JP2005060499A - シール材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 A)スチレン系熱可塑性エラストマー100重量部当たり、(B)耐熱性ポリマー:1〜200重量部、プロセスオイル、液状ゴム及びこれらの変性物から選択された(C)液状軟化剤:5〜100重量部及び(D)粘着付与剤:5〜250重量部を含んで成る樹脂組成物であって、気泡を更に含む樹脂組成物である。(B)耐熱性ポリマーのTgは90℃以上であることが好ましく、気泡を含む樹脂組成物の体積は、気泡を含む前の樹脂組成物の体積に対して、1.5〜4.0倍であることが好ましい。
【選択図】なし
Description
そのような工業用シール材として、下記のものを例示することができる:
シリコーン系シール材、ウレタン系シール材、ブチルゴム系シール材及びポリサルファイド系シール材等の反応固化型シール材;
天然ゴム及び合成ゴム等の成形パッキン;並びに
スチレン系ホットメルト、ブチル系ホットメルト等の熱可塑性ホットメルト型シール材。
反応固化型シール材は、本質的に易剥離性が低いという問題が有る。従って、リサイクルに適さない。
成形パッキンは、シール材として用いると、部品のリサイクルについては好適に実施することができるが、成形パッキンを製造するために、パッキンの形状に従った高価な金型が必要であるという問題が有る。更に60〜80℃になると成形パッキンの圧縮永久歪みが大きくなるので、長期間にわたってシール性を確保することが困難であるという問題が有る。
特許文献1は、極限粘度が0.8〜1.6dl/gの熱可塑性スチレン系エラストマー100重量部に対して、ポリフェニレンエーテル5〜1000重量部及び液状軟化剤200〜3000重量部を配合したホットメルト組成物であって、所定の特性を有するホットメルト組成物は、高温特性が向上され、高温での圧縮永久歪みが小さく、被着体への密着性に優れながら、被着体との剥離性に優れることを開示する(特許文献1参照)。しかし、このシール材は、高温での圧縮永久歪みを小さくする(即ち、復元性を保つ)ために、多量の液状軟化剤(又はオイル)を含むので、液状軟化剤の戻り(ブリードアウト)及び/又は揮発によって、ランプの内側が曇り得るという問題がある。
(A)スチレン系熱可塑性エラストマー100重量部当たり、(B)耐熱性ポリマー:1〜200重量部、プロセスオイル、液状ゴム及びこれらの変性物から選択された(C)液状軟化剤:5〜100重量部及び(D)粘着付与剤:5〜250重量部を含んで成る樹脂組成物であって、
気泡を更に含む樹脂組成物を提供する。
この気泡含有樹脂組成物は、シール材として好適に使用することができる。
また、本発明の好ましい態様において、(B)耐熱性ポリマーは、そのガラス転移温度が90℃以上である気泡含有樹脂組成物を提供する。
更にまた、本発明の他の好ましい態様において、気泡を含む前の樹脂組成物がホットメルトタイプである気泡含有樹脂組成物を提供する。
(i)(A)スチレン系熱可塑性エラストマー100重量部当たり、(B)耐熱性ポリマー:1〜200重量部、プロセスオイル、液状ゴム及びこれらの変性物から選択された(C)液状軟化剤:5〜100重量部及び(D)粘着付与剤:5〜250重量部を含む溶融物を製造する工程;
(ii)上記溶融物とガスを加圧下で混合した後、混合物を大気圧下に開放して、樹脂組成物の内部に気泡を含ませて、気泡含有樹脂組成物を得る工程。
従って、本発明に係る気泡含有樹脂組成物は、易剥離性が高いにもかかわらず、シール性及び耐熱性に優れ、オイルブリードが実質的になく、好ましくは圧縮永久歪み等が改良される。
上記気泡が含まれた後の樹脂組成物の体積は、気泡が含まれる前の樹脂組成物の体積に対して、1.5〜4.0倍であることによって、本発明に係る気泡含有樹脂組成物は、易剥離性がより改良される。
(A)スチレン系熱可塑性エラストマーは、単独で又は組み合わせて使用することができる。
尚、本明細書において「ガラス転移温度」とは、示差走査熱量計(具体的には、島津製作所製のDSC50型)を用いて、5〜10mgの試料のDSC曲線を10℃/分の昇温速度で測定し、得られたDSC曲線の変極点の温度をいう。
尚、(B)耐熱ポリマーは、単独で又は組み合わせて使用することができる。
尚、(C)液状軟化剤は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
「有機充填材」として、例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂の粉末、炭素繊維、合成繊維及び合成パルプ等を例示することができる。
「安定剤」として、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン酸系酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤を例示することができる。
(A)スチレン系熱可塑性エラストマー100重量部当たり、(B)耐熱性ポリマー:1〜200重量部、(C)液状軟化剤:5〜100重量部及び(D)粘着付与剤:5〜250重量部を含んで成り、
(A)スチレン系熱可塑性エラストマー100重量部当たり、(B)耐熱性ポリマー:10〜100重量部、(C)液状軟化剤:30〜100重量部及び(D)粘着付与剤:10〜250重量部を含んで成ることがより好ましく、
(A)スチレン系熱可塑性エラストマー100重量部当たり、(B)耐熱性ポリマー:20〜40重量部、(C)液状軟化剤:30〜100重量部及び(D)粘着付与剤:50〜200重量部を含んで成ることが特に好ましい。
尚、本明細書において樹脂組成物の「溶融粘度」とは、B型粘度計を用いて、スピンドルNo.27を使用して、気泡を含む前の樹脂組成物について、200℃で測定した粘度をいう。
尚、本発明に係る気泡含有樹脂組成物の「軟化点」とは、環球法を用いて、JIS B1501に基づいて気泡を含んだ後の樹脂組成物について測定した軟化点をいう。
(i)(A)スチレン系熱可塑性エラストマー100重量部当たり、(B)耐熱性ポリマー:1〜200重量部、プロセスオイル、液状ゴム及びこれらの変性物から選択された(C)液状軟化剤:5〜100重量部及び(D)粘着付与剤:5〜250重量部を含む溶融物を製造する工程;
(ii)上記溶融物とガスを加圧下で混合した後、混合物を大気圧下に開放して、樹脂組成物の内部に気泡を含ませて、気泡含有樹脂組成物を得る工程。
式(I):体積増加率=気泡を含む樹脂組成物の体積/気泡を含む前の樹脂組成物の体積
体積増加率が、1.5倍未満の場合、得られるシール材の柔軟性が不十分と成り得る。また、体積増加率が、4.0倍を超える場合、シール性を確保することが困難と成り得る。
従って、本発明は、上述の気泡含有樹脂組成物を使用したシール材を提供する。
(A)スチレン系熱可塑性エラストマーとして、下記(a1)及び(a2)を用いた:
(a1)は、SEPSであるクラレ(株)製のセプトン2002(商品名)である;
(a2)は、SEBSであるクレイトンポリマー社製のG1650(商品名)である。
(b1)は、ポリフェニレンエーテル樹脂であり、Tgが150℃である旭化成工業(株)製のザイロンX9101(商品名)である;
(b2)は、ポリフェニレンエーテル樹脂であり、Tgが90℃である旭化成工業(株)製のザイロン50KH(商品名)である。
(c1)は、パラフィンオイルである、出光石油化学(株)製のダイナフレシアS32(商品名)である;
(c2)は、パラフィンオイルである、出光石油化学(株)社製のPW90(商品名)である;
(c3)は、パラフィンオイルである、エッソ石油(株)製のクリストール70(商品名)である。
(d1)は、水添テルペン樹脂である、ヤスハラケミカル(株)製のクリアロンM115(商品名)である;
(d2)は、共重合石油樹脂である、ハーキュレスジャパン社製のエンデックス155(商品名)である;
(d3)は、アモルファスポリα−オレフィンである、宇部興産(株)製のウベタック2304(商品名)である。
粘度は、気泡を含む前の各樹脂組成物を200℃に加熱して溶融し、B型粘度計を用い、スピンドルNo.27を用いて測定した。尚、粘度の単位は、Pa・sである。
上記樹脂組成物に気泡を含ませるために、ノードソン社製のFMシリーズ(商品名)のアプロケーターを用いた。即ち、樹脂組成物を加熱タンクに入れて加熱して溶融し、この溶融物を、2段式ギアポンプ内に送り、樹脂組成物の溶融物を、ポンプに供給される窒素ガスと加圧下で混合した。1段目に溶融物を送り、2段目に窒素ガスを送った。両者のギアの回転数を種々調節することで、気泡を含むことによる樹脂組成物の体積増加率を制御した。得られた窒素ガスを含む溶融物を、例えば、弁型シール材アプリケーターから、大気圧下に開放して、以下の評価に供した。
気泡を含むことによる各樹脂組成物の体積増加率は、下記式(I)で定義される通りであり、この式(I)に基づいて、体積増加率を算出した。
式(I):体積増加率=気泡を含む樹脂組成物の体積/気泡を含む前の樹脂組成物の体積
尚、比較例の樹脂組成物において、体積増加率が1.0とは、気泡を含まないことを意味する。
上述の窒素ガスを含む樹脂組成物の溶融物をアルミ板上に筋状に塗布した後、48時間放置した。気泡を含む樹脂組成物とアルミ板の間に金属板等を差込、容易に剥離できたものを容易、容易に剥離できなかったものを困難とした。
上述の窒素ガスを含む樹脂組成物の溶融物をガラス面に円状に塗布した後、他の更に1枚のガラス板を押し付けて、50%圧縮状態で圧着した。そのままの状態で80℃で10日間水中に浸漬した。水の侵入が無かったものを○とし、水の侵入があったものを×とした。
上述の窒素ガスを含む樹脂組成物の溶融物をガラス面に円状に塗布した後、他の更に1枚のガラス板を押し付けて、50%圧縮状態で圧着した。そのままの状態で120℃で10日間放置した。ガラス板に曇りの無かったものを○とし、曇りが発生したものを×とした。
軟化点は、環球法を用いて、JIS B1501に基づいて測定した。
尚、窒素ガスを含む樹脂組成物(下記の実施例の気泡含有樹脂組成物)は、気泡を含む状態で軟化点を評価した。一方、ガスを含ませなかった樹脂組成物(下記の比較例の樹脂組成物)は、気泡を含まない状態で軟化点を評価した。
上述の窒素ガスを含む樹脂組成物の溶融物を用いて、高さが20mmある気泡含有樹脂組成物を製造した。引張り試験機(東洋ボールドウィン社製のテンシロンUTM5T(商品名))を用いて、この20mmの高さの気泡含有樹脂組成物を10mmまで圧縮し、40℃で24時間放置した後、圧縮する力を除き、圧縮開始から24時間後の高さを測定した。得られた高さを用いて、下記の式(II)を用いて永久歪みを計算した。
式(II):永久歪み=(20mm−測定された高さmm)/10mm×100
上記永久ひずみの試験と同様の形状の試料をガラスに圧着し、これを垂直に配置して、100℃及び120℃で、24時間放置した。試料とガラスの接着面積が放置前の面積の110%未満の場合、流動性はないので○とし、110%以上の場合、流動性はあるので×とした。
Claims (11)
- (A)スチレン系熱可塑性エラストマー100重量部当たり、(B)耐熱性ポリマー:1〜200重量部、プロセスオイル、液状ゴム及びこれらの変性物から選択された(C)液状軟化剤:5〜100重量部及び(D)粘着付与剤:5〜250重量部を含んで成る樹脂組成物であって、
気泡を更に含む樹脂組成物。 - 上記(A)スチレン系熱可塑性エラストマーは、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体及びスチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレンブロック共重合体から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の気泡含有樹脂組成物。
- 上記(B)耐熱性ポリマーは、そのガラス転移温度が90℃以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の気泡含有樹脂組成物。
- 上記気泡は、窒素ガス又は炭酸ガスを用いて形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の気泡含有樹脂組成物。
- 上記気泡を含む樹脂組成物の体積は、気泡を含む前の樹脂組成物の体積に対して、1.5〜4.0倍であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の気泡含有樹脂組成物。
- 200℃における気泡を含む前の樹脂組成物の溶融粘度が20〜270Pa・sであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の気泡含有樹脂組成物。
- 気泡を含む前の樹脂組成物がホットメルトタイプであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の気泡含有樹脂組成物。
- 下記工程を含む製造方法によって、製造されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の気泡含有樹脂組成物:
(i)(A)スチレン系熱可塑性エラストマー100重量部当たり、(B)耐熱性ポリマー:1〜200重量部、プロセスオイル、液状ゴム及びこれらの変性物から選択された(C)液状軟化剤:5〜100重量部及び(D)粘着付与剤:5〜250重量部を含む溶融物を製造する工程;
(ii)上記溶融物とガスを加圧下で混合した後、混合物を大気圧下に開放して、樹脂組成物の内部に気泡を含ませて気泡含有樹脂組成物を得る工程。 - 請求項1〜8のいずれかに記載の気泡含有樹脂組成物を使用したシール材。
- 工業用シール材として、自動車ランプ又はオートバイランプのガラス部とハウジング部との接合、並びに洗濯機、乾燥機又は冷蔵庫の防水パッキン部の接合に使用されることを特徴とする請求項9に記載のシール材。
- 請求項9又は10に記載のシール材を製造するための樹脂組成物であって、内部に気泡を含むようにガスと一緒に混合する樹脂組成物。
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