JP2005076075A - 溶射皮膜とその形成方法及び軸受部材 - Google Patents

溶射皮膜とその形成方法及び軸受部材 Download PDF

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Abstract

【課題】鉛を含まない摺動特性に優れかつ高強度で密着性に優れた溶射皮膜とその形成方法、及び鉛を含まない摺動特性に優れかつ高強度で密着性に優れた溶射皮膜を有する軸受部材を提供することである。
【解決手段】基材表面に溶射する溶射粉末を、重量百分率で5〜25%のSn粉末と95〜75重量%のAl粉末とを混合した混合粉末とする。ここで、Al粉末の粒径に対するSn粉末の粒径が0.5〜0.8であることが望ましい。
また、基材表面に溶射する溶射粉末を、重量百分率で15〜40%のSnを含有し、残部が銅及び不可避的不純物からなる粉末とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、金属粒子を基材表面に溶射して形成した溶射皮膜と、その形成方法および軸受部材に関する。
軸受部材の摺動部に溶射皮膜を形成することで、軸受部材を小型化、軽量化することができる。近年、このような溶射皮膜を形成した軸受部材に関する技術が報告されるようになった(例えば、特許文献1)。当該文献に開示された軸受材料は、溶射により形成される特殊な組織を持つ青銅系軸受け材料に関するものである。すなわち、溶射層の組織を青銅アトマイズ粉の未溶解組織と、鉛を強制固溶した層状溶射組織との混合組織とするか、あるいは3〜40%の鉛を含有する粉体の未溶解組織と、3%未満の鉛を含有するかもしくは含有しない溶解組織との混合組織としたものである。このような組織の溶射層を有することで、摺動特性に優れ、かつ高硬度で密着性に優れた軸受材料が得られるとしている。しかし、当該技術においては、主として摺動成分として多量の鉛を使用している。
2000年10月に発効したいわゆる「EU廃車指令」では、原則として自動車部材に、鉛、水銀、カドミウムおよび6価クロムといった重金属の使用を禁止している。このため、摺動部に鉛を含まない溶射軸受部材の開発が望まれていた。
特許第2965192号公報
本発明は以上の事情に鑑みてなされたもので、本発明の第1の目的は、鉛を含まない摺動特性に優れかつ高強度で密着性に優れた溶射皮膜を提供することである。また、本発明の第2の目的は、鉛を含まない摺動特性に優れかつ高強度で密着性に優れた溶射皮膜の形成方法を提供することである。さらに、本発明の第3の目的は、鉛を含まない摺動特性に優れかつ高強度で密着性に優れた溶射皮膜を形成した軸受部材を提供することである。
本発明者は、溶射皮膜中にSnを多量に含有させることにより,摺動特性に優れかつ高強度で密着性に優れた溶射皮膜を得ることのできることを見出して本発明を完成した。
請求項1の溶射皮膜に係わる発明は、本発明の第1発明であり、上記第1の目的を達成するために、金属粒子を基材表面に溶射して形成した溶射皮膜であって、前記金属粒子は、重量百分率で5〜25%のSn粉末と95〜75重量%のAl粉末とを混合した混合粉末であることを特徴とするものである。
請求項2の溶射皮膜に係わる発明は、上記第1の目的を達成するために、請求項1に記載の発明において、前記混合粉末の粒径は10〜75μmであることを特徴とするものである。
請求項3の溶射皮膜に係わる発明は、上記第1の目的を達成するために、請求項1または2に記載の発明において、前記Al粉末の粒径に対する前記Sn粉末の粒径が0.5〜0.8であることを特徴とするものである。
請求項4の溶射皮膜に係わる発明は、本発明の第2発明であり、上記第1の目的を達成するために、金属粒子を基材表面に溶射して形成した溶射皮膜であって、
前記金属粒子は、重量百分率で15〜40%のSnを含有し、残部が銅及び不可避的不純物からなる粉末であることを特徴とするものである。
請求項5の溶射皮膜に係わる発明は、上記第1の目的を達成するために、請求項4に記載の発明において、前記粉末の粒径は10〜45μmであることを特徴とするものである。
請求項6の溶射皮膜に係わる発明は、上記第1の目的を達成するために、請求項4または5に記載の発明において、前記溶射層中の酸素濃度が4重量%未満であることを特徴とするものである。
請求項7の溶射皮膜の形成方法に係わる発明は、本発明の第3発明であり、上記第2の目的を達成するために、重量百分率で5〜25%のSnと95〜75重量%のAl粉末とを混合した混合粉末を基材表面に溶射して溶射皮膜を形成することを特徴とするものである。
請求項8の溶射皮膜の形成方法に係わる発明は、本発明の第4発明であり、上記第2の目的を達成するために、重量百分率で15〜40%のSnを含有し、残部が銅及び不可避的不純物からなる粉末を基材表面に溶射して溶射皮膜を形成することを特徴とするものである。
請求項9の溶射皮膜の形成方法に係わる発明は、上記第2の目的を達成するために、請求項8に記載の発明において、前記基材を200〜300℃に予熱することを特徴とするものである。
請求項10の溶射皮膜の形成方法に係わる発明は、上記第2の目的を達成するために、請求項9に記載の発明において、前記溶射皮膜の積層回数は1回であることを特徴とするものである。
請求項11の軸受部材に係わる発明は、本発明の第5発明であり、上記第3の目的を達成するために、金属粒子を基材表面に溶射して溶射皮膜を形成した軸受部材であって、前記金属粒子は、重量百分率で5〜25%のSn粉末と95〜75重量%のAl粉末とを混合した混合粉末であることを特徴とするものである。
請求項12の軸受部材に係わる発明は、本発明の第6発明であり、上記第3の目的を達成するために、金属粒子を基材表面に溶射して溶射皮膜を形成した軸受部材であって、前記金属粒子は、重量百分率で15〜40%のSnを含有し、残部が銅及び不可避的不純物からなる粉末であることを特徴とするものである。
本発明の第1発明の溶射皮膜は、Al粉末とSn粉末とを混合粉末として溶射して形成するので、溶射皮膜中にSnを均一に分散することができる。従って、面圧疲労強度が高く焼き付き強度の高い良好な溶射皮膜を得ることができる。
また、本発明の第2発明の溶射皮膜は、Cu中に大量のSnを含有させることによって、溶射皮膜の酸化を抑制することができる。従って、溶射皮膜の硬化を抑えることができ、溶射粉末を高温で溶融することができるので、基材との密着強度が高く、また、面圧疲労強度の高い溶射皮膜を得ることができる。さらに、本合金粉末によれば、溶射時の粉末供給量を多くして溶射皮膜の積層回数(溶射ガンのパス回数)を減らすことができる。これにより、形成された溶射皮膜の品質の向上と、生産性を著しく向上させる効果がある。
本発明の軸受部材は、自動車内燃機関のコンロッドとして好適に使用することができる。
本発明の軸受部材は、軸受部材の小型化、軽量化に寄与し、さらに燃費の向上に寄与するところ大である。
まず、本発明の第1発明の実施の形態について図1〜13を参照しながら説明する。
Al−Sn合金粉末をプラズマ溶射して溶射皮膜を形成すると、SnはAl中に固溶しにくいために溶射された合金粉末表面にSnが析出する。Snは融点が232℃と、Alの660℃に対して極めて低い。このため、図12に示すように溶射皮膜1では、隣接する溶射粒子から該粒子表面に析出したSn3が溶融するとともに連なって融合し、Al粒子2を包み込んだ溶射組織が得られる。このような溶射組織においては,Alに比べてSnの強度は低いために、溶射被膜1に引張り力が働くと融合したSn3に沿って亀裂Cが発生する。従って、溶射被膜1の強度は低いものとなる。図13に、Al−10%Sn合金粉末を溶射して得られた溶射皮膜のEPMAによるマッピング像を示す。aはAl,bはSnのマッピング像である。Alの間に融合したSnが連続面を形成していることが分かる。
本第1発明の溶射皮膜は、Al粉末にSn粉末を混合して、この混合粉末を溶射して形成した溶射皮膜である。このようにして形成された溶射皮膜では、図1に示すようにAl粒子2の層中に溶融Sn3が分散して凝固した溶射組織1が得られ、Al粒子2が摺動荷重を支え、分散して溶融凝固したSn3が摺動成分として焼き付き強度を確保することができる。図2に、Al粉末にSn粉末を10重量%混合した混合粉末を溶射して得られた溶射皮膜のEPMAによるマッピング像を示す。aはAl,bはSnのマッピング像である。ここでは、Alの中にSnが分散して凝固していることが分かる。
本第1発明の溶射皮膜は、金属粒子を基材表面に溶射して形成した溶射皮膜であって、前記金属粒子は、重量百分率で5〜25%のSn粉末と95〜75重量%のAl粉末とを混合した混合粉末であることを特徴とする。(以降、%は重量%とする。)
Sn粉末の配合量に対する溶射被膜の面圧疲労強度の変化と焼き付き荷重の変化とを図3に示す。左縦軸は皮膜の面圧疲労強度を、右縦軸は焼き付き強度を示す。ここで、面圧疲労強度は、軸受けに軸からの繰り返し面圧(たたき)を付加して溶射皮膜が破損する疲労強度である。すなわち、所定の混合粉末を溶射して形成した溶射皮膜を有する溶射軸受けに円柱形のシャフトを挿通し、シャフトを所定の周速で回転するとともに、一定の面圧で溶射皮膜表面とシャフト外周面との接触・非接触を繰り返すことで溶射皮膜の破断する面圧を面圧疲労強度とする。
本実施の形態においては、接触面圧を70〜100MPaの範囲で変動させ、3000回/分の面圧を発生させ、107回で溶射皮膜が破損する面圧を面圧疲労強度とした。なお、シャフトの周速は6.7m/secとした。
図3で溶射被膜の面圧疲労強度(■で示す)は、混合粉末中のSn粉末量の増加とともに低下する。特にSn粉末の配合量が25重量%を越えると急激に低下することが分かる。これは、Sn粉末の配合量の増加とともに溶射皮膜中でSn粒子が隣接する確率が高まり、相互に融合しやすくなったためであると推察される。
一方、よく知られているようにSnは摺動成分であるので、溶射皮膜の焼き付き荷重(◆で示す)は、Sn粉末量の増加とともに高くなる。
以上のように、溶射皮膜の面圧疲労強度と焼き付き強度とはSn粉末の配合量の増加に伴って、相反する挙動を示す。従って、溶射皮膜に要求される特性値に合わせて、Sn粉末の配合量を両方の特性値を満足する範囲で選択することが望ましい。すなわち、Sn粉末の配合量が5重量%未満では、十分な耐焼き付き荷重が得られない。また、Sn粉末の配合量が25重量%を越えると十分な面圧疲労強度を得ることができない。従って、混合粉末全体を100重量%としてSn粉末の配合量は、5〜25重量%とすることが望ましい。Sn粉末のより好ましい配合量は、混合粉末を100重量%として10〜15重量%である。
混合粉末の粒径は10〜75μmであることが望ましい。混合粉末の粒径が10μm未満では溶融しやすいために安定した溶射が得られない、また、75μmを越えると混合粉末が溶融不足となることがあるので好ましくない。さらに好ましくは45〜75μmである。
ところで、以上のようにAlとSnの粒径が同程度の粉末を混合して溶射すると、図4に示すように溶射皮膜1内でSn3が基材4側に偏って溶射されることがある。これは、Alの比重が約2.7に対してSnの比重は約7.3と大きく、両者の比重の差が大きいためである。粉末の粒径が同程度であるAl粉末とSn粉末を混合粉末としてプラズマジェット中に供給すると、Sn粉末の方が粉末供給部の先端から飛び出す初速が遅いために、プラズマジェットの奥深くにまで到達することができない。このためにAl粒子よりも早く基材の表面に到達するので、基材表面側にSn3が偏ることとなる。溶射ガンを基材表面に平行に移動させ、1回の移動(1パス条件)で溶射する場合には、このSnの偏りが顕著に現れる。多パス条件とすればこのSnの偏りを無くすことができるが、この場合には、溶射皮膜を積層することとなり、層間に酸化物が形成されて層間剥離が生じるおそれがあり好ましくない。
そこで、Al粉末に対してSn粉末の粒径を小さくして、Al粉末の粒子の重量とSn粉末の粒子の重量とを同程度にすることで、Al粒子とSn粒子とをほぼ同時に基材表面へ到達するようにする。このように、粒子の重量を同程度とすることにより、図5に示すようにSnを溶射皮膜中に均一に分散することができる。
比重の異なる粉末を混合粉末とする場合には、混合する粉末の粒径の違いによって皮膜中での分散の様子が異なる。図6は、Al粉末とSn粉末について粒径の違いと皮膜中のSnの分散状態との関係を調べたものである。すなわち、Alの平均粒径に対するSnの平均粒径の比(以下、粒径比と称する)を横軸としSnの分散率を縦軸として、粒径比の変化による溶射被膜内でのSnの分散率の変化を示している。ここで、分散率は、溶射皮膜の基材側と表面側とにおけるSnの面積率のバラツキを表すものとする。図7に示すように任意の溶射皮膜断面において溶射皮膜を厚さ方向に2等分して、中間より表面側の皮膜をA、中間より基材側の皮膜をBとする。AにおけるSnの面積率をa、BにおけるSnの面積率をbとして、分散率を(a−b)の絶対値と定義する。つまり、分散率が大きいほど溶射被膜中でのSnの偏りが大きく、分散率が0に近いほど溶射被膜中でSnは均一に分散していることを示す。図6から、Snの分散率は、粒径比が0.7付近までは粒径比の増加につれて減少する。その後増加して粒径比が1,すなわちAL粉末とSn粉末との粒径が一致すると分散率は10%程度となる。
溶射皮膜の安定した面圧疲労強度を得るためには、この分散率は0.5%以下であることが望ましい。つまり、Al粉末の粒径に対するSn粉末の粒径は、0.5〜0.8であることが望ましい。
以下、具体例により本第1発明の溶射皮膜についてさらに詳しく説明する。
図8は、溶射粉末の種類による溶射皮膜の面圧疲労強度を比較した具体例である。横軸は粉末の種類であり縦軸はその粉末を溶射して形成された溶射皮膜の面圧疲労強度である。Aは平均粒径が60μmのAl粉末に平均粒径が25μmのSn粉末を10重量%配合した混合粉末である。Bは平均粒径が60μmのAl粉末に、平均粒径がAl粉末と同程度の60μmのSn粉末を10重量%配合した混合粉末である。また、CはAlにSnを10重量%配合した平均粒径が60μmのAl−Sn合金粉末である。面圧疲労強度は、合金粉末を溶射したCよりも、混合粉末で溶射したA及びBの方が高い値が得られた。さらに、混合粉末溶射においても、Al粉末の粒径よりもSn粉末の粒径が小さい混合粉末を用いたAの方が、同程度の粒径である混合粉末を用いたBよりもさらに高い面圧疲労強度を示すことが分かる。
図9は前記の粉末Bと粉末Cを用いて形成した各溶射皮膜について、それぞれ20箇所のビッカース硬さ(HV:0.2)を常温で測定した結果である。平均硬さは混合粉末であるBが合金粉末であるCに比べてやや高い程度であるが、図中太線で示す硬さのバラツキは、CではHV30〜HV80と著しく大きいのに対して、BではHV50〜HV70と小さいことが分かる。このことから、混合粉末を溶射することによって溶射皮膜内にSnが均一に分散していることが推察される。つまり、混合粉末Bを用いた溶射皮膜では皮膜硬さのバラツキを抑えることができるので、結果として溶射皮膜の摩耗量などのバラツキを低減することができる。
図10は、溶射皮膜の加熱状態での高温硬さの変化を示している。混合粉末Bによる溶射皮膜(◆)と合金粉末Cによる溶射皮膜(◇)との結果を併記した。いずれの場合も温度が高くなるにつれて皮膜の硬さは低下する。しかし、低下の程度は、混合粉末Bの方が合金粉末Cに比べて小さい。すなわち、溶射皮膜中にSnを分散することにより高温硬さの低下を抑制でき、高温状態での耐摩耗性の低下を防止することができる。Snは高温硬さが低下しやすいが、均一に分散させることで高温硬さの低下を抑制できることが分かる。
本第2発明の溶射皮膜は、金属粒子を基材表面に溶射して形成した溶射皮膜であって、前記金属粒子は、重量百分率で15〜40%のSnを含有し、残部が銅及び不可避的不純物からなる粉末であることを特徴とするものである。
図14にCu合金中のSn量による溶射皮膜の酸化量(重量百分率で示す酸素濃度)の変化を示す。Snの含有量が増加するのに伴って酸化量は減少することが分かる。酸化量はSnの含有量が35%付近で約2.8%と最小となり、その後わずかに増加してSnの含有量が50%では約3.2%となる。従来のSnの含有量が5%であるCu合金粉末における酸化量は約5.8%であるので、Sn含有量の増加により溶射皮膜の酸化が著しく抑制されることが分かる。これは、Cu中にSnが固溶した結果、CuとSnとが規則格子的な原子配列を形成したために、酸素がこの規則格子の内部に拡散しにくくなったためと考えられる。
以上のように溶射皮膜の酸化を抑制できることで、溶射皮膜の特性に対して以下のような従来にない有用な作用を及ぼすことができる。
1)溶射皮膜の硬化を抑制することができる。
図15には、Snの含有量による皮膜硬さの変化を示す。皮膜硬さはSn量の増加に伴って低下してSn含有量が15%付近でHV120となり、25%付近では最も低いHV100程度となる。さらにSn含有量が増加すると皮膜硬さは徐々に増加して、Sn含有量が40%付近で再びHV120となりさらに硬さを増す。すなわち、Sn含有量を増加させることにより溶射皮膜の酸化を抑制できるので、皮膜硬化を抑制できることが分かる。例えば、相手材とのなじみ性を確保するためにHV120以下の硬さの皮膜を形成する場合には、Cu合金中のSn量を15〜40%とすればよいことが分かる。
2)溶射皮膜の伸び率を向上させることができる。
図16にSnの含有量と皮膜の伸び率との関係を示す。ここで伸び率は、溶射皮膜の引張り応力に対する長さの増加率を示す。すなわち、伸び率は溶射皮膜の変形限界量を示しており高い方が好ましい値である。図16から分かるように、Sn含有量の増加に伴って、伸び率は向上しSn含有量が30%付近で約0.35%の最大値となる。さらにSn含有量を増加させると伸び率は僅かに低下する。つまり、Sn含有量の増加に伴い皮膜の酸化が抑制されるので、皮膜の伸び率を向上させることができるわけである。例えば、軸受部材がコンロッドの場合には、稼働中のコンロッドのひずみに対応するために必要な溶射皮膜の伸び率は0.2%以上であり、図16では目標値として点線で示している。Cu−5%Snの従来合金では十分な伸び率が得られないが、Sn量を増加させることで皮膜の伸び率を向上させやすいことが分かる。
3)面圧疲労強度の高い溶射皮膜を形成することができる。
以上のように酸化しにくい材料にすることで、従来より粉末の溶融熱を増加させても溶射皮膜は硬化しにくい。そこで、粉末の溶融熱を高めることで、粉末粒子同士の密着性を高め、溶射皮膜の面圧疲労強度を向上させることができる。
図17に、溶射粉末としてCu−25%Sn粉末を用いた溶射皮膜の粉末の溶融熱による面圧疲労強度の変化を示した。横軸に溶融熱としてプラズマを発生させるための電力(kW)をとった。図17で、溶融熱を増加させることで面圧疲労強度が向上することが分かる。例えば、従来のCu−5Sn粉末の溶射では、酸化を抑えるために溶融熱は30kWであったが、Snの含有量を増加したCu−25%Sn粉末を用いれば溶融熱を40kW以上としても酸化の心配はない。つまり、Sn含有量を変化させて従来より高温で溶射することで、例えば、硬さをHV120以下に維持しながら、面圧疲労強度を目標値である80(MPa)以上にすることができる。従って、溶融熱は30〜50kWとすることが望ましい。
4)基材との密着強度の高い溶射皮膜を形成することができる。
一般的に基材を予熱すると、溶融粒子が基材表面に衝突した後も液体状態を維持する時間が長くなるため基材との密着強度が向上する。しかし、従来合金では溶射皮膜が酸化しやすいので基材の予熱温度を高くすることができなかった。本発明では、溶射粉末を酸化しにくい材料にすることで、従来より基材の予熱温度を高温とすることができる。つまり、皮膜硬さを低く維持しながら皮膜密着強度や面圧疲労強度を向上させることができるわけである。
Cu−25%Sn合金粉末を溶射して形成した溶射皮膜について、基材予熱温度と密着強度との関係を図18に示した。基材予熱温度の上昇に伴って密着強度は高くなる。Cu−5%Snの従来合金粉末では、基材予熱温度を100℃以上とすることは困難であったが、Sn含有量を増加させることで、従来より基材の予熱温度を高温にできることが分かる。
図19は、Cu−25%Sn合金粉末を溶射して形成した溶射皮膜について、基材予熱温度と面圧疲労強度との関係を示したものである。前記の密着強度と同様に基材予熱温度の上昇に伴って面圧疲労強度は向上する。Cu−5%Snの従来合金粉末では、基材予熱温度を100℃以上とすることは困難であったため、目標値ぎりぎりの面圧疲労強度しか得られなかったが、Sn含有量を増加させることで基材予熱温度を高めることができるので、さらに高い面圧疲労強度を得ることができる。
つまり、皮膜硬さを低く維持しながら皮膜密着強度や面圧疲労強度を向上させるために、基材の予熱温度は200〜300℃であることが望ましい。。
5)基材温度のバラツキによる溶射皮膜の硬さバラツキを抑制することができる。
図20に基材予熱温度と溶射皮膜硬さとの関係を示す。溶射粉末としてCu−25%Sn合金を用いた場合を△、従来のCu−5%Sn合金を用いた場合を■で示し、さらに参考として銅粉末を用いた場合を◆で示した。いずれの場合も基材予熱温度の上昇とともに皮膜硬さは増加する。しかし、Sn含有量の多い方が硬さは低いことが分かる。特にCu−25%Sn合金粉末の場合には、基材予熱温度にほぼ比例して硬さは高くなるが、その割合は小さく、例えば、基材予熱温度が100℃から300℃に200℃上昇しても、硬さは約HV30程度しか硬くならない。従って、基材予熱温度がばらついても溶射皮膜の硬さは大きくばらつくことはない。
すなわち、Sn量を増加させることで酸化を抑制できるので、基材の予熱による皮膜硬さのバラツキを抑制することができる。
6)溶射皮膜の耐焼き付き性を向上させることができる。
従来のようにCu−Sn合金粉末を焼結して形成した軸受メタルでは、図21に■で示すように、合金粉末中のSn含有量の増加に伴って軸受メタルの硬度は急激に増加する。これは、合金粉末を焼結することにより、軸受メタル中にCu31Sn8,Cu41Sn11といったCuSn金属間化合物が部分的に形成されるためと考えられる。このため、軸受メタル用の合金粉末材にあってはSnの含有量を増加させることができなかった。
ところが、溶射皮膜は急冷凝固によって形成されるために、同一の合金組成であってもCuSn金属間化合物を形成しにくく、Sn量を増加させても皮膜硬化しにくいと考えられる。そのため、図22に示すように摺動成分であるSnを増加させて耐焼き付き性を向上させることができる。
7)溶射皮膜を低エネルギで溶射成形することができる。
Cu−Sn合金ではSnの含有量を増加させることにより、大幅に融点を下げることができる。例えば、銅の融点は約1100℃であるが、Cu−25%Sn合金では約800℃とその融点は極めて低くなっている。そのため、Snの含有量を増加させるほど、溶射粉末の溶融に必要なエネルギを小さくすることができる。合金粉末の融点を低くできると、溶射粉末の供給量を大きくしても溶射皮膜内に未溶融粒子ができにくく、従って、溶射皮膜を形成する溶射積層回数(溶射ガンのパス回数)を低減することができる。溶射積層回数を少なくすることで、形成された積層間の酸化を抑制し、溶射皮膜全体の酸化量を低減することができる。
図23は、Cu−25%Sn粉末を溶射して形成した溶射皮膜の溶射積層回数と皮膜内の酸化量との関係を示したものである。形成された皮膜厚さは400μmで一定とした。一回毎の溶射量を増加させて積層回数を減らすことによって溶射皮膜内の酸化量が低減していることが分かる。
従って、本第2発明の溶射皮膜の積層回数はできるだけ少ないことが望ましく、1回で形成することが好ましい。
以上のように、本第2発明の溶射皮膜は、重量百分率で15〜40%のSnを含有し、残部が銅及び不可避的不純物からなる粉末を基材表面に溶射して形成した溶射皮膜である。すでに説明したように、Sn含有量が15重量%未満、あるいはSn含有量が40重量%を越えると溶射皮膜中の酸化量が大きくなり、溶射皮膜の硬度が高くなって適当ではない。より好ましくはCu中のSnの含有量は20〜35重量%である。
また、Cu−Sn合金粉末の粒径は10〜45μmであることが望ましい。合金粉末の粒径が10μm未満では溶融しやすいために安定した溶射が得られない、また、45μmを越えると溶融不足となることがあるので好ましくない。さらに好ましくは20〜35μmである。
本発明の溶射皮膜は酸化量が4%未満であることが望ましい。酸化量が4%を越えると皮膜が硬化して好ましくない。より好ましくは1%未満である。
本発明の第3発明は、第1発明の溶射皮膜を形成する溶射皮膜の形成方法に関する発明である。
すなわち、本発明の溶射皮膜の形成方法は、重量百分率で5〜25%のSnと95〜75重量%のAl粉末とを混合した混合粉末を基材表面に溶射して溶射皮膜を形成することを特徴とするものである。ここで、本実施の形態における溶射皮膜の形成方法は特に限定されるものでなく、通常の方法で行うことができる。一例を以下に説明する。
まず、基材表面にショットブラストを施し、表面をRz=40〜60μmとする。ショットブラストにより粗面化した表面に溶射皮膜と基材との密着性を高めるために、メッキ、スパッタリング、溶射などの方法により中間層を形成する。中間層の厚さは100〜150μmであることが望ましい。次に、この中間層の上に、溶射粉末を溶射して350〜400μmの溶射皮膜を形成する。さらに切削加工などを施して所望の完成皮膜となす。
ここで、基材は、鋼、アルミニウムなど各種の材料を限定することなく採用することができるが、鋼が好ましい。また、中間層材料は特に限定するものではなく、銅、ニッケル、アルミニウム、銅ニッケル系合金、ニッケルアルミ系合金、銅アルミ系合金、ニッケル自溶合金及びコバルト自溶合金などを適宜に使用することができる。
溶射方法としてはプラズマ溶射法が望ましい。図11に、その一例を模式的に示した。溶射ガン11から噴出されるプラズマジェット12によって、粉末供給ホース13からこのプラズマジェット12内へ供給された粉末14が、溶融されるとともにワーク(例えば軸受部材など)15の内周面へ溶射される。溶射ガン11は、ワーク15の軸心線に対して角度αで傾斜して保持されており、溶射距離dを保って軸心線に平行に上下(矢印Y)しながら、軸心周りに回転しているワーク15の内周面へ溶射皮膜を形成することができる。
なお、本発明の第1発明であるAl粉末とSn粉末とを混合した混合粉末の好適な溶射条件の一例を表1に示す。
Figure 2005076075
本発明の第4発明は、第2発明の溶射皮膜を形成する溶射皮膜の形成方法に関する発明である。
すなわち、本発明の溶射皮膜の形成方法は、重量百分率で15〜40%のSnを含有し、残部が銅及び不可避的不純物からなる粉末を基材表面に溶射して溶射皮膜を形成することを特徴とする。一例を以下に説明する。
まず、基材表面にショットブラストを施し、表面をRz=40〜60μmとする。ショットブラストにより粗面化した表面に溶射皮膜と基材との密着性を高めるために、メッキ、スパッタリング、溶射などの方法により中間層を形成する。中間層の厚さは100〜150μmであることが望ましい。次に、この中間層の上に、重量百分率で15〜40%のSnを含有し、残部が銅及び不可避的不純物からなる粉末を溶射して350〜400μmの溶射皮膜を形成する。さらに溶射皮膜には切削加工などを施して所望の完成皮膜となす。
ここで、基材は、鋼、アルミニウムなど各種の材料を限定することなく採用することができるが、鋼が好ましい。また、中間層の材料は特に限定するものではなく、銅、ニッケル、アルミニウム、銅ニッケル系合金、ニッケルアルミ系合金、銅アルミ系合金、ニッケル自溶合金及びコバルト自溶合金などを適宜に使用することができる。
溶射方法としてはプラズマ溶射法が望ましい。図11に、その一例を模式的に示した。溶射ガン11から噴出されるプラズマジェット12によって、粉末供給ホース13からこのプラズマジェット12内へ供給された粉末14が、溶融されるとともにワーク(例えば軸受部材など)15の内周面へ溶射される。溶射ガン11は、ワーク15の軸心線に対して角度αで傾斜して保持されており、溶射距離dを保って軸心線に平行に上下(矢印Y)しながら、軸心周りに回転しているワーク15の内周面へ溶射皮膜を形成することができる。
なお、本発明の第2発明であるCu−Sn合金粉末の好適な溶射条件の一例を表2に示す。
Figure 2005076075
本発明の溶射皮膜の形成方法においては、基材を200〜300℃に予熱して溶射皮膜を形成することが望ましい。基材の予熱温度を高めることで、溶射皮膜の面圧疲労強度を向上させるとともに基材との密着強度を向上することができる。
また、本発明の溶射皮膜の形成方法においては、溶射粉末を溶融する溶融熱が30〜50kWであることが望ましい。溶融熱を高くすることにより溶射皮膜の面圧疲労強度を向上させることができる。
さらに、本発明の溶射皮膜の形成方法においては、溶射皮膜の積層回数は1回である好ましい。溶射皮膜の積層回数を1回とすることで、皮膜の酸化を低減し良好な溶射皮膜を得ることができる。
本発明の第5発明は、軸受部材に関する発明である。すなわち、第5発明の軸受部材は、金属粒子を基材表面に溶射して溶射皮膜を形成した軸受部材であって、前記金属粒子は、重量百分率で5〜25%のSn粉末と95〜75重量%のAl粉末とを混合した混合粉末であることを特徴とする。このような混合粉末を溶射して溶射皮膜を形成した軸受部材は、高い面圧疲労強度と良好な焼き付き荷重とを有するので、自動車内燃機関のコンロッドとして好適に採用することができる。
本発明の第6発明は、軸受部材に関する発明である。すなわち、第6発明の軸受部材は、金属粒子を基材表面に溶射して溶射皮膜を形成した軸受部材であって、前記金属粒子は、重量百分率で15〜40%のSnを含有し、残部が銅及び不可避的不純物からなる粉末であることを特徴とする。このような混合粉末を溶射して溶射皮膜を形成した軸受部材は、高い面圧疲労強度と良好な焼き付き荷重とを有するので、自動車内燃機関のコンロッドとして好適に使用することができる。
Al粉末とSn粉末との混合粉末を溶射して形成した溶射皮膜の断面模式図である。 Al粉末とSn粉末との混合粉末を溶射して形成した溶射皮膜のEPMAによるマッピング像である。aはAL,bはSnのマッピング像である。 Al粉末とSn粉末との混合粉末を溶射して形成した溶射皮膜のSn粉末量による面圧疲労強度と焼き付き荷重との関係を示す図である。 溶射皮膜中のSnの偏りを説明する説明図である。 溶射皮膜中にSnが均一に分散した状態を説明する説明図である。 混合粉末の粒径比と分散率との関係を示す図である。 分散率の定義を説明する説明図である。 各粉末によ形成した溶射皮膜の面圧疲労強度を比較する比較図である。 粉末による溶射皮膜の硬さとバラツキを示す図である。 溶射皮膜の高温硬さの変化を示す図である。 プラズマ溶射法の一例を示す模式図である。 Al−Sn合金粉末を溶射して形成した溶射皮膜の断面模式図である。 Al−Sn合金粉末を溶射して形成した溶射皮膜のEPMAによるマッピング像である。aはAL,bはSnのマッピング像である。 Cu−Sn合金粉末のSn含有量と酸化量との関係を示す図である。 Cu−Sn合金粉末のSn含有量と溶射皮膜の硬さとの関係を示す図である。 Cu−Sn合金粉末のSn含有量と溶射皮膜の伸び率との関係を示す図である。 Cu−25%Sn合金粉末の溶融熱と面圧疲労強度との関係を示す図である。 Cu−25%Sn合金粉末の基材予熱温度と密着強度との関係を示す図である。 Cu−25%Sn合金粉末の基材予熱温度と面圧疲労強度との関係を示す図である。 基材予熱温度による溶射皮膜硬さの変化を示す図である。 Cu−Sn合金粉末のSn含有量と溶射皮膜の硬さとの関係を示す図である。 Cu−Sn合金粉末のSn含有量と溶射皮膜の耐焼付き性との関係を示す図である。 溶射積層回数と溶射皮膜の酸化量との関係を示す図である。
符号の説明
1:溶射皮膜 2:Al 3:Sn 4:基材 11:溶射ガン 12:プラズマジェット 13:粉末供給ホース 14:溶射粉末 15:ワーク

Claims (12)

  1. 金属粒子を基材表面に溶射して形成した溶射皮膜であって、
    前記金属粒子は、重量百分率で5〜25%のSn粉末と95〜75重量%のAl粉末とを混合した混合粉末であることを特徴とする溶射皮膜。
  2. 前記混合粉末の粒径は10〜75μmである請求項1に記載の溶射皮膜。
  3. 前記Al粉末の粒径に対する前記Sn粉末の粒径が0.5〜0.8である請求項1又は2に記載の溶射皮膜。
  4. 金属粒子を基材表面に溶射して形成した溶射皮膜であって、
    前記金属粒子は、重量百分率で15〜40%のSnを含有し、残部が銅及び不可避的不純物からなる粉末であることを特徴とする溶射皮膜。
  5. 前記粉末の粒径は10〜45μmである請求項4に記載の溶射皮膜。
  6. 前記溶射層中の酸素濃度が4重量%未満である請求項4または5に記載の溶射皮膜。
  7. 重量百分率で5〜25%のSn粉末と95〜75重量%のAl粉末とを混合した混合粉末を基材表面に溶射して溶射皮膜を形成することを特徴とする溶射皮膜の形成方法。
  8. 重量百分率で15〜40%のSnを含有し、残部が銅及び不可避的不純物からなる粉末を基材表面に溶射して溶射皮膜を形成することを特徴とする溶射皮膜の形成方法。
  9. 前記基材を200〜300℃に予熱する請求項8に記載の溶射皮膜の形成方法。
  10. 前記溶射皮膜の積層回数は1回である請求項9に記載の溶射皮膜の形成方法。
  11. 金属粒子を基材表面に溶射して溶射皮膜を形成した軸受部材であって、
    前記金属粒子は、重量百分率で5〜25%のSn粉末と95〜75重量%のAl粉末とを混合した混合粉末であることを特徴とする軸受部材。
  12. 金属粒子を基材表面に溶射して溶射皮膜を形成した軸受部材であって、
    前記金属粒子は、重量百分率で15〜40%のSnを含有し、残部が銅及び不可避的不純物からなる粉末であることを特徴とする軸受部材。
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