JP2005068361A - 水系被覆組成物及びその製造方法並びにその硬化被膜が形成された物品 - Google Patents

水系被覆組成物及びその製造方法並びにその硬化被膜が形成された物品 Download PDF

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Abstract

【解決手段】 [I]式(1)
XR1 qSiR2 3-q (1)
(R1はアルキル基又はアリール基、R2はアルコキシ基又はアシロキシ基、Xはエポキシ基含有有機基、qは0又は1。)
で表される加水分解性シランと、式(2)
3 rSi(R44-r (2)
(R3はアルキル基又はアリール基、R4はアルコキシ基又はアシロキシ基、rは0,1又は2。)
で表される加水分解性シランとを酸性触媒存在下、加水分解することにより得られ、一分子中に上記Xのエポキシ基の開環に由来する水酸基を2個以上含有する重量平均分子量100〜10,000のオルガノポリシロキサン
[II]水
を必須成分とし、上記オルガノポリシロキサンが水に溶解もしくは分散してなることを特徴とする水系被覆組成物。
【効果】 本発明の水系被覆組成物は、果汁飲料びん、清涼飲料びん、ビールびん等のガラスびん容器に均一で透明な被膜を容易に形成することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、安全性、室温硬化性に優れ、その保存安定性にも優れた水系被覆組成物に関し、特に果汁飲料びん、清涼飲料びん、ビールびん等のガラスびん容器用の擦り傷遮蔽用被膜形成剤として有用であり、その塗膜の遮蔽性、耐水性が良好で、滑り、べとつきがなく、アルカリ溶液洗浄で容易に除去可能な水系被覆組成物に関する。また、本発明は、この水系被覆組成物の製造方法及びその硬化被膜が形成された物品に関する。
果汁飲料びん、清涼飲料びん、ビールびん等のガラス容器は使用後回収され、繰り返し使用されているのが現状であるが、そのうちにびん詰め工程や流通過程等においてガラス容器の表面に擦り傷が生じ、外観が損なわれて商品価値が低下してくる。
このため近年では、各種塗布剤をガラス容器表面に塗布することによって前記擦り傷の遮蔽を行い、ガラス容器の美観を保護している。
ところで、一般にガラス容器の擦り傷の発生部位に塗布された被膜は、
(1)擦り傷遮蔽性がよいこと
(2)耐水性がよいこと
(3)表面粘着性(ベとつき)がないこと
(4)室温程度で被膜としての所要物性を得られること
(5)遮蔽剤材料そのものが有毒でないこと
(6)洗瓶工程でのアルカリ溶液洗浄によって容易かつ安全に剥離すること
などの諸要件を充足することが要求される。
上記の如く、この被膜に擦り傷遮蔽性のみならず耐水性も要求されるのは、夏期においては、ビールや清涼飲料等がびん詰めされたガラス容器がショーケース等の冷水中に浸されたり、冷やすことにより結露を起こす場合があるからである。即ち、ガラス容器が水中に浸漬された場合でも油分が分離遊離しないことは勿論、数週間経過させた後でも被膜が剥離しない程度の耐水性が要求される。
また、このようなガラス容器は一般に素手で扱われる機会が多いので、表面が滑り易いと落下破損の危険性がある一方、被膜表面に粘着性がある場合には取扱者にべとつき等の不快感を与えるばかりでなく、流通過程において大気中の粉塵が付着して被膜面を汚染する。
更に、被膜に硬度、強度、その他被膜としての所要物性を付与させるべく硬化又は架橋を行わせるために加熱が必要な場合には、充填工程での擦り傷発生を考慮して充填後に擦り傷遮蔽剤を塗布するのが普通であるので、加熱をびん詰め後に行わなくてはならず、この場合には、びん詰め内容物が変質する危険性がある。このことは加熱の代わりに光線照射を必要とする場合も同様である。つまり室温又はそれ以下の温度で硬化することが必要である。
また、このようなガラス容器は食品を収納するものであるから被膜材料は無毒かつ無臭でなければならないが、被膜を溶液から形成させる場合には当然に使用する溶剤も無毒なものが必要であって、この要件は作業環境上も要求される。従ってエタノール等の低毒性の溶剤を中心としたものでなければならない制約があるが、近年の環境問題の高まりから最も使用に適するものは水であることが望ましくなってきている。
このような諸要件にもまして、この被膜にとって重要なのは、洗瓶工程でのアルカリ溶液洗浄に際して剥離性が良好でなければならないということである。即ち、回収されたガラス容器は、洗瓶機によって、通常、2〜4%程度の苛性ソーダ水溶液を使用して温度60〜80℃で10〜20分間程度アルカリ溶液で洗浄殺菌されてから使用されるのが普通であるから、もし被膜が洗瓶機のアルカリ溶液により完全に剥離せずにその一部がガラス面に残存することになると、残存シリコーン分が剥離剤として働いて出荷時にラベルを効果的に貼ることができない上、そのような不均質表面に再度擦り傷遮蔽剤が塗被された場合には塗被面の美観が損なわれる。
そこで、ガラス容器の擦り傷面にアルカリ溶液によって剥離しない強固な被膜(永久被膜)を施して擦り傷を遮蔽する方法が提案されているが、繰り返し回収再使用されることによって永久被膜そのものに擦り傷が発生することは避け難く、また繰り返しアルカリ溶液に洗浄されると被膜が白化するなど外観が劣化しがちである。更に永久被膜を得るためには、一般に膜厚を50ミクロン以上に厚くする必要があり、コスト高となる等の問題もあって、この方法は実用に供し難いものである。
上記のような擦り傷遮蔽剤のみならず擦り傷発生防止又は破瓶防止の観点から従来多くの種類の塗被用材料が知られている。これらのうち例えばシリコーン系のものとしては、特許文献1〜10:特開昭58−167499号、同59−121138号、同60−26057号、同61−6152号、同61−227943号、同62−27354号、同63−74937号、同55−56040号、同60−26057号及び特開平1−62364号公報等数多くの提案がなされている。これらの提案のうち、特開昭55−56040号公報に開示されたフェニル基を含むオルガノポリシロキサンの硬化生成物や特許文献11:特開平11−171593号公報の提案が前記諸問題をかなり解決している。
しかしながら、近年のビール、清涼飲料水等の消費の伸びにつれ物流の回転が速まってきているので、短時間で硬化する遮蔽剤が望まれている。また環境問題の観点から溶剤系でなく、水系の遮蔽剤の開発が急務となっている。更に工程簡略の面から、昨今ではびんに内容物を詰め、栓をし、ラベルを貼った後、最後に遮蔽剤を塗るという工程になりはじめてきている。そうなると溶剤系の遮蔽剤ではラベルを変質させる悪影響もあるので、益々水系の遮蔽剤でなければならなくなってきている。
一方、水系のシランカップリング剤として、銅泊と樹脂の接着性改良剤(銅箔表面処理剤)としてエポキシ基含有カップリング剤を水溶液中で加水分解させたものが特許文献12:特開平8−295736号公報及び特許文献13:特開2003−128923号公報に開示されている。これにはエポキシ基含有カップリング剤モノマーを10重量%以下の希薄水溶液下で加熱撹拌させることにより、水系のシランカップリング剤としている。これも水系のカップリング剤としては有用であるが、コーティング剤として考えた場合、以下の問題点が挙げられ、そのまま水系被覆組成物として応用できなかった。
(a)有効成分濃度が薄いため、基材を厚みをもってコートできない。
(b)有効成分濃度を上げると溶解性が悪化する。
(c)このままではガラスの屈折率よりも差があるため、遮蔽性が弱くなる。
(d)副生アルコールを含んだままなので、環境的に好ましくない。
(e)このもの自体が水溶性が強いので、硬化させても耐水性が弱い。
(f)この水系のカップリング剤にオレフィン系シランカップリング剤やテトラアルコキシシランを混合しているが、これら自身の水溶液安定性が悪いため、長期の水溶液安定性が悪くなる。
特開昭58−167499号公報 特開昭59−121138号公報 特開昭60−26057号公報 特開昭61−6152号公報 特開昭61−227943号公報 特開昭62−27354号公報 特開昭63−74937号公報 特開昭55−56040号公報 特開昭60−26057号公報 特開平1−62364号公報 特開平11−171593号公報 特開平8−295736号公報 特開2003−128923号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、安全性、室温硬化性に優れ、かつその塗膜の遮蔽性、耐水性が良好で、滑り、べとつきがなく、アルカリ溶液洗浄で容易に除去可能な水溶性のオルガノポリシロキサンを主成分とする水系被覆組成物及びその製造方法、並びにこの水系被覆組成物の硬化被膜が形成された物品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、驚くべきことに、エポキシ基含有シラン化合物とアルコキシシランを特定の割合で、酸性触媒存在下、過剰の水溶液中で加水分解することにより得られるオルガノポリシロキサンが、レジン構造であるにも拘わらず、水中でも安定に存在し、その被膜も上記要求を充分満足させる特性を有していることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、
[I]下記一般式(1)
XR1 qSiR2 3-q (1)
(式中、R1は炭素数1〜8の置換又は非置換のアルキル基、又は置換又は非置換のアリール基、R2は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、Xはエポキシ基含有有機基であり、qは0又は1である。)
で表される加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物と、下記一般式(2)
3 rSi(R44-r (2)
(式中、R3は炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、又は置換又は非置換のアリール基、R4は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、rは0,1又は2である。)
で表される加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物とを前者(加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物):後者(加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物)=40:60〜99.9:0.1のモル比の割合で酸性触媒存在下、加水分解することにより得られ、一分子中に上記Xのエポキシ基の開環に由来する水酸基を2個以上含有する重量平均分子量100〜10,000のオルガノポリシロキサン 100質量部
及び
[II]水 25〜900質量部
を必須成分とし、上記オルガノポリシロキサンが水に溶解もしくは分散してなることを特徴とする水系被覆組成物を提供する。
そして、上記加水分解性シラン(A)としては、下記式
で示されるエポキシ基含有シランから選ばれるものであることが好ましく、加水分解性シラン(B)としては、下記式
65Si(OCH33、C65Si(OCH2CH33
(C652Si(OCH32、(C652Si(OCH2CH32
CH3Si(OCH33、CH3Si(OCH2CH33
(CH32Si(OCH32、(CH32Si(OCH2CH32
で示されるシランから選ばれるものであることが好ましい。
また、この水系被覆組成物は、ガラス容器の擦り傷遮蔽剤用として有用である。
更に、本発明は、下記一般式(1)
XR1 qSiR2 3-q (1)
(式中、R1は炭素数1〜8の置換又は非置換のアルキル基、又は置換又は非置換のアリール基、R2は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、Xはエポキシ基含有有機基であり、qは0又は1である。)
で表される加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物と、下記一般式(2)
3 rSi(R44-r (2)
(式中、R3は炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、又は置換又は非置換のアリール基、R4は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、rは0,1又は2である。)
で表される加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物とを前者(加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物):後者(加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物)=40:60〜99.9:0.1のモル比の割合で、かつ上記加水分解性シラン及びその部分加水分解物の全量を加水分解するのに必要な水量以上の酸性触媒が存在する水溶媒中で、加水分解、縮合させ、副生するアルコールを溜去することを特徴とする上記水系被覆組成物の製造方法を提供する。この場合、アルコールの含有率が3質量%以下であるようにアルコールを溜去することが好ましい。
本発明は、また、上記の水系被覆組成物の硬化被膜が基材に形成されてなることを特徴とする物品を提供する。この場合、基材がガラス基材であることが好ましい。
本発明の水系被覆組成物は、今までになかった水系の組成物であり、果汁飲料びん、清涼飲料びん、ビールびん等のガラスびん容器に均一で透明な被膜を容易に形成することができる。また、室温かつ短時間で所要物性値の被膜を形成することが可能であり、形成された被膜は擦り傷遮蔽性及び耐水性に優れている。更に水に濡れても過度に滑ることがない上、べとつきもない。更に、輸送時におけるびん同士又は収納容器とのぶつかり合いによる傷や白化が起こりにくい上、回収毎の洗瓶機によるアルカリ洗浄に際しても優れた除去性も有している。しかも、本発明の組成物は室温硬化であるため、内容物充填後のガラス容器を対象としても全く不都合は生じないし、また水系であるためラベルを貼った後に処理してもラベルの印字物を侵すことがないため、最終工程での使用も可能である。また、コーティング剤として各種基材に使用可能であり、その硬化被膜も良好な性能を有しており、また水系のため環境的にも好ましい。
本発明の水系被覆組成物は、オルガノポリシロキサン100質量部を水25〜900質量部に溶解もしくは分散させてなるものであるが、このオルガノポリシロキサン乃至水系被覆組成物は、下記一般式(1)
XR1 qSiR2 3-q (1)
(式中、R1は炭素数1〜8の置換又は非置換のアルキル基、又は置換又は非置換のアリール基、R2は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、Xはエポキシ基含有有機基であり、qは0又は1である。)
で表される加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物と、下記一般式(2)
3 rSi(R44-r (2)
(式中、R3は炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、又は置換又は非置換のアリール基、R4は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、rは0,1又は2である。)
で表される加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物とを前者(加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物):後者(加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物)=40:60〜99.9:0.1のモル比の割合で、かつ上記加水分解性シラン及びその部分加水分解物の全量を加水分解するのに必要な水量以上の酸性触媒が存在する水溶媒中で、加水分解、縮合させ、副生するアルコールを溜去するという非常にシンプルな方法により、水溶液中で安定であり、安全性、室温硬化性に優れ、かつその塗膜の遮蔽性、耐水性が良好で、滑り、べとつきがなく、アルカリ溶液洗浄で容易に除去可能なオルガノポリシロキサンを主成分とする水系被覆組成物が得られるものである。
更に、詳述すると、本発明の水系被覆組成物を得るために用いる、Xがエポキシ基含有有機基を含有する加水分解性シラン(A)は、下記一般式(1)で表されるもので、1種又は2種以上を適宜選定して用いられる。また、その部分加水分解物を用いることもできる。
XR1 qSiR2 3-q (1)
ここで、R1は炭素数1〜8の置換又は非置換のアルキル基、又は置換又は非置換の炭素数6〜8のアリール基である。なお、置換としてはハロゲン置換、特にフッ素置換が例示され、非置換のアルキル基又はアリール基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換されたものが例示される。具体的には、−CH3、−CH2CH3、−CH2CH2CH3、−CH(CH32、−CH2CH2CH2CH3、−CH(CH3)CH2CH3、−CH2CH(CH32、−C(CH33、−C65、−C613などが例示され、好ましくはメチル基である。
また、R2は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基であり、具体的には、−OCH3、−OCH2CH3、−OCH2CH2CH3、−OCH(CH32、−OCH2CH2CH2CH3、−OCH(CH3)CH2CH3、−OCH2CH(CH32、−OC(CH33、−OCOCH3、−OCOCH2CH3などが例示されるが、中でも−OCH3、−OCH2CH3が好ましい。
Xはエポキシ基含有有機基であり、具体的にはγ−グリシドキシプロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチル基、5,6−エポキシヘキシル基、9,10−エポキシデシル基などが示されるが、中でもγ−グリシドキシプロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチル基が好ましい。
なお、式(1)において、qは0又は1であり、好ましくは0である。
この式(1)の加水分解性シラン(A)としては、下記のものを例示することができる。
本発明では、エポキシ基含有シランのエポキシ基を開環させ、これに起因する2つ以上の水酸基を発生させる必要があるため、エポキシ基含有シランは水中で簡単にエポキシ環が開環し、2つの水酸基を発生し得るものが好ましく、上記の中で特に好ましくは、
であり、これらの部分加水分解物を用いてもよい。
一方、上記加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物と混合して用いられる加水分解性シラン(B)は、下記一般式(2)で表され、その1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その部分加水分解物を使用してもよい。
4 rSi(R54-r (2)
ここで、R4は炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、又は置換又は非置換の炭素数6〜10のアリール基であり、上記R1で説明したものと同様のものを挙げることができる。なお、置換としてはハロゲン置換、特にフッ素置換が例示される。具体的には、−CH3、−CH2CH3、−CH2CH2CH3、−CH(CH32、−CH2CH2CH2CH3、−CH(CH3)CH2CH3、−CH2CH(CH32、−C(CH33、−C613、−C817、−C1021、−C65、−C611、−CH2CH2CF3、−CH2CH2817などが例示され、好ましくはメチル基、フェニル基である。
また、R5は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基であり、具体的には、−OCH3、−OCH2CH3、−OCH2CH2CH3、−OCH(CH32、−OCH2CH2CH2CH3、−OCH(CH3)CH2CH3、−OCH2CH(CH32、−OC(CH33、−OCOCH3、−OCOCH2CH3などが例示されるが、中でも−OCH3、−OCH2CH3が好ましい。
なお、式(2)において、rは0,1又は2であり、好ましくは1である。
この式(2)の加水分解性シラン(B)としては、下記のものを例示することができる。
Si(OCH34、Si(OCH2CH34、Si(OCH2CH2CH34
Si(OCH2CH2CH2CH34、CH3Si(OCH33
CH3Si(OCH2CH33、CH3Si(OCH2CH2CH33
CH3Si(OCH2CH2CH2CH33、(CH32Si(OCH32
(CH32Si(OCH2CH32、(CH32Si(OCH2CH2CH32
(CH32Si(OCH2CH2CH2CH32、C65Si(OCH33
65Si(OCH2CH33、(C652Si(OCH32
(C652Si(OCH2CH32
これらの中で特に好ましくは、CH3Si(OCH33、CH3Si(OCH2CH33、(CH32Si(OCH32、(CH32Si(OCH2CH32、C65Si(OCH33、C65Si(OCH2CH33、(C652Si(OCH32、(C652Si(OCH2CH32及びこれらの部分加水分解物である。
なお、必要に応じ、上記加水分解性シラン(A)、(B)又はそれらの部分加水分解物に加えて、下記のような一官能性アルコキシシランやビス(アルコキシシリル)基含有化合物などを併用してもよい。
(CH33SiOCH3、(CH33SiOCH2CH3
(CH33SiOCH2CH2CH3、(CH33SiOCH2CH2CH2CH3
(CH3O)3SiCH2CH2CH2CH2CH2CH2Si(OCH33
(CH3O)3Si(OSi(CH326OSi(OCH33
(CH3O)3Si(OSi(CH328OSi(OCH33
(CH3O)3Si(OSi(CH3210OSi(OCH33
(CH3O)3SiCH2CH248CH2CH2Si(OCH33
(CH3O)3SiCH2CH2612CH2CH2Si(OCH33
加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物に加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物を混合して用いる場合、その混合比率は、エポキシ基を含有する加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物を[A]とし、加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物を[B]とした場合、[A]:[B]=40:60〜99.9:0.1のモル比であり、好ましくは50:50〜90:10、特に好ましくは55:45〜80:20のモル比である。このエポキシ基を含有する加水分解性シラン(A)の比率が40mol%未満になると水溶液中での安定性が悪化する。同様に加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物が60mol%を超えると水溶液中での安定性が悪化するため好ましくない。
また、上記一官能性アルコキシシランやビス(アルコキシシリル)基含有化合物の配合量は、加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物100mol%に対し、0〜40mol%、特に0〜10mol%である。
上記加水分解性シラン(A)、(B)又はそれらの部分加水分解物(及び必要に応じて一官能性アルコキシシランやビス(アルコキシシリル)基含有化合物を用いて加水分解し、本発明の主剤となるオルガノポリシロキサンを得る場合、酸性触媒存在下で加水分解するのが必要である。これは、エポキシ基含有シラン(A)のエポキシ環をより早く開環させ、2つの水酸基を発生させるためにも必要な成分である。つまりシランの加水分解と同時にエポキシ環も開環させようということである。この時使用される酸性触媒としては、例えば塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、硝酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、シュウ酸及びマレイン酸などから選ばれる少なくとも1種の酸が用いられるが、特に好適なものは酢酸である。この酸の使用量は、(A)、(B)成分及びそれらの部分加水分解物の合計100質量部に対して0.1〜30質量部、特に2〜15質量部が好適である。この量が0.1質量部より少ないと水溶性、水への分散性が悪くなったりする場合がある。また30質量部よりも多いと保存安定性が悪くなる場合がある。
溶媒は主として水を使用する。環境のことを考え合わせ、極力水だけの方が好ましいが、必要に応じて、水に溶解する有機溶媒であるアルコール、ケトン、グリコール類を水に少量添加する形で用いてもよい。有機溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、グリセリン、ジエチレングリコール等のグリコール類などを挙げることができる。その添加割合は、水とアルコール類とは、水100質量部に対してアルコール類0〜30質量部が好ましい。そのアルコール類の量が30質量部より多いと、生成するオルガノポリシロキサンの分子量が上がりすぎたり、保存安定性が悪くなる場合がある。アセトン等のケトン類と水とは、水100質量部に対してケトン類0〜10質量部が好ましい。10質量部より多いと、生成するオルガノポリシロキサンの保存安定性が悪くなる場合がある。グリセリン、ジエチレングリコール等のグリコール類と水とは、水100質量部に対してグリコール類0〜20質量部が好ましい。20質量部より多いと、被膜性能が悪くなる場合がある。
溶媒の量は原料シラン(加水分解性シラン(A)、(B)又はそれらの部分加水分解物)100質量部に対して10〜1,000質量部になる量が好ましい。更に好ましくは40〜600質量部である。溶媒の量が10質量部より少ないと反応が進行しすぎ、ゲル化する場合がある。一方、1,000質量部より多いと経済的に不利な場合が生じ、また液の保存安定性も悪くなる場合がある。
溶媒中の水の量は、水/原料シランのモル比率で3〜50が好ましい。このモル比率が3より少ないと加水分解が完全に進行しにくく、液の安定性が悪化する場合がある。一方、50を超えると経済的に不利な場合が生じる。
反応方法としては、(1)混合シランを水中或いは加水分解に必要である以上の量の水を含む溶媒中に滴下する方法、(2)混合シラン或いは有機溶剤含有混合シラン中に水を滴下する方法などが挙げられるが、組成物の安定性の点から、特に(1)の反応方法が好ましい。
反応温度は20〜100℃の間で反応させるのが好ましい。特に好ましくは60〜90℃である。また、副生するアルコールを抜きながら85〜100℃の間で反応させてもよい。この温度が20℃未満では反応が進行しずらくなるおそれがある。また、100℃を超えると、水の沸点を超えてしまう。また、反応時間は30分〜10時間が好ましい。より好ましくは3〜6時間である。30分よりも短いと所定のオルガノポリシロキサンが生成しない場合がある。また10時間より長いと、コスト的に不利になったり、水に不溶になる場合ある。
また、環境の点から、原料シランが加水分解して副生するアルコールや反応時添加した有機溶媒は、極力、減圧下又は常圧下で溜去し、水とオルガノポリシロキサンだけの組成物にするのがより望ましい。この時のアルコール含有率は3質量%以下が好ましい。特に環境面、安全面を考えれば好ましくは1質量%以下であることが望ましい。この量が3質量%より多いと、防爆設備のあるところでないと使用できないなどの問題点が発生するおそれがある。
得られるオルガノポリシロキサンは、一分子中に上記Xのエポキシ基の開環に由来する2個以上、特に2個の水酸基を有するもので、これにより良好な水溶性が与えられる。これに対し、一分子中に水酸基が2個未満では、良好な水溶性が付与されない。
また、このオルガノポリシロキサンの重量平均分子量は100〜10,000のものである。特に好ましくは200〜6,000である。この重量平均分子量が100より小さいと被膜特性がよくない場合がある。また、10,000を超えると水溶性や保存安定性が悪い場合がある。
更に、このオルガノポリシロキサンは、分子内或いは分子間で、上記水酸基とSiR4基が縮合したものを含んでいてもよい。加水分解性シラン(A)と加水分解性シラン(B)を反応させてオルガノポリシロキサンを合成する場合に、(A)のエポキシ基が開環反応時、(A)及び/又は(B)のSiR4の一部と反応する場合があるためである。
なお、得られるオルガノポリシロキサンは水溶液の形で得られるが、必要に応じて、更に水を加えたり、除去したりして、オルガノポリシロキサン100質量部に対して水25〜900質量部の比率で調製することにより、水系被覆組成物を形成することができる。この場合、水の量が25質量部より少ないとオルガノポリシロキサン自体の保存安定性が悪化する場合があり、コスト的にも好ましくない。また、900質量部よりも多いと効果的に擦り傷を遮蔽することが難しくなったり、被膜特性が悪くなる場合がある。より好ましい比率は、オルガノポリシロキサン100質量部に対して水150〜400質量部の比率で調製したものがよい。この場合、オルガノポリシロキサンは、水に完全に溶解していることが好ましい。
また、この時得られるオルガノポリシロキサン水溶液(水系被覆組成物)のpHは5未満、特に2〜4の範囲であることが好ましい。pHが5以上であると水系被覆組成物の安定性が悪くなる場合がある。
本発明においては、更に各種の補助成分、例えば溶剤、分散媒、安定剤、着色剤、揺変剤、緩衝液、レベリング剤、界面活性剤及び充填剤などを含有させることも可能である。
上記のような水系被覆組成物を例えばガラス容器の擦り傷遮蔽剤として塗布する場合には、通常行われている方法、例えば浸漬法、スプレー法、刷毛塗法、フローコータ法、転写法、その他目的により任意の方法を採用することができる。
塗布すべき場所は擦り傷発生部位であるが、擦り傷発生部位のみに限らないことはいうまでもない。
塗布した後は0.5〜5時間程度放置することにより、表面粘着性のない硬化被膜を容易に得ることができるが、硬化時間の短縮、使用溶剤の除去、その他必要に応じて、容器内容物の品質を損なわない程度の加熱を行ってもよい。
本発明の水系被覆組成物を塗布するガラス容器は、例えばビール、清涼飲料水、牛乳の容器等、限定されるものではなく、特に市場から回収されて再使用されるものに好適に用いることができる。
また、上記のような擦り傷遮蔽剤用途だけでなく、各種基材へのコーティング剤としての使用も有用である。
以下、合成例及び実施例、比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において%は質量%、部は質量部を示す。
[合成例1]
水333g(18.5mol)及び酢酸3.8g(0.063mol)を撹拌機、温度計及び冷却器を備えた500mlの反応器に入れ、撹拌混合した。ここに
89.7g(0.38mol)、C65Si(OCH3343.4g(0.22mol)及びCH3Si(OCH334.3g(0.031mol)を混合したものを室温で3時間かけて滴下したところ、27℃から31℃に内温が上昇した。更にオイルバスにて60〜70℃に加熱し、そのまま4時間撹拌を行った。次にエステルアダプターを取り付け、内温99℃まで上げ、副生したメタノールを除去することにより、オルガノポリシロキサン−1を379g得た。GPCによりこのものの重量平均分子量は4,000であった。また、このものの不揮発分(105℃/3時間)は26.6%であり、pHは2.75であった。このオルガノポリシロキサン−1の残存メタノール量を極性カラムを装着したGC測定により測定したところ、0.5%であった。このものの13C−NMR測定を行って、エポキシ環が開環しているか否かの分析を行った。その結果、エポキシ環の炭素に由来する44〜45ppmのピークと51〜52ppmのピークは見あたらず、100%開環していることが分かった。
また、開環したものの炭素の同定は以下の通りである。
δ(ppm)
63.5 HO−2−CH(OH)−
71.0 HO−CH2H(OH)−
71.8 HO−CH2−CH(OH)−2−O−
13C−NMR測定チャートを図1に示す。
更に29Si−NMR測定結果から、このものの平均組成式は、
((OH)CH2-(OH)CHCH2OC3H6)0.6(C6H5)0.35(CH3)0.05Si(OR)1.06O0.97
(R=H又はメチル基)であった。
[合成例2]
水335g(18.6mol)及び酢酸3.8g(0.063mol)を撹拌機、温度計及び冷却器を備えた500mlの反応器に入れ、撹拌混合した。ここに
89.7g(0.38mol)、C65Si(OCH3343.4g(0.22mol)及び(CH32Si(OCH323.7g(0.031mol)を混合したものを室温で3時間かけて滴下したところ、28℃から31℃に内温が上昇した。更にオイルバスにて60〜70℃に加熱し、そのまま4時間撹拌を行った。次にエステルアダプターを取り付け、内温99℃まで上げ、副生したメタノールを除去することにより、オルガノポリシロキサン−2を380g得た。GPCによりこのものの重量平均分子量は3,000であった。また、このものの不揮発分(105℃/3時間)は26.5%であり、pHは2.62であった。残存メタノール量を極性カラムを装着したGC測定により測定したところ、0.6%であった。このものの13C−NMR測定を行って、エポキシ環が開環しているか否かの分析を行った。その結果、エポキシ環の炭素に由来する44〜45ppmのピークと51〜52ppmのピークは見あたらず、100%開環していることが分かった。
また、開環したものの炭素の同定は以下の通りである。
δ(ppm)
63.3 HO−2−CH(OH)−
71.0 HO−CH2H(OH)−
71.8 HO−CH2−CH(OH)−2−O−
更に29Si−NMR測定結果から、このものの平均組成式は、
((OH)CH2-(OH)CHCH2OC3H6)0.6(C6H5)0.35(CH3)0.1Si(OR)1.56O0.70
(R=H又はメチル基)であった。
[合成例3]
水324g(18.0mol)及び酢酸3.8g(0.063mol)を撹拌機、温度計及び冷却器を備えた500mlの反応器に入れ、撹拌混合した。ここに
89.7g(0.38mol)、C65Si(OCH3336.8g(0.19mol)及び(CH32Si(OCH327.4g(0.062mol)を混合したものを室温で3時間かけて滴下したところ、28℃から30℃に内温が上昇した。更にオイルバスにて60〜70℃に加熱し、そのまま4時間撹拌を行った。次にエステルアダプターを取り付け、内温99℃まで上げ、副生したメタノールを除去することにより、オルガノポリシロキサン−3を345g得た。GPCによりこのものの重量平均分子量は3,200であった。また、このものの不揮発分(105℃/3時間)は28.8%であり、pHは2.63であった。残存メタノール量を極性カラムを装着したGC測定により測定したところ、0.3%であった。このものの13C−NMR測定を行って、エポキシ環が開環しているか否かの分析を行った。その結果、エポキシ環の炭素に由来する44〜45ppmのピークと51〜52ppmのピークは見あたらず、100%開環していることが分かった。
また、開環したものの炭素の同定は以下の通りである。
δ(ppm)
63.5 HO−2−CH(OH)−
71.1 HO−CH2H(OH)−
71.8 HO−CH2−CH(OH)−2−O−
13C−NMR測定チャートを図2に示す。
更に29Si−NMR測定結果からこのものの平均組成式は、
((OH)CH2-(OH)CHCH2OC3H6)0.6(C6H5)0.30(CH3)0.2Si(OR)1.42O0.74
(R=H又はメチル基)であった。
[合成例4]
水93g(5.2mol)及び酢酸3.8g(0.063mol)を撹拌機、温度計及び冷却器を備えた500mlの反応器に入れ、撹拌混合した。ここに
89.7g(0.38mol)、C65Si(OCH3336.8g(0.19mol)及び(CH32Si(OCH327.4g(0.062mol)を混合したものを室温で3時間かけて滴下したところ、28℃から32℃に内温が上昇した。更にオイルバスにて60〜70℃に加熱し、そのまま4時間撹拌を行った。次にエステルアダプターを取り付け、内温99℃まで上げ、副生したメタノールを除去することにより、オルガノポリシロキサン−4を125g得た。GPCによりこのものの重量平均分子量は3,100であった。また、このものの不揮発分(105℃/3時間)は79.0%であり、pHは2.79であった。このオルガノポリシロキサン−4の残存メタノール量を極性カラムを装着したGC測定により測定したところ、0.4%であった。このものの13C−NMR測定を行って、エポキシ環が開環しているか否かの分析を行った。その結果、エポキシ環の炭素に由来する44〜45ppmのピークと51〜52ppmのピークが見られ、その値からエポキシ基残存率は12%、また開環しているものは88%であることが分かった。
また、開環したものの炭素の同定は以下の通りである。
δ(ppm)
63.5 HO−2−CH(OH)−
71.0 HO−CH2H(OH)−
71.8 HO−CH2−CH(OH)−2−O−
13C−NMR測定チャートを図3に示す。
更に29Si−NMR測定結果から、このものの平均組成式は、
((OH)CH2-(OH)CHCH2OC3H6)1.0Si(OR)1.79O0.56
(R=H又はメチル基)であった。
[合成例5]
水271g(15mol)及び酢酸3.8g(0.063mol)を撹拌機、温度計及び冷却器を備えた500mlの反応器に入れ、撹拌混合した。ここに
89.7g(0.38mol)、CH3Si(OCH3325.8g(0.19mol)及びSi(OCH349.6g(0.063mol)を混合したものを室温で3時間かけて滴下したところ、27℃から33℃に内温が上昇した。更にオイルバスにて60〜70℃に加熱し、そのまま4時間撹拌を行った。次にエステルアダプターを取り付け、内温99℃まで上げ、副生したメタノールを除去することにより、オルガノポリシロキサン−5を320g得た。GPCによりこのものの重量平均分子量は3,200であった。また、このものの不揮発分(105℃/3時間)は25.0%であった。このオルガノポリシロキサン−5の残存メタノール量を極性カラムを装着したGC測定により測定したところ、0.6%であった。このものの13C−NMR測定を行って、エポキシ環が開環しているか否かの分析を行った。その結果、エポキシ環の炭素に由来する44〜45ppmのピークと51〜52ppmピークは見あたらず、100%開環していることが分かった。
また、開環したものの炭素の同定は以下の通りである。
δ(ppm)
63.5 HO−2−CH(OH)−
71.0 HO−CH2H(OH)−
71.8 HO−CH2−CH(OH)−2−O−
更に29Si−NMR測定結果からこのものの平均組成式は、
((OH)CH2-(OH)CHCH2OC3H6)0.6(CH3)0.3Si(OR)1.12O0.99
(R=H又はメチル基)であった。
[合成例6]
酢酸によりpHを5に調整した水300g(16.6mol)及び
12.5g(0.053mol)を撹拌機、温度計及び冷却器を備えた500mlの反応器に入れ、撹拌混合した。85℃で24時間撹拌混合して312gのシランカプリング剤−1を得た。このものの不揮発分(105℃/3時間)は3.0%であった。このものの13C−NMR測定を行って、エポキシ環が開環しているか否かの分析を行った。その結果、エポキシ環の炭素に由来する44〜45ppmのピークと51〜52ppmのピークは見あたらず、100%開環していることが分かった。
また、開環したものの炭素の同定は以下の通りである。
δ(ppm)
63.5 HO−2−CH(OH)−
71.0 HO−CH2H(OH)−
71.8 HO−CH2−CH(OH)−2−O−
更に29Si−NMR測定結果からこのものの平均組成式は、
((OH)CH2-(OH)CHCH2OC3H6)1.0Si(OR)1.59O0.705
(R=H又はメチル基)であった。
[合成例7]
上記シランカプリング剤−1を水で10倍に希釈した水溶液に、テトラメトキシシランを0.4質量%となるように添加し、撹拌混合した。これをシランカプリング剤−2とした。
[合成例8]
イオン交換水200g、アニオン性乳化剤ハイテノールNo.8(第一工業製薬製)の15%溶液30.0gを撹拌機、温度計及び冷却器を備えた1.0Lの反応器に入れ、撹拌混合しながら50℃に加熱した。ここにSi(OCH3472.0g(0.47mol)及びCH3Si(OCH3384.5g(0.62mol)を1時間で滴下し、更に50℃で1時間撹拌を続けた後、冷却してSiエマルジョンを390g得た。このものの不揮発分(105℃/3時間)は21.0%であった。
[合成例9]
撹拌機、温度計、滴下ロート及び冷却器を備えた3Lの反応器にCH3Si(OCH2CH331,602g(9mol)と(C652Si(OCH2CH32272g(1mol)とを仕込み、80℃に昇温し、撹拌下に0.1%の硫酸水144gを滴下した。更にこの温度で3時間反応を行った後、蒸留塔を通じて溜出物を溜去しながら反応物を180℃になるまで加熱昇温させ、アルコキシ基含有オルガノポリシロキサンを1,197g得た。
[実施例1〜5及び比較例1〜4]
合成例1〜5の水系オルガノポリシロキサン1〜5及び合成例6,7のシランカップリング剤、合成例8のエマルジョン、合成例9のアルコキシ基含有オルガノポリシロキサンを表1に示す組成で用いて処理剤を調製し、擦り傷で部分的に白化したビールびんの表面にスポンジを用いて塗布した。
(安定性評価)
(1)調製した処理剤を50℃で1ヶ月保存し、処理液の安定性を目視で観察した。
(性能評価)
(2)膜の乾燥性、べとつき、滑り性
ビールびんに各遮蔽剤を塗布し、室温で30分、1時間、5時間、1日、3日、5日放置した後、手で剥離状態を調べることにより乾燥性を評価した。また指触によりべとつき、滑り性も評価した。
(3)外観及び擦り傷遮蔽性
室温で3日硬化後のものを肉眼で評価した。
(4)耐水性
室温で3日硬化後のものを25℃の水中に浸漬し、被膜が一部剥離するに到るまでの浸漬時間を測定した。浸漬時間が1週間以上であれば「良好」、1週間未満であれば「不良」と判定した。
(5)密着性
室温で3日硬化後のものを碁盤目セロハンテープ剥離試験により、100ヶの碁盤目のうちセロハンテープによって剥離しなかった数で表示した。
(6)粘着性
ビールびんの胴表面に、びん底より150mm上を中心として10mm(垂直方向)×40mm(円周方向)の面積に擦り傷遮蔽剤を塗布し、室温にて3日乾燥させた後、この塗布面を60メッシュのカーボンランダム粉末上に1回転させてカーボンランダムの付着量を測定し、塗布面1cm2当たりの付着量を算出した。なお、本方法による無塗布ガラス面の粘着性は0.3mg/cm2であった。
(7)塗膜強度
塗工後、室温にて24時間放置して硬化したビールびんに水を充填して密栓した後、硬質塩ビ製P函に入れて、室温で振幅4cm、170rpmの水平振動を加え、擦過傷が全面積の1/4以下しか認められなかったものをAランク、全面に認められたものをCランク、その中間をBランクと評価した。
(8)洗瓶機での剥離性
塗工後、室温で7日放置し、更に70℃で1時間加熱して硬化を促進した後に、3.5%苛性ソーダ水溶液/70℃/10分の条件で洗瓶操作を行った時の剥離性を目視により観察し、完全に溶解除去されたものを良好、少しでも残存したものを不良とした。(1)の評価結果を表2、(2)の評価結果を表3、(3)〜(8)の評価結果を表4に示す。
[実施例6、比較例5]
実施例6としてオルガノポリシロキサン−5、比較例5として合成例9のアルコキシ基含有オルガノポリシロキサンをそれぞれ固形分25%に水、エタノールで希釈し、ミガキ鋼板上に流し塗りにより塗布し、30分間風乾した。得られた塗布鋼板を用い、150℃で30分間硬化させた。このものを下記評価方法によって、鉛筆硬度試験、耐屈曲性試験、耐衝撃性試験及びキシレンラビング試験を行って硬化被膜の物性を評価した。結果を表5に示す。
(a)鉛筆硬度試験
JIS K 5400鉛筆引っ掻き値、手かき法に準じて行った。
(b)耐屈曲性試験
JIS K 5400耐屈曲性に準じて心棒の直径2mmで行い、下記評価基準で評価した。
○:異常なし
×:ワレあり
(c)耐衝撃性試験
JIS K 5400耐衝撃性、デュポン式に準じて行い、下記評価基準で評価した。
○:異常なし
×:ワレあり
(d)キシレンラビング試験
キシレンを含浸させた1cm×1cmの大きさの脱脂綿で、塗膜の表面を、その表面の外観変化が目視によって確認されるまで擦り、その時のラビングの往復回数により、下記評価基準で評価した。
○:100回往復で異常なし
×:50回往復までに被膜消失
合成例1で得られたオルガノポリシロキサン−1の13C−NMR測定チャートである。 合成例3で得られたオルガノポリシロキサン−3の13C−NMR測定チャートである。 合成例4で得られたオルガノポリシロキサン−4の13C−NMR測定チャートである。

Claims (8)

  1. [I]下記一般式(1)
    XR1 qSiR2 3-q (1)
    (式中、R1は炭素数1〜8の置換又は非置換のアルキル基、又は置換又は非置換のアリール基、R2は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、Xはエポキシ基含有有機基であり、qは0又は1である。)
    で表される加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物と、下記一般式(2)
    3 rSi(R44-r (2)
    (式中、R3は炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、又は置換又は非置換のアリール基、R4は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、rは0,1又は2である。)
    で表される加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物とを前者:後者=40:60〜99.9:0.1のモル比の割合で酸性触媒存在下、加水分解することにより得られ、一分子中に上記Xのエポキシ基の開環に由来する水酸基を2個以上含有する重量平均分子量100〜10,000のオルガノポリシロキサン 100質量部
    [II]水 25〜900質量部
    を必須成分とし、上記オルガノポリシロキサンが水に溶解もしくは分散してなることを特徴とする水系被覆組成物。
  2. 加水分解性シラン(A)が、下記式
    で示されるエポキシ基含有シランから選ばれるものであることを特徴とする請求項1記載の水系被覆組成物。
  3. 加水分解性シラン(B)が、下記式
    65Si(OCH33、C65Si(OCH2CH33
    (C652Si(OCH32、(C652Si(OCH2CH32
    CH3Si(OCH33、CH3Si(OCH2CH33
    (CH32Si(OCH32、(CH32Si(OCH2CH32
    で示されるシランから選ばれるものであることを特徴とする請求項1又は2記載の水系被覆組成物。
  4. ガラス容器の擦り傷遮蔽剤用である請求項1乃至3のいずれか1項記載の水系被覆組成物。
  5. 下記一般式(1)
    XR1 qSiR2 3-q (1)
    (式中、R1は炭素数1〜8の置換又は非置換のアルキル基、又は置換又は非置換のアリール基、R2は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、Xはエポキシ基含有有機基であり、qは0又は1である。)
    で表される加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物と、下記一般式(2)
    3 rSi(R44-r (2)
    (式中、R3は炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、又は置換又は非置換のアリール基、R4は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、rは0,1又は2である。)
    で表される加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物とを前者:後者=40:60〜99.9:0.1のモル比の割合で、かつ上記加水分解性シラン及びその部分加水分解物の全量を加水分解するのに必要な水量以上の酸性触媒が存在する水溶媒中で、加水分解、縮合させ、副生するアルコールを溜去することを特徴とする請求項1記載の水系被覆組成物の製造方法。
  6. アルコールの含有率が3質量%以下であるようにアルコールを溜去することを特徴とする請求項5記載の水系被覆組成物の製造方法。
  7. 請求項1乃至4のいずれか1項記載の水系被覆組成物の硬化被膜が基材に形成されてなることを特徴とする物品。
  8. 基材がガラス基材であることを特徴とする請求項7記載の物品。
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