JP2005075762A - 徐放性製剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、揮散性薬剤を反応させることなく、揮散性薬剤との親和性が高く、効率よい揮散性薬剤の揮散抑制が行える徐放性製剤を製造することを目的とする。
【解決手段】揮散性薬剤と、下記化学式(1)で示される常温で液体の脂肪酸トリグリセリドと、常温で固体の疎水性物質とを混練して、混練物を作成し、この混練物を液体不透過性の容器に充填した徐放性製剤を作成する。
【化4】
Figure 2005075762

【選択図】なし

Description

この発明は、揮散性薬剤を徐々に放出する製剤に関する。
これまでに、揮散性薬剤を徐々に放出する技術として、例えば、上記揮散性薬剤と均一に混合可能である樹脂を混練して上記揮散性薬剤を徐々に放出する徐放剤が特許文献1に、多孔性包装基材の孔の一部を狭窄化したものが特許文献2に示されている。また、常温でペースト状や固形状を呈する脂肪酸高級アルコールエステルやパラフィン、脂肪酸グリセリンエステルを用いたものが特許文献3に示されている。
特開2000ー186002号公報 WO95/12981号公報 特許第2796589号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている上記揮散性薬剤の揮散を抑制する樹脂としては、ロジン系樹脂、セラック系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等があげられているが、これらの樹脂は、遊離有機酸やアルコールのカルボニル基や水酸基等を有しているため、上記揮散性薬剤そのものと反応してしまい、これらの樹脂又は上記揮散性薬剤を変色させたり、臭いを変化させたりする場合があった。さらに、ロジンエステル樹脂は、それが含有する不純物の酸化によっても変色する問題があった。
また、特許文献2に記載の方法では、包装材の内容物が液体であったり、液体を担体に含浸させたりした場合に、ピンホール等により容易に容器から染み出してしまい、上記揮散性薬剤の揮散制御ができなくなる場合があった。
さらに、特許文献3で用いられている、常温でペースト状や固形状を呈する脂肪酸高級アルコールエステル、パラフィンは、上記揮散性薬剤に対する揮散抑制効果が乏しく、好ましくなかった。同じく用いられている脂肪酸グリセリンエステルは、構成する脂肪酸の炭素数しだいでペースト状や固形状になると、上記揮散性薬剤との親和性が低くなり、上記揮散性薬剤の効率のよい揮散抑制ができない場合があった。さらにまた、脂肪酸グリセリンエステルが、ジグリセリド又はモノグリセリドの場合では、分子内に水酸基を有しているため、上記揮散性薬剤そのものと反応する場合があった。
そこでこの発明は、揮散性薬剤を反応させることなく、揮散性薬剤との親和性が高く、揮散性薬剤の効率のよい揮散抑制が行える徐放性製剤を製造することを目的とする。
この発明は、揮散性薬剤と、下記化学式(1)で示される常温で液体の脂肪酸トリグリセリドと、常温で固体の疎水性物質とを混練して、混練物を作成し、この混練物を液体不透過性の容器に充填した徐放性製剤によって上記の問題を解決したのである。
Figure 2005075762
上記化学式(1)で示される常温で液体の脂肪酸トリグリセリドは、揮散性薬剤との親和性がよく、効率よく揮散性薬剤の揮散抑制ができる。また、常温で固体の疎水性物質と混練することにより、混練物を固形物として扱うことができ、染み出しを起きにくくすることができる。
この発明にかかる徐放性製剤は、変質を起こす心配がなく、揮散性薬剤との親和性がよい液体の脂肪酸トリグリセリドを用いることで、反応を起こさせず、保管中における結露を防止し、効率よく揮散を抑制し、有効期間を持続させることができる。さらに、固体又はペースト状にしたものを液体不透過性の容器に充填するため、染み出しが起こりにくい。
以下、この発明を詳細に説明する。
この発明は、揮散性薬剤と、脂肪酸部分がC2〜C12の脂肪酸である常温で液体の脂肪酸トリグリセリドと、常温で固体の疎水性物質とを混練して、混練物を作成し、この混練物を液体不透過性の容器に充填した徐放性製剤である。
上記の揮散性薬剤とは、常温で固体又は液体でありながら、常温で揮発することができ、気体状態で何らかの効果を奏するものをいう。例えば、殺菌剤、除菌剤、芳香剤、害虫忌避剤、殺虫剤、防腐剤、防カビ剤などである。上記揮散性薬剤の具体例としては、ピレスロイド、ハッカ油、ターピネオール、パラジクロロベンゼン、ナフタリン、樟脳等の防虫・忌避剤、ピネン、リモネン、カンフェン、テルビノーレン、リナロール、ゲラニオール、シトロネロール、シトラール、ベンズアルデヒド、カルボン、メントン、クマリン、アニソール、チモール、オイゲノール、アネトール、桂皮酸、フェニル酢酸、ヒドロ桂皮酸、酢酸エチル、酢酸ゲラニル、プロピオン酸イソアミル、ローズオキサイド、オキサイドケトン、シネオール、インドール、スカトール、メチルキノリン、ムスク、シベット、カストリウム、アンバーグリス、レモン油、バラ油、白檀油、ラベンダー油、ジャスミン油等の香料、イソチオシアン酸アリル、オクチルアルデヒド、ブロムシンナミルアルデヒド等の抗菌・防カビ剤、ヒバ油、ヒノキ油、キリ油、キンモクセイ抽出油、ツバキ油、ユーカリ油、シソ油、ワサビ抽出油、マスタード油、月桃油等の精油・消臭剤等が挙げられる。
上記常温で液体の脂肪酸トリグリセリドとは、一当量のグリセリンと三当量の脂肪酸からなるエステルのうち、下記化学式(1)で示される化合物をいう。ここで、p,q,rは1〜11の自然数である。すなわち、それぞれのエステル部を構成する脂肪酸の炭素数は2〜12の自然数である。この数値の範囲内であれば、それぞれの数値が異なる脂肪族トリグリセリドが混合していてもよい。この化合物を混練することにより、上記揮散性薬剤の蒸気圧を低下させ、揮散を抑制することが出来る。
Figure 2005075762
これに対して、脂肪酸部分がC13以上の脂肪酸であり常温で固体である脂肪酸トリグリセリドでは、上記揮散性薬剤との親和性が低く、揮散抑制効果が小さいため、混練する意味に乏しい。
また、脂肪酸モノグリセリドや脂肪酸ジグリセリドでは、分子内に水酸基が残っており、この水酸基が上記揮散性薬剤と反応して変色等を起こしてしまうおそれがあるため、好ましくない。
上記の常温で固体の疎水性物質とは、上記揮散性薬剤と上記の常温で液体の脂肪酸トリグリセリドとを混練して、固化させ、液の染み出しを抑えるものである。この疎水性物質として用いることができる物質は、石油ワックス、ロジンエステル樹脂等のロジン系樹脂、セラック系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、シュガーエステル、遊離脂肪酸やアルコール基を含有する天然ワックス、高級脂肪酸、高級アルコール、さらに、ポリエステル、ポリスチレン、ポリオレフィン、アクリル系樹脂等の合成高分子ポリマー等が挙げられる。
ただし、上記揮散性薬剤が不安定な物質である場合には、上記疎水性物質として、石油ワックスを使うことが特に望ましい。上記したもののうち、ロジン系樹脂、セラック系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド等は、遊離有機酸やアルコールによるカルボニル基や水酸基等を含有しているために、これらと上記揮散性薬剤とが反応することにより、変色したり、臭いを変化させたりする可能性がある。また、天然ワックス、高級脂肪酸、高級アルコール、シュガーエステル等も、同様に上記揮散性薬剤を反応させてしまう可能性がある。さらに、上記合成高分子ポリマーでは、軟化点が高温であるために、混練しようとして上記揮散性薬剤が熱分解したり、粘度が高すぎて最終的に上記容器に充填できなくなったりする可能性がある。
上記揮散性薬剤と上記脂肪酸トリグリセリドとを混練する際の混合比率は、上記混練物の調製時における上記脂肪酸トリグリセリドの混合重量比率が、上記の揮散性薬剤に対して0.1〜10倍の割合であることが望ましく、0.25〜5倍であればより望ましい。この混合重量比率が0.1倍未満であると、上記揮散性薬剤に対する揮散抑制効果がほとんど発揮されずに、上記揮散性薬剤が制限なく揮散してしまい、効果の持続が期待できない。また、混練した後の混練物を充填した容器が、上記揮散性薬剤によって結露する場合もある。一方、上記の混合重量比率が10倍を超えると、上記揮散性薬剤の揮散を抑制する効果はあるが、上記揮散性薬剤の揮散による減少に伴って揮散を抑制する効果が高くなりすぎてしまい、上記揮散性薬剤を有効な量だけ揮散させることが難しくなる場合がある。また、量が増えすぎて、製品である上記徐放性製剤のサイズが必要以上に大きくなってしまうことがある。また、上記揮散性薬剤と上記脂肪酸トリグリセリドとの合計に対する上記疎水性物質の混合重量比率は、特に限定されないが、0.05〜5倍の割合で混合し固化するように混合することが望ましい。0.05倍未満であると混練物がペースト状になりにくく、5倍を超えると製品は固形状となるが、サイズが必要以上に大きくなってしまうことがある。
このような上記揮散性薬剤と、上記の液体の脂肪酸トリグリセリドと、上記の疎水性物質とを混練して、混練物を作成する。なお混練とは、高粘度の混合物を、強いせん断力を用いて均一に混合・分散することをいう。混練する方法としては、一般的な混練方法を用いてよく、ミキサー、ニーダー等を用いる方法がある。ただし、上記揮散性薬剤が分解するような高温条件下での混練は、上記揮散性薬剤を変性させるおそれがあり、また、混練時に過剰に蒸発させるおそれもあるので望ましくない。
また、上記混練物にはこれらの他に、上記揮散性薬剤を安定化させる安定化剤として、酸化防止剤や光安定化剤等を添加してもよい。この酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ジブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。また、この光安定化剤としては例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
上記の混練物を液体不透過性の容器に充填して、上記徐放性製剤が得られる。液体透過性であると、内容物が保管中もしくは使用中に漏れ出てしまい、揮散制御できなくなる可能性がある。また、揮散性薬剤を揮散させるために、上記容器の一部又は全部が気体透過性を有することが望ましい。液体不透過性かつ気体透過性を有する材質として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。
以下、実施例によりこの発明をより具体的に説明する。
〔シネオールの揮散抑制効果と安定性〕
(実験例1)
[揮散濃度測定]
50mlの抽出ビン(マルエム社製)に、シネオール(小川香料(株)製)2.0gと、液体脂肪酸トリグリセリド(花王(株)製:ココナードML 含有脂肪酸炭素数:8、10、12)8.0gと、石油ワックス(日本精鑞(株)社製:HNP−9)2.0gを入れて密閉し、85℃で加熱混練して、相溶させた後、室温(約25℃)に放置した。
5日後、抽出ビン内の空間のシネオール濃度をガスクロマトグラフィー(ヒューレットパッカード社製:HP6890)により測定した。試験数はN=2で行い、得られた値の平均値を表1に示す。
[臭い及び色の変化測定]
50ml抽出ビン(上記に同じ)に、シネオール2.0gと液体脂肪酸トリグリセリド(上記に同じ)8.0gを入れて密閉し、ウォーターバスで85℃に加熱混練して相溶させた後、袋状の容器に充填した。この容器の材質は、延伸ポリプロピレン(東洋紡(株)製:厚さ20μm)にポリエチレンラミネートを施した、厚み70μmの積層体とした。この容器を、密閉性のあるアルミ袋に入れて、60℃の環境で1ヶ月放置した。1ヶ月後の上記容器中にシネオールの臭いがするかどうか、また、色の変化があるかどうかを、嗅覚と視覚で確認した。その結果を表1に示す。なお、臭いが変化しないとは、シネオールの臭いそのままであることをいい、臭い、色共に、変化が感じられない場合を○、変化が感じられた場合を×とした。
(実験例2)
実験例1において、液体脂肪酸トリグリセリド(花王(株)製:ココナードML 含有脂肪酸炭素数:8、10、12)の代わりに、脂肪酸トリグリセリド(和光純薬工業(株)製:トリアセチン 含有脂肪酸炭素数2)を用いた以外は、実験例1と同様にして、上記容器内のシネオール濃度及び臭いと色の変化を測定した。その結果を表1に示す。
(比較例1)
実験例1において、液体脂肪酸トリグリセリドを混練の際に入れずに、それ以外は実験例1と同様にして、上記容器内のシネオール濃度及び臭いと色の変化を測定した。その結果を表1に示す。
(比較例2)
実験例1において、液体脂肪酸トリグリセリド(花王(株)製:ココナードML含有脂肪酸炭素数:8、10、12)の代わりに、ロジンエステル(荒川化学工業(株)製:A−18)を用いた以外は実験例1と同様にして、容器内のシネオール濃度及び臭いと色の変化を測定した。その結果を表1に示す。
(比較例3)
実験例1において、液体脂肪酸トリグリセリド(花王(株)製:ココナードML含有脂肪酸炭素数:8、10、12)の代わりに、固体脂肪酸トリグリセリド(関東化学(株)製:トリステアリン 含有脂肪酸炭素数:18)を用いた以外は実験例1と同様にして、容器内のシネオール濃度及び臭いと色の変化を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2005075762
(結果)
液体の脂肪酸トリグリセリドを用いると、何も加えなかったときよりもシネオールの濃度は1000ppm以上低くなっており、また固体の脂肪酸トリグリセリドを用いるよりもさらに低くなっていた。このようにシネオールの濃度が低く抑えられていることから、揮散を抑制する効果が十分に現れていることがわかった。また、ロジンエステルを用いたときのような臭いや色の変化も無く、安定していた。
〔イソチオシアン酸アリルの揮散抑制効果と安定性〕
(実験例3)
[揮散濃度測定]
50mlの抽出ビン(マルエム社製)に、イソチオシアン酸アリル(日本テルペン(株)製以下、「AIT」という。)5.0gと、液体脂肪酸トリグリセリド(花王(株)製:ココナードML 含有脂肪酸炭素数:8、10、12)2.3gと、石油ワックス(日本精鑞(株)社製:HNP−9)0.8gを入れて密閉し、85℃で加熱混練して、相溶させた後、室温(約25℃)に放置した。
5日後、抽出ビン内の空間のAIT濃度をガスクロマトグラフィー(ヒュ−レットパッカード社製:HP6890)により測定した。試験数はN=2で行い、得られた値の平均値を表2に示す。
[臭い及び色の変化測定]
50ml抽出ビン(上記に同じ)に、AIT5.0gと液体脂肪酸トリグリセリド(上記に同じ)2.3gを入れて密閉し、ウォーターバスで85℃に加熱混練して相溶させた後、袋状の容器に充填した。この容器の材質は、延伸ポリプロピレン(東洋紡(株)製:厚さ20μm)にポリエチレンラミネートを施した、厚み70μmの積層体とした。この容器を、密閉性のあるアルミ袋に入れて、60℃の環境で1ヶ月放置した。1ヶ月後の上記容器中にAITの臭いがするかどうか、また、色の変化があるかどうかを、嗅覚と視覚で確認した。その結果を表2に示す。なお、臭いが変化しないとは、AITの臭いそのままであることをいい、臭い、色共に、変化が感じられない場合を○、変化が感じられた場合を×とした。
(実験例4)
実験例3において、液体脂肪酸トリグリセリド(花王(株)製:ココナードML 含有脂肪酸炭素数:8、10、12)の代わりに、脂肪酸トリグリセリド(和光純薬工業(株)製:トリアセチン 含有脂肪酸炭素数:2)を用いた以外は実験例3と同様にして、上記容器内のAIT濃度及び臭いと色の変化を測定した。その結果を表2に示す。
(比較例4)
実験例3において、液体脂肪酸トリグリセリドを混練の際に入れずに、それ以外は実験例3と同様にして、上記容器内のAIT濃度及び臭いと色の変化を測定した。その結果を表2に示す。
(比較例5)
実験例3において、液体脂肪酸トリグリセリド(花王(株)製:ココナードML 含有脂肪酸炭素数:8、10、12)の代わりに、ロジンエステル(荒川化学工業(株)製:A−18)を用いた以外は実験例3と同様にして、上記容器内のAIT濃度及び臭いと色の変化を測定した。その結果を表2に示す。
(比較例6)
実験例3において、液体脂肪酸トリグリセリド(花王(株)製:ココナードML含有脂肪酸炭素数:8、10、12)の代わりに、固体脂肪酸トリグリセリド(和光純薬工業(株)製:トリステアリン 含有脂肪酸炭素数:18)を用いた以外は実験例3と同様にして、上記容器内のAIT濃度及び臭いと色の変化を測定した。その結果を表2に示す。
(比較例7)
実験例3において、液体脂肪酸トリグリセリド(花王(株)製:ココナードML含有脂肪酸炭素数:8、10、12)の代わりに、グリセリン(和光純薬工業(株)製: 含有脂肪酸炭素数:0)を用いた以外は実験例3と同様にして、上記容器内のAIT濃度及び臭いと色の変化を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2005075762
(結果)
液体の脂肪酸トリグリセリドを用いると、何も加えなかったときよりもAITの濃度は1000ppm以上低くなっており、また固体の脂肪酸トリグリセリドを用いるよりもさらに低くなっていた。このようにAITの濃度が低く抑えられていることから、揮散を抑制する効果が十分に現れていることがわかった。また、ロジンエステルを用いたときのような臭いや色の変化も無く、安定していた。
〔揮散性薬剤と脂肪酸トリグリセリドの混合比率の比較〕
50ml抽出ビン(マルエム社製)にリモネン(小川香料(株)製)2.0gと、所定の量の脂肪酸トリグリセリド(上記に同じ)と石油ワックス(上記に同じ)2.0gを入れて密閉し、85℃で加熱混練して相溶させた後、不織布にポリエチレンラミネートした厚み60μmの積層体からなる容器に充填した。この充填後の容器を密閉性のあるアルミ袋に入れて40℃の環境で1ヶ月放置した。1ヶ月後、容器表面の結露の状態を観察した。
また、上記の充填後の容器を25℃の環境に放置し、1ヶ月間に渡って、経時的にリモネンの臭いの有無を嗅覚によって確認し、揮散の安定性を調べた。なお、リモネンの香りが感じられるものを○、感じられないものを×と表記する。
(実験例5〜8)
それぞれ、脂肪酸トリグリセリドの量を0.1g、0.5g、10.0g、25.0gとし、混練物の調製時におけるリモネンに対する重量比率がそれぞれ0.05倍、0.25倍、5.0倍、12.5倍となる条件で結露の状態と揮散の安定性を調べた。それぞれを実験例5〜8とし、それらの結果を表3に示す。
(比較例8)
脂肪酸トリグリセリドを添加することなく、結露の状態と揮散の安定性を調べた。その結果を表3に示す。
Figure 2005075762
(結果)
実験例5では結露が見られたものの、10日間の揮散を続けることができた。実験例6及び7では、結露もなく、30日以上の揮散を続けることができた。実験例8では、5日間の揮散を続けることができた。一方、比較例8では結露が見られ、5日後には揮散が終わっていた。

Claims (5)

  1. 揮散性薬剤と、下記化学式(1)で示される常温で液体の脂肪酸トリグリセリドと、常温で固体の疎水性物質とを混練して、混練物を作成し、この混練物を液体不透過性の容器に充填した徐放性製剤。
    Figure 2005075762
  2. 上記混練物が、常温でペースト状または固形状である、請求項1に記載の徐放性製剤。
  3. 上記混練物の調製時において、上記脂肪酸トリグリセリドの混合重量比率が、上記揮散性薬剤に対して、0.1〜10倍である請求項1又は2に記載の徐放性製剤。
  4. 上記疎水性物質が石油ワックスである、請求項1乃至3のいずれかに記載の徐放性製剤。
  5. 上記揮散性薬剤がイソチオシアン酸アリルである、請求項1乃至4のいずれかに記載の徐放性製剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012144472A (ja) * 2011-01-12 2012-08-02 Kao Corp 固体脂質エマルション及び皮膚外用剤
JP2017048177A (ja) * 2015-08-31 2017-03-09 アース製薬株式会社 排水口用ヌメリ取り器

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