JP2005049538A - 平版印刷版原版および重合性組成物 - Google Patents

平版印刷版原版および重合性組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】コンピュータ等のデジタル信号から各種レーザを用いて直接製版が可能で、且つ、感度、保存安定性、耐刷性、及び現像性に優れた平版印刷版原版、を提供する。
【解決手段】支持体上に、(A)主鎖に不飽和結合を有する分子量500以上のジオール化合物を少なくとも1つと、ポリイソシアネート化合物を少なくとも1つと、を反応させて得られる水またはアルカリ水溶液に可溶あるいは膨潤するポリウレタン化合物と、(B)ラジカル開始剤と、を含有する記録層を設けてなることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、平版印刷版原版および重合性組成物に関し、詳細には、コンピュータ等のデジタル信号から各種レーザを用いて直接製版できる、いわゆるダイレクト製版可能なネガ型平版印刷版原版、及び、画像記録材料などへの応用が可能な重合性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年におけるレーザの発展は目ざましく、特に、波長300nm〜1200nmの紫外光、可視光、赤外光を放射する固体レーザ及び半導体レーザ、ガスレーザは高出力かつ小型のものが容易に入手できるようになっており、これらのレーザは、平版印刷におけるコンピュータ等のデジタルデータから直接製版する際の記録光源として、非常に有用である。これら各種レーザ光に感応する記録材料については種々研究がなされており、感光波長760nm以上の赤外線レーザ対応のポジ型記録材料(例えば、特許文献1参照)、酸触媒架橋型のネガ型記録材料(例えば、特許文献2参照)等が知られている。また、300nm〜700nmの紫外光または可視光レーザ対応型のラジカル重合型ネガ型記録材料(例えば、特許文献3、4参照)等も知られている。
【0003】
通常、このようなネガ型の画像記録材料は、光または熱によりラジカルを発生する化合物と、重合性化合物とを含有し、光または熱により発生したラジカルを開始剤として重合反応を生起させ、露光部の記録層を硬化させて画像部を形成する記録方式を利用している。このようなネガ型の画像記録材料は、レーザ照射のエネルギーにより記録層の可溶化を起こさせるポジ型に比較して画像形成性が低いといった問題があった。
【0004】
そこで、感度を向上させるために、高出力の赤外線レーザを用いることも検討されているが、レーザー走査時に記録層のアブレーションが発生し光学系を汚染するといった問題があった。そのほか、化学増幅型の記録材料(例えば、特許文献5参照)や、エチレン性不飽和結合を有する化合物の重合反応を利用した記録材料(例えば、特許文献6参照)も検討されているが、このような記録材料は光や熱に対する反応性に優れる成分を含有するため、白灯下での取り扱いや保存又は環境温度の変化により、所望されない反応が生起しやすく、保存安定性に劣るという懸念があった。
【0005】
また、側鎖にエチレン性不飽和結合を有する高分子化合物の重合反応を利用した記録材料として、側鎖に(メタ)アクリル基を有するビニル系樹脂を用いたものが知られているが(例えば、特許文献7参照)、耐刷性が不十分であったり、また、側鎖に(メタ)アクリル基を有するポリウレタン系樹脂を用いたものも知られているが(例えば、特許文献8参照。)、非画像部の現像性が不十分であるなどの問題があった。これは、感度を向上させる目的で、該高分子化合物側鎖の不飽和結合の導入量を多くしていくことにより、側鎖置換基間の相互作用により現像性が低下したり、側鎖置換基の立体因子により画像強度に重要な主鎖間の相互作用が低下し、耐刷性が低下するためであると考えられる。
したがって、感度、保存安定性、耐刷性、及び現像性のバランスに優れた平版印刷版原版が望まれていた。
【0006】
【特許文献1】
米国特許第4708925号明細書
【特許文献2】
特開平8−276558号公報
【特許文献3】
米国特許2850445号明細書
【特許文献4】
特公昭44−20189号公報
【特許文献5】
特開平11−65105号公報
【特許文献6】
特開2000−89455公報
【特許文献7】
特開2002−62648公報
【特許文献8】
特開2002−251008公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術の欠点を考慮してなされた本発明の目的は、感度、保存安定性、耐刷性、及び、現像性に優れた平版印刷版原版、或いは、画像記録材料等に有用な重合性組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討の結果、平版印刷版原版の記録層に含有されるバインダー機能を果たす高分子化合物として、特定のポリウレタン化合物を用いることで上記目的が達成されることを見出し、本発明を解決するに至った。
即ち、請求項1に係る本発明の平版印刷版原版は、支持体上に、(A)主鎖に不飽和結合を有する分子量500以上のジオール化合物を少なくとも1つと、ポリイソシアネート化合物を少なくとも1つと、を反応させて得られる水またはアルカリ水溶液に可溶あるいは膨潤するポリウレタン化合物と、(B)ラジカル開始剤と、を含有する記録層を設けてなることを特徴とする。
また、請求項2に係る本発明の重合性組成物は、(A)主鎖に不飽和結合を有する分子量500以上のジオール化合物を少なくとも1つと、ポリイソシアネート化合物を少なくとも1つと、を反応させて得られる水またはアルカリ水溶液に可溶あるいは膨潤するポリウレタン化合物と、(B)ラジカル開始剤と、(C)光熱変換剤と、を含有することを特徴とする。
【0009】
なお、ここで言う(A)主鎖に不飽和結合を有する分子量500以上のジオール化合物を少なくとも1つと、ポリイソシアネート化合物を少なくとも1つと、を反応させて得られる水またはアルカリ水溶液に可溶あるいは膨潤するポリウレタン化合物(以下、適宜、「特定ポリウレタン化合物」と称する)とは、高分子の主鎖方向、即ち、特定ポリウレタン化合物の繰り返し単位の少なくとも内部及び末端のいずれかに、炭素−炭素不飽和結合を1つ以上有しているものを指す。本発明においては、該炭素−炭素不飽和結合を、高分子主鎖の内部および末端の両方に有していることが好ましい。このような炭素−炭素不飽和結合としては、ラジカル反応性の観点から、炭素−炭素二重結合、炭素−炭素三重結合などを挙げることができる。
【0010】
また、このような特定ポリウレタン化合物としては、非画像部の除去性(現像性)の観点から、側鎖にカルボキシ基を有するものが好ましい。
なお、本明細書では、「アクリル、メタクリル」の双方、又はいずれかを指す場合、「(メタ)アクリル」と表記することがある。
【0011】
本発明の作用は明確ではないが、本発明に用いられる特定ポリウレタン化合物は、主鎖の少なくとも内部及び末端のいずれかに、炭素−炭素不飽和結合を有することを特徴とする。この構造は、高分子主鎖に、ラジカル反応性の高い炭素−炭素二重結合や炭素−炭素三重結合を有するものであるため反応性に優れ、露光時のエネルギー付与により、特定ポリウレタン化合物間で高密度かつ強固な架橋構造が速やかに形成される。そのため、この様な特定ポリウレタン化合物を記録層の成分として含有した平版印刷版原版は、高感度かつ優れた耐刷性が実現するものと考えられる。
また、本発明に係る特定ポリウレタン化合物は、主鎖に不飽和結合を有するため、従来の技術で挙げた側鎖に不飽和結合を有する高分子化合物と比べ、前述したような、側鎖置換基間の相互作用による現像性の低下や側鎖置換基の立体因子による主鎖間の相互作用の低下に起因する耐刷性の低下などといった弊害がなく、感度、保存安定性、耐刷性、及び現像性のバランスに優れた平版印刷版原版を与えることができるものと考えられる。
【0012】
【発明の実施の形態】
[平版印刷版原版]
本発明の平版印刷版原版は、支持体上に、(A)主鎖に不飽和結合を有する分子量500以上のジオール化合物を少なくとも1つと、ポリイソシアネート化合物を少なくとも1つと、を反応させて得られる水またはアルカリ水溶液に可溶あるいは膨潤するポリウレタン化合物と、(B)ラジカル開始剤と、を含有する記録層を設けてなることを特徴とする。
また、本発明に係る記録層には、上記ラジカル開始剤から発生したラジカルを開始剤として重合反応を生起、進行する(D)重合性化合物と、所定の波長の光を吸収し、熱エネルギーに変換する(C)光熱変換剤と、を添加することが好ましい。さらに、皮膜特性向上などの目的で、必要に応じて、(E)バインダーポリマーを使用してもよい。
以下、本発明の平版印刷版原版の記録層成分および各構成について詳細に説明する。
【0013】
〔(A)主鎖に不飽和結合を有する分子量500以上のジオール化合物を少なくとも1つと、ポリイソシアネート化合物を少なくとも1つと、を反応させて得られる水またはアルカリ水溶液に可溶あるいは膨潤するポリウレタン化合物〕
本発明に用いられる特定ポリウレタン化合物は、水またはpH7を超えるアルカリ水溶液に可溶あるいは膨潤することを特徴とする。本発明において、水またはアルカリ水溶液に可溶とは、pH7以上の水またはアルカリ水溶液に特定ポリウレタン化合物を添加したとき透明均一溶液になることを指し、膨潤するとは、pH7以上の水またはアルカリ水溶液に特定ポリウレタン化合物を添加したとき、該特定ポリウレタン化合物が水または該水溶液を吸収して膨潤することを指す。このように、本発明に用いられる特定ポリウレタン化合物としては、露光部/未露光部の現像ディスクリ、耐刷性の観点から、実質的に水に不溶で、アルカリ水溶液に可溶あるいは膨潤するものが好ましい。
【0014】
本発明に用いられる特定ポリウレタン化合物は、主鎖に炭素−炭素不飽和結合を有することを特徴とする。これは、高分子化合物の主鎖方向、即ち、高分子化合物の繰り返し単位の少なくとも内部及び末端のいずれかに、炭素−炭素不飽和結合を1つ以上有しているものを指し、本発明においては、該炭素−炭素不飽和結合を、高分子主鎖の内部および末端の両方に有していることが好ましい。このような炭素−炭素不飽和結合としては、ラジカル反応性の観点から、炭素−炭素二重結合、炭素−炭素三重結合などを挙げることができる。
高分子主鎖の内部に存在する炭素−炭素不飽和結合としては、下記式(I)〜(IV)で表されるものが好ましい。
【0015】
【化1】
Figure 2005049538
【0016】
一般式(I)〜(IV)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子または1価の有機基を表す。n、mは、1〜4の整数を表す。但し、一般式(II)は非芳香族基である。
〜Rで表される1価の有機基としては、アルキル基、アリール基などが挙げられ、これらの有機基は置換基を有していてもよい。
中でも、R〜Rは、水素原子、炭素数1〜4程度のアルキル基、または、炭素数6〜10程度のアリール基であることが反応性の点で好ましい。また、1価の有機基に導入しうる置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、水酸基などが挙げられる。
【0017】
一般式(II)で表される非芳香族環、または一般式(IV)で表される環構造としては、炭素数3〜20程度のの不飽和環状炭化水素基、不飽和複素環基、縮合多環式不飽和炭化水素基が好ましい。これらの環構造は、置換基を有していてもよく、このような置換基としては、前記一般式(I)における1価の有機基に導入しうる置換基と同様のものが挙げられる。
【0018】
高分子主鎖の末端に存在する炭素−炭素不飽和結合としては、下記一般式(V)〜(VIII)で表されるものが好ましい。
【0019】
【化2】
Figure 2005049538
【0020】
上記一般式(V)において、Rは、水素原子または1価の有機基を表す。Rで表される1価の有機基としては、炭素数1〜4程度の、アルキル基などが挙げられ、これらの有機基は置換基を有していてもよい。中でも、Rは、水素原子、メチル基であることがラジカル反応性が高いことから好ましい。
また、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、または1価の有機基を表す。R、Rで表される1価の有機基としては、炭素数1〜6程度の、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基などが挙げられ、これらの有機基は置換基を有していてもよい。中でも、R、Rは、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基であることがラジカル反応性が高いことから好ましい。
【0021】
Xは、酸素原子、硫黄原子、又は−N(R17)−を表し、R17は、水素原子または1価の有機基を表す。R17で表される1価の有機基としては、炭素数1〜10程度の、アルキル基などが挙げられ、これらの有機基は置換基を有していてもよい。中でも、R17は、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基であることがラジカル反応性が高いことから好ましい。
ここで、上記R〜R、及びR17において導入し得る置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基などが挙げられる。
【0022】
【化3】
Figure 2005049538
【0023】
上記一般式(VI)において、R〜R12は、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、または1価の有機基を表す。R〜R12で表される1価の有機基としては、炭素数1〜10程度の、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基などが挙げられ、これらの有機基は置換基を有していてもよい。中でも、R〜R12は、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基であることが反応性の点で好ましい。
ここで導入し得る置換基としては、上記一般式(V)で挙げた置換基と同様のものが例示される。
また、Yは、酸素原子、硫黄原子、又は−N(R18)−を表す。R18は、上記一般式(V)におけるR17と同義であり、好ましい例も同様である。
【0024】
【化4】
Figure 2005049538
【0025】
上記一般式(VII)において、R13は、水素原子または1価の有機基を表す。R13で表される1価の有機基としては、炭素数1〜4程度の、アルキル基などが挙げられ、これらの有機基は置換基を有していてもよい。中でも、R13は、水素原子、メチル基であることがラジカル反応性が高いことから好ましい。
【0026】
また、R14、R15は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、または1価の有機基を表す。R14、R15で表される1価の有機基としては、炭素数1〜6程度の、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基などが挙げられ、これらの有機基は置換基を有していてもよい。中でも、R14、R15は、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基であることがラジカル反応性が高いことから好ましい。
ここで、R13〜R15に導入し得る置換基としては、一般式(V)で挙げた置換基と同様のものが例示される。
また、Zは、酸素原子、硫黄原子、−N(R19)−、又は置換基を有してもよいフェニレン基を表す。R19は、上記一般式(V)におけるR17と同義であり、好ましい例も同様である。
【0027】
【化5】
Figure 2005049538
【0028】
上記一般式(VIII)において、R16は、水素原子または1価の有機基を表す。R16で表される1価の有機基としては、炭素数1〜10程度の、アルキル基、芳香族基などが挙げられ、これらの有機基は置換基を有していてもよい。中でも、R16は、水素原子、メチル基、置換基を有してもよいフェニル基であることが、ラジカル反応性が高いことから好ましい。ここで導入し得る置換基としては、前記一般式(V)で挙げたものと同様のものが例示される。
また、Aは、置換基を有してもよいアルキレン基、または置換基を有してもよいフェニレン基を表す。中でも、メチレン基が、ラジカル反応性が高いことから好ましい。ここで導入される置換基としては、一般式(V)で挙げた置換基と同様のものが例示される。
【0029】
本発明に係る特定ポリウレタン化合物は、その高分子主鎖の内部に前記一般式(I)〜(IV)で表される不飽和結合(以下、適宜「内部不飽和基」と称する)を少なくとも1つ有するか、或いは、高分子主鎖の末端に前記一般式(V)〜(VIII)で表される不飽和結合(以下、適宜「末端不飽和基」と称する)を少なくとも片末端に1つに有していればよい。
また、一般式(I)〜(IV)で表される内部不飽和結合を複数有する場合には、該内部不飽和結合を同時に複数種含んでも良い。
また、一般式(V)〜(VIII)で表される末端不飽和結合を高分子主鎖の両末端に有する場合には、それぞれが同一であっても異なっていても良い。
なお、本発明に係る特定ポリウレタン化合物においては、上記内部不飽和基と末端不飽和基を同時に含有しているものが好ましい。
【0030】
本発明に係る特定ポリウレタン化合物中に含まれる、このような内部不飽和基および末端不飽和基の好ましい含率は、0.1meq/g以上が好ましく、0.5〜10.0meq/gがより好ましく、0.5〜4.0meq/gが最も好ましい。この範囲において、感度、保存安定性に優れる。
【0031】
本発明に係る特定ポリウレタン化合物は、主鎖に前記不飽和結合を有する分子量500以上のジオール化合物を少なくとも1つと、ポリイソシアネート化合物を少なくとも1つと、を反応させることにより得られる。ポリイソシアネート化合物のなかでも、トリイソシアネート化合物、ジイソシアネート化合物を用いることが一般的であり、ジイソシアネート化合物が好ましい。
そのような特定ポリウレタン樹脂の中でも特に好ましい基本骨格としては、下記式(U−1)で表されるジイソシアネート化合物の少なくとも1種と、下記式(U−2)で表されるジオール化合物の少なくとも1種との反応生成物が挙げられる。
OCN−X−NCO (U−1)
HO−Y−OH (U−2)
式中、X、Yは、それぞれ独立に2価の有機基を表す。
【0032】
上記ジオール化合物としては、式(U−2)のYに、前記一般式(I)〜(IV)で表される不飽和基の少なくとも一つを有するものが挙げられる。また、上記式(U−1)のXに該不飽和基を有するものであってもよい。このようにして、内部不飽和基が導入されたポリウレタン樹脂が生成される。
【0033】
また、該ポリウレタン樹脂に、さらに、前記一般式(V)〜(VIII)で表される末端不飽和基を導入する方法の一つとしては、上記式(U−1)で表されるジイソシアネート化合物および式(U−2)で表されるジオール化合物の反応生成物であって、末端にジイソシアネート基または水酸基を有するポリウレタン樹脂と、前記一般式(V)〜(VIII)で表される基を有する化合物と、を反応させる方法が挙げられる。この方法により、さらに、末端不飽和基が導入されたポリウレタン樹脂が生成される。
以下、前記一般式(V)〜(VIII)で表される基を有する化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0034】
【化6】
Figure 2005049538
【0035】
【化7】
Figure 2005049538
【0036】
【化8】
Figure 2005049538
【0037】
【化9】
Figure 2005049538
【0038】
(一般式(I)〜(IV)で表される不飽和基を有するジイソシアネート化合物)本発明に用いられる一般式(I)〜(IV)で表される不飽和基を有するジイソシアネート化合物(以下、適宜「特定ジイソシアネート化合物」と称する)としては、上記一般式(U−1)におけるXが、一般式(I)〜(IV)で表される不飽和基のうち少なくとも1つを有するものであれば特に限定はされない。そのような化合物としては、例えば、以下に示すものを例として挙げることができる。
【0039】
【化10】
Figure 2005049538
【0040】
(その他のポリイソシアネート化合物)
本発明で使用されるポリウレタン樹脂は、例えば、記録層組成物中の他の成分との相溶性を向上させ、保存安定性を向上させるといった目的等に応じ、特定ジイソシアネート化合物以外の、その他のポリイソシアネート化合物を共重合させることができる。
その他のポリイソシアネート化合物として好ましいものは、上記特定ジイソシアネート化合物の一般式(U−1)におけるXが置換基を有していてもよい2価の脂肪族又は芳香族炭化水素基であることが好ましい。必要に応じ、X中には、イソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばエステル、ウレタン、アミド、ウレイド基を有していてもよい。
【0041】
その他のポリイソシアネート化合物としては、具体的には以下に示すものが挙げられる。
ジイソシアネート化合物としては、例えば、1,3−ビス(イソシアネートメチル)ベンゼン、1,2−ビス(イソシアネートメチル)ベンゼン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)ベンゼン、1,3−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,2−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、4、4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1,2−フェニレンジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルフェニルイソシアネート)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフェニルイソシアネート)、4,4’−オキシビス(フェニルイソシアネート)、1,5−ナフチレンジイソシアネート等のような芳香族ジイソシアネート化合物;
【0042】
1,4−ジイソシアネートブタン、1,6−ジイソシアネートヘキサン、1,8−ジイソシアネートオクタン、1,12−イソシアネートデカン、1,5−ジイソシアネート−2−メチルペンタン、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等のような脂肪族ジイソシアネート化合物;
イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,2−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,2−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロへキシレンジイソシアネート、1,2−シクロへキシレンジイソシアネート、1,3−シクロへキシレンジイソシアネート、4、4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、4,4’−オキシビス(シクロヘキシルイソシアネート)等のような脂環族ジイソシアネート化合物;等が挙げられる。
また、例えば、4,4’,4’’−トリフェニルメタントリイソシアネートなどのトリイソシアネート類、4,4’−ジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートなどのテトライソシアネート類等が挙げられる。
このようなその他のポリイソシアネート化合物は、2種類以上を同時に使用してもよい。
【0043】
(一般式(I)〜(IV)で表される不飽和基を有するジオール化合物)
本発明に用いられる一般式(I)〜(IV)で表される不飽和基を有するジオール化合物(以下、適宜「特定ジオール化合物」と称する)としては、上記式(U−2)におけるYが、一般式(I)〜(IV)で表される不飽和基のうち少なくとも1つを有するものであれば特に限定はされない。例えば、以下に示すものを例として挙げることができる。
不飽和ポリエーテルジオール化合物、不飽和ポリスルフィドジオール化合物、不飽和ポリエステルジオール化合物、不飽和ポリアミドジオール化合物、不飽和ポリカーボネートジオール化合物、不飽和ポリスルホネートジオール化合物、不飽和ポリケトンジオール化合物、不飽和ポリスルホンジオール化合物、ポリオレフィンジオール化合物が好ましく、中でも、不飽和ポリエステルジオール化合物、不飽和ポリカーボネートジオール化合物、ポリオレフィンジオール化合物のような高分子のジオール化合物が好ましい。
これら高分子の特定ジオール化合物は、分子量が500以上のものが好ましく、700以上5,000以下のものが特に好ましい。500未満の場合は、感度が低下する傾向にあり、5,000を越えると、安定性が劣化する懸念がある。特定ポリウレタン樹脂中の、高分子の特定ジオール化合物の含有率は、5質量%以上、好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上であることが、感度、耐刷性の点で好ましい。
【0044】
<不飽和ポリエステルジオール化合物>
本発明に用いられる特定ジオール化合物の好ましい態様である、不飽和ポリエステルジオール化合物としては、前記一般式(I)〜(IV)で表される不飽和基のうち少なくとも1つを有するものであれば特に制限はないが、中でも、下記式(U−3)で表されるジカルボン酸またはカルボン酸誘導体化合物の少なくとも1種と、下記式(U−4)で表されるジオール化合物の少なくとも1種との反応生成物で表される構造単位を基本骨格とする不飽和ポリエステルジオール化合物が好ましい。
X−CO−L−CO−X (U−3)
HO−L−OH (U−4)
式(U−3)、(U−4)中、Xは、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルコキシ基を表し、L、Lは、それぞれ独立に2価の有機基を表す。
ここで、式(U−3)で表されるジカルボン酸またはカルボン酸誘導体化合物、或いは、式(U−4)で表されるジオール化合物の内、少なくとも一つが、前記一般式(I)〜(IV)で表される不飽和基のうち少なくとも1つを有していれば、当該ジカルボン酸またはカルボン酸誘導体化合物と当該ジオール化合物との反応生成物として、内部不飽和基が導入された不飽和ポリエステルジオール化合物が生成される。
好ましい不飽和ポリエステルジオール化合物としては、以下に示す化合物〔(PE−1)〜(PE−14)〕を例として挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、該不飽和ポリエステルジオール化合物は、下記式におけるnが1以上の化合物の混合物であり、その重量平均分子量(Mw)は表に併記したとおりである。
【0045】
【化11】
Figure 2005049538
【0046】
【化12】
Figure 2005049538
【0047】
<不飽和ポリカーボネートジオール化合物>
本発明に用いられる特定ジオール化合物の好ましい態様である、不飽和ポリカーボネートジオール化合物としては、前記一般式(I)〜(IV)で表される不飽和基のうち少なくとも1つを有している不飽和ポリカーボネートジオール化合物であれば、特に限定はされない。中でも、下記式(U−5)で表されるジオール化合物の少なくとも1種と、ホスゲンまたは炭酸エステルとの反応生成物で表される構造単位を基本骨格とする不飽和ポリカーボネートジオール化合物が好ましい。
HO−L−OH (U−5)
式(U−5)中Lは、2価の有機基を表す。
上記式(5)で表されるジオール化合物、或いは、ホスゲンまたは炭酸エステルの内、少なくとも一つが、前記一般式(I)〜(IV)で表される基のうち少なくとも1つを有していれば、反応生成物として、上記内部不飽和基が導入された不飽和ポリカーボネートジオール化合物が生成される。
好ましい不飽和ポリカーボネートジオール化合物としては、以下に示す化合物〔(PC−1)〜(PC−15)〕を例として挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、該不飽和ポリカーボネートジオール化合物は、下記式におけるnが1以上の化合物の混合物であり、その重量平均分子量(Mw)は表に併記したとおりである。以下に示すものを例として挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0048】
【化13】
Figure 2005049538
【0049】
【化14】
Figure 2005049538
【0050】
<ポリオレフィンジオール化合物>
本発明に用いられる特定ジオール化合物の好ましい態様である、ポリオレフィンジオール化合物としては、ポリブタジエンジオール、ポリイソプレンジオールが好ましく、中でもポリブタジエンジオールが好ましい。特に好ましいポリブタジエンジオールとしては、以下に示すものを例として挙げることができる。
【0051】
【化15】
Figure 2005049538
【0052】
以上に挙げた、特定ジオール化合物は、それぞれの2種類以上を同時に使用してもよい。
【0053】
(カルボキシ基を有する特定ポリウレタン樹脂)
本発明に使用される特定ポリウレタン樹脂は、さらにその構造内に、カルボキシ基を有することが好ましい。このような特定ポリウレタン樹脂としては、下記式(U−6)〜(U−8)のジオール化合物の少なくとも1種で表される構造単位、および/または、テトラカルボン酸2無水物をジオール化合物で開環させた化合物から由来される構造単位を有するものが挙げられる。
【0054】
【化16】
Figure 2005049538
【0055】
式(U−6)中、Rは水素原子、置換基(例えば、シアノ基、ニトロ基、−F、−Cl、−Br、−I等のハロゲン原子、−CONH、−COOR、−OR、−NHCONHR、−NHCOOR、−NHCOR、−OCONHR(ここで、Rは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜15のアラルキル基を示す。)などの各基が含まれる。)を有していてもよいアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基を示し、好ましくは水素原子、炭素数1〜8個のアルキル基、炭素数6〜15個のアリール基を示す。
式(U−6)〜(U−8)中、L、L、Lはそれぞれ同一でも相違していてもよく、単結合、置換基(例えば、アルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、ハロゲノの各基が好ましい。)を有していてもよい2価の脂肪族または芳香族炭化水素基を示し、好ましくは炭素数1〜20個のアルキレン基、炭素数6〜15個のアリーレン基、さらに好ましくは炭素数1〜8個のアルキレン基を示す。また必要に応じ、L、L、L中にイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばカルボニル、エステル、ウレタン、アミド、ウレイド、エーテル基を有していてもよい。なおR、L、L、Lのうちの2または3個で環を形成してもよい。
式(U−7)中、Arは置換基を有していてもよい三価の芳香族炭化水素基を示し、好ましくは炭素数6〜15個の芳香族基を示す。
【0056】
式(U−6)〜(U−8)で示されるカルボキシル基を有するジオール化合物としては具体的には以下に示すものが挙げられる。
例えば、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(2−ヒドロキシエチル)プロピオン酸、2,2−ビス(3−ヒドロキシプロピル)プロピオン酸、ビス(ヒドロキシメチル)酢酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、酒石酸、N,N−ジヒドロキシエチルグリシン、N,N―ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−カルボキシ−プロピオンアミド等、または、以下に示す構造のものが挙げられる。
【0057】
【化17】
Figure 2005049538
【0058】
次に、本発明に係る特定ポリウレタン樹脂の合成に好適に用いられるテトラカルボン酸2無水物としては、下記式(U−9)〜(U−11)で示されるものが挙げられる。
【0059】
【化18】
Figure 2005049538
【0060】
式(U−9)、(U−10)中、L10は単結合、置換基(例えばアルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、ハロゲノ、エステル、アミドの各基が好ましい。)を有していてもよい二価の脂肪族または芳香族炭化水素基、−CO−、−SO−、−SO−、−O−または−S−を示し、好ましくは単結合、炭素数1〜15個の二価の脂肪族炭化水素基、−CO−、−SO−、−O−または−S−を示す。
式(U−9)中、R、Rは同一でも相違していてもよく、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、またはハロゲノ基を示し、好ましくは、水素原子、炭素数1〜8個のアルキル基、炭素数6〜15個のアリール基、炭素数1〜8個のアルコキシ基またはハロゲノ基を示す。またL10、R、Rのうちの2つが結合して環を形成してもよい。
【0061】
式(U−10)中、R、Rは同一でも相違していてもよく、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基またはハロゲノ基をを示し、好ましくは水素原子、炭素数1〜8個のアルキル、または炭素数6〜15個のアリール基を示す。またL10、R、Rのうちの2つが結合して環を形成してもよい。L11、L12は同一でも相違していてもよく、単結合、二重結合、または二価の脂肪族炭化水素基を示し、好ましくは単結合、二重結合、またはメチレン基を示す。
【0062】
式(U−11)中、Aは単核または多核の芳香環を示す。好ましくは炭素数6〜18個の芳香環を示す。
【0063】
式(U−9)〜(U−11)で表される化合物としては、具体的には以下に示すものが挙げられる。
例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−べンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−スルホニルジフタル酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、4,4’−[3,3’−(アルキルホスホリルジフェニレン)−ビス(イミノカルボニル)]ジフタル酸二無水物、
【0064】
ヒドロキノンジアセテートとトリメット酸無水物の付加体、ジアセチルジアミンとトリメット酸無水物の付加体などの芳香族テトラカルボン酸二無水物;5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセシ−1,2−ジカルボン酸無水物(大日本インキ化学工業(株)製、エピクロンB−4400)、1,2,3,4−シクロぺンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物などの脂環族テトラカルボン酸二無水物;1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ペンタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
【0065】
これらのテトラカルボン酸二無水物をジオール化合物で開環された化合物から由来する構造単位をポリウレタン樹脂中に導入する方法としては、例えば以下の方法がある。
a)テトラカルボン酸二無水物をジオール化合物で開環させて得られたアルコール末端の化合物と、ジイソシアネート化合物とを反応させる方法。
b)ジイソシアネート化合物をジオール化合物過剰の条件下で反応させ得られたアルコール末端のウレタン化合物と、テトラカルボン酸二無水物とを反応させる方法。
【0066】
またこのとき使用されるジオール化合物としては、具体的には以下に示すものが挙げられる。
例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−ビス−β−ヒドロキシエトキシシクロヘキサン、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体、ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加体、ビスフェノールFのプロピレンオキサイド付加体、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体、水添ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体、ヒドロキノンジヒドロキシエチルエーテル、p−キシリレングリコール、ジヒドロキシエチルスルホン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−2,4−トリレンジカルバメート、2,4−トリレン−ビス(2−ヒドロキシエチルカルバミド)、ビス(2−ヒドロキシエチル)−m−キシリレンジカルバメート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソフタレート等が挙げられる。
【0067】
(その他のジオール化合物)
本発明に係る特定ポリウレタン樹脂は、例えば、記録層中の他の成分との相溶性を向上させ、保存安定性を向上させるといった目的等に応じ、上述の特定ジオール化合物、およびカルボキシ基を有するジオール化合物以外のジオール化合物を共重合させることができる。またこのような、その他のジオール化合物は、イソシアネートと反応しない他の置換基を有していてもよい。このような、その他のジオール化合物として好ましいものは、広くは、ポリエーテルジオール化合物、ポリエステルジオール化合物、ポリカーボネートジオール化合物等が挙げられる。
【0068】
<不飽和基を有する低分子ジオール化合物>
前記高分子の特定ジオール化合物に併用しうる不飽和基を有する低分子ジオール化合物としては、具体的には、以下に示す化合物を挙げることができる。
【0069】
【化19】
Figure 2005049538
【0070】
<ポリエーテルジオール化合物>
その他のジオール化合物として好ましい、ポリエーテルジオール化合物としては、下記式(U−12)、(U−13)、(U−14)、(U−15)、(U−16)で表される化合物、及び、末端に水酸基を有するエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダム共重合体が挙げられる。
【0071】
【化20】
Figure 2005049538
【0072】
式(U−12)〜(U−16)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Xは、以下の基を表す。
【0073】
【化21】
Figure 2005049538
【0074】
また、a,b,c,d,e,f,gはそれぞれ2以上の整数を示し、好ましくは2〜100の整数である。
【0075】
式(U−12)、(U−13)で表されるポリエーテルジオール化合物としては具体的には以下に示すものが挙げられる。
例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール、ヘプタエチレングリコール、オクタエチレングリコール、ジ−1,2−プロピレングリコール、トリ−1,2−プロピレングリコール、テトラ−1,2−プロピレングリコール、ヘキサ−1,2−プロピレングリコール、ジ−1,3−プロピレングリコール、トリ−1,3−プロピレングリコール、テトラ−1,3−プロピレングリコール、ジ−1,3−ブチレングリコール、トリ−1,3−ブチレングリコール、ヘキサ−1,3−ブチレングリコール、重量平均分子量1000のポリエチレングリコール、重量平均分子量1500のポリエチレングリコール、重量平均分子量2000のポリエチレングリコール、重量平均分子量3000のポリエチレングリコール、重量平均分子量7500のポリエチレングリコール、重量平均分子量400のポリプロピレングリコール、重量平均分子量700のポリプロピレングリコール、重量平均分子量1000のポリプロピレングリコール、重量平均分子量2000のポリプロピレングリコール、重量平均分子量3000のポリプロピレングリコール、重量平均分子量4000のポリプロピレングリコール等である。
【0076】
式(U−14)で示されるポリエーテルジオール化合物としては、具体的には以下に示すものが挙げられる。
例えば、三洋化成工業(株)製、(商品名)PTMG650,PTMG1000,PTMG2000,PTMG3000等。
【0077】
式(U−15)で示されるポリエーテルジオール化合物としては、具体的には以下に示すものが挙げられる。
例えば、三洋化成工業(株)製、(商品名)ニューポールPE−61,ニューポールPE−62,ニューポールPE−64,ニューポールPE−68,ニューポールPE−71,ニューポールPE−74,ニューポールPE−75,ニューポールPE−78,ニューポールPE−108,ニューポールPE−128,ニューポールPE−61等。
【0078】
式(U−16)で示されるポリエーテルジオール化合物としては、具体的には以下に示すものが挙げられる。
例えば、三洋化成工業(株)製、(商品名)ニューポールBPE−20、ニューポールBPE−20F、ニューポールBPE−20NK、ニューポールBPE−20T、ニューポールBPE−20G、ニューポールBPE−40、ニューポールBPE−60、ニューポールBPE−100、ニューポールBPE−180、ニューポールBPE−2P、ニューポールBPE−23P、ニューポールBPE−3P、ニューポールBPE−5P等。
【0079】
末端に水酸基を有するエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダム共重合体としては、具体的には以下に示すものが挙げられる。
例えば、三洋化成工業(株)製、(商品名)ニューポール50HB−100、ニューポール50HB−260、ニューポール50HB−400、ニューポール50HB−660、ニューポール50HB−2000、ニューポール50HB−5100等。
【0080】
<ポリエステルジオール化合物>
その他のジオール化合物として好ましい、ポリエステルジオール化合物としては、式(U−17)、(U−18)で表される化合物が挙げられる。
【0081】
【化22】
Figure 2005049538
【0082】
式(U−17)、(U−18)中、L、LおよびLではそれぞれ同一でも相違してもよく2価の脂肪族または芳香族炭化水素基を示し、Lは2価の脂肪族炭化水素基を示す。好ましくは、L、L、Lはそれぞれアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基を示し、Lはアルキレン基を示す。またL、L、L、L中にはイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばエーテル、カルボニル、エステル、シアノ、オレフィン、ウレタン、アミド、ウレイド基またはハロゲン原子等が存在していてもよい。n1、n2はそれぞれ2以上の整数であり、好ましくは2〜100の整数を示す。
【0083】
<ポリカーボネートジオール化合物>
その他のジオール化合物として好ましい、ポリカーボネートジオール化合物としては、式(U−19)で表される化合物が挙げられる。
【0084】
【化23】
Figure 2005049538
【0085】
式中、Lはそれぞれ同一でも相違してもよく2価の脂肪族または芳香族炭化水素基を示す。好ましくは、Lはアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基を示す。またL中にはイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばエーテル、カルボニル、エステル、シアノ、オレフィン、ウレタン、アミド、ウレイド基またはハロゲン原子等が存在していてもよい。n3は2以上の整数であり、好ましくは2〜l00の整数を示す。
【006l】
式(U−17)、(U−18)または(U−19)で示されるジオール化合物としては具体的には、以下に示す(例示化合物No.1)〜(例示化合物No.12)が挙げられる。具体例中のnは2以上の整数である。
【0086】
【化24】
Figure 2005049538
【0087】
【化25】
Figure 2005049538
【0088】
さらに、その他のジオール化合物としては、上記、ポリエーテルジオール化合物、ポリエステルジオール化合物、及びポリカーボネートジオール化合物以外にも、以下に示すジオール化合物が挙げられる。
【0089】
Figure 2005049538
【0090】
式(U−20)、(U−21)中、L13、L14はそれぞれ同一でも相違していてもよく、置換基(例えば、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、−F、−Cl、−Br、−I等のハロゲン原子などの各基が含まれる。)を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基または複素環基を示す。必要に応じ、L13、L14中にイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばカルボニル基、エステル基、ウレタン基、アミド基、ウレイド基などを有していてもよい。なおL13、L14で環を形成してもよい。
【0091】
また、式(U−20)、(U−21)で示される化合物の具体例としては以下に示す(例示化合物No.13)〜(例示化合物No.29)が挙げられる。
【0092】
【化26】
Figure 2005049538
【0093】
【化27】
Figure 2005049538
【0094】
【化28】
Figure 2005049538
【0095】
また、下記式(U−22)、式(U−23)で示されるジオール化合物も好適に使用できる。
【0096】
【化29】
Figure 2005049538
【0097】
式(U−22)、(U−23)中、R、Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、置換基を有してもよいアルキル基であり、cは2以上の整数を示し、好ましくは2〜100の整数である。
【0098】
式(U−22)、(U−23)で示されるジオール化合物としては、具体的には以下に示すものが挙げられる。
例えば、式(U−22)としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ぺンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール等、
また、式(U−23)としては、下記に示す化合物等が挙げられる。
【0099】
【化30】
Figure 2005049538
【0100】
また、下記式(U−24)、(U−25)で示されるジオール化合物も好適に使用できる。
Figure 2005049538
【0101】
式(U−24)、(U−25)中、L15、L16はそれぞれ同一でも相違していてもよく、置換基(例えば、アルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、アリーロキシ、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br、−I)、などの各基が含まれる。)を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基または複素環基を示す。必要に応じ、L15、L16中にイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばカルボニル、エステル、ウレタン、アミド、ウレイド基などを有していてもよい。なおL15、L16で環を形成してもよい。
【0102】
また、式(U−24)、(U−25)で示される化合物の具体例としては、以下に示すものが挙げられる。
【0103】
【化31】
Figure 2005049538
【0104】
【化32】
Figure 2005049538
【0105】
さらに、下記式(U−26)、(U−27)で示すジオール化合物も好適に使用できる。
【0106】
Figure 2005049538
【0107】
式(U−26)、(U−27)中、L17は置換基(例えば、アルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、アリーロキシ、ハロゲノの各基が好ましい。)を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基を示す。必要に応じ、L17中にイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばエステル、ウレタン、アミド、ウレイド基を有していてもよい。Ar、Arは同一でも相違していてもよく、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基を示し、好ましくは炭素数6〜15個の芳香族基を示す。nは0〜10の整数を示す。
【0108】
また、上記式(U−26)、(U−27)で示されるジオール化合物としては、具体的には以下に示すものが挙げられる。
例えば、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、4−メチルカテコール、4−t−ブチルカテコール、4−アセチルカテコール、3−メトキシカテコール、4−フェニルカテコール、4−メチルレゾルシン、4−エチルレゾルシン、4−t−ブチルレゾルシン、4−へキシルレゾルシン、4−クロロレゾルシン、4−ベンジルレゾルシン、4−アセチルレゾルシン、4−カルボメトキシレゾルシン、2−メチルレゾルシン、5−メチルレゾルシン、t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−アミルハイドロキノン、テトラメチルハイドロキノン、テトラクロロハイドロキノン、メチルカルボアミノハイドロキノン、メチルウレイドハイドロキノン、メチルチオハイドロキノン、ベンゾノルボルネン−3,6−ジオール、ビスフェノールA、
【0109】
ビスフェノールS、3,3’−ジクロロビスフェノールS、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−チオジフェノール、2,2’−ジヒドロキシジフェニルメタン、3,4−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,4−ビス(2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピル)ベンゼン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチルアミン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシアントラキノン、2−ヒドロキシベンジルアルコール、4−ヒドロキシベンジルアルコール、2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジルアルコール、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジルアルコール、4−ヒドロキシフェネチルアルコール、2−ヒドロキシエチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−ヒドロキシエチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート、レゾルシンモノ−2−ヒドロキシエチルエーテル等が挙げられる。
【0110】
また、下記式(U−28)〜(U−30)で示されるジオール化合物も好適に使用できる。
【0111】
【化33】
Figure 2005049538
【0112】
式(U−28)〜(U−30)中、R10は水素原子、置換基(例えば、シアノ、ニトロ、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br、−I)、−CONH、−COORll、−OR11、−NHCONHR11、−NHCOORll、−NHCOR11、−OCONHR11、−CONHR11(ここで、R11は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜15のアラルキル基を示す。)などの各基が含まれる。)を有していてもよいアルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、アリーロキシ基を示し、好ましくは水素原子、炭素数1〜8個のアルキル基、炭素数6〜15個のアリール基を示す。L18、L19、L20はそれぞれ同一でも相違していてもよく、単結合、置換基(例えば、アルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、ハロゲンの各基が好ましい。)を有していてもよい2価の脂肪族または芳香族炭化水素基を示し、好ましくは炭素数1〜20個のアルキレン基、炭素数6〜15個のアリーレン基、さらに好ましくは炭素数1〜8個のアルキレン基を示す。必要に応じて、L18、L19、L20中にイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばカルボニル、エステル、ウレタン、アミド、ウレイド、エーテル基を有していてもよい。なお、R10、L18、L19、L20のうちの2または3個で環を形成してもよい。Arは置換基を有していてもよい三価の芳香族炭化水素基を示し、好ましくは炭素数6〜15個の芳香族基を示す。Zは下記の基を示す。
【0113】
【化34】
Figure 2005049538
【0114】
ここで、R12、R13はそれぞれ同一でも相違していてもよく、水素原子、ナトリウム、カリウム、アルキル基、アリール基を示し、好ましくは水素原子、炭素原子1〜8個のアルキル基、炭素数6〜15個のアリール基を示す。
【0115】
前記式(U−28)〜(U−30)で示されるホスホン酸、リン酸、および/または、これらのエステル基を有するジオール化合物は、例えば以下に示す方法により合成される。
以下の式(U−31)〜(U−33)で示されるハロゲン化合物のヒドロキシ基を必要に応じて保護した後、式(U−34)で表されるMichaelis−Arbuzov反応によりホスホネートエステル化し、さらに必要により臭化水素等により加水分解することにより合成が行われる。
【0116】
【化35】
Figure 2005049538
【0117】
式(U−31)〜(U−33)中、R14は式(U−28)〜(U−30)におけるR10と同義であり、L21、L22、L23はL18、L19、L20と同義であり、Arについても同様である。また、Xは、ハロゲン原子を表す。
式(U−34)中、R15はアルキル基、アリール基を示し、好ましくは炭素数1〜8個のアルキル基、炭素数6〜15個のアリール基を示す。R16は式(U−31)〜(U−33)のXを除いた残基であり、Xはハロゲン原子、好ましくはCl、Br、Iを示す。
【0118】
また、下記式(U−35)で表されるオキシ塩化リンとの反応後、加水分解させる方法により合成が行われる。
【0119】
【化36】
Figure 2005049538
【0120】
式中、R17は式(U−34)のR16と同義であり、Mは水素原子、ナトリウムまたはカリウムを示す。
【0121】
本発明に係る特定ポリウレタン樹脂にホスホン酸基を導入する場合、前記各種ジイソシアネート化合物と、前記式(28)〜(30)で示されるホスホン酸エステル基を有するジオール化合物を反応させ、ポリウレタン樹脂化した後、臭化水素等により加水分解することで合成してもよい。
【0122】
さらに、下記に示すアミノ基含有化合物も、ジオール化合物と同様、前記各種ジイソシアネート化合物と反応させ、ウレア構造を形成してポリウレタン樹脂の構造に組み込まれてもよい。
【0123】
【化37】
Figure 2005049538
【0124】
式(U−36)、(U−37)中、R18、R19はそれぞれ同一でも相違していてもよく、水素原子、置換基(例えばアルコキシ、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br、−I)、エステル、カルボキシル基などの各基が含まれる。)を有していてもよいアルキル、アラルキル、アリール基を示し、好ましくは水素原子、置換基としてカルボキシル基を有していてもよい炭素数1〜8個のアルキル、炭素数6〜15個のアリール基を示す。L24は置換基(例えば、アルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、アリーロキシ、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br、−I)、カルボキシル基などの各基が含まれる。)を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基または複素環基を示す。必要に応じ、L24中にイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばカルボニル、エステル、ウレタン、アミド基などを有していてもよい。なおR18、L24、R19のうちの2個で環を形成してもよい
【0125】
また、上記式(U−36)、(U−37)で示される化合物の具体例としては、以下に示すものが挙げられる。
例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、プロパン−1,2−ジアミン、ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルシロキサン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、4−アミノ−2,2−6,6−テトラメチルピペリジン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、リジン、L―シスチン、イソホロンジアミン等のような脂肪族ジアミン化合物;
【0126】
o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、ベンジジン、o−ジトルイジン、o−ジアニシジン、4−ニトロ−m−フェニレンジアミン、2,5−ジメトキシ−p−フェニレンジアミン、ビス−(4−アミノフェニル)スルホン、4−カルボキシ−o−フェニレンジアミン、3−カルボキシ−m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノフェニルエーテル、1,8−ナフタレンジアミン等のような芳香族ジアミン化合物;
2−アミノイミダゾール、3−アミノトリアゾール、5−アミノ−lH−テトラゾール、4−アミノピラゾール、2−アミノベンズイミダゾール、2−アミノ−5−カルボキシートリアゾール、2,4−ジアミノ−6−メチル−S−トリアジン、2,6−ジアミノピリジン、L−ヒスチジン、DL−トリプトファン、アデニン等のような複素環アミン化合物;
【0127】
エタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、1−アミノ−2−プロパノール、1−アミノ−3−プロパノール、2−アミノエトキシエタノール、2−アミノチオエトキシエタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、p−アミノフェノール、m−アミノフェノール、o−アミノフェノール、4−メチル−2−アミノフェノール、2−クロロ−4−アミノフェノール、4−メトキシ−3−アミノフェノール、4−ヒドロキシベンジルアミン、4−アミノ−1−ナフトール、4−アミノサリチル酸、4−ヒドロキシ−N−フェニルグリシン、2−アミノベンジルアルコール、4−アミノフェネチルアルコール、2−カルボキシ−5−アミノ−1−ナフトール、L−チロシン等のようなアミノアルコールまたはアミノフェノール化合物等。
【0128】
本発明に係る特定ポリウレタン樹脂は上記各種イソシアネート化合物およびジオール化合物を非プロトン性溶媒中、それぞれの反応性に応じた活性の公知の触媒を添加し、加熱することにより合成される。使用するジイソシアネートおよびジオール化合物のモル比は好ましくは0.8:1〜1.2:1であり、ポリマー末端にイソシアネート基が残存した場合、アルコール類またはアミン類等で処理することにより、最終的にイソシアネート基が残存しない形で合成される。
【0129】
本発明に係る特定ポリウレタン樹脂の好ましい態様としては、ポリウレタン樹脂中、芳香族部位、特に芳香族ジイソシアネートを10質量%以上、好ましくは20質量%以上含有するものが、耐刷性の点で好ましい。
また、特定ポリウレタン樹脂の酸価が0.4meq/g以上であることが、現像性の点で好ましい。主鎖における炭素−炭素不飽和基含有量としては、0.1meq/g以上、好ましくは0.4meq/g以上であることが、感度の点で好ましい。
また、特定ポリウレタン樹脂のガラス転移温度(Tg)が20℃以上、より好ましくは30℃以上であることが、保存安定性、感度の点で好ましい。
さらに、特定ポリウレタン樹脂の重量平均分子量については、好ましくは5000以上であり、さらに好ましくは1万〜30万の範囲であり、数平均分子量については好ましくは10,000以上であり、さらに好ましくは30,000〜20万の範囲である。多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は1以上が好ましく、さらに好ましくは1.1〜10の範囲である。
【0130】
本発明に係る特定ポリウレタン樹脂は単独で用いても、2種以上を混合して使用してもよい。また、本発明の効果を損なわない限りにおいて、(A)特定ポリウレタン樹脂の他に、後述する(E)バインダーポリマーを混合して使用することができる。この場合、(E)バインダーポリマーは、(A)特定ポリウレタン樹脂を含む全高分子化合物中で90質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは70質量%以下である。
本発明の平版印刷版原版の記録層に含まれる(A)特定ポリウレタン樹脂の含有量は固形分で約5〜95質量%であり、好ましくは、約10〜85質量%である。添加量が5質量%未満の場合は、画像形成した際、画像部の強度が不足する。また添加量が95質量%を越える場合は、画像形成性に劣る傾向がある。
【0131】
〔(B)ラジカル開始剤〕
本発明の平版印刷版原版の記録層には、ラジカル開始剤を含有することを特徴とする。ラジカル開始剤とは、光および/または熱のエネルギーによってラジカルを発生し、後述の(C)重合性化合物の重合反応を開始、促進させる化合物を指す。
本発明において、好ましいラジカル開始剤としては、(a)芳香族ケトン類、(b)オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(d)チオ化合物、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(f)ケトオキシムエステル化合物、(g)ボレート化合物、(h)アジニウム化合物、(i)メタロセン化合物、(j)活性エステル化合物、(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物等が挙げられる。以下に、上記(a)〜(k)の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0132】
(a)芳香族ケトン類
本発明に用いられるラジカル開始剤として好ましい(a)芳香族ケトン類としては、「RADIATION CURING IN POLYMER SCIENCE AND TECHNOLOGY」J.P.Fouassier,J.F.Rabek(1993),p77−117記載のベンゾフェノン骨格あるいはチオキサントン骨格を有する化合物が挙げられる。例えば、
【0133】
【化38】
Figure 2005049538
【0134】
が挙げられる。中でも、特に好ましい(a)芳香族ケトン類の例としては、特公昭47−6416記載のα−チオベンゾフェノン化合物、特公昭47−3981記載のベンゾインエーテル化合物、例えば、下記化合物が挙げられる。
【0135】
【化39】
Figure 2005049538
【0136】
特公昭47−22326記載のα−置換ベンゾイン化合物、例えば、下記化合物が挙げられる。
【0137】
【化40】
Figure 2005049538
【0138】
特公昭47−23664記載のベンゾイン誘導体、特開昭57−30704記載のアロイルホスホン酸エステル、特公昭60−26483記載のジアルコキシベンゾフェノン、例えば、下記化合物が挙げられる。
【0139】
【化41】
Figure 2005049538
【0140】
特公昭60−26403、特開昭62−81345記載のベンゾインエーテル類、例えば、下記化合物が挙げられる。
【0141】
【化42】
Figure 2005049538
【0142】
特公平1−34242、米国特許第4,318,791号、ヨーロッパ特許0284561A1号記載のα−アミノベンゾフェノン類、例えば、下記化合物が挙げられる。
【0143】
【化43】
Figure 2005049538
【0144】
特開平2−211452記載のp−ジ(ジメチルアミノベンゾイル)ベンゼン、例えば、下記化合物が挙げられる。
【0145】
【化44】
Figure 2005049538
【0146】
特開昭61−194062記載のチオ置換芳香族ケトン、例えば、下記化合物が挙げられる。
【0147】
【化45】
Figure 2005049538
【0148】
特公平2−9597記載のアシルホスフィンスルフィド、例えば、下記化合物が挙げられる。
【0149】
【化46】
Figure 2005049538
【0150】
特公平2−9596記載のアシルホスフィン、例えば、下記化合物が挙げられる。
【0151】
【化47】
Figure 2005049538
【0152】
また、特公昭63−61950記載のチオキサントン類、特公昭59−42864記載のクマリン類等を挙げることもできる。
【0153】
(b)オニウム塩化合物
本発明に用いられるラジカル開始剤として好ましい(b)オニウム塩化合物としては、下記一般式(1)〜(3)で表される化合物が挙げられる。
【0154】
【化48】
Figure 2005049538
【0155】
式(1)中、ArとArは、それぞれ独立に、置換基を有していても良い炭素原子数20個以下のアリール基を示す。このアリール基が置換基を有する場合の好ましい置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素原子数12個以下のアルキル基、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、または炭素原子数12個以下のアリールオキシ基が挙げられる。(Zはハロゲンイオン、過塩素酸イオン、カルボン酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、およびスルホン酸イオンからなる群より選択される対イオンを表し、好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロフォスフェートイオン、およびアリールスルホン酸イオンである。
【0156】
式(2)中、Arは、置換基を有していても良い炭素原子数20個以下のアリール基を示す。好ましい置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素原子数12個以下のアルキル基、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、炭素原子数12個以下のアリールオキシ基、炭素原子数12個以下のアルキルアミノ基、炭素原子数12個以下のジアルキルアミノ基、炭素原子数12個以下のアリールアミノ基または、炭素原子数12個以下のジアリールアミノ基が挙げられる。(Zは(Zと同義の対イオンを表す。
【0157】
式(3)中、R23、R24及びR25は、それぞれ同じでも異なっていても良く、置換基を有していても良い炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ましい置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素原子数12個以下のアルキル基、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、または炭素原子数12個以下のアリールオキシ基が挙げられる。(Zは(Zと同義の対イオンを表す。
【0158】
本発明において、好適に用いることのできるオニウム塩の具体例としては、本願出願人が先に提案した特願平11−310623号明細書の段落番号[0030]〜[0033]に記載されたものや特願2000−160323号明細書の段落番号[0015]〜[0046]に記載されたもの、また、特願2000−266797号、特願2001−号177150号、特願2000−160323号、特願2000−184603号、特願2000−310808号、特願2002−265467号、特願2002−366539号記載の特定の芳香族スルホニウム塩化合物などを挙げることができる。
【0159】
本発明において用いられるオニウム塩は、極大吸収波長が400nm以下であることが好ましく、さらに360nm以下であることが好ましい。このように吸収波長を紫外線領域にすることにより、平版印刷版原版の取り扱いを白灯下で実施することができる。
【0160】
(c)有機過酸化物
本発明に用いられるラジカル開始剤として好ましい(c)有機過酸化物としては、分子中に酸素−酸素結合を1個以上有する有機化合物のほとんど全てが含まれるが、その例としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(ターシャリイブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(ターシャリイブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(ターシャリイブチルパーオキシ)ブタン、ターシャリイブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジターシャリイブチルパーオキサイド、ターシャリイブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ビス(ターシャリイブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリイブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−キサノイルパーオキサイド、過酸化こはく酸、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、メタ−トルオイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ターシャリイブチルパーオキシアセテート、ターシャリイブチルパーオキシピバレート、ターシャリイブチルパーオキシネオデカノエート、ターシャリイブチルパーオキシオクタノエート、ターシャリイブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、ターシャリイブチルパーオキシラウレート、ターシャリーカーボネート、3,3′4,4′−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(t−アミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(t−オクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、カルボニルジ(t−ブチルパーオキシ二水素二フタレート)、カルボニルジ(t−ヘキシルパーオキシ二水素二フタレート)等がある。
【0161】
中でも、3,3′4,4′−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(t−アミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(t−オクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレートなどの過酸化エステル系が好ましい。
【0162】
(d)チオ化合物
本発明で用いられるラジカル開始剤として好ましい(d)チオ化合物としては、下記一般式(4)で示される構造を有する化合物が挙げられる。
【0163】
【化49】
Figure 2005049538
【0164】
(ここで、R26はアルキル基、アリール基または置換アリール基を示し、R27は水素原子またはアルキル基を示す。また、R26とR27は、互いに結合して酸素、硫黄および窒素原子から選ばれたヘテロ原子を含んでもよい5員ないし7員環を形成するのに必要な非金属原子群を示す。)
上記一般式(4)におけるアルキル基としては炭素原子数1〜4個のものが好ましい。またアリール基としてはフェニル、ナフチルのような炭素原子数6〜10個のものが好ましく、置換アリール基としては、上記のようなアリール基に塩素原子のようなハロゲン原子、メチル基のようなアルキル基、メトシキ基、エトキシ基のようなアルコキシ基で置換されたものが含まれる。R27は、好ましくは炭素原子数1〜4個のアルキル基である。一般式(4)で示されるチオ化合物の具体例としては、下記に示すような化合物が挙げられる。
【0165】
【化50】
Figure 2005049538
【0166】
(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物
本発明に用いられるラジカル開始剤として好ましい(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、特公昭45−37377号、特公昭44−86516号記載のロフィンダイマー類、例えば2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(o,o′−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−メチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
【0167】
(f)ケトオキシムエステル化合物
本発明に用いられるラジカル開始剤として好ましい(f)ケトオキシムエステル化合物としては、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−p−トルエンスルホニルオキシイミノブタン−2−オン、2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられる。
【0168】
(g)ボレート化合物
本発明に用いられるラジカル開始剤として好ましい(g)ボレート化合物の例としては、下記一般式(5)で表される化合物を挙げることができる。
【0169】
【化51】
Figure 2005049538
【0170】
(ここで、R28、R29、R30およびR31は互いに同一でも異なっていてもよく、各々置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアルケニル基、置換もしくは非置換のアルキニル基、又は置換もしくは非置換の複素環基を示し、R28、R29、R30およびR31はその2個以上の基が結合して環状構造を形成してもよい。ただし、R28、R29、R30およびR31のうち、少なくとも1つは置換もしくは非置換のアルキル基である。(Zはアルカリ金属カチオンまたは第4級アンモニウムカチオンを示す。)
上記R28〜R31のアルキル基としては、直鎖、分枝、環状のものが含まれ、炭素原子数1〜18のものが好ましい。具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ステアリル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが含まれる。また置換アルキル基としては、上記のようなアルキル基に、ハロゲン原子(例えば−Cl、−Brなど)、シアノ基、ニトロ基、アリール基(好ましくはフェニル基)、ヒドロキシ基、−COOR32(ここでR32は水素原子、炭素数1〜14のアルキル基、又はアリール基を示す)、−OCOR33又は−OR34(ここでR33、R34は炭素数1〜14のアルキル基、又はアリール基を示す)、及び下記式で表されるものを置換基として有するものが含まれる。
【0171】
【化52】
Figure 2005049538
【0172】
(ここでR35、R36は独立して水素原子、炭素数1〜14のアルキル基、又はアリール基を示す)
上記R28〜R31のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などの1〜3環のアリール基が含まれ、置換アリール基としては、上記のようなアリール基に前述の置換アルキル基の置換基又は、炭素数1〜14のアルキル基を有するものが含まれる。上記R28〜R31のアルケニル基としては、炭素数2〜18の直鎖、分枝、環状のものが含まれ。置換アルケニル基の置換基としては、前記の置換アルキル基の置換基として挙げたものが含まれる。上記R28〜R31のアルキニル基としては、炭素数2〜28の直鎖又は分枝のものが含まれ、置換アルキニル基の置換基としては、前記置換アルキル基の置換基として挙げたものが含まれる。また、上記R28〜R31の複素環基としてはN、SおよびOの少なくとも1つを含む5員環以上、好ましくは5〜7員環の複素環基が挙げられ、この複素環基には縮合環が含まれていてもよい。更に置換基として前述の置換アリール基の置換基として挙げたものを有していてもよい。一般式(5)で示される化合物例としては具体的には米国特許3,567,453号、同4,343,891号、ヨーロッパ特許109,772号、同109,773号に記載されている化合物および以下に示すものが挙げられる。
【0173】
【化53】
Figure 2005049538
【0174】
(h)アジニウム化合物
本発明に用いられるラジカル開始剤として好ましい(h)アジニウム塩化合物としては、特開昭63−138345号、特開昭63−142345号、特開昭63−142346号、特開昭63−143537号ならびに特公昭46−42363号記載のN−O結合を有する化合物群をあげることができる。
【0175】
(i)メタロセン化合物
本発明に用いられるラジカル開始剤として好ましい(i)メタロセン化合物としては、特開昭59−152396号、特開昭61−151197号、特開昭63−41484号、特開平2−249号、特開平2−4705号記載のチタノセン化合物ならびに、特開平1−304453号、特開平1−152109号記載の鉄−アレーン錯体をあげることができる。
【0176】
上記チタノセン化合物の具体例としては、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル)チタニウムビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(メチルスルホンアミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ブチルビアロイル−アミノ)フェニル〕チタン、
【0177】
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ブチル−(4−クロロベンゾイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ベンジル−2,2−ジメチルペンタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(2−エチルヘキシル)−4−トリル−スルホニル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(3−オキサヘプチル)ベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(3,6−ジオキサデシル)ベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(トリフルオロメチルスルホニル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(トリフルオロアセチルアミノ)フェニル〕チタン、
【0178】
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(2−クロロベンゾイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(4−クロロベンゾイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(3,6−ジオキサデシル)−2,2−ジメチルペンタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(3,7−ジメチル−7−メトキシオクチル)ベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−シクロヘキシルベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、等を挙げることができる。
【0179】
(j)活性エステル化合物
本発明に用いられるラジカル開始剤として好ましい(j)活性エステル化合物としては、特公昭62−6223記載のイミドスルホネート化合物、特公昭63−14340号、特開昭59−174831号記載の活性スルホネート類をあげることができる。
【0180】
(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物
本発明に用いられるラジカル開始剤として好ましい(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物としては、下記一般式(6)から(12)のものを挙げることができる。
【0181】
【化54】
Figure 2005049538
【0182】
(式中、Xはハロゲン原子をし、Yは−C(X、−NH、−NHR38、−NR38、−OR38を表わす。ここでR38はアルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基を表わす。またR37は−C(X、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、置換アルケニル基、を表わす。)
【0183】
【化55】
Figure 2005049538
【0184】
(ただし、R39は、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、置換アルコキシル基、ニトロ基又はシアノ基であり、Xはハロゲン原子であり、nは1〜3の整数である。)
【0185】
【化56】
Figure 2005049538
【0186】
(ただし、R40は、アリール基又は置換アリール基であり、R41は、以下に示す基又はハロゲンであり、Zは−C(=O)−、−C(=S)−又は−SO−であり、Xはハロゲン原子であり、mは1又は2である。)
【0187】
【化57】
Figure 2005049538
【0188】
(R42、R43はアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基又は置換アリール基であり、R44は一般式(6)中のR38と同じである。)
【0189】
【化58】
Figure 2005049538
【0190】
(ただし、式中、R45は置換されていてもよいアリール基又は複素環式基であり、R46は炭素原子1〜3個を有するトリハロアルキル基又はトリハロアルケニル基であり、pは1、2又は3である。)
【0191】
【化59】
Figure 2005049538
【0192】
(式(10)は、トリハロゲノメチル基を有するカルボニルメチレン複素環式化合物を表す。Lは水素原子又は式:CO−(R47)q(C(X)rの置換基であり、Qはイオウ、セレン又は酸素原子、ジアルキルメチレン基、アルケン−1,2−イレン基、1,2−フェニレン基又はN−R基であり、Mは置換又は非置換のアルキレン基又はアルケニレン基であるか、又は1,2−アリーレン基であり、R48はアルキル基、アラルキル基又はアルコキシアルキル基であり、R47は炭素環式又は複素環式の2価の芳香族基であり、Xは塩素、臭素またはヨウ素原子であり、q=0及びr=1であるか又はq=1及びr=1又は2である。)
【0193】
【化60】
Figure 2005049538
【0194】
(式(11)は、4−ハロゲノ−5−(ハロゲノメチル−フェニル)−オキサゾール誘導体を表す。Xはハロゲン原子であり、tは1〜3の整数であり、sは1〜4の整数であり、R49は水素原子又はCH3−t 基であり、R50はs価の置換されていてもよい不飽和有機基である。)
【0195】
【化61】
Figure 2005049538
【0196】
(式(12)は、2−(ハロゲノメチル−フェニル)−4−ハロゲノ−オキサゾール誘導体を表す。Xはハロゲン原子であり、vは1〜3の整数であり、uは1〜4の整数であり、R51は水素原子又はCH3−v 基であり、R52はu価の置換されていてもよい不飽和有機基である。)
【0197】
このような炭素−ハロゲン結合を有する化合物の具体例としては、たとえば、若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物、たとえば、2−フェニル4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−クロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(2′,4′−ジクロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−n−ノニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロルエチル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン等が挙げられる。その他、英国特許1388492号明細書記載の化合物、たとえば、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−メチルスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4−アミノ−6−トリクロルメチル−S−トリアジン等、特開昭53−133428号記載の化合物、たとえば、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン、2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン)、2−(アセナフト−5−イル)−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン等、独国特許3337024号明細書記載の化合物、例えば、下記化合物等を挙げることができる。
【0198】
【化62】
Figure 2005049538
【0199】
また、F.C.Schaefer等によるJ.Org.Chem.29、1527(1964)記載の化合物、たとえば2−メチル−4,6−ビス(トリブロムメチル)−S−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロムメチル)−S−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロムメチル)−S−トリアジン、2−アミノ−4−メチル−6−トリブロムメチル−S−トリアジン、2−メトキシ−4−メチル−6−トリクロルメチル−S−トリアジン等を挙げることができる。さらに特開昭62−58241号記載の、例えば、下記化合物等を挙げることができる。
【0200】
【化63】
Figure 2005049538
【0201】
更に特開平5−281728号記載の、例えば、下記化合物等を挙げることができる。
【0202】
【化64】
Figure 2005049538
【0203】
あるいはさらにM.P.Hutt、E.F.ElslagerおよびL.M.Herbel著「Journalof Heterocyclic chemistry」第7巻(No.3)、第511頁以降(1970年)に記載されている合成方法に準じて、当業者が容易に合成することができる次のような化合物群、例えば、下記化合物等を挙げることができる。
【0204】
【化65】
Figure 2005049538
【0205】
(l)アゾ系化合物
本発明に用いられるラジカル開始剤として好ましい(i)アゾ系化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスプロピオニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキシム)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等を挙げることができる。
【0206】
本発明におけるラジカル開始剤のさらにより好ましい例としては、上述の(a)芳香族ケトン類、(b)オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(i)メタロセン化合物、(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物、を挙げることができ、さらに最も好ましい例としては、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、チタノセン化合物、一般式(6)であらわされるトリハロメチル−S−トリアジン化合物を挙げることができる。
【0207】
これらのラジカル開始剤は、記録層の全固形分に対し、0.1〜50質量%、好ましくは、0.5〜30質量%、特に好ましくは5〜20質量%の割合で添加することができる。
本発明におけるラジカル開始剤は単独もしくは2種以上の併用によって好適に用いられる。
【0208】
〔(C)光熱変換剤〕
本発明の平版印刷版原版の記録層には、所定の波長の光を吸収し、熱エネルギーに変換する(C)光熱変換剤を添加することが好ましい。この光熱変換剤が吸収し得る波長の露光により上記ラジカル開始剤のラジカル発生反応や、それによる前記(A)特定ポリウレタン化合物、及び後述の(D)重合性化合物の重合反応が促進されるものである。
このような光熱変換剤としては、公知の分光増感色素または光を吸収して光ラジカル開始剤と相互作用する染料、あるいは顔料が挙げられる。この光熱変換剤の吸収する光の波長により、本発明の平版印刷版原版は、紫外線から可視光線および赤外線まで種々の波長に感応し、画像を形成しうるものとなる。
【0209】
<分光増感色素または染料>
本発明に用いられる光熱変換剤として好ましい分光増感色素または染料は、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、フタロシアニン類(例えば、フタロシアニン、メタルフタロシアニン)、ポルフィリン類(例えば、テトラフェニルポルフィリン、中心金属置換ポルフィリン)、クロロフィル類(例えば、クロロフィル、クロロフィリン、中心金属置換クロロフィル)、金属錯体(例えば、下記化合物)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、等が挙げられる。
【0210】
【化66】
Figure 2005049538
【0211】
より好ましい分光増感色素又は染料の例としては特公平37−13034号記載のスチリル系色素、例えば、
【0212】
【化67】
Figure 2005049538
【0213】
特開昭62−143044号記載の陽イオン染料、例えば、
【0214】
【化68】
Figure 2005049538
【0215】
特公昭59−24147号記載のキノキサリニウム塩、例えば、
【0216】
【化69】
Figure 2005049538
【0217】
特開昭64−33104号記載の新メチレンブルー化合物、例えば、
【0218】
【化70】
Figure 2005049538
【0219】
特開昭64−56767号記載のアントラキノン類、例えば、
【0220】
【化71】
Figure 2005049538
【0221】
特開平2−1714号記載のベンゾキサンテン染料、特開平2−226148号及び特開平2−226149号記載のアクリジン類、例えば、
【0222】
【化72】
Figure 2005049538
【0223】
特公昭40−28499号記載のピリリウム塩類、例えば、
【0224】
【化73】
Figure 2005049538
【0225】
特公昭46−42363号記載のシアニン類、例えば、
【0226】
【化74】
Figure 2005049538
【0227】
特開平2−63053号記載のベンゾフラン色素、例えば、
【0228】
【化75】
Figure 2005049538
【0229】
特開平2−85858号、特開平2−216154号の共役ケトン色素、例えば、
【0230】
【化76】
Figure 2005049538
【0231】
特開昭57−10605号記載の色素、特公平2−30321号記載のアゾシンナミリデン誘導体、例えば、
【0232】
【化77】
Figure 2005049538
【0233】
特開平1−287105号記載のシアニン系色素、例えば、
【0234】
【化78】
Figure 2005049538
【0235】
特開昭62−31844号、特開昭62−31848号、特開昭62−143043号記載のキサンテン系色素、例えば、
【0236】
【化79】
Figure 2005049538
【0237】
特公昭59−28325号記載のアミノスチリルケトン、例えば、
【0238】
【化80】
Figure 2005049538
【0239】
特開平2−179643号記載の以下の一般式(13)〜(15)で表わされる色素、
【0240】
【化81】
Figure 2005049538
【0241】
(式中、Aは、酸素原子、イオウ原子、セレン原子、テルル原子、アルキル又はアリール置換された窒素原子またはジアルキル置換された炭素原子を表し、Yは、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、アシル基、または置換アルコキシカルボニル基を表し、R53、R54は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、もしくは置換基として、−OR55、−(CHCHO)−R55、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、及び下記式で表される基を有する炭素数1〜18の置換アルキル基(但し、R55は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、Bは、ジアルキルアミノ基、水酸基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基を表す。wは0〜4の整数を表す。)
【0242】
【化82】
Figure 2005049538
【0243】
特開平2−244050号記載の以下の一般式(16)で表されるメロシアニン色素、
【0244】
【化83】
Figure 2005049538
【0245】
(式中、R56およびR57は各々独立して水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アルコキシカルボニル基、アリール基、置換アリール基またはアラルキル基を表わす。Aは、酸素原子、イオウ原子、セレン原子、テルル原子、アルキルないしはアリール置換された窒素原子、またはジアルキル置換された炭素原子を表わす。Xは含窒素ヘテロ五員環を形成するのに必要な非金属原子群を表わす。Yは置換フェニル基、無置換ないし置換された多核芳香環、または無置換ないしは置換されたヘテロ芳香環を表わす。Zは水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、置換アミノ基、アシル基、またはアルコキシカルボニル基を表しし、Yと互いに結合して環を形成していてもよい。好ましい具体例としては、下記化合物)
【0246】
【化84】
Figure 2005049538
【0247】
特公昭59−28326号記載の以下の一般式(17)で表されるメロシアニン色素、
【0248】
【化85】
Figure 2005049538
【0249】
(式中、R58およびR59はそれぞれ水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基またはアラルキル基を表わし、それらは互いに等しくても異ってもよい。Xはハメット(Hammett)のシグマ(σ)値が−0.9から+0.5までの範囲内の置換基を表す)
【0250】
特開昭59−89303号記載の以下の一般式(18)で表されるメロシアニン色素、
【0251】
【化86】
Figure 2005049538
【0252】
〔(式中R60およびR61は各々独立して水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基またはアラルキル基を表わす。Xはハメット(Hammett)のシグマ(σ)値が−0.9から+0.5までの範囲内の置換基を表わす。Yは水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、アシル基またはアルコキシカルボニル基を表す)好ましい具体例としては、下記に示す化合物が挙げられる〕
【0253】
【化87】
Figure 2005049538
【0254】
特願平6−269047号記載の以下の一般式(19)で表されるメロシアニン色素、
【0255】
【化88】
Figure 2005049538
【0256】
〔(式中、R62、R63、R64、R65、R70、R71、R72、R73はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、ヒドロキシル基、置換オキシ基、メルカプト基、置換チオ基、アミノ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、スルホ基、スルホナト基、置換スルフィニル基、置換スルホニル基、ホスフォノ基、置換ホスフォノ基、ホスフォナト基、置換ホスフォナト基、シアノ基、ニトロ基を表すか、もしくは、R62とR63、R63とR64、R64とR65、R70とR71、R71とR72、R72とR73が互いに結合して脂肪族又は芳香族環を形成していても良く、R66は水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、又は置換アリール基を表し、R67は置換、又は無置換のアルケニルアルキル基、又は置換もしくは無置換のアルキニルアルキル基を表し、R68、R69はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、置換カルボニル基を表す)好ましい具体例としては、下記で示す化合物が挙げられる〕
【0257】
【化89】
Figure 2005049538
【0258】
特願平7−164583号記載の以下の一般式(20)で表されるベンゾピラン系色素、
【0259】
【化90】
Figure 2005049538
【0260】
(式中、R74〜R77は互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、水酸基、アルコキシ基又はアミノ基を表す。またR74〜R77はそれらが各々結合できる炭素原子と共に非金属原子から成る環を形成していても良い。R78は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ芳香族基、シアノ基、アルコキシ基、カルボキシ基又はアルケニル基を表す。R79はR78で表される基または−Z−R78であり、Zはカルボニル基、スルホニル基、スルフィニル基またはアリーレンジカルボニル基を表す。またR78及びR79は共に非金属原子から成る環を形成しても良い。AはO原子、S原子、NHまたは置換基を有するN原子を表す。BはO原子、または=C(G)(G)の基を表す。G、Gは同一でも異なっていても良く、水素原子、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、アリールカルボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はフルオロスルホニル基を表す。但し、G、Gは同時に水素原子となることはない。またG及びGは炭素原子と共に非金属原子からなる環を形成していても良い。)等を挙げることができる。
【0261】
その他、以下の光熱変換剤(染料或いは顔料)も好適に使用される。好ましい染料としては、例えば、特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭59−202829号、特開昭60−78787号公報等に記載されているシアニン染料、英国特許434,875号明細書記載のシアニン染料等を挙げることができる。
【0262】
また、米国特許第5,156,938号明細書に記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、さらに、米国特許第3,881,924号明細書に記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号(米国特許第4,327,169号)公報に記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号公報に記載のピリリウム系化合物、特開昭59−216146号公報に記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号明細書に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や、特公平5−13514号、同5−19702号公報に記載されているピリリウム化合物も好ましく用いられる。
【0263】
また、米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料、EP916513A2号明細書に記載のフタロシアニン系染料も好ましい染料として挙げることができる。
【0264】
さらに、特願平10−79912号公報に記載のアニオン性光熱変換剤も、好適に使用することができる。アニオン性光熱変換剤とは、実質的に赤外線を吸収する色素の母核にカチオン構造がなく、アニオン構造を有するものを示す。例えば、(イ)アニオン性金属錯体、(ロ)アニオン性カーボンブラック、(ハ)アニオン性フタロシアニン、さらに(ニ)下記一般式(21)で表される化合物などが挙げられる。これらのアニオン性光熱変換剤の対カチオンは、プロトンを含む一価の陽イオン、あるいは多価の陽イオンである。
【0265】
【化91】
Figure 2005049538
【0266】
ここで、(イ)アニオン性金属錯体とは、実質的に光を吸収する錯体部の中心金属および配位子全体でアニオンとなるものを示す。
【0267】
(ロ)アニオン性カーボンブラックは、置換基としてスルホン酸、カルボン酸、ホスホン酸基等のアニオン基が結合しているカーボンブラックが挙げられる。これらの基をカーボンブラックに導入するには、カーボンブラック便覧第三版(カーボンブラック協会編、1995年4月5日、カーボンブラック協会発行)第12頁に記載されるように、所定の酸でカーボンブラックを酸化する等の手段をとればよい。
【0268】
(ハ)アニオン性フタロシアニンは、フタロシアニン骨格に、置換基として、先に(ロ)の説明において挙げたアニオン基が結合し、全体としてアニオンとなっているものを示す。
【0269】
次に、前記(ニ)一般式(21)で表される化合物、について、詳細に説明する。前記一般式(21)中、Gはアニオン性置換基を表し、G10は中性の置換基を表す。(X10は、プロトンを含む1〜m価のカチオンを表し、mは1ないし6の整数を表す。Mは共役鎖を表し、この共役鎖Mは置換基や環構造を有していてもよい。共役鎖Mは、下記式で表すことができる。
【0270】
【化92】
Figure 2005049538
【0271】
式中、R80、R81、R82はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、カルボニル基、チオ基、スルホニル基、スルフィニル基、オキシ基、アミノ基を表し、これらは互いに連結して環構造を形成していてもよい。nは、1〜8の整数を表す。
【0272】
前記一般式(21)で表されるアニオン性光熱変換剤のうち、以下のIRA−1〜IRA−5のものが、好ましく用いられる。
【0273】
【化93】
Figure 2005049538
【0274】
また、以下のIRC−1〜IRC−44に示すカチオン性光熱変換剤も好ましく使用できる。
【0275】
【化94】
Figure 2005049538
【0276】
【化95】
Figure 2005049538
【0277】
【化96】
Figure 2005049538
【0278】
【化97】
Figure 2005049538
【0279】
【化98】
Figure 2005049538
【0280】
【化99】
Figure 2005049538
【0281】
【化100】
Figure 2005049538
【0282】
【化101】
Figure 2005049538
【0283】
【化102】
Figure 2005049538
【0284】
前記構造式中、Tは、1価の対アニオンを表し、好ましくは、ハロゲンアニオン(F,Cl、Br、I)、ルイス酸アニオン(BF 、PF 、SbCl 、ClO )、アルキルスルホン酸アニオン、アリールスルホン酸アニオンである。
【0285】
前記アルキルスルホン酸のアルキルとは、炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基を意味し、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基を挙げることができる。これらの中では、炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状、ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。
【0286】
また前記アリールスルホン酸のアリールとは、1個のベンゼン環からなるもの、2又は3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものを表し、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナブテニル基、フルオレニル基、を挙げることができ、これらの中でも、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
【0287】
また、以下のIRN−1〜IRN−9に示す非イオン性光熱変換剤も好ましく使用できる。
【0288】
【化103】
Figure 2005049538
【0289】
【化104】
Figure 2005049538
【0290】
【化105】
Figure 2005049538
【0291】
前記例示化合物中、特に好ましいアニオン性光熱変換剤としてはIRA−1が、カチオン性光熱変換剤としてはIRC−7、IRC−30、IRC−40、およびIRC−42が、非イオン性光熱変換剤としてはIRN−9が挙げられる。
【0292】
<顔料>
本発明において使用される顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
【0293】
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいものはカーボンブラックである。
【0294】
これら顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
【0295】
顔料の粒径は0.01μm〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲にあることがさらに好ましく、特に0.1μm〜1μmの範囲にあることが好ましい。顔料の粒径が0.01μm未満のときは分散物の画像記録層塗布液中での安定性の点で好ましくなく、また、10μmを越えると画像記録層の均一性の点で好ましくない。
【0296】
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
【0297】
なお、このような光熱変換剤は、記録層組成物中に他の成分とともに直接添加してもよいが、記録層に隣接する別の層を設けて、そこへ添加しても同様の効果を得ることができる。
また、記録層を形成した際に、記録層の波長300nm〜1200nmの範囲における吸収極大での光学濃度が、0.1〜3.0の間にあることが好ましい。この範囲をはずれた場合、感度が低くなる傾向がある。光学濃度は光熱変換剤の添加量と記録層の厚みとにより決定されるため、所定の光学濃度は両者の条件を制御することにより得られる。記録層の光学濃度は常法により測定することができる。測定方法としては、例えば、透明、或いは白色の支持体上に、乾燥後の塗布量が平版印刷版として必要な範囲において適宜決定された厚みの記録層を形成し、透過型の光学濃度計で測定する方法、アルミニウム等の反射性の支持体上に記録層を形成し、反射濃度を測定する方法等が挙げられる。
【0298】
〔(D)重合性化合物〕
本発明の平版印刷版原版の記録層には、前記ラジカル開始剤から発生したラジカルを開始剤として、重合反応を生起、促進する(D)重合性化合物を添加することが、膜硬化性および耐刷性の観点から好ましい。
本発明に使用される重合性化合物は、エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシ基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物、及び単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
【0299】
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。
【0300】
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
【0301】
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
【0302】
その他のエステルの例として、例えば、特公昭46−27926、特公昭51−47334、特開昭57−196231記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240、特開昭59−5241、特開平2−226149記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。更に、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
【0303】
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
【0304】
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
【0305】
CH=C(R)COOCHCH(R)OH ・・・一般式
(ただし、R及びRは、H又はCHを示す。)
【0306】
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた重合性組成物を得ることができる。
【0307】
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号、各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
【0308】
これらの重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、その利用目的、例えば、本発明の平版印刷版原版の記録材料として用いる場合には、最終的な平版印刷版原版の性能設計にあわせて任意に設定することができる。例えば、次のような観点から選択される。感光スピードの点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感光性と強度の両方を調節する方法も有効である。大きな分子量の化合物や疎水性の高い化合物は、感光スピードや膜強度に優れる反面、現像スピードや現像液中での析出といった点で好ましく無い場合がある。また、記録層中の他の成分(例えばバインダーポリマー、開始剤、着色剤等)との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、基板や後述のオーバーコート層等の密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。記録層中の重合性化合物の配合比に関しては、多い方が感度的に有利であるが、多すぎる場合には、好ましく無い相分離が生じたり、記録層の粘着性による製造工程上の問題(例えば、記録層成分の転写、粘着に由来する製造不良)や、現像液からの析出が生じる等の問題を生じうる。これらの観点から、重合性化合物は、記録層中の不揮発性成分に対して、好ましくは5〜80質量%、更に好ましくは25〜75質量%の範囲で使用される。また、これらは単独で用いても2種以上併用してもよい。そのほか、重合性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量を任意に選択でき、更に場合によっては下塗り、上塗りといった層構成・塗布方法も実施しうる。
【0309】
〔(E)バインダーポリマー〕
本発明の平版印刷版原版の記録層においては、皮膜特性向上などの目的で、必要に応じて、(E)バインダーポリマーを使用することができる。バインダーポリマーとしては線状有機ポリマーを用いることが好ましい。このような「線状有機ポリマー」としては、公知のものを任意に使用できる。好ましくは水現像あるいは弱アルカリ水現像を可能とするために、水あるいは弱アルカリ水に可溶性又は膨潤性である線状有機ポリマーが選択される。線状有機ポリマーは、画像記録材料の皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機ポリマーを用いると水現像が可能になる。このような線状有機ポリマーとしては、側鎖にカルボン酸基を有するラジカル重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号に記載されているもの、すなわち、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等がある。また同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
【0310】
特にこれらの中で、ベンジル基又はアリル基と、カルボキシル基を側鎖に有する(メタ)アクリル樹脂及び特開2000−187322号公報、特開2002−62648号、特願2001−253217号、特願2002−287920号、特開2002−62648号などに記載されている側鎖に二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂が、膜強度、感度、現像性のバランスに優れており、好適である。
【0311】
また、特公平7−12004号、特公平7−120041号、特公平7−120042号、特公平8−12424号、特開昭63−287944号、特開昭63−287947号、特開平1−271741号、特願平10−116232号等に記載される酸基を含有するウレタン系バインダーポリマーは、非常に、強度に優れるので、耐刷性・低露光適性の点で有利である。
【0312】
さらにこの他に水溶性線状有機ポリマーとして、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。
【0313】
本発明で使用されるポリマーの重量平均分子量については好ましくは5000以上であり、さらに好ましくは1万〜30万の範囲であり、数平均分子量については好ましくは1000以上であり、さらに好ましくは2000〜25万の範囲である。多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は1以上が好ましく、さらに好ましくは1.1〜10の範囲である。
これらのポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等いずれでもよいが、ランダムポリマーであることが好ましい。
【0314】
本発明で使用されるポリマーは従来公知の方法により合成できる。合成する際に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジメチルスルホキシド、水等が挙げられる。これらの溶媒は単独で又は2種以上混合して用いられる。
本発明で使用されるポリマーを合成する際に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等公知の化合物が使用できる。
【0315】
本発明で使用されるバインダーポリマーは単独で用いても混合して用いてもよい。
本発明の平版印刷版原版の記録層における、これら(E)バインダーポリマーの添加量は、前記したように、(A)特定ポリウレタン化合物を含む全高分子化合物中で90質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは70質量%以下である。
【0316】
〔平版印刷版原版の作製〕
本発明の平版印刷版原版は、上記各成分を溶媒に溶かして記録層塗布液とし、適当な支持体上に塗布することにより製造することができる。また、目的に応じて、後述する種々の添加剤、バックコート層、中間層、保護層なども同様にして形成することができる。
【0317】
本発明の平版印刷版原版の記録層には、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として添加することができる。具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等、及び特開昭62−293247号に記載されている染料を挙げることができる。また、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料も好適に用いることができる。
【0318】
これらの着色剤は、画像形成後、画像部と非画像部の区別がつきやすいので、添加する方が好ましい。なお、添加量は、記録層塗布液全固形分に対し、0.01〜10質量%の割合である。
【0319】
また、本発明においては、記録層塗布液の調製中あるいは保存中において重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。適当な熱重合防止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等が挙げられる。熱重合防止剤の添加量は、記録層塗布液全固形分中、約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で記録層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、記録層塗布液全固形分中、約0.1質量%〜約10質量%が好ましい。
【0320】
また、本発明の平版印刷版原版の記録層には、その現像条件に対する処理の安定性を広げるため、特開昭62−251740号や特開平3−208514号に記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭59−121044号、特開平4−13149号に記載されているような両性界面活性剤を添加することができる。
【0321】
非イオン界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。
【0322】
両性界面活性剤の具体例としては、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、N−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、商品名アモーゲンK、第一工業(株)製)等が挙げられる。
上記非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤の添加量は、記録層塗布液全固形分中、0.05〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%である。
【0323】
さらに、本発明に係る記録層塗布液中には、必要に応じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤が加えられる。例えば、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル等が用いられる。
【0324】
本発明の平版印刷版原版に記録層を形成するには、通常、前述した記録層各成分および塗布液に必要な各成分を溶媒に溶かして、適当な支持体上に塗布すればよい。ここで使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、トルエン、水等を挙げることができるがこれに限定されるものではない。これらの溶媒は単独又は混合して使用される。溶媒中の上記成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
【0325】
また塗布、乾燥後に得られる支持体上の記録層の塗布量(固形分)は、一般的に0.5〜5.0g/mが好ましい。塗布量が少なくなるにつれて、見かけの感度は大になるが、記録層の皮膜特性は低下する。
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができるが、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げることができる。
【0326】
本発明に係る記録層塗布液には、塗布性を良化するための界面活性剤、例えば、特開昭62−170950号に記載されているようなフッ素系界面活性剤を添加することができる。好ましい添加量は、記録層塗布液全固形分中、0.01〜1質量%であり、さらに好ましくは0.05〜0.5質量%である。
【0327】
(支持体)
本発明の平版印刷版原版に使用される支持体としては、寸度的に安定な板状物であれば特に制限はなく、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)等が挙げられる。これらは、樹脂フィルムや金属板などの単一成分のシートであっても、2以上の材料の積層体であってもよく、例えば、上記のごとき金属がラミネート、若しくは蒸着された紙やプラスチックフィルム、異種のプラスチックフィルム同志の積層シート等が含まれる。
【0328】
前記支持体としては、ポリエステルフィルム又はアルミニウム板が好ましく、その中でも寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板は特に好ましい。好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板及びアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であり、更にアルミニウムがラミネート若しくは蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等がある。合金中の異元素の含有量は高々10質量%以下である。本発明において特に好適なアルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。
前記アルミニウム板の厚みは、およそ0.1〜0.6mm程度、好ましくは0.15〜0.4mm、特に好ましくは0.2〜0.3mmである。
【0329】
アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活性剤、有機溶剤又はアルカリ性水溶液等による脱脂処理が行われる。
アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸又は硝酸電解液中で交流又は直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号公報に開示されているように両者を組み合わせた方法も利用することができる。
【0330】
このように粗面化されたアルミニウム板は、所望により、アルカリエッチング処理、中和処理を経て、表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理を施すことができる。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、リン酸、蓚酸、クロム酸或いはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
【0331】
陽極酸化の処理条件は、用いる電解質により種々変わるので一概に特定し得ないが、一般的には電解質の濃度が1〜80質量%溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲であれば適当である。
陽極酸化皮膜の量は1.0g/m以上が好適であるが、より好ましくは2.0〜6.0g/mの範囲である。陽極酸化被膜が1.0g/m未満であると耐刷性が不十分であったり、平版印刷版の非画像部に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる。
尚、このような陽極酸化処理は平板印刷版の支持体の印刷に用いる面に施されるが、電気力線の裏回りにより、裏面にも0.01〜3g/mの陽極酸化被膜が形成されるのが一般的である。
【0332】
支持体表面の親水化処理は、上記陽極酸化処理の後に施されるものであり、従来より知られている処理法が用いられる。このような親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、第3,280,734号及び第3,902,734号公報に開示されているようなアルカリ金属珪酸塩(例えば、珪酸ナトリウム水溶液)法がある。この方法においては、支持体が珪酸ナトリウム水溶液で浸漬処理されるか、又は電解処理される。他に特公昭36−22063号公報に開示されているフッ化ジルコン酸カリウム及び米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号、同第4,689,272号公報に開示されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法等が用いられる。
これらの中で、本発明において特に好ましい親水化処理は珪酸塩処理である。珪酸塩処理について、以下に説明する。
【0333】
上述の如き処理を施したアルミニウム板の陽極酸化皮膜を、アルカリ金属珪酸塩が0.1〜30質量%、好ましくは0.5〜10質量%であり、25℃でのpHが10〜13である水溶液に、例えば15〜80℃で0.5〜120秒浸漬する。アルカリ金属珪酸塩水溶液のpHが10より低いと液はゲル化し13.0より高いと酸化皮膜が溶解されてしまう。本発明に用いられるアルカリ金属珪酸塩としては、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウムなどが使用される。アルカリ金属珪酸塩水溶液のpHを高くするために使用される水酸化物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどがある。なお、上記の処理液にアルカリ土類金属塩もしくは第IVB族金属塩を配合してもよい。アルカリ土類金属塩としては、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸マグネシウム、硝酸バリウムのような硝酸塩や、硫酸塩、塩酸塩、燐酸塩、酢酸塩、蓚酸塩、ホウ酸塩などの水溶性の塩が挙げられる。第IVB族金属塩として、四塩化チタン、三塩化チタン、フッ化チタンカリウム、蓚酸チタンカリウム、硫酸チタン、四ヨウ化チタン、塩化酸化ジルコニウム、二酸化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、四塩化ジルコニウムなどを挙げることができる。アルカリ土類金属塩もしくは、第IVB族金属塩は単独又は2以上組み合わせて使用することができる。これらの金属塩の好ましい範囲は0.01〜10質量%であり、更に好ましい範囲は0.05〜5.0質量%である。
珪酸塩処理により、アルミニウム板表面上の親水性が一層改善されるため、印刷の際、インクが非画像部に付着しにくくなり、汚れ性能が向上する。
【0334】
(バックコート層)
支持体の裏面には、必要に応じてバックコートが設けられる。かかるバックコートとしては、特開平5−45885号公報記載の有機高分子化合物及び特開平6−35174号公報記載の有機又は無機金属化合物を加水分解及び重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好ましく用いられる。
これらの被覆層のうち、Si(OCH、Si(OC、Si(OC、Si(OCなどの珪素のアルコキシ化合物が安価で入手し易く、それから与られる金属酸化物の被覆層が耐現像性に優れており特に好ましい。
【0335】
(中間層)
本発明の平版印刷版原版には、記録層と基板との間の密着性や汚れ性を改善する目的で、中間層を設けてもよい。このような中間層の具体例としては、特公昭50−7481号、特開昭54−72104号、特開昭59−101651号、特開昭60−149491号、特開昭60−232998号、特開平3−56177号、特開平4−282637号、特開平5−16558号、特開平5−246171号、特開平7−159983号、特開平7−314937号、特開平8−202025号、特開平8−320551号、特開平9−34104号、特開平9−236911号、特開平9−269593号、特開平10−69092号、特開平10−115931号、特開平10−161317号、特開平10−260536号、特開平10−282682号、特開平11−84674号、特願平8−225335号、特願平8−270098号、特願平9−195863号、特願平9−195864号、特願平9−89646号、特願平9−106068号、特願平9−183834号、特願平9−264311号、特願平9−127232号、特願平9−245419号、特願平10−127602号、特願平10−170202号、特願平11−36377号、特願平11−165861号、特願平11−284091号、特願2000−14697号等に記載のものを挙げることができる。
【0336】
(保護層)
本発明の平版印刷版原版には、通常、露光を大気中で行うため、前述の記録層の上に、更に、保護層を設けることが好ましい。保護層は、記録層中で露光により生じる画像形成反応を阻害する大気中に存在する酸素や塩基性物質等の低分子化合物の記録層への混入を防止し、大気中での露光を可能とする。従って、このような保護層に望まれる特性は、酸素等の低分子化合物の透過性が低いことであり、更に、露光に用いる光の透過は実質阻害せず、記録層との密着性に優れ、かつ、露光後の現像工程で容易に除去できることが望ましい。このような、保護層に関する工夫が従来よりなされており、米国特許第3、458、311号、特開昭55−49729号に詳しく記載されている。保護層に使用できる材料としては、例えば、比較的結晶性に優れた水溶性高分子化合物を用いることがよく、具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、酸性セルロース類、ゼラチン、アラビアゴム、ポリアクリル酸などのような水溶性ポリマーが知られているが、これらの内、ポリビニルアルコールを主成分として用いることが、酸素遮断性、現像除去性といった基本特性的にもっとも良好な結果を与える。保護層に使用するポリビニルアルコールは、必要な酸素遮断性と水溶性を有するための、未置換ビニルアルコール単位を含有する限り、一部がエステル、エーテル及びアセタールで置換されていてもよい。また、同様に一部が他の共重合成分を有していてもよい。ポリビニルアルコールの具体例としては71〜100%加水分解され、分子量が300から2400の範囲のものを挙げることができる。具体的には、株式会社クラレ製のPVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224E、PVA−405、PVA−420、PVA−613、L−8等が挙げられる。
【0337】
保護層の成分(PVAの選択、添加剤の使用)、塗布量等は、酸素遮断性・現像除去性の他、カブリ性や密着性・耐傷性を考慮して選択される。一般には使用するPVAの加水分解率が高い程(保護層中の未置換ビニルアルコール単位含率が高い程)、膜厚が厚い程酸素遮断性が高くなり、感度の点で有利である。しかしながら、極端に酸素遮断性を高めると、製造時・生保存時に不要な重合反応が生じたり、また画像露光時に、不要なカブリ、画線の太りが生じたりという問題を生じる。また、画像部との密着性や、耐傷性も版の取り扱い上極めて重要である。即ち、水溶性ポリマーからなる親水性の層を親油性の記録層に積層すると、接着力不足による膜剥離が発生しやすく、剥離部分が酸素の重合阻害により膜硬化不良などの欠陥を引き起こす。これに対し、これら2層間の接着性を改善すべく種々の提案がなされている。たとえば米国特許第292,501号、米国特許第44,563号には、主にポリビニルアルコールからなる親水性ポリマー中に、アクリル系エマルジョン又は水不溶性ビニルピロリドン−ビニルアセテート共重合体などを20〜60質量%混合し、記録層の上に積層することにより、十分な接着性が得られることが記載されている。
本発明における保護層に対しては、これらの公知の技術をいずれも適用することができる。このような保護層の塗布方法については、例えば米国特許第3,458,311号、特開昭55−49729号に詳しく記載されている。
【0338】
(露光、現像および印刷)
本発明の平版印刷版原版は、赤外線レーザで記録することができる。また、紫外線ランプやサーマルヘッドによる熱的な記録も可能である。本発明においては、波長760nmから1200nmの赤外線を放射する固体レーザ及び半導体レーザにより画像露光されることが好ましい。
【0339】
赤外線レーザにより露光した後、本発明の平版印刷版原版は、好ましくは、水又はアルカリ性水溶液にて現像される。
【0340】
現像液として、アルカリ性水溶液を用いる場合、本発明の平版印刷版原版に使用される現像液及び補充液としては、従来公知のアルカリ性水溶液が使用可能である。例えば、ケイ酸ナトリウム、同カリウム、第3リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、第2リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、ほう酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同アンモニウム、同カリウム及び同リチウム等の無機アルカリ塩が挙げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン等の有機アルカリ剤も用いられる。
これらのアルカリ剤は単独又は2種以上を組み合わせて用いられる。
【0341】
さらに、自動現像機を用いて現像する場合には、現像液と同じもの又は、現像液よりもアルカリ強度の高い水溶液(補充液)を現像液に加えることによって、長時間現像タンク中の現像液を交換することなく、多量の平版印刷版原版を処理できることが知られている。本発明においてもこの補充方式が好ましく適用される。
【0342】
現像液及び補充液には現像性の促進や抑制、現像カスの分散及び印刷版画像部の親インキ性を高める目的で必要に応じて種々の界面活性剤や有機溶剤等を添加できる。好ましい界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系及び両性界面活性剤が挙げられる。好ましい有機溶剤としてはベンジルアルコール等が挙げられる。また、ポリエチレングリコール若しくはその誘導体、又はポリプロピレングリコール若しくはその誘導体等の添加も好ましい。また、アラビット、ソルビット、マンニット等の非還元糖を添加することもできる。
【0343】
さらに、現像液及び補充液には必要に応じて、ハイドロキノン、レゾルシン、亜硫酸又は亜硫酸水素酸のナトリウム塩及びカリウム塩等の無機塩系還元剤、さらに有機カルボン酸、消泡剤、硬水軟化剤を加えることもできる。
【0344】
以上記述した現像液及び補充液を用いて現像処理された印刷版は、水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体を含む不感脂化液で後処理される。本発明の平版印刷版原版においては、これらの処理を種々組み合わせて用いることができる。
【0345】
近年、製版・印刷業界では製版作業の合理化及び標準化のため、印刷用版材用の自動現像機が広く用いられている。この自動現像機は、一般に現像部と後処理部からなり、印刷用版材を搬送する装置と各処理液槽とスプレー装置とからなり、露光済みの印刷版を水平に搬送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレーノズルから吹き付けて現像処理するものである。また、最近は処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイドロール等によって印刷用版材を浸漬搬送させて処理する方法も知られている。このような自動処理においては、各処理液に処理量や稼働時間等に応じて補充液を補充しながら処理することができる。また、電気伝導度をセンサーにて感知し、自動的に補充することもできる。
また、実質的に未使用の処理液で処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用できる。
【0346】
以上のようにして得られた平版印刷版は所望により不感脂化ガムを塗布したのち、印刷工程に供することができるが、より一層の高耐刷力の平版印刷版としたい場合にはバーニング処理が施される。
平版印刷版をバーニングする場合には、バーニング前に特公昭61−2518号、同55−28062号、特開昭62−31859号、同61−159655号の各公報に記載されているような整面液で処理することが好ましい。
【0347】
その方法としては、該整面液を浸み込ませたスポンジや脱脂綿にて、平版印刷版上に塗布するか、整面液を満たしたバット中に印刷版を浸漬して塗布する方法や、自動コーターによる塗布等が適用される。また、塗布した後でスキージ又はスキージローラーで、その塗布量を均一にすることは、より好ましい結果を与える。
整面液の塗布量は一般に0.03〜0.8g/m(乾燥質量)が適当である。
整面液が塗布された平版印刷版は必要であれば乾燥された後、バーニングプロセッサー(例えば、富士写真フイルム(株)より販売されているバーニングプロセッサー:BP−1300)等で高温に加熱される。この場合の加熱温度及び時間は、画像を形成している成分の種類にもよるが、180〜300℃の範囲で1〜20分の範囲が好ましい。
【0348】
バーニング処理された平版印刷版は、必要に応じて適宜、水洗、ガム引き等の従来行なわれている処理を施こすことができるが、水溶性高分子化合物等を含有する整面液が使用された場合にはガム引きなどのいわゆる不感脂化処理を省略することができる。
【0349】
このような処理によって、本発明の平版印刷版はオフセット印刷機等にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。
【0350】
[重合性組成物]
本発明の重合性組成物は、(A)主鎖に不飽和結合を有する分子量500以上のジオール化合物を少なくとも1つと、ポリイソシアネート化合物を少なくとも1つと、を反応させて得られる水またはアルカリ水溶液に可溶あるいは膨潤するポリウレタン化合物と、(B)ラジカル開始剤と、(C)光熱変換剤と、を含有することを特徴とする。
また、本発明の重合性組成物には、上記ラジカル開始剤から発生したラジカルを開始剤として重合反応を生起、進行する(D)重合性化合物を添加することが好ましい。さらに、皮膜特性向上などの目的で、必要に応じて、(E)バインダーポリマーを使用してもよい。
このような重合性組成物は、前述した平版印刷版原版の記録層として好適に用いられるほか、3次元光造形、ホログラフィー、カラープルーフ、フォトレジスト、カラーフィルター等の画像記録材料、またはインク、塗料、接着剤等、幅広い用途に適用することができる。
本発明の重合性組成物に含まれる、上記(A)〜(E)の各成分の詳細及び好ましい態様については、前述の平版印刷版原版の説明において挙げたものと同様である。また、各成分の好ましい添加量については、用途により異なり、任意に設定することができる。さらに、このような重合性組成物は、各用途に合わせた添加剤等と適宜混合して用いられる。
【0351】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(合成例1;特定ポリウレタン化合物1)
コンデンサー、撹拌機を備えた500mlの3つ口丸底フラスコに、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸6.9g、Poly bd R−15HT(出光石油化学(株)製)21.0g、テトラエチレングリコール5.4gをN,N−ジメチルアセトアミド100mlに溶解した。これに、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート21.0g、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート3.5g、ジブチル錫ジラウリレート0.1gを添加し、100℃にて、8時間加熱撹拌した。その後、N,N−ジメチルホルムアミド100mlにて希釈、メチルアルコール200mlを加えて過剰のイソシアネートを処理した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて分子量を測定したところ、重量平均分子量(ポリスチレン標準)で80,000であった。更に滴定により、カルボキシル基含有量(酸価)を測定したところ、1.00meq/gであった。
【0352】
(合成例2〜16;特定ポリウレタン化合物2〜16)
出発物質を、下記表1のジイソシアネート化合物及びジオール化合物に変更した以外は、上記合成例1と同様にして、本発明に係る特定ポリウレタン化合物2〜16を得た。
なお、表1に略称で記載されているジイソシアネート化合物及びジオール化合物の構造は以下に示す。但し、PE−1、PE−5、BD−3及びBD−4については、前記例示のジオール化合物である。
【0353】
【表1】
Figure 2005049538
【0354】
【表2】
Figure 2005049538
【0355】
【化106】
Figure 2005049538
【0356】
(支持体の作成)
99.5%以上のアルミニウムと、Fe 0.30%、Si 0.10%、Ti 0.02%、Cu 0.013%を含むJIS A1050合金の溶湯を清浄化処理を施し、鋳造した。清浄化処理には、溶湯中の水素などの不要なガスを除去するために脱ガス処理し、セラミックチューブフィルタ処理をおこなった。鋳造法はDC鋳造法で行った。凝固した板厚500mmの鋳塊を表面から10mm面削し、金属間化合物が粗大化してしまわないように550℃で10時間均質化処理を行った。
次いで、400℃で熱間圧延し、連続焼鈍炉中で500℃60秒中間焼鈍した後、冷間圧延を行って、板圧0.30mmのアルミニウム圧延板とした。圧延ロールの粗さを制御することにより、冷間圧延後の中心線平均表面粗さRaを0.2μmに制御した。その後、平面性を向上させるためにテンションレベラーにかけた。
【0357】
次に平版印刷版支持体とするための表面処理を行った。
まず、アルミニウム板表面の圧延油を除去するため10%アルミン酸ソーダ水溶液で50℃30秒間脱脂処理を行い、30%硫酸水溶液で50℃30秒間中和、スマット除去処理を行った。
次いで支持体と記録層の密着性を良好にし、かつ非画像部に保水性を与えるため、支持体の表面を粗面化する、いわゆる、砂目立て処理を行った。1%の硝酸と0.5%の硝酸アルミを含有する水溶液を45℃に保ち、アルミウェブを水溶液中に流しながら、間接給電セルにより電流密度20A/dm、デューティー比1:1の交番波形でアノード側電気量240C/dmを与えることで電解砂目立てを行った。その後10%アルミン酸ソーダ水溶液で50℃30秒間エッチング処理を行い、30%硫酸水溶液で50℃30秒間中和、スマット除去処理を行った。
【0358】
さらに耐摩耗性、耐薬品性、保水性を向上させるために、陽極酸化によって支持体に酸化皮膜を形成させた。電解質として硫酸20%水溶液を35℃で用い、アルミウェブを電解質中に通搬しながら、間接給電セルにより14A/dmの直流で電解処理を行うことで2.5g/mの陽極酸化皮膜を作成した。
【0359】
〔実施例1〜6、比較例1、2〕
(記録層の形成)
下記組成の記録層塗布液1を調製し、上記のようにして得られたアルミニウム支持体にワイヤーバーを用いて塗布し、温風式乾燥装置にて115℃で45秒間乾燥して記録層を形成した。乾燥後の被覆量は1.2〜1.3g/mの範囲内であった。
さらに、下記組成のオーバーコート層塗布液をスライドホッパーを用いて塗布し、温風式乾燥装置にて120℃で75秒間乾燥して、本発明の平版印刷版原版を得た。オーバーコート層の塗布量は2.3g/mであった。
【0360】
Figure 2005049538
【0361】
Figure 2005049538
【0362】
(露光)
得られたネガ型平版印刷版原版を、水冷式40W赤外線半導体レーザを搭載したCreo社製Trendsetter 3244VFSにて、出力9W、外面ドラム回転数210rpm、版面エネルギー100mJ/cm、解像度2400dpiの条件で露光した。
【0363】
(現像処理)
露光後、富士写真フイルム(株)製自動現像機スタブロン900Nを用い現像処理した。現像液は、仕込み液、補充液ともに富士写真フイルム(株)製DV−2の1:4水希釈液を用いた。現像浴の温度は30℃とした。また、フィニッシャーは、富士写真フイルム(株)製FN−6の1:1水希釈液(pH=10.8)を用いた。
【0364】
〔耐刷性の評価〕
得られた平版印刷版を、ローランド社製R201の印刷機で、大日本インキ社製GEOS−G(N)のインキを用いて印刷を行った。ベタ画像部の印刷物を観察し、画像がかすれはじめた枚数によって耐刷性を調べた。枚数が多い程耐刷性に優れる。結果を表3に併記する。
【0365】
〔感度の評価〕
上記露光(波長830〜850nm程度の赤外線レーザによる)および現像により得られた画像の線幅とレーザー出力、光学系でのロス及び走査速度を基に、記録に必要なエネルギー量を算出した。数値が小さいほど高感度であることを表す。結果を表3に併記する。
【0366】
【表3】
Figure 2005049538
【0367】
上記表3の結果によれば、本発明に係る特定ポリウレタン化合物を用いた実施例1〜6の平版印刷版原版は、感度および耐刷性に優れていることが分かった。一方、本発明に係る特定ポリウレタン化合物の代わりに、他のポリマーを用いた比較例1、2の平版印刷版原版は、感度および耐刷性に劣ることが確認された。
【0368】
なお、本発明の実施例で用いた(A)特定ポリウレタン化合物は、前記合成例1〜16で合成された特定ポリウレタン化合物であり、また、比較例で用いた本発明に係る特定ポリウレタン化合物以外のポリマー(P−1)〜(P−3)の構造を、以下に示す。
【0369】
【化107】
Figure 2005049538
【0370】
次に、本発明の実施例で用いた(B)ラジカル開始剤(S−1)〜(S−6)の構造を以下に示す。
【0371】
【化108】
Figure 2005049538
【0372】
次に、本発明の実施例で用いた(C)光熱変換剤(IR−1)〜(IR−3)の構造を以下に示す。
【0373】
【化109】
Figure 2005049538
【0374】
次に、本発明の実施例で用いた(D)重合性化合物(M−1)〜(M−3)の構造を以下に示す。
【0375】
【化110】
Figure 2005049538
【0376】
〔実施例7〜13、比較例3、4〕
(下塗り層の形成)
実施例1と同様のアルミニウム支持体に、下記組成の下塗り液をワイヤーバーにて塗布し、温風式乾燥装置を用いて90℃で30秒間乾燥した。乾燥後の被覆量は10mg/mであった。
【0377】
Figure 2005049538
【0378】
(記録層の形成)
次に、下記組成の記録層塗布液2を調整し、上記の下塗り済みのアルミニウム板にワイヤーバーを用いて塗布し、温風式乾燥装置にて115℃で45秒間乾燥して記録層を形成した。乾燥後の記録層の被覆量は1.2〜1.3g/mの範囲内であった。さらに、実施例1と同様のオーバーコート層塗布液をスライドホッパーを用いて塗布し、温風式乾燥装置にて120℃で75秒間乾燥して平版印刷版原版を得た。オーバーコート層の塗布量2.3g/mであった。
【0379】
Figure 2005049538
【0380】
(露光および現像処理)
得られたネガ型平版印刷版原版を、実施例1と同様にして赤外線レーザ露光および現像処理を行い、平版印刷版を得た。
【0381】
〔耐刷性、非画像部の汚れ性および保存安定性の評価〕
得られた平版印刷版を、小森コーポレーション(株)製のリスロン印刷機で、大日本インキ化学工業社製のDIC−GEOS(N)墨のインキを用いて印刷した。この際、どれだけの枚数が充分なインキ濃度を保って印刷できるかを目視にて測定し、耐刷性および非画像部の汚れ性を評価した。
また、得られた平版印刷版原版を、それぞれ60℃で3日間保存、及び、45℃、湿度75%RHで3日間保存して強制経時させた後、同様の印刷を行い、耐刷性、非画像部の汚れ性(保存安定性)を評価した。結果を表4に併記する。
【0382】
【表4】
Figure 2005049538
【0383】
上記表4の結果によれば、本発明に係る特定ポリウレタン化合物を用いた実施例7〜13の平版印刷版原版は、耐刷性および非画像部の汚れ性に優れ、また、強制経時後の保存安定性にも優れていることが分かった。一方、本発明に係る特定ポリウレタン化合物の代わりに、他のポリマーを用いた比較例3、4の平版印刷版原版は、感度、耐刷性および保存安定性に劣ることが確認された。
【0384】
〔実施例14〜22、比較例5、6〕
(下塗り層の形成)
実施例1と同様の支持体上に、下記の手順によりSG法の液状組成物(ゾル液)を調整し、下塗り層を設けた。
Figure 2005049538
上記ゾル液組成物を混合し、撹拌した。約5分で発熱が認められた。60分間反応させた後、内容物を別の容器へ移し、メタノール3000gを加えることにより、ゾル液を得た。
このゾル液をメタノール/エチレングリコール=9/1(質量比)で希釈して、実施例1と同様の支持体に、支持体上のSiの量が30mg/mとなるように塗布し、100℃1分間乾燥させ、下塗り層を形成した。
【0385】
(記録層の形成)
下記組成の記録層塗布液3を上記の下塗り済みのアルミニウム支持体にワイヤーバーを用いて塗布し、温風式乾燥装置にて115℃で45秒間乾燥して記録層を形成した。乾燥後の被覆量は1.2〜1.3g/mの範囲内であった。さらに、実施例1と同様のオーバーコート層塗布液をスライドホッパーを用いて塗布し、温風式乾燥装置にて120℃で75秒間乾燥して平版印刷版原版を得た。オーバーコート層の塗布量2.3g/mであった。
【0386】
Figure 2005049538
【0387】
(露光および現像処理)
得られたネガ型平版印刷版原版を、実施例1と同様にして赤外線レーザ露光および現像処理を行い、平版印刷版を得た。
【0388】
〔感度、耐刷性、非画像部の汚れ性および保存安定性の評価〕
得られた平版印刷版を、実施例1と同様にして感度の評価を行った。
また、得られた平版印刷版原版を、実施例7と同様にして、耐刷性及び非画像部の汚れ性(保存安定性)の評価を行った。結果を表5に併記する。
【0389】
【表5】
Figure 2005049538
【0390】
上記表5の結果によれば、本発明に係る特定ポリウレタン化合物を用いた実施例7〜13の平版印刷版原版は、感度、耐刷性および非画像部の汚れ性に優れ、また、強制経時後の保存安定性にも優れていることが分かった。一方、本発明に係る特定ポリウレタン化合物の代わりに、他のポリマーを用いた比較例5、6の平版印刷版原版は、感度、耐刷性および保存安定性に劣ることが確認された。
【0391】
〔実施例23〜26、比較例7〕
(下塗り層の形成)
実施例1と同様のアルミニウム支持体に、印刷版非画像部としての親水性を確保するため、シリケート処理を行った。処理は3号珪酸ソーダ1.5%水溶液を70℃に保ちアルミウェブの接触時間が15秒となるよう通搬し、さらに水洗した。Siの付着量は10mg/mであった。以上により作成した支持体のRa(中心線表面粗さ)は0.25μmであった。
【0392】
(記録層の形成)
下記組成の記録層塗布液4を上記下塗り済みのアルミニウム支持体にワイヤーバーを用いて塗布し、温風式乾燥装置にて115℃で45秒間乾燥して記録層を形成した。乾燥後の被覆量は1.2〜1.3g/mの範囲内であった。さらに、実施例1と同様のオーバーコート層塗布液をスライドホッパーを用いて塗布し、温風式乾燥装置にて120℃で75秒間乾燥して平版印刷版原版を得た。オーバーコート層の塗布量2.3g/mであった。
【0393】
Figure 2005049538
【0394】
(露光および現像処理)
得られたネガ型平版印刷版原版を、実施例1と同様にして、赤外線レーザ露光および現像処理を行い、平版印刷版を得た。
【0395】
〔耐刷性および感度の評価〕
得られた平版印刷版を、実施例1と同様にして耐刷性および感度の評価を行った。結果を表6に併記する。
【0396】
【表6】
Figure 2005049538
【0397】
上記表6の結果によれば、本発明に係る特定ポリウレタン化合物を用いた実施例23〜26の平版印刷版原版は、感度および耐刷性に優れていることが分かった。一方、本発明に係る特定ポリウレタン化合物の代わりに、他のポリマーを用いた比較例7の平版印刷版原版は、感度および耐刷性に劣ることが確認された。
【0398】
【発明の効果】
本発明によれば、感度、保存安定性、耐刷性、及び現像性に優れた平版印刷版原版、及び、画像記録材料等に有用な重合性化合物を得ることができる。

Claims (2)

  1. 支持体上に、(A)主鎖に不飽和結合を有する分子量500以上のジオール化合物を少なくとも1つと、ポリイソシアネート化合物を少なくとも1つと、を反応させて得られる水またはアルカリ水溶液に可溶あるいは膨潤するポリウレタン化合物と、
    (B)ラジカル開始剤と、
    を含有する記録層を設けてなる平版印刷版原版。
  2. (A)主鎖に不飽和結合を有する分子量500以上のジオール化合物を少なくとも1つと、ポリイソシアネート化合物を少なくとも1つと、を反応させて得られる水またはアルカリ水溶液に可溶あるいは膨潤するポリウレタン化合物と、
    (B)ラジカル開始剤と、
    (C)光熱変換剤と、
    を含有する重合性組成物。
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