JP2005048765A - 風力発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】翼の帯電と翼の後方側に存在する空間電荷雲とに起因する翼の劣化を防止し、さらには、翼への落雷を効果的に防止する。
【解決手段】風力発電装置1のナセル3に回転自在に支持された翼4の後方側に存在する空間電荷雲Xと翼4との除電を行なう除電手段7を備える。さらに、翼4への落雷を防止するために、電離イオンの上向きストリーマを発生させる捕雷装置8を備える。また、必要に応じて翼4の前方側で、自己放電能力を有する放電凧9を掲揚する。
【選択図】図1

Description

本発明は、風力発電装置に関し、特に、翼の劣化や避雷のための方策を採った風力発電装置に関する。
風力発電装置としては、発電機を内蔵するナセルに翼(ブレード)を回転自在に支持し、風力による翼の回転エネルギーを発電機により発電エネルギーに変換するものが一般に知られている。(例えば特許文献1を参照)。そして、この種の風力発電装置では、その翼に落雷するのをできるだけ回避するために、翼の材質としてGFRPなどの絶縁体が用いられている。
特開平5−164037号公報
ところで、特に日本海側の地域の沿岸部に配置された風力発電装置は、冬季に翼の劣化が生じやすいという現象が本願発明者等により確認された。さらに、これらの地域では、翼を絶縁体により形成し、また、避雷針をナセルなどに設置しているにもかかわらず、特に冬季には、雷雲からの落雷が翼に対して生じることが多々あるということが本願発明者等により確認された。
そこで、本願発明者等は、その原因を解明すべく鋭意努力した結果、次のことが判明した。すなわち、日本海側の地域の沿岸部では、冬季には、雪片、水滴等の浮遊物を多く含む強い季節風が、風力発電装置の翼に衝突することで、翼と雪片等の浮遊物との間の衝突摩擦によって、翼と浮遊物との両者が帯電する。そして、帯電した浮遊物の一部は、翼の後方側で該翼に比較的近い箇所に、比較的電荷密度の高い部分である空間電荷雲(帯電した浮遊物の群)を形成する。特に、強い季節風が発生しているときは、一般に翼の破損などを防止するために、翼の回転が停止されており、このような状態では、翼の後方側に空間電荷雲が形成されやすい。そして、このような状態では、翼の後方の空間電荷雲と翼との間で空間放電が発生したり、翼からその周囲の空間に対して空間放電が発生し、これが翼の劣化を促進する要因となっていた。また、翼の周辺で空間放電が発生することで、翼の周囲の空間に空気の電離イオンが生成される。そして、その電離イオンと翼の後方の空間電荷雲とのうちの雷雲の雲底の蓄積電荷と逆極性の電荷は、雷雲の接近に伴う電界(雷電界)によって上昇しつつ上向きストリーマ(空気の絶縁破壊による電離が上向きに進行していく現象)を形成し、それが落雷を風力発電装置の翼に導く要因となっていた。
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、翼の帯電と翼の後方側に存在する空間電荷雲とに起因する翼の劣化を防止し、さらには、翼への落雷を効果的に防止できる風力発電装置を提供することを目的とする。
本発明の風力発電装置の第1発明は、かかる目的を達成するために、ナセルに回転自在に支持された翼を風力により回転させ、その回転エネルギーにより発電を行なう風力発電装置において、前記翼の後方側で該翼の近傍に存在する空間電荷雲と前記翼とのうちの少なくともいずれか一方の除電を行なう除電手段を備えたことを特徴とする。なお、この第1発明において、「翼の後方側」というのは、概ね、翼の先端部の真後ろの箇所から翼の回転軸の径方向に該回転軸から離れる向きに延在する箇所を意味している。
かかる第1発明によれば、翼の後方側で該翼の近傍に存在する空間電荷雲と、翼との除電を行なう除電手段を備えたので、翼の前方から吹く強い風によって、翼が帯電したり、翼の後方側に空間電荷雲(風に含まれる、帯電した雪片等の浮遊物の群)が形成されても、その翼および空間電荷雲のうちの少なくともいずれか一方の除電(電荷の中和)をすることができる。このため、翼と空間電荷雲との間で空間放電が発生したり、翼からその周囲に空間放電が発生するのを防止することができる。その結果、翼の劣化を抑制することができる。なお、ここで、「除電」とは、電荷を完全に0にすることではなく、実害が出ない程度までに電荷を除くということである。
かかる本発明では、前記除電手段は、前記空間電荷雲の除電を行なう除電手段と、前記翼の除電を行なう除電手段とを各別に備えることが好ましい(第2発明)。これによれば、空間電荷雲の除電と翼の除電とを、それぞれに適した箇所から行なうことができるので、それらの除電をより確実に行なうことができる。
本発明では、前記除電手段としては、例えばX線型除電装置、レーザ光線型除電装置、イオン流噴射型上電装置、コロナ放電型除電装置などが挙げられ、いずれの除電装置を使用してもよく、あるいは、それらを組み合わせて備えてもよい。あるいは、これらの除電装置以外に、電源を必要としない除電手段を使用することもできる。
例えば前記空間電荷雲に近接した位置で前記ナセルに設置された導電性繊維からなる放電機能部材を除電手段の構成要素として備えるようにして、この放電機能部材と前記空間電荷層との間で空間放電を発生させることにより該空間電荷層を除電するようにしてもよい(第3発明)。なお、導電性繊維から成る放電機能部材は、その帯電によって自己放電を生じやすい部材であり、その例としては、サンダーロン(登録商標)、セルメック(登録商標)などが挙げられる。
かかる第3発明によれば、空間電荷雲を除電するための除電手段を安価に構成することができる。なお、上記した種々の除電装置と放電機能部材とを併用して除電手段を構成してもよいことはもちろんである。
また、前記第1〜第3発明では、少なくとも前記翼の表面を導体と絶縁体との中間の電荷拡散性を有する材料により形成することが好ましい(第4発明)。ここで、導体と絶縁体との中間の電荷拡散性は、導体よりも電流が流れ難く、且つ絶縁体よりも電流が流れやすい性質であり、カーボン系の帯電防止材等が挙げられる。この場合、翼の表面抵抗(単位面積当たりの抵抗)は、10Ω/mよりも大きく、1010Ω/mよりも小さいこと(好ましくは10Ω/m〜10Ω/m)が望ましい。
このように導体と絶縁体との中間の電荷拡散性を有する材料により、翼の表面を形成することで、翼の帯電と、その後方側の空間電荷雲の形成とが発生しても、翼と空間電荷雲との間の電気力線が、翼の一部分に集中するような事態が防止される。その結果、翼からの放電が生じ難くなって、翼の劣化の抑制効果を高めることができる。
前記除電手段は、翼とその近傍の前記空間電荷雲を中和する電離イオンを発生させるので、雷雲が接近したときに、その電離イオンの上向きストリーマを発生させる要因となって、落雷を翼側に誘導するおそれがある。そこで、前記第1〜第4発明では、少なくとも雷雲の発生状態で、空気の電離イオンの上向きストリーマを発生させ、その上向きストリーマによって、接地された導体の針体に落雷を導く捕雷装置を前記ナセルに取り付けておくことが好ましい(第5発明)。
前記捕雷装置をナセルに取り付けておくことで、落雷を捕雷装置に誘導して、翼に落雷するのを防止することが可能となる。
この第5発明における前記捕雷装置は、少なくとも雷雲の発生状態で、上方に向かって延びる電離イオンの流れを連続的に生成する手段を備えることが好適である(第6発明)。
これによれば、上方に向かって延びる電離イオンの流れを連続的に生成するので、雷雲が接近したとき、雷雲と大地との間の雷電界によって即座に上向きストリーマが発生して雷雲に向かって進行するので、雷雲からの下降ストリーマをほぼ確実に捕雷装置が発生する上向きストリーマに誘導し、該捕雷装置の針体に落雷を生じさせることができる。
なお、上記のように上方に向かって延びる電離イオンの流れを連続的に生成する手段は、例えばX線(好ましくは軟X線)や、紫外線、レーザ光等を連続的に上方に向かって放射する手段によって構成できる。
また、前記第1〜第6発明では、さらに、導体からなるロープで大地と連結された自己放電能力を有する凧状の放電凧を、翼が上下方向に延在するときの該翼の先端の最大高さよりも高い高さで翼の前方に掲揚させるようにしてもよい(第8発明)。
これによれば、放電凧は、自己放電能力を有するので(帯電によって自己放電を生じやすい性質を有するので)、風に含まれる浮遊物と放電凧との衝突摩擦などによって、周囲の空間に対して自己放電を容易に発生する。そして、その自己放電によって、放電凧の周囲に空気の電離イオンが生成される。この場合、放電凧は、翼が上下方向に延在するときの該翼の先端の最大高さよりも高い高さで翼の前方に掲揚させるので、雷雲から発生する下降ストリーマが放電凧の周囲から生じる上向きストリーマに誘導される。このため、前記捕雷装置による落雷の誘導が失敗したような場合であっても、翼よりも、放電凧に落雷が生じる可能性が高い。従って、翼への落雷を防止できる。
本発明の第1実施形態を図1〜図3を参照して説明する。図1は本実施形態の風力発電装置を側面視で模式的に示す図、図2は図1のII矢視図、図3は本実施形態の風力発電装置に備えた捕雷装置の概略構成を示す縦断面図である。
図1および図2を参照して、本実施形態の風力発電装置1は、地面に立設された支柱2と、この支柱2上に固設されたナセル3と、複数の翼4(ブレード)とを備えている。翼4の個数は例えば3個である。これらの翼4は、ナセル3に図示しないベアリングを介して回転自在に軸支されたハブ5の周囲に等角度間隔で放射状に配置されている。そして、各翼4は、そのハブ5寄りの端部である翼根部4aがハブ5に接合・固定され、このハブ5を介してナセル3に回転自在に支持されている。これらの翼4は、その前方(図1の左側)から吹く風によって回転し、その回転エネルギーをナセル3に内蔵された図示しない発電機に伝達することで、該発電機の発電運転が行なわれるようになっている。
各翼4の翼根部4aは、翼4をハブ5に支えるために高剛性の金属により形成されているが、この翼根部4aと該翼4の表面とを除く部分はGFRPなどの絶縁体により形成されている。なお、各翼4には、通常の風力発電装置で翼の先端部にしばしば装着される導体からなる雷レセプタは装着されていない。
各翼4の表面は、カーボン系の帯電防止剤によりコーティングされており、その表面の単位面積当たりの抵抗は、約10Ω/mとなっている。ここで金属などの導体の表面抵抗は10Ω/m以下であり、GFRPなどの絶縁体の表面抵抗は1010Ω/m以上である。従って、各翼4の表面の単位面積当たりの抵抗は、導体と絶縁体との中間の抵抗値を有するものとなっている。これにより、各翼4の表面は、導体と絶縁体の中間の電荷拡散性(導体よりも電荷が流れ難く、且つ絶縁体よりも電荷が流れやすい性質)を有するものとなっている。
風力発電装置1はさらに、除電手段7と、捕雷装置8と、放電凧9とを備えている。除電手段7は、翼4の除電を行なうための除電装置7aと、翼4の後方側に形成される空間電荷雲X(図1に代表的に点描部で例示する)の除電を行なうための除電装置7bとから構成されている。これらの除電装置7a,7bは、空気を電離させることで生成される正負の電離イオンによって、除電対象の電荷を中和するものである。この種の除電装置としては、X線型除電装置、紫外線型除電装置、レーザ光線型除電装置、イオン流噴射型除電装置、コロナ放電型除電装置などが一般に知られているが、本実施形態では、除電装置7a,7bとして、X線型除電装置あるいは紫外線型除電装置を使用し、これらの除電装置7a,7bが、所定の箇所に向けてX線または紫外線を放射するようにナセル3上に固定設置されている。
ここで、翼4の除電を行なうための除電装置7aは、図2に示す複数の所定箇所Aに向かってX線または紫外線(図1に代表的に破線矢印Yaで示す)を放射することで、その所定箇所A(より詳しくは、所定箇所Aを通るX線または紫外線の線沿いの箇所)に空気の電離イオンを生成するようにしている。それらの所定箇所Aは、例えば回転を停止している各翼4の先端部寄りの箇所である。なお、図1では図示の便宜上、代表的に、最も上側の翼4に対応する所定箇所Aのみを記載し、下側の翼4に対応する所定箇所A(X線または紫外線の放射箇所)は省略している。補足すると、翼4などの除電が必要となるような強風下では、通常、風力発電装置1の翼4の回転は停止される。なお、除電装置7aから放射されるX線または紫外線は、ある程度の広がりをもって放射されるので、翼4の所定箇所AのみにX線または紫外線が放射されるわけではなく、翼5の所定箇所A以外の箇所にもX線または紫外線はある程度、当たるようになっている。
また、空間電荷雲Xの除電を行なう除電装置7bは、停止している各翼4の後方側で該翼4に近接した所定箇所B(図1参照)にX線または紫外線(図1に破線矢印Ybで示す)を放射することで、その所定箇所B(より詳しくは、所定箇所Bを通るX線または紫外線の線沿いの箇所)に空気の電離イオンを生成するようにしている。なお、図1では、所定箇所Bは、代表的に、最も上側の翼4に対応する所定箇所Bのみを記載しているが、除電装置7bからX線またはレーザ光線を放射する箇所Bは、各翼4の後方側の箇所である(図2参照)。これらの各所定箇所Bは、翼4の回転停止状態で、翼4の前方から強い風が吹き付けるときに、帯電した浮遊物による空間電荷雲X(電荷密度が比較的大きい部分)が形成されやすいと予測される箇所であり、あらかじめ実験などに基づいて定められる。補足すると、翼4の前方から吹く風は、一般に、翼4の後方側でナセル3の径方向(翼4の回転軸に対して放射方向)に拡散する。このため、各所定箇所Bは、図1および図2に示す如く、概ね、各翼4の先端部の真後ろの箇所から、ナセル3の径方向で該ナセル3から離れる向きに延在する。
これらの除電装置7a,7bは、図示しない蓄電器あるいは風力発電装置1の外部の電源等からX線または紫外線の発生源(図示しない)の電源エネルギーが供給されるようになっている。そして、これらの除電装置7a,7bは、その運転が手動もしくは自動で開始される。除電装置7a,7bの運転を自動で開始する場合には、所定風速(例えば25m/秒)以上の風速の検知あるいは雷雲発生の検知に応じて除電装置7a,7bの運転を開始するようにすればよい。
なお、各箇所AへX線または紫外線の放射は、その箇所A毎に、各別の除電装置から行なうようにしてもよい。また、各翼4の複数個所に除電装置からX線または紫外線を放射するようにしてもよい。また、空間電荷雲Xが形成される各箇所BへのX線または紫外線の放射は、その箇所B毎に、各別の除電装置から行なうようにしてもよい。また、翼4の後方側で形成されると予測される空間電荷雲Xの範囲や個数に応じて、該空間電荷雲Xの除電を行なうための除電装置の個数を適宜増やしてもよい。また、気象条件などに応じて複数の種類の除電装置を組み合わせて用い、除電したい各箇所に複数の除電装置によって電離イオンを生成させるようにしてもよい。
捕雷装置8(あるいは避雷装置)は、雷雲が発生したときに、上向きに延びる空気の電離イオンの群を生成しておき、それにより上向きストリーマを早期に発生させて、その上向きストリーマに雷雲からの下降ストリーマを導くことにより、捕雷装置8に備えた導電性の針体である捕雷針10(これは金属などの導体から形成されている)に落雷させるようにしたものである。この捕雷装置8は、本実施形態では、雷雲が接近したとき(落雷が発生しそうな状況になったとき)に、例えばX線もしくは紫外線を連続的に上方に向かって放射することにより、そのX線または紫外線の線沿いに空気の電離イオン(上下方向に延びる電離イオンの流れ)を生成するようにしている。この捕雷装置8の概略構成を図3を参照して説明すると、上端が上方に向かって開口している有底筒状のハウジング11内の底部に、X線または紫外線の発生源12が収容され、図3の破線矢印Yuで示す如く、発生源12からハウジング11の上端開口11aを介して上方に向かってX線または紫外線を放射するようにしている。なお、発生源12には、図示しない蓄電器や風力発電装置1の外部の電源等から電源エネルギーが供給されるようになっている。ハウジング11は、金属などの導体から成り、その上端から、ハウジング11と導通する捕雷針10が上方に向かって延設されている。また、ハウジング11は、前記ナセル3および支柱2の内部を通って配線される導線ケーブル13を介して大地に接地されている。
かかる構成の捕雷装置8の発生源12から上方に向かってX線または紫外線を放射することで、上下方向に延びる空気の電離イオンの群が高所まで生成されるので、雷雲が接近したときには、生成された電離イオンのうち、雷雲と大地との間の電界(雷電界)の向きにより定まる極性(通常は、雲底の蓄積電荷と逆極性)の電離イオンが雷電界によって上昇しつつ連続的に上向きストリーマを発生する。この場合、捕雷装置8からのX線もしくは紫外線の放射(発生源12の運転)は、雷雲の接近を適宜の検知手段で検知し、それに応じて自動的に開始するようにしてもよいが、手動操作によって開始するようにしてもよい。なお、本実施形態では捕雷装置8は、翼4からある程度離間させるために、ナセル3の後端部寄りの位置でナセル3に設置されている。
補足すると、本実施形態の捕雷装置8は、X線または紫外線を使用するものであるが、X線または紫外線の代わりに、例えばレーザ光線を使用するものであってもよい。あるいは、コロナ放電によって電離イオンを発生させ、それを加圧空気によって上方に向かって強制送風するようなものであってもよい。
前記放電凧9は、自己放電能力を有する材料から形成された凧状のものであり、導電性ロープ14(導体からなるロープ)を介して大地に連結されている。放電凧9を形成する材料としては、本実施形態では、例えばサンダーロン(登録商標)、セルメック(登録商標)などの導電性繊維が使用されている。ここで、サンダーロンは、高分子化合物からなる合成繊維の表面に硫化銅アクリル酸化合物の薄膜層を形成したもので、セルメックは、高分子化合物からなる合成繊維の表面に銀もしくはアルミニウムの薄膜層を形成したものである。この種の導電性繊維は、その帯電によって空間放電を発生しやすいという性質(自己放電性)、すなわち放電機能部材としての性質を持っている。このような自己放電能力をもつ材料により形成された放電凧9は、本実施形態では、翼4からその前方側に約10m離れた箇所で、風力発電装置1の最上端(上下方向に向いた翼4の最上端)よりも高い高さまで掲揚される。放電凧9を除く風力発電装置1の最大高さは例えば約60mであり、この場合、放電凧9は、例えば約100mの高さまで掲揚することが好ましい。
補足すると、放電凧9は、自己放電能力ができるだけ高い材料で形成することが望ましく、例えば+1.5kV以上の正極性、あるいは−3kV以下の負極性に帯電させた平板状の帯電体から3mm離れた位置に配置したときに、自己放電を発生するような材料で形成されていることが望ましい。
なお、通常の雷雲の雲底に蓄積する電荷の極性は負であると共に、多くの場合、その雲底から落雷の下降ストリーマが発生するので、放電凧9を形成する材料は、基本的には、その放電によって正のイオンを発生しやすいに材質のものを使用することが望ましい。但し、季節や地域によっては、雷雲の雲底に蓄積する電荷の極性が正になることがあり、そのような場合には、放電凧9を形成する材料は負のイオンを発生しやすい材質のものを使用することが望ましい。
以上のように構成された本実施形態の風力発電装置1では、特に、冬季に翼4の前方から吹き付ける強い風に含まれる雪片等の浮遊物と翼4との衝突摩擦によって、その浮遊物と翼4とが帯電する。また、このような強風下では、風力発電装置1の翼4の回転は停止される。そして、帯電した浮遊物の一部は、各翼4の後方側の箇所Bに電荷密度が比較的高い空間電荷雲X(帯電した浮遊物の群)を形成し、その空間電荷雲Xと翼4との間に電界が形成される。
このような状況では、除電装置7a,7bの運転が連続的に行なわれ、除電装置7aから各翼4の所定箇所Aを中心とする領域に向かってX線または紫外線が放射され、所定箇所Aを含めてX線または紫外線の線沿いに空気の電離イオンが生成される。そして、生成された電離イオンにより各翼4が中和され、翼4の除電がなされる。
また、除電装置7bから各翼4の後方側の所定箇所Bに向かってX線または紫外線が放射され、所定箇所Bを含めてX線またはレーザ光線の線沿いに空気の電離イオンが生成される。そして、この各箇所Bに形成された空間電荷雲Xの電荷が電離イオンによって中和され、該空間電荷雲Xの除電がなされる。加えて、本実施形態では、翼4は、その表面が導体と絶縁体との中間の電荷拡散性を有するものであるため、その表面に部分的に空間電荷雲Xとの間の電気力線が集中することが避けられる(翼4の帯電電荷が部分的に集中するのが避けられる)。従って、翼4から空間放電が生じにくいものとなっている。
これにより、翼4と空間電荷雲Xとの間で空間放電が生じたりすることが効果的に抑制され、ひいては、翼4の劣化が防止される。このようにして、本実施形態では、翼4の帯電が生じたり、翼4の後方側に空間電荷雲Xが形成され易くなるような風が吹いている状況では、除電装置7a,7bを連続的に運転させることで、翼4とその後方の空間電荷雲Xの除電が行なわれる。なお、風の強さなどによっては、空間電荷雲Xがナセル3の径方向に速やかに拡散し、空間電荷雲Xの電荷密度がさほど高くならないような場合もある。このような場合には、除電装置7bの運転を行なわないようにしてもよい。
一方、前記除電装置7a,7bは空間放電を発生させて、空気の電離イオンを生成するものであるから、雷雲の発生時には、その電離イオンの一部が上向きストリーマを発生させることがある。しかるに、本実施形態では、雷雲が発生したときには、前記捕雷装置8のX線または紫外線の発生源12を連続的に運転して、X線または紫外線を捕雷装置8の上方に向かって連続的に放射しておき、そのX線または紫外線沿いに、上下方向に延びる電離イオンの流れを形成しておく。さらに、本実施形態では、放電凧9を翼4の前方側で前記した如く掲揚させておく。ただし、放電凧9の掲揚は必須ではなく、雷電界が特に強い状況で掲揚させることが好ましい
このとき、前記捕雷装置8から放射されたX線または紫外線によって、その線沿い上下方向に延びる電離イオンの流れが高所まで連続的に生成されているので、その電離イオンの流れのうちの、雷電界の向きにより定まる極性の電離イオンは、雷雲の接近に伴う雷電界によって即座に上向きストリーマを発生させる。このため、雷雲から下降ストリーマが発生したときには、少なくとも翼4やその後側の空間電荷雲X付近から上向きストリーマが発生したとしても、それよりも先に捕雷装置8からの上向きストリーマが上昇している。従って、雷雲からの下降ストリーマは、ほぼ確実に捕雷装置8からの上向きストリーマに導かれる(捕雷装置8からの上向きストリーマに向かって下降ストリーマが発生する)。また、翼4は、その翼根部4aと表面を除いて絶縁体であり、しかも、表面は導体よりも絶縁体に近いので、電流を導体のように簡単に通しやすいものではない。このため、落雷は、翼4に対して生じたりすることなく、捕雷装置8からの上向きストリーマに誘導されて捕雷措置8の捕雷針10に対して生じ、該捕雷針10を介して大地に落雷電流が流れる。
また、放電凧9を掲揚させたときには、この放電凧9が雷電界や風に含まれる帯電した雪片などの浮遊物との間の電界によって、周囲の空間に対して自己放電を生じる。なお、雷雲の発生時には、放電凧9の自己放電もほぼ間断なく発生する。そして、その自己放電によって周囲の空間に空気の電離イオンが生成される。そして、この電離イオンのうちの、雷電界の向きにより定まる極性の電荷が該雷電界によって上向きストリーマを発生させ、しかも放電凧9は高所に掲揚されているので、雷雲からの下降ストリーマを放電凧9に誘導する可能性が高まる。このため、捕雷装置8からの上向きストリーマに雷雲からの下降ストリーマが誘導されない場合であっても、落雷が放電凧9に対して発生する確率が高まり、これにより、翼4への落雷を回避できる。なお、放電凧9に落雷したときの落雷電流は、この放電凧9に連結された導電性ロープ14を介して大地に流れる。
次に、本発明の第2実施形態を図4を参照して説明する。図4は本実施形態の風力発電装置を側面視で模式的に示す図である。なお、本実施形態は、図1の第1実施形態のものと、一部の構成のみが相違しているので、同一構成部分については、第1実施形態と同一の参照符号を用い、説明を省略する。
本実施形態の風力発電装置1’では、除電手段7’は、翼4の後方の空間電荷雲Xの除電を行なうために、前記除電装置7bの代わりに、前記放電凧9と同様の導電性繊維からなる放電機能部材7cを備えている。この放電機能部材7cは、ナセル3上に固設されたシート状のものである。この放電機能部材7cは、前記各所定箇所Bに形成される空間電荷雲Xとの間の電界によって自己放電を発生するものである。なお、図4では代表的に1つの箇所Bに対応する放電機能部材7cのみを示したが、空間電荷雲Xが形成されやすい各箇所Bに対応させて、放電機能部材7cが設けられる。
以上説明した以外の構成は、前記第1実施形態と同一である。
本実施形態では、翼4の後方側に空間電荷雲Xが形成されたとき、その空間電荷雲Xと放電機能部材7cとの間の電界によって、容易に該放電機能部材7cから自己放電が発生する。そして、その自己放電により放電機能部材7cの周囲に空気の電離イオンが生成され、その生成された電離イオンは、空間電荷雲Xの電荷と作用し、これにより、空間電荷雲Xの除電が行なわれる。
この空間電荷雲Xの除電以外の作用効果は前記第1実施形態と同じである。
なお、本実施形態では、前記第1実施形態における除電装置7bの代わりに放電機能部材7cを備えるようにしたが、除電装置7bと併せて備えるようにしてもよい。
本発明の第1実施形態の風力発電装置を側面視で模式的に示す図。 図1のII矢視図。 第1実施形態の風力発電装置に備えた捕雷装置の概略構成を示す縦断面図。 本発明の第2実施形態の風力発電装置を側面視で模式的に示す図。
符号の説明
1,1’…風力発電装置、3…ナセル、4…翼、7,7’…除電手段、7a,7b…除電装置、7c…放電機能部材、8…捕雷装置、9…放電凧、10…捕雷針、14…ロープ、X…空間電荷雲。

Claims (7)

  1. ナセルに回転自在に支持された翼を風力により回転させ、その回転エネルギーにより発電を行なう風力発電装置において、
    前記翼の後方側で該翼の近傍に存在する空間電荷雲と前記翼とのうちの少なくともいずれか一方の除電を行なう除電手段を備えたことを特徴とする風力発電装置。
  2. 前記除電手段は、前記空間電荷雲の除電を行なう除電手段と、前記翼の除電を行なう除電手段とを各別に備えることを特徴とする請求項1記載の風力発電装置。
  3. 前記除電手段は、前記空間電荷雲に近接した位置で前記ナセルに設置された導電性繊維からなる放電機能部材を備え、この放電機能部材と前記空間電荷層との間で空間放電を発生させることにより該空間電荷層を除電するようにしたことを特徴とする請求項1記載の風力発電装置。
  4. 少なくとも前記翼の表面を導体と絶縁体との中間の電荷拡散性を有する材料により形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の風力発電装置。
  5. 少なくとも雷雲の発生状態で、空気の電離イオンの上向きストリーマを発生させ、その上向きストリーマによって、接地された導体の針体に落雷を導く捕雷装置を前記ナセルに取り付けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の風力発電装置。
  6. 前記捕雷装置は、少なくとも雷雲の発生状態で、上方に向かって延びる電離イオンの流れを連続的に生成する手段を備えることを特徴とする請求項5記載の風力発電装置。
  7. 導体からなるロープで大地と連結された自己放電能力を有する凧状の放電凧を、翼が上下方向に延在するときの該翼の先端の最大高さよりも高い高さで翼の前方に掲揚させるようにしたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の風力発電装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008044488A1 (fr) * 2006-10-10 2008-04-17 Orient Instrument Computer Co., Ltd. Dispositif d'attraction de la foudre, dispositif de protection contre la foudre, systeme de prevention contre la foudre, appareil et systeme utilisant la puissance electrique de la foudre, generateur d'energie oelienne et systeme de production d'energie eolienne
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