JP2005047763A - 炭素ナノ及びマイクロメートル構造体及びその製造方法 - Google Patents
炭素ナノ及びマイクロメートル構造体及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005047763A JP2005047763A JP2003282553A JP2003282553A JP2005047763A JP 2005047763 A JP2005047763 A JP 2005047763A JP 2003282553 A JP2003282553 A JP 2003282553A JP 2003282553 A JP2003282553 A JP 2003282553A JP 2005047763 A JP2005047763 A JP 2005047763A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nano
- carbon
- fiber
- micrometer
- tube
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
- Inorganic Fibers (AREA)
Abstract
【課題】 形状・構造、及びサイズの揃ったカーボンナノ物質を高収率、高生産性で作り分け、また、新規な構造のカーボンナノ物質を提供する。
【解決手段】 孔径がナノメートル、マイクロメートルレベルのアルミニウムアノード酸化皮膜、又はアルミニウム電解エッチング皮膜などの多孔質材料をテンプレートとし、熱分解による炭素化の過程で液状化する、ポリ塩化ビニルなどの有機高分子化合物をその液状化段階で該テンプレートのナノ、マイクロメートルレベルのテンプレート孔に浸透・充填させ、次いで炭化することによってファイバー又はチューブ状のナノ、マイクロメートル炭素構造体を形成する。
これらの多孔質材料は薄片、砕片状として有機高分子化合物粉末と混合して反応させることにより高い生産性が得られる。形成された炭素構造体は、六角炭素網面が該構造体の長軸方向にほぼ直角に配向し、積層する。
【選択図】図2
【解決手段】 孔径がナノメートル、マイクロメートルレベルのアルミニウムアノード酸化皮膜、又はアルミニウム電解エッチング皮膜などの多孔質材料をテンプレートとし、熱分解による炭素化の過程で液状化する、ポリ塩化ビニルなどの有機高分子化合物をその液状化段階で該テンプレートのナノ、マイクロメートルレベルのテンプレート孔に浸透・充填させ、次いで炭化することによってファイバー又はチューブ状のナノ、マイクロメートル炭素構造体を形成する。
これらの多孔質材料は薄片、砕片状として有機高分子化合物粉末と混合して反応させることにより高い生産性が得られる。形成された炭素構造体は、六角炭素網面が該構造体の長軸方向にほぼ直角に配向し、積層する。
【選択図】図2
Description
本発明は、ナノメートル及びマイクロメートルレベルのファイバー状、チューブ状の炭素構造体、いわゆるカーボンナノ、マイクロ構造体及びその製造方法に関する。
近年、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーなどのナノレベルの炭素からなる構造体の微細構造やその物性の解明が進められ、そのナノサイズの構造と共にその物性を応用する種々の試みが行われている。
例えば、その導電性とナノレベル構造から電界放出効果を利用したFEDの電極への応用やプローブ電極などへの応用、或いは中空構造から異物質内包材料としての応用、表面積の大きいことを応用したキャパシター等など、枚挙に暇がないが、これらのナノ炭素物質の応用はいずれもその構造と物性とにかかわっており、構造が異なれば物性も異なるため、これらの構造と物性の解明と共に、目的する構造のナノ構造体を高い収率で得ることが必要となる。
例えば、その導電性とナノレベル構造から電界放出効果を利用したFEDの電極への応用やプローブ電極などへの応用、或いは中空構造から異物質内包材料としての応用、表面積の大きいことを応用したキャパシター等など、枚挙に暇がないが、これらのナノ炭素物質の応用はいずれもその構造と物性とにかかわっており、構造が異なれば物性も異なるため、これらの構造と物性の解明と共に、目的する構造のナノ構造体を高い収率で得ることが必要となる。
このため、カーボンナノ物質を製造する方法として、レーザーアブレーション法やより大量に生成する方法としてCVD(chemical vapor deposition)法などが開発されている。
しかしながら、これらの方法において形成されたカーボンナノ物質はそのサイズ、形状共に種々のものが含まれており、付随する不定形炭素などとの分離、フィブリル状のもつれたカーボンナノ物質をいわばほぐして目的とする寸法・形状のものを分離するなどの精製工程を伴うため、実質上十分な収率や目的とする構造のカーボンナノ物質を得ることは困難であった。
これらの目的とする構造のカーボンナノ物質の作り分けと収率向上は、これらのカーボンナノ物質の応用面での基本的な課題であった。
しかしながら、これらの方法において形成されたカーボンナノ物質はそのサイズ、形状共に種々のものが含まれており、付随する不定形炭素などとの分離、フィブリル状のもつれたカーボンナノ物質をいわばほぐして目的とする寸法・形状のものを分離するなどの精製工程を伴うため、実質上十分な収率や目的とする構造のカーボンナノ物質を得ることは困難であった。
これらの目的とする構造のカーボンナノ物質の作り分けと収率向上は、これらのカーボンナノ物質の応用面での基本的な課題であった。
この改善策として、ナノレベルの微細な孔を有する多孔質材料をテンプレートとしてカーボンナノ物質を成長させる方法が提案されている。
T.Kyotani,L.Tsai、and A.Tomita,Chem.Mater.,7(1995)1427−8 T.Kyotani,L.Tsai、and A.Tomita,Chem.Mater.,8(1996)2109−2113 非特許文献1及び2には、孔径数百nmの微細な孔を有する、厚さ約60μmのアルミナメンブレンフィルターにフルフリルアルコールとシュウ酸の混合物を含浸し、900℃で3時間熱処理することにより、この多孔質材料をテンプレートとして上記孔径と同じサイズのカーボンナノチューブを作成し、またさらに、孔径の小さい、孔径3nm、厚さ75μmの酸化膜を2.5%プロピレン-窒素混合ガス中で800℃で加熱することによって、テンプレートと同じ径のカーボンナノチューブを作成したことが報告されている。得られたカーボンナノチューブの構造はいずれも炭素六角網面がチューブ長軸方向に沿う構造を有していた。
T.Kyotani,L.Tsai、and A.Tomita,Chem.Mater.,7(1995)1427−8 T.Kyotani,L.Tsai、and A.Tomita,Chem.Mater.,8(1996)2109−2113 非特許文献1及び2には、孔径数百nmの微細な孔を有する、厚さ約60μmのアルミナメンブレンフィルターにフルフリルアルコールとシュウ酸の混合物を含浸し、900℃で3時間熱処理することにより、この多孔質材料をテンプレートとして上記孔径と同じサイズのカーボンナノチューブを作成し、またさらに、孔径の小さい、孔径3nm、厚さ75μmの酸化膜を2.5%プロピレン-窒素混合ガス中で800℃で加熱することによって、テンプレートと同じ径のカーボンナノチューブを作成したことが報告されている。得られたカーボンナノチューブの構造はいずれも炭素六角網面がチューブ長軸方向に沿う構造を有していた。
本発明は、形状・構造、及びサイズの揃ったナノ物質を作り分ける製造方法として、作りやすく生産性の良いテンプレートとそれを用いた新たな生産性及び収率のよい製造方法、及びそれによる新規な構造のカーボンナノ物質を提供する。
本発明は、孔径がナノメートル、マイクロメートルレベルの多孔質材料をテンプレートとし、
熱分解による炭素化の過程で液状化する有機高分子化合物をその液状化段階で該テンプレートのナノ、マイクロメートルレベルのテンプレート孔に浸透・充填させ、次いで炭化することを特徴とするファイバー又はチューブ状のナノ、マイクロメートル炭素構造体を形成する方法であり、 上記多孔質材料テンプレートが薄片若しくは細片状であり、有機高分子化合物が粉末状として上記過程でこれと混合されることにより、生産性を向上すると共に、
上記多孔質材料として、アルミニウムアノード酸化皮膜、アルミニウムエッチング皮膜を採用し、
上記有機高分子化合物が、PVC(ポリ塩化ビニル)、PVA(ポリビニルアルコール)、又はPAA(ポリアクリルアミド)であって、
上記方法により形成されるナノ、マイクロメートル炭素構造体が炭素六角網面(グラフェンシート)が該構造体の長軸方向にほぼ直角をなして配向し、積層してなるものである。
熱分解による炭素化の過程で液状化する有機高分子化合物をその液状化段階で該テンプレートのナノ、マイクロメートルレベルのテンプレート孔に浸透・充填させ、次いで炭化することを特徴とするファイバー又はチューブ状のナノ、マイクロメートル炭素構造体を形成する方法であり、 上記多孔質材料テンプレートが薄片若しくは細片状であり、有機高分子化合物が粉末状として上記過程でこれと混合されることにより、生産性を向上すると共に、
上記多孔質材料として、アルミニウムアノード酸化皮膜、アルミニウムエッチング皮膜を採用し、
上記有機高分子化合物が、PVC(ポリ塩化ビニル)、PVA(ポリビニルアルコール)、又はPAA(ポリアクリルアミド)であって、
上記方法により形成されるナノ、マイクロメートル炭素構造体が炭素六角網面(グラフェンシート)が該構造体の長軸方向にほぼ直角をなして配向し、積層してなるものである。
また本発明は、 炭素六角網面(グラフェンシート)がファイバー又はチューブの長軸方向にほぼ直角方向をなして配向し、積層してなることを特徴とする、ファイバー又はチューブ状のナノ、マイクロメートル炭素構造体である。
本発明のカーボンナノ構造材料製造方法は、既知の手法により容易に得られる陽極酸化膜などの多孔質材料をテンプレートとして用い、薄片或いは細片状として炭素原料物質と共に混合して液相反応プロセスとして進行するため、CVDなどの気相法によるものと比較して高い生産効率と収率が見込める。
これらのテンプレートとして使用する多孔質材料は、 基材上に皮膜状に形成されるが、テンプレートとして用いる際にはこれを裁断、破砕して反応プロセスに適したサイズの、例えばmm単位あるいはそれ以下のサイズの薄片、細片とすることにより、原料ポリマー粉末と混合した混合相として扱うことができるのであり、生産性が高く、また量産に適した工程を採用することができる。
このプロセスでは、CVDなどのように金属触媒などを必要とせず、高純度のサイズ・形状の揃ったカーボンナノ構造材料が得られるのみか、製造条件によってファイーバー、チューブ或いはナノ、マイクロメートルレベルのカーボンナノ構造材料の作り分けが可能である。
また本発明は、液状化したポリマーによる液相による新規なプロセスであり、形成されたカーボンナノ構造材料は、そのチューブ若しくはファイバーの長軸に垂直に炭素六角網状のグラフェン構造を積層したものとなって、これらのグラファイトのいわば断面であるグラフェンシート積層面がファイバー又はチューブの表面をなすことになる。
これらの表面は物理化学的に活性であり、その物性の新たな応用が期待される。
これらのテンプレートとして使用する多孔質材料は、 基材上に皮膜状に形成されるが、テンプレートとして用いる際にはこれを裁断、破砕して反応プロセスに適したサイズの、例えばmm単位あるいはそれ以下のサイズの薄片、細片とすることにより、原料ポリマー粉末と混合した混合相として扱うことができるのであり、生産性が高く、また量産に適した工程を採用することができる。
このプロセスでは、CVDなどのように金属触媒などを必要とせず、高純度のサイズ・形状の揃ったカーボンナノ構造材料が得られるのみか、製造条件によってファイーバー、チューブ或いはナノ、マイクロメートルレベルのカーボンナノ構造材料の作り分けが可能である。
また本発明は、液状化したポリマーによる液相による新規なプロセスであり、形成されたカーボンナノ構造材料は、そのチューブ若しくはファイバーの長軸に垂直に炭素六角網状のグラフェン構造を積層したものとなって、これらのグラファイトのいわば断面であるグラフェンシート積層面がファイバー又はチューブの表面をなすことになる。
これらの表面は物理化学的に活性であり、その物性の新たな応用が期待される。
本発明は、PVC、PVA、PAAなどのある種の有機高分子化合物が熱分解の過程で液状化するという性質を利用し、ナノメートルレベルの孔径のアルミニウム多孔質アノード酸化皮膜或いはマイクロメートルレベルの孔径のアルミニウム電解エッチング箔などの多孔質材料をテンプレートとして、これらの微小サイズの孔に液状化段階にある原料物質を浸透・充填させて炭化させることにより、これらの孔をテンプレートとするナノ、マイクロメートルレベルの炭素構造体を形成するものである。
このような熱分解によって炭化する過程で液状化、若しくはピッチ状となって流動性を示す有機高分子材料は、本明細書に挙げた例にとどまらないが、これらの有機高分子化合物の液状化の際の流動性やテンプレートの材質に対する濡れ性、或いは目的とする炭素構造体のサイズ、アスペクト比等から多くの組合せが可能であるから、目的とするカーボンナノ構造材料に応じてこれらの条件を勘案して適宜選定することができる。
このような熱分解によって炭化する過程で液状化、若しくはピッチ状となって流動性を示す有機高分子材料は、本明細書に挙げた例にとどまらないが、これらの有機高分子化合物の液状化の際の流動性やテンプレートの材質に対する濡れ性、或いは目的とする炭素構造体のサイズ、アスペクト比等から多くの組合せが可能であるから、目的とするカーボンナノ構造材料に応じてこれらの条件を勘案して適宜選定することができる。
そして、このプロセスで形成されたナノ、マイクロ炭素構造体は、六角網状のグラフェンシートがファイバー、チューブなどの長軸に対して略直角方向に配向して積層した構造となる。
このような構造は、CVD法などによるナノチューブや炭素繊維と同様の手法で形成されたナノファイバーのようにグラフェンシートが筒状に丸まったり、長軸方向に沿って配列した構造とは異なり、グラフェンシートのいわば断面がこれらのナノ、マイクロ構造体の側面に沿って配列し、その外表面を形成する。
これらの表面の物性の詳細は未だ解明されていないが、その構造から化学的、物理的活性が高いことが予想され、今後の応用が期待される。
このような構造は、CVD法などによるナノチューブや炭素繊維と同様の手法で形成されたナノファイバーのようにグラフェンシートが筒状に丸まったり、長軸方向に沿って配列した構造とは異なり、グラフェンシートのいわば断面がこれらのナノ、マイクロ構造体の側面に沿って配列し、その外表面を形成する。
これらの表面の物性の詳細は未だ解明されていないが、その構造から化学的、物理的活性が高いことが予想され、今後の応用が期待される。
これらのナノ、マイクロメートルレベルの孔径を持つテンプレートとして、それぞれアルミニウムアノード酸化皮膜及びアルミニウムエッチング箔が好適であるが、それぞれその製造条件により孔径やアスペクト比等のサイズを変更・選択できる。
また、テンプレートの材質に関してもこれらアルミニウム酸化膜同様のサイズの孔を有する多孔質材料であり、前駈体の形成条件に耐えるなどの所定の条件を満たすものであれば使用可能である。
また、テンプレートの材質に関してもこれらアルミニウム酸化膜同様のサイズの孔を有する多孔質材料であり、前駈体の形成条件に耐えるなどの所定の条件を満たすものであれば使用可能である。
また、後述するようにカーボンナノ炭素構造体原料としてPVCとPVAを用いた場合、それぞれ形成される構造が異なり、PVCを用いた場合、ナノファイバーが形成されるが、PVAを原料とする場合はナノチューブとなる。これは両者の原料に由来する液状化の際の粘性に起因すると考えられるが、このような性質の相違を利用することにより、これらの原料に応じて生成するナノ構造体を作り分けることができる。
このように原料によって形成されるナノ構造体に相違があるが、前述のとおり原理的には原料として熱分解過程で液状化する有機高分子ポリマーであればいずれも採用可能である。
このように原料によって形成されるナノ構造体に相違があるが、前述のとおり原理的には原料として熱分解過程で液状化する有機高分子ポリマーであればいずれも採用可能である。
カーボンナノ構造体の形成
純度99.99%のアルミニウム箔を電界研磨し、0.3mol dm-3のシュウ酸溶液中でアノード酸化することにより、多孔質皮膜を形成した。
電界条件として、浴温:0℃、電流密度:5mAcm−2、3h、浴温:17℃、定電圧:40V,10h とした。
多孔質皮膜形成後、臭素―メタノール溶液中で金属を溶解して酸化皮膜を取り出し、これを5mass%リン酸溶液に2h浸漬してバリヤー層と呼ばれる孔底を溶解してトンネル状の孔とした。
これを洗浄・乾燥して、孔径60〜90nm、深さ数〜10μmのトンネル状の孔を有する薄片状の皮膜からなるテンプレートとした。
純度99.99%のアルミニウム箔を電界研磨し、0.3mol dm-3のシュウ酸溶液中でアノード酸化することにより、多孔質皮膜を形成した。
電界条件として、浴温:0℃、電流密度:5mAcm−2、3h、浴温:17℃、定電圧:40V,10h とした。
多孔質皮膜形成後、臭素―メタノール溶液中で金属を溶解して酸化皮膜を取り出し、これを5mass%リン酸溶液に2h浸漬してバリヤー層と呼ばれる孔底を溶解してトンネル状の孔とした。
これを洗浄・乾燥して、孔径60〜90nm、深さ数〜10μmのトンネル状の孔を有する薄片状の皮膜からなるテンプレートとした。
薄片状テンプレート1cm2(相当量)に対し、ポリ塩化ビニル(PVC:積水化学製TS-1000R)、又はポリビニルアルコール(PVA:ユニチカ製UP-180)の粉末を0.1〜0.2gの割合で混合し、アルミナボートに入れてアルゴン雰囲気中で昇温速度400Kh-1で300℃に昇温して30min保持後、さらに600℃まで昇温して1h保持した。
冷却後、生成物を10mass%水酸化ナトリウム溶液に浸漬してテンプレートを溶解し、炭素ナノ構造体の前駈体を得た。
得られたPVAによる前駈体のSEM像を図1に示す(スケールは、1μm)。その直径は、いずれの原料によってもほぼ上記テンプレートと同程度であり、長さはPVCの場合3〜5μm、PVAの場合は3μmでやや短くなった。
これらの前駈体は、さらにアルゴン雰囲気中で昇温速度300Kh−1で1500℃まで昇温し、1h保持して熱処理して炭素ナノ構造体とした。
冷却後、生成物を10mass%水酸化ナトリウム溶液に浸漬してテンプレートを溶解し、炭素ナノ構造体の前駈体を得た。
得られたPVAによる前駈体のSEM像を図1に示す(スケールは、1μm)。その直径は、いずれの原料によってもほぼ上記テンプレートと同程度であり、長さはPVCの場合3〜5μm、PVAの場合は3μmでやや短くなった。
これらの前駈体は、さらにアルゴン雰囲気中で昇温速度300Kh−1で1500℃まで昇温し、1h保持して熱処理して炭素ナノ構造体とした。
これら前駈体の構造は、X線回折によるとアモロファス状炭素であるが、さらにアルゴン雰囲気中で1500℃、1h熱処理すると、炭素002面の層間隔0.345nmを持つ黒鉛に似た層状構造炭素(乱層構造炭素と呼ぶ)となった。
そのPVC及びPCAによる炭素ナノ構造体のSEM像をそれぞれ図2(A)、(B)に示す。
収率は、PVC及びPVAの場合、約5%であったが、ポリアクリルアミド(PAA)を用いた場合、約20%の収率が達成できた。
そのPVC及びPCAによる炭素ナノ構造体のSEM像をそれぞれ図2(A)、(B)に示す。
収率は、PVC及びPVAの場合、約5%であったが、ポリアクリルアミド(PAA)を用いた場合、約20%の収率が達成できた。
図3(A)、(B)にPVCを原料としたカーボンナノ構造体のそれぞれTEM像及びHRTEMによる格子像を示す。これらの構造体は、緻密なファイバー又はフィラメント状であり、図3(B)は上下方向がナノ構造体の長軸方向であるが、その格子像からPVCを原料とするナノファイバーは炭素六角網面が長軸方向にほぼ垂直な、platelettype であることが解る。
図4(A)、(B)は、PVAを原料としたカーボンナノ構造体のそれぞれTEM像及びHRTEMによる格子像であって、(A)のTEM像に示すように中空のチューブ状である。また、図4(B)に示すように炭素六角網面がやや傾いているが長軸方向に大きな角度を持つ構造である。
カーボンマイクロ構造体の形成
テンプレートとして電解コンデンサー用として工業的に生産されているアルミニウム電解エッチング箔を用いた。いわゆるアルミニウムエッチ箔であるが、μmサイズの無数のトンネル状の孔を持つ多孔質構造を有し、容易に入手できる。
その炭素源となる有機高分子化合物及び製造条件は、上記実施例1の場合と同様であるが、テンプレートの形態に一致して、直径1μm以下、長さ数十μmのマイクロ構造体が得られた。
その構造は、上記PVCによるものとサイズを除いてほぼ同様であって、炭素六角網状構造がファイバーの長軸方向と直角に配向して積層した構造であった。
テンプレートとして電解コンデンサー用として工業的に生産されているアルミニウム電解エッチング箔を用いた。いわゆるアルミニウムエッチ箔であるが、μmサイズの無数のトンネル状の孔を持つ多孔質構造を有し、容易に入手できる。
その炭素源となる有機高分子化合物及び製造条件は、上記実施例1の場合と同様であるが、テンプレートの形態に一致して、直径1μm以下、長さ数十μmのマイクロ構造体が得られた。
その構造は、上記PVCによるものとサイズを除いてほぼ同様であって、炭素六角網状構造がファイバーの長軸方向と直角に配向して積層した構造であった。
本発明のナノ、マイクロ炭素構造体は、未だ物性の解明を待たなくてはならない面が多いが、その予想される化学的、物理的活性や微小な構造から、リチウムイオン電池負極材料、電気二重層キャパシター、或いは水素、メタンなどの吸蔵材料など幅広い応用が期待される。
Claims (7)
- 孔径がナノメートル、マイクロメートルレベルの多孔質材料をテンプレートとし、
熱分解による炭素化の過程で液状化する有機高分子化合物をその液状化段階で該テンプレートのナノ、マイクロメートルレベルのテンプレート孔に浸透・充填させ、次いで炭化することを特徴とするファイバー又はチューブ状のナノ、マイクロメートル炭素構造体を形成する方法。 - 上記多孔質材料テンプレートが薄片若しくは細片状であり、有機高分子化合物が粉末状として上記過程でこれと混合されることを特徴とする、
請求項1記載のファイバー又はチューブ状のナノ、マイクロメートル炭素構造体を形成する方法。 - 上記多孔質材料が、アルミニウムアノード酸化皮膜であることを特徴とする、
請求項1乃至2記載のファイバー又はチューブ状のナノ、マイクロメートル炭素構造体を形成する方法。 - 上記多孔質材料が、アルミニウムエッチング皮膜であることを特徴とする、
請求項1乃至2記載のファイバー又はチューブ状のナノ、マイクロメートル炭素構造体を形成する方法。 - 上記有機高分子化合物が、PVC、PVA、又はPAAであることを特徴とする、請求項1乃至4記載のファイバー又はチューブ状のナノ、マイクロメートル炭素構造体を形成する方法。
- 上記ナノ、マイクロメートル炭素構造体が炭素六角網面(グラフェンシート)が該構造体の長軸方向にほぼ直角をなして配向し、積層してなることを特徴とする、
請求項1乃至5記載のファイバー又はチューブ状のナノ、マイクロメートル炭素構造体を形成する方法。 - 炭素六角網面(グラフェンシート)がファイバー又はチューブの長軸方向にほぼ直角方向をなして配向し、積層してなることを特徴とする、ファイバー又はチューブ状のナノ、マイクロメートル炭素構造体
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003282553A JP2005047763A (ja) | 2003-07-30 | 2003-07-30 | 炭素ナノ及びマイクロメートル構造体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003282553A JP2005047763A (ja) | 2003-07-30 | 2003-07-30 | 炭素ナノ及びマイクロメートル構造体及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005047763A true JP2005047763A (ja) | 2005-02-24 |
Family
ID=34267738
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003282553A Pending JP2005047763A (ja) | 2003-07-30 | 2003-07-30 | 炭素ナノ及びマイクロメートル構造体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005047763A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006247758A (ja) * | 2005-03-08 | 2006-09-21 | Nagoya Institute Of Technology | カーボンナノ構造材の製造方法、フィールドエミッションディスプレイおよび走査型プローブ顕微鏡 |
JP2009509358A (ja) * | 2005-09-21 | 2009-03-05 | ユニバーシティ オブ フロリダ リサーチ ファンデーション インコーポレーティッド | パターン化導電性薄膜を形成するための低温法およびそれに由来するパターン化物品 |
CN100509619C (zh) * | 2005-09-23 | 2009-07-08 | 中国科学技术大学 | 一种制备碳纳米纤维的方法 |
US7790242B1 (en) | 2007-10-09 | 2010-09-07 | University Of Louisville Research Foundation, Inc. | Method for electrostatic deposition of graphene on a substrate |
US9642252B2 (en) | 2011-04-04 | 2017-05-02 | University Of Florida Research Foundation, Inc. | Nanotube dispersants and dispersant free nanotube films therefrom |
US9742018B2 (en) | 2010-12-17 | 2017-08-22 | University Of Florida Research Foundation, Inc. | Hydrogen oxidation and generation over carbon films |
US10115972B2 (en) | 2009-04-30 | 2018-10-30 | University Of Florida Research Foundation, Incorporated | Single wall carbon nanotube based air cathodes |
US10815576B2 (en) | 2013-11-20 | 2020-10-27 | University Of Florida Research Foundation, Incorporated | Carbon dioxide reduction over carbon-containing materials |
CN113512726A (zh) * | 2021-06-29 | 2021-10-19 | 杭州电子科技大学 | 一种高硬度表面上复合微结构的缝隙腐蚀制备方法与装置 |
-
2003
- 2003-07-30 JP JP2003282553A patent/JP2005047763A/ja active Pending
Cited By (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006247758A (ja) * | 2005-03-08 | 2006-09-21 | Nagoya Institute Of Technology | カーボンナノ構造材の製造方法、フィールドエミッションディスプレイおよび走査型プローブ顕微鏡 |
JP2009509358A (ja) * | 2005-09-21 | 2009-03-05 | ユニバーシティ オブ フロリダ リサーチ ファンデーション インコーポレーティッド | パターン化導電性薄膜を形成するための低温法およびそれに由来するパターン化物品 |
CN100509619C (zh) * | 2005-09-23 | 2009-07-08 | 中国科学技术大学 | 一种制备碳纳米纤维的方法 |
US7790242B1 (en) | 2007-10-09 | 2010-09-07 | University Of Louisville Research Foundation, Inc. | Method for electrostatic deposition of graphene on a substrate |
US10115972B2 (en) | 2009-04-30 | 2018-10-30 | University Of Florida Research Foundation, Incorporated | Single wall carbon nanotube based air cathodes |
US9742018B2 (en) | 2010-12-17 | 2017-08-22 | University Of Florida Research Foundation, Inc. | Hydrogen oxidation and generation over carbon films |
US9768460B2 (en) | 2010-12-17 | 2017-09-19 | University Of Florida Research Foundation, Inc. | Hydrogen oxidation and generation over carbon films |
US10181614B2 (en) | 2010-12-17 | 2019-01-15 | University Of Florida Research Foundation, Incorporated | Hydrogen oxidation and generation over carbon films |
US9642253B2 (en) | 2011-04-04 | 2017-05-02 | University Of Florida Research Foundation, Inc. | Nanotube dispersants and dispersant free nanotube films therefrom |
US9775241B2 (en) | 2011-04-04 | 2017-09-26 | University Of Florida Research Foundation, Inc. | Nanotube dispersants and dispersant free nanotube films therefrom |
US9642252B2 (en) | 2011-04-04 | 2017-05-02 | University Of Florida Research Foundation, Inc. | Nanotube dispersants and dispersant free nanotube films therefrom |
US10815576B2 (en) | 2013-11-20 | 2020-10-27 | University Of Florida Research Foundation, Incorporated | Carbon dioxide reduction over carbon-containing materials |
CN113512726A (zh) * | 2021-06-29 | 2021-10-19 | 杭州电子科技大学 | 一种高硬度表面上复合微结构的缝隙腐蚀制备方法与装置 |
CN113512726B (zh) * | 2021-06-29 | 2023-04-21 | 杭州电子科技大学 | 一种高硬度表面上复合微结构的缝隙腐蚀制备方法与装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Wang et al. | Porous ultrathin carbon nanobubbles formed carbon nanofiber webs for high-performance flexible supercapacitors | |
Huang et al. | The chemistry and promising applications of graphene and porous graphene materials | |
Chen et al. | Structural design of graphene for use in electrochemical energy storage devices | |
Gao et al. | Diamond-based supercapacitors: realization and properties | |
Tao et al. | Advanced porous graphene materials: From in-plane pore generation to energy storage applications | |
Chandrasekaran et al. | Carbon aerogel evolution: Allotrope, graphene-inspired, and 3D-printed aerogels | |
Yang et al. | Tailoring pores in graphene-based materials: from generation to applications | |
Wu et al. | Advanced carbon materials with different spatial dimensions for supercapacitors | |
Wen et al. | Self-supported binder-free carbon fibers/MnO2 electrodes derived from disposable bamboo chopsticks for high-performance supercapacitors | |
Chen et al. | Amorphous carbon nanotubes with tunable properties via template wetting | |
ES2812780T3 (es) | Método de producción de grafeno mediante erosión electroquímica de electrodos de grafito | |
Tang et al. | Amorphous-crystalline TiO2/carbon nanofibers composite electrode by one-step electrospinning for symmetric supercapacitor | |
US20060289351A1 (en) | Nanostructures synthesized using anodic aluminum oxide | |
Adusei et al. | A scalable nano-engineering method to synthesize 3D-graphene-carbon nanotube hybrid fibers for supercapacitor applications | |
Fan et al. | Porous graphene–carbon nanotube hybrid paper as a flexible nano-scaffold for polyaniline immobilization and application in all-solid-state supercapacitors | |
Hussain et al. | MXene-based heterostructures: Current trend and development in electrochemical energy storage devices | |
He et al. | A single step strategy to fabricate graphene fibres via electrochemical exfoliation for micro-supercapacitor applications | |
JP2015071511A (ja) | 三次元グラフェン発泡体及びその製造方法 | |
WO2017155468A1 (en) | Chemical vapor deposition process to build 3d foam-like structures | |
JP2005047763A (ja) | 炭素ナノ及びマイクロメートル構造体及びその製造方法 | |
Huang et al. | A polyimide-pyrolyzed carbon waste approach for the scalable and controlled electrochemical preparation of size-tunable graphene | |
JP6792861B2 (ja) | ナノ炭素材料を含有する薄膜を被覆された空気マグネシウム電池の電極及びその製造方法 | |
Dong et al. | Synthetic porous carbons for clean energy storage and conversion | |
Mezni et al. | Size-and shape-controlled synthesis of well-organised carbon nanotubes using nanoporous anodic alumina with different pore diameters | |
Yin et al. | Postgrowth processing of carbon nanotube arrays-enabling new functionalities and applications |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060627 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090226 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090707 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20091110 |