JP2005067790A - 繊維機械 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】巻取装置15からの巻取パッケージ12の取出しおよび該巻取装置15への空ボビン21の供給が、作業通路R側から行われる構成とした仮撚加工機1において、各巻取装置15を、隣接する錘10の巻取装置15・15同士で上下位置が異なるように、錘10の並設方向に沿って千鳥状に配置し、各巻取装置15へ導入される糸Yが、他の巻取装置15からの巻取パッケージ12の取出しおよび他の巻取装置15へのボビン21の供給に関わるスペースの外部を走行するように、糸走行の案内ガイドを配置した。
【選択図】図2
Description
「前取り」を採用する理由として、次のような理由がある。レイアウト上の理由としては、例えば、巻取装置の後側に二次ヒータが配置されて、後側へ巻取パッケージを排出できない等の理由である。また、作業性の理由としては、例えば、作業通路側から巻取パッケージの取出しを行いたい、等の理由である。
(1)巻取装置の後側の隠れた位置に糸道が有り、この糸道に糸を通すようにするために、専用の糸通し装置が必要で、コスト面で高価になる。
(2)トラバース装置が巻取装置の後側の隠れた位置にあるため、手が入り難く、メンテナンス作業性が悪い。
(3)糸道が隠れているため、糸切れ錘を発見しにくい。
(4)糸道(特に二次ヒータから巻取装置に至る糸道)の屈折角度が大きくなり、加工可能な糸種が限定される。
しかし、この仮撚加工機においても、上述の(1)の問題は依然として残されていると共に、機台高さが高くなるという新たな問題が発生する。
この四つの問題を以下に、再び列挙する。(1)巻取装置の後側の隠れた位置に糸道を通すための専用の糸通し装置が必要である。(2)トラバース装置のメンテナンス作業性が悪い。(3)糸切れ錘を発見しにくい。(4)糸道の屈折角度のため加工可能な糸種が限定される。
複数の錘が一方向に並設されると共に、
各錘に巻取装置を有し、
各巻取装置が上下方向で複数段に配置され、
該巻取装置からの巻取パッケージの取出しおよび該巻取装置への空ボビンの供給が、各巻取装置の一方向側から行われる構成とした繊維機械において、
前記巻取パッケージの取出しおよびボビンの供給が行われる側を通過して、糸が各巻取装置に導入される構成とし、
前記各巻取装置は、隣接する錘の巻取装置同士で上下位置が異なるように、錘の並設方向に沿って千鳥状に配置され、
前記各巻取装置へ導入される糸が、他の巻取装置からの巻取パッケージの取出しおよび他の巻取装置へのボビンの供給に関わるスペースの外部を走行するように、糸走行の案内ガイドが配置されるものである。
前記各巻取装置における糸の巻取位置は、水平方向で、該巻取装置への糸の導入方向の奥側に設けられ、
該巻取位置の近傍で糸がトラバース機構によりトラバースされると共に、
前記案内ガイドの中に、トラバース支点となる案内ガイドを設けたものである。
前記錘の並設方向に沿って設けられる作業通路と、
該作業通路を挟んで水平方向で対向する一対の直立機枠部と、
両直立機枠部の上端部を連結する連結機枠部と、
を備え、
一方の前記直立機枠部に前記各巻取装置が支持される仮撚加工機としたものである。
特に、巻取装置の千鳥状配置により、以上の各効果が対立することなく同時に得られる。つまり、一つの錘における巻取パッケージの取出しやボビンの供給作業において、メンテナンス性を良好としながら、他の錘の駆動を停止する必要などのデメリットが存在しない。
図1に示すように、仮撚加工機1は、紙面垂直方向に多数並設された錘10から構成され、各錘10は仮撚加工機1の機台2に支持される。
該機台2は、錘10の並設方向に沿って設けられる作業通路Rを囲うように形成されている。該機台2は、該作業通路Rを挟んで水平方向で対向する一対の直立機枠部2a・2bと、該直立機枠部2a・2bの上端部を連結する連結機枠部2cと、を備えている。
各錘10のおける糸Yの糸道に沿って、次の各装置が配置されている。糸Yは、クリールスタンド14に保持される給糸パッケージ3より引出されて、第一フィードローラ4、一次ヒータ5、クーリングプレート6、ニップツイスタ7、第二フィードローラ8、アシストローラ9、二次ヒータ11、第三フィードローラ13を経て、最下流の巻取装置15に保持される巻取パッケージ12に巻き取られる。
以下において、これらの各装置の方向を、作業通路R側を前側として定義し、反作業通路R側を後側として定義する。図1において、例えば、巻取装置15の前側は、作業通路Rの位置する左側である。
該ニップツイスタ7には、交差した一対のベルトが備えられており、両ベルト間に糸Yが挟さまれて、該糸Yに「撚り」と「送り」とが与えられる。このニップツイスタ7で形成される「撚り」は、第一フィードローラ4まで伝播し、一次ヒータ5で熱固定され、クーリングプレート6で冷却される。すなわち、ニップツイスタ7より上流側が加撚側であり、下流側が解撚側となっている。
まず、糸Yは、給糸パッケージ3から第一フィードローラ4まで、直立機枠部2aに沿って、上方に送出される。次に、糸Yは、一次ヒータ5からアシストローラ9まで、連結機枠部2cに沿って送出される。
その後、糸Yは、二次ヒータ11で、糸Yは直立機枠部2cに沿って下方に送出され、二次ヒータ11の下端部より、機台2の内側である作業通路R側へと送出される。その後、糸Yは上方に送出されて、巻取装置15の前側(作業通路R側)を通り、巻取装置15の前側から巻取装置15へ導入されて、巻取装置15の巻取パッケージ12に巻き取られる。
つまり、糸Yの糸道は、作業通路Rを囲うように形成されると共に、直立機枠部2bでは上下に往復するように形成されている。そして、錘10を構成する各装置のレイアウトの設定により、以上のような糸道を形成することで、仮撚加工機1の機台高さや機台幅の増大が防止されている。
図1、図2に示すように、直立機枠部2bには、作業通路R側(前側)へ突出する支持フレーム16が上下に固設されており、該支持フレーム16に巻取装置15が支持される。
各巻取装置15は、上下の支持フレーム16・16のそれぞれに支持されて、上下方向で二段に配置されている。
巻取装置15は、メインフレーム17上に、巻取機構20、トラバース機構30、玉揚機構40を備えて構成される。
該メインフレーム17は、第一フレーム18に、該第一フレーム18よりも糸Yの導入側に位置する第二フレーム19を固設して構成される。また、第一フレーム18上には第三フレーム22が固設されている。
ラインシャフト50上には、巻取装置15毎に対応して等間隔にギヤ51・51・・・が設けられている。一方、ドライブ軸38の同軸上には、前記ギヤ51と噛合するギヤ46が設けられている。そして、ギヤ46とドライブ軸38とが、巻取クラッチを介して動力伝達可能に接続されている。ドライブ軸38は、巻取クラッチの切断状態では、自由回転状態となる。
巻取装置15のメインフレーム17は、第一横柱16aと第二横柱16bとの上に載置されて、ボルト締結により固定される。
図4に示すように、巻取装置15の左右で、第二横柱16bと第二フレーム19の前端部とが、それぞれボルト53とナット54とにより、締結固定される。 また、図5に示すように、ボルト締結が解除されると、メインフレーム17上にユニット化された巻取装置15が、支持フレーム16より取り外される。
以上のように、巻取装置15と支持フレーム16とのボルト締結個所が、作業通路R側に配置されているので、作業者による固定および固定解除作業が容易である。
ここで、巻取装置15を支持フレーム16に固定する際に、第二横柱16bの前面に巻取駆動用モータ25を突き当てるように配置して、支持フレーム16に対する巻取装置15の位置決めを行う。
また、このとき、ラインシャフト50上のギヤ51と、ドライブ軸38と同軸のギヤ46とが噛合する。そして、巻取装置15が支持フレーム16に固定されると、玉揚機構40への動力供給が可能な状態となる。
また、メインフレーム17と支持フレーム16とを固定・解除するだけで、巻取装置15が直立機枠部2bに対して着脱可能である。
したがって、仮撚加工機1の駆動中においても、各巻取装置15を個別にメンテナンスして、欠錘を無くすことができ、仮撚加工機1に備える各錘10の稼働率を向上させることができる。
したがって、メンテナンスの作業性が向上する。
該巻取機構20は、ボビン21上に糸Yを巻き取って、巻取パッケージ12を形成する機構である。
クレードルアーム23は、前記第三フレーム22に、左右方向の回動支軸37回りで上下回動自在に設けられている。
ボビン21上には、糸Yが巻き取られることで巻取パッケージ12が形成されるが、この巻取パッケージ12の径が増大するのに応じて、クレードルアーム23が上方へ回動する。そして、巻取パッケージ12の径変化によらず、常時フリクションローラ24と巻取パッケージ12(ボビン21)とが摩擦接触する。
クレードルアーム23の両前端部には、それぞれボビンホルダ26が設けられている。各ボビンホルダ26は、クレードルアーム23の内側へ突出可能に構成されている。そして、円筒状であるボビン21の内部に、左右よりボビンホルダ26・26を突出させて、ボビン21をクレードルアーム23に保持することが可能である。なお、後述の玉揚機構40の動作により、クレードルアーム23の前端部にボビン21が供給される。
また、ボビンホルダ26・26をそれぞれクレードルアーム23側(外側)に退かせることで、クレードルアーム23によるボビン21の保持が解除される。このようにして、満巻となった巻取パッケージ12が取出される。
なお、ボビンホルダ26にはエアシリンダが内装されており、該エアシリンダの駆動により、ボビンホルダ26がクレードルアーム23に対して内外に進退する。
ここで、巻取駆動用モータ25のモータ軸に設ける駆動プーリ25aと、フリクションローラ24の軸上に設けるプーリ24aとには、巻取ベルト29が巻回されている。そして、巻取駆動用モータ25の駆動によりフリクションローラ24が回転する。
該トラバース機構30は、巻取パッケージ12の手前側近傍で、巻取パッケージ12に導入される糸Yの案内位置を、巻取パッケージ12の軸方向で変化させる(トラバースさせる)機構である。
トラバースガイド27は、ボビン21(フリクションローラ24)の軸方向に沿って、次の構成により、往復動可能である。
トラバースガイド27は、平面視において、二等辺三角形状であるトラバースベルト28の底辺上に固設されており、該トラバースベルト28の正逆方向への駆動により、フリクションローラ24の軸方向に沿って往復動する。なお、トラバースベルト28の底辺は、フリクションローラ24の軸方向と平行である。また、トラバースベルト28の後側(フリクションローラ24側)の二頂点には、それぞれ従動プーリ32・32が配置され、トラバースベルト28の前側の一頂点には、駆動プーリ31が配置されている。トラバースベルト28はこれらのプーリ31・32・32に巻回されており、駆動プーリ31の正逆回転により正逆駆動される。
また、該トラバース駆動用モータ33は、第一フレーム18に支持固定されている。
したがって、メンテナンスの作業性が向上する。
該玉揚機構40は、巻取位置からの満巻の巻取パッケージ12の排出、巻取位置への空のボビン21の供給および、該ボビン21への糸掛けを行う機構である。
つまり、玉揚機構40は、巻取パッケージ12の排出機構と、ボビン21の供給機構と、ボビン21への糸掛け機構62と、からなっている。
該糸掛け機構62は、満巻となった巻取パッケージ12に導入されている糸Yを切断するための糸切断手段と、切断した糸の先端を吸引保持する糸保持手段と、糸保持手段で保持されている糸をボビン21に装着するための糸装着手段と、を備えている。
第二フレーム19上には、巻取パッケージ12を巻取装置15の奥側(後側)から手前側(前側)へ転出させる手段として、左右一対のガイドレール34・34が固設されている。
左右の各ガイドレール34には、ボビン21の各端部を支持するガイド面34aが形成される共に、ガイド面34aは前低後高に傾斜するように設けられている。
ここで、ボビン12上に形成される巻取パッケージ12は、ボビン21の軸方向で所定長さの範囲にのみ形成されるものとなっており、ボビン21の両端部が露出した状態にある。そして、ボビン21の露出部分に接するように、ガイド面34aが形成されている。
また、ガイド面34a・34aの高さ位置は、クレードルアーム23に保持される巻取パッケージ12が満巻状態となった際に、該巻取パッケージ12の芯管となるボビン21が位置する高さ付近に設定されている。
なお、ガイドレール34・34のクレードルアーム23側には、屈曲可能なガイド手段として、一対のガイドアーム63・64が、左右にそれぞれ設けられている。該一対のガイドアーム63・64は、満巻の巻取パッケージ12を転出させる際には伸張してガイドレール34・34の始端部を構成し(図4)、空のボビン21が供給された際には、クレードルアーム23に保持されるボビン21の進路を妨げることが無いように、屈曲して前記進路を開放する。
そして、クレードルアーム23による巻取パッケージ12の保持が解除されると、該巻取パッケージ12がガイドレール34・34に案内されて、巻取装置15の前側へ、自重により転出される。
なお、ガイドレール34・34の前端には、巻取パッケージ12の脱落を防止するための制止ローラ35がそれぞれ設けられており、巻取パッケージ12はガイドレール34・34の前端部で停止する。
玉揚機構40には、クレードルアーム23に供給するためのボビン21を蓄えておくボビンストッカ36が設けられている。ボビンストッカ36はストッカアーム41に支持されており、該ストッカアーム41は第二フレーム19に、左右方向の回動支軸45・45回りに、回動自在に設けられている。
ここで、ボビンストッカ36の移動位置(回動位置)には、供給位置、待機位置、休止位置の三箇所が設定されている。
待機位置にあるボビンストッカ36は、ガイドレール34・34の直上方に位置して(図3の実線部分および図4の二点鎖線部分)、起立状態にある。
また、休止位置にあるボビンストッカ36は、反クレードルアーム23側に突出した位置にある(図5)。
また、ボビンストッカ36の上端部には、クレードルアーム23側に突出するカバー36aが固設されており、該カバー36aの内部には、ボビン21一つが収容されるだけのスペースが形成されている。
カバー36aの(待機状態における)下方は開放されると共に、このカバー36a内のボビン21の脱落を防止する手段として、ストッパ42・42が、ボビンストッカ36の左右に設けられている。
各ストッパ42は、ボビンストッカ36に回動自在に設けられると共に、ボビンストッカ36との間に介設されるスプリング43により、カバー36aを閉じる向きに付勢されている。
そして、カバー36a内のボビン21が、ストッパ42により、脱落が防止されると共に、ボビン21を前記スプリング43の付勢力に抗して引出すことで、ボビン21をボビンストッカ36から取出すことが可能である。
つまり、待機位置にあるボビンストッカ36は、クレードルアーム23へのボビン21供給の待機状態であると共に、空ボビン21の補充を受ける状態でもある。
なお、待機位置になるボビンストッカ36は、若干クレードルアーム23側に傾いて、内部のボビン21・21・・・が、自重によりクレードルアーム23側に付勢された状態にある。そして、ボビンストッカ36の前側からのボビン21の脱落を防止し、カバー36a側でのボビン21の制止と合わせて、ボビンストッカ36からのボビン21の脱落を防止している。
そして、カバー36a内に保持されるボビン21と、ボビンホルダ26・26とが、同軸上に位置するようにする。
この状態で、ボビンホルダ26・26をボビン21の内部に突出させることで、該ボビン21がクレードルアーム23に保持される。ここで、ボビン21はストッパ42により制止されているが、該ボビン21はボビンホルダ26・26に保持されているため、ボビンストッカ36がクレードルアーム23から離間する際に、スプリング43によるストッパ42の付勢に逆らって、ボビン21がボビンストッカ36より取出される。
ドライブ軸38には前記巻取クラッチの断接によりラインシャフト50から動力が伝達されるが、玉揚げ駆動の開始時に巻取クラッチが接続され、ドライブ軸38が一回転して玉揚げ駆動が終了すると、巻取クラッチが切断される。
第三フレーム22には、ドライブ軸38とカムを介して連動するストッカ駆動軸47が軸支されており、ストッカ駆動軸47と前記ストッカアーム41とが、巻取装置15の左右一側で、第一リンクアーム48および第二リンクアーム49を介して、連結されている。第二リンクアーム49は、ストッカアーム41の側面に突設した支持軸55に係合されている。
そして、ドライブ軸38の駆動がこれらのリンクを介して伝達されて、ボビンストッカ36が、待機位置と供給位置との間で回動する。
ボビンストッカ36は、前述したように、供給位置と待機位置との間を、回動可能に構成されている。
ボビンストッカ36の移動位置には、供給位置と待機位置の他に、休止位置が設定されているが、ボビンストッカ36の休止位置への移動は、手動により行われる。
第二リンクアーム49の前端部には、略U字状の係合溝49aが形成されており、該係合溝49aの奥側に、円柱状の支持軸55が挿入されて保持される。ここで、ドライブ軸38の駆動によりボビンストッカ36が揺動しても、第二リンクアーム49と支持軸55との係合が外れないように、係合溝49aの形成角度が設定されている。
クレードルアーム23も、巻取時(巻取パッケージ12の形成時)や空のボビン21の供給時を除いて、図5に示すような下方位置にある。
したがって、ボビンストッカ36を休止位置に移動させることで、巻取装置15の全体形状を、平面展開された形状とすることが可能である。
なお、図5において、巻取装置15は、作業台車であるフォークリフトのフォーク60に支持された状態にある。
本実施の形態では、ボビンストッカ36は、巻取装置15のメインフレーム17に対して回動可能に設けられ、ボビンストッカ36を反クレードルアーム23側に回動させることで、ボビンストッカ36が平坦な状態になる。
したがって、巻取装置15を、フォークリフトのフォーク60等を用いて支持フレーム16から取り外す際に、ボビンストッカ36を平坦な状態にして巻取装置15の全高を低くし、巻取装置15の全高の短縮分のスペースを、巻取装置15をすくい上げるためのスペースとして、活用することができる。
また、起立状態の巻取装置15が配置されるスペースには、取り外し用のスペースが含まれているので、結果として機台2の高さを低くすることができる。
前述したように、各巻取装置15は、上下の支持フレーム16・16のそれぞれに支持されて、上下方向で二段に配置されている。
ここで、上下の巻取装置15・15・・・は、錘10の並設方向でズレた位置に設けられており、下側の巻取装置15の直上方位置に上側の巻取装置15が位置するものではない。
また、各巻取装置15は、錘10毎に設けられるものである。各錘10は、一方向に沿って並設されている。
つまり、各巻取装置15は、隣接する巻取装置15同士で上下位置が異なるように、錘10の並設方向に沿って千鳥状に配置されている。
各トラバース支点ガイド57は、対応する巻取装置15の左右中央に位置している。このため、二段に配置される巻取装置15・15・・・において、上側の巻取装置15に対応するトラバース支点ガイド57は、丁度、下側の巻取装置15・15間に位置するものとなっている。
なお、トラバース支点ガイド57は、糸Yの案内ガイドの一つであると共に、トラバースガイド27の左右動により振られる糸Yのトラバース支点となっている。
図2、図3において、トラバース支点ガイド57を支点とする糸Yの振れ領域Tを図示している。
ガイドシャフト61は円柱状の長手部材であり、下方より巻取装置15へ向かう糸Yは、ガイドシャフト61と滑らかに接触して、巻取装置15の後側の巻取機構20へと案内される。
また、巻取装置15からの巻取パッケージ12の取出しも同様に、作業通路R側より、ガイドレール34・34上の巻取パッケージ12に対して行われるものであるが、この取出し作業に要するスペースが、他の巻取装置15の糸Yの糸道と重複することなく、確保されている。
各巻取装置15には、巻取位置からの巻取パッケージ12の排出、巻取位置への空ボビン21の供給および、巻取位置の空ボビン21への糸掛けを行う玉揚機構40が備えられている。そして、巻取装置15の前側、つまり作業通路R側で、玉揚機構40のガイドレール34・34から巻取パッケージ12が取出されると共に、玉揚機構40のボビンストッカ36へのボビン21の供給が、行われる。また、各巻取装置15には、作業通路R側から糸Yが導入される。
各巻取装置15は、隣接する錘10の巻取装置15・15同士で上下位置が異なるように、錘10の並設方向に沿って千鳥状に配置される。
そして、各巻取装置15へ導入される糸Yが、他の巻取装置15からの巻取パッケージ12の取出しおよび他の巻取装置15へのボビン21の供給に関わるスペースの外部を走行するように、糸走行の案内ガイドが配置される。
したがって、糸道が作業通路R側に露出しているため、巻取装置15での糸掛け作業およびトラバース装置のメンテナンスが容易であり、糸切れ錘10の発見も容易である。加えて、糸道の過度の屈曲が防止されることにより、加工可能な糸種が限定されることもない。
特に、巻取装置15の千鳥状配置により、以上の各作用・効果が対立することなく同時に得られる。つまり、一つの錘10における巻取パッケージ12の取出しやボビン21の供給作業において、メンテナンス性を良好としながら、他の錘10の駆動を停止する必要などのデメリットが存在しない。
この構成において、且つ、巻取装置15がユニット化された構成において、更に、巻取装置15の機台2への脱着に要するスペースの外部を、他の錘10の糸Yが走行するものとして、他の錘10での巻取作業を停止することなく、巻取装置15の機台2からの取り外しや、取付けが可能であるように構成しても良い。
図3から図5に示すように、巻取装置15において、糸Yの導入側である前側より後側に向けて、玉揚機構40のガイドレール34・34、トラバースガイド27、フリクションローラ24が配置されている。フリクションローラ24と巻取パッケージ12(ボビン21)との当接部が、該巻取パッケージ12における糸Yの巻取位置である。
そして、前記巻取位置の近傍で糸がトラバース機構30によりトラバースされると共に、糸Yの案内ガイドの中に、トラバース支点となる案内ガイドが設けられている。
トラバース機構30により駆動されるトラバースガイド27は、前記巻取位置の近傍位置に設けられている。また、トラバース支点となる案内ガイドは、前記トラバース支点ガイド57である。
したがって、上下の巻取装置15・15の離間間隔を広げることなく、トラバース支点からトラバース位置までの距離を長くすることができ、トラバースによる糸のテンション変動を抑制することができる。
仮撚加工機1には、各錘10の並設方向に沿って設けられる作業通路Rと、作業通路Rを挟んで水平方向で対向する一対の直立機枠部2a・2bと、両直立機枠部2a・2bの上端部を連結する連結機枠部2cと、が備えられている。
そして、一方の直立機枠部2cに、各巻取装置15が支持される。ここで、各巻取装置15は、糸の導入側で、巻取パッケージ12の取出し及びボビン21の供給が行われる。
したがって、仮撚加工機1のレイアウトがコンパクト化されると共に、巻取装置15に関わる作業を、作業通路R側から行うことができる。
2 機台
2a 直立機枠部
2b 直立機枠部
2c 連結機枠部
10 錘
12 巻取パッケージ
15 巻取装置
20 巻取機構
21 ボビン
30 トラバース機構
40 玉揚機構
57 トラバース支点ガイド
59 案内ガイド
Claims (3)
- 複数の錘が一方向に並設されると共に、
各錘に巻取装置を有し、
各巻取装置が上下方向で複数段に配置され、
該巻取装置からの巻取パッケージの取出しおよび該巻取装置への空ボビンの供給が、各巻取装置の一方向側から行われる構成とした繊維機械において、
前記巻取パッケージの取出しおよびボビンの供給が行われる側を通過して、糸が各巻取装置に導入される構成とし、
前記各巻取装置は、隣接する錘の巻取装置同士で上下位置が異なるように、錘の並設方向に沿って千鳥状に配置され、
前記各巻取装置へ導入される糸が、他の巻取装置からの巻取パッケージの取出しおよび他の巻取装置へのボビンの供給に関わるスペースの外部を走行するように、糸走行の案内ガイドが配置される、
ことを特徴とする繊維機械。 - 前記各巻取装置における糸の巻取位置は、水平方向で、該巻取装置への糸の導入方向の奥側に設けられ、
該巻取位置の近傍で糸がトラバース機構によりトラバースされると共に、
前記案内ガイドの中に、トラバース支点となる案内ガイドを設けた、
ことを特徴とする請求項1に記載の繊維機械。 - 前記錘の並設方向に沿って設けられる作業通路と、
該作業通路を挟んで水平方向で対向する一対の直立機枠部と、
両直立機枠部の上端部を連結する連結機枠部と、
を備え、
一方の前記直立機枠部に前記各巻取装置が支持される仮撚加工機とした、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の繊維機械。
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