JP2005054726A - 保持シール材、及び、排気ガス浄化装置 - Google Patents

保持シール材、及び、排気ガス浄化装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005054726A
JP2005054726A JP2003288084A JP2003288084A JP2005054726A JP 2005054726 A JP2005054726 A JP 2005054726A JP 2003288084 A JP2003288084 A JP 2003288084A JP 2003288084 A JP2003288084 A JP 2003288084A JP 2005054726 A JP2005054726 A JP 2005054726A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sealing material
holding sealing
ceramic body
exhaust gas
organic binder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003288084A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4382414B2 (ja
Inventor
Hiroaki Takeuchi
寛明 竹内
Masanao Yasugata
政直 安形
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ibiden Co Ltd filed Critical Ibiden Co Ltd
Priority to JP2003288084A priority Critical patent/JP4382414B2/ja
Publication of JP2005054726A publication Critical patent/JP2005054726A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4382414B2 publication Critical patent/JP4382414B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Processes For Solid Components From Exhaust (AREA)

Abstract

【課題】 従来よりも有機成分の含有量を低減しても金属製シェルに対して高い摩擦係数を有する保持シール材、及び、これを用いた排気ガス浄化装置を提供する。
【解決手段】 主に無機繊維から構成されるマット状の保持シール材であって、
常温で5MPa以上の皮膜強度を有する有機バインダを含有することを特徴とする保持シール材。
【選択図】 図2

Description

本発明は、自動車のエンジン等の内燃機関から排出される排気ガスを浄化するための触媒コンバータ、ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)等の排気ガス浄化装置、及び、排気ガス浄化装置において用いられる保持シール材に関する。
従来、排気ガス浄化装置としては、多数の貫通孔が長手方向に並設されたハニカム構造の多孔質セラミック柱状体と、多孔質セラミック柱状体の外周を覆う筒状の金属製シェルと、両者の間に配置されたマット状の保持シール材とから構成されたものが知られている。このような排気ガス浄化装置では、排気ガスが多孔質セラミック柱状体内を通過することにより、排気ガスを浄化することができる。
このような排気ガス浄化装置は、多孔質セラミック柱状体を触媒によりコーティングすることにより、触媒コンバータとして機能し、排気ガス中の有害物質を触媒により酸化還元して浄化することができる。
触媒としては、アルミナをベースとし白金、パラジウム及びロジウムを加えた三元触媒が主に用いられており、ロジウムは窒素酸化物(NOx)の還元能力が高く、白金とパラジウムは炭化水素(HC)と一酸化炭素(CO)の酸化能力が高い。ガソリンエンジンの排気ガス組成ではHC、CO、NOxのバランスがとれているため、HCとCOの酸化反応とNOxの還元反応とを同時に行わせることができる。
また、排気ガス浄化装置は、多孔質セラミック柱状体の長手方向に並設された貫通孔をいずれか一方の端面で封止することにより、ディーゼルパティキュレートフィルタ(以下、DPFともいう)として機能し、排気ガス中の黒鉛等のパティキュレートを多孔質セラミック柱状体において捕集除去することができる。
これらの排気ガス浄化装置では、自動車の走行等により生じる振動や衝撃により、多孔質セラミック体がその外周を覆う金属製シェルと接触して破損するのを防止するため、及び、多孔質セラミック体と金属製シェルとの間から排気ガスが漏れることを防止するため等の目的で保持シール材が両者の間に介装されている。
保持シール材としては、現在、バーミキュライト、セラミックファイバー等の混合物である熱膨張性保持シール材が主に用いられている。しかし、近年、排気ガスの規制強化により、排気ガスの温度は、著しく上昇しているため、従来の熱膨張性保持シール材では耐熱性が不充分となり、無機繊維をマット状に成形した無膨張性保持シール材が用いられつつある。
しかし、排気ガス浄化装置の使用初期段階において、無機繊維のマット状成形体からなる無膨張性保持シール材は、金属製シェルとの摩擦抵抗が低く、金属製シェル内に多孔質セラミック体をしっかりと固定することができずに、多孔質セラミック体の位置ずれが生じてしまうことがあった。なお、通常、保持シール材と金属製シェルとの摩擦抵抗は、排気ガス浄化装置が使用されて金属製シェルが高温にさらされるにつれ高くなるため、排気ガス浄化装置の使用初期段階において最も低くなる。
また、無機繊維のマット状成形体からなる無膨張性保持シール材は、嵩高くなりやすいため、多孔質セラミック体に巻きつけて金属製シェル内に設置する際の組み付け性が悪かったり、無機繊維が飛散して呼吸器系に吸い込まれてしまったりするという問題があった。
これに対して、従来、無機繊維のマット状成形体にアクリル系の有機バインダを含浸、塗布する方法等が用いられている(例えば、特許文献1参照)。この方法によれば、無膨張性保持シール材と金属製シェルとの摩擦抵抗を高めて、金属製シェル内に多孔質セラミック体をしっかりと固定することができ、また、無膨張性保持シール材を圧縮して厚みを小さくすることができるとともに、無機繊維の飛散を防止することができる。
これらの効果を得るためには、アクリル系の有機バインダは、通常、無膨張性保持シール材中に3〜15重量%程度配合する必要がある。
しかしながら、有機バインダは、高温での使用中に徐々に分解され、分解生成物が排気ガスとともに排出されてしまうものであるため、排気ガスにおける規制値をクリアするためには、保持シール材中の有機バインダの含有量をより低減する必要があった。
特開平11−182237号公報
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、従来よりも有機成分の含有量を低減しても金属製シェルに対して高い摩擦係数を有する保持シール材、及び、これを用いた排気ガス浄化装置を提供することを目的とするものである。
本発明の保持シール材は、主に無機繊維から構成されるマット状の保持シール材であって、
常温で5MPa以上の被膜強度を有する有機バインダを含有することを特徴とする。
また、本発明の保持シール材では、有機バインダは、スチレン−ブタジエン系樹脂及び/又はアクリロニトリル−ブタジエン系樹脂であることが望ましい。
さらに、本発明の保持シール材では、有機バインダの含有量が2重量%以下であることが望ましい。
本発明の排気ガス浄化装置は、多数の貫通孔が長手方向に並設され、排気ガスを長手方向に通過させることができる柱状のセラミック体と、上記セラミック体の少なくとも長手方向の外周を覆う筒状の金属製シェルとの間に、本発明の保持シール材を配置してなることを特徴とする。
また、本発明の排気ガス浄化装置では、セラミック体に形成された多数の貫通孔は、いずれか一端が目封じされ、上記セラミック体は、フィルタとして機能することが望ましい。
本発明の保持シール材によれば、常温で高い被膜強度(5MPa以上)を有する有機バインダを使用しているため、有機バインダの使用量を少なくしても、金属製シェルに対する摩擦係数を高くすることができ、使用開始段階から金属製シェルにセラミック体をしっかりと固定することができる。このため、有機バインダの使用量を低減することができ、高温での使用中に発生する有機バインダの分解ガスの量を低減することができる。
本発明の排気ガス浄化装置によれば、本発明の保持シール材を用いているため、保持シール材中の有機バインダの使用量を少なくしても、使用開始段階から金属製シェルにセラミック体をしっかりと固定することができる。このため、有機バインダの使用量を少なくして、高温での使用中に発生する有機バインダの分解ガスの排出量を低減することができる。
また、本発明の排気ガス浄化装置では、セラミック体に形成された多数の貫通孔のいずれか一端を目封じすることにより、上記セラミック体をフィルタとして機能させることができ、排気ガス中の黒鉛等のパティキュレートを上記セラミック体において捕集除去することができる。
本発明の保持シール材は、主に無機繊維から構成されるマット状の保持シール材であって、
常温で5MPa以上の被膜強度を有する有機バインダを含有することを特徴とする。
図1は、本発明の保持シール材の一例を模式的に示した平面図である。図2は、本発明の保持シール材をセラミック体に巻きつけて金属製シェルに挿入する様子を模式的に示した斜視図である。
図1及び図2に示したように、本発明の保持シール材10は、略矩形状の基材部11の一方の短辺側に凸部12が設けられ、他方の短辺側に凹部13が設けられたものであり、凸部12と凹部13とは、保持シール材10をセラミック体20の外周に巻き付けた際に、ちょうど嵌合するようになっており、これにより、保持シール材10を正確にズレないようにセラミック体20の外周に巻き付けることができる。
なお、保持シール材10の形状はマット状であれば特に限定されず、例えば、凸部及び凹部が複数設けられたものであってもよいし、凸部及び凹部が設けられていないものであってもよい。また、凸部12及び凹部13の形状の組み合わせは、図1に示したような矩形状を用いた組み合わせのほか、三角形を用いた組み合わせ、半円形状を用いた組み合わせ等であってもよい。
保持シール材10は、柱状のセラミック体20の外周面に巻き付けられた状態で、筒状の金属製シェル30内に収容されて排気ガス浄化装置を構成する。保持シール材10は、金属製シェル30内に収容されると、その厚さ方向に圧縮されるので、その圧縮力に抗する反発力(面圧)を生じ、この反発力により、セラミック体20は金属製シェル30内に固定される。
保持シール材10は、主に無機繊維から構成され、有機バインダを含有するものであり、通常、無機繊維からなるマット状の成形体に有機バインダを含浸させたものである。また、保持シール材10には、必要に応じて、架橋剤等の添加剤が添加されていてもよい。
上記有機バインダは、常温で5MPa以上の被膜強度を有する。
本発明の発明者は、常温での被膜強度が5MPa以上の有機バインダを用いることにより、排気ガス浄化装置において、保持シール材の表面と金属製シェルの表面間での摩擦係数が向上し、使用開始段階から金属製シェルにセラミック体をしっかりと固定できることを見出した。これは、上記有機バインダが、従来の有機バインダに比べて被膜強度が高く、外力により破断されたり、引き伸ばされにくいので、有機バインダを介して接着している部位の強度が向上し、無機繊維と金属製シェル間の接着強度、無機繊維同士の接着強度、及び、無機繊維とセラミック体間の接着強度が向上するためであると考えられる。
上記有機バインダの常温での被膜強度のより望ましい下限は10MPaである。
上記被膜強度は、有機バインダからなる厚さ0.4mmのダンベル形状の試験片を用い、インストロン型引張試験機で300mm/minの速度で引張試験を行うことにより測定される上記試験片の引張破断強度である。
なお、試験片は、有機バインダの原料となるラテックスを枠付きガラス板に流し込み、室温で放置して乾燥させ、被膜状にすることにより作製することができる。
常温で5MPa以上の被膜強度を有する有機バインダとしては、例えば、スチレン−ブタジエン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン系樹脂等が好適に用いられる。
これらの有機バインダは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記スチレン−ブタジエン系樹脂は、スチレンモノマー、ブタジエンモノマー等を共重合させることにより得られるものである。一方、上記アクリロニトリル−ブタジエン系樹脂は、アクリロニトリルモノマー、ブタジエンモノマー等を共重合させることにより得られるものである。
上記有機バインダの分解温度は200℃以上であることが望ましい。200℃未満であると、保持シール材10を用いた排気ガス浄化装置の使用初期段階で上記有機バインダが焼失してしまい、金属製シェル30にセラミック体20をしっかりと固定する本発明の効果が排気ガス浄化装置の使用時に充分に得られないことがある。
なお、保持シール材10を用いた排気ガス浄化装置が200℃以上に加熱された場合には、金属製シェル30の酸化等により、金属製シェル30側の摩擦係数が向上するので、上記有機バインダが焼失しても金属製シェル30にセラミック体20をしっかりと固定することができる。
上記有機バインダの含有量の望ましい上限は2重量%である。2重量%を超えると、高温での使用中に発生する有機バインダの分解ガスの総量を充分に低減できないことがある。上記有機バインダの本発明の保持シール材全体に対する含有量のより望ましい上限は1.5重量%であり、さらに望ましい上限は1重量%である。
なお、本発明の保持シール材に使用される有機バインダは、含有量を1重量%以下にしても、金属製シェルとの摩擦係数を向上することができるものである。
上記無機繊維としては特に限定されないが、例えば、アルミナを主成分とするアルミナ繊維、アルミナ(Al)及びシリカ(SiO)を主成分とするアルミナ−シリカ系繊維等のセラミック繊維等が好適に用いられる。
また、アルミナ−シリカ系繊維におけるアルミナの含有量の望ましい下限は、40重量%であり、シリカの含有量の望ましい上限は、60重量%である。アルミナの含有量が40重量%未満の場合や、シリカの含有量が60重量%を超える場合には、耐熱性及び圧縮荷重印加時の反発力が充分でないことがある。より望ましくは、アルミナの含有量が72重量%であり、かつ、シリカの含有量が28重量%である。
上記無機繊維の繊維引張強度は1.2GPa以上であることが望ましく、1.5GPa以上であることがより望ましい。また、上記無機繊維の繊維曲げ強度は1.0GPa以上であることが望ましく、1.5GPa以上であることがより望ましい。さらに、上記無機繊維の破壊靭性値は0.8MN/m3/2以上であることが望ましく、1.3MN/m3/2以上であることがより望ましい。これは、繊維引張強度、繊維曲げ強度及び破壊靭性値が大きいと、引っ張りや曲げに対して強く、しなやかで破壊されにくい無機繊維となるからである。
上記無機繊維の平均繊維長の望ましい下限は10mmであり、望ましい上限は100mmである。平均繊維長が10mm未満であると、繊維が呼吸器系に吸い込まれやすくなることがある。また、もはや繊維としての特徴を実質上示さなくなり、マット状の成形体にしたときに繊維同士に適当な絡み合いが起こらず、充分な面圧を得ることができないことがある。平均繊維長が100mmを超えると、繊維同士の絡み合いが強くなりすぎるため、マット状成形体としたときに繊維が不均一に集積しやすくなり、面圧値のバラツキが大きくなり過ぎることがある。上記無機繊維の平均繊維長のより望ましい下限は20mmであり、より望ましい上限は40mmである。
上記無機繊維の繊維長のバラツキは、平均繊維長に対して±4mm以内であることが望ましい。繊維長のバラツキが±4mmを超えると、繊維が不均一に集積しやすくなり、面圧値のバラツキが大きくなり過ぎることがある。上記無機繊維の繊維長のバラツキは、±2mm以内であることがより望ましい。
上記無機繊維の平均繊維径の望ましい下限は3μmであり、望ましい上限は25μmである。平均繊維径が3μm未満であると、繊維自体の強度が低くなり充分な面圧を得ることができないことがあり、また、繊維が呼吸器系に吸い込まれやすくなることがある。平均繊維径が25μmを超えると、マット状の成形体にしたときに通気抵抗が小さくなり、シール性が悪くなることがあり、また、繊維表面積の増加に伴う小さな傷の増加に起因して破壊強度が低下してしまうことがある。上記無機繊維の平均繊維径のより望ましい下限は5μmであり、より望ましい上限は15μmである。
上記無機繊維の繊維径のバラツキは、平均繊維径に対して±3μm以内であることが望ましい。繊維径のバラツキが±3μmを超えると、繊維が不均一に集積しやすくなり、面圧値のバラツキが大きくなり過ぎることがある。上記無機繊維の繊維径のバラツキは、±2μm以内であることがより望ましい。
上記無機繊維のショット含有量は3重量%以下であることが望ましい。3重量%を超えると、面圧値のバラツキが大きくなり過ぎることがある。上記無機繊維のショット含有量は0重量%であること、即ち、上記無機繊維はショットを全く含有していないことがより望ましい。
なお、上記無機繊維の断面形状は、円形状のほか、例えば、楕円形状、長円形状、略三角形状、矩形状等であってもよい。
保持シール材10の金属製シェル30に収容される前の状態における厚さの望ましい下限は、セラミック体20の外径と、セラミック体20を収容する金属製シェル30の内径とが形成するギャップに対して1.1倍であり、望ましい上限は4.0倍である。保持シール材10の厚さが1.1倍未満であると、セラミック体20が金属製シェル30に対してズレたりガタついたりすることがある。また、この場合には優れたガスシール性も得られなくなるため、ギャップ部分から排気ガスが漏れやすくなり、排気ガスの浄化が不完全なものとなることがある。また、保持シール材10の厚さが4.0倍を超えると、セラミック体20を金属製シェル30内に収容する際、特に圧入方式を採用した場合には、セラミック体20の金属製シェル30への収容が困難になることがある。保持シール材10の厚さのより望ましい下限は1.5倍であり、より望ましい上限は3.0倍である。
保持シール材10の金属製シェル30に対する静摩擦係数の望ましい下限は0.25である。0.25未満であると、金属製シェル30にセラミック体20をしっかりと固定する本発明の効果が充分に得られないことがある。
なお、上記静摩擦係数は、図6に示したような測定装置を用いて測定することができる。具体的には、常温のホットプレート200の上に、SUS板201、大きさ30mm×50mmの保持シール材210、重さ5kgの錘202を順に載せ、この状態で10分間保持した後、錘202に取り付けたワイヤー203を、滑車204を経由させて万能試験機205により10mm/minの速度で引っ張り、そのピーク荷重Fを測定する。なお、錘202と保持シール材210との界面でずれが生じないように、錘202に突起を設ける等して、両者を固定して測定を行う。得られたピーク荷重F(N)と、SUS板201と保持シール材210との接触面で働く垂直方向の力N(N)とから、下記関係式(1)により静摩擦係数μを算出する。
μ=F/N ・・・(1)
保持シール材10の金属製シェル30内に収容した状態における嵩密度(GBD;Gap Bulk Density)の望ましい下限は0.20g/cmであり、望ましい上限は0.60g/cmである。GBDが0.20g/cm未満であると、充分に高い初期面圧を得ることができず、面圧の経時劣化により、金属製シェル30にセラミック体20をしっかりと固定した状態が排気ガス浄化装置の使用中に充分に得られなくなることがある。一方、GBDが0.60g/cmを超えると、保持シール材10の組み付け性が低下したり、保持シール材10内で無機繊維が折れてしまったり、セラミック体20が破損してしまったりすることがある。上記GBDのより望ましい上限は0.50g/cmである。
保持シール材10の金属製シェル30内に収容した状態における初期面圧の望ましい下限は40kPaである。初期面圧が40kPa未満であると、面圧の経時劣化により、金属製シェル30にセラミック体20をしっかりと固定した状態が排気ガス浄化装置の使用中に充分に得られなくなることがある。上記初期面圧のより望ましい下限は70kPaである。
保持シール材10の製造方法としては特に限定されず、保持シール材10の形状にした上記無機繊維の成形体に上記有機バインダを含浸させる方法等が好適に用いられる。
保持シール材10の形状にした無機繊維の成形体を製造する方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、(1−1)アルミナ源、シリカ源等を含む出発材料を約2000℃に加熱して熔融させ、紡糸及び急冷を行い、アルミナ、シリカ等を含有する無機長繊維を製造し、(1−2)上記無機長繊維を切断して一定長さの無機短繊維とし、(1−3)上記無機短繊維を成形してマット状の無機繊維の成形体を製造し、(1−4)上記成形体を金型で所望の形状に打ち抜く第一の方法、(2−1)アルミナ源、シリカ源等を含む紡糸原液をノズルから吐出させることにより、前駆体繊維を製造し、(2−2)上記前駆体繊維を焼成して無機長繊維とし、(2−3)上記無機長繊維を切断して一定長さの無機短繊維とし、(2−4)上記無機短繊維を成形してマット状の無機繊維の成形体を製造し、(2−5)上記成形体を金型で所望の形状に打ち抜く第二の方法等を用いることができる。
なお、保持シール材10の形状にした無機繊維の成形体としては、市販されている無機繊維集合体等を用いることができる。
保持シール材10の形状にした上記無機繊維の成形体に上記有機バインダを含浸させる方法としては特に限定されず、例えば、上記有機バインダを乳化剤により水中に分散させたラテックスを製造し、このラテックスに上記成形体を浸漬する方法、上記ラテックスをスプレーにより霧状にして上記成形体に吹き付ける方法、上記成形体に上記ラテックスを直接塗布又は滴下する方法等が挙げられる。なかでも、上記ラテックスに上記成形体を浸漬する方法が好適に用いられる。上記有機バインダを上記成形体内部にまで確実にかつ均一に含浸させることが可能だからである。
上記ラテックスにおける上記有機バインダの含有量の望ましい下限は0.5重量%であり、望ましい上限は2重量%である。上記ラテックスにおける有機バインダの含有量が0.5重量%未満であると、得られる保持シール材10が、無機繊維が飛散しやすいものとなることがある。一方、上記ラテックスにおける有機バインダの含有量が2重量%を超えると、得られる保持シール材10における有機バインダの含有量が多くなり、排気ガスの規制値をクリアできなくなることがある。
上記ラテックスの粘度の好ましい下限は10mPa・sであり、望ましい上限は40 mPa・sである。
また、上記無機繊維の成形体に上記有機バインダを含浸させた後には、通常、保持シール材の厚さ方向に圧縮しながら加熱乾燥を行い、ラテックスに起因する余分な水分を除去するとともに、保持シール材10を厚さ方向に圧縮して肉薄化する。
また、保持シール材10には、ニードルパンチ処理を施されていることが望ましい。このニードルパンチ処理は、保持シール材10にニードル(針)を刺すことで、上下方向の無機繊維を絡ませるものであり、弾力性に富んだ保持シール材10にすることができる。
上記ニードルパンチ処理は、有機バインダの含浸前に行ってもよく、含浸後に行ってもよい。
本発明の保持シール材によれば、常温で高い被膜強度(5MPa以上)を有する有機バインダを使用しているため、有機バインダの使用量を少なくしても、金属製シェル30との摩擦係数を高くすることができ、使用開始段階から金属製シェル30にセラミック体20をしっかりと固定することができる。このため、有機バインダの使用量を低減することができ、高温での使用中に発生する有機バインダの分解ガスの量を低減することができる。
上述したように、本発明の保持シール材10は、多数の貫通孔が長手方向に並設され、排気ガスを長手方向に通過させることができる柱状のセラミック体20と、セラミック体20の少なくとも長手方向の外周を覆う筒状の金属製シェル30との間に配置されて排気ガス浄化装置を構成する。
本発明の排気ガス浄化装置は、多数の貫通孔が長手方向に並設され、排気ガスを長手方向に通過させることができる柱状のセラミック体と、上記セラミック体の少なくとも長手方向の外周を覆う筒状の金属製シェルとの間に、本発明の保持シール材を配置してなることを特徴とする。
図3は、本発明の排気ガス浄化装置の一例を模式的に示した断面図である。
図3に示したように、本発明の排気ガス浄化装置100は、主に、円柱状のセラミック体120と、セラミック体120の長手方向の外周を覆う円筒状の金属製シェル130と、セラミック体120と金属製シェル130との間に配置された本発明の保持シール材110とから構成されており、金属製シェル130の排気ガスが導入される側の端部には、エンジン等の内燃機関に連結された導入管が接続され、金属製シェル130の他端部には、外部に連結された排出管が接続される。なお、図3中、矢印は排気ガスの流れを示している。
セラミック体120は、その長手方向に多数の貫通孔121が並設された多孔質セラミックからなるハニカム構造体であり、貫通孔121は、排気ガスの流入側又は流出側の端部のいずれかが充填材122により目封じされており、一の貫通孔121に流入した排気ガスは、必ず貫通孔121同士を隔てる隔壁123を通過した後、他の貫通孔121から流出するようになっている。このような排気ガスの流入側又は流出側の端部のいずれかが充填材122により目封じされた貫通孔121を有するセラミック体120は、排気ガス中のパティキュレートを捕集するディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)として機能する。
なお、本発明の排気ガス浄化装置に用いられるセラミック体は、触媒コンバータとして機能するものであってもよく、この場合、セラミック体は、排気ガス中のCO、HC及びNOx等を浄化することができる触媒を担持する必要があるものの、貫通孔は、単に、目封じされていないもののみであってもよい。また、排気ガスの流入側又は流出側の端部のいずれかが充填材122により目封じされた貫通孔121を有するセラミック体120に、排気ガス中のCO、HC及びNOx等を浄化することができる触媒を担持させることにより、セラミック体120は、排気ガス中のパティキュレートを捕集するフィルタとして機能するとともに、排気ガスに含有されるCO、HC及びNOx等を浄化するための触媒コンバータとしても機能する。
図3に示したセラミック体120の断面形状は円形状であるが、本発明の排気ガス浄化装置においては、セラミック体の断面形状は円形状に限定されず、例えば、楕円形状、長円形状、多角形状等の任意の形状にすることができる。この場合、金属製シェルの断面形状も、セラミック体の断面形状に合わせて変更することが望ましい。
また、セラミック体120は、一体的に成形されたものであってもよいし、複数の多孔質セラミック部材が接着剤層を介して複数個結束されたものであってもよい。
さらに、セラミック体120の外周には、外周から排気ガスが漏れ出すことを防止するためにシール材層が形成されていてもよい。
セラミック体120を構成する材料としては特に限定されず、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等の窒化物セラミック、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン等の炭化物セラミック、アルミナ、ジルコニア、コージェライト、ムライト等の酸化物セラミック等を挙げることができる。なかでも、コージェライト等の酸化物セラミック、炭化ケイ素等が好適に用いられる。コージェライト等の酸化物セラミックは、安価に製造することができるとともに、比較的熱膨張係数が小さく、使用中に酸化されることがないためである。また、炭化ケイ素は、優れた耐熱性、機械的特性を有し、かつ、熱伝導率も大きいためである。なお、上述したセラミックに金属ケイ素を配合したケイ素含有セラミック、ケイ素やケイ酸塩化合物で結合されたセラミックも用いることができる。
セラミック体120を触媒コンバータとしても機能させる場合に担持させる触媒としては排気ガス中のCO、HC及びNOx等を浄化することができる触媒であれば特に限定されず、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属を挙げることができる。これらの貴金属からなる触媒は、所謂、三元触媒であり、このような三元触媒が担持されたセラミック体120は、従来公知の触媒コンバータと同様に機能する。従って、ここでは、セラミック体120が触媒コンバータとしても機能する場合の詳しい説明を省略する。
上記触媒は、隔壁123内部の気孔の表面に担持されていてもよいし、隔壁123の表面にある厚みをもって担持されていてもよい。また、上記触媒は、隔壁123内部の気孔の表面及び/又は隔壁123の表面に均一に担持されていてもよいし、ある一定の場所に偏って担持されていてもよい。
金属製シェル130としては、例えば、セラミック体120の組み付け方式として、圧入方式を採用する場合には、図4に示したような断面O字状の金属製円筒部材131が用いられ、キャニング方式を採用する場合には、図5に示したような断面O字状の金属製円筒部材132を長手方向に沿って複数片に分割したもの(即ちクラムシェル)が用いられ、また、巻き締め方式を採用する場合には、長手方向に沿って延びるスリット(開口部)を1箇所にのみ有する断面C字状又はU字状の金属製円筒部材が用いられる。なお、キャニング方式や巻き締め方式を採用する場合には、セラミック体120の組み付けに際し、セラミック体120に保持シール材110を固定したものを金属製シェル130内に収容し、金属製シェル130を締め付けた状態で開口端が溶接、接着、ボルト締め等の方法により接合される。
金属製シェル130を構成する金属としては、ステンレス等の耐熱性や耐衝撃性に優れた金属が望ましい。
このような構成からなる排気ガス浄化装置100は、少なくともディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)として機能し、ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出された排気ガス中のパティキュレートを捕集して排気ガスを浄化することができる。
即ち、排気ガスは、導入管を通って金属製シェル130内に導入され、一の貫通孔121からセラミック体120内に流入し、隔壁123を通過し、この隔壁123で排気ガス中のパティキュレートが捕集された後、他の貫通孔121からセラミック体120外に排出され、排出管を通って外部へ排出されることとなる。
なお、排気ガス浄化装置100では、セラミック体120の隔壁123に大量のパティキュレートが堆積し、圧力損失が高くなると、セラミック体120の再生処理を行う。
上記再生処理では、高温のガスをセラミック体120の貫通孔121の内部に流入させ、セラミック体120を加熱し、隔壁123に堆積したパティキュレートを燃焼除去させる。なお、上記高温のガスは、金属製シェル130内の排気ガス流入側に加熱手段を設ける方法等により発生させる。
次に、上述した本発明の排気ガス浄化装置の製造方法の一例について説明する。
まず、上述したようなセラミックからなるセラミック粉末、バインダ、分散媒液、成形助剤、造孔剤等を含有する原料ペーストを調製した後、この原料ペーストを用いて押出成形を行い、セラミック体120と略同形状のセラミック成形体を作製する。
次に、上記セラミック成形体を、乾燥機を用いて乾燥させた後、所定の貫通孔に封止材となる上記原料ペーストとほぼ同様の組成の封止材ペーストを充填し、上記貫通孔を目封じする。
最後に、上記封止材ペーストが充填されたセラミック乾燥体に対して、所定の条件で脱脂、焼成を行うことにより、多孔質セラミックからなり、その全体が一の焼結体から構成されたセラミック体120を製造することができる。
また、セラミック体120が、複数の多孔質セラミック部材が接着剤層を介して複数個結束されたものである場合には、例えば、上述の方法と同様にして、角柱状の多孔質セラミック部材を複数製造した後、接着剤により複数の多孔質セラミック部材を結束して、所定の大きさの角柱状の多孔質セラミック部材の積層体を作製する。
次に、多孔質セラミック部材の積層体を加熱して接着剤を乾燥、固化させて接着剤層とした後、ダイヤモンドカッター等を用いて、その外周部を所定の形状に切削する。
最後に、接着剤層と同様にして、外周に接着剤を用いてシール材層を形成することで、複数の多孔質セラミック部材が接着剤層を介して複数個結束されて構成されたセラミック体120を製造することができる。
次に、上記工程を経て作製されたセラミック体120の長手方向の外周に本発明の保持シール材110を巻きつけ、固定する。
セラミック体120に保持シール材110を巻きつけ、固定する方法としては特に限定されず、例えば、接着剤又はテープで貼り付ける方法、紐状体で縛る方法等が挙げられる。また、特別な手段で固定せずに、巻きつけただけの状態で、次の工程に移行してもよい。
なお、上記紐状体は、熱で分解する材料からなることが望ましい。
次に、保持シール材110を巻きつけたセラミック体120を金属製シェル130内に収容して固定することにより、本発明の排気ガス浄化装置が完成する。
保持シール材110を巻きつけたセラミック体120を金属製シェル130内に収容する方法としては、上述したように圧入方式、キャニング方式、巻き締め方式等の方法が挙げられる。
上記圧入方式では、図4に示したような断面O字状の金属製円筒部材131の一端から押し込むことにより、金属製円筒部材131内に保持シール材110を巻きつけたセラミック体120を収容して固定する。
上記キャニング方式では、例えば、図5に示した半筒状の下部シェル132b内に保持シール材110を巻きつけたセラミック体120を載置した後、半筒状の上部シェル132aに設けた上部シェル固定部133aの貫通孔134aと、下部シェル132bに設けた下部シェル固定部133bの貫通孔134bとがちょうど重なるようにして、上部シェル132aを設置する。そして、ボルト135を貫通孔134a、134bに挿通し、ナット等で固定することにより、断面O字状の金属製円筒部材132内に保持シール材110を巻きつけたセラミック体120を収容して固定する。また、ボルト締めの代りに、溶接、接着等の方法を用いてもよい。
上記巻き締め方式では、長手方向に沿って延びるスリット(開口部)を1箇所にのみ有する断面C字状又はU字状の金属製円筒部材内に保持シール材110を巻きつけたセラミック体120を収容した後、上記キャニング方式と同様に、金属製シェルを締め付けた状態で開口端を溶接、接着、ボルト締め等の方法により接合し、固定する。
本発明の排気ガス浄化装置100によれば、本発明の保持シール材110を用いているため、保持シール材110中の有機バインダの使用量を少なくしても、使用開始段階から金属製シェル130にセラミック体120をしっかりと固定することができる。このため、有機バインダの使用量を少なくして、高温での使用中に発生する有機バインダの分解ガスの排出量を低減することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
厚さ7.8mmのマット状の無機繊維集合体(三菱化学社製、商品名;マフテックブランケット、アルミナ72重量%−シリカ28重量%、GBD:0.08〜0.16g/cm、繊維径:5μm、繊維長:5〜10cm、繊維引張強度:1GPa、面比重:1240g/m)を、スチレン−ブタジエン系樹脂を1重量%含有するラテックス(日本ゼオン社製)中に浸漬させた後、無機繊維集合体を取り出し、13MPaで圧縮しながら120℃で1時間乾燥させることにより、スチレン−ブタジエン系バインダを1重量%含有した厚さ7.4mmの保持シール材を製造した。
(実施例2、3)
スチレン−ブタジエン系樹脂を含有するラテックス(日本ゼオン社製)におけるスチレン−ブタジエン系バインダの濃度を変更したほかは、実施例1と同様の方法で、スチレン−ブタジエン系バインダを3重量%(実施例2)、5重量%(実施例3)含有した厚さ7.4mmの保持シール材を製造した。
(実施例4)
スチレン−ブタジエン系樹脂を含有するラテックス(日本ゼオン社製)におけるスチレン−ブタジエン系バインダの濃度を変更したほかは、実施例1と同様の方法で、スチレン−ブタジエン系バインダを2重量%含有した厚さ7.4mmの保持シール材を製造した。
(比較例1〜3)
スチレン−ブタジエン系樹脂を含有するラテックス(日本ゼオン社製)の代りに、アクリレート系バインダを含有するラテックス(日本ゼオン社製)を用いたほかは、実施例1と同様の方法で、アクリレート系バインダを1重量%(比較例1)、3重量%(比較例2)、5重量%(比較例3)含有した厚さ7.4mmの保持シール材を製造した。
(評価試験1)
実施例1〜4及び比較例1〜3で製造した保持シール材について、図6に示した測定装置を用いて静摩擦係数を測定した。
結果を表1に示した。
(評価試験2)
貫通孔の数が31個/cm、隔壁の厚さが0.3mm、直径143.8mm×長さ150mmの円柱状のコージェライトからなるセラミック体を、実施例1〜4及び比較例1〜3で製造した保持シール材を介して、内径151.8mm×長さ150mmのステンレスからなる円筒状の金属製シェル内に固定し、セラミック体の一方の端面側から荷重を加え、セラミック体に位置ズレが生じる荷重の値を測定し、この荷重の値を押し抜き強度とした。
なお、上記保持シール材の金属製シェル内に収容された状態における面圧は、97kPaであった。
結果を表1に示した。
Figure 2005054726
(評価試験3)
実施例1〜4で使用したスチレン−ブタジエン系樹脂を含有するラテックス(日本ゼオン社製)を枠付きガラス板に流し込み、室温で放置して乾燥させた後、打ち抜き、厚さ0.4mmのダンベル形状の試験片を作製した。この試験片を用いて、インストロン型引張試験機で300mm/minの速度で引張試験を行うことにより、被膜強度(引張破断強度)、及び、引張破壊時の伸び量を測定した結果、被膜強度は11.5MPaであり、引張破壊時の伸び量は100%であった。
同様にして、比較例1〜3で使用したアクリレート系樹脂を含有するラテックス(日本ゼオン社製)を用いて試験片を作製した。この試験片を用いて、被膜強度、及び、引張破壊時の伸び量を測定した結果、被膜強度は1.0MPaであり、引張破壊時の伸び量は1300%であった。
また、実施例1〜4で使用したスチレン−ブタジエン系樹脂を含有するラテックス(日本ゼオン社製)を枠付きガラス板に流し込み、室温で放置して乾燥させた後、130℃で10分間熱処理を行い、打ち抜き、厚さ0.4mmのダンベル形状の試験片を作製した。この試験片を用いて、インストロン型引張試験機で300mm/minの速度で引張試験を行うことにより、被膜強度(引張破断強度)、及び、引張破壊時の伸び量を測定した結果、被膜強度は12.0MPaであり、引張破壊時の伸び量は100%であった。
同様に、比較例1〜3で使用したアクリレート系樹脂を含有するラテックス(日本ゼオン社製)を用い、130℃で10分間熱処理して試験片を作製した。この試験片を用いて、被膜強度、及び、引張破壊時の伸び量を測定した結果、被膜強度は2.0MPaであり、引張破壊時の伸び量は450%であった。
(評価試験4)
実施例1〜4で使用したスチレン−ブタジエン系樹脂を含有するラテックス(日本ゼオン社製)を型に入れ、120℃で1時間乾燥させて作製した試験片について、示差熱測定装置により、TG−DTAを測定し、スチレン−ブタジエン系樹脂の分解開始温度を求めたところ、分解開始温度は空気中で369℃、窒素雰囲気中で363℃であった。
同様にして、比較例1〜3で使用したアクリレート系樹脂を含有するラテックス(日本ゼオン社製)を型に入れ、120℃で1時間乾燥させて作製した試験片について、分解開始温度を求めたところ、分解開始温度は空気中で363℃、窒素雰囲気中で380℃であった。
上記評価試験の結果から明らかなように、スチレン−ブタジエン系樹脂をバインダとして用いた場合には、1重量%含有させただけでも摩擦係数が高く(評価試験1参照)、押し抜き強度が高かった(評価試験2参照)。
また、実施例1〜4で使用したスチレン−ブタジエン系樹脂は、比較例1〜3で使用したアクリレート系樹脂よりも、引張破壊強さ(被膜強度)が大きく、引張破壊伸びが小さかった(評価試験3参照)。
なお、実施例1〜4で使用したスチレン−ブタジエン系樹脂と、比較例1〜3で使用したアクリレート系樹脂の分解開始温度は大差なかった。
本発明の保持シール材の一例を模式的に示した平面図である。 本発明の保持シール材をセラミック体に巻きつけて金属製シェルに挿入する様子を模式的に示した斜視図である。 本発明の排気ガス浄化装置の一例を模式的に示した断面図である。 本発明の排気ガス浄化装置を構成する金属製シェルの一例を模式的に示した斜視図である。 本発明の排気ガス浄化装置を構成する金属製シェルの別の一例を模式的に示した分解斜視図である。 静摩擦係数の測定装置を模式的に示した図である。
符号の説明
10、110、210 保持シール材
11 基材部
12 凸部
13 凹部
20、120 セラミック体
30、130 金属製シェル
100 排気ガス浄化装置
121 貫通孔
122 充填材
123 隔壁
131、132 金属製円筒部材
132a 上部シェル
132b 下部シェル
133a 上部シェル固定部
133b 下部シェル固定部
134a、134b 貫通孔
135 ボルト
200 ホットプレート
201 SUS板
202 錘
203 ワイヤー
204 滑車
205 万能試験機

Claims (5)

  1. 主に無機繊維から構成されるマット状の保持シール材であって、
    常温で5MPa以上の被膜強度を有する有機バインダを含有することを特徴とする保持シール材。
  2. 有機バインダは、スチレン−ブタジエン系樹脂及び/又はアクリロニトリル−ブタジエン系樹脂である請求項1に記載の保持シール材。
  3. 有機バインダの含有量が2重量%以下である請求項1又は2に記載の保持シール材。
  4. 多数の貫通孔が長手方向に並設され、排気ガスを長手方向に通過させることができる柱状のセラミック体と、前記セラミック体の少なくとも長手方向の外周を覆う筒状の金属製シェルとの間に、請求項1〜3のいずれか1に記載の保持シール材を配置してなることを特徴とする排気ガス浄化装置。
  5. セラミック体に形成された多数の貫通孔は、いずれか一端が目封じされ、前記セラミック体は、フィルタとして機能する請求項4に記載の排気ガス浄化装置。
JP2003288084A 2003-08-06 2003-08-06 保持シール材、及び、排気ガス浄化装置 Expired - Lifetime JP4382414B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003288084A JP4382414B2 (ja) 2003-08-06 2003-08-06 保持シール材、及び、排気ガス浄化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003288084A JP4382414B2 (ja) 2003-08-06 2003-08-06 保持シール材、及び、排気ガス浄化装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005054726A true JP2005054726A (ja) 2005-03-03
JP4382414B2 JP4382414B2 (ja) 2009-12-16

Family

ID=34366873

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003288084A Expired - Lifetime JP4382414B2 (ja) 2003-08-06 2003-08-06 保持シール材、及び、排気ガス浄化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4382414B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006299966A (ja) * 2005-04-21 2006-11-02 Ibiden Co Ltd 触媒コンバータ
JP2007127112A (ja) * 2005-10-07 2007-05-24 Ibiden Co Ltd 保持シール材および排気ガス処理装置
WO2015170611A1 (ja) * 2014-05-08 2015-11-12 イビデン株式会社 保持シール材、保持シール材の製造方法及び排ガス浄化装置
JP2015229958A (ja) * 2014-06-04 2015-12-21 イビデン株式会社 保持シール材の製造方法
JP2017031870A (ja) * 2015-07-31 2017-02-09 イビデン株式会社 保持シール材、巻付体、排ガス浄化装置、保持シール材の製造方法、巻付体の製造方法及び排ガス浄化装置の製造方法
JP2017031869A (ja) * 2015-07-31 2017-02-09 イビデン株式会社 保持シール材、巻付体、排ガス浄化装置、保持シール材の製造方法、巻付体の製造方法及び排ガス浄化装置の製造方法
EP3051186B1 (en) * 2013-09-24 2019-05-08 Ibiden Co., Ltd. Production method for holding seal material

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0780319A (ja) * 1993-08-20 1995-03-28 Minnesota Mining & Mfg Co <3M> 触媒コンバータおよびディーゼル粒子フィルタ
JPH09201514A (ja) * 1995-11-21 1997-08-05 Mitsubishi Chem Corp 触媒コンバーター及びその製造方法
JPH11509510A (ja) * 1995-06-30 1999-08-24 ミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチャリング・カンパニー 膨張シート材
JP2001032710A (ja) * 1999-07-22 2001-02-06 Ibiden Co Ltd 排気ガス浄化用触媒コンバーター及びその製造方法
JP2002070544A (ja) * 2000-08-25 2002-03-08 Ibiden Co Ltd 排気ガス浄化用触媒コンバータに用いる保持シール材
JP2003501582A (ja) * 1999-06-08 2003-01-14 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 汚染防止装置用高温マット

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0780319A (ja) * 1993-08-20 1995-03-28 Minnesota Mining & Mfg Co <3M> 触媒コンバータおよびディーゼル粒子フィルタ
JPH11509510A (ja) * 1995-06-30 1999-08-24 ミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチャリング・カンパニー 膨張シート材
JPH09201514A (ja) * 1995-11-21 1997-08-05 Mitsubishi Chem Corp 触媒コンバーター及びその製造方法
JP2003501582A (ja) * 1999-06-08 2003-01-14 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 汚染防止装置用高温マット
JP2001032710A (ja) * 1999-07-22 2001-02-06 Ibiden Co Ltd 排気ガス浄化用触媒コンバーター及びその製造方法
JP2002070544A (ja) * 2000-08-25 2002-03-08 Ibiden Co Ltd 排気ガス浄化用触媒コンバータに用いる保持シール材

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006299966A (ja) * 2005-04-21 2006-11-02 Ibiden Co Ltd 触媒コンバータ
JP2007127112A (ja) * 2005-10-07 2007-05-24 Ibiden Co Ltd 保持シール材および排気ガス処理装置
US8475721B2 (en) 2005-10-07 2013-07-02 Ibiden Co., Ltd. Holding sealer and exhaust gas processing device
EP3051186B1 (en) * 2013-09-24 2019-05-08 Ibiden Co., Ltd. Production method for holding seal material
WO2015170611A1 (ja) * 2014-05-08 2015-11-12 イビデン株式会社 保持シール材、保持シール材の製造方法及び排ガス浄化装置
JP2015214907A (ja) * 2014-05-08 2015-12-03 イビデン株式会社 保持シール材、保持シール材の製造方法及び排ガス浄化装置
JP2015229958A (ja) * 2014-06-04 2015-12-21 イビデン株式会社 保持シール材の製造方法
JP2017031870A (ja) * 2015-07-31 2017-02-09 イビデン株式会社 保持シール材、巻付体、排ガス浄化装置、保持シール材の製造方法、巻付体の製造方法及び排ガス浄化装置の製造方法
JP2017031869A (ja) * 2015-07-31 2017-02-09 イビデン株式会社 保持シール材、巻付体、排ガス浄化装置、保持シール材の製造方法、巻付体の製造方法及び排ガス浄化装置の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4382414B2 (ja) 2009-12-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4592695B2 (ja) ハニカム構造体及び排気ガス浄化装置
JP6129814B2 (ja) フレキシブル縁保護剤を備えた装着マットおよび該装着マットが組込まれた排気ガス処理装置
KR100593226B1 (ko) 저온 배기 가스 처리 장치용 비정질 비팽창성 무기 섬유매트
US8945269B2 (en) Holding sealing material, method for producing holding sealing material, and exhaust gas purifying apparatus
KR101397742B1 (ko) 오염 제어 요소 장착 시스템 및 오염 제어 장치
KR101145019B1 (ko) 오염 조절 요소의 유지재 및 오염 조절 장치
KR100626194B1 (ko) 벌집형 구조체 및 그것을 수납하여 이루어지는 캐닝 구조체
JP2002129455A (ja) 触媒コンバータ用保持シール材及びその製造方法、触媒コンバータ
US20090049831A1 (en) Pollution control element-mounting member and pollution control device
JP2009079597A (ja) 排気ガス処理装置及びその製造方法
JP2007332922A (ja) 保持シール材、排ガス処理装置およびその製造方法
US7678345B2 (en) Holding sealing material, exhaust gas purifying apparatus and method for manufacturing exhaust gas purifying apparatus
JP4382414B2 (ja) 保持シール材、及び、排気ガス浄化装置
EP3051187A1 (en) Holding seal material, production method for holding seal material, production method for exhaust gas purification device, and exhaust gas purification device
JP4730497B2 (ja) 触媒コンバータ用保持シール材及びその製造方法
JP2002276350A (ja) 触媒コンバータ用保持シール材及びその製造方法、セラミック繊維集合体、セラミック繊維
US9358749B2 (en) Tubular, continuous, seamless, compressible, resilient mounting articles and pollution control devices comprising the same
JP5154023B2 (ja) 触媒担体保持材及び触媒コンバータ
JP2021017813A (ja) マット材、排ガス浄化装置及び排ガス浄化装置の製造方法
JP2003278538A (ja) 触媒コンバータ、触媒コンバータの製造方法及び金属シェル
JP2003278525A (ja) 排気ガス浄化装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060719

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061030

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20061030

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20061030

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20090226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090312

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090414

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090603

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090908

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090917

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121002

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4382414

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131002

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term