JP2005080603A - 生体リズム障害の度合の判断方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】生体リズム障害を的確に、且つ、簡便に評価する技術を提供すること、および、生体リズム障害患者の障害の診断ならびに治療方針を定めるための診断基準を提供すること。
【解決手段】時計遺伝子hPer2の発現量の時間的変化を指標とする、生体リズム障害の度合の判断方法。
【選択図】なし。
【解決手段】時計遺伝子hPer2の発現量の時間的変化を指標とする、生体リズム障害の度合の判断方法。
【選択図】なし。
Description
本発明は、生体リズム障害の度合の判断方法に関する。
地球上に生息する多くの生物は、地球の自転により創出される環境変化に適応するため、体内に24時間周期で時を刻む生体時計を発達、保持してきた。このため生体には生物時計に支配されている内因性の生体リズムが多く存在する。これらは概日リズム(サーカディアンリズム)と呼ばれている。恒常環境下で現れる周期をフリ−ラン周期と呼び、ヒトではほぼ25時間である。
最近、この生体リズムの不調による睡眠障害の患者が増加している。このような患者は、睡眠障害国際分類では、概日リズム睡眠障害(Circadian Rhythm Sleep Disorders:CRSD)として明記されている。この概日リズム障害は、夜勤や時差地域への急速な移動など、内因性生体リズムに逆らったスケジュールで生活することによって生じる睡眠障害と、内因性生体リズム自体の変調により睡眠・覚醒スケジュールが望ましい時間帯から慢性的にずれてしまう睡眠障害とに分けられる。後者の内因性生体リズム自体の変調による睡眠障害のうち、睡眠相後退症候群(DSPS)と、非24時間睡眠・覚醒症候群(Non−24)は、特に社会的にも問題になっている。
生体リズムを検査する方法に関する文献としては、次のような文献がある。
特開平6−217946号公報
特開2000−166877号公報
Ebisawa他,Alleicvariants of human melatonin 1a receptor:function and prevalence in subjectswith circadian rhythm sleep disorders,Biochem Biophys Res Commun,262,:832-837(1999)
岡村均、増渕悟、市川直征、山口瞬、時計遺伝子のフードバックループ、神経研究の進歩、45:755-762(2001)
Bjamason他、Circadianexpression of clock genes in human oral mucosa and skin: association withspecific cell-cycle phases,AmJPathol,158:1793-1801(2001)
学習、記憶、認知、意欲の機能低下を伴う小児型慢性疲労症候群としての不登校状態にある学生・生徒は上記DSPSかNon−24に起因すると考えられている。
このような生体リズム障害の研究は、病態の解明のみならず治療の開発に至るまで精力的に研究が進められている。しかし、今なおその本態は充分に解明されておらず、治療法も試行錯誤を重ねている。また、診断方法も開発段階であり、未だ確立されたものではない。
特許文献1には、心電計測データから生体リズムを測定する方法が開示されている。特許文献2には、繰り返しリズム運動の筋肉の動きを計測することにより生体リズムを検査する方法が開示されている。非特許文献1には、メラトニンが生体リズムに関与していることが記載されている。また、血中コルチゾールの発現量が生体リズムの指標になりうることが報告されている。しかしながら、本発明者らの検討によれば、コルチゾール発現量は、生体リズムの一応の指標とはなるものの、これにより生体リズムの異常を明確に判断することは困難であった。
非特許文献2には、サーカディアンリズムが時計遺伝子と呼ばれる一連の遺伝子群により駆動される、その時計発振機構について開示されている。しかし、時計遺伝子の発現と生体リズム疾患との関連については言及されていない。
非特許文献3には、健常者の皮膚と口腔粘膜で、時計遺伝子hPer1、hBmall及びhCry1においてサーカディアンリズムの発現が認められたことが報告されている。しかし、これらの時計遺伝子の発現が生体リズム障害の定量の指標になることは全く知られていなかった。更に、体液、特に血液での挙動については、ヒトにおいてなんら調べられていなかった。
本発明は、この様な状況下行われたものであり、生体リズム障害を的確に、且つ、簡便に評価する技術を提供することを目的としている。本発明の他の目的は、生体リズム障害患者の障害の診断ならびに治療方針を定めるための診断基準を提供することを目的としている。
すなわち、本発明は、時計遺伝子hPer2の発現量の時間的変化を指標とする、リズム障害の度合の判断方法である。
ヒト時計遺伝子は、ヒトの体液から採取したものであることが好ましい。
体液は、血液であることが好ましい。
遺伝子は、mRNAであることが好ましい。
時計遺伝子として考えられているhPer2遺伝子の発現量の時間的変化が、午前4〜10時を最高部、午後2〜8時を最低部とした、滑らかな曲線を形成していることを正常とし、それからの解離の度合で障害の度合を判断することが好ましい。
本発明では、リズム障害は、睡眠障害、不登校、うつ状態、及び慢性疲労からなる群から選択される1つ以上の症状を特に対象とする。
本発明によれば、他の生体リズムを表示しうる指標に比べて、生体リズム障害をより的確に、且つ、簡便に評価することができる。また本発明の評価方法によれば、生体リズム障害患者の治癒度合いを明確に判断することができる。この程度の障害の程度は既存の診断基準である、血圧、体温、生体内ホルモン類であるメラトニン、コルチゾールなどの評価では診断することは不可能であるが、本発明の時計遺伝子のモニタリングにより正確に生体リズム障害の程度を診断することが可能となった。
以下、本発明について、実施の形態を中心に詳細に説明する。
本発明の生体リズム障害の度合いを判断する方法は、好ましくは、体液における、時計遺伝子hPer2の発現量を指標とする事を特徴とする。
本発明の生体リズム障害の度合いを判断する方法は、好ましくは、体液における、時計遺伝子hPer2の発現量を指標とする事を特徴とする。
時計遺伝子とは、ヒトでは、生体リズムを調節する役割を担う遺伝子であり、これまでにhPer1、hPer2、hPer3、hBmall,hCry1、hCry2、hDec1、およびhDec2等が知られている。マウスにおいてもこれらの遺伝子は、類似の塩基配列をもつ。
ヒトにおける時計遺伝子hPer2は、その塩基配列表がジーンバンクにNo(NM_022817)として登録されている。時計振動体遺伝子であるhPer2は自身のコードするタンパクがネガティブ因子となり自分の転写を制御する。振動周期はネガティブ因子の産生から抑制までの過程で生じる時間的なずれの大きさによって決定される。また一方で、ネガティブ因子の転写を促進するポジティブ因子(Bmal1とclockのヘテロダイマー)が存在し、翻訳されたネガティブ因子が周期的にポジティブ因子に抑制をかけることによって継続する振動が成り立っている。
本発明の生体リズム障害の度合の判断方法では、時計遺伝子を細胞組織または体液から採取する。これらのうちでは、採取の容易な体液から採取するのが好ましい。体液としては、全血液、血漿液、血清液、リンパ液、脳髄液、***、唾又は乳液等を挙げることができる。これらの体液のうちでは、全血液が、mRNAの採取が容易なため好ましい。
体液、とりわけ血液から時計遺伝子hPer2を採取、定量するには、まず血液からmRNAを採取する。血液からのmRNAの分離は、通常検討される種々の手法により行えばよい。例えば、下記の実施例で示した全RNAキット等を用いて採取することができる。
次いで、採取した全RNAに対してDNAの混入を防ぐために、DNaseによりDNAを分解し、時計遺伝子の部分のmRNAのみを採取・精製する。この採取・精製は、市販されているRNA抽出キット等を用いて行なうことができる。
上記方法で精製した時計遺伝子のmRNAに逆転写酵素を用いて、cDNAを作成する。この方法も公知の方法であり、試薬会社などより逆転写酵素も容易に入手することができる。
上記方法で採取した時計遺伝子のcDNAは、次いで、PCR反応によりクロ−ニングする。PCR反応法自体も公知の方法であり、cDNAを鋳型とし、プライマーを用いて複製することによりcDNAを増殖させる。PCRは通常、高温、例えば95℃−15秒の条件下でDNAを一本鎖とし、次いで低温、例えば60℃で1分間反応させることによりDNA鎖が複製される。このサイクルを通常50回程度繰り返してDNAを増殖させる。
PCR法によりクローニングされた時計遺伝子hPer2の定量は、例えば、内部標準としてβ―アクチンを使用し、検量線法により各遺伝子の発現量を算出し、内部標準と対比することにより求めることができる。データはコサイナー解析ソフト(コサイナー社)を用いて、24時間単一周期のシングル コサイナー法により、リズム解析を行ない、振幅(amplitude)、頂点位相(acrophase)を求めてもよい。また、図式的に最高濃度と最低濃度を評価するものでも良い。
時計遺伝子hPer2の発現量は、生体リズムが正常の場合は、実施例の図1のように、発現量の時間的変化が、午前4〜10時を最高部、午後2〜8時を最低部とした、滑らかな曲線を形成している。すなわち、その曲線は約24時間周期のサインカーブを示すものである。
生体リズムに障害の有無を判断する場合、時計遺伝子の発現量の曲線の周期が24時間から外れる場合、最高部と最低部を示す時間が外れる場合、高低が認められない場合は、正常でなく生体リズム障害を持つと考えて良い。更に、何らかの治療を施しても時計遺伝子hPer2の発現量の曲線が、上記正常時の曲線を外れる傾向を示す場合、生体リズム障害は完全には治癒されていないと考えられる。このように正常曲線からの解離の度合で障害の度合を判断することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明について更に詳細に説明するが、本発明がこれら実施例になんら限定されるものではない。なお、測定は次の方法で行なった。
(メラトニン濃度の測定)
血中メラトニン濃度は、RIA2抗体法により測定した。
(コルチゾール濃度の測定)
血中コルチゾール濃度は、公知の測定方法であるRIA固相法により測定した。
血中メラトニン濃度は、RIA2抗体法により測定した。
(コルチゾール濃度の測定)
血中コルチゾール濃度は、公知の測定方法であるRIA固相法により測定した。
被験者から4時間おきに採取した静脈血2.5mlを、PAXgene ブラッド RNA チューブ(Qiagen社)に保存した。
PAXgene ブラッドRNAキット(Qiagen社)を用いて、プロトコルに従い、総血液から総RNAを精製した。この際、総RNAはRNase-フリーDNaseセット(Qiagen社)を用いて、DNase処理を行なった。
精製した総RNAから、レーバー トラ エース-α-(東洋紡社製)を用いて逆転写反応を行い、cDNAを作成した。逆転写反応は、24μl総RNA、2μlランダムプライマー、8μl5x室温緩衝液、2μldNTP混合物、および2μlレーバートラエースを含む全量40μlを反応液とし、25℃−10分、42℃−50分、95℃―5分で行なった。
作成したcDNAを鋳型として、標的遺伝子特異的なプライマー(インビトロゲン社製)と、タクマンプローブ(アプライドバイオシステムズ社製)を用いて、ABIPRISM7700シーケンスディテクター(アプライドバイオシステムズ社製)により、リアルタイムPCRを行なった。PCR反応は、1μlcDNA、1μMPCRプライマー、1μMタクマンプローブ(アプライドバイオシステムズ社製)および12.5μlタクマンユニバーサルマスターミックス(アプライドバイオシステムズ社製)を含む、全量25μlで行なった。PCR条件は、50℃−2分、95℃−10分でインキュベート後、95℃−15秒、60℃−1分の反応を50サイクル行なった。プライマーおよびプローブ設計は標的遺伝子の配列から設定した。その配列を表1に示す。内部標準としてヒトβ−アクチンを使用した。遺伝子の発現量は、検量線法により各遺伝子の発現量を算出し、内部標準に対する相対比を求めた。なお、今回示したプライマーの配列はここで提示したものに限定されるものでない。
データはコサイナー解析ソフト(コサイナー社)を用いて、24時間単一周期のシングル コサイナー法により、リズム解析を行ない、振幅(amplitude)、頂点位相(acrophase)を求めた。
(症例)
患者:16歳 女性
診断名:非24時間睡眠・覚醒症候群(non−24)
病歴:小学校5年生頃から朝起きができなくなり、週2〜3回は学校を休んだ。中学校1年生の夏休みに昼夜が完全に逆転した。日中の眠気、全身倦怠感、頭痛、胃痛およびうつ状態がひどくなった。
患者:16歳 女性
診断名:非24時間睡眠・覚醒症候群(non−24)
病歴:小学校5年生頃から朝起きができなくなり、週2〜3回は学校を休んだ。中学校1年生の夏休みに昼夜が完全に逆転した。日中の眠気、全身倦怠感、頭痛、胃痛およびうつ状態がひどくなった。
(治療)
入院し、起床後光を照射する光照射と、メラトニン、メチルB12を1日3回食後に内服する時間治療を行なった。さらに、運動療法とフルボキサミンの投与も行なった。退院後も投与は継続して行った。
入院し、起床後光を照射する光照射と、メラトニン、メチルB12を1日3回食後に内服する時間治療を行なった。さらに、運動療法とフルボキサミンの投与も行なった。退院後も投与は継続して行った。
(治療結果)
治療の開始により睡眠相が前進し、その後も入院中は24時間周期の睡眠・覚醒リズムを維持できた。しかし、退院後は投薬を継続したにもかかわらず、睡眠相が後退し、再びnon−24の睡眠・覚醒パターンに戻った。入院前後の睡眠時間帯を図2に示す。
治療の開始により睡眠相が前進し、その後も入院中は24時間周期の睡眠・覚醒リズムを維持できた。しかし、退院後は投薬を継続したにもかかわらず、睡眠相が後退し、再びnon−24の睡眠・覚醒パターンに戻った。入院前後の睡眠時間帯を図2に示す。
(評価)
実施例2において、患者の血液を4時間毎に採取し、血液中のhPer2の量を定量した。治療前と治療後のhPer2の発現量を図3に示す。
実施例2において、患者の血液を4時間毎に採取し、血液中のhPer2の量を定量した。治療前と治療後のhPer2の発現量を図3に示す。
(比較例1)
実施例2において、評価手段として、hPer1に着目する以外は実施例2と同様に行なった。結果を図4に示す。
実施例2において、評価手段として、hPer1に着目する以外は実施例2と同様に行なった。結果を図4に示す。
(比較例2)
実施例2において、評価手段として、hPer3に着目する以外は実施例2と同様に行なった。結果を図5に示す。
実施例2において、評価手段として、hPer3に着目する以外は実施例2と同様に行なった。結果を図5に示す。
(比較例3)
実施例2において、評価手段として、hClockに着目する以外は実施例2と同様に行なった。結果を図6に示す。
実施例2において、評価手段として、hClockに着目する以外は実施例2と同様に行なった。結果を図6に示す。
(比較例4)
実施例2において、評価手段として、hBmal1に着目する以外は実施例2と同様に行なった。結果を図7に示す。
実施例2において、評価手段として、hBmal1に着目する以外は実施例2と同様に行なった。結果を図7に示す。
(比較例5)
実施例2において、評価手段として、メラトニンに着目する以外は実施例2と同様に行なった。結果を図8に示す。
実施例2において、評価手段として、メラトニンに着目する以外は実施例2と同様に行なった。結果を図8に示す。
(比較例6)
実施例2において、評価手段として、コルチゾールに着目する以外は実施例2と同様に行なった。結果を図9に示す。
実施例2において、評価手段として、コルチゾールに着目する以外は実施例2と同様に行なった。結果を図9に示す。
hPer2の発現パターンを治療開始時と入院治療後において比較したが、共に健常人パターンに類似したものでなく、前に述べたように、明らかにパターンが異なっていた。なお、既存の検査項目である、メラトニン、コルチゾールの治療後の値は健常人に類似しており、生体リズム障害を検出するには至っていない。
(症例)
患者:15歳 女性
診断名:睡眠相後退症候群(DSPS)
病歴:中学校2年生のときいじめを受け不登校状態になり、徐々に昼夜逆転状態になった。
患者:15歳 女性
診断名:睡眠相後退症候群(DSPS)
病歴:中学校2年生のときいじめを受け不登校状態になり、徐々に昼夜逆転状態になった。
(治療)
入院し、起床後光を照射する光照射と、メラトニン、メチルB12を1日3回食後に内服する時間治療を行なった。さらに、運動療法パロキセチンの投与も行なった。退院後は投与は行なわなかった。入院前後の睡眠時間帯を図10に示す。
入院し、起床後光を照射する光照射と、メラトニン、メチルB12を1日3回食後に内服する時間治療を行なった。さらに、運動療法パロキセチンの投与も行なった。退院後は投与は行なわなかった。入院前後の睡眠時間帯を図10に示す。
(治療結果)
治療の開始により睡眠相が前進し、本人が望む睡眠・覚醒パターンに改善できた。退院後もそのリズムを維持できた。
治療の開始により睡眠相が前進し、本人が望む睡眠・覚醒パターンに改善できた。退院後もそのリズムを維持できた。
(評価)
実施例2と同様に、患者の血液を4時間毎に採取し、血液中のhPer2の量を定量した。治療前と治療後のhPer2の発現量を図11に示す。
実施例2と同様に、患者の血液を4時間毎に採取し、血液中のhPer2の量を定量した。治療前と治療後のhPer2の発現量を図11に示す。
(比較例7)
実施例3において、評価手段として、hPer1に着目する以外は実施例3と同様に行なった。結果を図12に示す。
実施例3において、評価手段として、hPer1に着目する以外は実施例3と同様に行なった。結果を図12に示す。
(比較例8)
実施例3において、評価手段として、hPer3に着目する以外は実施例3と同様に行なった。結果を図13に示す。
実施例3において、評価手段として、hPer3に着目する以外は実施例3と同様に行なった。結果を図13に示す。
(比較例9)
実施例3において、評価手段として、hClockに着目する以外は実施例3と同様に行なった。結果を図14に示す。
実施例3において、評価手段として、hClockに着目する以外は実施例3と同様に行なった。結果を図14に示す。
(比較例10)
実施例3において、評価手段として、hBmal1に着目する以外は実施例3と同様に行なった。結果を図15に示す。
実施例3において、評価手段として、hBmal1に着目する以外は実施例3と同様に行なった。結果を図15に示す。
(比較例11)
実施例3において、評価手段として、メラトニンに着目する以外は実施例3と同様に行なった。結果を図16に示す。
実施例3において、評価手段として、メラトニンに着目する以外は実施例3と同様に行なった。結果を図16に示す。
(比較例12)
実施例3において、評価手段として、コルチゾールに着目する以外は実施例3と同様に行なった。結果を図17に示す。
実施例3において、評価手段として、コルチゾールに着目する以外は実施例3と同様に行なった。結果を図17に示す。
以上の実施例で示したように、hPer2の発現パターンを治療開始時と入院治療後において比較した結果、治療前に異常であったhPer2の発現パターンが、治療により健常人パターンに類似したものとなった。一方、既存の検査項目である、メラトニン、コルチゾールの値は、治療前であっても健常人に類似しており、生体リズム障害を検出するには至っていない。また、治療後においても健常人とほぼ同様であり、変化は認められていない。すなわち、既存の診断方法では、健常人と区別ができない生体リズム障害は時計遺伝子のパターンの検出により診断が可能であり、治療効果の変化を評価できる診断方法であることが示された。このことから、時計遺伝子のパターン検出は生体リズム障害患者の診断において有用であり、治療計画作成に十分な情報を与えるものと考えられる。
生体リズム診断において既存の方法と組み合わせることで更に正確なリズム診断が可能となるため、生体リズム障害が原因と考えられる疾患に対して有用な診断方法を提供するものと期待される。
Claims (6)
- 時計遺伝子hPer2の発現量の時間的変化を指標とする、生体リズム障害の度合の判断方法。
- ヒト時計遺伝子が、ヒトの体液から採取したものであることを特徴とする請求項1に記載の生体リズム障害の度合の判断方法。
- 体液が、血液であることを特徴とする、請求項2に記載の生体リズム障害の度合の判断方法。
- 遺伝子が、mRNAであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の生体リズム障害の度合の判断方法。
- 時計遺伝子の発現量の時間的変化が、午前4〜10時を最高部、午後2〜8時を最低部とした、滑らかな曲線を形成していることを正常とし、それからの解離の度合で障害の度合を判断することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の生体リズム障害の度合の判断方法。
- 生体リズム障害が、睡眠障害、不登校、うつ状態、及び慢性疲労からなる群から選択される1つ以上の症状であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の生体リズム障害の度合の判断方法。
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