JP2005055790A - 波長可変光フィルタ及びその製造方法 - Google Patents

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亮介 中村
Shinichi Kamisuke
真一 紙透
Akihiro Murata
昭浩 村田
Mitsuhiro Yoda
光宏 與田
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Abstract

【課題】 静電ギャップの調整等以外にも低圧駆動を図ることができる波長可変光フィルタ及びその製造方法を得る。
【解決手段】 高反射膜32が形成された面に対して垂直方向に高反射膜23を移動させて間隔を変位させ、高反射膜32と高反射膜23との間で反射する光から間隔に基づく所定波長の光を透過させる波長可変光フィルタにおいて、高反射膜23が形成された可動体21aと、可動体21aを吊すためのヒンジ21bが少なくとも可動体21aと異なる厚さで形成され、可動体21aを支持する支持部21cを含む支持体とを一体形成した可動部2を少なくとも備えたものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、波長分割多重化(WDM:Wavelegth Division Multiplexing )光通信網等において、光ファイバ中を伝送する異なる波長を有する複数の光の中から所望の波長を有する光を取り出すために光を波長選択的に透過させる波長可変光フィルタ及びその製造方法に関するものである。
従来の波長可変光フィルタは、ファブリ・ペロー干渉計の原理を利用したものである。基板上に固定鏡を形成し、その固定鏡と所定の間隔(以下、静電ギャップという)で平行に可動鏡を対向配置する。可動鏡に設けられた可動電極と固定鏡に設けられた固定電極との間に駆動電圧を印加することで、可動鏡が固定鏡に対して静電ギャップの範囲内で相対的に変化する。この静電ギャップは、マイクロマシーニング技術を用いて、固定鏡と可動鏡との間に予め所定の形状及び大きさの犠牲層を設けた後、この犠牲層をエッチングによりすべて、あるいは一部を除去することによって形成する(例えば、特許文献1参照)。
また、従来の波長可変光フィルタには、SOI(Silicon on Insulator)ウェハの二酸化シリコン(SiO2 )層を犠牲層として用いて、上記静電ギャップを形成しているものもある(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−174721公報([請求項9],[0005],[0018],[0037],[0049]〜[0056]、図6) 米国特許6341039号明細書(第6欄〜第7欄、図4A〜図4I)
このように、波長可変光フィルタでは可動鏡に設けられた可動電極と固定鏡に設けられた固定電極とにより形成される平行板コンデンサに駆動電圧を印加することにより可動鏡と固定鏡との間に静電引力を発生させ、可動鏡を固定鏡に対して変化させている。ここで、面積S、間隔dの2枚の極板が誘電率εの誘電体を隔てて対向して構成される平行板コンデンサに駆動電圧Vを印加した場合、2枚の極板に働く静電引力Fは、周知の通り式(1)で表される。
F=(1/2)・ε・(V/d)2 ・S …(1)
式(1)から考えると、静電ギャップと駆動電圧とは反比例の関係にある。つまり、同じ静電引力を得るためには、静電ギャップを狭くすれば、駆動電圧を低減させることができる。ただ、製造条件その他の関係から、静電ギャップを狭くするには限界があるため、さらなる駆動電圧の低減を図るためには他の手段を必要とする。また、駆動電圧を低減するために、可動鏡を可動させ、支持する基板の厚さを薄くすることも考えられるが、可動鏡等を多層膜で構成すれば、可動鏡に反りが発生し、波長選択性、耐久性等、品質に問題が生じるし、基板の強度も低下する。
本発明は、上記のような課題を解決するため、静電ギャップの調整等以外にも低圧駆動を図ることができる波長可変光フィルタ及びその製造方法を得ることを目的とする。
本発明に係る波長可変光フィルタは、固定鏡が形成された面に対して垂直方向に可動鏡を移動させて間隔を変化させ、固定鏡と可動鏡との間で反射する光から間隔に基づく所定波長の光を透過させる波長可変光フィルタにおいて、可動鏡が形成された可動体と、可動体を吊すための吊り手段が少なくとも可動体と異なる厚さで形成され、可動体を支持する支持体とを有する可動部を少なくとも備えたものである。
本発明によれば、可動体と吊り手段とを異なる厚さで形成するようにし、特に吊り手段を可動体よりも薄くすることによってバネ定数を低くし、可動体を変化をさせるための静電力を小さくすることができる。そのため、駆動電圧も低くすることができ、消費電力の低減を図ることができる。また、可動体は薄くしないので、可動体に設ける可動鏡には反りが発生せず、波長選択性、耐久性等を損なわず、品質の高い波長可変光フィルタを得ることができる。特に、基板を加工して可動体と支持体とを一体形成する場合は、加工を加えなければ同じ厚さのままであるが、このような加工をすることにより、上記のような有効な効果を有する波長可変光フィルタを得ることができる。これは、吊り手段だけでなく支持体も含めて可動体と異なる厚さで形成しても同様の効果を得ることができる。
また、本発明に係る波長可変光フィルタは、ある波長の光を反射する可動鏡が一方の面に形成され、一方の面と垂直方向に駆動可能な可動体と、可動体よりも薄い厚さで形成されている吊り手段を介して可動体を支持する支持体とが一体形成された可動部と、可動体と所定の静電ギャップを隔てて一方の面と反対の面で対向して設けられた駆動電極を有する駆動電極部と、可動鏡と所定の光学ギャップを隔てて対向した固定鏡を有する光学ギャップ部とが互いに接合されている。
本発明によれば、各部を高精度(特に厚さ方向)に作製することができ、その各部を接合することにより、調整なく所定の電圧印加で設計通りの動作を行う品質のよい波長可変光フィルタを得ることができる。特に例えばウェハ単位で複数のフィルタを一度に製造する場合でも、各フィルタの動作にばらつきが生じず、均一になるように製造することができる。しかも、吊り手段を薄く形成加工した後に接合することで、駆動電極部側又は光学ギャップ部側の片面又は両面からの加工を高精度に行うことができる。
また、本発明に係る波長可変光フィルタは、一方の面側又は反対側の面の少なくとも一方に空間が設けられて吊り手段の厚さが可動体よりも薄く形成されている。
本発明によれば、一方の面側又は反対側の面の少なくとも一方に空間があり、それによって薄く形成されているので、吊り手段によるバネ定数を低くすることができる。特に両面側から除かれた場合には、吊り手段が可動体の中心位置とつながって、可動体を吊っているので、可動体の変化を安定して行わせることができる。
また、本発明に係る波長可変光フィルタは、ドライエッチング法又はウェットエッチング法の少なくとも1の方法を用いて空間を形成して吊り手段の厚さを可動体よりも薄く形成する。
本発明によれば、ドライエッチング又はウェットエッチングを用いることにより、可動体よりも薄い吊り手段を一度に複数形成することができる。
また、本発明に係る波長可変光フィルタは、可動部をシリコンで構成し、駆動電極部又は光学ギャップ部のいずれか一方又は両方をガラスで構成する。
本発明によれば、例えば、少なくとも可視光において透明なガラスを用いることにより、可動部の動作チェックを容易に行うことができる。また、光学ギャップ部をガラスで構成すれば透過させる光の波長を可視光を含め、幅広く選択することができる。さらに、製造の際、各部の接合を陽極接合、低融点ガラス接合により行うことができるので、静電ギャップ及び光学ギャップを所定の間隔に保ったまま高精度に接合することができる。
また、本発明に係る波長可変光フィルタは、駆動電極上又は可動体の駆動電極に対向した領域のいずれか一方又は両方に絶縁膜が形成されている。
本発明によれば、絶縁膜を形成することにより、駆動電極及び可動体に電圧を印加して可動体を静電駆動させた場合に、生じうる駆動電極と可動体とのスティッキング(貼り付き)を防止することできる。
また、本発明に係る波長可変光フィルタの製造方法は、固定鏡が形成された面に対して垂直方向に可動鏡を移動させて間隔を変化させ、固定鏡と可動鏡との間で反射する光から間隔に基づく所定の波長の光を透過させる波長可変光フィルタの製造方法であって、可動鏡を設ける可動体と可動体を吊り手段を介して支持する支持体とを一体形成する方法であって、少なくとも吊り手段を、可動体と異なる厚さで形成するものである。
本発明によれば、可動体と吊り手段とを異なる厚さにしつつ可動体と支持体とを一体形成し、特に吊り手段が可動体よりも薄くすることによってバネ定数を低くし、可動体を変化をさせるための静電力を小さくすることができる。そのため、駆動電圧も低くすることができ、消費電力の低減を図ることができる。また、可動体は薄くしないので、可動体に設ける可動鏡には反りが発生せず、波長選択性、耐久性等を損なわず、品質の高い波長可変光フィルタを得ることができる。
また、本発明に係る波長可変光フィルタの製造方法は、可動体と支持体とを空間的に仕切る開口部を吊り手段の厚さまでエッチングした後、吊り手段となる部分を残してさらにエッチングして開口させ、一体形成するものである。
本発明によれば、2段階でエッチングすることにより可動部よりも薄い吊り手段を形成するようにしたので、所望の形状の吊り手段を高精度(特に厚さ方向において)に形成することができる。
また、本発明に係る波長可変光フィルタの製造方法は、吊り手段の厚さまでのエッチングはドライエッチング法又はウェットエッチング法で行い、吊り手段となる部分を残して行うエッチングはドライエッチング法で行う。
本発明によれば、開口させる段階のエッチングをドライエッチングで行うようにしたので、あらかじめ駆動電極等を有する部材と接合している場合でも、駆動電極をエッチャントに晒して、損なわせずにすみ、品質のよいフィルタを得ることができる。
また、本発明に係る波長可変光フィルタの製造方法は、固定鏡が形成された面に対し、静電力により可動体を垂直方向に移動させて間隔を変化させ、固定鏡と可動体に設けられた可動鏡との間で反射する光から間隔に基づく所定波長の光を透過させる波長可変光フィルタの製造方法であって、第1の基板に第1の凹部を形成した後、第1の凹部の底面に駆動電極を形成して駆動電極部とする第1の工程と、第2の基板に第2の凹部を形成した後、第2の凹部の底面に固定鏡を形成して光学ギャップ部とする第2の工程と、第3の基板と駆動電極部とを接合し、可動体、支持体及び可動体と厚さが異なる吊り手段を第3の基板に一体形成し、可動体上に可動鏡を形成する第3の工程と、可動鏡と固定鏡とを対向させて、第3の工程で製造された接合体と光学ギャップ部とを接合する第4の工程とを少なくとも有する。この第1の工程と第2の工程との手順の順序は任意でよい。
本発明によれば、各部を高精度(特に厚さ方向において)に作製した後、接合して波長可変光フィルタを製造するようにしたので、調整なく所定の電圧印加で設計通りの動作を行う品質のよい波長可変光フィルタを製造することができる。特に駆動電極と可動体との間隔を狭く形成することができ、しかも、吊り手段を薄くしているので、従来よりも低電圧で駆動でき、消費電力の低減を図ることができる。
また、本発明に係る波長可変光フィルタの製造方法は、固定鏡が形成された面に対し、静電力により可動体を垂直方向に移動させて間隔を変化させ、固定鏡と可動体に設けられた可動鏡との間で反射する光から間隔に基づく所定波長の光を透過させる波長可変光フィルタの製造方法であって、第1の基板に第1の凹部を形成した後、第1の凹部に駆動電極を形成して駆動電極部とする第1の工程と、第2の基板に第2の凹部を形成した後、第2の凹部に固定鏡を形成して光学ギャップ部とする第2の工程と、導電性を有し可動鏡が形成された第3の基板と光学ギャップ部とを、可動鏡と固定鏡とを対向させて接合し、可動体、支持体及び可動体と厚さが異なる吊り手段を第3の基板に形成する第3の工程と、第3の工程で製造された構造体と駆動電極部とを、可動体と駆動電極とを対向させて接合する第4の工程とを少なくとも有する。この第1の工程と第2の工程との手順の順序は任意でよい。
本発明によれば、各部を高精度(特に厚さ方向)に作製した後、接合して波長可変光フィルタを製造するようにしたので、調整なく所定の電圧印加で設計通りの動作を行う品質のよい波長可変光フィルタを製造することができる。特に駆動電極と可動体との間隔を狭く形成することができ、しかも、吊り手段を薄くしているので、従来よりも低電圧で駆動でき、消費電力の低減を図ることができる。
また、本発明に係る波長可変光フィルタの製造方法は、第3の工程において、可動体と支持体とを空間的に仕切る開口部を吊り手段の厚さまでエッチングした後、吊り手段となる部分を残してさらにエッチングして開口させて、可動体、支持体及び可動体と厚さが異なる吊り手段を第3の基板に形成する。
本発明によれば、2段階でエッチングすることにより可動部よりも薄い吊り手段を形成するようにしたので、所望の形状(特に厚さ)の吊り手段を高精度に形成することができる。
また、本発明に係る波長可変光フィルタの製造方法は、第3の工程において、可動体と支持体とを空間的に仕切る開口部を吊り手段の厚さまでエッチングした後、エッチングした側の面を接合し、吊り手段となる部分を残して接合した面と反対の面からエッチングして所望の部分を開口させて、可動体、支持体及び可動体と厚さが異なる吊り手段を第3の基板に形成する。
本発明によれば、吊り手段を薄くするためのエッチングを施した後に、その面を接合するようにしたので、所望の部分を開口させるため、反対の面にエッチングを行う場合は、従来と同様のレジストパターンを用いることができる。また、両面からエッチングを施し、可動体の中央部分でつながった吊り手段を形成することができるので、可動体を安定して変化させることができる。
また、本発明に係る波長可変光フィルタの製造方法は、第3の工程において、ベース層、絶縁層及び導電性を有する活性層を順次積層した基板の活性層を第3の基板とし、活性層側から積層された基板を接合した後にベース層及び絶縁層を順次除去し、活性層に可動体、支持体及び可動体と厚さが異なる吊り手段を形成する。
本発明によれば、ベース基板により活性層を安定させて接合した後に除去するようにしたので、可動部となる薄い基板を安定させて接合することができる。また、ベース層除去の際、絶縁層がエッチングストッパの役割を果たすので、第3の基板となる活性層の厚さを高精度に維持することができる。
また、本発明に係る波長可変光フィルタの製造方法は、SOI基板、SOS基板又は少なくとも一方の面にシリコン酸化膜を形成したシリコン基板とシリコン基板とをシリコン酸化膜を形成した面で貼り合わせた基板を積層した基板とする。
本発明によれば、シリコンをエッチングする際の、エッチングストッパの役割を果たす材料を挟んだSOI基板、SOS基板を用いるようにしたので、その活性層を用いて、第3の基板を高精度に形成することができる。
また、本発明に係る波長可変光フィルタの製造方法は、第1の工程において、少なくとも駆動電極上に絶縁膜を形成する工程をさらに有する。
本発明によれば、駆動電極上に絶縁膜を形成する工程を有することにより、駆動電極と可動体との間で生じうるスティッキング(貼り付き)を防止することできる。
また、本発明に係る波長可変光フィルタの製造方法は、第3の工程において、可動体として駆動電極に対向する第3の基板上の領域に絶縁膜を形成した後、駆動電極と絶縁膜を形成した面と対向させて接合する。
本発明によれば、可動体となる領域に絶縁膜を形成する工程を有することにより、駆動電極と可動体との間で生じうるスティッキング(貼り付き)を防止することできる。
また、本発明に係る波長可変光フィルタの製造方法は、第1の工程において、第1の基板の第1の凹部を形成した側及び反対側の面に反射防止膜を形成し、
第2の工程において、第2の基板の第2の凹部を形成した側とは反対側の面に反射防止膜を形成し、
第3の工程においては、可動体として駆動電極に対向する第3の基板上の領域に反射防止膜を形成した後、駆動電極と絶縁膜を形成した面と対向させて接合する工程をさらに有する。
本発明によれば、各工程において、基板と空間との界面に反射防止膜を形成することによって、基板による光の反射を防止し、また、固定鏡、可動鏡の間にノイズとなる光が入射されるのを防止することができる。
また、本発明に係る波長可変光フィルタの製造方法は、第3の基板はシリコンからなり、第1の基板又は第2の基板のいずれか一方又は両方はガラスからなり、第3の工程又は第4の工程のいずれか一方又は両方における接合を、陽極接合、低融点ガラス接合又は接着剤による接合により行う。
本発明によれば、第1の基板又は第2の基板のいずれか又は両方をガラスで構成し、第3の基板をシリコンで構成するようにしたので、接着剤を用いずに接合できる陽極接合、低融点ガラス接合を行うことができる。この場合は、精度の高い(特に厚さ方向)、強固な接合を行うことができる。接着剤を用いれば容易に接合を行える。また、第3の基板に形成された可動部分の動作チェックを容易に行うことができる。さらに、第2の基板をガラスで構成すれば、透過させる光の波長を可視光を含め、幅広く選択することができる。さらに、製造の際、各部の接合を陽極接合、低融点ガラス接合により行うことができるので、静電ギャップ及び光学ギャップを所定の間隔に保ったまま高精度に接合することができる。
実施の形態1.
図1は本発明の第1の実施の形態における波長可変光フィルタを示す断面図である。図1は波長可変光フィルタの略中央の位置における断面図である(図2のA−A' 断面参照)。本実施の形態の波長可変光フィルタは、駆動電極部1、可動部2及び光学ギャップ部3で構成されている。非駆動時においては、駆動電極部1の駆動電極12(電極絶縁膜13)と可動部2の可動体21aとの間ではその間隔が約4μmの静電ギャップEGが、可動部2の可動体21aと光学ギャップ部3の高反射膜32との間ではその間隔が約30μmの光学ギャップOGがそれぞれ形成されている。
駆動電極部1は、断面略コ字状のガラス基板11の略中央部に形成された凹部11a上に略リング状の駆動電極12及びその駆動電極上に電極絶縁膜13が形成され、構成されている。第1の基板となるガラス基板11は、例えば、ナトリウム(Na)やカリウム(K)等のアルカリ金属を含有したガラスを材料とする。この種のガラスとしては、例えば、アルカリ金属を含有したホウケイ酸ガラスがある。ここで、後述するように駆動電極部1と可動部2とを陽極接合により接合する場合には、ガラス基板11を加熱するため、ガラス基板11となるガラスは可動部2となるシリコンと熱膨張係数がほぼ等しいことが要求される。この要求に応えるガラスとしては、例えばコーニング社製#7740(商品名)が好ましい。
駆動電極12は、例えば、金(Au)やクロム(Cr)等の導電性金属又は透明導電性材料からなる。透明導電性材料としては、例えば、酸化錫(SnO2 )、酸化インジウム(In2 3 )、あるいは錫ドープ酸化インジウム(ITO:Indium Tin Oxide)等がある。駆動電極12の厚さは例えば0.1〜0.2μmとする。なお、駆動電極12はガラス基板11の外部に設けられた端子(図示せず)と配線を介して電気的に接続されている。絶縁膜13は、例えば二酸化シリコン(SiO2 )、窒化シリコン(SiNx )等からなり、駆動電極12と可動体21aとのスティッキング(貼り付き)を防止するために成膜されている。反射防止膜18及び19は、外部からの入射光がガラス基板11の界面で反射されてしまわないように設けるものである。反射防止膜18及び19は、例えば二酸化シリコン(SiO2 )の薄膜と五酸化タンタル(Ta2 5 )の薄膜とを交互に積層した多層膜からなる。また、窒化シリコン(SiNx )、シリコンオキシナイトライド(SiON)薄膜等を積層して形成することもできる。
図2は波長可変光フィルタを構成する可動部基板21の上面図である。可動部2は、可動部基板21、反射防止膜22及び高反射膜23とから構成されている。第3の基板となる可動部基板21は、例えばシリコン(Si)からなり、約10μmの厚さを有している。図2に示すように、本実施の形態では、可動体21aと、吊り手段となる4個のヒンジ21bと、支持部21cとが一体形成されて構成されており、開口部21dとなる空間により仕切られて各部に分かれている。ヒンジ21b及び支持部21cとで支持体を構成する。ここで開口部21dには、図2で示した空間だけでなく、ヒンジ21bを薄く形成するためにとり除いた空間も含むものとする。可動体21aは、略円盤状であり、可動部基板21の略中央に形成されている。可動体21aは、その周縁部に形成された4個のヒンジ21bを介して支持部21cに支持されており、可動部基板21が成す面と垂直な方向に移動することができる。
4個のヒンジ21bは、可動体21aの周縁に、隣接するもの同士が約90度の角度をなして位置している。本実施の形態では、図1に示すように4個のヒンジ21bの厚さは、少なくとも可動体21aの厚さよりも薄く形成する。これによりヒンジ21bが有する弾性によって決まるバネ定数を低くして従来の静電力より小さくても可動体21aが従来と同程度の変化を得られるようにする。したがって、静電力を発生させるために印加する電圧を低くし、消費電力の低減を図ることができる。もちろん、静電力が働いていない場合に可動体21aの重量を有効に支えられることが支持体として必要であるため、可動体21aの重量、大きさ、ヒンジ21bの数、可動部基板21の厚さ等により薄さは異なるためにその範囲は規定できないものの、これがヒンジ21bの薄さの限界となる。したがって、ヒンジ21bを薄くしすぎてもよくない。なお、本実施の形態では、可動部基板21a及び支持部21cのそれぞれ下の部分(駆動電極部1側)がヒンジ21bとつながっている。
ここで、本実施の形態では可動体21aを円盤状にしているが、形状は円盤状に限るものではない。例えば、正多角形等、可動体21aが高反射膜32(可動部基板21面)に対して垂直に移動し、所定の光学ギャップOGを保てるような形状であればよい。また、ヒンジ21bの形状やその数については、可動体21aの重量を支えられ、所定の駆動電圧で所望する可動体21aの変位が行えるのであれば、本実施の形態で示した形状、数に限らず、任意でよい。
反射防止膜22は、可動体21aの下面(駆動電極部1側)のほぼ全域に、可動体21aの形状に合わせ、略円盤状に形成される。反射防止膜22は、例えば二酸化シリコン(SiO2 )の薄膜と五酸化タンタル(Ta2 5 )の薄膜とを交互に積層した多層膜からなる。また、窒化シリコン(SiNx )、シリコンオキシナイトライド(SiON)薄膜を積層して反射防止膜22を形成することもできる。反射防止膜22は、図1において駆動電極部1の略中央下方(図1の矢印参照)から入射された光が図中下方に反射されるのを防止するとともに、一旦反射防止膜22の上方に透過された後、高反射膜23で反射された光が図中上方に再度反射されるのを防止する。可動鏡となる高反射膜23は、可動体21aの上面(光学ギャップ部3側)のほぼ全域に、可動体21aの形状に合わせて略円盤状に形成され、反射防止膜22と同様に二酸化シリコン(SiO2 )の薄膜と五酸化タンタル(Ta2 5 )の薄膜とを交互に積層した多層膜(約2〜40層)からなる。反射防止膜22と高反射膜23とは薄膜の膜厚が異なり、膜厚を調整することにより、所定の波長の光に対して反射膜ともなり得るし、反射防止膜ともなり得る。高反射膜23は、図1において駆動電極部1の略中央下方(図1の矢印参照)から入射され、一旦その上方に透過された光を、光学ギャップ部3を構成するガラス基板31の下面(可動部2側)に形成された高反射膜32との間で複数回にわたって反射させるためのものである。ここで高反射膜とは、例えば反射率95%以上の反射膜をいうものとする。本実施の形態の多層膜では反射率は98%以上である。
光学ギャップ部3は、ガラス基板31、高反射膜32及び反射防止膜33で構成されている。第2の基板となるガラス基板31は、ガラス基板11と同一の材質のガラスからなり、その略中央部に凹部31aが形成された断面略両持ち梁状である。高反射膜32は、光学ギャップ部3の凹部31aの下面(可動部2側)に、高反射膜23と同様、例えば略円盤状に形成され、二酸化シリコン(SiO2 )の薄膜と五酸化タンタル(Ta2 5 )の薄膜とを交互に積層した多層膜からなる。固定鏡となる高反射膜32は、図1において可動部2の略中央下方から入射され、一旦その上方に透過された光を、可動部2を構成する高反射膜23との間で複数回にわたって反射させるためのものである。反射防止膜33は、光学ギャップ部3の略中央上面に略円盤状に形成され、二酸化シリコン(SiO2 )の薄膜と五酸化タンタル(Ta2 5 )の薄膜とを交互に積層した多層膜からなる。反射防止膜33は、図1において光学ギャップ部3を構成するガラス基板31を透過した光が図中下方に反射されるのを防止する。
図3〜図8は第1の実施の形態に係る波長可変光フィルタの製造工程を表す図である。図3及び図4は第1の工程となる駆動電極部1の作製工程を表す。図5は可動部2となるSOI基板24の処理工程を表す。図6及び図7は第3の工程が含まれる、可動部2となるSOI基板24と駆動電極部1との接合体の作製工程を表す。図8は第2の工程となる光学ギャップ部3の作製工程を表す。
まず、駆動電極部1の作製工程を図3及び図4に基づいて説明する。駆動電極部1を製造するために、前述したコーニング社製#7740からなるガラス基板14(図3(1)参照)の一方の面に、図3(2)に示すように、金(Au)やクロム(Cr)等の金属膜15を形成する。金属膜15の形成には、化学的蒸着(CVD:Chemical Vapor Deposition )装置や物理的蒸着(PVD:Physical Vapor Deposition )装置を使用する。ここで、PVD装置としては、例えば、スパッタリング装置、真空蒸着装置、イオンプレーティング装置等がある。マスク材としての金属膜15に金(Au)を用いる場合には、クロム(Cr)を例えば、0.03μm成膜した後、金を例えば、0.07μm成膜する。
次に、金属膜15上の全面にフォトレジスト(図示略)を塗布する。フォトリソグラフィ(Photolithography)法を用いて、マスクアライナーで金属膜15上の全面に塗布されたフォトレジストを露光した後、現像液で現像し、ガラス基板14のうち、後にガラス基板11の凹部11a(図1参照)となる部分を形成するためのフォトレジストパターン(図示略)を形成する。次に、ウエットエッチング技術を使用して、例えば、塩酸又は硫酸(クロム膜の場合)、あるいは王水又は酸素や水の存在下でシアン化物イオンを含む溶液(金膜の場合)(以下、金属エッチング液と呼ぶ。)により金属膜15のうち不要な部分を除去した後、前述したフォトレジストパターンを除去して、図3(3)に示すエッチングパターン16を得る。
次に、ウエットエッチング技術を使用して、例えばフッ化水素酸(HF)によりガラス基板14のうち不要な部分を除去して図3(4)に示す凹部11aを形成する。その後、ウエットエッチング技術を使用して、上記した金属エッチング液によりエッチングパターン16を除去して、図3(5)に示すように、約4μmの深さを有する凹部11aが形成されたガラス基板11を得る。
さらに凹部11aが形成された面に、図3(6)に示すように、CVD装置やPVD装置を使用して、金(Au)、クロム(Cr)等の金属膜17を形成する。金属膜17の膜厚は、例えば、0.1〜0.2μmとする。次に、金属膜17上の全面にフォトレジスト(図示略)を塗布した後、フォトリソグラフィ技術を使用して、金属膜17のうち、後に駆動電極12となる部分を残すためのフォトレジストパターン(図示略)を形成する。次に、ウエットエッチング技術を使用して、上記した金属エッチング液により金属膜17のうち不要な部分を除去した後、前述したフォトレジストパターンを除去して、図4(1)に示すように、駆動電極12を得る。次に、CVD装置を使用して、図4(2)に示すように、駆動電極12上に二酸化シリコン(SiO2 )又は窒化シリコン(SiNx )からなる絶縁膜13を形成する。そして、略中央部に、CVD装置、PVD装置等を使用して、二酸化シリコン(SiO2 )の薄膜と五酸化タンタル(Ta2 5 )の薄膜とを交互に積層する(ここでは例えば10〜20層程度とする)ことにより、図4(3)に示す反射防止膜18及び19を形成する。以上説明した製造工程により、図1に示す駆動電極部1が製造される。
次に図5に基づいてSOI基板の処理工程について説明する。本実施の形態では、可動部2を製造するために、図5(1)のようなSOI基板24を用いる。SOI基板24は、ベース層25と、絶縁層26と、活性層27とから構成されている。ベース層25はシリコン(Si)からなり、その膜厚は例えば500μmである。絶縁層26は、二酸化シリコン(SiO2 )からなり、その膜厚は例えば4μmである。活性層27はシリコン(Si)からなり、その膜厚は例えば10μmである。可動部2の可動部基板21は他の基板に比べると薄く、そのまま接合するには困難である。そこで、ベース層25が厚く、安定したSOI基板24を用いて他の基板と接合した後に、ベース層25及び絶縁層26を除去する。したがって、本実施の形態の波長可変光フィルタでは、活性層27が最終的に可動部2となる。また、SOI基板24の絶縁層26がエッチングのストッパの役割を果たすため、厚さ精度の高い可動部基板21を得られる。
活性層27上の略中央部に、CVD装置、PVD装置等を使用して、二酸化シリコン(SiO2 )の薄膜と五酸化タンタル(Ta2 5 )の薄膜とを交互に積層する(ここでは例えば10〜20層程度とする)ことにより、図5(2)に示す反射防止膜22を形成する。ここではマスクを用いて所望の個所だけに膜が積層されるようにする。ただ、この膜は絶縁性を有しているため、光を反射させる部分以外にも形成し、絶縁膜としての機能を果たさせることもできる。
次に、駆動電極部1と図5(2)に示す反射防止膜22が形成されたSOI基板24とを、略円盤状の反射防止膜22が略リング状の駆動電極12のリング部分に対向するように接合する。接合方法としては、例えば、陽極接合(表面活性化接合)、接着剤による接合を用いることができる。このうち、陽極接合は、以下に示す工程を経て行われる。まず、駆動電極部1の上面(凹部11aを有する面)に、反射防止膜22が形成されたSOI基板24を、反射防止膜22が駆動電極12のリング部分に対向して載置した状態において、図示せぬ直流電源のマイナス端子をガラス基板11に接続するとともに、上記直流電源のプラス端子を活性層27に接続する。次にガラス基板11を例えば、数百℃程度に加熱しつつ、ガラス基板11と活性層27との間に、例えば数百V程度の直流電圧を印加する。ガラス基板11を加熱することにより、ガラス基板11に含まれるアルカリ金属のプラスイオン、例えば、ナトリウムイオン(Na+ )が移動しやすくなる。このアルカリ金属のプラスイオンがガラス基板11内を移動することにより、相対的に、ガラス基板11の活性層27との接合面がマイナスに帯電する一方、活性層27のガラス基板11との接合面がプラスに帯電する。この結果、シリコン(Si)と酸素(O)とが電子対を共有する共有結合により、図6のようにガラス基板11と活性層27とが接合される。なお、本実施の形態で用いているガラス基板はいわゆる低融点ガラスを材料とはしていないが、ガラス基板にいわゆる低融点ガラスを用いた場合には、ガラス界面を融着させて接合する、低融点ガラス接合を用いることもできる。
次に、図6に示す構造体からベース層25を除去することにより、図7(1)に示す構造体とする。このベース層25の除去には、ウエットエッチング若しくはドライエッチング又は研磨を用いる。エッチングによる除去法においては、絶縁層26が活性層27に対するエッチングのストッパーの役割を果たすために、駆動電極12に対向している活性層27がダメージを受けず、歩留まりの高い波長可変光フィルタを製造することができる。以下、ウエットエッチング除去法及びドライエッチング除去法について説明する。なお、研磨除去法については、半導体製造分野において用いられている周知の研磨除去法を用いることができるのでその説明を省略する。
(1)ウエットエッチング除去法
図6に示す構造体を例えば、1〜40重量%(好ましくは、10重量%前後)の濃度の水酸化カリウム(KOH)水溶液に浸漬することにより、ベース層25を構成するシリコン(Si)がエッチングされる。この場合、絶縁層26が、シリコン(Si)からなる活性層27に対するエッチングのストッパーの役割を果たす。
なお、この場合に用いるエッチング液としては、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH:TetraMethyl Ammonium Hydroxide)水溶液、エチレンジアミン−ピロカテコール−ジアジン(EPD:Ethylenediamine Pyrocatechol Diazine)水溶液、ヒドラジン(Hydrazine )水溶液などもある。ここで、ウェハ単位で複数形成されている場合には、生産条件等をほぼ等しくしつつ、一括した処理(バッチ処理)を行うことができ、生産性を向上させることができる。
(2)ドライエッチング除去法
図6に示す構造体をドライエッチング装置のチャンバー内に載置し、真空状態にした後、チャンバー内に例えば、圧力390Paの二フッ化キセノン(XeF2 )を60秒間導入することにより、ベース層25を構成するシリコン(Si)がエッチングされる。なお、四フッ化炭素(CF4 )や六フッ化硫黄(SF6 )を用いたプラズマエッチング法を用いることもできる。
次に、図7(1)に示す構造体について、ウエットエッチング技術を使用して、例えば、フッ化水素酸(HF)により、図7(2)に示すように、絶縁層26をすべて除去する。
そして、活性層27全面にフォトレジスト(図示略)を塗布した後、上記したフォトリソグラフィ技術により、可動部基板21となる部分を残すためのフォトレジストパターン(図示略)を活性層27上に形成する。ここで、本実施の形態ではヒンジ21bを薄く形成するため、ハーフエッチングを利用して2段階の異方性ドライエッチングを行うものする。そのため、第1段階では、開口部21dとなる部分(ヒンジ21bを薄くするために除く部分を含む)にフォトレジストを形成せずに、この部分が所望の厚さ(つまり、ヒンジ21bの厚さとなる)になるまでエッチングを行う。そして、第2段階において、ヒンジ21bとなる部分にフォトレジストを形成し、この部分を残しつつ、エッチングを行う。第1段階及び第2段階共にフォトレジストが形成されていない部分については貫通させ、開口部21dを形成する。
異方性ドライエッチングの方法としては、例えばドライエッチング装置のチャンバー(容器)内に載置した後、例えば、エッチングガスとして六フッ化硫黄(SF6 )を流量130cm3 /min(sccm)で6秒間、デポジション(堆積)ガスとして八フッ化シクロブタン(C48)を流量50cm3 /min(sccm)で7秒間交互にチャンバー内に導入し、不要な部分を除去する。このような異方性ドライエッチングを行うのは以下に示す理由による。まず、ウェットエッチング技術を使用した場合、開口部21dとなる穴からエッチング液が駆動電極部1側に侵入してしまい、駆動電極12や絶縁膜13を除去してしまうが、ドライエッチング技術を使用した場合はそのような危険性がない。また、等方性エッチングでは、活性層27が等方的にエッチングされ、サイドエッチングが発生する。特に、ヒンジ21bにサイドエッチングが発生した場合には、強度が弱くなり、耐久性が劣化してしまう。本実施の形態のように、ヒンジ21bを薄くするための処理を施している場合は、最悪の場合、ヒンジ21bとして残しておくべき部分もエッチングされてしまうおそれがある。これに対し、異方性エッチングを使用した場合には、サイドエッチングが発生せず、エッチング寸法の制御に優れており、ヒンジ21bの側面も略垂直に形成されるため、強度が弱くなることはない。ここでは、第1段階も第2段階も異方性ドライエッチングを用いたが、第1段階では、開口部21dが貫通しないので、異方性ウェットエッチングを用いることもできる。
エッチングをした後、図示せぬフォトレジストパターンを、例えば、酸素プラズマを使用して除去して、図7(3)に示すように、可動部基板21を得る。ここで、酸素プラズマを使用して図示せぬフォトレジストパターンを除去するのは、剥離液や硫酸その他の酸性の溶液を用いた場合には、可動部基板21に形成された穴から液が侵入し、駆動電極12や絶縁膜13を除去してしまうからである。
次に、可動部基板21の上面(光学ギャップ部3と対向する面)の略中央部に、CVD装置やPVD装置を使用して、二酸化シリコン(SiO2 )の薄膜と五酸化タンタル(Ta2 5 )の薄膜とを交互に、例えば、10〜20層程度積層することにより、図7(4)に示す高反射膜23を形成する。以上説明した工程により可動部2が作製される。
次に、光学ギャップ部3を製造するために、例えば、前述したコーニング社製#7740からなるガラス基板34(図8(1)参照)の一方の面に、図8(2)に示すように、CVD装置やPVD装置を使用して、金(Au)やクロム(Cr)等の金属膜35を形成する。マスク材としての金属膜35に金(Au)を用いる場合には、クロム(Cr)を例えば0.03μm成膜した後、金を例えば、0.07μm成膜する。
次に、金属膜35上の全面にフォトレジスト(図示略)を塗布し、上記したフォトリソグラフィ技術を使用して、ガラス基板34のうち、後にガラス基板31の凹部31a(図1参照)となる部分を形成するために、フォトレジストパターン(図示略)を形成する。次に、ウエットエッチング技術を使用して、上記した金属エッチング液により金属膜35のうち不要な部分を除去した後、図示せぬフォトレジストパターンを除去して、図8(3)に示すエッチングパターン36を得る。
次に、ウエットエッチング技術を使用して、例えば、フッ化水素酸(HF)によりガラス基板34のうち不要な部分を除去して図8(4)に示す凹部31aを形成した後、ウエットエッチング技術を使用して、上記した金属エッチング液によりエッチングパターン36を除去して、図8(5)に示すように、凹部31aが形成されたガラス基板31を得る。なお、ガラス基板31が図8(5)に示すように、断面略両持ち梁状となるのは、フッ化水素酸(HF)により等方的にエッチングされるためである。駆動電極基板1の凹部11aについても同様であるが、エッチングが深くないので目立たない。ここでは等方性エッチングを用いたので凹部31aはこのような形状になったが、固定鏡となる高反射膜32が所定の面積を確保でき、高反射膜22との平行性及び光学ギャップOGが確保できれば、その形状は問わない。
次に、ガラス基板31の凹部31aの上面(外側となる面)及び略下面(可動部2側)中央に、CVD装置やPVD装置を使用して、二酸化シリコン(SiO2 )の薄膜と五酸化タンタル(Ta2 5 )の薄膜とを交互に、例えば10〜20層程度積層することにより、図8(6)に示す高反射膜32及び反射防止膜33を形成する。以上説明した製造工程により、図1に示す光学ギャップ部3が作製される。
そして、高反射膜23と高反射膜32とが平行して対向するように、図7(4)に示す構造体と光学ギャップ部3とを接合する。この接合には、例えば、上記した陽極接合、表面活性化接合、接着剤による接合を用いる。この接合の際、内部が真空になるように真空チャンバー内で接合したり(真空封止)、減圧状態等、最適の圧力中で接合したりしても良い。
波長可変光フィルタとなる接合体をウェハ単位で複数一体作製している場合には、ダイシングを行って各波長可変光フィルタに切り離す。以上のような工程により、図1に示す波長可変光フィルタが製造される。
次に、上記構成の波長可変光フィルタの動作について、図1を参照して説明する。駆動電極12と可動体21aとの間には駆動電圧を印加する。この駆動電圧は、例えば60Hzの交流正弦波電圧やパルス状の電圧である。駆動電極12にはガラス基板11の外部に設けられた端子、配線(図示略)を介して印加し、一方、可動体21aには支持部21c及びヒンジ21b(図2参照)を介して駆動電極12との間に電位差を与える。駆動電圧による電位差のため、駆動電極12と可動体21aとの間に静電力が発生し、可動体21aが駆動電極12側に変化する、すなわち、静電ギャップEG及び光学ギャップOGが変化する。このとき、ヒンジ21bが弾性を有しているため、可動体21aは弾性的に変化する。
この波長可変光フィルタに、複数(例えば、60〜100)に分かれた赤外の波長帯域を有する光(それぞれの波長帯域には信号が含まれている)が図1において駆動電極部1の略中央下方(図1の矢印参照)から入射し、ガラス基板11を透過する。この光は、反射防止膜22によりほとんど反射されずに、かつ、シリコンからなる可動体21aを透過して、下方に高反射膜23が、上方に高反射膜32がそれぞれ形成された空間(反射空間)に進入する。上記反射空間に進入した光は、高反射膜23と高反射膜32との間で反射を繰り返し、最終的に高反射膜32及びガラス基板31を透過してこの波長可変光フィルタの上方から出射する。このとき、ガラス基板31の上面に反射防止膜33が形成されているため、光がガラス基板31と空気の界面でほとんど反射されずに出射する。
上記の高反射膜32(固定鏡)と高反射膜23(可動鏡)との間で光が反射を繰り返す過程において、高反射膜32と高反射膜23との間の距離(光学ギャップOG)に対応する干渉条件を満たさない波長の光は急激に減衰し、この干渉条件を満たした波長の光だけが最終的にこの波長可変光フィルタから出射する。これがファブリ・ペロー干渉計の原理であり、この干渉条件を満たした波長の光が透過することとなるため、駆動電圧を変更することにより、可動体21aが変化して光学ギャップOGが変更されると、透過する光の波長を選択することが可能となる。
このように、本実施の形態による波長可変光フィルタは、ガラス基板11を有する駆動電極部1と、シリコン(Si)からなる可動部2と、ガラス基板31を有する光学ギャップ部3とを高精度(特に厚み方向)に作製し、接合して構成されているので、静電ギャップEG及び光学ギャップOGが高精度で形成される。したがって、可動体21aと駆動電極12との間に、設計通りの静電引力を発生させ、可動体21aを変位させることができる。また、ヒンジ21bを可動体21a(可動部基板21)の厚みよりも薄く形成し、ヒンジ21bによるバネ定数が低くなるように構成したので、可動体21aを変位をさせるための静電力(ここでは静電引力)を小さくすることができる。そのため、駆動電圧も低くすることができ、消費電力の低減を図ることができる。また、ヒンジ21bは薄くしているが可動体21aは、そのままの厚みを有しているので、反射防止膜22や高反射膜23の応力により発生する反りが、可動体21aには発生しない。
また、この実施の形態による波長可変光フィルタでは、SOI基板24から可動部2を形成しているので、厚みのあるベース層25を基台として安定した接合を行え、また、エッチングストッパとなる絶縁層26を有しているので、高精度な膜厚を有する可動部基板21(可動体21a)を形成することができる。
実施の形態2.
図9は本発明の第2の実施の形態に係る波長可変光フィルタを示す断面図である。図1と同じ符号を付しているものは、第1の実施の形態で説明したものに相当するものであるので説明を省略する。本実施の形態の波長可変光フィルタは、可動部基板21a及び支持部21cのそれぞれ上の部分(光学ギャップ3側)がヒンジ21eとつながっているという点で第1の実施の形態の波長可変光フィルタと異なる。
図10は可動部2と光学ギャップ部3との接合体の作製工程を表す。第1の実施の形態では、駆動電極部1と可動部2との接合体を作製した後、光学ギャップ部3と接合した。本実施の形態は可動部2と光学ギャップ部3とを先に接合するものである。
次に図10に基づいて作製工程について説明する。ここで、第1の実施の形態ではSOI基板24の活性層27上に反射防止膜22を形成したが、本実施の形態では、高反射膜23を形成する。形成方法については第1の実施の形態で説明した方法と同様の方法で形成する。また、光学ギャップ3については第1の実施の形態で説明した方法で作製するものとして説明を省略する。
そして、図10(1)に示すように、光学ギャップ部3と高反射膜23が形成されたSOI基板24とを、高反射膜23と高反射膜32とが平行して対向するように接合する。この接合には、第1の実施の形態と同様に、例えば、陽極接合、接着剤による接合等を用いる。
接合体からベース層25を除去することにより、図10(2)に示す構造体とする。このベース層25の除去には、第1の実施の形態と同様にウエットエッチング若しくはドライエッチング又は研磨を用いる。また、ウエットエッチング技術を使用して、例えば、フッ化水素酸(HF)により、図10(3)に示すように、絶縁層26をすべて除去する。
そして、フォトリソグラフィ技術を用いて活性層27上にフォトレジストパターン(図示略)を形成し、第1の実施の形態と同様に2段階の異方性ドライエッチングを行う。この手順でエッチングを行った場合に、可動部基板21a及び支持部21cのそれぞれ上の部分(光学ギャップ3側)がヒンジ21eとつながった波長可変光フィルタが製造される。
エッチング後、例えば、酸素プラズマを使用してフォトレジストパターンを除去し、図10(4)のような可動部基板21を得る。そして、第1の実施の形態と同様にして、可動部基板21の下面(駆動電極12と対向する面)の略中央部に、図10(5)のように反射防止膜22を形成する。以上説明した工程により可動部2が作製される。
そして、第1の実施の形態で説明した方法で作成した駆動電極部1と接合体とを例えば陽極接合、接着剤による接合、表面活性化接合等の方法により接合し、ダイシング工程等を行い、図9に示す波長可変光フィルタが製造される。
実施の形態3.
図11は本発明の第3の実施の形態に係る波長可変光フィルタを示す断面図である。図1と同じ符号を付しているものは、第1の実施の形態で説明したものに相当するものであるので説明を省略する。本実施の形態の波長可変光フィルタは、可動部基板21a及び支持部21cの中心位置がヒンジ21fとつながっているという点で第1及び第2の実施の形態の波長可変光フィルタと異なる。
図12は可動部2となるSOI基板24の処理工程を表す。本実施の形態は、第1の実施の形態で説明したように、後に駆動電極部1との接合体を作製する工程を行うものとしてSOI基板24を処理する。まず、SOI基板24の活性層27上にフォトリソグラフィー技術を用いて開口部21dのフォトレジストパターン(図示略)を形成する。そして、図12(1)のように、ヒンジ21eとして残す部分の深さまでエッチングを行う。そして、第1の実施の形態と同様に、CVD装置、PVD装置等を使用して、図12(2)のような反射防止膜22を形成する。ここで、エッチングを施してから反射防止膜22を形成したが、フォトレジストによりエッチングから反射防止膜22を保護できる場合には、先に反射防止膜22を形成してからエッチングを行ってもよい。なお、第2の実施の形態のように、光学ギャップ部3と接合する場合には、反射防止膜の代わりに、高反射膜23を形成する。
そして、第1の実施の形態と同様に、図12(3)のように駆動電極部1と陽極接合等により接合し、ベース層25及び絶縁層26を除去した後、活性層27上にフォトリソグラフィー技術を用いて開口部21dのフォトレジストパターン(図示略)を形成する。そして、接合面と反対側の面からエッチングを行い、図12(4)のように開口部21d及びヒンジ21eを形成する。ここで、ヒンジ部分をフォトレジストによりレジストすれば、図9のように可動体21aと支持部21cとは上部(光学ギャップ部3側)でつながることになる(第2の実施の形態のように光学ギャップ部3と接合している場合には下部(駆動電極部1側)でつながる。以後、波長可変光フィルタが最終的に製造されるまでの工程については第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。本実施の形態におけるヒンジ21eは、可動体21aとその中心位置でつながっているので、可動体21aを安定して変化させることができる。
実施の形態4.
上述の実施の形態では図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、上述の実施の形態においては、可動部2を作製するのにSOI基板24を用いる例を示したが、これに限定されず、SOS(Silicon On Sapphire :Al2 3 )基板を用いてもよい。また、一方の面に二酸化シリコン(SiO2 )膜が形成されたシリコン基板と、他のシリコン基板とを上面同士を重ねて張り合わせたものを用いても良い。そして、可動部基板21の厚さを高精度にできるのであれば、シリコン基板を他の基板と接合した後に研磨したり、エッチングしたりして可動部基板21(可動部2)を得るようにしてもよい。
また、上述の実施の形態においては、駆動電極部1及び光学ギャップ部3の両方をガラス基板で構成する例を示したが、これに限定されず、駆動電極部1及び光学ギャップ部3は、赤外等の所望の透過波長帯域の光を透過する材料、例えば、シリコン、サファイヤ、ゲルマニウムなどを基板材料としても良い。
また、上述の実施の形態においては、駆動電極12上に絶縁膜13を形成する例を示したが、これに限定されず、可動体21aの下面であって、少なくとも駆動電極12に対向した領域に絶縁膜を形成しても良い。この絶縁膜の形成方法としては、例えば、シリコンを酸化性雰囲気中で加熱する熱酸化や、TEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)−CVD装置を使用して、それぞれ二酸化シリコン(SiO2 )膜を形成する。また、可動体21aの略中央下面に形成される反射防止膜22を構成する二酸化シリコン(SiO2 )膜も五酸化タンタル(Ta2 5 )膜もともに絶縁体である。そこで、反射防止膜22を可動体21aの下面全面に形成して、上記した絶縁膜として兼用しても良い。この場合、可動体21aの下面の周辺部については、反射防止膜22として機能するだけの層数を形成する必要はなく、絶縁膜として機能するだけの層数を形成すれば良い。さらに、上記絶縁膜13と、可動体21aの下面に形成する絶縁膜との両方を形成しても良い。このように、反射防止膜22を絶縁膜として兼用すれば、少ない製造工程で上述の実施の形態と同様の効果を得ることができ、安価に波長可変光フィルタを構成することができる。また、上述の実施の形態においては、光学ギャップ部3の下面全面に高反射膜32を形成する例を示したが、これに限定されず、高反射膜32は、光学ギャップ部3の下面のうち、高反射膜23に対向した領域だけに形成しても良い。
実施の形態5.
上述の実施の形態では、駆動電極部1、可動部2及び光学ギャップ部3の3層構造による波長可変光フィルタについて説明したが、本発明はこの構造のフィルタだけでなく、他の構造においても、ヒンジを介して可動鏡を設けた可動体を支持している波長可変光フィルタに適用することができる。
また、ヒンジ21b、21e及び21fを可動体21aの厚さよりも薄くしたが、例えば支持部21cの部分も可動体21aより薄くするようにしてもよい。この場合、静電ギャップEGとの間隔を考えると、ヒンジ21bのように駆動電極部1側にヒンジ21bがある方がよい。また、小型のフィルタではあまり実用的ではないが、ヒンジを可動体21aよりも厚くすることも考えられる。
第1の実施の形態を示す波長可変光フィルタの断面図。 波長可変光フィルタを構成する可動部基板21の上面図。 駆動電極部1の作製工程を表す図。 図3に続く駆動電極部1の作製工程を表す図。 SOI基板24の処理工程を表す。 SOI基板24と駆動電極部1との接合体の作製工程を表す図。 SOI基板24と駆動電極部1との接合体の作製工程を表す図。 光学ギャップ部3の作製工程を表す図。 第2の実施の形態を示す波長可変光フィルタの断面図。 可動部2と光学ギャップ部3との接合体の作製工程を表す図。 第3の実施の形態を示す波長可変光フィルタの断面図。 SOI基板24の処理工程を表す図。
符号の説明
1 駆動電極部、2 可動部、3 光学ギャップ部、11,14,31,34 ガラス基板、11a,31a 凹部、12 駆動電極、13 絶縁膜、15,17,35 金属膜、16,36 エッチングパターン、21 可動部基板、21a 可動体、21b,21e,21f ヒンジ、21c 支持部、21d 開口部、18,19,22,33 反射防止膜、23,32 高反射膜、24 SOI基板、25 ベース層、26 絶縁層、27 活性層、EG 静電ギャップ、OG 光学ギャップ。

Claims (19)

  1. 固定鏡が形成された面に対して垂直方向に可動鏡を移動させて間隔を変化させ、前記固定鏡と前記可動鏡との間で反射する光から前記間隔に基づく所定波長の光を透過させる波長可変光フィルタにおいて、
    前記可動鏡が形成された可動体と、
    該可動体を吊すための吊り手段が少なくとも前記可動体と異なる厚さで形成され、該可動体を支持する支持体と
    を有する可動部を少なくとも備えたことを特徴とする波長可変光フィルタ。
  2. ある波長の光を反射する可動鏡が一方の面に形成され、該一方の面と垂直方向に駆動可能な可動体と、該可動体よりも薄い厚さで形成されている吊り手段を介して前記可動体を支持する支持体とが一体形成された可動部と、
    前記可動体と所定の静電ギャップを隔てて前記一方の面と反対の面で対向して設けられた駆動電極を有する駆動電極部と、
    前記可動鏡と所定の光学ギャップを隔てて対向した固定鏡を有する光学ギャップ部と
    が互いに接合されていることを特徴とする波長可変光フィルタ。
  3. 前記一方の面側又は前記反対側の少なくとも一方に空間が設けられて前記吊り手段の厚さが前記可動体よりも薄く形成されることを特徴とする請求項2記載の波長可変光フィルタ。
  4. ドライエッチング法又はウェットエッチング法の少なくとも1の方法を用いて空間を形成して前記吊り手段の厚さを前記可動体よりも薄く形成することを特徴とする請求項3記載の波長可変光フィルタ。
  5. 前記可動部をシリコンで構成し、前記駆動電極部又は前記光学ギャップ部のいずれか一方又は両方をガラスで構成することを特徴とする請求項2、3又は4のいずれかに記載の波長可変光フィルタ。
  6. 前記駆動電極上又は、前記可動体の前記駆動電極に対向した領域のいずれか一方又は両方に絶縁膜が形成されていることを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の波長可変光フィルタ。
  7. 固定鏡が形成された面に対して垂直方向に可動鏡を移動させて間隔を変化させ、前記固定鏡と前記可動鏡との間で反射する光から前記間隔に基づく所定の波長の光を透過させる波長可変光フィルタの製造方法であって、前記可動鏡を設ける可動体と該可動体を吊り手段を介して支持する支持体とを一体形成する方法であって、
    少なくとも前記吊り手段を、前記可動体と異なる厚さで形成することを特徴とする波長可変光フィルタの製造方法。
  8. 前記可動体と支持体とを空間的に仕切る開口部を前記吊り手段の厚さまでエッチングした後、前記吊り手段となる部分を残してさらにエッチングして開口させ、一体形成することを特徴とする請求項7記載の波長可変光フィルタの製造方法。
  9. 前記吊り手段の厚さまでのエッチングはドライエッチング法又はウェットエッチング法で行い、前記吊り手段となる部分を残して行うエッチングはドライエッチング法で行うことを特徴とする請求項7記載の波長可変光フィルタの製造方法。
  10. 固定鏡が形成された面に対し、静電力により可動体を垂直方向に移動させて間隔を変化させ、前記固定鏡と前記可動体に設けられた可動鏡との間で反射する光から前記間隔に基づく所定波長の光を透過させる波長可変光フィルタの製造方法であって、
    第1の基板に第1の凹部を形成した後、前記第1の凹部の底面に駆動電極を形成して駆動電極部とする第1の工程と、
    第2の基板に第2の凹部を形成した後、前記第2の凹部の底面に前記固定鏡を形成して光学ギャップ部とする第2の工程と、
    第3の基板と前記駆動電極部とを接合し、可動体、支持体及び該可動体と厚さが異なる吊り手段を前記第3の基板に一体形成し、前記可動体上に前記可動鏡を形成する第3の工程と、
    前記可動鏡と前記固定鏡とを対向させて、前記第3の工程で製造された接合体と前記光学ギャップ部とを接合する第4の工程と
    を少なくとも有することを特徴とする波長可変光フィルタの製造方法。
  11. 固定鏡が形成された面に対し、静電力により可動体を垂直方向に移動させて間隔を変化させ、前記固定鏡と前記可動体に設けられた可動鏡との間で反射する光から前記間隔に基づく所定波長の光を透過させる波長可変光フィルタの製造方法であって、
    第1の基板に第1の凹部を形成した後、前記第1の凹部に駆動電極を形成して駆動電極部とする第1の工程と、
    第2の基板に第2の凹部を形成した後、前記第2の凹部に前記固定鏡を形成して光学ギャップ部とする第2の工程と、
    前記可動鏡が形成された導電性を有する第3の基板と前記光学ギャップ部とを前記可動鏡と前記固定鏡とを対向させて接合し、可動体、支持体及び該可動体と厚さが異なる吊り手段を前記第3の基板に形成する第3の工程と、
    前記第3の工程で製造された構造体と前記駆動電極部とを、前記可動体と前記駆動電極とを対向させて接合する第4の工程と
    を少なくとも有することを特徴とする波長可変光フィルタの製造方法。
  12. 前記第3の工程において、前記可動体と支持体とを空間的に仕切る開口部を前記吊り手段の厚さまでエッチングした後、前記吊り手段となる部分を残してさらにエッチングして開口させて、前記可動体、前記支持体及び前記可動体と厚さが異なる吊り手段を前記第3の基板に形成することを特徴とする請求項10又は11記載の波長可変光フィルタの製造方法。
  13. 前記第3の工程において、前記可動体と支持体とを空間的に仕切る開口部を前記吊り手段の厚さまでエッチングした後、前記エッチングした側の面を接合し、前記吊り手段となる部分を残して接合した面と反対の面からエッチングして所望の部分を開口させて、前記可動体、前記支持体及び前記可動体と厚さが異なる吊り手段を前記第3の基板に形成することを特徴とする請求項11又は12記載の波長可変光フィルタの製造方法。
  14. 前記第3の工程において、ベース層、絶縁層及び導電性を有する活性層を順次積層した基板の前記活性層を前記第3の基板とし、前記活性層側から前記積層された基板を接合した後に前記ベース層及び前記絶縁層を順次除去し、前記活性層に可動体、支持体及び該可動体と厚さが異なる吊り手段を形成することを特徴とする請求項10乃至13のいずれかに記載の波長可変光フィルタの製造方法。
  15. SOI基板、SOS基板又は少なくとも一方の面にシリコン酸化膜を形成したシリコン基板とシリコン基板とを前記シリコン酸化膜を形成した面で貼り合わせた基板を前記積層した基板とすることを特徴とする請求項14記載の波長可変光フィルタの製造方法。
  16. 前記第1の工程において、少なくとも前記駆動電極上に絶縁膜を形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項10又は11記載の波長可変光フィルタの製造方法。
  17. 前記第3の工程において、前記可動体として前記駆動電極に対向する前記第3の基板上の領域に絶縁膜を形成した後、前記駆動電極と前記絶縁膜を形成した面と対向させて接合することを特徴とする請求項10記載の波長可変光フィルタの製造方法。
  18. 前記第1の工程において、前記第1の基板の前記第1の凹部を形成した側及びその反対側の面に反射防止膜を形成し、
    前記第2の工程において、前記第2の基板の前記第2の凹部を形成した側とは反対側の面に反射防止膜を形成し、
    前記第3の工程においては、前記可動体として駆動電極に対向する前記第3の基板上の領域に反射防止膜を形成した後、駆動電極と絶縁膜を形成した面と対向させて接合する工程をさらに有することを特徴とする請求項10記載の波長可変光フィルタの製造方法。
  19. 前記第3の基板はシリコンからなり、前記第1の基板又は前記第2の基板のいずれか一方又は両方はガラスからなり、前記第3の工程又は前記第4の工程のいずれか一方又は両方における接合を、陽極接合、低融点ガラス接合又は接着剤による接合により行うことを特徴とする請求項7乃至18のいずれかに記載の波長可変光フィルタの製造方法。
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