、512 比較器
220 モータ駆動回路
300、600 モータ制御システム
424 モータ温度センサ
524 インバータ温度センサ

Claims (4)

  1. 回転体と、
    該回転体に回転力を与えるモータと、
    該モータへ電力を供給するモータ駆動回路と、
    前記モータに供給されるモータ電流を制御するドライブ制御手段とを備え、
    前記モータ電流は、
    数1から算出したモータ電流Imの値を設定値として制御されることを特徴とするモータ制御システム。
    Figure 2005083316
    (ただし、Eはモータ駆動回路から供給される電圧であり、Lはモータのインダクタンス成分であり、Imはモータ電流であり、tは時間であり、Rはモータの抵抗成分であり、Kはモータの逆起電力定数であり、ωは回転体の回転速度である。)
  2. 回転体と、
    該回転体に回転力を与えるモータと、
    該モータへ電力を供給するモータ駆動回路と、
    前記モータ及び/又は前記モータ駆動回路の温度を検出する温度検出手段と、
    前記モータの温度と該モータの連続定格時の電流値の関係、及び/又は前記モータ駆動回路の温度と該モータ駆動回路の連続定格時の電流値の関係が規定された特性曲線と、
    該特性曲線に従い、前記温度検出手段で検出された温度に基づき該温度における前記連続定格時の電流値を、前記モータに供給されるモータ電流の設定値として設定する設定値設定手段と、
    該設定値設定手段で設定された設定値を超えないように前記モータ電流を制御するドライブ制御手段とを備えたことを特徴とするモータ制御システム。
  3. 回転体と、
    該回転体に回転力を与えるモータと、
    該モータへ電力を供給するモータ駆動回路と、
    前記モータ及び/又は前記モータ駆動回路の温度を検出する温度検出手段と、
    前記モータの温度と該モータの短時間定格時の電流値の関係、及び/又は前記モータ駆動回路の温度と該モータ駆動回路の短時間定格時の電流値の関係が規定された特性曲線と、
    該特性曲線に従い、前記温度検出手段で検出された温度に基づき該温度における前記短時間定格時の電流値を、前記モータに供給されるモータ電流の設定値として設定する設定値設定手段と、
    該設定値設定手段で設定された設定値を超えないように前記モータ電流を制御するドライブ制御手段とを備えたことを特徴とするモータ制御システム。
  4. 請求項1、2又は3記載のモータ制御システムを搭載した真空ポンプであって、
    該真空ポンプは、
    被対象設備に設置され、該被対象設備から所定のガスを吸引することを特徴とする真空ポンプ。
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