JP2005058896A - ヨウ化水素酸の選択分離方法、ヨウ化水素酸中の硫酸および硫酸塩の除去方法、ヨウ化水素酸の精製方法、ヨウ化水素酸の製造方法およびヨウ素アルカリ塩類の製造方法 - Google Patents

ヨウ化水素酸の選択分離方法、ヨウ化水素酸中の硫酸および硫酸塩の除去方法、ヨウ化水素酸の精製方法、ヨウ化水素酸の製造方法およびヨウ素アルカリ塩類の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水溶液中にヨウ化水素酸と他の無機酸あるいはその塩とを含む水溶液からヨウ化水素酸を選択的に分離することで、経済的にヨウ化水素酸およびヨウ素のアルカリ塩類を製造する方法を提供する。
【解決手段】原料のヨウ化水素酸と他の無機酸あるいはその塩とを含む水溶液として、ブローイングアウト法にて製造したヨウ素吸収液を用い、陰イオン交換膜として一価陰イオン選択透過膜を用いた電気透析法により、経済的に粗ヨウ化水素酸を得ることができる。得られた粗ヨウ化水素酸は水酸化バリウムあるいは硫酸以外のバリウム塩を添加して、少量含まれる硫酸あるいはその塩を硫酸バリウムとして沈殿除去した後、蒸留精製することで、安価に高純度のヨウ化水素酸を製造できる。得られたヨウ化水素酸を各種水酸化アルカリで中和することにより、ヨウ素アルカリ塩類を容易かつ経済的に製造できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気透析法による水溶液中のヨウ化水素酸の選択分離方法、ヨウ化水素酸中の硫酸および硫酸塩の除去方法、ヨウ化水素酸の精製方法、ヨウ化水素酸の製造方法およびヨウ素アルカリ塩類の製造方法に関する。
ヨウ化水素酸およびヨウ素のアルカリ塩類は、化学原料あるいは医薬品の製造原料として重要な物質である。
従来、ヨウ化水素酸の製造方法としては、ヨウ素と水との懸濁液に次亜リン酸などの還元剤を添加し、反応後に反応液からヨウ化水素酸を蒸留にて留出させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、ヨウ素アルカリ塩類の製造方法としては、ヨウ素をアルカリ存在下でぎ酸などの還元剤を用いて還元する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、原料ヨウ素の製造方法としては、ヨウ素イオンを溶解する水溶液へ塩素などの酸化剤を導入し、ヨウ素イオンを遊離のヨウ素とした後、空気で追い出して亜硫酸水素ナトリウムなどの還元性溶液に吸収させて濃縮した後(ブローイングアウト法)、再度、塩素などの酸化剤を導入して、ヨウ素イオンを遊離のヨウ素として分離した後に精製している。
すなわち、これら従来の方法では、ヨウ素イオンを溶解する水溶液へ酸化剤を導入し一旦遊離ヨウ素とした後に、還元および濃縮してから、再度酸化させて遊離ヨウ素として単離および精製した後、再度還元して、ヨウ化水素酸およびヨウ素アルカリ塩類とする方法である。
特開平第8‐59205号公報(第2−4頁) 特公平第5‐80410号公報(第1−3頁)
しかしながら、上記従来のヨウ化水素酸およびヨウ素アルカリ塩類の製造方法では、製造工程が多く、酸化と還元を繰り返し、副原料を必要とし、ヨウ素の蒸気が発生し、副生成物の処理を必要としている。このため、これらヨウ化水素酸およびヨウ素アルカリ塩類の製造方法では、ヨウ化水素酸およびヨウ素アルカリ塩類の製造が容易ではないという問題を有している。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、容易にヨウ化水素酸およびヨウ素のアルカリ塩類が製造できるヨウ化水素酸の選択分離方法、ヨウ化水素酸中の硫酸および硫酸塩の除去方法、ヨウ化水素酸の精製方法、ヨウ化水素酸の製造方法およびヨウ素アルカリ塩類の製造方法を提供することを目的とする。
請求項1記載のヨウ化水素酸の選択分離方法は、ヨウ化水素酸と他の無機酸およびこれらの塩のいずれかとを含む原液から、電気透析法にてヨウ化水素酸を選択的に分離するものである。
そして、ヨウ化水素酸と他の無機酸およびこれらの塩のいずれかとを含む原液から、電気透析法にてヨウ化水素酸を選択的に分離することにより、製造工程が少なく、酸化、還元を繰り返すことなく、副原料を必要とせず、ヨウ素蒸気の発生なく、副生成物の処理が少なくなる。このため、容易にヨウ化水素酸を製造できる。
請求項2記載のヨウ化水素酸の選択分離方法は、請求項1記載のヨウ化水素酸の選択分離方法において、一対の電極室間を正極側から前記電極室に供給される極液を仕切る陽イオン交換膜につづいて第1の陰イオン交換膜および第1の陽イオン交換膜にて2つの試料室に交互に仕切った電気透析槽の前記第1の陰イオン交換膜と第1の陽イオン交換膜との間に原液を供給するものである。
そして、一対の電極室間を正極側から、この電極室に供給される極液を仕切る陽イオン交換膜につづいて第1の陰イオン交換膜および第1の陽イオン交換膜にて2つの試料室に交互に仕切った電気透析槽の第1の陰イオン交換膜と第2の陽イオン交換膜との間に原液を供給する。この結果、この原液から電気透析法にて容易にヨウ化水素酸を選択的に分離できる。
請求項3記載のヨウ化水素酸の選択分離方法は、請求項1記載のヨウ化水素酸の選択分離方法において、一対の正極側の電極室と負極側の電極室との間を正極側から前記電極室に供給される極液を仕切る陽イオン交換膜につづいて第1の陽イオン交換膜、第1の陰イオン交換膜および第2の陽イオン交換膜にて3つの試料室に交互に仕切った電気透析槽の前記第1の陰イオン交換膜と第2の陽イオン交換膜との間に原液を供給するものである。
そして、一対の正極側の電極室と負極側の電極室との間を正極側から、電極室に供給される極液を仕切る陽イオン交換膜につづいて第1の陽イオン交換膜、第1の陰イオン交換膜および第2の陽イオン交換膜にて3つの試料室に交互に仕切った電気透析槽の第1の陰イオン交換膜と第2の陽イオン交換膜との間に原液を供給する。この結果、この原液から電気透析法にてより効率良く容易にヨウ化水素酸を選択的に分離できる。
請求項4記載のヨウ化水素酸の選択分離方法は、請求項1記載のヨウ化水素酸の選択分離方法において、一対の正極側の電極室と負極側の電極室との間を正極側から前記電極室に供給される極液を仕切る陽イオン交換膜につづいて第1の陰イオン交換膜、第1の陽イオン交換膜、第2の陰イオン交換膜および第2の陽イオン交換膜にて4つの試料室に交互に仕切った電気透析槽の前記第1の陰イオン交換膜と第1の陽イオン交換膜との間および前記第2の陰イオン交換膜と前記第2の陽イオン交換膜との間のいずれかに原液を供給するものである。
そして、一対の正極側の電極室と負極側の電極室との間を正極側から、電極室に供給される極液を仕切る陽イオン交換膜につづいて第1の陰イオン交換膜、第1の陽イオン交換膜、第2の陰イオン交換膜および第2の陽イオン交換膜にて4つの試料室に交互に仕切った電気透析槽の第1の陰イオン交換膜と第1の陽イオン交換膜との間および第2の陰イオン交換膜と第2の陽イオン交換膜との間のいずれかに原液を供給する。この結果、この原液から電気透析法にてさらにより効率良く容易にヨウ化水素酸を選択的に分離できる。
請求項5記載のヨウ化水素酸の選択分離方法は、請求項1ないし4いずれか記載のヨウ化水素酸の選択分離方法において、陰イオン交換膜として一価陰イオン選択透過膜を用いるものである。
そして、陰イオン交換膜として一価陰イオン選択透過膜を用いることにより、原液からさらに容易にヨウ化水素酸を分離できる。
請求項6記載のヨウ化水素酸の選択分離方法は、請求項1ないし5いずれか記載のヨウ化水素酸の選択分離方法において、原液としてブローイングアウト法にて製造したヨウ素吸収液を用いるものである。
そして、原液としてブローイングアウト法にて製造したヨウ素吸収液を用いて、この原液から電気透析法にてヨウ化水素酸を選択的に分離する。この結果、ヨウ化水素酸をより容易に製造できるので、より経済的にヨウ化水素酸を得ることができる。
請求項7記載のヨウ化水素酸の選択分離方法は、請求項1ないし6いずれか記載のヨウ化水素酸の選択分離方法において、ヨウ化水素酸と他の無機酸およびこれらの塩のいずれかとを含む原液と強酸の水溶液との複置換電気透析により、この原液からヨウ化水素酸を選択的に分離するものである。
そして、ヨウ化水素酸と他の無機酸およびこれらの塩のいずれかとを含む原液と強酸の水溶液との複置換電気透析にて、この原液からヨウ化水素酸を選択的に分離することにより、この原液からのヨウ化水素酸の選択的な分離がより効率良くなる。このため、このヨウ化水素酸をより容易に製造できるから、より経済的にヨウ化水素酸を得ることができる。
請求項8記載のヨウ化水素酸中の硫酸および硫酸塩の除去方法は、硫酸および硫酸塩のいずれかを含むヨウ化水素酸の水溶液に、水酸化バリウムおよび硫酸以外のバリウム塩の少なくともいずれかを添加して、前記水溶液中の硫酸および硫酸塩の少なくともいずれかをバリウム塩として沈殿除去するものである。
そして、硫酸および硫酸塩のいずれかを含むヨウ化水素酸の水溶液に、水酸化バリウムおよび硫酸以外のバリウム塩のいずれかを添加して、水溶液中の硫酸および硫酸塩のいずれかをバリウム塩として沈殿除去する。この結果、ヨウ化水素酸の水溶液から硫酸および硫酸塩を効率良く除去できるので、容易に高純度のヨウ化水素酸を製造できる。
請求項9記載のヨウ化水素酸の精製方法は、塩化水素酸を含むヨウ化水素酸の水溶液を蒸留して、塩化水素酸を含む留分を初留として分離してから、ヨウ化水素酸を含む留分を得るものである。
そして、塩化水素酸を含むヨウ化水素酸の水溶液を蒸留して、塩化水素酸を含む留分を初留として分離してから、ヨウ化水素酸を含む留分を得る。この結果、ヨウ化水素酸の水溶液から塩化水素酸を効率良く除去できるので、容易に高純度のヨウ化水素酸を製造できる。
請求項10記載のヨウ化水素酸の製造方法は、ヨウ化水素酸と他の無機イオンとを含む水溶液から、電気透析法にてヨウ化水素酸を選択的に分離する分離工程と、この分離工程で得られたヨウ化水素酸を含む水溶液へ水酸化バリウムおよび硫酸以外のバリウム塩の少なくともいずれかを添加して、前記水溶液に含まれる硫酸および硫酸塩の少なくともいずれかをバリウム塩として沈殿除去する沈殿工程と、この沈殿工程にて硫酸および硫酸塩の少なくともいずれかを除去した後のヨウ化水素酸水溶液を蒸留精製する精製工程とを具備したものである。
そして、ヨウ化水素酸と他の無機イオンとを含む水溶液から、分離工程として電気透析法にてヨウ化水素酸を選択的に分離する。この後、この分離工程で得られたヨウ化水素酸を含む水溶液へ沈殿工程として水酸化バリウムおよび硫酸以外のバリウム塩の少なくともいずれかを添加して、この水溶液に含まれる硫酸および硫酸塩の少なくともいずれかをバリウム塩として沈殿除去する。次いで、この沈殿工程にて硫酸および硫酸塩を除去した後のヨウ化水素酸水溶液を精製工程として蒸留精製する。この結果、製造工程が少なく、酸化、還元を繰り返すことなく、副原料を必要とせず、ヨウ素蒸気の発生なく、副生成物の処理が少なくなるので、高純度のヨウ化水素酸を容易かつより経済的に製造できる。
請求項11記載のヨウ素アルカリ塩類の製造方法は、請求項10記載のヨウ化水素酸の製造方法と、このヨウ化水素酸の製造方法の精製工程にて蒸留精製されたヨウ化水素酸を水酸化アルカリで中和してヨウ素アルカリ塩類を製造する製造工程とを具備したものである。
そして、請求項10記載のヨウ化水素酸の製造方法の精製工程にて蒸留精製されたヨウ化水素酸を製造工程として水酸化アルカリで中和してヨウ素アルカリ塩類を製造する。この結果、このヨウ素アルカリ塩類を容易に製造できるので、このヨウ素アルカリ塩類をより経済的に製造できる。
本発明によれば、ヨウ化水素酸と他の無機酸およびこれらの塩のいずれかとを含む原液から、電気透析法にてヨウ化水素酸を選択的に分離することにより、製造工程が少なく、酸化、還元を繰り返すことなく、副原料を必要とせず、ヨウ素蒸気の発生なく、副生成物の処理が少なくなるから、ヨウ化水素酸を容易に製造できる。
以下、本発明の電気透析槽の第1の実施の形態の構成を図1を参照して説明する。
図1において、1は電気透析装置としての電気透析槽であり、この電気透析槽1は、2つの試料室に交互に仕切られて構成された2室1組である。具体的に、この電気透析槽1の両側には、一対の電極1a,1bが配設されている。そして、これら一対の電極1a,1bの一方、すなわち電極1aが正極としての陽極とされる。ここで、この陽極の電極1aとしては、白金(Pt)や、チタン(Ti)/白金、カーボン(C)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)/チタン、イリジウム(Ir)/チタンなどが用いられる。
また、これら一対の電極1a,1bの他方、すなわち電極1bが負極としての陰極とされる。ここで、この陰極の電極1bとしては、鉄(Fe)やニッケル、白金、チタン/白金、カーボン、ステンレス鋼としてのクロム(Cr)鋼などが用いられる。そして、これら電極1a,1bは、細長矩形平板状であるノベ板状やメッシュ状、格子状などに形成されている。
さらに、電気透析槽1は、図示しない切欠部を有する枠体としての室枠2を備えており、この室枠2の長手方向に沿った両端部の内側に一対の電極1a,1bが取り付けられている。そして、この室枠2内には、この室枠2の電極1aが配設された側である正極側から、正極側の電極室11aに供給される極液Pを仕切る陽イオン交換膜Kにつづいて、第1の陰イオン交換膜Aおよび第1の陽イオン交換膜Kが長手方向に沿って等間隔に離間された状態で交互に配列されている。
また、これら第1の陰イオン交換膜Aおよび第1の陽イオン交換膜Kのそれぞれは、これら各第1の陰イオン交換膜Aおよび第1の陽イオン交換膜Kに張力を持たせるために、長手方向に沿って引っ張られた状態で、これら第1の陰イオン交換膜Aおよび第1の陽イオン交換膜Kそれぞれの両端が室枠2の両側面に締め付け固定されている。
さらに、これら第1の陰イオン交換膜Aおよび第1の陽イオン交換膜Kにて仕切られた室枠2それぞれの内側面には、この室枠2の内部に連通した図示しない液供給口および液排出口のそれぞれが設けられている。また、この室枠2内には、この室枠2内の厚みを均一にする配流作用を有する図示しないスペーサが設けられている。
この結果、電気透析槽1内における電極1a,1b間は、第1の陰イオン交換膜Aおよび第1の陽イオン交換膜Kによって交互に仕切られている。
ここで、第1の陰イオン交換膜Aとしては、例えば一般的な強塩基性スチレン−ジビニルベンゼン系均一陰イオン交換膜などが使用される。そして、この第1の陰イオン交換膜Aとして一価陰イオン選択透過性を高めた膜である一価陰イオン選択透過膜を用いることにより、ヨウ素イオン(I)の選択透過性がより高くなるので、より効果的である。さらに、この一価陰イオン選択透過膜としては、例えばセレミオンASV膜(旭硝子株式会社製)や、アシプレックスA−192膜(旭化成株式会社製)、ネオセプタACS膜(株式会社トクヤマ製)などがある。
また、第1の陽イオン交換膜Kとしては、例えば強酸性スチレン−ジビニルベンゼン系均一陽イオン交換膜などが使用される。そして、この第1の陽イオン交換膜Kとして水素イオン選択透過性を高めた膜である水素イオン選択透過膜を用いることにより、水素イオンの選択透過性がより高くなるので、より効果的である。さらに、この水素イオン選択透過膜としては、例えば、セレミオンHSV膜(旭硝子株式会社製)などがある。
一方、電気透析槽1における電極1a,1bが内部に収容され、両極側が陽イオン交換膜Kにて仕切られた室枠2内が極液室としての電極室11a,11bとなる。さらに、これら電極室11a,11b間である陽イオン交換膜Kと第1の陰イオン交換膜Aとにて仕切られた室枠2内が試料室としての濃縮室13となる。また、これら電極室11a,11b間である第1の陰イオン交換膜Aと第1の陽イオン交換膜Kとにて仕切られた室枠2内が試料室としての原液室12となる。
言い換えると、この原液室12は、一対の電極1a,1bによる陽極側が第1の陰イオン交換膜Aにて仕切られ、陰極側が第1の陽イオン交換膜Kにて仕切られている。また、濃縮室13は、一対の電極1a、1bによる陽極側が陽イオン交換膜Kにて仕切られ、陰極側が第1の陰イオン交換膜Aにて仕切られている。そして、これら原液室12および濃縮室13は交互に形成されている。さらに、電極室11a,11bは、交互に形成された原液室12および濃縮室13の幅方向である両側に位置している。
また、陽極側の電極室11aは、陽イオン交換膜Kにて仕切られている。さらに、陰極側の電極室11bは、第1の陽イオン交換膜Kにて仕切られている。そして、これら電極室11a,11bの長手方向に沿った室枠2の両側面に位置する液供給口および液排出口は、極液Pの入口および出口となる極液入口および極液出口とされている。
さらに、原液室12の長手方向に沿った室枠2の両側面に位置する液供給口および液排出口は、原液Dの入口および出口となる原液入口および原液出口とされている。したがって、この原液Dは、第1の陰イオン交換膜Aと第1の陽イオン交換膜Kとの間である原液室12に供給される。また、濃縮室13の長手方向に沿った室枠2の両側面に位置する液供給口および液排出口は、濃縮液Cの入口および出口となる濃縮液入口および濃縮液出口とされている。
次いで、原液室12には、ヨウ化水素酸を含む水溶液である原液Dが原液入口から導入される。また、濃縮室13には、濃縮液Cが濃縮液入口から導入される。さらに、各電極1a,1bと接する両端に位置する電極室11a,11bには、陽極液および陰極液としての極液Pが極液入口から導入される。
ここで、電気透析槽1の室枠2内における第1の陰イオン交換膜Aと第1の陽イオン交換膜Kの配列の繰り返し回数nは、目的に応じて選択でき、好ましくは10以上1000以下程度の繰り返し回数である。なお、電気透析槽1の電極室11a,11b、原液室12および濃縮室13への極液P、原液Dおよび濃縮液Cそれぞれの各液の供給は連続的にする。
また、これら極液P、原液Dおよび濃縮液Cを供給させる図示しない外部タンクを設けて、これら極液P、原液Dおよび濃縮液Cを電極室11a,11b、原液室12および濃縮室13と外部タンクとの間でそれぞれを循環させてもよい。さらに、原液Dは、ヨウ化水素酸と他の無機酸およびこれらの塩、すなわちヨウ化水素酸および他の無機酸それぞれの塩の少なくともいずれかとを含む水溶液であればよいが、例えばブローイングアウト法にて製造したヨウ素吸収液、あるいは有機ヨウ素化合物を酸で加水分解したヨウ化水素酸を含有した水溶液などが好ましい。
ここで、原液D中のヨウ化水素酸濃度は、希薄であると選択性が低下するため、一般的に0.1質量%以上30質量%以下の範囲である。また、この原液D中に含まれるヨウ化水素酸以外の無機酸あるいはこれらの塩としては、一般的に、塩化水素酸(HCl)や、臭化水素酸(HBr)、硫酸(HSO)、リン酸(HPO)、硫酸水素ナトリウム(NaHSO)、リン酸水素二ナトリウム(NaHPO)、ヨウ化ナトリウム(NaI)などであり、これら無機酸あるいはこれら塩の濃度は、0.01質量%以上10質量%以下の範囲である。
また、原液室12には、ヨウ化水素酸と他の無機酸あるいはこれらの塩とを含む水溶液、すなわち原液Dが原液入口から供給される。そして、この原液室12内の原液Dは、この原液室12内で電気透析を続けることにより、ヨウ化水素酸の濃度が低下する。このため、ヨウ化水素酸の濃度が充分に低下した液を処理液として原液出口から適宜抜き出し、新たに原液Dを補充させる。また、この処理液を原液出口から連続的に抜き出し、さらにこの原液Dを原液入口から補充する連続運転も可能である。
さらに、濃縮室13には、ヨウ化水素酸水溶液などの濃縮液Cが濃縮液入口から供給される。また、この濃縮室13に供給される濃縮液Cのヨウ化水素酸の濃度は、電気透析の初期状態で0.1%以上5%以下程度の水溶液が用いられる。さらに、この濃縮室13内の濃縮液Cは、この濃縮室13内で電気透析を続けることにより、第1の陰イオン交換膜Aを透過したヨウ化水素酸によって、この濃縮液C中のヨウ化水素酸の濃度が上昇する。このため、このヨウ化水素酸の濃度が上昇した処理液である濃縮液Cを、必要に応じた回数または連続的に濃縮液出口から抜き出すことによって、高濃度のヨウ化水素酸水溶液を得ることができる。
また、各電極室11a,11bに供給される極液Pとしては、0.1%以上10%以下程度の硫酸、リン酸あるいはこれらの塩の水溶液が用いられる。これら各電極室11a,11bの電極1a,1b間に供給される電気透析時における運転電流密度は、限界電流密度を予め測定した上で、限界電流密度以下と設定されている。また、電気透析槽1での電気透析時における原液D、濃縮液Cおよび極液Pそれぞれの温度は、通常5℃以上70℃以下、好ましくは20℃以上50℃以下の範囲である。
次に、上記第1の実施の形態のヨウ化水素酸の分離方法を説明する。
まず、電気透析槽1の各電極室11a,11bに極液Pを供給するとともに、原液室12に原液Dを供給し、濃縮室13に濃縮液Cを供給する。
この状態で、各電極室11a,11bの電極1a,1b間に、予め測定した限界電流密度以下の電流を供給する。
すると、図1に示すように、原液室12内の水素イオン(H)が陽イオン交換膜Kおよび第1の陽イオン交換膜Kのそれぞれを透過するとともに、この原液室12内のヨウ素イオンが第1の陰イオン交換膜Aを透過する。
このとき、このヨウ素イオンや、硫酸イオン(SO 2−)、リン酸イオン(PO 3−)および塩素イオン(Cl)などの陰イオンは、陽イオン交換膜Kおよび第1の陽イオン交換膜Kのそれぞれを透過できない。また、水素イオンは、第1の陰イオン交換膜Aを透過できない。
このため、濃縮室13内の濃縮液C中のヨウ化水素酸濃度が上昇する。この後、この濃縮室13内のヨウ化水素酸の濃度が上昇した処理液、すなわち濃縮液Cを濃縮室13から抜き出すことによって、高濃度のヨウ化水素酸水溶液を得ることができる。
上述したように、上記第1の実施の形態によれば、電気透析槽1の第1の陰イオン交換膜Aと第1のイオン交換膜Kとの間である原液室12に原液Dを供給する。この結果、この電気透析槽1の電極1a,1b間に電流を供給することによって、この原液Dから電気透析法にてヨウ化水素酸が濃縮室13へと選択的に分離されて、この濃縮室13内の濃縮液C中のヨウ化水素酸濃度が上昇する。
この結果、例えば、ヨウ素イオンを溶解する水溶液へ酸化剤を導入し、ヨウ素イオンを遊離のヨウ素とした後、空気で追い出してから、亜硫酸水溶液に吸収させて還元して濃縮した後、再度酸化させて、一旦遊離してヨウ素として単離精製した後に、再度還元してヨウ化水素酸あるいはヨウ素のアルカリ塩類を得る従来の方法に比べ、工程が少なく、酸化、還元を繰り返すことなく、副原料を必要とせず、ヨウ素蒸気の発生なく、副生成物の処理が少なくなる。
したがって、原液Dから電気透析法にて容易にヨウ化水素酸を選択的に分離できるため、容易にヨウ化水素酸を製造できる。よって、極めて効率的かつ経済的にヨウ化水素酸を製造できる。
また、第1の陰イオン交換膜Aとして一価陰イオン選択透過膜を用いることにより、原液Dからさらに容易にヨウ素イオンを透過させて分離できるから、この原液Dからより効率良くヨウ化水素酸を選択的に分離できる。さらに、ブローイングアウト法にて製造したヨウ素吸収液を原液Dとして用いることにより、ヨウ化水素酸をより容易に製造できるので、より経済的にヨウ化水素酸を得ることができる。
次に、本発明の第2の実施の形態を図2を参照して説明する。
この図2に示す電気透析槽1は、基本的には図1に示す電気透析槽1と同様であるが、この電気透析槽1の両端に配設された電極室11a,11b間を正極側から極液Pを仕切る陽イオン交換膜Kにつづいて、第1の陽イオン交換膜K、第1の陰イオン交換膜Aおよび第2の陽イオン交換膜Kにて交互に仕切ることにより3つの試料室に交互に仕切られて形成された3室1組の試料室が、目的に応じて選択される複数、好ましくは5以上500以下程度の繰り返し回数nで設けられたものである。
そして、この電気透析槽1は、陰極側の電極室11bに隣接した原液室12としての試料室である第1の溶液室21を備えている。この第1の溶液室21は、陰極側が第2の陽イオン交換膜Kにて仕切られ、陽極側が第1の陰イオン交換膜Aにて仕切られている。そして、この第1の溶液室21には、ヨウ化水素酸と他の無機酸およびこれらの塩のいずれかとを含む水溶液である原液Dが供給される。
ここで、この原液Dとしては、例えば、ブローイングアウト法により製造したヨウ素吸収液、あるいは有機ヨウ素化合物を酸で加水分解したヨウ化水素酸含有水溶液が用いられる。さらに、この原液D中のヨウ化水素酸の濃度は、希薄であると電流値が低くなり製造効率が低下することから、通常は1質量%以上30質量%以下程度である。
また、第1の溶液室21の陽極側には、濃縮室13としての試料室である第2の溶液室22が設けられている。この第2の溶液室22は、陰極側が第1の陰イオン交換膜Aにて仕切られ、陽極側が第1の陽イオン交換膜Kにて仕切られている。そして、この第2の溶液室22には、ヨウ化水素酸の水溶液である濃縮液Cが供給される。ここで、この濃縮液Cは目的とされるものであり、この濃縮液C中のヨウ化水素酸の濃度は、通常、電気透析の開始時に0.1質量%以上5質量%以下程度である。
さらに、この第2の溶液室22の陽極側には、酸室としての試料室である第3の溶液室23が設けられている、この第3の溶液室23は、陰極側が第1の陽イオン交換膜Kにて仕切られ、陽極側が極液Pを仕切る陽イオン交換膜Kにて仕切られている。そして、この第3の溶液室23には、塩化水素酸、硫酸、リン酸などの強酸の水溶液が供給される。そして、この水溶液中の酸の濃度は、希薄であると電流値が低くなり、ヨウ化水素酸の製造効率が低下することから、通常は1質量%以上20質量%以下程度である。
次に、上記第2の実施の形態のヨウ化水素酸の分離方法を説明する。
まず、分離工程として各電極室11a,11bに極液Pを供給するとともに、第1の溶液室21に原液Dを供給し、第2の溶液室22に濃縮液Cを供給し、第3の溶液室23に無機酸の水溶液を供給する。
この状態で、各電極室11a,11bの電極1a,1b間に予め測定した限界電流密度以下の電流を供給する。
すると、図2に示すように、第1の溶液室21内の水素イオンが各第2の陽イオン交換膜Kを透過するとともに、この第1の溶液室21内のヨウ素イオンが各第1の陰イオン交換膜Aを透過する。
このとき、ヨウ素イオンや、硫酸イオン、リン酸イオン、塩素イオンなどの陰イオンは、各第2の陽イオン交換膜Kをそれぞれ透過できない。また、水素イオンは各第1の陰イオン交換膜Aを透過できない。
一方、第3の溶液室23内の水素イオンが第1の陽イオン交換膜Kを通過して陰極側の第2の溶液室22へ移動する。
したがって、各第2の溶液室22内の濃縮液C中のヨウ化水素酸濃度が上昇する。
この後、これら各第2の溶液室22内のヨウ化水素酸の濃度が上昇した濃縮液Cを抜き出すことにより、より高濃度のヨウ化水素酸水溶液を効率良く得ることができる。
すなわち、電気透析槽1による回分法での電気透析により、第1の溶液室21内に供給した原液D中のヨウ化水素酸のヨウ素イオンと、第3の溶液室23内に供給した水溶液中の酸の水素イオンとから、複置換透析反応によってヨウ化水素酸が生成されて、第2の溶液室22内の濃縮液C中のヨウ化水素酸の濃度が上昇する。
また、この電気透析槽1での電気透析を続けることにより、第1の溶液室21の原液D中のヨウ化水素酸濃度が低下する。そして、この第1の溶液室21の原液Dのヨウ化水素酸の濃度が充分に低下したら、電気透析槽1による電気透析を一旦停止して、原料系の第1の溶液室21および第3の溶液室23内の原液Dおよび酸の水溶液を処理液として適当量抜き出した後、これら第1の溶液室21および第3の溶液室23のそれぞれに原料液である原液Dおよび酸の水溶液を補充する。
さらに、生成系の第2の溶液室22の生成液である濃縮液Cは、一部を次回の電気透析の原料として使用するために残し、残りを生成液として抜き出す。したがって、上述の工程を繰り返すことにより、高濃度の目的とするヨウ化水素酸の水溶液を得ることができる。
次に、本発明の第3の実施の形態を図3を参照して説明する。
この図3に示す電気透析槽1は、基本的には図1に示す電気透析槽1と同様であるが、この電気透析槽1の両端に配設された電極室11a,11b間を正極側から極液Pを仕切る陽イオン交換膜Kにつづいて、第1の陰イオン交換膜A、第1の陽イオン交換膜K、第2の陰イオン交換膜Aおよび第2の陽イオン交換膜Kにて交互に仕切ることにより4つの試料室に交互に仕切れて形成された4室1組の試料室が、目的に応じて選択される複数、好ましくは5以上500以下程度の繰り返し回数nで設けられたものである。
そして、この電気透析槽1は、陰極側の電極室11bに隣接した原液室12としての試料室である第1の溶液室31を備えている。この第1の溶液室31は、陰極側が第2の陽イオン交換膜Kにて仕切られ、陽極側が第2の陰イオン交換膜Aにて仕切られている。そして、この第1の溶液室31には、原液Dが供給される。
また、第1の溶液室31の陽極側には、濃縮室13としての試料室である第2の溶液室32が設けられている。この第2の溶液室32は、陰極側が第2の陰イオン交換膜Aにて仕切られ、陽極側が第1の陽イオン交換膜Kにて仕切られている。そして、この第2の溶液室32には、濃縮液Cが供給される。
さらに、この第2の溶液室32の陽極側には、酸室としての試料室である第3の溶液室33が設けられている。この第3の溶液室33は、陰極側が第1の陽イオン交換膜Kにて仕切られ、陽極側が第1の陰イオン交換膜Aにて仕切られている。そして、この第3の溶液室33には、塩化水素酸、硫酸、リン酸などの強酸の水溶液が用いられる。
また、この第3の溶液室33の陽極側には、濃縮室13としての試料室である第4の溶液室34が設けられている。この第4の溶液室34は、陰極側が第1の陰イオン交換膜Aにて仕切られ、陽極側が極液Pを仕切る陽イオン交換膜Kにて仕切られている。そして、この第4の溶液室34には、第3の溶液室33に供給される酸に対応して副生される酸あるいは塩の水溶液が供給される。この水溶液中の濃度は、通常、電気透析の開始時に0.1質量%以上5質量%以下程度である。
すなわち、電気透析槽1による回分法での電気透析により、第1の溶液室31内に供給した原液D中のヨウ化水素酸のヨウ素イオンと、第3の溶液室33内に供給した水溶液中の酸の水素イオンとから複置換透析反応によってヨウ化水素酸が生成されて、第2の溶液室32内の濃縮液C中のヨウ化水素酸の濃度が上昇するとともに、第4の溶液室34内の水溶液中の酸あるいは塩の濃度が上昇する。
このため、原料系の第1の溶液室31内の原液D中のヨウ化水素酸の濃度および第3の溶液室33内の水溶液中の酸の濃度が次第に低下するとともに、この濃度の低下に伴って電流値が低下する。
そして、この電流値が充分に低下した場合には、電気透析槽1による電気透析を一旦停止して、原料系の第1の溶液室31および第3の溶液室33内の原液Dおよび酸の水溶液を処理液として適当量抜き出した後、これら第1の溶液室31および第3の溶液室33のそれぞれに原料液である原液Dおよび酸の水溶液を補充する。
さらに、生成系の第2の溶液室32および第4の溶液室34内の各濃縮液Cおよび水溶液は、一部を次回の電気透析の原料として使用するために残し、残りを生成液として抜き出す。したがって、上述の工程を繰り返すことにより、高濃度の目的とするヨウ化水素酸の水溶液を得ることができる。
このとき、電気透析槽1での電気透析法により得られたヨウ化水素酸の水溶液中には少量の塩化水素酸および硫酸の少なくともいずれかが存在する。このため、このヨウ化水素酸の水溶液を、このまま蒸留するとヨウ化水素酸と硫酸との反応により、ヨウ素およびイオウの少なくともいずれかが生成し、留出液が白濁する。
したがって、このヨウ化水素酸の水溶液を蒸留する前に硫酸を除去する必要がある。そして、この硫酸の除去は、少量の硫酸を含有するヨウ化水素酸の水溶液中へ水酸化バリウムあるいは硫酸以外のバリウム塩を添加して、硫酸をバリウム塩として沈殿させて分離させる硫酸バリウム分離工程とする。ここで、使用するバリウム化合物の中、硫酸以外のバリウム塩とは、炭酸バリウム(BaCO)や、塩化バリウム(BaCl)などである。
さらに、このバリウム化合物の添加量は、通常、ヨウ化水素酸の水溶液中に含まれている硫酸に等しいモル以上、すなわち1倍以上1.5倍以下のモル程度である。すなわち、このバリウム化合物の添加量が少ない場合には、ヨウ化水素酸の水溶液中に硫酸が残る。これに対し、バリウム化合物の添加量が多い場合には、経済的ではない。また、このときの処理温度は、通常、室温以上60℃以下程度の範囲であり、処理時間は、通常、30分以上3時間以下程度で良い。
そして、生成された硫酸バリウムは微細の白色結晶となるので、これを濾過あるいは遠心沈降により分離する。このとき、一部の硫酸バリウムがヨウ化水素酸の水溶液中に溶解するが、後述する蒸留工程で特に悪作用を現すことなく、蒸留釜残中に白色スラリーとして析出する。この白色スラリーを硫酸バリウム分離工程へと戻すことにより、全量の硫酸バリウムが循環されて除去される。この結果、ヨウ化水素酸の水溶液から硫酸および硫酸塩を効率良く除去できるので、容易に高純度のヨウ化水素酸を製造できる。
次いで、少量の硫酸をバリウム塩として除去した後のヨウ化水素酸の水溶液中には、なお少量の塩化水素酸が含有されている。そして、このヨウ化水素酸の水溶液中からの塩化水素酸の分離は、蒸留工程としての精製工程として蒸留により容易にできる。このとき、この蒸留の条件は、低温でできるため減圧蒸留が望ましく、通常、50mmHg程度の減圧下で行う。塩化水素酸を含有した留分を初留分として分離した後、濃度が約57質量%以上58質量%以下のヨウ化水素酸および水の共沸留分を得ることができる。なお、ヨウ化水素酸は極めて酸化されやすく、容易に着色するので操作のときにできるだけ空気との接触を避ける必要がある。このため、蒸留の操作は窒素気流の下が望ましい。この結果、極めて高純度のヨウ化水素酸を得ることができる。
また、このヨウ化水素酸の水溶液に各種水酸化アルカリを添加してから中和する製造工程によって、各種のヨウ素アルカリ塩類を得ることができる。ここで、これらアルカリの種類としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウムなどである。また、中和反応は、ヨウ化水素酸の水溶液中に水酸化アルカリの水溶液を添加しても良く、また、水酸化アルカリの水溶液中にヨウ化水素酸の水溶液を添加しても良い。そして、この中和のときのpHは、4以上10以下の範囲、好ましくは6以上8以下の範囲である。この結果、このヨウ素アルカリ塩類を容易に製造できるので、このヨウ素アルカリ塩類をより経済的に製造できる。
なお、上記各実施の形態では、室枠2内に陽イオン交換膜および陰イオン交換膜を交互に配置した電気透析槽1について説明したが、電気透析法にてヨウ化水素酸が選択的に分離できれば、どのような構成の電気透析装置であっても良い。
ブローイングアウト法により製造したヨウ素吸収液を原液Dとして、図1に示す旭硝子株式会社製CH−O型の電気透析槽1(組込み膜数10対、有効膜面積0.022m/枚)を用いて電気透析をした。
このとき、第1の陽イオン交換膜Kとして水素イオン選択透過膜であるセレミオンHSV膜(旭硝子株式会社製)を用いた。また、第1の陰イオン交換膜Aとして一価陰イオン選択透過膜であるセレミオンASV膜(旭硝子株式会社製)を用いた。
そして、ヨウ化水素酸が9.2質量%であり、硫酸水素ナトリウムが5.5質量%であり、塩化水素酸が0.3質量%である組成の原液D1000gを原液室12に供給し、1質量%のヨウ化水素酸水溶液700gである濃縮液Cを濃縮室13に供給した。また、各電極室11a,11bに10質量%の硫酸水溶液である極液P1000gを供給した。
この状態で、10V定電圧で1.5時間電気透析処理した後、各室の液組成をイオンクロマトグラフィにて分析した。この結果、原液室12内の原液Dのイオン濃度は、ヨウ素イオン濃度が1.4質量%で、硫酸イオン濃度が4.3質量%で、塩素イオン濃度が0.2質量%で、ナトリウムイオン濃度が1.0質量%であった。
また、濃縮室13内の濃縮液Cのイオン濃度は、ヨウ素イオン濃度が11.9質量%で、硫酸イオン濃度が0.4質量%で、塩素イオン濃度が0.1質量%で、ナトリウムイオン濃度が0.2質量%であった。
これらの結果、原液Dからのヨウ化水素酸の分離率が85.3%であり、濃縮液Cへ移動した酸および塩に対するヨウ化水素酸の選択率は87.8モル%であった。
次に、ブローイングアウト法により製造したヨウ素吸収液を原液Dとして、図2に示す旭化成株式会社製G4型を改造した電気透析槽1(3室/1組、組込み膜数10組、有効膜面積0.02m/枚)を用いて電気透析をした。
このとき、第1の陽イオン交換膜Kおよび第2の陽イオン交換膜Kとして陽イオン交換膜であるアシプレックスK−501膜(旭化成株式会社製)を用いた。また、第1の陰イオン交換膜Aとして一価陰イオン選択透過膜であるアシプレックスA−192膜(旭化成株式会社製)を用いた。
そして、ヨウ化水素酸が9.2質量%であり、硫酸水素ナトリウムが5.5質量%であり、塩化水素酸が0.3質量%である組成の原液D1000gを第1の溶液室21に供給した。同時に、1質量%のヨウ化水素酸水溶液である濃縮液C700gを第2の溶液室22に供給し、10質量%の硫酸水溶液1000gである酸の水溶液を第3の溶液室23に供給した。また、各電極室11a,11bには10質量%の硫酸水溶液である極液P800gを供給した。
この状態で、10V定電圧で3時間電気透析処理した後、各室の液組成をイオンクロマトグラフィにて分析した。この結果、第1の溶液室内21の原液Dのイオン濃度は、ヨウ素イオン濃度が1.0質量%で、硫酸イオン濃度が4.7質量%で、塩素イオン濃度が0.3質量%で、ナトリウムイオン濃度が1.1質量%であった。
また、第2の溶液室22内の濃縮液Cのイオン濃度は、ヨウ素イオン濃度が11.5質量%で、硫酸イオン濃度が0.4質量%で、塩素イオン濃度が0.1質量%で、ナトリウムイオン濃度が0.03質量%であった。さらに、第3の溶液室内23の水溶液のイオン濃度は、硫酸イオン濃度が9.1質量%で、ナトリウムイオン濃度が0.1質量%であった。
これらの結果、原液Dからのヨウ化水素酸の分離率が90.5%であり、濃縮液Cへ移動した酸および塩に対するヨウ化水素酸の選択率は90.3モル%であった。
次に、ブローイングアウト法により製造したヨウ素吸収液を原液Dとして、図3に示す旭化成株式会社製G4型の電気透析槽1(4室/1組、組込み膜数10組、有効膜面積0.02m/枚)を用いて電気透析をした。
このとき、第1の陽イオン交換膜Kおよび第2の陽イオン交換膜Kとして陽イオン交換膜であるアシプレックスK−501膜(旭化成株式会社製)を用いた。また、第1の陰イオン交換膜Aおよび第2の陰イオン交換膜Aとして一価陰イオン選択透過膜であるアシプレックスA−192膜(旭化成株式会社製)を用いた。
そして、ヨウ化水素酸が9.2質量%であり、硫酸水素ナトリウムが5.5質量%であり、塩化水素酸が0.3質量%である組成の原液D2890gを第1の溶液室31に供給し、1質量%のヨウ化水素酸水溶液である濃縮液C600gを第2の溶液室32に供給した。同時に、10質量%の硫酸水溶液である酸の水溶液2000gを第3の溶液室33に供給し、1質量%の硫酸水素ナトリウム水溶液である塩の水溶液600gを第4の溶液室34に供給した。また、各電極室11a,11bには5質量%の硫酸水素ナトリウム水溶液である極液P1000gを供給した。
この状態で、10V定電圧で2時間電気透析処理した後、各室の液組成をイオンクロマトグラフィにて分析した。この結果、第1の溶液室31内の原液Dのイオン濃度は、ヨウ素イオン濃度が0.5質量%で、硫酸イオン濃度が4.8質量%で、塩素イオン濃度が0.3質量%で、ナトリウムイオン濃度が1.0質量%であった。
また、第2の溶液室32内の濃縮液Cのイオン濃度は、ヨウ素イオン濃度が24.3質量%で、硫酸イオン濃度が1.1質量%で、塩素イオン濃度が0.1質量%であった。さらに、第3の溶液室33内の水溶液のイオン濃度は、硫酸イオン濃度が0.6質量%であった。また、第4の溶液室34内の水溶液のイオン濃度は、硫酸イオン濃度が18.5質量%で、ナトリウムイオン濃度が0.7質量%であった。
これらの結果、原液Dからのヨウ化水素酸の分離率が95.7%であり、濃縮液Cへ移動した酸および塩に対するヨウ化水素酸の選択率は93.5モル%であった。
次に、上記実施例3で得られたヨウ素イオンが2.03モル、硫酸イオンが0.12モル、塩素イオンが0.02モルの組成の濃縮液C1058gを、三ツ口フラスコに秤取し、窒素気流、室温および攪拌下で、水酸化バリウム8水和物41.0gを添加した。
この後、30分間攪拌した後、析出した結晶を濾過し、少量の水で洗浄してから、濾液1150gを得た。そして、この濾液の組成をイオンクロマトグラフィにて分析した結果、ヨウ素イオンが22.1質量%で、塩素イオンが0.1質量%であり、硫酸イオンは全く検出されなかった。
次に、上記実施例4で得られた濾液を蒸留フラスコに移し、内径が18mmで塔高が1mである図示しない磁製ラシヒ充填塔を用いて、窒素気流下で、減圧して濃縮した後に蒸留し、初留を分離してから、50mmHg、65℃以上66℃以下の留分328gを得た。このとき、この得られた留分を分析したところ、ヨウ化水素酸濃度が58質量%であり、イオンクロマトグラフィによる分析で他の無機塩は全く認められなかった。
次に、上記実施例5で得られた留分を用いて、各種水酸化アルカリにてpH6以上8以下に中和してから、濃縮および乾燥して、ヨウ素アルカリ塩類を得た。

Figure 2005058896
この結果、表1に示す組成の結晶を得ることができた。
本発明の第1の実施の形態の電気透析槽を示す説明図である。 本発明の電気透析槽の第2の実施の形態を示す説明図である。 本発明の電気透析槽の第3の実施の形態を示す説明図である。
符号の説明
1 電気透析槽
11a,11b 電極室
第1の陰イオン交換膜
第2の陰イオン交換膜
K 陽イオン交換膜
第1の陽イオン交換膜
第2の陽イオン交換膜
D 原液
P 極液

Claims (11)

  1. ヨウ化水素酸と他の無機酸およびこれらの塩のいずれかとを含む原液から、電気透析法にてヨウ化水素酸を選択的に分離する
    ことを特徴とするヨウ化水素酸の選択分離方法。
  2. 一対の電極室間を正極側から前記電極室に供給される極液を仕切る陽イオン交換膜につづいて第1の陰イオン交換膜および第1の陽イオン交換膜にて2つの試料室に交互に仕切った電気透析槽の前記第1の陰イオン交換膜と第1の陽イオン交換膜との間に原液を供給する
    ことを特徴とする請求項1記載のヨウ化水素酸の選択分離方法。
  3. 一対の正極側の電極室と負極側の電極室との間を正極側から前記電極室に供給される極液を仕切る陽イオン交換膜につづいて第1の陽イオン交換膜、第1の陰イオン交換膜および第2の陽イオン交換膜にて3つの試料室に交互に仕切った電気透析槽の前記第1の陰イオン交換膜と第2の陽イオン交換膜との間に原液を供給する
    ことを特徴とする請求項1記載のヨウ化水素酸の選択分離方法。
  4. 一対の正極側の電極室と負極側の電極室との間を正極側から前記電極室に供給される極液を仕切る陽イオン交換膜につづいて第1の陰イオン交換膜、第1の陽イオン交換膜、第2の陰イオン交換膜および第2の陽イオン交換膜にて4つの試料室に交互に仕切った電気透析槽の前記第1の陰イオン交換膜と第1の陽イオン交換膜との間および前記第2の陰イオン交換膜と前記第2の陽イオン交換膜との間のいずれかに原液を供給する
    ことを特徴とする請求項1記載のヨウ化水素酸の選択分離方法。
  5. 陰イオン交換膜として一価陰イオン選択透過膜を用いる
    ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載のヨウ化水素酸の選択分離方法。
  6. 原液としてブローイングアウト法にて製造したヨウ素吸収液を用いる
    ことを特徴とする請求項1ないし5いずれか記載のヨウ化水素酸の選択分離方法。
  7. ヨウ化水素酸と他の無機酸およびこれらの塩のいずれかとを含む原液と強酸の水溶液との複置換電気透析により、この原液からヨウ化水素酸を選択的に分離する
    ことを特徴とする請求項1ないし6いずれか記載のヨウ化水素酸の選択分離方法。
  8. 硫酸および硫酸塩のいずれかを含むヨウ化水素酸の水溶液に、水酸化バリウムおよび硫酸以外のバリウム塩の少なくともいずれかを添加して、前記水溶液中の硫酸および硫酸塩の少なくともいずれかをバリウム塩として沈殿除去する
    ことを特徴とするヨウ化水素酸中の硫酸および硫酸塩の除去方法。
  9. 塩化水素酸を含むヨウ化水素酸の水溶液を蒸留して、塩化水素酸を含む留分を初留として分離してから、ヨウ化水素酸を含む留分を得る
    ことを特徴とするヨウ化水素酸の精製方法。
  10. ヨウ化水素酸と他の無機イオンとを含む水溶液から、電気透析法にてヨウ化水素酸を選択的に分離する分離工程と、
    この分離工程で得られたヨウ化水素酸を含む水溶液へ水酸化バリウムおよび硫酸以外のバリウム塩の少なくともいずれかを添加して、前記水溶液に含まれる硫酸および硫酸塩の少なくともいずれかをバリウム塩として沈殿除去する沈殿工程と、
    この沈殿工程にて硫酸および硫酸塩の少なくともいずれかを除去した後のヨウ化水素酸水溶液を蒸留精製する精製工程と
    を具備したことを特徴とするヨウ化水素酸の製造方法。
  11. 請求項10記載のヨウ化水素酸の製造方法と、
    このヨウ化水素酸の製造方法の精製工程にて蒸留精製されたヨウ化水素酸を水酸化アルカリで中和してヨウ素アルカリ塩類を製造する製造工程と
    を具備したことを特徴とするヨウ素アルカリ塩類の製造方法。
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