JP2005082066A - 冷却システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用した冷却システムにおいて寝込み現象を解消する。
【解決手段】 HV機器ECU2000は、蒸発器に冷媒が残っているか否かを判定する冷媒寝込み判定センサからの信号に基づいて蒸発器における冷媒の寝込みを判定するステップ(S1000)と、冷媒が寝込んでいると(S1000にてYES)、圧縮機を作動させるステップ(S1010)と、圧縮機が一定時間作動した後に圧縮機を停止させるステップ(S1030)と、圧縮機の作動により蒸発器に寝込んでいた冷媒を回収した後に車両のHV機器を始動させてポンプの運転を開始するステップ(S1040)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】 図2
【解決手段】 HV機器ECU2000は、蒸発器に冷媒が残っているか否かを判定する冷媒寝込み判定センサからの信号に基づいて蒸発器における冷媒の寝込みを判定するステップ(S1000)と、冷媒が寝込んでいると(S1000にてYES)、圧縮機を作動させるステップ(S1010)と、圧縮機が一定時間作動した後に圧縮機を停止させるステップ(S1030)と、圧縮機の作動により蒸発器に寝込んでいた冷媒を回収した後に車両のHV機器を始動させてポンプの運転を開始するステップ(S1040)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、電動モータ(以下、モータと略す。)やインバータ等の発熱体を冷却する発熱体の冷却システムに関し、特に、モータにより走行する電気自動車、ならびに走行用のモータおよびエンジン(内燃機関)を有するハイブリッド自動車等(以下、これらを総称して単に電気自動車と記載)に適用して有効である、冷却システムに関する。
電気自動車では、モータ、インバータ、ジェネレータおよびバッテリ等の発熱体を冷却する必要がある。このため、エンジンのみを使用する通常の車両のごとく、冷却水を発熱体とラジエータとの間を循環させるといったシステムが考えられるが、このようなシステムでは、発熱体を冷却するためのラジエータを新たに設ける必要があるので、車両搭載性が低いという問題を有している。
そこで、たとえば、このような発熱体を空調装置(蒸気圧縮式冷凍サイクル)にて冷却することにより、新たにラジエータを設けることを防止している。蒸気圧縮式冷凍サイクルの蒸発器、すなわち減圧器で減圧した後の冷媒により発熱体を冷却するため、圧縮機において減圧器での減圧分に対応する圧縮仕事(機械仕事)が増大する。このため、圧縮機を駆動するための消費電力が増大し、電気自動車の走行可能距離が短くなってしまうという問題が新たに発生する。
このような問題点に鑑み、特開平11−337193号公報(特許文献1)は、蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用して発熱体の冷却を図るとともに、発熱体を冷却するに必要な機械仕事の増大を抑制する熱体冷却装置を開示する。この熱体冷却装置は、ジュール熱を発する発熱体と、圧縮機、放熱器(凝縮器)、減圧器および蒸発器を有する蒸気圧縮式冷凍サイクルと、放熱器から流出した冷媒を、減圧器、蒸発器および圧縮機を迂回させて放熱器の冷媒流入側に導くバイパス通路と、バイパス通路に冷媒を流通させるポンプと、バイパス通路に設けられ、バイパス通路を流通する冷媒と発熱体との間で熱交換させ、発熱体を冷却する発熱体冷却部とを備える。
この熱体冷却装置によると、発熱体を冷却するために必要な機械仕事量は、冷媒が発熱体冷却部を流通する際の圧力損失分に対応する仕事量であるので、発熱体を冷却するために増加する機械仕事量の増大を抑制することができる。すなわち、ポンプがするポンプ仕事量(機械仕事量)は、冷媒が発熱体冷却部を流通する際の圧力損失分に対応する仕事量であるので、発熱体を冷却するために増加する機械仕事量が増大することを抑制できることになる。
特開平11−337193号公報
特許文献1に開示された熱体冷却装置は、空調用の冷凍サイクルの高圧側にバイパス通路を設け、ポンプにより冷媒が発熱体冷却部に送り込まれ、発熱体冷却部の内部で発熱体のジュール熱を吸熱し、放熱器(凝縮器)で放熱する。この熱体冷却装置においては、発熱体冷却部の内部で冷媒が沸騰して、冷媒の潜熱により熱を奪うため(強制対流沸騰冷却)、熱伝達率が高く、冷却性能が高いこと、発熱体冷却部の放熱器が空調用の凝縮器を兼ねているので、放熱器の数を減らすことができること、発熱体冷却部に送り込まれる冷媒は圧縮機を経由しないので圧縮機の動力増加を招かないこと、ポンプは、液体を1気圧程度昇圧するだけであるので動力が小さくてすむこと等の長所を有する。
しかしながら、使用条件によっては、以下のような問題点を生じる場合がある。
このような熱体冷却装置が車両に搭載されて、その車両が長時間運転されないと、この熱体冷却装置も稼働しない。このときに、冷媒は強制的に循環されないので、温度のより低い部材である、たとえば、空調用の蒸発器や発熱体冷却部などの部材に滞留する、いわゆる寝込み現象が発生する場合がある。このような寝込み現象が発生すると、車両の始動時に空調用の蒸発器に冷媒が寝込んでいると、発熱体冷却部における冷媒量が不足して、モータ、インバータ、ジェネレータおよびバッテリ等の発熱体を十分に冷却できないことになる。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用した冷却システムであって、寝込み現象を解決して発熱体を効率的に冷却することができる、冷却システムを提供することである。
第1の発明に係る冷却システムは、第1の蒸発器および第2の蒸発器と、第1の蒸発器および第2の蒸発器に接続された凝縮器と、第1の蒸発器に接続され、第1の蒸発器と凝縮器との間で冷媒を循環させるための第1の冷媒循環手段と、第2の蒸発器に接続され、第2の蒸発器と凝縮器との間で冷媒を循環させるための第2の冷媒循環手段と、第1の蒸発器および第2の蒸発器の少なくともいずれか一方の蒸発器において冷媒が滞留していることを検知するための検知手段と、第1の蒸発器および第2の蒸発器のいずれか一方の蒸発器の冷却条件が成立した場合に、他方の蒸発器において冷媒の滞留が検知されると、冷媒の滞留状態に対応させて他方の蒸発器に接続された冷媒循環手段を制御するための制御手段とを含む。
第1の発明によると、第1の蒸発器および第2の蒸発器に共通に接続された凝縮器を有する冷凍サイクルにおいて、いずれか一方の蒸発器の冷却条件が成立した場合に、他方の蒸発器において冷媒の滞留が検知されると、他方の蒸発器に接続された冷媒循環手段を作動させる。このような冷媒が滞留する現象は、寝込み現象と言われる。このような冷凍サイクルを車両に搭載した場合において、長時間に亘って冷凍サイクルを停止していると、第1の蒸発器や第2の蒸発器のいずれかに冷媒が滞留する寝込み現象が発生することがある。このような場合、まず、冷媒が寝込んでいる方の蒸発器に接続された冷媒循環手段(圧縮機やポンプ)を作動させて、冷媒が寝込んでいない方の蒸発器に、寝込んでいた冷媒を送り込む。このようにすると、冷却条件が成立した方の蒸発器にも冷媒がない状態からある状態にされるので、寝込みがあっても良好に冷凍システムを始動させることができる。その結果、蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用した冷却システムであって、寝込み現象を解決して発熱体を効率的に冷却することができる。
第2の発明に係る冷却システムは、第1の蒸発器および第2の蒸発器と、第1の蒸発器および第2の蒸発器に接続された凝縮器と、第1の蒸発器に接続され、第1の蒸発器と凝縮器との間で冷媒を循環させるための第1の冷媒循環手段と、第2の蒸発器に接続され、第2の蒸発器と凝縮器との間で冷媒を循環させるための第2の冷媒循環手段と、第1の蒸発器および第2の蒸発器の少なくともいずれか一方の蒸発器を加熱するための加熱手段と、第1の蒸発器および第2の蒸発器の少なくともいずれか一方の蒸発器において冷媒が滞留していることを検知するための検知手段と、第1の蒸発器および第2の蒸発器のいずれか一方の蒸発器の冷却条件が成立した場合に、他方の蒸発器において冷媒の滞留が検知されると、他方の蒸発器に接続された冷媒循環手段の作動を停止させて、冷媒の滞留状態に対応させて他方の蒸発器を加熱するように、加熱手段を制御するための制御手段とを含む。
第2の発明によると、第1の蒸発器および第2の蒸発器に共通に接続された凝縮器を有する冷凍サイクルにおいて、いずれか一方の蒸発器の冷却条件が成立した場合に、他方の蒸発器において冷媒の滞留が検知されると、他方の蒸発器を加熱するように加熱手段を作動させる。このような冷媒が滞留する現象は、より温度の低い方に冷媒が移動する寝込み現象と言われる。このような冷凍サイクルを車両に搭載した場合において、長時間に亘って冷凍サイクルを停止していると、第1の蒸発器や第2の蒸発器のいずれかに冷媒が滞留する寝込み現象が発生することがある。このような場合、まず、寝込んでいる方の蒸発器を加熱して温度を上昇せしめて、この温度上昇により、寝込んでいない方の蒸発器に、寝込んでいた冷媒を送り込む。このとき、寝込んでいた方の蒸発器に接続された冷媒循環手段は作動させない。このようにすると、冷却条件が成立した方の蒸発器にも冷媒がない状態からある状態にされるので、寝込みがあっても良好に冷凍システムを始動させることができる。その結果、蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用した冷却システムであって、寝込み現象を解決して発熱体を効率的に冷却することができる。
第3の発明に係る冷却システムにおいては、第2の発明の構成に加えて、加熱手段は、蒸発器の被冷却体を発熱させることにより、蒸発器を加熱するための手段を含む。
第3の発明によると、たとえば、このような冷却システムが電気自動車に搭載された場合には、空調用の蒸発器と電気機器の冷却用の熱交換器(蒸発器)とが1つの凝縮器(放熱器)で兼用されることがある。このような場合において、たとえば、電気機器の冷却用の熱交換器(蒸発器)側に冷媒が寝込むと、この電気機器を発熱させて、この温度上昇により、寝込んでいない方の蒸発器に、寝込んでいた冷媒を送り込むことができる。
第4の発明に係る冷却システムは、車両に搭載され、熱を発生する発熱体と、圧縮機、凝縮器、減圧器および蒸発器を有して構成された蒸気圧縮式冷凍サイクルと、凝縮器から流出した冷媒を、減圧器、蒸発器および圧縮機を迂回させて凝縮器の冷媒流入側に導くバイパス通路と、バイパス通路に冷媒を流通させるための冷媒流通手段と、バイパス通路に設けられ、バイパス通路を流通する冷媒と発熱体との間で熱交換させ、発熱体を冷却するための発熱体冷却手段と、蒸発器および発熱体冷却手段の少なくともいずれか一方において冷媒が滞留していることを検知するための検知手段と、蒸発器および発熱体冷却手段のいずれか一方の冷却条件が成立した場合に、他方において冷媒の滞留が検知されると、冷媒の滞留状態に対応させて、圧縮機および冷媒流通手段の少なくともいずれか一方を作動させるように制御するための制御手段とを含む。
第4の発明によると、発熱体であるモータ、インバータ、ジェネレータおよびバッテリ等により発熱した熱量を、発熱体冷却手段(熱交換器)において冷媒に回収させて凝縮器で冷媒から熱量をシステム外部に放熱する。一方、同じ凝縮器を用いて、空調用の蒸発器で室内から回収された熱量もシステム外部に放熱される。このような冷凍サイクルにおいては、冷媒が圧縮機やポンプで循環していない場合、発熱体冷却手段と蒸発器とで、より温度の低い方に冷媒が移動して、そこで滞留する現象が発生する場合がある。この現象を寝込み現象という。このような場合、たとえば、冷媒が蒸発器に寝込んでいる場合には、蒸発器に接続された圧縮機を作動させて、冷媒が寝込んでいない方の発熱体冷却手段に、寝込んでいた冷媒を送り込む。このようにすると、冷却条件が成立した方の発熱体冷却手段にも冷媒がない状態からある状態にされるので、蒸発器に寝込みがあっても良好に冷凍システムを始動させることができる。その結果、蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用した冷却システムであって、寝込み現象を解決して発熱体を効率的に冷却することができる。
第5の発明に係る冷却システムは、車両に搭載され、熱を発生する発熱体と、圧縮機、凝縮器、減圧器および蒸発器を有して構成された蒸気圧縮式冷凍サイクルと、凝縮器から流出した冷媒を、減圧器、蒸発器および圧縮機を迂回させて凝縮器の冷媒流入側に導くバイパス通路と、バイパス通路に冷媒を流通させるための冷媒流通手段と、バイパス通路に設けられ、バイパス通路を流通する冷媒と発熱体との間で熱交換させ、発熱体を冷却するための発熱体冷却手段と、蒸発器および発熱体冷却手段の少なくともいずれか一方において冷媒が滞留していることを検知するための検知手段と、蒸発器および発熱体冷却手段のいずれか一方の冷却条件が成立した場合に、発熱体冷却手段において冷媒の滞留が検知されると、冷媒流通手段の作動を停止させて、冷媒滞留の状態に対応させて、発熱体を発熱させるように制御するための制御手段とを含む。
第5の発明によると、発熱体であるモータ、インバータ、ジェネレータおよびバッテリ等により発熱した熱量を、発熱体冷却手段(熱交換器)において冷媒に回収させて凝縮器で冷媒から熱量をシステム外部に放熱する。一方、同じ凝縮器を用いて、空調用の蒸発器で室内から回収された熱量もシステム外部に放熱される。このような冷凍サイクルにおいては、冷媒が圧縮機やポンプで循環していない場合、発熱体冷却手段と蒸発器とで、より温度の低い方に冷媒が移動して、そこで滞留する現象が発生する場合がある。この現象を寝込み現象という。このような場合、たとえば、冷媒が寝込んでいる方の発熱体冷却手段における被冷却体である発熱体を発熱させて、温度を上昇せしめて、この温度上昇により、寝込んでいない方の蒸発器に、寝込んでいた冷媒を送り込む。このとき、寝込んでいた方の発熱体冷却手段に接続された冷媒流通手段である液冷媒ポンプは作動させない。このようにすると、冷却条件が成立した方の蒸発器にも冷媒がない状態からある状態にされるので、寝込みがあっても良好に冷凍システムを始動させることができる。その結果、蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用した冷却システムであって、寝込み現象を解決して発熱体を効率的に冷却することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
<第1の実施の形態>
以下、本実施の形態に係る冷却システムについて説明する。以下においては、この冷却システムをハイブリット自動車に適用したものとして説明する。
以下、本実施の形態に係る冷却システムについて説明する。以下においては、この冷却システムをハイブリット自動車に適用したものとして説明する。
図1は、本実施の形態に係る冷却システム100の模式図である。なお、本実施の形態でいうハイブリット自動車は、モータ210を駆動源として走行する場合と、エンジン(図示せず)を駆動源として走行する場合とを切替えて走行するタイプである。
冷却システム100は、冷媒を吸入圧縮する圧縮機110と、圧縮機110から吐出する冷媒を凝縮させる凝縮器(放熱器)120と、凝縮器120から流出した冷媒を液相冷媒と気相冷媒とに分離して、液相冷媒を流出させるレシーバ130とを含む。圧縮機110は、駆動源の状態に応じてモータ210またはエンジンにより駆動される。
さらに、冷却システム100は、レシーバ130から流出した液相冷媒を減圧する膨張弁(減圧器)140と、膨張弁140にて減圧された液相冷媒を蒸発させて車室内の冷房を図る蒸発器150とを含む。膨張弁140は、圧縮機110に吸入される冷媒の加熱度が所定値となるように、その弁開度が制御される温度式膨張弁である。本実施の形態に係る冷却システムにおいては、圧縮機110、凝縮器120、レシーバ130、膨張弁140および蒸発器150により、蒸気圧縮式冷凍サイクル(以下、冷凍サイクルと略す。)RCによる空調装置が構成されている。
さらに、冷却システム100は、凝縮器120から流出した冷媒を、膨張弁140、蒸発器150および圧縮機110を迂回させて凝縮器120の冷媒流入側に導くバイパス通路160をさらに含む。このバイパス通路160には、モータ210およびインバータ220(図示せず)のパワートランジスタ(以下、これらを総称して発熱体230と記載する。)とバイパス通路160を流通する冷媒とを熱交換させて、発熱体230から発生するジュール熱(ジュール損)を吸熱して発熱体230を冷却する、モータ冷却器170Aおよびインバータ冷却器170B(モータ冷却器170Aとインバータ冷却器170Bとを合わせて冷却器170と記載することがある。)が配設されている。
さらに、冷却システム100は、バイパス通路160に冷媒を流通させる電動ポンプ(以下、ポンプと略す。)180と、レシーバ130と膨張弁140との間に配設されて冷媒通路を開閉する電磁弁190と、圧縮機110から吐出した冷媒がバイパス通路160に流入することを防止する逆止弁200とを含む。
さらに、冷却システム100は、レシーバ130とポンプ180との間に設置された過冷却器1000を有する。この過冷却器1000は、この過冷却器1000がない場合に比較して、冷媒温度を約5℃以上低下させる熱交換器である。この過冷却器1000により、ポンプ180に導入される液冷媒は過冷却の状態となる。
本実施の形態に係る冷却システム100の動作を説明する。
(1)車室内の空調(冷房または除湿)のみ
ポンプ180を停止させるとともに、電磁弁190を開いて圧縮機110を稼動させる。これにより、バイパス通路160には冷媒が流通せず、冷凍サイクルRCのみに冷媒が流通するので、冷凍サイクルRCのみ稼動して車室内に吹き出す空気が蒸発器150により冷却され、車室内の空調が行なわれる。
ポンプ180を停止させるとともに、電磁弁190を開いて圧縮機110を稼動させる。これにより、バイパス通路160には冷媒が流通せず、冷凍サイクルRCのみに冷媒が流通するので、冷凍サイクルRCのみ稼動して車室内に吹き出す空気が蒸発器150により冷却され、車室内の空調が行なわれる。
(2)発熱体230の冷却のみ
ポンプ180を稼動させるとともに、電磁弁190を閉じて圧縮機110を停止させる。これにより、冷凍サイクルRCは停止した状態で、冷媒は凝縮器120と冷却器170との間を循環するので、発熱体230が冷却される。なお、このとき、凝縮器120は、冷却器170にて発熱体230から奪ったジュール熱により加熱又は沸騰(蒸発)した冷媒を冷却又は凝縮させている。つまり、本実施の形態では、発熱体230の冷却は、凝縮器120および冷却器170からなる沸騰冷却サイクルにて行なっている。
ポンプ180を稼動させるとともに、電磁弁190を閉じて圧縮機110を停止させる。これにより、冷凍サイクルRCは停止した状態で、冷媒は凝縮器120と冷却器170との間を循環するので、発熱体230が冷却される。なお、このとき、凝縮器120は、冷却器170にて発熱体230から奪ったジュール熱により加熱又は沸騰(蒸発)した冷媒を冷却又は凝縮させている。つまり、本実施の形態では、発熱体230の冷却は、凝縮器120および冷却器170からなる沸騰冷却サイクルにて行なっている。
(3)車室内の空調および発熱体230の冷却
ポンプ180を稼動させるとともに、電磁弁190を開いて圧縮機110を稼動させる。これにより、冷媒は冷凍サイクルRCおよびバイパス通路160を循環するので、車室内の空調および発熱体230の冷却が行なわれる。
ポンプ180を稼動させるとともに、電磁弁190を開いて圧縮機110を稼動させる。これにより、冷媒は冷凍サイクルRCおよびバイパス通路160を循環するので、車室内の空調および発熱体230の冷却が行なわれる。
(4)過冷却器
上記した(2)または(3)の場合(すなわち発熱体230の冷却が行なわれる場合)には、過冷却器1000により過冷却された液冷媒がポンプ180に導入される。レシーバ130から過冷却器1000を経由しないでポンプ180に導入された冷媒は、飽和状態(飽和液線上にあり、冷媒の圧力が少しでも低下すると沸騰を開始する状態)である。このため、レシーバ130からポンプ180までの管路抵抗により圧損が生じて圧力が低下すると沸騰が生じて気泡が発生して、この気泡がポンプ180内に入ると流量が低下する。また、ポンプ180の翼車近傍おいては局所的に負圧を生じやすいため圧力が低下しやすく、圧力が低下すると沸騰が生じて気泡が発生して、これによりポンプ180の流量が低下する。過冷却器1000は、このポンプ180に液冷媒が導入される前に、液冷媒を過冷却の状態にする。このため、たとえ圧損が生じて冷媒の圧力が低下しても、冷媒が過冷却状態で温度が低いので沸騰しないので気泡の発生がない。ポンプ180に気泡が入って来ないし、ポンプ180内において気泡が発生しないので所定のポンプ能力を発生させることができる。
上記した(2)または(3)の場合(すなわち発熱体230の冷却が行なわれる場合)には、過冷却器1000により過冷却された液冷媒がポンプ180に導入される。レシーバ130から過冷却器1000を経由しないでポンプ180に導入された冷媒は、飽和状態(飽和液線上にあり、冷媒の圧力が少しでも低下すると沸騰を開始する状態)である。このため、レシーバ130からポンプ180までの管路抵抗により圧損が生じて圧力が低下すると沸騰が生じて気泡が発生して、この気泡がポンプ180内に入ると流量が低下する。また、ポンプ180の翼車近傍おいては局所的に負圧を生じやすいため圧力が低下しやすく、圧力が低下すると沸騰が生じて気泡が発生して、これによりポンプ180の流量が低下する。過冷却器1000は、このポンプ180に液冷媒が導入される前に、液冷媒を過冷却の状態にする。このため、たとえ圧損が生じて冷媒の圧力が低下しても、冷媒が過冷却状態で温度が低いので沸騰しないので気泡の発生がない。ポンプ180に気泡が入って来ないし、ポンプ180内において気泡が発生しないので所定のポンプ能力を発生させることができる。
本実施の形態に係る冷却システム100によれば、冷凍サイクルRC内を循環する冷媒のうち、凝縮器120から流出して膨張弁140に流入する前の冷媒により発熱体230を冷却しているので、バイパス通路160(沸騰冷却サイクル)を流通する冷媒の圧力は、冷媒が流通する際の圧力損失分を除き、ほぼ同圧の状態(吐出圧)で流通(循環)する。
したがって、ポンプ180は、バイパス通路160、凝縮器120およびレシーバ130での圧力損失分に対応するポンプ仕事のみ行なえばよいので、従来に比較して、発熱体230を冷却するために増加する機械仕事が小さくなる。延いては、圧縮機110を駆動するための消費電力を小さくすることができるので、モータ210による走行距離を延ばすことができる。
なお、発熱体230を冷却するときと、発熱体230を冷却しないときとでは、冷却システム100内を循環する冷媒量が変化するが、この変化量は、通常の冷凍サイクルと同様に、レシーバ130に蓄えられた冷媒により調節される。
ところで、車室内の空調を行なわないとき(冷凍サイクルRCを稼動させないとき)に、冷媒が蒸発器150内に流入すると、冷媒が蒸発器150内で凝縮してしまい、液冷媒が蒸発器150内に滞留してしまうおそれがある。そして、この液相の冷媒の滞留は、冷媒不足による冷却器170の冷却能力低下、および圧縮機110の稼動直後における液圧縮(液バック)による圧縮機110の損傷を誘発する。
これに対して、本実施の形態に係る冷却システムにおいては、冷凍サイクルRCを稼動させないときには、電磁弁190が閉じられるので、蒸発器150に液冷媒が滞留することを防止できる。したがって、冷却器170の冷却能力低下および圧縮機110の損傷を未然に防止できる。
ところで、仮に、圧縮機110で圧縮されて高温となった冷媒がバイパス通路160に流入してしまうと、発熱体230は冷却器170にて加熱されてしまうので、発熱体230が損傷してしまう可能性がある。
これに対して、本実施の形態に係る冷却システム100では、逆止弁200が設けられているので、圧縮機110から吐出した冷媒が、冷却器170に流入することを確実に防止できる。したがって、発熱体230が損傷することを防止できる。また、圧縮機110から吐出した冷媒が冷却器170に流入しないので、圧縮機110から吐出した冷媒を確実に凝縮器120に流入させることができる。したがって、冷凍サイクルRCを循環する冷媒量が減少することを防止できるので、冷凍サイクルRCの冷凍能力が低下することを防止できる。
さらには、本実施の形態に係る冷却システム100では、過冷却器1000でポンプ180に導入される液冷媒を凝縮器120で冷却されるよりも5℃程度さらに冷却し、管路における圧損により圧力の低下が発生しても、沸騰して気泡が発生しないようにして、気泡の発生によるポンプ180における流量低下を防止している。
このような冷却システム100を搭載した車両が長時間に亘って、イグニッションスイッチがオンされないで、屋外等において停止された状態であると、いわゆる「寝込み」といわれる冷媒の滞留現象が発生する。この寝込み現象とは、圧縮機120もポンプ180も運転されないので、冷媒が強制的にサイクル内を循環されず、温度のより低い部材である、たとえば、これは空調用の蒸発器150、モータ冷却器170Aおよびインバータ冷却器170Bなどの部材に冷媒が滞留する現象である。このような寝込み現象が発生すると、車両の始動時に空調用の蒸発器150に冷媒が寝込んでいると、冷却部170における冷媒量が不足して、モータ210、インバータ220や、ジェネレータ、バッテリ等の発熱体を十分に冷却できないことになる。
本実施の形態に係る冷却システムは、この寝込み現象を解消して、効率的にHV機器(モータ210、インバータ220等)を冷却することができる。そのために、本実施の形態に係る冷却システムは、上述した構成に加えて、さらに、モータ210やインバータ220などの電気機器に接続されたHV(Hybrid Vehicle)機器ECU(Electronic Control Unit)2000と、圧縮機110に接続されたエアコンECU4000と、ポンプ180に接続され、HV機器ECU2000からの制御信号に基づいてポンプ180の回転数を制御するポンプ回転制御回路2400と、空調側の蒸発器150に接続され、この蒸発器150内に冷媒が寝込んでいるか否かを判定する寝込み判定センサ(蒸発器側)5000(以下、単に寝込み判定センサ5000と記載する。)とを有する。
HV機器ECU2000とエアコンECU4000とは接続され、互いに信号の送受信が可能である。冷媒寝込み判定センサ5000は、たとえば超音波式のセンサであって、蒸発器150の内部に液相の冷媒が存在するか否かに基づいて、寝込みの発生を判定する。液相の冷媒が蒸発器150の内に存在すると、冷媒の寝込みが発生していると判定される。
図2を参照して、本実施の形態に係る冷却システム100のHV機器ECU2000で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと略す。)1000にて、HV機器ECU2000は、蒸発器150において冷媒の寝込みがあるか否かを判定する。この判定は、蒸発器150に設けられた冷媒寝込み判定センサ5000から、HV機器ECU2000に入力された信号に基づいて行なわれる。蒸発器150に冷媒の寝込みがあると判定されると(S1000にてYES)、処理はS1010へ移される。もしそうでないと(S1000にてNO)、処理はS1040へ移される。
S1010にて、HV機器ECU2000は、エアコンECU4000を介して圧縮機110をオンするように制御信号をエアコンECU4000に送信する。エアコンECU4000は、受信した制御信号に基づいて、圧縮機110の運転を開始させる。
S1020にて、圧縮機110が一定時間作動したことを確認する。この一定時間とは、たとえば1分程度である。S1030にて、HV機器ECU2000は、エアコンECU4000を介して圧縮機110をオフにする。このときHV機器ECU2000は、エアコンECU4000に対して圧縮機110の停止制御信号を送信する。
S1040にて、HV機器ECU2000は、車両(HV機器)を始動する。すなわち、ポンプ180の運転を開始するように、ポンプ回転制御回路2400に制御信号を送信する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る冷却システムの動作について説明する。
図1に示す冷却システム100が搭載された車両が長時間停止した状態にされて、蒸発器150側に冷媒が滞留している寝込み現象が発生していると想定する。
蒸発器150の内部に滞留している冷媒があるので、冷媒寝込み判定センサ5000により蒸発器150に冷媒が寝込んでいると判定される(S1000にてYES)。圧縮機110の運転が開始され(S1010)、圧縮機110が一定時間(1分程度)作動される(S1020)。このコンプレッサ110の作動により、蒸発器150に滞留していた液冷媒は、凝縮器120側に送られる。その後圧縮機110の運転が停止され(S1030)、車両(HV機器)が始動される(S1040)。このHV機器の始動が行なわれると、ポンプ180の運転が開始される。
以上のようにして、本実施の形態に係る冷却システムによると、空調用の蒸発器の内部に液冷媒が寝込んでいる場合は、ポンプを動作させる前に圧縮機を一定時間(1分程度)起動して、その後にHV側のポンプを始動する。このようにすると、空調用の蒸発器に寝込んでいる冷媒をHV機器側に回収することができ、HV機器冷凍サイクル(凝縮器〜過冷却器〜ポンプ〜モータ冷却器〜インバータ冷却器〜逆止弁)での冷媒量を確保することができる。その結果、蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用した冷却システムであって、寝込み現象を解消して発熱体であるHV機器を効率的に冷却することができる。
<第1の実施の形態 変形例>
以下、本発明の第1の実施の形態の変形例に係る冷却システムについて説明する。本変形例に係る冷却システムは、車両の始動時からHV機器の運転を開始し、レシーバ130内に所定量の冷媒量が溜まらない場合には、空調側の蒸発器150に冷媒が寝込んでいると判定して圧縮機110を起動し冷媒をHV機器側に回収する点が特徴である。
以下、本発明の第1の実施の形態の変形例に係る冷却システムについて説明する。本変形例に係る冷却システムは、車両の始動時からHV機器の運転を開始し、レシーバ130内に所定量の冷媒量が溜まらない場合には、空調側の蒸発器150に冷媒が寝込んでいると判定して圧縮機110を起動し冷媒をHV機器側に回収する点が特徴である。
図3を参照して、本変形例に係る冷却システムの模式図について説明する。なお、図3における模式図において、前述の図1に示した模式図と同じ構成については同じ参照符号を付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
図3に示すように、本変形例に係る冷却システムにおいては、図1に示す冷却システムにおける冷媒寝込み判定センサ5000を有さないで、レシーバ130の冷媒容量を検出する冷媒容量センサ6000を有する。冷媒容量センサ6000は、レシーバ130内の液冷媒の容量を検出し、その信号をHV機器ECU2000に送信する。
図4を参照して、本変形例に係るHV機器ECU2000で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
S1100にて、HV機器ECU2000は、車両(HV機器)を始動させる。このとき、HV機器ECU2000は、ポンプ回転制御回路2400に対してポンプ180の運転を開始するような制御信号を送信する。S1110にて、HV機器ECU2000は、レシーバ130の中の液冷媒の容量を検知する。このとき、冷媒容量センサ6000からHV機器ECU2000に入力された信号に基づいてレシーバ130内の冷媒容量が検知される。
S1120にて、HV機器ECU2000は、レシーバ130内の冷媒容量が予め定められた所定容量以下であるか否かを判断する。レシーバ130内の冷媒容量が予め定められた所定容量以下であると(S1120にてYES)、処理はS1130へ移される。もしそうでないと(S1120にてNO)、処理はS1110へ移される。
S1130にて、HV機器ECU2000は、圧縮機110の運転を開始するようにエアコンECU4000に制御信号を送信する。これにより、エアコンECU4000が圧縮機110に対して運転を開始する制御信号を送信し、圧縮機110が運転を開始する。
S1140にて、HV機器ECU2000は、レシーバ130の冷媒容量を検知する。このS1140における処理は、前述のS1110における処理と同じである。S1150にて、HV機器ECU2000は、レシーバ130内の冷媒容量が所定容量以上であるか否かを判断する。レシーバ130内の冷媒容量が所定容量以上であると(S1150にてYES)、処理はS1160へ移される。もしそうでないと(S1150にてNO)、処理はS1140へ移される。
S1160にて、HV機器ECU2000は、エアコンECU4000に対して、圧縮機110の運転を停止するような制御信号を送信する。これにより、エアコンECU4000は、圧縮機110を停止させる停止信号を送信し、圧縮機110の運転が停止される。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本変形例に係る冷却システムの動作について説明する。なお、以下の説明においては、前述の第1の実施の形態に係る冷却システムの動作の説明と同様、蒸発器150に冷媒が滞留している寝込み現象が発生していると想定する。
車両(HV機器)が始動されポンプ180が運転を開始する(S1100)。このポンプ180の運転が開始されることにより蒸発器150側に冷媒が滞留していない場合には、凝縮器120およびレシーバ130を介して冷却器170に冷媒が送り込まれる。一方、蒸発器150に冷媒が滞留し寝込み現象が発生しているとポンプ180の運転を開始してもレシーバ130から液冷媒を冷却器170に送り込むことができない。
レシーバ130内の冷媒容量が検知され(S1110)、この検知されたレシーバ130内の冷媒容量が所定容量以下である場合には(S1120にてYES)、圧縮機110の運転が開始される(S1130)。すなわち、ポンプ180の運転を開始しても蒸発器150に冷媒が寝込んでいるためレシーバ130の冷媒容量が所定値以下の状態であるため、圧縮機110を運転して蒸発器150から冷媒を回収することになる。
圧縮機110の運転が開始された後、レシーバ130内の冷媒容量が再度検知され(S1140)、レシーバ130内の冷媒が所定容量以上になると(S1150にてYES)、圧縮機110の運転が停止される(S1160)。
以上のようにして、本変形例に係る冷却システムによると、第1の実施の形態のように、蒸発器に冷媒寝込み判定センサを設けることなく、レシーバにおける冷媒容量を検知する冷媒容量センサを設けた。車両が始動されると寝込み現象の有無を判定することなくポンプが運転を開始されレシーバ内の冷媒容量が検知される。そのレシーバ内の容量が所定容量以下であると蒸発器側に冷媒が寝込んでいると判定されて圧縮機が運転を開始され蒸発器から冷媒が回収される。このようにすると、前述の第1の実施の形態に係る冷却システムの効果である蒸発器で冷媒が寝込んでいる場合においてもその寝込み現象を解消してHV機器を冷却することができるとともに、常時レシーバ内の冷媒容量を検知しているので、車両の始動時だけでなく、車両始動後の定常状態においても有効に寝込み現象を解消することができる。
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態に係る冷却システムについて説明する。
以下、本発明の第2の実施の形態に係る冷却システムについて説明する。
図5に本実施の形態に係る冷却システムの模式図を示す。図5に示す模式図の中で、前述の図1に示した模式図と同じ構成については同じ参照符号を付している。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
図5に示すように、本実施の形態に係る冷却システムは、HV機器側の冷却器であるモータ冷却器170Aおよびインバータ冷却器170Bの冷媒の寝込みを判定する冷媒寝込みセンサ(HV機器側)7000を設けた。この冷媒寝込みセンサ7000は、HV機器ECU2000に接続され、モータ冷却器170Aやインバータ冷却器170Bに液冷媒が滞留しているか否かを判定して、HV機器ECU2000にその寝込み判定結果を入力する。
本実施の形態においては、前述の第1の実施の形態のように、冷媒の寝込みがあると判定された場合に、圧縮機110やポンプ180を動作させるのではなく、発熱体であるモータ210やインバータ220の運転を開始することによりモータ210やインバータ220の温度を上昇させることにより、液冷媒をHV機器側から回収する。
図6を参照して、本実施の形態に係る冷却システムのHV機器ECUで実行されるプログラムの制御構造について説明する。
S2000にて、HV機器ECU2000はHV機器側の冷却器170の冷媒の寝込みがあるか否かを判定する。この判定は、モータ冷却器170Aやインバータ冷却器170Bに接続された冷媒寝込み判定センサ7000からHV機器ECU2000に入力された信号に基づいて行なわれる。HV機器側の冷却器170に冷媒が寝込んでいると判定されると(S2000にてYES)、処理はS2010へ移される。もしそうでないと(S2000にてNO)、処理はS2040へ移される。
S2010にて、HV機器ECU2000は、HV機器(モータ210、インバータ220等)の発熱を開始させる。このとき、HV機器ECU2000は、モータ210やインバータ220のそれぞれの制御回路に制御信号を送信してHV機器の運転を開始するように制御したり、モータ冷却器170Aやインバータ冷却器170Bに加熱器を設け、その加熱器を作動させるようにしてもよい。
HV機器が一定時間発熱し(S2020)、その後HV機器の発熱を終了させる(S2030)。(なお、このHV機器を一定時間発熱させている間は、ポンプ180を作動させない)。このようにすると、HV機器側の冷却器170において液冷媒が蒸発されて、凝縮器120に冷媒を回収することができる。その後、圧縮機110が運転を開始する(S2040)。
すなわち、HV機器側の冷却器170において被冷却体であるモータやインバータが発熱したり冷却器170が加熱されたりして寝込んでいた冷媒が蒸発して凝縮器120に回収される。その後、圧縮機110の運転を開始するため、HV機器側の冷却器170に寝込んでいる冷媒を回収した後、圧縮機110の運転を開始することになる。
以上のようにして、本実施の形態に係る冷却システムによると、HV機器側の冷却器に冷媒が寝込んでいると判定された場合には、ポンプを停止させた状態で、被冷却体である発熱体(モータ、インバータ等)を発熱させる。これにより、モータ冷却器およびインバータ冷却器に寝込んでいた液冷媒を蒸発させて凝縮器側に回収することができる。その結果、寝込んでいる方の冷却器を加熱して温度を上昇せしめて、この温度上昇により冷媒を回収することができる。
<第2の実施の形態 変形例>
以下、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る冷却システムについて説明する。なお、本変形例に係る冷却システムの模式図は、前述の第1の実施の形態の変形例の模式図(図3)と同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
以下、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る冷却システムについて説明する。なお、本変形例に係る冷却システムの模式図は、前述の第1の実施の形態の変形例の模式図(図3)と同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
図7を参照して、本変形例に係る冷却システムのHV機器ECU2000で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
S2100にて、HV機器ECU2000は、圧縮機110の運転を開始するようにエアコンECU4000に制御信号を送信する。これにより、圧縮機110の運転が開始される。S2110にて、HV機器ECU2000は、レシーバ130内の冷媒容量を検知する。このとき、レシーバ130に設けられた冷媒容量センサ6000からHV機器ECU2000に入力された信号に基づいて、レシーバ130内の冷媒容量が検知される。
S2120にて、HV機器ECU2000は、レシーバ130内の冷媒容量が所定容量以下であるか否かを判断する。レシーバ130内の冷媒容量が所定容量以下であると(S2120にてYES)、処理はS2130へ移される。もしそうでないと(S2120にてNO)、処理はS2110へ戻される。
S2130にて、HV機器ECU2000は、HV機器(モータ210、インバータ220等)を発熱させる。このとき、HV機器ECU2000からモータ210およびインバータ220に運転の開始制御信号が送信され、モータ210やインバータ220が運転を開始し、HV機器が発熱する。
S2140にて、HV機器ECU2000は、レシーバ130内の冷媒容量を再度検知する。S2150にて、HV機器ECU2000は、レシーバ130内の冷媒容量が所定容量以上であるか否かを判断する。レシーバ130内の冷媒容量が所定容量以上であると(S2150にてYES)、処理はS2160へ移される。もしそうでないと(S2150にてNO)、処理はS2140へ戻される。
S2160にて、HV機器ECU2000は、HV機器(モータ210、インバータ220等)の発熱を停止させる。このとき、HV機器ECU2000は、モータ210およびインバータ220に運転停止信号を送信する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本変形例に係る冷却システムの動作について説明する。なお、以下の説明においては、前述の第2の実施の形態の動作の説明と同様、HV機器側の冷却器170に冷媒が寝込んでいると想定する。
車両の運転が開始されて、この冷却システムが稼動されると圧縮機110の運転が開始される(S2100)。レシーバ130内の冷媒容量が検知され(S2110)、レシーバ130内の冷媒容量が所定容量以下であると(S2120)、HV機器が発熱させるために、モータ210やインバータ220が運転を開始する(S2130)。
レシーバ130内の冷媒容量が再度検知され(S2140)、レシーバ130内の冷媒容量が所定容量以上になると(S2150にてYES)、HV機器(モータ210、インバータ220)の発熱が停止される(S2160)。
以上のようにして、本変形例に係る冷却システムによると、車両の始動後に寝込み現象の発生の有無を判定することなく始動当初から圧縮機を起動して、レシーバ内の冷媒が所定容量以下であるとHV機器側の冷却器に冷媒が寝込んでいると考えられるので、HV機器を発熱させてHV側の冷却器内の冷媒を蒸発させて冷媒を回収する。このとき、ポンプは運転をさせない。このようにすると、前述の第2の実施の形態に係る冷却システムの効果に加えて、常時レシーバ内の冷媒容量を検知しているので、車両の始動時だけでなく、車両の定常運転状態においても冷却システムにおける寝込み現象を解消することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
110 圧縮機、120 凝縮器(放熱器)、130 レシーバ、140 膨張弁、150 蒸発器、160 バイパス通路、170A モータ冷却器、170B インバータ冷却器、180 ポンプ、190 電磁弁、200 逆止弁、210 モータ、220 インバータ、230 発熱体、1000 過冷却器、2000 HV機器ECU、2100 インバータ電流センサ、2200 モータ電流センサ、2300 モータ回転センサ、2400 ポンプ回転制御回路、3000 気液分離器、3100 液リターンライン、3200 冷媒量センサ、4000 エアコンECU、5000 冷媒寝込み判定センサ(蒸発器側)、6000 冷媒容量センサ、7000 冷媒寝込み判定センサ(HV機器側)。
Claims (5)
- 第1の蒸発器および第2の蒸発器と、
前記第1の蒸発器および前記第2の蒸発器に接続された凝縮器と、
前記第1の蒸発器に接続され、前記第1の蒸発器と前記凝縮器との間で冷媒を循環させるための第1の冷媒循環手段と、
前記第2の蒸発器に接続され、前記第2の蒸発器と前記凝縮器との間で冷媒を循環させるための第2の冷媒循環手段と、
前記第1の蒸発器および前記第2の蒸発器の少なくともいずれか一方の蒸発器において冷媒が滞留していることを検知するための検知手段と、
前記第1の蒸発器および第2の蒸発器のいずれか一方の蒸発器の冷却条件が成立した場合に、他方の蒸発器において冷媒の滞留が検知されると、前記冷媒の滞留状態に対応させて前記他方の蒸発器に接続された冷媒循環手段を制御するための制御手段とを含む、冷却システム。 - 第1の蒸発器および第2の蒸発器と、
前記第1の蒸発器および前記第2の蒸発器に接続された凝縮器と、
前記第1の蒸発器に接続され、前記第1の蒸発器と前記凝縮器との間で冷媒を循環させるための第1の冷媒循環手段と、
前記第2の蒸発器に接続され、前記第2の蒸発器と前記凝縮器との間で冷媒を循環させるための第2の冷媒循環手段と、
前記第1の蒸発器および前記第2の蒸発器の少なくともいずれか一方の蒸発器を加熱するための加熱手段と、
前記第1の蒸発器および前記第2の蒸発器の少なくともいずれか一方の蒸発器において冷媒が滞留していることを検知するための検知手段と、
前記第1の蒸発器および第2の蒸発器のいずれか一方の蒸発器の冷却条件が成立した場合に、他方の蒸発器において冷媒の滞留が検知されると、前記他方の蒸発器に接続された冷媒循環手段の作動を停止させて、前記冷媒の滞留状態に対応させて前記他方の蒸発器を加熱するように、前記加熱手段を制御するための制御手段とを含む、冷却システム。 - 前記加熱手段は、前記蒸発器の被冷却体を発熱させることにより、前記蒸発器を加熱するための手段を含む、請求項2に記載の冷却システム。
- 車両に搭載され、熱を発生する発熱体と、
圧縮機、凝縮器、減圧器および蒸発器を有して構成された蒸気圧縮式冷凍サイクルと、
前記凝縮器から流出した冷媒を、前記減圧器、前記蒸発器および前記圧縮機を迂回させて前記凝縮器の冷媒流入側に導くパイパス通路と、
前記パイパス通路に冷媒を流通させるための冷媒流通手段と、
前記バイパス通路に設けられ、前記バイパス通路を流通する冷媒と前記発熱体との間で熱交換させ、前記発熱体を冷却するための発熱体冷却手段と、
前記蒸発器および前記発熱体冷却手段の少なくともいずれか一方において冷媒が滞留していることを検知するための検知手段と、
前記蒸発器および前記発熱体冷却手段のいずれか一方の冷却条件が成立した場合に、他方において冷媒の滞留が検知されると、前記冷媒の滞留状態に対応させて、前記圧縮機および前記冷媒流通手段の少なくともいずれか一方を作動させるように制御するための制御手段とを含む、冷却システム。 - 車両に搭載され、熱を発生する発熱体と、
圧縮機、凝縮器、減圧器および蒸発器を有して構成された蒸気圧縮式冷凍サイクルと、
前記凝縮器から流出した冷媒を、前記減圧器、前記蒸発器および前記圧縮機を迂回させて前記凝縮器の冷媒流入側に導くパイパス通路と、
前記パイパス通路に冷媒を流通させるための冷媒流通手段と、
前記バイパス通路に設けられ、前記バイパス通路を流通する冷媒と前記発熱体との間で熱交換させ、前記発熱体を冷却するための発熱体冷却手段と、
前記蒸発器および前記発熱体冷却手段の少なくともいずれか一方において冷媒が滞留していることを検知するための検知手段と、
前記蒸発器および前記発熱体冷却手段のいずれか一方の冷却条件が成立した場合に、前記発熱体冷却手段において冷媒の滞留が検知されると、前記冷媒流通手段の作動を停止させて、前記冷媒滞留の状態に対応させて、前記発熱体を発熱させるように制御するための制御手段とを含む、冷却システム。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20061205 |