JP2005037903A - 電子写真用感光体およびそれを用いた電子写真装置 - Google Patents

電子写真用感光体およびそれを用いた電子写真装置 Download PDF

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昌美 黒田
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Abstract

【課題】 電気特性に優れ、繰り返し使用においても安定な電子写真用感光体およびこれを用いた電子写真装置を提供する。
【解決手段】 導電性基体上に、直接または下引き層を介して、感光層が設けられた電子写真用感光体において、感光層中に、下記一般式(I)、
Figure 2005037903

(R1〜R4は水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基を表し、R5はアリール基、複素環基を表し、R6はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、複素環基を表し、Xは、硫黄原子、酸素原子を表し、nは0〜3の整数を表し、nが2または3の場合、R6は同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して環または縮合環を形成していてもよく、置換基はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ニトロ基、アリール基、複素環基を表す)で表される構造を有する化合物を少なくとも1種含有する電子写真用感光体およびこれを用いた電子写真装置である。
【選択図】 なし

Description

本発明は電子写真用感光体(以下、単に「感光体」とも称する)および電子写真装置に関し、詳しくは、特定の化合物を電子輸送物質として用いた電子写真用感光体およびこの電子写真用感光体を用いた電子写真装置に関する。
近年、電子写真用感光体としては、有機光導電材料を用いたいわゆる有機感光体が、無公害、低コスト、材料選択の自由度より感光体特性を様々に設計できるなどの観点から、数多く提案され実用化されている。
有機感光体の感光層は、主として有機光導電材料を樹脂中に分散させた層からなり、電荷発生物質を樹脂中に分散させた層(電荷発生層)と電荷輸送物質を樹脂中に分散させた層(電荷輸送層)とを積層させた積層型構造や、電荷発生物質と電荷輸送物質とを併せて樹脂中に分散させた単一の層からなる単層型構造などが数多く提案されている。
中でも、感光層として、電荷発生層の上に電荷輸送層を積層させた機能分離積層型の感光体は、感光体特性や耐久性に優れるため、広く実用化されている。この機能分離積層型感光体に設けられている電荷輸送層には、通常、電荷輸送物質として正孔輸送物質が用いられるため、この感光体は負帯電プロセスで作動する電子写真装置に使用される。しかし、負帯電プロセスに使用される負極性コロナ放電は、正極性のそれに比して不安定であって、かつ、発生オゾン量が多いため、感光体への悪影響や、使用環境への悪影響が問題となっている。これらの問題点を解決するためには、正帯電プロセスで使用できる有機感光体が有効である。
ところで、前述のような耐久性に優れた感光体を正帯電プロセス用でかつ高感度にするためには、電子輸送機能に優れた物質を用いる必要がある。このような物質やそれを用いた感光体は、これまでにも数多く提案されてきている。例えば、特許文献1〜特許文献14、非特許文献1〜非特許文献4等において、数多くの電子輸送物質やこれを用いた電子写真用感光体が提案、記載され、注目を浴びるようになってきている。また、単層型感光層中に、例えば、特許文献15〜特許文献19等に記載されているような正孔輸送物質および電子輸送物質を組み合わせて用いた感光体が高感度であるとして着目され、一部実用化されている。
また、本発明者らも、より優れた特性を有する感光体を目指して、電子輸送機能を有する物質を含有する感光体を種々提案している(例えば、特許文献20〜特許文献24等に記載)。
特開平1−206349号公報 特開平4−360148号公報 特開平3−290666号公報 特開平5−92936号公報 特開平9−151157号公報 特開平5−279582号公報 特開平7−179775号公報 特開平10−73937号公報 特開平4−338760号公報 特開平1−230054号公報 特開平8−278643号公報 特開平9−190002号公報 特開平9−190003号公報 特開2001−222122号公報 特開平5−150481号公報 特開平6−130688号公報 特開平9−281728号公報 特開平9−281729号公報 特開平10−239874号公報 特開2000−75520号公報 特開2000−199979号公報 特開2000−143607号公報 特開2001−142239号公報 特開2002−278112号公報 電子写真学会誌Vol.30,p266〜273(1991) Pan−Pacific Imaging Conference/Japan Hardcopy≡98 July 15〜17,1998 JA HALL,Tokyo,Japan 予稿集p207〜210 Japan Hardcopy≡97 論文集1997年7月9日、10日、11日 JAホール(東京・大手町)p21〜24 Japan Hardcopy≡92 論文集1992年7月6日、7日、8日 JAホール(東京・大手町)p173〜176
しかしながら、電子輸送機能を有する物質として既知であるジフェノキノン化合物やスチルベンキノン化合物は、電子写真用感光体に用いるには、感度や残留電位といった電気特性が十分満足できるものではなかった。そのため、より優れた電気特性を有する電子輸送物質を用いることにより、より高性能の電子写真感光体および電子写真装置を実現することが望まれていた。
そこで本発明の目的は、導電性基体上に感光層を有する電子写真用感光体において、電子輸送能に優れた化合物を用いることにより、電気特性に優れ、繰り返し使用においても安定な電子写真用感光体およびその電子写真用感光体を用いた電子写真装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の電子写真用感光体は、導電性基体上に、直接または下引き層を介して、感光層が設けられた電子写真用感光体において、該感光層中に、下記一般式(I)、
Figure 2005037903
(式(I)中、R1、R2、R3、R4は、同一または異なって、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよい複素環基を表し、R5は、置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよい複素環基を表し、R6は、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよい複素環基を表し、Xは、硫黄原子または酸素原子を表し、nは0〜3の整数を表し、nが2または3の場合には、少なくとも2つあるR6は同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して置換基を有してもよい環または縮合環を形成していてもよく、置換基は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、ニトロ基、アリール基または複素環基を表す)で表される構造を有する化合物を少なくとも1種含有することを特徴とするものである。
本発明の感光体は、前記感光層が、電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂バインダーを含有する単層型感光層であり、該電荷輸送物質として、電子輸送物質と正孔輸送物質とを含有し、かつ、該電子輸送物質として、前記一般式(I)で表される構造を有する化合物を少なくとも一種含有することが好適であり、特には、正帯電プロセスにて帯電プロセスを行う電子写真装置に好適に適用することができる。
また、本発明の感光体においては、感光層中に、正孔輸送物質として、例えば、特開2000−314969号公報等に記載されているような公知の正孔輸送物質を用いることが可能であるが、特には、スチリル化合物を含有させることが好ましい。
さらに、本発明の感光体においては、感光層中に電荷発生物質として公知の電荷発生物質を用いることが可能であるが、特には、フタロシアニン化合物を含有させることが好ましい。フタロシアニン化合物としては、例えば、特開2001−228637号公報等に記載されているX型無金属フタロシアニン、α型チタニルフタロシアニンおよびY型チタニルフタロシアニン、特開2001−330972号公報に記載された発明に係るチタニルフタロシアニンなどがより好適であるが、これらの化合物に限定されるものではない。
また、本発明の電子写真装置は、上記本発明の電子写真用感光体を備え、かつ、正帯電プロセスにて帯電プロセスを行うことを特徴とするものである。
本発明によれば、導電性基体上に感光層が設けられた電子写真用感光体において、上記一般式(I)で示される電子輸送性を有する特定の化合物を、電子輸送物質として感光層中に含有させたことにより、電子輸送性が向上し、優れた電気特性を示すとともに、電荷のトラップが少なくなるために、繰り返し安定性にも優れた効果を奏する。
従って、本発明によれば、電気特性や繰り返し安定性に優れた高耐久性の電子写真用感光体を得ることができ、この電子写真用感光体は、電子写真方式を用いたプリンター、複写機、ファックス等の電子写真装置に有用である。
以下、本発明の具体的な実施の形態につき詳細に説明する。
本発明に用いられる一般式(I)で示される化合物は、例えば、下記反応式(1)、(2)に従い合成することができる。即ち、まず、下記反応式(1)に示すように、構造式(B’)で示される化合物から構造式(B)で示される化合物を合成する。次いで、下記反応式(2)に示すように、構造式(A)で示される化合物と、この構造式(B)で示される化合物とを、適当な有機金属試薬(例えば、マグネシウムなど)で反応させ、その後、保護基(TMS:トリメチルシリル基)を取り去ることにより、構造式(C)で示される化合物を合成する。さらに、これと構造式(D)で示される化合物との脱水縮合後、適当な触媒(例えば、二酸化鉛(PbO2)など)で酸化することにより、構造式(I)で示される化合物を合成することができる。
なお、下記反応式(2)中の「TBAF」はフッ化テトラブチルアンモニウムを表す。

Figure 2005037903
前記一般式(I)で示される化合物の具体例を以下に示すが、本発明においては、これらの化合物に限定されるものではない。なお、下記の具体例中の置換基
Figure 2005037903
は、t−ブチル基を表す。
Figure 2005037903
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以下、本発明の電子写真用感光体の具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の感光体の一実施例を示す概念的断面図であり、1は導電性基体、2は下引き層、3は感光層、4は保護層を夫々示し、下引き層2と保護層4とは、必要に応じて設けられる。感光層3は、電荷発生機能と電荷輸送機能とを併せ持つ1つの層からなる単層型や、電荷発生層と電荷輸送層とに分離した層を積層した機能分離型がある。主な具体例としては、図2〜図6に示すような層構成の感光体が挙げられる。図2および図3は、感光層3が単層型である単層型感光体を示す。また、図4および図5は、下引き層2上に、感光層3が、電荷発生層3a、電荷輸送層3bの順に積層されて形成されてなる機能分離積層型感光体を示す。さらに、図6は、感光層3が、電荷輸送層3b、電荷発生層3aの順に積層されてなり、この上にさらに保護層4を有する機能分離積層型感光体を示す。但し、本発明は、これら図示する層構成の感光体に限定されるものではない。
導電性基体1は、感光体の電極としての役目と同時に他の各層の支持体となっており、円筒状、板状、フィルム状のいずれでもよく、材質的にはアルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルなどの金属、あるいはガラス、樹脂などの上に導電処理を施したものでもよい。
下引き層2は、必要に応じて設けることができ、樹脂を主成分とする層やアルマイト等の酸化皮膜等からなり、導電性基体から感光層への不要な電荷の注入防止、基体表面の欠陥被覆、感光層の接着性の向上等の目的で必要に応じて設けられる。下引き層用の樹脂バインダーとしては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、メタクリル酸エステルの重合体およびこれらの共重合体などを適宜組み合わせて使用することが可能である。また、樹脂バインダー中には、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ジルコニウム等の金属酸化物や、硫化バリウム、硫化カルシウム等の金属硫化物、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の金属窒化物等の微粒子を1種以上含有させてもよく、これらの微粒子の表面を、シランカップリング剤等で表面処理したり、金属酸化膜等で被覆してもよい。
下引き層の膜厚は、下引き層の配合組成にも依存するが、繰り返し連続使用したときに残留電位が増大するなどの悪影響が出ない範囲で任意に設定でき、通常、0.01〜50μm程度である。また、下引き層は複数層積層させてもよい。
感光層3は、機能分離型の場合は、主として電荷発生層3aと電荷輸送層3bとの2層からなり、単層型の場合は、1層からなる。ただし、同種の機能を有する層を複数層積層させてもよい。
電荷発生層3aは、無機または有機光導電性物質を真空蒸着して形成したり、無機または有機光導電性物質の粒子を樹脂バインダー中に分散させた材料を塗布して形成され、光を受容して電荷を発生する機能を有する。また、その電荷発生効率が高いことと同時に発生した電荷の電荷輸送層3bへの注入性が重要であり、電場依存性が少なく低電場でも注入のよいことが望ましい。
電荷発生層は、電荷発生機能を有すればよいので、その膜厚は電荷発生物質の光吸収係数により決まり、通常、0.1〜50μmであるが、電荷発生層上に電荷輸送層を積層した積層型感光体の場合には、一般的には5μm以下であり、好適には1μm以下である。
電荷発生層は、電荷発生物質を主体として、これに電荷輸送物質などを添加して使用することも可能である。電荷発生物質としては、フタロシアニン系顔料、アゾ顔料、アントアントロン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、スクアリリウム顔料、チアピリリウム顔料、キナクリドン顔料等を用いることができ、また、これらの顔料を適宜組み合わせて用いてもよい。特に、アゾ顔料としては、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン顔料としては、N,N’−ビス(3,5−ジメチルフェニル)−3,4:9,10−ペリレンビス(カルボキシイミド)、フタロシアニン系顔料としては、無金属フタロシアニン、銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニンが好適である。
本発明においては、これら電荷発生物質の中でも、フタロシアニン系顔料を用いることが特に好ましい。かかるフタロシアニンには様々な結晶形態が存在し、X型無金属フタロシアニン、τ型無金属フタロシアニン、ε型銅フタロシアニン、α型チタニルフタロシアニン、β型チタニルフタロシアニン、Y型チタニルフタロシアニン、アモルファスチタニルフタロシアニン、特開平8−209023号公報中に記載のCuKα:X線回折スペクトルにてブラッグ角2θが9.6°を最大ピークとするチタニルフタロシアニンなどが知られている。中でも、例えば、特開2001−228637号公報等に記載されているX型無金属フタロシアニン、α型チタニルフタロシアニン、Y型チタニルフタロシアニン、および、特開2001−330972号公報に記載された発明に係るチタニルフタロシアニンなどがより好ましい。
また、上記電荷発生物質の中には、電荷発生機能に加えて、電荷輸送機能を有するものも存在する。特に、アゾ顔料やペリレン顔料は電子輸送性を有しており、電荷発生を目的とする以外に、電子輸送物質として用いることもできる。
電荷発生層用の樹脂バインダーとしては、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、メタクリル酸エステルの重合体およびこれらの共重合体などを適宜組み合わせて使用することが可能である。また、分子量の異なる同種の樹脂を混合して用いてもよい。尚、樹脂バインダーの含有量は、電荷発生層の固形分に対して10〜90重量%、好適には20〜80重量%である。
ここで、電荷発生層に電荷輸送物質を添加する場合には、下記で説明する電荷輸送層に用いられる電荷輸送物質を用いることが可能であり、また、本発明に係る前記一般式(I)で表される化合物を用いることも可能である。尚、電荷発生層に添加する電荷輸送物質の含有量は、電荷発生層の固形分に対して0.1〜50重量%である。
電荷輸送層3bは、樹脂バインダー中に電荷輸送物質を分散させた材料からなる塗膜であり、暗所では絶縁体層として感光体の電荷を保持し、光受容時には電荷発生層から注入される電荷を輸送する機能を発揮する。
電荷輸送物質としては正孔輸送物質と電子輸送物質とが存在するが、本発明においては少なくとも、電子輸送物質として、前記一般式(I)で表される化合物を用いることが必要である。また、本発明においては、かかる化合物以外にも、他の電子輸送物質や正孔輸送物質を併用することが可能である。尚、電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の固形分に対して10〜90重量%、好適には20〜80重量%であり、本発明に係る前記一般式(I)で表される化合物は、電荷輸送層中に含まれていれば本発明の効果が得られるものであるが、その含有量としては、電荷輸送層の固形分に対して、好適には10〜60重量%であり、より好適には、15〜50重量%である。
他の電子輸送物質としては、公知の電子輸送物質を用いることができ、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロム無水コハク酸、無水フタル酸、3−ニトロ無水フタル酸、4−ニトロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、フタルイミド、4−ニトロフタルイミド、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、クロラニル、ブロマニル、o−ニトロ安息香酸、トリニトロフルオレノン、キノン、ベンゾキノン、ジフェノキノン、ナフトキノン、アントラキノン、スチルベンキノン等の電子受容物質、電子輸送物質を使用することができる。特には、特開2000−314969号公報中に記載の構造式(ET1−1)〜(ET1−16)、(ET2−1)〜(ET2−16)、(ET3−1)〜(ET3−12)、(ET4−1)〜(ET4−32)、(ET5−1)〜(ET5−8)、(ET6−1)〜(ET6−50)、(ET7−1)〜(ET7−14)、(ET8−1)〜(ET8−6)、(ET9−1)〜(ET9−4)、(ET10−1)〜(ET10−32)、(ET11−1)〜(ET11−16)、(ET12−1)〜(ET12−16)、(ET13−1)〜(ET13−16)、(ET14−1)〜(ET14−16)、(ET15−1)〜(ET15−16)、(ET−1)〜(ET−42)などで示される化合物が好ましい。これら電子受容物質や電子輸送物質は、1種または2種以上で組み合わせて使用することが可能である。
正孔輸送物質としては、特に制限はされないが、スチリル化合物を好適に用いることができる。なお、本明細書中においてスチリル化合物とは、下記式で表される構造を有する化合物を示す。
Figure 2005037903

(上記式中、水素原子は置換されていてもよい。)
スチリル化合物の具体的な構造としては、例えば、特開2000−314969号公報に記載の構造式(HT1−1)〜(HT1−136)、(HT2−1)〜(HT2−70)、特開2000−204083号公報に記載の構造式(V−40)〜(V−57)、特開2000−314970号公報に記載の構造式(HT1−1)〜(HT1−70)などで示される化合物が挙げられるが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
正孔輸送物質としては、その他、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、ピラゾロン化合物、オキサジアゾール化合物、オキサゾール化合物、アリールアミン化合物、ベンジジン化合物、スチルベン化合物、ポリビニルカルバゾール、ポリシラン等(具体的な構造は、例えば、特開2000−314969号公報に記載の構造式(HT3−1)〜(HT3−39)、(HT4−1)〜(HT4−20)、(HT5−1)〜(HT5−10)、(HT−1)〜(HT−37)等を参照)を用いることが可能であり、これら正孔輸送物質を1種または2種以上で組み合わせて使用することができる。
電荷輸送層用の樹脂バインダーとしては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコン系樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、メタクリル酸エステルの重合体およびこれらの共重合体などを適宜組み合わせて使用することが可能である。特には、特開2000−314969号公報中に記載の構造式(BD1−1)〜(BD1−16)に示す構造単位を主要繰り返し単位として有するポリカーボネートが挙げられる。また、その他にも、特開2000−314969号公報に記載の構造式(BD−1)〜(BD−7)に示す構造単位の1種または2種以上を主要繰り返し単位として有するポリカーボネート樹脂や、ポリエステル樹脂が好適であり、これらの樹脂を2種以上混合して用いてもよい。また、分子量の異なる同種の樹脂を混合して用いてもよい。尚、樹脂バインダーの含有量は、電荷輸送層の固形分に対して10〜90重量%、好適には20〜80重量%である。
電荷輸送層の膜厚は、実用的に有効な表面電位を維持するためには、3〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは10〜50μmである。
なお、機能分離型の積層感光体としては、電荷発生層上に電荷輸送層を積層させたものが一般的であるが、電荷輸送層上に電荷発生層を積層させたものでもよい。
単層型の感光層の場合には、主成分として電荷発生物質、電荷輸送物質および樹脂バインダーが用いられる。電荷輸送物質としては、正孔輸送物質と電子輸送物質が存在し、本発明においては、電子輸送物質として、少なくとも前記一般式(I)の化合物を用いることが必要である。また、それ以外の電荷輸送物質(電子輸送物質、正孔輸送物質)も、上記電荷輸送層3bの場合と同様に併用することが可能であり、好適には、正孔輸送物質と併用することが望ましい。電荷発生物質は、上記電荷発生層3aにて用いられる電荷発生物質と同様の化合物を用いることが可能である。また、樹脂バインダーについても、上記電荷輸送層3bや上記電荷発生層3aに用いられる樹脂バインダーと同様のものを用いることが可能である。尚、電荷発生物質の含有量は、単層型の感光層の固形分に対して0.01〜50重量%、好適には0.1〜20重量%、より好適には0.5〜10重量%である。また、電荷輸送物質の含有量は、単層型の感光層の固形分に対して10〜90重量%、好適には20〜80重量%であり、本発明に係る前記一般式(I)で表される化合物は、単層型の感光層に含有されていれば本発明の効果が得られるものであるが、その含有量としては、単層型の感光層の固形分に対して、好適には10〜60重量%であり、より好適には15〜50重量%である。併用される正孔輸送物質の含有量は、単層型の感光層の固形分に対して、好適には10〜60重量%であり、より好適には20〜50重量%である。樹脂バインダーの含有量は、単層型の感光層の固形分に対して、通常10〜90重量%、好適には20〜80重量%である。
単層型感光層の膜厚は、実用的に有効な表面電位を維持するためには、3〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは10〜50μmである。
これらの感光層中には、耐環境性や有害な光に対する安定性を向上させる目的で、酸化防止剤や光安定剤等の劣化防止剤を含有させることもできる。このような目的に用いられる化合物としては、トコフェロールなどのクロマノール誘導体およびエステル化化合物、ポリアリールアルカン化合物、ハイドロキノン誘導体、エーテル化化合物、ジエーテル化化合物、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、チオエーテル化合物、フェニレンジアミン誘導体、ホスホン酸エステル、亜リン酸エステル、フェノール化合物、ヒンダードフェノール化合物、直鎖アミン化合物、環状アミン化合物、ヒンダードアミン化合物等が挙げられる。
また、感光層中には、形成した膜のレベリング性の向上や潤滑性の付与を目的として、シリコーンオイルやフッ素系オイル等のレベリング剤を含有させることもできる。
さらに、摩擦係数の低減や潤滑性の付与等を目的として、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ジルコニウム等の金属酸化物や、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の金属硫化物、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の金属窒化物の微粒子、または、4フッ化エチレン樹脂等のフッ素系樹脂粒子やシリコーン樹脂微粒子、フッ素系クシ型グラフト重合樹脂等のフッ素を含有するポリマーやシリコンを含有するポリマー等を含有させてもよい。
さらにまた、必要に応じて、電子写真特性を著しく損なわない範囲内で、その他公知の添加剤を含有させることも可能である。
保護層4は、耐刷性を向上させること等を目的として、必要に応じ設けることができ、樹脂バインダーを主成分とする層や、アモルファスカーボン、アモルファスケイ素−炭素等の気相成長法によって成膜された無機薄膜や、シリカやアルミナの蒸着等によるコーティング膜などからなる。樹脂バインダーとしては、上記電荷輸送層3bに用いられるものや、シロキサン樹脂などの3次元架橋樹脂などを用いることができる。また、樹脂バインダー中には、導電性の向上や、摩擦係数の低減、潤滑性の付与等を目的として、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ジルコニウム等の金属酸化物や、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の金属硫化物、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の金属窒化物の微粒子、または、4フッ化エチレン樹脂等のフッ素系樹脂粒子やシリコーン樹脂微粒子、フッ素系クシ型グラフト重合樹脂等のフッ素を含有するポリマーやシリコンを含有するポリマーを含有してもよい。
また、電荷輸送性を付与する目的で、上記感光層に用いられる電荷輸送物質、電子受容物質、電子輸送物質や、前記一般式(I)で示される化合物を含有させたり、形成した膜のレベリング性の向上や潤滑性の付与を目的として、シリコーンオイルやフッ素系オイル等のレベリング剤を含有させることもできる。
保護層の膜厚は、感光層の機能を著しく損ねない範囲で、適当な範囲で用いればよいが、通常、0.1〜50μmの範囲が好ましく、より好ましくは1〜10μmである。また、保護層は、複数層積層させてもよい。
以下、本発明の感光体の作製方法について詳細に説明する(より詳細には、電子写真学会誌 VOL.28 NO.2 1989 p186−195「OPC感光体の生産技術」等に記載されている)。
上述の下引き層2、感光層3(電荷輸送層3a、電荷輸送層3b)および保護層4を塗布により形成する場合には、上記構成材料を適当な溶剤とともに溶解分散させて塗布液を作製し、適当な塗布方法にて塗布し、乾燥して溶剤を除去すればよい。
かかる溶剤としては、主としてメタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール類、アセトン、MEK(メチルエチルケトン)、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、DMF(ジメチルホルムアミド)、ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、THF(テトラヒドロフラン)、ジオキサン、ジソキソラン、ジエチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等の環状または直鎖状のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類、リグロイン等の鉱油、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素類などが用いられ、これらを2種以上混合して用いてもよい。
上記塗布液の分散溶解方法としては、主としてペイントシェーカー(ペイントコンディショナー)、ボールミル、ダイノーミルなどのビーズミル(サンドグラインダー)、超音波分散等の公知の方法を用いることができ、また塗布方法としては、主として浸漬塗布法、リングコーティング法(シールコート)、スプレー塗布法、バーコーティング法、ブレードコーティング法等の公知の方法を用いることができる。
また、上記乾燥における乾燥温度および乾燥時間は、使用溶媒の種類や製造コスト等に鑑みて適当に設定することができるが、好ましくは乾燥温度が室温以上200℃以下で、乾燥時間10分以上2時間以下の範囲内で設定する。より好ましくは、乾燥温度が溶媒の沸点から沸点+80℃の範囲内である。また、この乾燥は通常、常圧または減圧下にて、静止あるいは送風下で行う。
本発明の電子写真用感光体は、公知の電子写真プロセスにて使用可能であり、帯電、露光、現像、転写、定着といったプロセスを有する一般的な電子写真プロセスにて好適に用いることができ、これらの電子写真プロセスを有する複写機、プリンター、ファックス等に使用することができる。
ここで、帯電プロセスとしては、感光体を正極に帯電する正帯電プロセスと、負極に帯電する負帯電プロセスとが存在する。本発明の感光体は、負帯電プロセスでの使用も可能であるが、正帯電プロセスで特に高い感度を示すため、正帯電プロセスで使用することが好ましい。特に、感光層が、電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂バインダーを含有する単層型感光層であり、電荷輸送物質として電子輸送物質と正孔輸送物質とを含有し、かつ、電子輸送物質として本発明に係る前記一般式(I)で表される化合物を少なくとも1種含有する電子写真感光体は、正帯電プロセスで高い感度を有する。
帯電プロセスにおける帯電器としては、コロトロン、スコロトロンを用いた非接触の帯電器と、ローラー形状やブラシ形状で感光体に接触(あるいは近接)して帯電を行う帯電器が存在する。本発明の感光体は、どちらの帯電器を用いたプロセスでも使用可能である。
露光プロセスに用いられる光源としては、通常、感光体が感度を有する波長域を持つ光源が使用され、ハロゲンランプや蛍光灯などの白色光や、レーザー光、LED(Light Emitting Diode)光などが好適である。特に、電荷発生物質としてフタロシアニンを用いた場合には、600〜800nm付近の半導体レーザー光やLED光がより好適である。また、感光体の導電性基体として透過性のものを使用することにより、内部露光方式でも使用可能である。
現像プロセスとしては、主として、乾式トナーを用いた乾式現像方式と液体トナーを用いた液体現像(湿式現像)方式とがあり、本発明の感光体は、両方の方式で使用可能である。なお、液体現像方式の場合には、液体トナーに含まれる溶剤に対し、感光体の成分が溶け出さないような公知の手法を取ることが望ましい。
また、現像プロセスには、露光部分にトナーを現像する反転現像方式と非露光部分にトナーを現像する正転現像方式とがあるが、特に、電荷発生物質としてフタロシアニンを用いた場合には、反転現像方式のプロセスで用いることが好ましい。
公知の電子写真プロセスには、感光体に残存する未転写トナーを除去したり散らしたりする目的で、転写プロセスの後にクリーニングプロセスを有するものと、これを有していないクリーナーレスのものが存在する。本発明の感光体は、両方のプロセスで使用可能である。
また、公知の電子写真プロセスには、感光体に残存する電荷を除去したり、表面電位を平均化する目的で、転写プロセスの後に、露光による除電プロセスを有するものと、これを有していないものが存在する。本発明の感光体は、両方のプロセスで使用可能である。
また、本発明の電子写真装置は、上述の本発明の電子写真用感光体を備え、正帯電プロセスにて帯電プロセスを行うことを特徴とするものである。本発明の電子写真装置においては、帯電プロセス以外の他の構成については特に制限はなく、上述したような一般的な電子写真プロセスにより構成されるものとすればよい。
以下に、本発明を実施例に基づき説明する。
合成例1:前記具体例(I−3)の化合物の合成
下記反応式(1−1)、(2−1)に従い、前記具体例(I−3)の化合物を合成した。
Figure 2005037903
(1)2−テノイルクロリド(上記構造式(B’−1))100mmol(14.7g)、N,O−ジメチルヒドロキシアミン塩酸塩110mmol(10.7g)のジクロロメタン溶液に、室温、窒素雰囲気下で、ピリジン230mmol(18.2g)を加えて2時間攪拌した。その後、塩酸水へ注いで、ジクロロメタンで抽出し濃縮することにより、粗生成物として、収量14.8g(86.7%)でN−メトキシ−N−メチルチオフェンカルボキサミド(上記構造式(B−1))を得た。
(2)次に、上記構造式(B−1)で示される化合物30mmol(5.1g)のテトラヒドロフラン(THF)溶液に、マグネシウム78mmol(1.9g)と、4−ブロモ−2,6−ジ−t−ブチル−1−(トリメチルシロキシ)ベンゼン(A−1)60mmol(21.4g)のTHF溶液より調製したGrignard試薬を滴下して、室温で3時間攪拌した。その後、少量の1N塩酸水溶液を加えて反応を終了した。さらに、1.0Mフッ化テトラブチルアンモニウムTHF溶液(TBAF)60mmol(60ml)を加えて攪拌後、塩酸水へ注いで、ジクロロメタンで抽出し濃縮することにより、粗生成物として収量6.5g(68.1%)で構造式(C−1)で示される化合物を得た。
(3)更に、上記構造式(C−1)で示される化合物15mmol(4.7g)、4−クロロフェニルヒドラジン塩酸塩(上記構造式(D−1))30mmol(5.4g)をピリジンに溶解して、加熱還流した。反応液を塩酸水に注いで、ジクロロメタンで抽出し濃縮した。その後、カラムクロマトグラフィーで精製することにより、粗生成物を得た。
(4)上記粗生成物のクロロホルム溶液に、室温で、二酸化鉛(PbO2)20mmol(4.8g)を加えて攪拌した。残渣をろ別後、反応液を濃縮して得られた固形分をヘキサンで再結晶することにより、前記構造式(I−3)で表される化合物を得た。収量3.4g(収率51.4%)、MS m/z 438(M+)であった。なお、全収率は30.3%であった。この具体例(I−3)の化合物のIRスペクトルを図7に、1H−NMRスペクトルを図8に、夫々示す。
合成例2:前記具体例(I−83)の化合物の合成
下記反応式(1−2)、(2−2)に従い、前記具体例(I−83)の化合物を合成した。
Figure 2005037903
上記反応式に示すように、上記合成例1の2−テノイルクロリド(前記構造式(B’−1))を2−フロイルクロリド(上記構造式(B’−2))に代えた以外は合成例1と同様の操作を行って、前記構造式(I−83)で表される化合物を得た。収量3.1g(全収率32.5%)、MS m/z 422(M+)であった。この具体例(I−83)の化合物のIRスペクトルを図9に、1H−NMRスペクトルを図10に、夫々示す。
合成例3:前記具体例(I−163)の化合物の合成
下記反応式(1−3)、(2−3)に従い、前記具体例(I−163)の化合物を合成した。
Figure 2005037903
上記反応式に示すように、上記合成例1の2−テノイルクロリド(前記構造式(B’−1))をベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸クロリド(上記構造式(B’−3))に代えた以外は合成例1と同様の操作を行って、前記構造式(I−163)で表される化合物を得た。収量5.0g(全収率41.2%)、MS m/z 488(M+)であった。この具体例(I−163)の化合物のIRスペクトルを図11に、1H−NMRスペクトルを図12に、夫々示す。
合成例4:前記具体例(I−217)の化合物の合成
下記反応式(1−4)、(2−4)に従い、前記具体例(I−217)の化合物を合成した。
Figure 2005037903
上記反応式に示すように、上記合成例1の2−テノイルクロリド(前記構造式(B’−1))を3−クロロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸クロリド(上記構造式(B’−4))に代えた以外は合成例1と同様の操作を行って、前記構造式(I−217)で表される化合物を得た。収量4.6g(全収率26.3%)、MS m/z 522(M+)であった。この具体例(I−217)の化合物のIRスペクトルを図13に、1H−NMRスペクトルを図14に、夫々示す。
合成例5:前記具体例(I−243)の化合物の合成
下記反応式(I−5)、(2−5)に従い、前記具体例(I−243)の化合物を合成した。
Figure 2005037903
上記反応式に示すように、上記合成例1の2−テノイルクロリド(前記構造式(B’−1))をベンゾ[b]フラン−2−カルボン酸クロリド(上記構造式(B’−5))に代えた以外は合成例1と同様の操作を行って、前記構造式(I−243)で表される化合物を得た。収量4.8g(全収率32.8%)、MS m/z 472(M+)であった。この具体例(I−243)の化合物のIRスペクトルを図15に、1H−NMRスペクトルを図16に、夫々示す。
合成例6:前記具体例(I−403)の化合物の合成
下記反応式(1−6)、(2−6)に従い、前記具体例(I−403)の化合物を合成した。
Figure 2005037903
上記反応式に示すように、上記合成例1の2−テノイルクロリド(前記構造式(B’−1))を3,4−エチレンジオキシチオフェン−2−カルボン酸クロリド(上記構造式(B’−4))に代えた以外は合成例1と同様の操作を行って、前記構造式(I−403)で表される化合物を得た。収量2.8g(全収率38.9%)、MS m/z 496(M+)であった。この具体例(I−403)の化合物のIRスペクトルを図17に、1H−NMRスペクトルを図18に、夫々示す。
なお、2−テノイルクロリド(前記構造式(B’−1))、2−フロイルクロリド(前記構造式(B’−2))および4−クロロフェニルヒドラジン塩酸塩(前記構造式(D−1))は、東京化成工業(株)等から購入可能である。また、ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸クロリド(前記構造式(B’−3))および3−クロロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸クロリド(前記構造式(B’−4))は、ランカスター日本(株)等から入手できる。さらに、4−ブロモ−2,6−ジ−tert−ブチル−1−(トリメチルシロキシ)ベンゼン(前記式(A−1))は、例えば、前記特許文献14等に記載の公知の方法によって合成することができる。
また、ベンゾ[b]フラン−2−カルボン酸クロリド(前記構造式(B’−5))は、下記反応式(3)に従い合成した。
反応式(3)
Figure 2005037903
ベンゾ[b]フラン−2−カルボン酸50mmol(8.1g)に塩化チオニル75mmol(8.9g)を加えて、N,N−ジメチルホルムアミドを3滴滴下し、加熱還流した。2時間後、過剰の塩化チオニルを留去すると、油状物質として、収量7.4g(81.9%)にてベンゾ[b]フラン−2−カルボン酸クロリド(前記構造式(B’−5))が得られた。なお、ベンゾ[b]フラン−2−カルボン酸は、シグマ−アルドリッチジャパン(株)等から入手可能である。
さらに、3,4−エチレンジオキシチオフェン−2−カルボン酸クロリド(前記構造式(B’−6))は、下記反応式(4)に従い合成した。
反応式(4)
Figure 2005037903
(1)3,4−エチレンジオキシチオフェン200mmol(28.4g)、N,N,N,N−テトラメチルエチレンジアミン220mmol(25.6g)のヘキサン溶液に、氷浴中、窒素雰囲気下で、n−BuLi220mmol(138ml)を滴下し、その後室温で0.5時間、さらに0.5時間加熱還流した。反応液を冷却後、ドライアイスへ注ぎ一晩放置した。その後、クロロホルムと10%水酸化ナトリウム水溶液で抽出し、得られた水層を塩酸で酸性とすると、沈殿が析出した。これをろ別することにより、粗生成物として収量21.8g(収率58.5%)にて3,4−エチレンジオキシチオフェン−2−カルボン酸を得た。
(2)得られた3,4−エチレンジオキシチオフェン−2−カルボン酸50mmol(9.3g)に塩化チオニル75mmol(8.9g)を加え、N,N−ジメチルホルムアミドを3滴滴下し、加熱還流した。2時間後、過剰の塩化チオニルを留去すると、油状物質として、収量7.9g(77.2%)にて3,4−エチレンジオキシチオフェン−2−カルボン酸クロリド(前記構造式(B’−6))が得られた。
なお、3,4−エチレンジオキシチオフェンは、シグマ−アルドリッチジャパン(株)等から入手できる。
感光体実施例1
電気特性評価用としては板状感光体、印字評価用としてはドラム状感光体を、夫々作製した。尚、以下、「部」は重量部を表す。
アルミニウム板(3cm×10cm、厚さ1mm)およびアルミニウム素管(外径30mmφ、長さ247.5mm、厚さ0.75mm)の外表面上に、夫々以下のように作製した下引き層溶液を浸漬塗布法により塗布し、夫々、100℃で60分乾燥して溶剤を除去し、膜厚0.3μmの下引き層を形成した。
(下引き層溶液の作製)
a1)可溶性ナイロン(アミランCM8000:東レ(株)製) 3部(30g)
上記下引き層材料a1)をメタノール/塩化メチレン(5vol./5vol.)の混合溶剤97部(970g)と共に撹拌し、溶解させて、下引き層溶液を作製した。
次に、この下引き層上に、以下のように作製した単層型感光層分散液を、板状のものについては、浸漬塗布法により塗布し、ドラム状のものについては、リングコーティング法により塗布し、夫々、100℃で60分乾燥して溶剤を除去し、膜厚30μmの単層型感光層を形成し、電子写真感光体を作製した。
(単層型感光層分散液の作製)
b1)電荷発生物質:X型無金属フタロシアニン
(特開2001−228637号公報中の図2参照) 0.2部(0.1g)
b2)正孔輸送物質:下記構造式(HT1−101)
Figure 2005037903
で示されるスチリル化合物
(特開2001−314969号公報中の(HT1−101)) 8部(4g)
b3)電子輸送物質:前記式(I−3)で示される化合物[合成例1]
5部(2.5g)
b4)酸化防止剤:3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシトルエン(BHT)
1部(0.5g)
b5)シリコーンオイル(KF−50:信越化学工業(株)製)
0.01部(0.005g)
b6)バインダー樹脂:ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂
(パンライトTS2050:帝人化成(株)製)
(特開2000−314969号公報中の(BD1−1) 7部(3.5g)
上記感光層材料b1)〜b6)を、塩化メチレン溶剤100部(50g)およびステンレスビーズ(3mmφ)50gと共に、100mlのポリ瓶に入れ、ペイントコンディショナーModel5400(米国:レッドデビル社製)にて、60分間分散処理を行い、その後、SUSボールを分離し、単層型感光層分散液を作製した。
感光体実施例2
感光体実施例1で使用した単層型感光層分散液の組成のうち、電子輸送物質としての前記式(I−3)で示される化合物5部を、電子輸送物質としての前記式(I−83)[合成例2]で示される化合物5部に代えた以外は感光体実施例1と同様にして、感光体を作製した。
感光体実施例3
感光体実施例1で使用した単層型感光層分散液の組成のうち、前記式(HT1−101)で示されるスチルベン化合物8部を7部に、電子輸送物質としての前記式(I−3)で示される化合物5部を2部に、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂7部を10部に、夫々代えた以外は感光体実施例1と同様にして、感光体を作製した。
感光体実施例4
感光体実施例1で使用した単層型感光層分散液の組成のうち、正孔輸送物質としての前記式(HT1−101)で示されるスチリル化合物8部を、下記構造式(HT2−2)、
Figure 2005037903
で示されるスチリル化合物(特開2000−314969号公報中の(HT2−2))8部に代えた以外は感光体実施例1と同様にして、感光体を作製した。
感光体実施例5
感光体実施例1で使用した単層型感光層分散液の組成のうち、正孔輸送物質としての前記式(HT1−101)で示されるスチリル化合物8部を、下記構造式(HT−11)、
Figure 2005037903
で示されるジアミン化合物(特開2000−314969号公報中の(HT−11))8部に代えた以外は感光体実施例1と同様にして、感光体を作製した。
感光体実施例6
感光体実施例1で使用した単層型感光層分散液の組成のうち、電荷発生物質としてのX型無金属フタロシアニン0.2部を、0.3部に代えた以外は感光体実施例1と同様にして、感光体を作製した。
感光体実施例7
感光体実施例1で使用した単層型感光層分散液の組成のうち、電荷発生物質としてのX型無金属フタロシアニン0.2部を、α型チタニルフタロシアニン(特開2001−228637号公報中の図3参照)0.3部に代えた以外は感光体実施例1と同様にして、感光体を作製した。
感光体実施例8
感光体実施例1で使用した単層型感光層分散液の組成のうち、電荷発生物質としてのX型無金属フタロシアニン0.2部を、Y型チタニルフタロシアニン(特開2001−228637号公報中の図4参照)0.1部に代えた以外は感光体実施例1と同様にして、感光体を作製した。
感光体実施例9
感光体実施例1で使用した単層型感光層分散液の組成のうち、電荷発生物質としてのX型無金属フタロシアニン0.2部を、アモルファスチタニルフタロシアニン(特開2001−228637号公報中の図5参照)0.1部に代えた以外は感光体実施例1と同様にして、感光体を作製した。
感光体実施例10
感光体実施例1で使用した単層型感光層分散液の組成のうち、電荷発生物質としてのX型無金属フタロシアニン0.2部を、下記構造式(CG1−1)、
Figure 2005037903
で示されるビスアゾ化合物0.2部に代えた以外は感光体実施例1と同様にして、感光体を作製した。
感光体実施例11
感光体実施例1で使用した単層型感光層分散液の組成に、さらに、電子輸送物質として、上記構造式(CG1−1)で示されるビスアゾ化合物0.2部を加えた以外は感光体実施例1と同様にして、感光体を作製した。
感光体実施例12
感光体実施例1で使用した単層型感光層分散液の組成のうち、電子輸送物質としての前記式(I−3)で示される化合物5部を、電子輸送物質としての前記式(I−163)[合成例3]で示される化合物5部に代えた以外は感光体実施例1と同様にして、感光体を作製した。
感光体実施例13
感光体実施例1で使用した単層型感光層分散液の組成のうち、電子輸送物質としての前記式(I−3)で示される化合物5部を、電子輸送物質としての前記式(I−217)[合成例4]で示される化合物5部に代えた以外は感光体実施例1と同様にして、感光体を作製した。
感光体実施例14
感光体実施例1で使用した単層型感光層分散液の組成のうち、電子輸送物質としての前記式(I−3)で示される化合物5部を、電子輸送物質としての前記式(I−243)[合成例5]で示される化合物5部に代えた以外は感光体実施例1と同様にして、感光体を作製した。
感光体実施例15
感光体実施例1で使用した単層型感光層分散液の組成のうち、電子輸送物質としての前記式(I−3)で示される化合物5部を、電子輸送物質としての前記式(I−403)[合成例6]で示される化合物5部に代えた以外は感光体実施例1と同様にして、感光体を作製した。
感光体比較例1
感光体実施例1で使用した単層型感光層分散液の組成のうち、電子輸送物質としての前記式(I−3)で示される化合物5部を、下記構造式(ET−1)、
Figure 2005037903
で示されるスチルベンキノン化合物(東京化成工業(株)製)5部に代えた以外は感光体実施例1と同様にして、感光体を作製した。
感光体比較例2
感光体実施例1で使用した単層型感光層分散液の組成のうち、電子輸送物質としての前記式(I−3)で示される化合物5部を、下記構造式(ET−2)、
Figure 2005037903
で示されるジフェノキノン化合物5部に代えた以外は感光体実施例1と同様にして、感光体を作製した。
感光体比較例3
感光体実施例1で使用した単層型感光層分散液の組成のうち、電子輸送物質としての前記式(I−3)で示される化合物5部を、下記構造式(ET−3)、
Figure 2005037903
で示される化合物5部に代えた以外は感光体実施例1と同様にして、感光体を作製した。
感光体比較例4
感光体実施例1で使用した単層型感光層分散液の組成のうち、電子輸送物質としての前記式(I−3)で示される化合物5部を、下記構造式(ET−4)、
Figure 2005037903
で示される化合物5部に代えた以外は感光体実施例1と同様にして感光体を作製した。
感光体比較例5
感光体実施例1で使用した単層型感光層分散液の組成のうち、電子輸送物質としての前記式(I−3)で示される化合物5部を、下記構造式(ET−5)、
Figure 2005037903
で示される化合物5部に代えた以外は感光体実施例1と同様にして、感光体を作製した。
感光体比較例6
感光体実施例1で使用した単層型感光層分散液の組成のうち、電子輸送物質としての前記式(I−3)で示される化合物を含有させないこと以外は感光体実施例1と同様にして、感光体を作製した。
感光体実施例1〜15、感光体比較例1〜6の評価
電気特性評価として、板状感光体を用いて、(株)川口電機製作所製 静電複写紙試験装置EPA−8100にて評価を行った。
温度24℃、湿度50%の環境下で、暗所にて表面電位が約+700Vになるように帯電させ、5秒後の表面電位の保持率Vk5を、次式より求めた。
保持率Vk5(%)=(V5/V0)×100
0:帯電直後の表面電位
5:5秒後の表面電位
次に、表面電位を+600Vにして、ハロゲンランプの光をフィルターにて780nm(但し、感光体実施例10については550nm)に分光した1.0μW/cm2の単色光を5秒間露光して、表面電位が半分(+300V)になるまでに要する露光量を感度E1/2(μJ/cm2)として求め、露光後5秒後の表面電位を残留電位Vr(V)として求めた。
また、作製したドラム状感光体の外観を目視にて観察した。
これらの評価結果を下記の表1中に示す。
Figure 2005037903
*)露光光:550nm
感光体比較例3および感光体比較例4の感光体の保持率、感度および残留電位は、比較的良好であったが、電子輸送物質以外は同様に作製した感光体実施例1の感光体と比較すると、やや悪いものであった。
また、実際の印字による耐久性の評価として、ドラム状感光体をブラザー工業(株)製 レーザープリンターHL−1850に装着し、温度25℃、湿度48%の環境下で、黒ベタ画像、白ベタ画像、ハーフトーン画像を印刷した。続いて、印字率約5%の画像を5千枚印刷し、その後再び、黒ベタ画像、白ベタ画像、ハーフトーン画像を印刷して、5千枚印字後の画像の評価を行った。
結果として、感光体実施例1〜6、8、9、11〜15、感光体比較例3、4のもの
は、初期画像および5千枚後の画像の双方において、良好な画像が得られた。一方、感光体比較例1、2、5のものは、初期のハーフトーン画像において、析出が原因と思われる画像むらが生じた。感光体比較例6のものは、初期の黒ベタ画像とハーフトーン画像において、印字濃度が不足していた。なお、感光体実施例10のものは、使用したレーザープリンターのレーザー波長域(780nm付近)に十分な感度を有しておらず、このレーザープリンターには不向きであり、感光体実施例7のものは、感度が高過ぎるため、このレーザープリンターにはやや不向きであり、ハーフトーン画像がつぶれぎみであった。
電子写真用感光体の一般的構成を示す摸式的断面図である。 単層型電子写真用感光体の一構成例を示す摸式的断面図である。 単層型電子写真用感光体の他の構成例を示す摸式的断面図である。 積層型電子写真用感光体の一構成例を示す摸式的断面図である。 積層型電子写真用感光体の他の構成例を示す摸式的断面図である。 積層型電子写真用感光体の更に他の構成例を示す摸式的断面図である。 構造式(I−3)で示される化合物のIRスペクトルである。 構造式(I−3)で示される化合物の1H−NMRスペクトルである。 構造式(I−83)で示される化合物のIRスペクトルである。 構造式(I−83)で示される化合物の1H−NMRスペクトルである。 構造式(I−163)で示される化合物のIRスペクトルである。 構造式(I−163)で示される化合物の1H−NMRスペクトルである。 構造式(I−217)で示される化合物のIRスペクトルである。 構造式(I−217)で示される化合物の1H−NMRスペクトルである。 構造式(I−243)で示される化合物のIRスペクトルである。 構造式(I−243)で示される化合物の1H−NMRスペクトルである。 構造式(I−403)で示される化合物のIRスペクトルである。 構造式(I−403)で示される化合物の1H−NMRスペクトルである。
符号の説明
1 導電性基体
2 下引き層
3 感光層
3a 電荷発生層
3b 電荷輸送層
4 保護層

Claims (5)

  1. 導電性基体上に、直接または下引き層を介して、感光層が設けられた電子写真用感光体において、該感光層中に、下記一般式(I)、
    Figure 2005037903
    (式(I)中、R1、R2、R3、R4は、同一または異なって、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよい複素環基を表し、R5は、置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよい複素環基を表し、R6は、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよい複素環基を表し、Xは、硫黄原子または酸素原子を表し、nは0〜3の整数を表し、nが2または3の場合には、少なくとも2つあるR6は同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して置換基を有してもよい環または縮合環を形成していてもよく、置換基は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、ニトロ基、アリール基または複素環基を表す)で表される構造を有する化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする電子写真用感光体。
  2. 前記感光層が、電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂バインダーを含有する単層型感光層であり、該電荷輸送物質として、電子輸送物質と正孔輸送物質とを含有し、かつ、該電子輸送物質として、前記一般式(I)で表される構造を有する化合物を少なくとも1種含有する請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 前記感光層が、正孔輸送物質を含有し、かつ、該正孔輸送物質としてスチリル化合物を含有する請求項1または2記載の電子写真感光体。
  4. 前記感光層が、電荷発生物質を含有し、かつ、該電荷発生物質としてフタロシアニン化合物を含有する請求項1〜3のうちいずれか一項記載の電子写真感光体。
  5. 請求項1〜4のうちいずれか一項記載の電子写真感光体を備え、かつ、正帯電プロセスにて帯電プロセスを行うことを特徴とする電子写真装置。
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