JP2005074271A - 塗装方法 - Google Patents

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雅哲 黒川
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Abstract

【課題】送電用及び通信用鉄塔構造物、輸送用コンテナ、船舶、橋梁、タンク等鋼製構造物の防食と美観維持のために、防食性、耐候性及び耐久性に優れた複層塗膜を少ない塗装工程で形成しうる塗装方法を提供する。
【解決手段】 被塗面に、無機系結合剤及び亜鉛末を主成分とするジンクリッチ塗料(I)を塗装し、必要に応じてミストコート塗装を行った後、アクリル樹脂(A)、1分子中に少なくとも2つのエポキシ基を有するエポキシ樹脂(B)、及びアミノシランを含み得るアミン硬化剤(C)を含有する塗料組成物(III)を塗装する。ジンクリッチ塗料(I)による塗膜上には、塗料組成物(III)を塗装する前に、さらにエポキシ樹脂系プライマー(II)を塗装しても良い。
【選択図】なし

Description

本発明は、送電用及び通信用鉄塔構造物、輸送用コンテナ、船舶、橋梁、タンク等鋼製構造物の防食と美観維持のために、防食性、耐候性及び耐久性に優れた複層塗膜を少ない塗装工程で形成しうる塗装方法に関する。
送電用及び通信用鉄塔構造物、輸送用コンテナ、船舶、橋梁、タンク等の鋼構造物においては防食と美観維持のために防食塗装が施工されている。橋梁塗装の場合は、通常、防食性に優れたジンクリッチ塗料、エポキシ樹脂系プライマー、及びエポキシ樹脂系中塗り塗料を順次塗装した後に、さらに耐候性に優れたウレタン樹脂系塗料など各種上塗り塗料を塗ることが多い。しかしながらこれまで目的とする性能を維持するためには、下塗りを複数回塗装したり、中塗り、上塗り塗装まで含めると少なくとも5回以上の塗装工程が必要であった。特に、既設の鋼構造物に塗装をする場合には、足場のない高所での作業となるうえに、人件費、足場代が塗装コストのうち8割以上をしめるため、塗装回数をできるだけ少なくし、塗装工程を短縮することが安全性や経済性の点から強く求められていた。そのため、従来より省工程の防食塗装方法について種々検討されている(例えば、特許文献1参照)が、防食性、耐候性のいずれにおいても年々要求レベルは高まっており、不十分であった。
特開平7−8905号公報
本出願人は、1回の塗装工程で防食性と耐候性の両方に優れた塗膜を形成し得る2液型の塗料組成物について提案した(例えば、特許文献2参照)。この塗料組成物を用いることによって特に仕上げ塗装における塗装工程の短縮が可能となるが、下塗り塗装も含めたさらなる塗装工程の短縮が望まれていた。
特開2002−167546号公報
本発明者らは、上記問題を解決すべく、鋭意検討した結果、被塗面に、特定のジンクリッチ塗料(I)を塗装し、その上に必要に応じてエポキシ樹脂系プライマー(II)を塗装した後、中塗り及び上塗りの機能を有する塗料組成物(III)を塗装することによって少ない工程で防食性、耐候性及び耐久性に優れた複層塗膜を形成し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、被塗面に、無機系結合剤及び亜鉛末を主成分とするジンクリッチ塗料(I)を塗装し、必要に応じてミストコート塗装を行った後、アクリル樹脂(A)、1分子中に少なくとも2つのエポキシ基を有するエポキシ樹脂(B)、及びアミノシランを含み得るアミン硬化剤(C)を含有する塗料組成物(III)を塗装することを特徴とする塗装方法に関する。
本発明方法によれば、防食性、耐候性及び耐久性等の塗膜性能を損なうことなく、従来の塗装工程数を削減することが可能である。従って本発明方法は、特に橋梁、送電用及び通信用鉄塔構造物、輸送用コンテナ、船舶、タンク等の鋼構造物の塗装に有用である。
本発明において被塗面は、通常、橋梁、送電用及び通信用鉄塔構造物、輸送用コンテナ、船舶、タンク等の鉄鋼構造物表面のさび面や旧塗膜を2〜3種ケレンで素地調整してなる鉄鋼表面である。
本発明においてジンクリッチ塗料(I)は、上記被塗面に塗装されるものであり、無機系結合剤及び亜鉛末を主成分とするものである。
無機系結合剤としては、通常、テトラアルコキシシリケ−ト、アルキルトリアルコキシシリケ−ト、ジアルキルジアルコキシシリケート、これらの部分縮合体及び/又はそれらを水及び酸触媒の存在下で縮合反応させた加水分解初期縮合物などのケイ素系無機結合剤が使用でき、テトラアルコキシシリケ−トとしては、例えばテトラメトキシシリケ−ト、テトラエトキシシリケ−ト、テトラプロポキシシリケ−ト、テトライソプロポキシシリケ−ト、テトラブトキシシリケ−ト、テトライソブトキシシリケ−ト、エチルシリケ−ト40(日本コルコ−ト社製)等が挙げられ、アルキルトリアルコキシシリケ−トとしては、例えばメチルトリメトキシシリケ−ト、メチルトリエトキシシリケ−ト、メチルトリプロポキシシリケ−ト、エチルトリメトキシシリケ−ト、エチルトリエトキシシリケ−ト等が挙げられ、ジアルキルジアルコキシシリケートとしては、例えばジメチルジメトキシシリケ−ト、ジメチルジエトキシシリケ−ト、ジエチルジメトキシシリケ−ト、ジエチルジエトキシシリケ−ト等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上混合して使用できる。また上記シリケ−ト類に水分散型コロイダルシリカ、溶剤分散型コロイダルシリカを併用してもよい。
また結合剤成分として、上記ケイ素系無機結合剤に必要に応じてケイ素以外の金属アルコキシド、金属コロイド、ポリビニルアルコ−ル樹脂などを混合して用いてもよい。
亜鉛末としては、防食性や接合部塗装時の摩擦耐力の点から、平均粒子径5〜60μm、好ましくは10〜45μmの範囲内であるものが好適に使用できる。また形状は、球状、棒状、塊状、針状などいずれであっても良いが、ほぼ球形状の粒子が好適である。該亜鉛末は、防食性や耐久性の点から、得られる乾燥塗膜中に、30〜95重量%、好ましくは40〜93重量%の範囲内で含有されることが望ましく、特に厚膜仕様の場合には65〜93重量%の範囲内で含有されることが好適である。
上記ジンクリッチ塗料(I)には、さらに必要に応じて、通常の体質顔料、防錆顔料及び着色顔料を塗膜の緻密性を損なわない程度に併用でき、体質顔料としては、例えばシリカ粉、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、クレーなどが挙げられ、防錆顔料及び着色顔料としては、例えば酸化チタン、リン化鉄、MIO、シアナミド鉛、ジンククロメ−ト、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム、メタホウ酸バリウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸アルミニウム、ベンガラ、シアニン系着色顔料、カ−ボンブラック、ルチル粉末、ジルコン粉末などが挙げられる。
上記ジンクリッチ塗料(I)には、さらに必要に応じて有機溶剤、沈降防止剤、タレ止め剤、湿潤剤、反応促進剤、付着性付与剤などの通常の塗料用添加剤を適宜配合してもよい。
上記ジンクリッチ塗料(I)は、常法に従って調整でき、例えば結合剤成分を含む液状成分と亜鉛末を含む粉末成分とを別容器に保存し、使用直前に両者を混合することができる。
上記ジンクリッチ塗料(I)は、被塗面に、厚膜仕様で形成される場合には乾燥膜厚で30μm以上、好ましくは30〜300μmとなるよう塗装されるものであり、ショッププライマーとして用いられる場合には乾燥膜厚で5〜30μm、好ましくは10〜25μmとなるよう塗装されるのが適当である。その塗装は、例えばエアスプレー、エアレススプレー、刷毛など従来公知の手段で行なうことができる。
上記ジンクリッチ塗料(I)から形成される塗膜は、厚膜仕様で形成される場合にポーラスな膜となるので、本発明では、次工程であるエポキシ樹脂系プライマー(II)或いは塗料組成物(III)を塗布する前に予め該ジンクリッチ塗膜に「ミストコート」と称する、多量の溶剤で希釈した塗料を塗布し、ポーラスな個所の孔をふさぐ工程を有することが望ましい。
ミストコートとして、通常、後述のエポキシ樹脂系プライマー(II)や塗料組成物(III)等の次工程で用いる塗料を十分低い粘度に希釈した後、一般的にはスプレーにて厚膜仕様のジンクリッチ塗膜上に噴霧する。塗料の希釈率は含有するエポキシ樹脂の粘度にもよるが、一般的に重量比で約30〜60%が適当である。
本発明に使用されるエポキシ樹脂系プライマー(II)は、上記ジンクリッチ塗料(I)による塗膜面に必要に応じて塗装されるものであり、エポキシ樹脂及びアミン系硬化剤を主成分とするものである。
上記エポキシ樹脂は、1分子中にエポキシ基を2個以上、好ましくは平均2〜5個有する、常温で液状又は固体状の樹脂である。常温で液状の樹脂とは、具体的には25℃における粘度が15000mPa・s以下、好ましくは5000mPa・s以下の樹脂である。
上記エポキシ樹脂としては、例えば、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、その他のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、これらのエポキシ樹脂をアルキルフェノール又は/及び脂肪酸によって変性してなる変性エポキシ樹脂、あるいはアルキルジフェノール又はアルキルフェノールノボラック型樹脂とエピクロルヒドリンとを反応させてなるエポキシ基導入アルキルフェノール又はアルキルフェノールノボラック型樹脂などを挙げることができる。
上記エポキシ樹脂としては、特に液状の樹脂としてアルキルジフェノール又はアルキルフェノールノボラック型樹脂とエピクロルヒドリンとを反応させてなるエポキシ基導入アルキルフェノール又はアルキルフェノールノボラック型樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好適であり、固体状の樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂、これをアルキルフェノール又は/及び脂肪酸によって変性してなる変性エポキシ樹脂が、得られる塗膜の造膜性、強靭性などの点から好適である。またこれらエポキシ樹脂に二塩基酸及びカルボキシル基含有アクリル樹脂を反応させてなるアクリル変性エポキシ樹脂や、該エポキシ樹脂に二塩基酸を重付加及び重合性不飽和モノマーをグラフト重合又は共重合させてなるアクリル変性エポキシ樹脂、さらにはこれらアクリル変性エポキシ樹脂の変性にカルボキシル基含有フェノールをも用いた変性エポキシ樹脂が、ミネラルスピリット等の弱溶剤への可溶性や乾燥性が求められる場合に、好適に使用できる。
上記エポキシ樹脂には、必要に応じて、ウレタン変性エポキシ樹脂、ダイマ−酸変性エポキシ樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂、ケトン樹脂、クマロン樹脂、石油樹脂などから選ばれる樹脂を、塗膜の可撓性や乾燥性などを向上させる点から、適宜併用することができる。
上記アミン系硬化剤は、上記エポキシ樹脂の硬化剤であり、従来公知のものが特に制限なく使用でき、好適には常温で液状であることが望ましい。該アミン系硬化剤としては、一般に、約2000以下、好ましくは約30〜約1000の範囲内の第1級アミノ基当量を有するポリアミン化合物が好適であり、これはまた、一般に約5000以下、好ましくは約60〜3000の範囲内の数平均分子量を有することが好適である。
上記ポリアミン化合物としては、例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ペンタエチレンヘキサミンなどの脂肪族ポリアミン類;メタキシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、フェニレンジアミンなどの芳香族ポリアミン類;1,3―ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミンなどの脂環族ポリアミン類等が挙げられる。
さらにアミン系硬化剤としては、上記ポリアミン化合物のアミノ基がジアルキルケトンによってブロック化されてなるケチミン化合物も挙げることができる。該ケチミン化合物を用いることにより、エポキシ樹脂系プライマー(II)を一液型組成物とすることが可能となる。この場合には、上記ポリアミン化合物の中でも、分子中に第2級アミノ基を有しない、即ち活性水素原子を有するアミノ基として、カルボニル化合物でブロック化されうる第1級アミノ基のみを有するポリアミン化合物を用いることが、エポキシ樹脂と混合後の貯蔵安定性が良いことから好適である。分子中に第2級アミノ基を有するケチミン化合物を使用する場合には、第2級アミノ基をエポキシ化合物と反応させて第2級アミノ基を消費させたアダクト化合物として使用することが望ましい。
上記ポリアミン化合物の第1級アミノ基をブロック化するのに用いられるジアルキルケトンの好適なものとしては、硬化性と貯蔵安定性の両者のバランスの点から、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルt―ブチルケトン、メチルsec―ブチルケトン、メチルヘキシルケトンなどを挙げることができる。
上記アミン系硬化剤の配合割合は、エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量に対して、アミン系硬化剤中の活性水素が0.5〜3.0当量、好ましくは0.8〜1.5当量になるような割合で用いることが塗膜の硬化性、非粘着性、防食性の観点から望ましい。
上記エポキシ樹脂系プライマー(II)には、必要に応じて着色顔料、体質顔料、防錆顔料などの顔料類を配合することができる。該顔料類としては、例えばチタン白、黄鉛、鉛丹、亜鉛華、ベンガラ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカバルーン、シリカフラワー、シリカアルミナ、リン酸亜鉛、亜酸化銅、塩基性硫酸鉛、ヘマタイト、エロジルなどが挙げられ、これらは1種又は2種以上併用することができる。エポキシ樹脂系プライマー(II)においては、顔料全体の顔料体積濃度が20〜70%、好ましくは30〜60%の範囲内が好適である。
上記エポキシ樹脂系プライマー(II)には、さらに必要に応じて、有機溶剤、反応性希釈剤、脱水剤、改質用樹脂成分、増粘剤、樹脂微粒子、可塑剤、分散剤、脱水剤などの添加剤などを含有することができる。
有機溶剤としては、炭化水素系、エステル系、ケトン系、エーテル系、アルコール系等、特に制限なく従来公知のものが使用可能である。塗料配合時及び/又は塗装時の希釈溶剤として、下層塗膜や上層塗膜によっては、脂肪族炭化水素系溶剤及び高沸点芳香族炭化水素系溶剤から選ばれる炭化水素系溶剤(「弱溶剤」と呼ぶことがある)を80重量%以上、好ましくは95重量%以上、さらに好ましくは100重量%含有する有機溶剤を用いることが望ましい。
脂肪族炭化水素系溶剤及び高沸点芳香族炭化水素系溶剤の具体例としては、例えば、VM&Pナフサ、ミネラルスピリット、ソルベント灯油、芳香族ナフサ、ソルベントナフサ、ソルベッソ100、ソルベッソ150、ソルベッソ200[「ソルベッソ」はエッソ石油社の登録商標]、スワゾール310、スワゾール1000、スワゾール1500[「スワゾール」はコスモ石油社の登録商標]などの比較的溶解力の小さい脂肪族系又は芳香族系炭化水素類;n―ブタン、n―ヘキサン、n―ヘプタン、n―オクタン、イソノナン、n―デカン、n―ドデカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロブタンなどの脂肪族炭化水素類などが用いられる。
上記エポキシ樹脂系プライマー(II)は、特に厚膜形成の点から、ハイソリッド化したり、非水分散樹脂を用いたり、また増粘剤やアマイドワックスなどに代表される厚塗り性付与剤を配合することが望ましい。
上記エポキシ樹脂系プライマー(II)の塗装方法としては、刷毛塗り、ローラー塗装、スプレー塗装、各種コーター塗装などの一般的な方法を用いることができる。その塗布量は、特に限定されるものではないが、通常、乾燥膜厚で約20〜1000μm、好ましくは約30〜300μmの範囲内が適当である。
上記エポキシ樹脂系プライマー(II)から形成される塗膜上には、上塗り塗料となる後述の塗料組成物(III)の塗り重ねインターバルが長くなる場合などに、必要に応じてエポキシ系やウレタン系等の中塗り塗料を塗装しても良い。中塗り塗料の塗装方法としては、刷毛塗り、ローラー塗装、スプレー塗装、各種コーター塗装などの一般的な方法を用いることができ、その塗布量は特に限定されるものではないが、通常、乾燥膜厚で約10〜500μm、好ましくは約15〜400μmの範囲内が適当である。
本発明に使用される塗料組成物(III)は、前記ジンクリッチ塗料(I)による塗膜面に、又は上記エポキシ樹脂系プライマー(II)による塗膜面に、又は中塗り塗膜面に塗装されるものであり、アクリル樹脂(A)、1分子中に少なくとも2つのエポキシ基を有するエポキシ樹脂(B)、及びアミノシランを含み得るアミン硬化剤(C)を含有する。
上記アクリル樹脂(A)としては、従来公知のものが制限なく使用でき、通常、有機溶剤の存在下で重合性不飽和単量体の混合物をラジカル重合開始剤により共重合して得られるアクリル共重合体が好適に使用できる。
上記重合性不飽和単量体としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−、i−、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート等のアクリル酸またはメタクリル酸の炭素数1〜24のアルキルエステルまたはシクロアルキルエステル;メトキシメチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート等の炭素数1〜24のアルコキシル基含有不飽和単量体;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有不飽和単量体;アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有不飽和単量体;スチレン、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニルなどが挙げられ、これらは単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
また上記重合性不飽和単量体として、後述のアミン硬化剤(C)と反応し得る架橋官能基を導入し、塗膜の防食性、耐候性を向上させる点から、エポキシ基含有不飽和単量体、及び/又はアルコキシシリル基含有不飽和単量体を使用することができる。
エポキシ基含有不飽和単量体としては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエ−テルが挙げられ、これらは単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
アルコキシシリル基含有不飽和単量体としては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられ、これらは単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
さらに上記重合性不飽和単量体として、上記アクリル樹脂(A)の耐候性向上の点から、紫外線吸収性不飽和単量体及び/又は紫外線安定性不飽和単量体を使用することができる。
紫外線吸収性不飽和単量体は重合性不飽和基と紫外線吸収能を有する部位とを含有する単量体であり、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、アニリド系、ベンゾフェノン系、シュウ酸アニリド系、シアノアクリレート系などが挙げられ、具体例としては、例えば、2−〔2'−ヒドロキシ−5'−(メタクリロイルオキシメチル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔 2'−ヒドロキシ-5'−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕2H−ベンゾトリアゾール、2−〔 2'−ヒドロキシ−5'−(メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔 2'−ヒドロキシ−5'−(メタクリロイルオキシヘキシル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔 2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5'−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔 2'−ヒドロキシ−5'−t−ブチル−3'−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔 2'-ヒドロキシ−5'−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔 2'-ヒドロキシ−5'−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕−5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔 2'−ヒドロキシ−5'−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕-5−シアノ−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔 2'−ヒドロキシ−5'−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕−5−t−ブチル−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔 2'−ヒドロキシ−5'−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕−5−ニトロ−2H−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
紫外線安定性不飽和単量体は重合性不飽和基と紫外線安定能を有する部位を含有する単量体であり、具体例としては、例えば、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ-2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が挙げられ、これらは単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
上記重合性不飽和単量体として、エポキシ基含有不飽和単量体を使用する場合には、単量体混合物中に70重量%以下、好ましくは1〜20重量%含まれることが好適であり、アルコキシシリル基含有不飽和単量体を使用する場合には、単量体混合物中に70重量%以下、好ましくは1〜30重量%含まれることが好適である。また重合性不飽和単量体として、紫外線吸収性不飽和単量体を使用する場合には、単量体混合物中に20重量%以下、好ましくは0.1〜10重量%含まれることが好適であり、紫外線安定性不飽和単量体を使用する場合には、単量体混合物中に20重量%以下、好ましくは0.1〜10重量%含まれることが好適である。
共重合時の有機溶剤としては、特に限定しないが、例えばトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、イソプロパノールなどのアルコール系溶剤、ミネラルスピリット、n−ヘキサン、n−オクタン、2,2,2−トリメチルペンタン、イソオクタン、n−ノナン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類等が挙げられる。これらを単独であるいは併用して用いても差し支えない。重合開始剤は特に限定しないが、アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系開始剤やベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシオクタノエート、ジイソブチルパーオキサイド、ジ(2−エチルヘキシルパーオキシピバレート)、デカノイルパーオキサイド等の過酸化物系を使用することができる。
上記の様にして得られたアクリル樹脂(A)の重量平均分子量は1,000〜100,000、好ましくは2000〜50,000が好適である。1,000未満では耐候性が不十分となり、一方100,000を超えるとエポキシ樹脂(B)、オルガノシラン化合物(E)及びアミン硬化剤(C)との相溶性が不十分となるので好ましくない。尚、本明細書において、重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した分子量をポリスチレンの分子量を基準にして換算した値である。
またアクリル樹脂(A)の溶解性パラメータ値(以下、「SP値」と略すことがある)は8〜10、好ましくは8〜9.5の範囲内が好適である。8未満ではエポキシ樹脂(B)との相溶性が不十分であり、10を超えるとオルガノシラン化合物(E)との相溶性が低下するため好ましくない。ここで上記単量体混合物の共重合体であるアクリル樹脂のSP値は、下記式により計算して求めることができる。
SP値=SP1×fw1+SP2×fw2+………+SPn×fwn
(上記式中、 SP1、SP2、………SPnは、各単量体のホモポリマーのSP値を表し、fw1、fw2、………fwnは、各単量体の単量体総量に対する重量分率を表す。)各単量体のホモポリマーのSP値は、J. Paint Technology, vol.42[541]76〜102(1970)等に記載されている。
上記エポキシ樹脂(B)は、1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するものであり、該エポキシ樹脂としては例えば、ビスフェノールAやビスフェノールFなどのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、ポリグリコール型エポキシ樹脂;これらのエポキシ樹脂をアルキルフェノール及び脂肪酸から選ばれる少なくとも1種の変性剤によって変性してなる変性エポキシ樹脂;アルキルフェノール又はアルキルフェノールノボラック型樹脂とエピクロルヒドリンとを反応させてなるエポキシ基導入アルキルフェノール又はアルキルフェノールノボラック型樹脂;二塩基酸変性エポキシ樹脂、二塩基酸及びカルボキシル基含有フェノールで変性したエポキシ樹脂などを挙げることができる。エポキシ樹脂(B)の重量平均分子量は約200〜約3,000の範囲内、好ましくは約300〜約1,000の範囲内であることが好適である。重量平均分子量が200未満では防食性が低下し、3,000を超えると他樹脂との相溶性が不良となり好ましくない。
エポキシ樹脂(B)として、具体的には、「エピコート828」、「エピコート830」、「エピコート834」、「エピコート806H」(ジャパンエポキシレジン社製)、「DER−331J」(ダウ・ケミカル社製)、「AER260」(旭化成エポキシ社製)、「ST−3000」、「ST−5080」(東都化成社製)、「エポミックR#140P」(三井化学社製)、「ERL−4221」、「ERL−4229」(ユニオンカーバイド社製)、「デナコールEX−830」(長瀬化成工業社製)、「ハリポールEP-450」(ハリマ化成社製)等の市販品を使用することができる。
前記アクリル樹脂(A)がエポキシ基と反応し得る官能基を含有する場合、該アクリル樹脂(A)と上記エポキシ樹脂(B)を少なくとも一部反応せしめてなるアクリル変性エポキシ樹脂としても使用可能である。かかるアクリル変性エポキシ樹脂の合成方法としては、例えばアクリル樹脂(A)としてカルボキシル基を有する単量体或いはアミノ基を有する単量体を共重合させ、エポキシ樹脂(B)に含まれるエポキシ基と少なくとも一部又は全部反応させたり、或いはエポキシ樹脂(B)にアクリル樹脂(A)を形成する重合性不飽和単量体を重合開始剤の存在下でグラフト重合又は共重合させるものである。かかる反応がエポキシ基とカルボキシル基の反応の場合には、そのための反応触媒を用いてもよく、該触媒として例えばテトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルフォスフォニウムブロマイド、トリフェニルベンジルフォスフォニウムクロライド等の4級塩触媒、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のアミン類等を挙げることができる。
上記アクリル樹脂(A)及びエポキシ樹脂(B)の配合割合はこれらの樹脂固形分の合計に対して(A)が5〜95重量%、好ましくは10〜90重量%、(B)が5〜95重量%、好ましくは10〜90重量%である。アクリル樹脂(A)の配合割合が5重量%未満では、塗膜が割れやすくなり、また塗装後の乾燥性が低下し、一方95重量%を超えると、防食性、耐候性が低下するので好ましくない。エポキシ樹脂(B)の配合割合が5重量%未満では防食性が低下し、逆に95重量%を超えると耐候性が低下するので好ましくない。
塗料組成物(III)で使用されるアミン硬化剤(C)は、エポキシ樹脂(B)中のエポキシ基と反応する硬化剤であり、さらに塗料組成物中にアルコキシシリル基が導入された場合に、これが空気中の水分が加水分解、縮合反応を起こす際の反応触媒としても作用するものである。
該アミン硬化剤(C)は、アミノシランを含み得るアミンであり、特に多官能性アミンが好適に使用でき、該多官能性アミンとしては例えば脂肪族又は脂環式のポリアミン、該ポリアミンのエポキシ樹脂アダクト物、ポリアミドアミン類、芳香族アミン、脂肪族又は脂環式のマンニッヒ化合物などが挙げられ、これらは単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。具体的には「サンマイドJ230N」、「サンマイドI518」(三和化学工業社製)、「ダイトクラールB1969」(大都産業社製)等の市販品が使用できる。
上記アミノシランとしては、通常、下式(1)
X−Si−(OY) (1)
(式中において、Xは−NH2基及び/又は−NH−結合を含有し得るアルキル基、アリール基、アルコキシアルキル基、シクロアルキル基であり、Yは炭素数が1〜6までのアルキル基を表す)で示されるものであり、具体的にはN−β−(アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、これらは単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。市販品としては例えば「KBM−603」、「KBE−903」(信越化学(株)社製)等が挙げられる。
上記アミン硬化剤(C)として、また、ケチミン化されたアミン硬化剤を使用することもできる。ケチミン化されたアミン硬化剤は、アミノ基の保護が解除されると、エポキシ樹脂(B)中のエポキシ基と反応し、さらに塗料組成物(III)中にアルコキシシリル基が導入された場合に、これが空気中の水分が加水分解、縮合反応を起こす際の反応触媒としても作用するものである。
ケチミン化されたアミン硬化剤は、ケチミ化されたアミノシランを含み得るであり、上述の多官能性アミンやアミノシランのケチミン化物が使用できる。上記多官能性アミンとアミノシランのケチミン化は、これらの中の第1級アミノ基を実質的に全てカルボニル化合物でブロックして保護アミノ基とするものである。該カルボニル化合物としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルt−ブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類が挙げられ、さらにアセトアルデヒド、ベンズアルデヒドなどのアルデヒド類などを併用して一部アルジミン化してもよい。
アミン硬化剤(C)は上記多官能性アミンとアミノシラン、或いは上記多官能性アミンとアミノシランのケチミン化物を含むものであり、夫々においていずれか一方のみでもよいが、併用することが望ましく、その比は該多官能性アミン1molに対してアミノシランが0.1mol以上であることが好適である。アミノシランの割合が0.1mol未満では耐候性が低下するため好ましくない。
またアミン硬化剤(C)の配合比率は、(アミノ基の活性水素の当量数、或いはカルボニル化合物が離脱したアミノ基の活性水素の当量数)/(前記エポキシ樹脂(B)およびアクリル樹脂(A)中に含まれるエポキシ基の当量数)の比が0.1〜2.0、好ましくは0.2〜1.2の範囲であることが、得られる塗膜の硬化性、防食性、耐候性などの点から好適である。
塗料組成物(III)では、塗膜の耐候性の点から、必要に応じてオルガノシラン化合物(D)を含有させることができる。該オルガノシラン化合物(D)は、通常、式(2)
(RSiO3/2(RSiO2/2 (2)
(ただし式中、R、RおよびRは、夫々、各繰り返し単位において同一又は異なって、ヒドロキシル基、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基又はアルコキシ基であり、mは0〜134、nは0〜134の範囲内で、m+n≧2である)
で示されるものが適当で、特に分子鎖末端もしくは側鎖にシラノール基又はアルコキシシリル基を少なくとも1つ以上有する直鎖状又は分岐状ポリオルガノシロキサンは好適である。また重量平均分子量は400〜30,000、好ましくは1,000〜10,000の範囲内にあるものが好適である。上記式(2)中、R、R、Rにおける炭素数1〜6のアルキル基の例としては、例えばメチル基、エチル基、(イソ)プロピル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基などが挙げられ、R、R、Rのアリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基などが挙げられる。R、R、Rのアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。具体的にはフェニルメチルアルコシキシリコーンオリゴマーやメチルアルコキシシリコーンオリゴマーなどが挙げられ、「DC3074」、「DC3037」(東レ・ダウコーニングシリコーン社製)、「KR−9218」、「KR−212」、「X−40−9220」(信越化学工業社製)、「TSR165」(東芝シリコーン社製)等の市販品が使用できる。これらを単独で、または2種以上併用してもよいし、また、これらの加水分解・縮合物も使用することができる。
また、塗膜表層にアルコキシシリル基を配向させ、より耐候性を向上させるためにアルキルアルコキシシラン、及びその加水分解・縮合物をオルガノシラン化合物(D)に併用することもできる。アルキルアルコキシシランとして具体的にはトリメトキシメチルシラン、トリメトキシエチルシラン、トリエトキシメチルシラン、トリメトキシイソプロポキシシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリエトキシフェニルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシジエチルシラン、メトキシトリメチルシラン、メトキシトリエチルシランなどが挙げられ、これらは単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
本発明においてオルガノシラン化合物(D)を使用する場合には、アクリル樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)、及びオルガノシラン化合物(D)の樹脂固形分の合計に対して(A)が5〜95重量%、好ましくは10〜80重量%、(B)が5〜95重量%、好ましくは10〜80重量%、(D)が0〜90重量%、好ましくは10〜80重量%である。オルガノシラン化合物(D)の配合割合が90重量%を超えると防食性が低下するので好ましくない。
塗料組成物(III)においては、シロキサン結合の形成を促進するため、必要に応じて硬化触媒(E)を添加することが好適である。硬化触媒(E)としては、例えばオクチル酸錫、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫ジオクテート、モノブチル錫トリオクテート、ジブチル錫脂肪酸塩などの有機錫化合物;トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、アルミニウムジ−イソプロポキシモノエチルアセトアセテート、テトライソプロピルチタネートなどの金属キレート化合物や金属アルコキシド;ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリブチルなどのホウ酸化合物などが挙げられる。
該硬化触媒(E)の配合量は、塗料中の全樹脂固形分100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の範囲内である。
塗料組成物(III)は、上記アクリル樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)、さらに必要に応じてオルガノシラン化合物(D)、硬化触媒(E)等を含む主剤に、使用直前にアミノシランを含み得るアミン硬化剤(C)を混合することにより得られる常温硬化性の2液型塗料組成物とすることができる。
アミン硬化剤(C)としてケチミン化されたアミン硬化剤を用いた場合の塗料組成物(III)は、1液型としても2液型としてもよく、作業性からは常温硬化性の1液型とするのが好適である。1液型とする場合には特に脱水剤を配合することが望ましい。該脱水剤としては、それ自体既知の脱水剤を使用することができ、その代表例として以下のものを挙げることができる。
(1)粉末状で多孔性に富んだ金属酸化物又は炭化物質;例えば、合成シリカ、活性アルミナ、ゼオライト、活性炭など、
(2)CaSO4 、CaSO4 ・1/2H2O、CaOなどの組成を有するカルシウム化合物類;例えば、焼き石膏、可溶性石膏、生石灰など、
(3)金属アルコキシド類;例えば、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウム sec−ブチレート、テトライソプロピルチタネート、テトラn−ブチルチタネート、ジルコニウム2−プロピレート、ジルコニウムn−ブチレート、エチルシリケート、ビニルトリメトキシシランなど、
(4)有機アルコキシ化合物類;例えば、オルソギ酸メチル、オルソギ酸エチル、オルソ酢酸メチル、オルソ酢酸エチル、オルソ酢酸イソプロピル、ジメトキシプロパンなど、
(5)単官能イソシアネート類;例えば、アディティブTI(住友バイエルウレタン(株)製、商品名)など。
これらの脱水剤は、単独で又は2種以上併用して使用することができる。該脱水剤の使用量は、塗料組成物中に含まれる水分量及び脱水剤の吸収、吸着能又は水との反応性によって異なるが、貯蔵安定性及び塗膜性能などの点から、一般的には塗料組成物の重量を基準にして、0.2〜25重量%、好ましくは0.5〜15重量%の範囲内であることが適当である。
塗料組成物(III)には、雨筋汚れなどを防ぎ耐汚染性を向上させるため、必要に応じて、さらに下式(3)
Si(OR (3)
(ただし式(3)中、Rは同一もしくは異なって炭素数1〜10の1価の炭化水素基である)で示されるオルガノシリケート、及び/又はその縮合物を塗料組成物に添加することが好適である。式(3)中、Rとしては、例えばアルキル基、アリ−ル基等が例示される。アルキル基としては、直鎖状又は分岐状のいずれのタイプであってもよく、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、i−ヘキシル、n−オクチル基などが挙げられ、中でも炭素数1〜4の低級アルキル基が好適である。またアリ−ル基としては、単環及び多環のいずれのタイプのものであっても良く、例えばフェニル、トルイル、キシリル、ナフチル基などが挙げられ、中でもフェニル基が好適である。
上記オルガノシリケ−トの具体例としては、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、ジメトキシジエトキシシランなどが挙げられる。これらは1種又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
上記オルガノシリケ−トの縮合物としては、前記一般式で表されるオルガノシリケ−ト同士の分岐状もしくは直鎖状の縮合物であって、耐汚染性の点から縮合度が2〜100のものが好まい。該オルガノシリケ−トの縮合物としては、Rが炭素数1〜4の低級アルキル基であって縮合度が2〜100のものが特に好ましい。また、異なるオルガノシリケートの縮合物を2種以上混合して用いてもよい。
また上記オルガノシリケ−ト及び/又はその縮合物にメルカプト化合物やホウ酸化合物を反応させた変性オルガノシリケートとしたり、オルガノシリケ−ト及び/又はその縮合物に炭素数11以上のアルキル基を導入する変性を行なってもよい。
上記オルガノシリケート及び/又はその縮合物は、塗料中の全樹脂固形分100重量部に対して固形分で0.1〜50重量部、好ましくは1〜20重量部配合するのが適当である。該配合量が0.1重量部未満では塗膜の耐汚染性が劣り、50重量部を越えると塗膜が硬くなりワレ、光沢低下などの欠陥を生じる恐れがあるので好ましくない。
また上記オルガノシリケート及び/又はその縮合物の加水分解を促進するために、必要に応じてホウ酸トリアルキル等のホウ酸化合物や有機錫化合物、アルミ系化合物、酸性リン酸エステルなどを添加することができる。
塗料組成物(III)には、耐候性を向上させるため必要に応じて、さらに紫外線吸収剤及び紫外線安定剤のいずれか一方、もしくは両方を塗料組成物に添加することが好適である。かかる紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール系、トリアジン系、アニリド系、ベンゾフェノン系、シュウ酸アニリド系、シアノアクリレート系が挙げられ、市販品としては「チヌビン1130」、「チヌビン400」(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、「CYASORB UV−1164L」(以上、三井サイテック製)、「SANDUVOR 3206」(以上、クラリアント・ジャパン製)が例示できる。紫外線安定剤としてはヒンダードアミン系が好適であり、市販品としては「チヌビン123」、「チヌビン144」(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、「サノールLS−292」(以上、三共株式会社製)が例示できる。
塗料組成物(III)は、クリヤー塗料として使用でき、また着色顔料、体質顔料、防錆顔料などの顔料類を配合してエナメル塗料としても使用することができる。これら顔料類としては二酸化チタン、カーボンブラック、ランプブラック、酸化亜鉛、酸化鉄、トルイジン、ベンジンイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、及び、カルバゾールバイオレット、結晶性シリカ、硫酸バリウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、マイカ、雲母状酸化鉄、炭酸カルシウム、亜鉛粉末、アルミニウム、珪酸アルミニウム、石膏、長石などが挙げられる。これらのものは1種あるいは2種以上混合して使用することができる。顔料の配合割合は顔料体積濃度(PVC)で10〜40vol%であることが好適である。顔料の分散方法としては、特に制限なく従来公知の方法が採用でき、例えばボールミル、サンドミル等によって分散する方法が挙げられる。
塗料組成物(III)には、さらに必要に応じて、増粘剤、タレ止め剤、レベリング剤、消泡剤、分散剤、有機溶剤などの塗料用添加剤、併用樹脂としてウレタン樹脂、ポリエステル樹脂アルキド樹脂などを主剤かあるいはアミン硬化剤(C)に配合することができる。
有機溶剤としては、炭化水素系、エステル系、ケトン系、エーテル系、アルコール系等、特に制限なく従来公知のものが使用可能である。塗料配合時及び/又は塗装時の希釈溶剤として、下層塗膜によっては、前述のエポキシ樹脂系プライマー(II)の説明で列記したような脂肪族炭化水素系溶剤及び高沸点芳香族炭化水素系溶剤から選ばれる炭化水素系溶剤を80重量%以上、好ましくは95重量%以上、さらに好ましくは100重量%含有する有機溶剤を用いることが望ましい。
塗料組成物(III)の塗装方法としては、刷毛塗り、ローラー塗装、スプレー塗装、各種コーター塗装などの一般的な方法を用いることができる。その塗布量は、特に限定されるものではないが、通常、1回の塗装仕上げで、乾燥膜厚で約15〜400μm、好ましくは約25〜300μmの範囲内が適当である。
本発明の方法では、各塗装工程による複層塗膜の膜厚合計が100μm以上であることが防錆性の点から望ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。尚、「部」及び「%」は特に断りのない限り、それぞれ「重量部」及び「重量%」を意味する。
アクリル樹脂(A)の製造
製造例1
フラスコ中にキシレン660部、「MOA」(商品名、日宝化学株式会社製、有効成分オルソ酢酸メチルエステル、脱水剤)20部を仕込み、窒素ガスを通気しながら、130℃まで攪拌を行いながら昇温した。次いで、温度を130℃に保ちながら、
メチルメタクリレート 600部
メトキシエチルアクリレート 100部
n−ブチルアクリレート 300部
t−ブチルパーオキシー2−エチルヘキサノエート 40部
の混合物を3時間で滴下した。その後130℃に保持したまま2時間熟成し、不揮発分60%のほぼ無色透明でやや粘り気のアクリル樹脂溶液(A1)を得た。
製造例2
製造例1においてビニルモノマー及び重合開始剤の混合物として下記の化合物を用いる以外は製造例1と同様に行い、不揮発分60%のアクリル樹脂溶液(A2)を得た。
グリシジルメタクリレート 100部
メチルメタクリレート 600部
メトキシエチルアクリレート 100部
n−ブチルアクリレート 200部
t−ブチルパ−オキシ−2−エチルヘキサノエート 40部
製造例3
製造例1においてビニルモノマー及び重合開始剤の混合物として下記の化合物を用いる以外は製造例1と同様に行い、不揮発分60%のアクリル樹脂溶液(A3)を得た。
グリシジルメタクリレート 100部
メチルメタクリレート 500部
メトキシエチルアクリレート 100部
n−ブチルアクリレート 200部
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 100部
t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート 40部
製造例4
フラスコ中にミネラルスピリット660部、「MOA」(商品名、日宝化学株式会社製、有効成分オルソ酢酸メチルエステル、脱水剤)20部を仕込み、窒素ガスを通気しながら、130℃まで攪拌を行いながら昇温した。次いで、温度を130℃に保ちながら、
イソボニルアクリレート 400部
メタクリル酸ブチル 200部
アクリル酸ブチル 200部
アクリル酸2−エチルヘキシル 100部
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 100部
t−ブチルパーオキシー2−エチルヘキサノエート 40部
の混合物を3時間で滴下した。その後130℃に保持したまま2時間熟成し、不揮発分60%のほぼ無色透明でやや粘り気のアクリル樹脂溶液(A4)を得た。
製造例5
ミネラルスピリット532部、及び「エピコート828」(ジャパンエポキシレジン社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量187)429部を窒素気流下で140℃に加熱し、下記のビニルモノマー及び重合開始剤の混合物を3時間で滴下し、滴下後2時間熟成した。ついでテトラエチルアンモニウムブロマイド0.2部を仕込み、約2時間反応を行い、樹脂酸価が0.3mgKOH/gになったところで、ミネラルスピリット157部を添加し、アクリル変性エポキシ樹脂溶液(A5)を得た。該樹脂溶液は不揮発分65%、エポキシ当量652であった。
メタクリル酸 10部
スチレン 250部
エチルアクリレート 200部
i−ブチルメタクリレート 200部
2−エチルヘキシルアクリレート 290部
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 50部
t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート 80部
塗料組成物(III)の作成
作成例1〜5
ボールミルに、表1に示す配合でエポキシ樹脂と顔料を配合し、1時間分散処理して顔料分散ペーストを作成し、これに表1に示す配合組成で主剤を調整し、硬化剤を混合して各塗料を得た。尚、表1の数字は固形分表示であり、記号は下記の通りである。
B1:「エピコート828EL」:ジャパンエポキシレジン社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量187
B2:「ST―3000」:東都化成社製、商品名、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂エポキシ当量230
B3:「ST−5080」:東都化成社製、商品名、ビスフェノール型エポキシ樹脂/水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、分子量1200
D1:「KR212」:東レダウ・コーニング・シリコーン社製、フェニルメチルアルコキシシリコーンオリゴマー
C1:N−β(アミノエチル)γ―アミノプロピルトリメトキシシラン
C2:γ―アミノプロピルトリエトキシシラン
C3:「サンマイド390−70」:三和化学工業社製、変性ポリアミドアミン
C4:γ−アミノプロピルトリメトキシシランをメチルイソプロピルケトンでケチミン化してなる3−トリメトキシシリル−N−(1,2−ジメチル−プロピリデン)プロピルアミン
E1:「CAT−AC」:信越シリコーン株式会社製、商品名、アルミキレート触媒、有効成分50%
E2:テトライソプロピルチタネート
E3:ジブチル錫アセテート
F1:「チヌビン1130」:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤
G1:「サノールLS−292」:三共株式会社製、ヒンダードアミン系紫外線安定剤
H1:オルソ酢酸トリメチル
Figure 2005074271
塗 装
実施例1
3.2×500×500mmの大きさのサンドブラスト鋼板上に、無機ジンクリッチペイント「SDジンク1500A」(関西ペイント社製、商品名)をスプレーにて乾燥膜厚で75μmとなるよう塗装し、室温(20℃)にて2日間乾燥させた。得られた塗膜上に、ミストコートを施すため、塗料組成物(III−1)を重量比で50%溶剤希釈したものを用いてジンクリッチ塗膜の色合いが見えなくなるまで(乾燥膜厚では約15μm程度)スプレー塗装し、室温にて1日乾燥させた。
その塗膜上に、塗料組成物(III−1)を乾燥膜厚が約90μmとなるようにスプレーにて塗装した後、室温にて1日乾燥後、同塗料組成物(III−1)を乾燥膜厚が約85μmとなるようにスプレーにて塗装し、室温で7日間乾燥させて試験塗板を作成した。
実施例2
3.2×500×500mmの大きさのサンドブラスト鋼板上に、無機ジンクリッチペイント「SDジンク1500A」(関西ペイント社製、商品名)をスプレーにて乾燥膜厚で75μmとなるよう塗装し、室温(20℃)にて2日間乾燥させた。得られた塗膜上に、ミストコートを施すため、エポキシ樹脂系プライマー「エスコNBセーフティー」(関西ペイント社製、商品名、弱溶剤可溶アクリル変性エポキシ樹脂塗料)を重量比で50%溶剤希釈したものを用いてジンクリッチ塗膜の色合いが見えなくなるまで(乾燥膜厚では約15μm程度)スプレー塗装し、室温にて1日乾燥させた。
その塗膜上に、エポキシ樹脂系プライマー「エスコNBセーフティー」をスプレーにて乾燥膜厚で60μmとなるよう塗装し、室温にて1日乾燥させた。
その塗膜上に、塗料組成物(III−3)を乾燥膜厚が約60μmとなるようにスプレーにて塗装した後、室温にて一日乾燥後、同塗料組成物(III−3)を乾燥膜厚が約55μmとなるようにスプレーにて塗装し、室温で7日間乾燥させて試験塗板を作成した。
実施例3
3.2×500×500mmの大きさのサンドブラスト鋼板上に、無機ジンクリッチペイント「SDジンク1500A」(関西ペイント社製、商品名)をスプレーにて乾燥膜厚で75μmとなるよう塗装し、室温(20℃)にて2日間乾燥させた。得られた塗膜上に、ミストコートを施すため、エポキシ樹脂系プライマー「エポマリンプライマー」(関西ペイント社製、商品名、エポキシ樹脂塗料)を重量比で50%溶剤希釈したものを用いてジンクリッチ塗膜の色合いが見えなくなるまで(乾燥膜厚では約15μm程度)スプレー塗装し、室温にて1日乾燥させた。
その塗膜上に、エポキシ樹脂系プライマー「エポマリンプライマー」をスプレーにて乾燥膜厚で60μmとなるよう塗装し、室温にて1日乾燥させた後、その上にエポキシ樹脂系プライマー「エスコNBセーフティー」(関西ペイント社製、商品名、弱溶剤可溶変性エポキシ樹脂塗料)をスプレーにて乾燥膜厚で60μmとなるよう塗装し、室温にて1日乾燥させた。
その塗膜上に、塗料組成物(III−1)を乾燥膜厚が約55μmとなるようにスプレーにて塗装した後、室温で7日間乾燥させて試験塗板を作成した。
実施例4
3.2×500×500mmの大きさのサンドブラスト鋼板上に、無機ジンクリッチペイント「SDジンク1500A」(関西ペイント社製、商品名)をスプレーにて乾燥膜厚で75μmとなるよう塗装し、室温(20℃)にて2日間乾燥させた。得られた塗膜上に、ミストコートを施すため、エポキシ樹脂系プライマー「エポマリンプライマー」(関西ペイント社製、商品名、エポキシ樹脂塗料)を重量比で50%溶剤希釈したものを用いてジンクリッチ塗膜の色合いが見えなくなるまで(乾燥膜厚では約15μm程度)スプレー塗装し、室温にて1日乾燥させた。
その塗膜上に、エポキシ樹脂系プライマー「エポマリンプライマー」をスプレーにて乾燥膜厚で60μmとなるよう塗装し、室温にて1日乾燥させた後、その塗膜上に、中塗り塗料「セラテクトU中塗り」(関西ペイント社製、商品名、エポキシ樹脂塗料)をスプレーにて乾燥膜厚で30μmとなるよう塗装し、室温にて1日乾燥させた。
その塗膜上に、塗料組成物(III−2)を乾燥膜厚が約85μmとなるようにスプレーにて塗装し、室温で7日間乾燥させて試験塗板を作成した。
実施例5
3.2×500×500mmの大きさのサンドブラスト鋼板上に、無機ジンクリッチペイント「SDジンク1500A」(関西ペイント社製、商品名)をスプレーにて乾燥膜厚で75μmとなるよう塗装し、室温(20℃)にて2日間乾燥させた。得られた塗膜上に、ミストコートを施すため、エポキシ樹脂系プライマー「エスコNBセーフティー」(関西ペイント社製、商品名、弱溶剤可溶アクリル変性エポキシ樹脂塗料)を重量比で50%溶剤希釈したものを用いてジンクリッチ塗膜の色合いが見えなくなるまで(乾燥膜厚では約15μm程度)スプレー塗装し、室温にて1日乾燥させた。
その塗膜上に、エポキシ樹脂系プライマー「エスコNBセーフティー」をスプレーにて乾燥膜厚で60μmとなるよう塗装し、室温にて1日乾燥させた後、その塗膜上に、中塗り塗料「セラテクトUマイルド中塗り」(関西ペイント社製、商品名、弱溶剤型ウレタン樹脂塗料)をスプレーにて乾燥膜厚で30μmとなるよう塗装し、室温にて1日乾燥させた。
その塗膜上に、塗料組成物(III−2)を乾燥膜厚が約85μmとなるようにスプレーにて塗装し、室温で7日間乾燥させて試験塗板を作成した。
実施例6
3.2×500×500mmの大きさのサンドブラスト鋼板上に、無機ジンクリッチペイント「SDジンク1500A」(関西ペイント社製、商品名)をスプレーにて乾燥膜厚で75μmとなるよう塗装し、室温(20℃)にて2日間乾燥させた。得られた塗膜上に、ミストコートを施すため、エポキシ樹脂系プライマー「エスコNBセーフティー」(関西ペイント社製、商品名、弱溶剤可溶アクリル変性エポキシ樹脂塗料)を重量比で50%溶剤希釈したものを用いてジンクリッチ塗膜の色合いが見えなくなるまで(乾燥膜厚では約15μm程度)スプレー塗装し、室温にて1日乾燥させた。
その塗膜上に、エポキシ樹脂系プライマー「エスコNBセーフティー」をスプレーにて乾燥膜厚で60μmとなるよう塗装し、室温にて1日乾燥させた後、その塗膜上に、中塗り塗料「セラテクトUマイルド中塗り」(関西ペイント社製、商品名、弱溶剤型ウレタン樹脂塗料)をスプレーにて乾燥膜厚で30μmとなるよう塗装し、室温にて1日乾燥させた。
その塗膜上に、塗料組成物(III−4)を乾燥膜厚が約85μmとなるようにスプレーにて塗装し、室温で7日間乾燥させて試験塗板を作成した。
実施例7
実施例2において、塗料組成物(III−3)の代わりに塗料組成物(III−5)を用いる以外は実施例2と同様にして試験塗板を作成した。
比較例1
3.2×500×500mmの大きさのサンドブラスト鋼板上に、無機ジンクリッチペイント「SDジンク1500A」(関西ペイント社製、商品名)をスプレーにて乾燥膜厚で75μmとなるよう塗装し、室温(20℃)にて2日間乾燥させた。得られた塗膜上に、ミストコートを施すため、エポキシ樹脂系プライマー「エポマリンプライマー」(関西ペイント社製、商品名、エポキシ樹脂塗料)を重量比で50%溶剤希釈したものを用いてジンクリッチ塗膜の色合いが見えなくなるまで(乾燥膜厚では約15μm程度)スプレー塗装し、室温にて1日乾燥させた。
その塗膜上に、エポキシ樹脂系プライマー「エポマリンプライマー」をスプレーにて乾燥膜厚で60μmとなるよう塗装し、室温にて1日乾燥させた後、その上にエポキシ樹脂系プライマー「エスコNBセーフティー」(関西ペイント社製、商品名、弱溶剤可溶アクリル変性エポキシ樹脂塗料)をスプレーにて乾燥膜厚で60μmとなるよう塗装し、室温にて1日乾燥させた。
その塗膜上に、中塗り塗料「セラテクトU中塗り」(関西ペイント社製、商品名、エポキシ樹脂塗料)をスプレーにて乾燥膜厚で30μmとなるよう塗装し、室温にて1日乾燥させた。
その塗膜上に、上塗り塗料「セラテクトU上塗り」(関西ペイント社製、商品名、ポリウレタン樹脂塗料)を乾燥膜厚が約25μmとなるようにスプレーにて塗装した後、室温で7日間乾燥させて試験塗板を作成した。
比較例2
3.2×500×500mmの大きさのサンドブラスト鋼板上に、無機ジンクリッチペイント「SDジンク1500A」(関西ペイント社製、商品名)をスプレーにて乾燥膜厚で75μmとなるよう塗装し、室温(20℃)にて2日間乾燥させた。得られた塗膜上に、ミストコートを施すため、エポキシ樹脂系プライマー「エポマリンプライマー」(関西ペイント社製、商品名、エポキシ樹脂塗料)を重量比で50%溶剤希釈したものを用いてジンクリッチ塗膜の色合いが見えなくなるまで(乾燥膜厚では約15μm程度)スプレー塗装し、室温にて1日乾燥させた。
その塗膜上に、エポキシ樹脂系プライマー「エポマリンプライマー」をスプレーにて乾燥膜厚で60μmとなるよう塗装し、室温にて1日乾燥させた後、その上にエポキシ樹脂系プライマー「エスコNBセーフティー」(関西ペイント社製、商品名、弱溶剤可溶アクリル変性エポキシ樹脂塗料)をスプレーにて乾燥膜厚で60μmとなるよう塗装し、室温にて1日乾燥させた。
その塗膜上に、中塗り塗料「セラテクトUマイルド中塗り」(関西ペイント社製、商品名、弱溶剤型ウレタン樹脂塗料)をスプレーにて乾燥膜厚で30μmとなるよう塗装し、室温にて1日乾燥させた。
その塗膜上に、上塗り塗料「セラテクトUマイルド上塗り」(関西ペイント社製、商品名、弱溶剤可溶ポリウレタン樹脂塗料)を乾燥膜厚が約25μmとなるようにスプレーにて塗装した後、室温で7日間乾燥させて試験塗板を作成した。
比較例3
3.2×500×500mmの大きさのサンドブラスト鋼板上に、無機ジンクリッチペイント「SDジンク1500A」(関西ペイント社製、商品名)をスプレーにて乾燥膜厚で75μmとなるよう塗装し、室温(20℃)にて2日間乾燥させた。得られた塗膜上に、ミストコートを施すため、エポキシ樹脂系プライマー「エポマリンプライマー」(関西ペイント社製、商品名、エポキシ樹脂塗料)を重量比で50%溶剤希釈したものを用いてジンクリッチ塗膜の色合いが見えなくなるまで(乾燥膜厚では約15μm程度)スプレー塗装し、室温にて1日乾燥させた。
その塗膜上に、エポキシ樹脂系プライマー「エポマリンプライマー」(関西ペイント社製、商品名、エポキシ樹脂塗料)をスプレーにて乾燥膜厚で60μmとなるよう塗装し、室温にて1日乾燥させた。
その塗膜上に、中塗り塗料「セラテクトU中塗り」(関西ペイント社製、商品名、エポキシ樹脂塗料)をスプレーにて乾燥膜厚で30μmとなるよう塗装し、室温にて1日乾燥させた。
その塗膜上に、上塗り塗料「エポマリンHB」(関西ペイント社製、商品名、厚膜型エポキシ樹脂塗料)を乾燥膜厚が約85μmとなるようにスプレーにて塗装し、室温で7日間乾燥させて試験塗板を作成した。
試験方法
(*1)白化性:各試験塗板の半分の面積を1時間没水し、没水終了後に塗板を引き上げ、没水部および未没水部との塗膜状態を観察し、次の基準にて評価した。結果を表2に示す。
○:色に差なし
△:若干差あり(没水部のほうがやや白味が強い)
×:大きな差あり(没水部の方がかなり白味が強い)。
(*2)防食性:各試験塗板に素地に到達するように幅1mmのカットを施した後、JIS K 5600 7−1に準じて塩水噴霧試験を500時間行った後、塗膜状態を観察し、次の基準にて評価した(○:異常なし、△:わずかに発錆、×:著しく発錆)。結果を表2に示す。
(*3)耐候性試験:各試験塗板を、JIS K 5600 7−7に準じてサンシャインカーボンアーク灯式試験機を用いて300時間試験を行った。その時の塗膜の光沢感を促進耐候性試験を行っていない初期の塗面と比較することにより評価した(○:変化がほとんどない、△:やや低下、×:著しく低下)。結果を表2に示す。
Figure 2005074271

Claims (8)

  1. 被塗面に、無機系結合剤及び亜鉛末を主成分とするジンクリッチ塗料(I)を塗装し、必要に応じてミストコート塗装を行った後、アクリル樹脂(A)、1分子中に少なくとも2つのエポキシ基を有するエポキシ樹脂(B)、及びアミノシランを含み得るアミン硬化剤(C)を含有する塗料組成物(III)を塗装することを特徴とする塗装方法。
  2. ジンクリッチ塗料(I)の塗装後、エポキシ樹脂系プライマー(II)を塗装し、さらに塗料組成物(III)を塗装する請求項1記載の塗装方法。
  3. 塗料組成物(III)において、アクリル樹脂(A)がエポキシ基と反応し得る官能基を含有し、該アクリル樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)を少なくとも一部反応せしめてなるアクリル変性エポキシ樹脂が含まれる請求項1又は2記載の塗装方法。
  4. 塗料組成物(III)が、さらにオルガノシラン化合物(D)を含有するものである請求項1又は2記載の塗装方法。
  5. 塗料組成物(III)が、アクリル樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)、及びオルガノシラン化合物(D)の配合割合が、これらの合計樹脂固形分中(A)5〜95重量%、(B)5〜95重量%、(D)0〜90重量%である請求項4記載の塗装方法。
  6. 塗料組成物(III)のアミン硬化剤(C)が、ケチミン化されたものである請求項1又は2記載の塗装方法。
  7. 塗料組成物(III)が、硬化触媒(E)を含有する請求項1又は2記載の塗装方法。
  8. 塗料組成物(III)が、塗料配合時及び/又は塗装時の希釈溶剤として、脂肪族炭化水素系溶剤及び高沸点芳香族炭化水素系溶剤から選ばれる炭化水素系溶剤を80重量%以上含有する有機溶剤を用いる請求項1又は2記載の塗装方法。

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