JP2005062450A - 感光性熱硬化型樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】充分な可撓性及び耐折性を有し、さらに、作業性、密着性、耐溶剤性、耐熱性等においても優れた性質を有する感光性熱硬化型樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)ビスフェノール型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応させた後、酸無水物を反応させて得られるカルボキシル変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂と、(B)ビフェニル型エポキシ樹脂と、(C)光重合開始剤と、(D)希釈剤とを含有しており、(A)カルボキシ変性エポキシアクリレート樹脂の酸価が125〜145mgKOH/gであることを特徴とする感光性熱硬化型樹脂組成物。
【選択図】なし
【解決手段】(A)ビスフェノール型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応させた後、酸無水物を反応させて得られるカルボキシル変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂と、(B)ビフェニル型エポキシ樹脂と、(C)光重合開始剤と、(D)希釈剤とを含有しており、(A)カルボキシ変性エポキシアクリレート樹脂の酸価が125〜145mgKOH/gであることを特徴とする感光性熱硬化型樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、感光性熱硬化型樹脂組成物に係り、特に、その硬化物が、現像性、密着性、耐溶剤性、耐熱性に優れ、フレキシブル配線板用レジストインキに好適に用いることができるアルカリ現像型の感光性熱硬化型樹脂組成物に関する。
従来から、フレキシブルプリント配線板の配線パターンを外部から保護したり、表面実装におけるはんだ付け工程で不必要な部分にはんだが付かないように保護するために、ソルダーレジスト(ソルダーマスク)と呼ばれる保護層を設けることが行われている。
当初、ソルダーレジストとしてはエポキシ樹脂が使用されていたが、エポキシ樹脂は可撓性が低いという問題があったため、これを改善するための検討が活発になされ、酸価が40〜110mgKOH/gである特定の不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂を使用するレジストインキ組成物(例えば、特許文献1参照。)や、酸価が60〜120mgKOH/gの感光性ポリマーと、1分子中に2個のジグリシジルエーテル型のエポキシ化合物とを含有したアルカリ現像型の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物(例えば、特許文献2参照。)等が開発されるに至った。
特許第3190251号公報
特許第3281473号公報
しかしながら、これらの樹脂組成物は、近年、フレキシブルプリント配線板の分野において高密度化が要求されている中、塗膜が硬く、ポリイミドとの密着が悪いため、充分な可撓性及び耐折性が得られていなかった。
そこで、本発明は、充分な可撓性及び耐折性を有し、さらに、作業性、密着性、耐溶剤性、耐熱性等においても優れた性質を有する感光性熱硬化型樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、酸価が125〜145mgKOH/gのカルボキシル変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂及びビフェニル型エポキシ樹脂を用いることによって、希アルカリ水溶液で現像することが可能で、その硬化被膜の可撓性、耐折性、密着性、耐溶剤性、耐熱性等に優れ、フレキシブルプリント配線板のレジストインキに適した感光性熱硬化型樹脂組成物を見出し、本発明を完成したものである。
本発明の感光性熱硬化型樹脂組成物は、(A)ビスフェノール型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応させた後、酸無水物を反応させて得られるカルボキシル変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂と、(B)ビフェニル型エポキシ樹脂と、(C)光重合開始剤と、(D)希釈剤とを含有するものであって、(A)の酸価が125〜145mgKOH/gであることを特徴とするものである。
本発明に用いる(A)カルボキシル変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、ビスフェノール型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応させた後、酸無水物を反応させて得られる化合物である。
このとき、原料として用いられるビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、主骨格がビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等が挙げられ、KAYARAD ZFR、ZAR(日本化薬社製)等の市販品を用いることができる。
同様に、原料として用いられる(メタ)アクリル酸としては、アクリル酸、メタクリル酸及びこれらの混合物が挙げられる。
さらに、原料として用いられる酸無水物としては、無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水イタコン酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。この中でも、特に、無水コハク酸、無水フタル酸を用いることが好ましい。
これらを反応させて得られた(A)カルボキシル変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の酸価は125〜145mgKOH/gの範囲であり、130〜140mgKOH/gの範囲であることが好ましい。酸価が125mgKOH/g未満であると解像性に劣り、145mgKOH/gを超えるとさらに解像性が悪くなる他、密着性、耐溶剤性、耐折性にも悪影響を及ぼしてしまう。
この(A)カルボキシル変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、(D)希釈剤と併せて100質量部として他の成分との配合割合の基準とするが、このとき、(A)カルボキシル変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂+(D)希釈剤 100質量部中、(A)は30〜100質量部であることが好ましい。30質量部未満であると粘度が著しく低下してしまう。
本発明に用いる(B)ビフェニル型エポキシ樹脂は、硬化物に充分な可撓性及び耐折性を付与するために用いられるものであり、ビフェニルジイルジメチレン−フェノール樹脂のフェノール性水酸基をグリシジルエーテル化してなるエポキシ樹脂であって、次の一般式(I)
で表されるエポキシ樹脂(nは1〜10の整数である。)であることが好ましい。
このエポキシ樹脂としては、例えば、NC3000、NC3000P、NC3000H(以上、日本化薬株式会社製)等の市販品を挙げることができ、これらを単独又は2種以上を組合わせて使用することができる。
このビフェニル型エポキシ樹脂に代えて、一般式(I)以外のビフェニル型、ビスフェノール型、ビフェノール型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型のエポキシ樹脂を用いた場合には、充分な可撓性、耐折性を得ることができない。
このビフェニル型エポキシ樹脂の配合量は、(A)カルボキシル変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂+(D)希釈剤 100質量部に対して、20〜80質量部であることが好ましい。20質量部未満であると充分な可撓性を得ることができず、80質量部を超えると充分な解像性を得ることができない。
さらに、このビフェニル型エポキシ樹脂は、熱硬化を行うときの反応性の観点から、〔(B)ビフェニル型エポキシ樹脂におけるエポキシ基の数〕/〔(A)カルボキシル変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂におけるカルボキシル基の数〕で表される官能基の数の比が0.5〜1.5となる量で配合されてなることが好ましい。
また、感光性熱硬化型樹脂組成物の密着性、耐溶剤性、耐熱性等の特性をより向上したものとするために、このビフェニル型エポキシ樹脂に対するエポキシ樹脂硬化剤を併用することが好ましい。
併用するエポキシ樹脂硬化剤としては、例えば、2MZ、2E4MZ、C11Z、C17Z、2PZ、1B2MZ、2MZ−CN、2E4MZ−CN、C11Z−CN、2PZ−CN、2PHZ−CN、2MZ−CNS、2E4MZ−CNS、2PZ−CNS、2MZ−AZINE、2E4MZ−AZINE、C11Z−AZINE、2MA−OK、2P4MHZ、2PHZ、2P4BHZ(以上、四国化成工業株式会社製)等のイミダゾール誘導体、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のグアナミン類、ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、m−キシレンジアミン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジシアンジアミド、尿素、尿素誘導体、メラミン、多塩基ヒドラジド等のポリアミン類、これらの有機酸塩及び/又はエポキシアダクト、三フッ化ホウ素のアミン錯体、エチルジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−キシリル−S−トリアジン等のトリアジン誘導体類、トリメチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、N−ベンジルジメチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、ヘキサ(N−メチル)メラミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノフェノール)、テトラメチルグアニジン、m−アミノフェノール等の三級アミン類、ポリビニルフェノール、ポリビニルフェノール臭素化物、フェノールノボラック、アルキルフェノールノボラック等のポリフェノール類、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス−2−シアノエチルホスフィン等の有機ホスフィン類、トリ−n−ブチル(2,5−ジヒドロキシフェニル)ホスホニウムブロマイド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムクロライド等のホスホニウム塩類、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリブチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類、前記多塩基酸無水物、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボロエート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、2,4,6−トリフェニルチオピリリウムヘキサフルオロホスフェート、イルガキュア−261(チバ・ガイギー社製)、オプトマ−SP−170(旭電化株式会社製)等の光カチオン重合触媒、スチレン−無水マレイン酸樹脂、フェニルイソシアネートとジメチルアミンの等モル反応物や、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の有機ポリイソシアネートとジメチルアミンの等モル反応物等の公知慣用の硬化剤、硬化促進剤を単独又は2種以上混合して使用することができる
このエポキシ樹脂の硬化剤を配合する場合には、その配合量は、前記(B)ビフェニル型エポキシ樹脂 100質量部に対して0.01〜25質量部であることが好ましく、0.1〜15質量部であることが特に好ましい。
また、このビフェニル型エポキシ樹脂の他に、さらに熱硬化成分を加えることができ、例えば、EBPS−200(日本化薬株式会社製)、EPX−30(旭電化工業株式会社製)、エピクロンEXA−1514(大日本インキ化学工業株式会社製)等のビスフェノールS型エポキシ樹脂、ブレンマーDGT(日本油脂株式会社製)等のジグリシジルフタレート樹脂、TEPIC(日産化学株式会社製)、アラルダイトPT810(チバ・ガイギー社製)等の複素環式エポキシ樹脂、YX−4000(油化シェルエポキシ株式会社製)等のビキシレノール型エポキシ樹脂、YL−6056(油化シェルエポキシ株式会社製)等のビフェノール型エポキシ樹脂、ZX−1063(東都化成株式会社製)等のテトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂等の希釈剤に難溶性のエポキシ樹脂や、エピコート1009、1031(油化シェルエポキシ株式会社製)、エピクロンN−3050、N−7050、N−9050(大日本インキ化学工業株式会社製)、AER−664、AER−667、AER−669(旭化成工業株式会社製)、YD−012、YD−014、YD−017、YD−020、YD−002(東都化成株式会社製)、XAC−5005、GT−7004、6484T、6099(チバ・ガイギー社製)、DER−642U、DER−673MF(ダウ・ケミカル社製)、EP−5400、EP−5900(旭電化工業株式会社製)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ST−2004、ST−2007(東都化成株式会社製)等の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、YDF−2004、YDF−2007(東都化成株式会社製)等のビスフェノールF型エポキシ樹脂、SR−BBS、SR−TBA−400(坂本薬品工業株式会社製)、EP−62、EP−66(旭電化工業株式会社製)、AER−755、AER−765(旭化成工業株式会社製)、YDB−600、YDB−715(東都化成株式会社製)等の臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、EPPN−201、EOCN−103、EOCN−1020、EOCN−1025、BREN(日本化薬株式会社製)、ECN−278、ECN−292、ECN−299(旭化成工業株式会社製)、ECN−1273、ECN−1299(チバ・ガイギー社製)、YDCN−220L、YDCN−220HH、YDCN−702、YDCN−704、YDPN−601、YDPN−602(東都化成株式会社製)、エピクロン−673、N−680、N−695、N−770、N−775(大日本インキ化学工業株式会社製)等のノボラック型エポキシ樹脂、EPX−8001、EPX−8002、EPPX−8060、EPPX−8061(大日本インキ化学工業株式会社製)、エピクロンN−880(大日本インキ化学工業株式会社製)等のビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、EPX−49−60、EPX−49−30(旭電化工業株式会社製)等のキレート型エポキシ樹脂、YDG−414(東都化成工業株式会社製)等のグリオキザールエポキシ樹脂、YH−1402、ST−110(東都化成工業株式会社製)、YL−931、YL−933(油化シェルエポキシ株式会社製)等のアミノ基含有エポキシ樹脂、エピクロンTSR−601(大日本インキ化学工業株式会社製)、EPX−84−2、EPX−4061(旭電化工業株式会社製)等のゴム変性エポキシ樹脂、DCE−400(山陽国策パルプ株式会社製)等のジシクロペンタジエンフェノリック型エポキシ樹脂、X−1359(旭電化工業株式会社製)等のシリコーン変性エポキシ樹脂、G−402、G−710(ダイセル化学工業株式会社製)等のε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂等の希釈剤に可溶なエポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明に用いる(C)光重合開始剤は、(A)カルボキシル変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂のアクリロイル基の反応を誘起してラジカル重合を引き起こす化合物であり、例えば、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)」ブタノン−1、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン類、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン等のアントラキノン類、チオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類、ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4´−ジクロロベンゾフェノン、4,4´−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4−ベンゾイル−4´−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン類、ベンゾイルパーオキシド、クメンパーオキシド等の有機過酸化物、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、リボフラビンテトラブチレート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール等のチオール化合物、2,4,6−トリス−s−トリアジン、2,2,2−トリブロモエタノール、トリブロモメチルフェニルスルホン等の有機ハロゲン化合物、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられ、これらは単独又は2種以上を組合わせて用いることができる。
この光重合開始剤の配合量は、(A)カルボキシル変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂+(D)希釈剤 100質量部に対して、1〜30質量部であることが好ましい。1質量部未満であると感度が低く、アルカリ現像時に膜減りが大きく生じてしまい、30質量部を超えると過剰により光硬化疎外で現像時に剥れが生じる。
さらに、この光重合開始剤に、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル 4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類のような光増感剤を併用してもよく、これらは単独又は2種以上と組合わせて用いることができる。
光増感剤の配合量は、光重合開始剤がラジカルを生成するのを助ける働きをし、(A)カルボキシル変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂+(D)希釈剤 100質量部に対して、1〜20質量部であることが好ましい。
光重合開始剤と光増感剤の好ましい組合わせとしては、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン(チバ・ガイギー社製、商品名:イルガキュア−907)と2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬株式会社製、商品名:カヤキュア−DETX)、2−イソプロピルチオキサントン又は4−ベンゾイル−4´−メチルジフェニルサルファイドとの組合わせが挙げられる。
本発明に用いられる(D)希釈剤は、(A)カルボキシル変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂だけでは高粘度となってしまうため、これを適当な粘度に調整するものであって、有機溶剤及び/又は光重合成モノマーを用いることができる。
有機溶剤としては、例えば、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート等のエステル類、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等が挙げられる。
また、光重合性モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート類、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート類、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレート等の多価アルコール又はこれらのエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイド付加物の多価(メタ)アクリレート類、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのポリエトキシジ(メタ)アクリレート等のフェノール類のエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート類、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート等のグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート類、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等のε−カプロラクトン変性(メタ)アクリレート類及びメラミン(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらは単独又は2種以上を組合わせて使用することができる。
この希釈剤が有機溶剤の場合は、(A)カルボキシル変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂を溶解、希釈して、それによって液状として塗布し、次いで乾燥させることによって造膜せしめる働きをするものであり、光重合性モノマーの場合は、(A)カルボキシル変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂を希釈し塗布しやすい状態にすると共に光重合性を増強する働きをするものである。
したがって、用いる希釈剤に応じて、フォトマスクを塗膜に接触させる接触方式又は非接触方式のいずれかの露光方式が用いられる。
この希釈剤の配合量は、既に記載したとおり、(A)カルボキシル変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂+(D)希釈剤 100質量部中、0〜70質量部であることが好ましい。
本発明の感光性熱硬化型樹脂組成物には、さらに、密着性、硬度等の特性を向上する目的で、必要に応じて、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素粉、微粉状酸化ケイ素、無定形シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、雲母粉等の公知慣用の無機充填剤が使用できる。
この無機充填剤の配合量は、(A)カルボキシル変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂+(D)希釈剤 100質量部中、0〜150質量部であることが好ましく、10〜80質量部であることが特に好ましい。
さらに、必要に応じて、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラック等の公知の着色剤、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、tert−ブチルカテコール、ピロガロール、フェノチアジン等の公知慣用の重合禁止剤、アスベスト、オルベン、ベントン、モンモリロナイト等の公知慣用の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系等の消泡剤及び/又はレベリング剤、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリング剤等の密着性付与剤のような公知慣用の添加剤を用いることができる。
本発明の感光性熱硬化型樹脂組成物は、必要に応じて塗布方法に適した粘度に調整し、これを、例えば、回路形成されたプリント配線板にスクリーン印刷法、カーテンコート法、スプレーコート法、ロールコート法等の方法により塗布し、例えば、60〜100℃の温度で組成物中に含まれる有機溶剤を揮発乾燥させることにより、タックフリーの塗膜を形成することができる。
その後、所定の露光パターンを形成したフォトマスクを通して選択的に活性光線により露光し、未露光部を希アルカリ水溶液により現像してレジストパターンを形成でき、さらに、活性エネルギー線を照射することにより、あるいは、熱硬化性成分を含む場合には、例えば、140〜180℃の温度に加熱させることにより、可撓性及び耐折性に優れ、かつ、密着性、耐溶剤性、耐熱性等の諸特性にも優れたレジスト膜が形成できる。
なお、現像に使用される希アルカリ水溶液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類等が挙げられる。
また、光硬化させるための照射光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等を用いることができ、その他、レーザー光線等も露光用活性エネルギー線として使用することができる。
本発明の感光性熱硬化型樹脂組成物は、その硬化物が可撓性及び耐折性に富み、かつ、優れた現像性を有し、さらに、密着性、耐溶剤性、耐熱性等に優れたものであり、フレキシブルプリント配線板のソルダーレジストインキとして好適に用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
カルボキシル変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂として酸価が135のKAYARAD ZFR1348(日本化薬株式会社製、商品名) 80質量部、アクリレートモノマーとしてKAYARAD DPCA120(日本化薬株式会社製、商品名) 20質量部、光重合開始剤としてIRUGACURE 907(チバ・ガイギー社製、商品名) 8質量部、KAYACURE DETX−S(日本化薬社製、商品名) 2質量部、ビフェニル・ノボラック型エポキシ樹脂としてNC3000P(日本化薬株式会社製、商品名) 30質量部、重合触媒としてC11ZB−34(四国化成工業株式会社製、商品名) 4質量部、無機充填剤として硫酸バリウム B−34(堺化学工業株式会社製、商品名) 10質量部、顔料としてフタロシアニングリーン 2質量部、微粉シリカとしてアエロジル#R972(日本アエロジル株式会社製、商品名) 5質量部を配合し、3本ロールミルで混練することで感光性熱硬化型樹脂組成物を製造した。
カルボキシル変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂として酸価が135のKAYARAD ZFR1348(日本化薬株式会社製、商品名) 80質量部、アクリレートモノマーとしてKAYARAD DPCA120(日本化薬株式会社製、商品名) 20質量部、光重合開始剤としてIRUGACURE 907(チバ・ガイギー社製、商品名) 8質量部、KAYACURE DETX−S(日本化薬社製、商品名) 2質量部、ビフェニル・ノボラック型エポキシ樹脂としてNC3000P(日本化薬株式会社製、商品名) 30質量部、重合触媒としてC11ZB−34(四国化成工業株式会社製、商品名) 4質量部、無機充填剤として硫酸バリウム B−34(堺化学工業株式会社製、商品名) 10質量部、顔料としてフタロシアニングリーン 2質量部、微粉シリカとしてアエロジル#R972(日本アエロジル株式会社製、商品名) 5質量部を配合し、3本ロールミルで混練することで感光性熱硬化型樹脂組成物を製造した。
(実施例2)
実施例1のビフェニル・ノボラック型エポキシ樹脂の代わりにビフェニル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ株式会社製、商品名:YX4000)を用いる以外は、表1に示した配合割合にしたがって、実施例1と同様の操作により感光性熱硬化型樹脂組成物を製造した。
実施例1のビフェニル・ノボラック型エポキシ樹脂の代わりにビフェニル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ株式会社製、商品名:YX4000)を用いる以外は、表1に示した配合割合にしたがって、実施例1と同様の操作により感光性熱硬化型樹脂組成物を製造した。
(比較例1〜4)
カルボキシル変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂として、酸価が120のKAYARAD ZFR1347(日本化薬社製、商品名)又は酸価が150のKAYARAD ZFR1349(日本化薬株式会社製、商品名)を用いる以外は、表2に示した配合割合にしたがって、実施例1及び2と同様の操作により感光性熱硬化型樹脂組成物を製造した。
カルボキシル変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂として、酸価が120のKAYARAD ZFR1347(日本化薬社製、商品名)又は酸価が150のKAYARAD ZFR1349(日本化薬株式会社製、商品名)を用いる以外は、表2に示した配合割合にしたがって、実施例1及び2と同様の操作により感光性熱硬化型樹脂組成物を製造した。
(試験例)
実施例及び比較例で製造した感光性熱硬化型樹脂組成物をスクリーン印刷機により、150メッシュポリエステルスクリーンを用いて、20〜30μmの厚さになるようにパターン形成されている銅張ポリイミドフィルム基板(銅厚 18μm/ポリイミドフィルム厚 25μm)に全面塗布し、塗膜を80℃の熱風乾燥機で30分間乾燥させた。
実施例及び比較例で製造した感光性熱硬化型樹脂組成物をスクリーン印刷機により、150メッシュポリエステルスクリーンを用いて、20〜30μmの厚さになるようにパターン形成されている銅張ポリイミドフィルム基板(銅厚 18μm/ポリイミドフィルム厚 25μm)に全面塗布し、塗膜を80℃の熱風乾燥機で30分間乾燥させた。
次に、レジストパターンのネガフィルムを塗膜に接触させて紫外線照射露光装置を用いて、波長365nmの紫外線を照射した(露光量 400mJ/cm2)。その後、1%炭酸ソーダ水溶液で1kgf/cm2、1分間スプレーで現像し、未露光部を溶解除去した。得られた硬化膜を有する試験片について、密着性、鉛筆硬度、耐溶剤性、耐折性の試験を行った。その結果を表1及び表2に示した。
*1 密着試験:JIS D 0202に準拠し、100升にクロスカットし、セロハンテープで剥れの有無を調べた。
*2 鉛筆硬度:JIS K 5400に準拠し、鉛筆硬度を測定した。
*3 耐溶剤性:複数の試験片をそれぞれ別に、10%硫酸、10%水酸化ナトリウム溶液、イソプロピルアルコール、メタノール、メチルエチルケトンに室温で30分間浸漬し、外観を確認した。
*4 耐折性:JIS C 6471に準拠し、MIT耐折試験機 R=0.8mm、荷重4.9Nでレジストのクラックの有無を確認した。
*5 解像度:電子顕微鏡で開口状態を確認した。
*2 鉛筆硬度:JIS K 5400に準拠し、鉛筆硬度を測定した。
*3 耐溶剤性:複数の試験片をそれぞれ別に、10%硫酸、10%水酸化ナトリウム溶液、イソプロピルアルコール、メタノール、メチルエチルケトンに室温で30分間浸漬し、外観を確認した。
*4 耐折性:JIS C 6471に準拠し、MIT耐折試験機 R=0.8mm、荷重4.9Nでレジストのクラックの有無を確認した。
*5 解像度:電子顕微鏡で開口状態を確認した。
この結果より、本発明の感光性熱硬化型樹脂組成物は、ソルダーレジストとして優れた耐折性及び優れた解像性を有し、さらに、密着性、耐溶剤性、耐熱性等にも優れたものであることがわかった。
Claims (3)
- (A)ビスフェノール型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応させた後、酸無水物を反応させて得られるカルボキシル変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂と、(B)ビフェニル型エポキシ樹脂と、(C)光重合開始剤と、(D)希釈剤とを含有することを特徴とする感光性熱硬化型樹脂組成物であって、
前記(A)カルボキシル変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の酸価が125〜145mgKOH/gであることを特徴とする感光性熱硬化型樹脂組成物。 - 前記(B)ビフェニル型エポキシ樹脂が、〔前記(B)ビフェニル型エポキシ樹脂におけるエポキシ基の数〕/〔前記(A)カルボキシル変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂におけるカルボキシル基の数〕で表される官能基の数の比が0.5〜1.5となる量で配合されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の感光性熱硬化型樹脂組成物。
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