JP2005042010A - 土壌安定剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 流亡防止のための作業に手間及びコストがかからず、保水性が充分にある土壌安定剤を提供する。
【解決手段】 石膏を含有するボード廃材を所望の粒度範囲に粉砕した石膏ボード廃材粉体及び珪砂からなる混合物と、この混合物100重量部に対し、半水石膏15〜40重量部、粘土鉱物10〜30重量部を混合する。そして、混合物は、石膏ボード廃材粉体が70〜90重量部で、珪砂が10〜30重量部である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、道路脇緑化帯や造成地等の緑化及び法面保護を目的とする客土工法或いは厚層吹き付け工法に使用される土壌安定剤に関する。
緑化吹き付け用土壌安定剤としての従来品は主に、高分子樹脂系安定剤(以下、「糊剤」と称する。)で吹付け土壌と法面とを接着させる高分子系資材や、セメント(例えば、特許文献1参照。)やフライアッシュ(例えば、特許文献1参照。)を利用して土壌を固めて安定させるものがあった。
上記したセメントは、建築系廃棄物より発生する土分を精選した土からなる土壌基盤整備材と、回収破砕セッコウ、回収原紙の壊砕パルプ、セメントからなる侵食防止材と、緩効性肥料、炭化物からなる土壌改良材と、種子とを混合して構成されている。
また、フライアッシュは、フライアッシュまたは製紙スラッジの焼却灰、早強またはポルトランドセメント、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、二酸化ケイ素、硫酸ナトリウム、酸化マグネシウムを混合して構成されている。
特開平10−183632号公報 特開平10−36836号公報
糊剤は固化に時間がかかり、固化前に雨が降ると吹付けた全体が流亡してしまうことがある。また糊剤は土壌を被覆してしまい種子の発芽時にその被覆された部分を突き破って発芽しなければならないので発芽能力を阻害されてしまう。また自然のものではないため地面や土となじまず固化した後、剥離してしまう場合もあった。流亡防止のため法面をラス金網・ネット等を張ってその上に吹付けなければならないため作業に手間がかかりコストもかかった。
また特許文献1のセメントや特許文献2のフライアッシュを用いた土壌安定剤は、六価クロムなどの重金属を溶出するおそれがあり、無害化のための薬剤を配合するのにその分のコストもかかってしまう。また保水性にも欠けるという欠点があった。さらにはセメントで土壌を固化させるため土壌が締め固まってしまい発芽が遅れる欠点もある。
建設リサイクル法の制定によって石膏ボードの分別解体が平成13年4月から義務付けされ、年間大量の石膏ボードの解体品が排出され、そのリサイクルが必要になってきている。石膏そのもの資源保護のためにも石膏ボード解体品の再利用は重要性を増している。
本発明は、以上の目的を達成するために、石膏を含有するボード廃材を所望の粒度範囲に粉砕した石膏ボード廃材粉体及び珪砂からなる混合物と、前記混合物100重量部に対し、半水石膏15〜40重量部、粘土鉱物10〜30重量部を混合してなる土壌安定剤である。そして、前記混合物は、石膏ボード廃材粉体が70〜90重量部で、珪砂が10〜30重量部であるのが好ましい。
本発明の土壌安定剤は、土壌を安定させるだけでなく吹付け時に混合する植物の種子の発芽を阻害せず、積極的に促進させることができる。合わせて、その処理が社会的に急務である石膏ボードの分別解体品について、リサイクルという形で、環境的に優れた利用方法を提供するものである。
また、本発明において使用される粘土鉱物や、カルシウム化合物は有害な重金属の吸着除去効果を有するので、環境汚染によって雨水や現場で混合時に使う水・土壌に重金属が溶出するおそれがある場合、その効果が期待できる。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の土壌安定剤は、石膏を含有するボード廃材を所望の粒度範囲に粉砕した石膏ボード廃材粉体及び珪砂からなる混合物と、前記混合物100重量部に対し、半水石膏15〜40重量部、粘土鉱物10〜30重量部を混合してなる土壌安定剤である。
前記石膏ボード廃材粉体は、石膏ボード廃材を、所望の粒度範囲に破砕したものである。石膏ボード廃材は、新築の建築物に使用した後に生じる残りの廃材であっても、また、建築物を解体する際に生じる廃材であっても良い。建築物を解体する際に生じる廃材の場合、解体時に、予め、他の建築資材、例えば、鉄筋、鉄骨、コンクリート等と分離回収した石膏ボードの使用が好ましい。
石膏ボード廃材は、通常、かなり大きな破片を含んだ状態であるので、所望粒度に加工する必要がある。この所望粒度は、例えば、土壌安定剤として使用する際の散布方法や混合方法、土壌の種類や地形等に応じて適宜選択することができ、通常、1〜20mm、好ましくは5〜10mmが望ましく、特に平均粒径が0.5mm以下のものが好ましい。実際に土壌に散布若しくは混合する際には、前記の粒度範囲外の粒度の破砕片を含んでいても本発明の効果が達成されれば良い。例えば、前記の粒度範囲に満たない粒径の粉体を含有する場合であっても、珪砂、半水石膏、粘土鉱物等の他の材料と十分に混合することにより、土壌への均一散布は可能となる。一方、使用する石膏ボード廃材粉体中に、前記の粒度範囲を超えるものが含有されていると、本発明の所望の効果が不十分になる恐れがあるので好ましくない。破砕は、建築物の解体時等にある程度行うことができる他、例えば、成型機等を用いて所望粒度に調整することができる。製造プラントの構造上、製造プラント内で粉体同士が混合しやすくなるので、粒子は細かい方が良い。
本発明の土壌安定剤は、積極的に発芽促進させる効果を有することを特徴とする。かかる効果は、廃石膏ボードの化学組成の主成分が硫酸カルシウム二水和物であり、この粉体の比表面積が3,600cm2/gと大きいため保水能力に優れており、植生基盤(土壌とバーク堆肥とを混合したもの)と水とを混合する際、一緒に添加すると植生基盤のみと比較して5%以上保水を向上させることができる特性が寄与している(参照:実験3)。さらに石膏のカルシウムのプラスイオンが土壌粒子のマイナスイオンと結びつき土壌を団粒化構造に変えていき発芽した後も植物が生長するのに適した土壌構造にすることができ、石膏のカルシウム分自体、植物の栄養になるという利点をもっていることも本発明の効果に寄与する。
本発明の土壌安定剤は、珪砂を必須とする。本発明に使用する珪砂としては、改良する土壌によって適宜選択することができるが、平均粒径が0.05〜1.5mmのものを使用することが好ましい。また、石膏ボード廃材粉体に対して、平均粒径が相対的に小さいものを選択して使用することが更に好ましく、この場合には、本発明の効果をより良好にすることができる。尚、本発明の土壌安定剤における珪砂の配合割合は、改良する土壌等に合わせて適宜選択することができる。本発明の土壌安定剤は、前記の石膏ボード廃材粉体及び珪砂からなる混合物と、該混合物100重量部に対して、半水石膏15〜40重量部、粘土鉱物10〜30重量部を混合してなるものであるが、石膏ボード廃材粉体及び珪砂の混合比が重量換算で、石膏ボード廃材粉体70〜90:珪砂10〜30となるように材料の配合割合を決定することが好ましい。
本発明の土壌安定剤の必須材料成分である廃石膏ボードは、前述の通り、保水性を向上させる効果を有する。しかし、保水性が向上できても第一の目的である法面保護(「土壌安定」とも称する。)は廃石膏ボードだけでは実用的ではないので、他の材料成分が必要になる。すなわち、廃石膏ボードの水和をスムーズにする目的で珪砂を添加する。珪砂は骨材反応のように廃石膏ボード粉体の粒子の連結を引き離し、廃石膏ボード粉体粒子間に入り込む。そして、水と珪砂と廃石膏ボード粉体が相互に絡み合うことによって固化していくことができ、廃石膏ボード粉体のみを使用した場合の固化と比較して最大で30%強度が増す。ただし前述したように、珪砂の混合割合を廃石膏ボード粉体に対して重量比で10以下にすると、珪砂の骨材能力が少なくなって固化が弱まる。また、廃石膏ボードの粉体は比重が小さいため、施工の際、使いにくくなり、作業能率の低下を招く。一方、珪砂の混合割合を廃石膏ボード粉体に対して重量比で30重量部以上添加すると、珪砂が多すぎて廃石灰ボード粉体との結合が不十分となり、透水性がよくなりすぎて水和の水が通過してしまい固化が弱くなってしまう。
更に、本発明の土壌安定剤は、半水石膏を必須とする。
廃石膏ボードの固化能力を引き出すためには、カルシウム化合物の添加が適していると予想できるが、カルシウム化合物には多くの種類が存在するため、本発明の目的の達成に適するカルシウム化合物を選定することは困難であった。しかし、本発明者らは、廃石膏ボード粉体の固化に適した化合物について比較実験を行い、鋭意検討をしたところ、土壌の安定をさらに充分にさせるには石膏変態の中の半水石膏が適している結果を得た(参照:実験2)。
半水石膏との反応で強度がでるメカニズムは下記の通りである。各種石膏の変態の中には二水石膏・半水石膏・無水石膏があるが、中でも半水石膏及び無水石膏は水と混合すると次のように凝結硬化していく。廃石膏ボードの化学組成はほとんど二水石膏であり、一部半水石膏を含んでいる。それに半水石膏を添加し水和させると、低い温度で溶解度の高い半水和物がまず溶解し、溶解度の低い二水和物に対する過飽和度が過大となるため表面エネルギーの高い針状二水和物が一気に析出してこれらの絡み合い抵抗により強度が発生する。この反応を利用して廃石膏ボードのいわゆる二水和物と半水・無水の凝結硬化との絡み合いによって固化していく。単に固化することで法面に安定するだけの場合、種子の発芽は困難になるが、廃石膏ボードと半水石膏のカルシウムイオンは土壌コロイドに吸着されるため土壌構造を単粒構造から団粒構造に変えていく。
団粒構造は土壌粒子が互いにくっつき合い小さな団粒を形成し、団粒内部には保水性のある微細な毛管孔隙が形成され、団粒の外部には排水性や通気性を高める大きな非毛管孔隙が形成される。その為、植物の発芽、生育にとって保水性・透水・通気のバランスのとれた状態がつくられる。
尚、半水石膏には、α型半水石膏とβ型半水石膏があるが、いずれであっても本発明の土壌安定剤に使用することができる。
半水石膏を混合することにより、珪砂を混合した廃石膏ボード水和後の固化強度最大値よりさらに20%強度が増す。ただし本発明の土壌安定剤の全体に対し、半水石膏の配合量が15重量部未満の場合、絡み合う半水和物が少なすぎて固化に時間がかかり、それだけ土壌の安定に時間がかかってしまう。一方、半水石膏の配合量が、本発明の土壌安定剤の全体に対して40重量部以上添加した場合は、固化が強すぎて土壌が締め固まってしまう。
また、本発明の土壌安定剤は、粘土鉱物を必須とする。
本発明の土壌安定剤において使用される粘土鉱物としては、主成分が珪素とアルミニウムと酸素であり、四面体層と八面体層を組み合わせた構造をしてなる層状珪酸塩鉱物が好ましい。例えば、モンモリロナイト等のベントナイト、イライト、及び結晶性アルミノ珪酸塩でSiO2四面体とAlO2四面体とが三次元網目状に結合した鉱物ゼオライト等からなる群から選択される少なくとも1種を使用することができる。
植生基盤材に必須の添加材である粘土鉱物が入り込んで土壌粒子のマイナスイオンを増やし廃石膏ボードのカルシウムイオン(陽イオン)との団粒構造化を促進させよりよい植生基盤に変えていく。粘土鉱物がカルシウムなどの陽イオンと結びつき団粒化するのは、下記に説明するように粘土鉱物の陽イオン交換能力を利用しているからである。粘土鉱物は珪素とアルミニウムと酸素を主成分にする層状珪酸塩鉱物であり、四面体層と八面体層を組み合わせた構造をしている。八面体層にあるAl3+の一部がFe2+やMg2+に置き換わり、四面体層にあるSi4+の一部がAl3+に置き換わっているため層電荷はマイナスになる、これを中和するために水分子とともに陽イオンが弱い水素結合とファンデルワールス力によって隙間に入る。その為、層間に水を取り込むことができ保水力を向上させるほかに、弱い力で陽イオンが入っているためその陽イオンも別の陽イオンと入れ替わることができる。
本発明は該粘土鉱物を必須成分として添加することで団粒化だけでなく土壌中に含まれる植物の養分を(養分のほとんどは陽イオン)多く吸着させ、吹付けた時に混練りする肥料が土壌中を通過することなく吸着し種子または発芽した植物の根に充分な栄養を補給することができる。廃石膏ボード等のカルシウム分を栄養過多にならないように粘土鉱物に吸着させ栄養補給コントロールする働きもさせている。
上記のように、保水性のある粘土鉱物・カルシウムによる団粒化によって透水も良くなっているために降雨時も雨を必要量吸収し余分な雨量を浸透させることができる。又、主成分の廃石膏ボード自体保水効果がある。よって降雨による流亡のおそれがない。
尚、本発明の土壌安定剤における粘土鉱物の混合割合は、上述したように、石膏ボード廃材粉体及び珪砂からなる混合物100重量部に対して10〜30重量部である。粘土鉱物の添加量が、該混合物100重量部に対して10重量未満である場合、固化が弱くなるので、土壌安定剤としての本来の目的を果たすことができない恐れがある。粘土鉱物の添加量が該混合物100重量部に対して30重量超である場合、保水効果の向上を期待できず、経済的に不利である。
以下に本発明を比較例及び実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実験1〕
廃石膏ボード粉末50〜100重量部に対して珪砂を0〜50重量部混合し100になるようにして固化強度の実験を行い、表1の結果を得た。尚、固化状況は土壌硬度計を用いて測定した。
以上の結果から廃石膏ボード70〜90重量部、珪砂10〜30重量部の配合とし、これらを主成分として他の添加材により土壌と混合したときに地盤に安定する固化を調べることにした。
〔実験2〕
カルシウム化合物の中で土壌安定・土壌改良に適するものに石灰系と廃石膏ボードが属する硫酸カルシウム系がある。これらのカルシウム化合物のうち、廃石膏ボード及び珪砂と混合したときに適当な固化強度を示すものを調べた。石灰系と石膏に関する実験結果を下記の表2及び表3に示す。
表2の結果のように石灰系資材の中では消石灰との反応で固化が見られたが土壌安定に充分な固化強度ではなかった。表3を見ればわかるように、廃石膏ボードと珪砂は、石膏の変態の半水石膏との組み合わせによって一番良い固化を得ることができることがわかった。ただし、配合量を40%とすると、固化が強すぎるだけでなく固化時間が早すぎてしまうため、混合する量は30%までとしたほうが好ましい。また20%未満の添加は消石灰の固化同様、土壌安定には不十分であると考えられる。このように、添加するカルシウム化合物として、半水石膏を20%〜30%添加することが最も好ましい。
〔実験3〕
更に、本発明において、半水石膏を実質的に使用できる範囲を明確にするため、次の実験を行った。
すなわち、表4に示す組成で、廃石膏ボード、珪砂、半水石膏及び粘土鉱物を混合し、固化強度の実験を行った。その結果についても、表4に示す。尚、固化強度は土壌硬度計を用いて測定した。
廃石膏ボード及び珪砂の混合物に対して、半水石膏を30重量%以上配合したものは、水との混合後約15分間以内で固化し始める。しかし、半水石膏の配合量が35重量%程度であれば、本発明の土壌安定剤の使用準備が完了するまでの間に、使用が困難になる程度まで固化強度は大きくならない。よって、本発明において、半水石膏の実質的な使用範囲は、廃石膏ボード及び珪砂の混合物に対して15重量%以上40重量%未満である。
〔実験4〕
粘土鉱物を配合すべき好適な範囲を調べるため、次の実験を行い、表5の結果を得た。
すなわち、半水石膏とベントナイトを10〜90重量%の範囲内で混合し、全体で100重量部になるように調製した混合物について固化強度の実験を行った。尚、固化強度は土壌硬度計を用いて測定した。
半水石膏とベントナイトの混合割合を1:1にした場合、固化するまでに約18時間かかったが、十分な強度が得られなかった。半水石膏の配合量を70重量%とすると、約20分経過後に十分な強度が得られるが、この場合、施工前の混合調製時にミキサー内で固化する場合がある。また、ベントナイトを半水石膏の混合割合より多くすると、固化するまでに非常に時間がかかるか、固化しなかった。従って、半水石膏と粘土鉱物の混合割合として好適な範囲は、石膏:粘土=1:1〜3:2であることが分かった。
〔実験5〕
廃石膏ボードの保水能力とそれに粘土鉱物を添加したものがどれだけ保水能力があるのか調べるため、次の実験を行った。
まず、底に穴のあいた容器の中に、予め風乾させておいた表6の基盤材を一定量入れて、次いで、A(ml)の量の水を基盤材の表面にまんべんなくゆっくり注ぐ。そして、容器の底から流出する水の量B(ml)を計量し、下記の計算式から算出される数値を保水力とした。
保水力=(A−B)×100/A
尚、実験には、緑化吹付工の客土吹きに使用される植生基盤を用い、植生基盤のみ(黒土とバーク堆肥)の場合の保水能力と、廃石膏ボードを添加した場合及び廃石膏ボードと粘土鉱物を添加したものについて保水力を比較した。
表6の実験試料1〜3の保水力の結果を表7に示す。
表7の結果から植生基盤材に廃石膏ボードを添加すると保水力が6%向上し、さらに粘土鉱物を添加することで3%向上、合計で9%向上させることができることがわかる。
〔実験6〕
更に、粘土鉱物を配合すべき最も好適な範囲を調べるため、次のような保水能力の実験を行った。
まず、表8に示す組成で、廃石膏ボード、珪砂、半水石膏及び粘土鉱物を混合し、表8の土壌安定剤A〜Eをそれぞれ調製した。次いで、これらの土壌安定剤をそれぞれ植生基盤(黒土800ml及びバーク堆肥400mlからなるもの)に40g添加し、実験5と同様の方法により、保水力を測定した。実験結果を表8に示す。
表8の結果から、植生基盤材に土壌安定剤を添加すると保水力が向上し、特に、粘土鉱物の配合量が、廃石膏ボード及び珪砂の混合物に対して10重量%以上であると、保水力が75%以上になることがわかる。しかし、粘土鉱物の配合量が、該混合物に対して40重量%以上になると、むしろ保水力が低くなることがわかる。よって、表8の結果から、本発明における粘土鉱物の好ましい配合量は、廃石膏ボード及び珪砂の混合物に対して10〜30重量部の範囲内である。
本発明の土壌安定剤の効果を確認すべく、表9の組成の実施例及び比較例の土壌安定剤について、固化強度試験、保水力試験及び発芽試験を行った。
〔固化強度試験〕
表9の組成の実施例及び比較例の土壌安定剤について、固化強度の実験を行った。尚、固化強度は土壌硬度計を用いて測定した。実験結果を表10に示す。
〔保水力試験〕
表9の組成の実施例及び比較例の土壌安定剤をそれぞれ植生基盤(黒土800ml及びバーク堆肥400mlからなるもの)に20g添加し、実験5と同様な方法により、保水力を測定した。尚、参考のため、土壌安定剤を添加しないもの(植生基盤)についても、保水力試験を行った。実験結果を表11に示す。
〔発芽試験〕
表9の組成の実施例及び比較例の土壌安定剤をそれぞれ植生基盤(黒土800ml及びバーク堆肥400mlからなるもの)に20g添加し、更に植物種子及び適量の水を加えて混練し、該混練物を容器(縦12cm、横13cm、深さ6cm)に入れた。次いで、前述の混練物について、実験10日目及び実験1ヶ月目における植物種子の発芽本数を調べた。尚、各混練物に添加した植物種子として、100%発芽で約100本の発芽が想定され得るように、ケンタッキーブルーグラス0.02g、クリーピングレッドフェスク0.02g及びシルクローバー0.01gを用いた。実験結果を表12に示す。
固化強度試験の結果のみについて言えば、比較例1を除いて良好な結果が得られており、保水力試験の結果のみについて言えば、比較例2を除いて良好な結果が得られている。しかし、発芽試験結果において、比較例1及び比較例2ではシロクローバーの発芽が見られず、発芽した種子も、葉先が枯れているものが多いことが確認された。土壌安定剤としては、法面保護及び保水性に優れるだけでなく、植物の発芽、生育の能力を阻害しないことが求められる。したがって、固化強度及び保水力として適度の性能を有し、発芽試験においても良好な結果が得られた実施例1及び2が、比較例1及び2よりも優れた土壌安定剤と言える。
〔滑落防止試験〕
本発明の土壌安定剤と植生基盤とを混合して法面に吹き付けたとき滑落しないか実験を行った。吹付け材料の配合組成を表13に、法面の勾配とその結果は表14に示す。
表14に示されるように6種類の勾配で実験を行ったが、どの勾配でも滑落はなかった。特に47°、45°、40°は良好だった。
〔流出防止試験〕
本発明を使用して吹き付けた植生基盤が降雨によって流亡しないか実験で確かめた。その結果を表15に示す。吹付け材料は表13と同じ組成のものを使用し、降雨の量は2種類で行った。
表15の結果から降雨による流亡もないことが確認された。
〔発芽試験〕
実際の緑化吹付けを想定して発芽試験を行った。発芽試験に使用した材料の配合表と試験結果をそれぞれ表16、表17に示す。
表17の結果から本発明は他の安定剤と比較しても発芽に関しても優れていることが分かる。
尚、本発明の土壌安定剤は、傾斜面を緑化するための緑化吹付資材として用いることができる。すなわち、本発明の土壌安定剤と、植物の種子、土壌(及び/若しくは土砂)を夫々一定の割合で混合する。これに水分を加えて、水圧又は空気圧で吹き付けることにより、傾斜面に約0.5〜5cm程度の厚さの吹き付けを行うことができる。更にまた、堆肥、高度化成肥料、緩効性肥料(以下、「堆肥等」と略す。)から選択された少なくともいずれかを本発明の緑化吹付資材の任意成分として混合することで、緑化吹付資材が固化した後も、植物種子の生長に必要な栄養分を供給することができる。
緑化吹付には、主として客土吹きと厚層吹きの吹き付け工法があるが、本発明の土壌安定剤はいずれの工法であっても使用することができる。客土吹き工法及び厚層吹き工法とは、いずれも攪拌タンクに基盤材、本発明の土壌安定剤、肥料、種子及び水を投入して十分混練したものを圧縮空気等で法面に吹き付ける方法である。但し、前述の客土吹き工法の場合、吹き付け材料の組成は、例えば、良質土とバーク堆肥を容積比2:1の割合で混合した基盤材1200リットルに対し、本発明の土壌安定剤10〜40kgと肥料3〜6kg、1m3当たり3000〜20000本の発芽が得られるように調整された種子及び水とすることができる。
これに対し、厚層吹き工法の場合、吹き付け材料の組成は、例えば、バーク堆肥のみからなる基盤材2000リットルに対し、本発明の土壌安定剤10〜40kgと肥料3〜6kg、1m3当たり3000〜20000本の発芽が得られるように調整された種子及び水とすることができる。但し、客土吹き工法と厚層吹きの吹き付け工法のいずれにおいても、配合する水の量は、施工時の天候、法面地盤或いは基盤材の保水性等によって適宜調整する必要があるので、特定されない。
本発明の緑化吹付資材において使用できる土壌としては、黒土等の良質土が挙げられるが、施工現場の土壌も使用することができる。但し、現場の土壌が強酸性の土壌、或いは強アルカリの土壌である場合、中和する等の土壌改良を行った後に使用することが好ましい。
本発明の緑化吹付資材において使用できる堆肥としては、牛糞、豚糞、鶏糞等及び稲わら、もみがら、おがくず、バーク等を攪拌或いは堆積して腐熟させたものが使用される。中でも、バーク堆肥の使用が好ましく、特に、腐熟の程度が十分進んだものを使用することが好ましい。バーク堆肥は分解が遅く持続性に優れているだけでなく、土の通気性や保水性の改善にも効果があるからである。
本発明の緑化吹付資材において使用できる植物の種子としては、種間競争を考慮しながら、次の条件を満たすものをバランス良く3種類〜7種類程度混播する。
1) 耐乾燥性を有し、痩せ土でも良く生育する。深根性で水分と養分に対する要求が少ないもの。
2) 発芽率、発芽勢が良好且つ生育が早く、地表を早く被覆するもの。
3) 土をしっかり据え、表土の移動を阻止できるように、根の張りが良好になるもの。
4) 多年草の草種であること。
5) 地域に適していること。
6) 種子が容易に入手できること。
上述の1)〜6)の条件を満たす種子として、例えば、ベントグラス類、ブルーグラス類、フェスク類、ライグラス類、オーチャードグラス等の寒冷地型の種子、バミューダグラス、センチピートグラス、ノシバ等の暖地型の種子、シロクローバー、アカクローバー等のマメ科の種子等が挙げられる。また、最近は、郷土植物と混播することが一般的であり、そのような種子として具体的には、ヨモギ(キク科)、イタドリ(イネ科)、メドハギ(マメ科)等の草本類の種子、ヤマハギ、コマツナギ、イタチハギ等のマメ科、ヤシャブシ、シラカンバ等のカバノキ科等の木本類の種子が挙げられる。
上述した植物の種類には、根の張り方がほふく茎によるもの、或いは地下茎によるもの等があるので、根の張り方が異なる植物の種子を適宜選択して混播するのが好ましい。また、イネ科とマメ科の植物を共存させた場合、マメ科の根粒菌がイネ科の養分になるので、イネ科とマメ科の種子も混播することが好ましい。

Claims (2)

  1. 石膏を含有するボード廃材を所望の粒度範囲に粉砕した石膏ボード廃材粉体及び珪砂からなる混合物と、前記混合物100重量部に対し、半水石膏15〜40重量部、粘土鉱物10〜30重量部を混合してなることを特徴とする土壌安定剤。
  2. 請求項1記載の土壌安定剤において、
    前記混合物は、石膏ボード廃材粉体が70〜90重量部で、珪砂が10〜30重量部であることを特徴とする土壌安定剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011196074A (ja) * 2010-03-19 2011-10-06 Institute Of National Colleges Of Technology Japan イワダレソウを利用した法面緑化吹付システム

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