JP2005037802A - 光散乱フィルムおよびそれを用いた表示装置 - Google Patents

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喜一郎 広瀬
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英明 本間
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昭彦 小林
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Abstract

【課題】外光が明るい環境下でも、外光が少ない環境下でも良好な表示を実現するための光散乱フィルムおよびそれを用いた表示装置を提供すること。
【解決手段】透明支持体、光散乱層、レンズ層がこの順に積層された光散乱フィルムであって、前記光散乱層が、その層内部に、屈折率の異なる部分が不規則な形状・厚さで分布することにより、屈折率の高低からなる濃淡模様が形成されており、且つその屈折率の異なる部分がフィルムの厚さ方向に対して傾斜して、もしくは、垂直に層状に分布している構造である光散乱フィルムを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光の入射角度に応じて散乱性が異なる(あるいは、入射角度選択性を持つ)と共に、光散乱特性に異方性を持つ光散乱フィルムと、それを適用して表示画像の視認性(明るさやコントラストなど)を向上したり、消費電力を軽減することが実現される表示装置に関する。
上記の表示装置としては、バックライトやエッジライトなどの特殊光源を必要とせず、周辺光(日光や室内照明光など)からの反射光を表示光とするタイプの「反射型液晶表示装置」や、前記の特殊光源を擁するタイプの「透過型液晶表示装置」が含まれる。
また、液晶表示装置に限らず、自己発光型の表示素子を利用した表示装置にも本発明は適用できる。
上述のように、本発明は、液晶表示装置に限らず、自己発光型の表示素子を利用した表示装置にも適用できるが、以降は、液晶表示装置で代表して説明する。
液晶表示装置では、屋外等の外光が充分にあるところにおいては、外光を拡散して表示を得るために拡散シートを配置することが行われている。また、面光源装置からの光を拡散し、面光源装置に付随したプリズムパターンをぼかす目的や、輝度分布のムラを低減する目的でも拡散シートが用いられている。
このような拡散シートにおいて、背面の面光源装置からの光を重視する場合、拡散シートの散乱性を落とし(ヘイズ40〜60程度)、拡散シートにより光が過度に散乱されて液晶表示装置の正面での輝度の程度があまり起きないようにしている。
一方、外光を利用して明るい表示を得ようとする場合、外光を充分に散乱することによって正面方向での輝度を向上させることが必要であり、そのために拡散シートとしては散乱性の高いもの(ヘイズ60〜80程度)が用いられる。
そのため、背面の面光源装置からの光の輝度を落とさないようにすると、散乱性を落とさなければならず、逆に、反射時の輝度を上げるためには、散乱性をあげると、透過時の面光源装置の光を散乱してしまい、輝度を低下させてしまっていた。
拡散シートとしては、従来は、表面をマット状に加工した樹脂シートや、内部に拡散剤を包含した樹脂シートが用いられている。
表面をマット状に加工した拡散シートの場合、シート表面をサンドブラスター処理のように物理的に加工してマット面を形成したり、あるいは、酸性またはアルカリ性の溶液による溶解処理により化学的にマット面を形成する。マット面(凹凸の形状など)の制御により、散乱光の出射範囲/方向(以降、散乱指向性と称する)を制御することは可能であるが、散乱異方性までも制御することは、原理的に困難である。
また、内部に拡散剤を包含した拡散シートにおいても、散乱異方性を制御するために、拡散剤の屈折率、大きさ、形状などを制御する試みもなされているが、技術的に難易度が高く、実用上充分であるとは言えないのが現状である。
また、拡散シートとしてホログラムを用いた透過型液晶表示装置に係る特許出願がある。(特許文献1参照)
上記出願は、バックライトを有する液晶表示装置からの出射表示光を散乱させるものであり、拡散シートとしてホログラムを採用しているため、散乱異方性や散乱指向性を制御することも容易ではあるが、必然的に分光(波長分散)を伴ってしまうため、観察する視点を移動するに応じて、表示光の色が変化して視覚されることになる。
一方、本出願人による特許文献2に記載した発明や特許文献3に記載した発明として、光散乱の異方性(前方散乱または後方散乱,入射角度選択性,出射角度の指向性)を制御可能とし、観察位置によって表示光の色が変化しない光散乱フィルムがある。
特許文献2,3に記載されている発明は、フィルム内部に、屈折率の異なる部分が不規則な形状・厚さで分布することにより、屈折率の高低からなる濃淡模様が形成されており、その屈折率の異なる部分が、フィルムの厚さ方向に対して傾斜して層状に分布している構造の光散乱フィルムである。
また、上記の光散乱フィルムを液晶表示装置に用いる場合、この光散乱フィルムを偏光フィルムなどの他の部材、または表示画面に、接着層あるいは粘着層を介して一体化して用いるのが一般的であった。しかし、このようにすると、光散乱フィルムの表面の凹凸による空気層介在による拡散成分が打ち消され、バックライトの光源が透けて見えてしまうという問題もある。
一方、面光源装置として光源と導光板からなるものが良く用いられ、その光源から射出する光は、一般的に斜め方向からの光が強く射出するため、この光を正面方向に曲げるために、プリズムシートが用いられることが多い。このようなプリズムシートを用いることにより、面光源装置からの光を効率よく正面方向に曲げることができる。
特開平9−152602号公報 特開2000−171619号公報 特開平11−352470号公報。
一般的な等方性の拡散シートの場合、入射光の入射角度に依存した散乱性の変化といった機能や、斜めから入射した光を正面方向により強く散乱するような機能(以降、散乱異方性と称する。)を持たせることは原理上困難であり、現実にそのような機能は持ち合せていない。
そのため、バックライトからの光に対しても、斜めから入射する外光に対しても、同様の散乱性を有するため、散乱性が強いものでは、外光を充分に散乱する。一方、バックライトの光も散乱させてしまうため、バックライトを点灯した際には、輝度が低下してしまう。
一方、散乱性が弱いものについては、バックライトを点灯した際には、輝度の低下が抑制されて明るい表示が得られるが、外光を充分に散乱することができないため、屋外のような外光が充分にあるところでも、明るい表示が得られず、このような環境下では、ディスプレイの表示のコントラストが極端に低下する。
また、プリズムシートは、面光源装置からの光を効率よく正面方向に曲げることができるが、それ単体のみを用いると、正面方向への出射光のみが強くなってしまう。
そこで、本発明では、外光が明るい環境下でも、外光が少ない環境下でも良好な表示を実現するための光散乱フィルムおよびそれを用いた表示装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、
透明支持体、光散乱層、プリズムレンズ層がこの順に積層された光散乱フィルムであって、
前記光散乱層が、その層内部に、屈折率の異なる微小な領域が厚み方向に柱状の構造であり、斜めから入射する光を散乱して正面方向での輝度が高く、垂直方向から入射した光は散乱性が低い
ことを特徴とする光散乱フィルムである。
請求項2に記載の発明は、
光散乱層、プリズムレンズ層がこの順に積層された光散乱フィルムであって、前記光散乱フィルムが透明支持体を有さず、
前記光散乱層が、その層内部に、屈折率の異なる微小な領域が厚み方向に柱状の構造であり、斜めから入射する光を散乱して正面方向での輝度が高く、垂直方向から入射した光は散乱性が低い
ことを特徴とする光散乱フィルムである。
請求項3に記載の発明は、
光散乱層を有する光散乱フィルムであって、前記光散乱層がその片面がプリズムレンズ形状となっており、前記光散乱フィルムが透明支持体およびプリズムレンズ層を有さず、
前記光散乱層が、その層内部に、屈折率の異なる微小な領域が厚み方向に柱状の構造であり、斜めから入射する光を散乱して正面方向での輝度が高く、垂直方向から入射した光は散乱性が低い
ことを特徴とする光散乱フィルムである。
請求項4に記載の発明は、
請求項1乃至3のいずれかに記載の光散乱フィルムであって、前記プリズムレンズ層あるいは前記プリズムレンズ形状がある側とは反対の面が微細な凹凸形状となっていることを特徴とする光散乱フィルムである。
請求項5に記載の発明は、
請求項1乃至4のいずれかに記載の光散乱フィルムを有することを特徴とする表示装置である。
本発明の光散乱フィルムを用いた表示装置では、外光が明るい環境下でも、外光が少ない環境下でも良好な表示を実現することができる。
また、本発明の光散乱フィルムにより、液晶パネルとの一体化も容易になり、表示のボケも少なくなる。
さらに、本発明の光散乱フィルムは、光拡散層とプリズムレンズ層を一体化したことにより、薄型化が可能となる。
本発明の光散乱フィルムには大きく分けると3つの実施形態がある。1つは、透明支持体、光散乱層、プリズムレンズ層をこの順に積層した実施形態である。もう一つは、透明支持体がなく、光散乱層と、プリズムレンズ層を積層した実施形態である。もう一つは、光散乱層のみであり、この光散乱層の片側がプリズムレンズ形状となっているものである。
上記3つの実施形態について共通する光散乱層について、まず、説明する。
光散乱層は層内部で屈折率の異なる部分が、不規則な形状・厚さで分布し、屈折率の高低からなる帯状の濃淡を形成しており、特定断面では、前記帯状の濃淡の伸びる方向が、層の主面(層の厚み方向の面ではなく、層の上面あるいは下面の平面のことである。)に対して傾斜もしくは垂直に層状になった断面を有している。
そして、光散乱層は、その層内部に、屈折率の異なる微小な領域が厚み方向に柱状の構造であり、斜めから入射する光を散乱して正面方向での輝度が高く、垂直方向から入射した光は散乱性が低い光学特性を有する。
前記帯状の濃淡の伸びる方向が、層の主面にたいして傾斜して層状になった断面を有する場合の構造の平面図を図1(a)に、断面図を図1(b)に示す。図1(a)に示されているように、屈折率の異なる部分の形状は横長である。図1(b)に示すように、屈折率の異なる部分が、層状に傾斜している方向については、屈折率の分布は一様である。
図2は、別の実施形態に係る光散乱層を示す説明図であり、図2(a)が平面図、図2(b)が断面図である。図2では、屈折率の異なる部分の形状は縦長であり、また、屈折率の異なる部分が層状に傾斜している方向については屈折率の分布は不規則である。
次に、これらの光散乱層の光学特性について説明する。
図1(b)、図2(b)を用いて光散乱層の光学特性について、説明する。
屈折率の異なる部分が層状に分布した上記傾斜方向に沿った角度(フィルムの垂線から角度θをなす、図の矢印2の方向)で入射する光に対しては、光散乱が生じることになる。
上記傾斜方向とは垂直な角度(図の矢印3の方向)で入射する光に対しては、単なる透明フィルムとして機能し、入射光は散乱されずに出射する。
次に、図1(a)、図2(a)を用いて説明する。
屈折率の異なる部分の形状が縦長(あるいは、横長)であると、その部分に入射する光が散乱出射する場合には、それぞれの部分からの出射光の光散乱特性が、横長(あるいは、縦長)となるような異方性を持つ。
図1(a)では形状が横長であるから出射光は縦長に散乱し、図2(a)では形状が縦長であるから出射光は横長に散乱することになる。
以下、本発明の光散乱層を作製する手段の一例について説明する。本発明の光散乱層は光学的な露光手段により作製することができる。
図3は、図1に示す構造の光散乱層を、ランダムマスクパターンを利用して作製する光学系の一例を示す説明図である。
UV光源15から出た紫外光をコリメート光学系16により平行光17とし、マスク原版18を照射する。マスク原版18は、ガラス基板20とランダムパターンであるクロムパターン21とからなる。
マスク原版18のUV照射側とは反対の面には感光材料19を密着して配置しており、マスク原版18のパターンを感光材料19に露光照射する。
この際、図示のようにUV平行光17とマスク原版18は所定角度αだけ傾いて配置されているため、パターン露光は感光材料19中で、所定角度傾いてなされることになる。この角度が、光散乱層中の屈折率の異なる部分の傾斜角度(すなわち、入射角度依存性の散乱ピーク角度θ)に相当しすることになるので、前記角度は用途に応じて0〜60°程度の範囲内で適宜選択される。
また、ここで使用する感光材料19は、UV光の露光部と未露光部との屈折率の変調度で記録できる感光材料であり、記録しようとする濃淡模様より高い解像力を持ち、その厚みの方向にもパターンを記録できるような材料である必要がある。
本発明においては、光散乱層を作成する際の基材(図3において感光材料の下層にある。:図示せず。)と光散乱層を構成する感光材料(光重合性ポリマー)は、紫外線で露光記録(作製)後に基材との固着する工夫がされている。
光重合性ポリマーに粘着性のあるモノマーを混合させる。ここで、モノマーとしては、アクリル系モノマーまたは/およびシリコーン系モノマーが好ましい。
また、基材と感光材料との密着性を保持するためにはウレタンアクリレートなどで易接着処理をしても良い。また、易接着処理としては、表面をサンドブラスト、コロナ処理で荒らす方式などを用いても良い。
光重合性ポリマーとしては、例えば、(A)ビスフェノールA型エポキシ樹脂、あるいは臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂と、(B)ラジカル重合性を有する化合物と、(C)分子内に少なくともひとつのカチオン重合性基を有した化合物、(D)化学放射線によってラジカル種を発生する光重合開始剤からなる組成物を挙げることができる。
上記光重合性ポリマーを重合すると、(B)ラジカル重合性を有する化合物の屈折率が、(A)ビスフェノールA型エポキシ樹脂、あるいは臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、及び(C)分子内に少なくともひとつのカチオン重合性基を有した化合物より低い構成となる。
ここで、(A)ビスフェノールA型エポキシ樹脂、あるいは臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂の、エポキシ当量は、400〜5000の範囲が好適である。 そして、(A)ビスフェノールA型エポキシ樹脂、あるいは臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量部に対して、(B)ラジカル重合性を有する化合物を20〜80重量部配合してあることが好ましい。
上記のような光重合性ポリマーでは、露光記録された製造物にも、未反応の光硬化性樹脂(モノマー)を含む場合が多く、一般的には、未反応の光硬化性樹脂(モノマー)を重合部分に移動させる目的で加熱処理が行なわれている。モノマーとして、アクリル系モノマー,シリコーン系モノマーが挙げられる。
次に、透明支持体、光散乱層、プリズムレンズ層をこの順に積層した実施形態、透明支持体がなく、光散乱層と、プリズムレンズ層を積層した実施形態、光散乱層のみであり、この光散乱層の片側がプリズムレンズ形状となっている実施形態についてそれぞれ説明する。
まず、透明支持体、光散乱層、プリズムレンズ層をこの順に積層した実施形態について説明する。
この実施形態の場合、上記の光散乱層の作成において用いられた基材をそのまま透明支持体にしてしまうことによって、この構成を得ることができる。
この場合、感光材料が紫外線硬化させる際に、密着するように表面処理がなされた基材を使用する。基材としてはポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル樹脂など高透明な素材が好ましい。また、易接着処理としては官能基結合ではウレタンアクリレート系のコート材、表面をサンドブラスト、コロナ処理で荒らす方式などが用いられる。
ここで、この基材にまず光学密着防止を必要とする場合には、シリカビーズ含有塗料を片面にコーテイングする。
この光学密着防止について説明する。
基材の光散乱層と貼り合わせない面は表面凹凸があることが好ましい。また、この際、散乱特性に影響を与えないため極力ヘイズが低いことが望ましい。
凹凸を設ける方法として、エンボス加工やコーテイング、及びサンドブラストなどの方法が考えられる。
エンボス加工は1工程で基材成形時に行えるが、金型などが特殊品が必要であり、微細な凹凸は樹脂の制約もあるためヘイズのコントロールは難しい。また、小ロットでは生産効率が悪い。
これに対し、基材にコーテイングする場合、例えば、シリカビーズの微細なものを塗料化して、塗布する。ここで、表面の凹凸状態やヘイズのコントロールは塗料のシリカの粒子径、含有率、膜厚が大きく関与している。粒子径は大きいほど散乱性は高くなり、小さいほど低くなる。光学密着を防ぐことを目的にしているため、粒子径は5μm以下、さらに好ましくは1μm程度である。次に、含有率は高いほど散乱性は高くなり、少ない方が低くなる。ここでも光学密着を起こさないためには、シリカビース成分が1〜50%、好ましくは10〜30%が良好である。そして、膜厚は厚いほど表面にシリカビーズが析出しにくいので散乱性は小さくなる。これに対し、薄いとシリカビーズは析出しやすいので散乱性が高く厚いと散乱性は低くなる。よって、適正なレベルは粒子径と含有率との関係で設定される。通常は5μm前後が用いられる。これにより、光学密着防止層が基材に付与され、光散乱層の光学性能にはほとんど影響しないようにすることが可能となる。
一例として、塗液は上記したような粒子径、含有率、膜厚の関係で粒子径1〜3μm、含有率は約15%、膜厚は5μmで行うことができる。
塗布方式としてはグラビア、コンマ、リップ、ダイなど様々な方式が可能である。液性が低粘度で薄膜塗工を目指す場合、マイクログラビアを選択する。塗工において、平滑性に留意して行う。乾燥温度は基材が変形しない溶媒を選択し設定する。
この他に、押し出し成形シートでも可能である。ただし、低ヘイズの基材は難しい。また、基材を剥がした作成方法を採用した場合は、光学密着防止層は必要ない。
次に、上記の基材を用いて、上記感光材料を塗布する。塗布方式は上記同様にグラビア、コンマ、リップ、ダイなど様々な方式で塗工可能である。塗工においては、平滑性に十分留意するべきであり、膜厚は必要とされる性能によって異なるが、乾燥膜厚で10〜30μmを塗布する。乾燥条件は基材の変形ないこと、感光材料が熱変質しないことが必要であり、80℃以下で行う。図4に示すように、上記のような光重合性感光材料22を、基材23上に塗布して、カバーフィルム25で覆ってラミネートしてフィルム化する。
次に、カバーフィルム25を剥がして、図3に例示した複製方式で、光重合性ポリマー22に光散乱パターンを記録する。このとき、散乱と透過の方向性を複製条件で様々なパターンにすることが可能となる。この複製はUV露光重合と熱硬化時反応の両方の反応で行う。必要に応じて、露光面を保護する目的で保護フィルムが貼り合わされる。
次に、プリズムレンズ層の実施形態について説明する。
様々なプリズムレンズ形状の逆型形状の金型の上に、無色透明のウレタンアクリレート系などの紫外線や電子線硬化型樹脂を、成形するプリズムレンズの厚み以上に塗布して、この複製工程で光散乱層が形成された積層体を(保護フィルムがあればそれを剥がして)かぶせて、ロールプレス機で塗り延ばし、紫外線を照射して樹脂を硬化させて、光散乱層の上にプリズムレンズ層を形成する。
ここで、UV樹脂においては、無色である必要があり、UV硬化しても黄変しないことが望まれる。粘度は1000〜3000cpsが成形には適している。2000cps程度がその中でも好ましい。一例として、UV樹脂の粘度は約2000cps、透過率は95%のものを用いることができる。
形成された光散乱フィルムの構成の例を図5に示す。
上記のように、必要に応じて、光学密着を防止するため基材の光散乱層の無い側に光学密着防止層を設ける。光学密着防止層を設けた場合の、構成の例を図8に示す。
次に、透明支持体がない、光散乱層とプリズムレンズ層の2層を有する光散乱フィルムの実施の形態を説明する。
透明支持体がない、光散乱層とプリズムレンズ層の2層を有する光散乱フィルムを作成するには、例えば、上記のように作成した、透明支持体、光散乱層、プリズムレンズ層の3層を有する光散乱フィルムの透明支持体を剥がすことにより作成することができる。
この光散乱層とプリズムレンズ層の2層からなる光散乱フィルムの構成の例を図6に示す。
この場合、基材(透明支持体)はシリコンなどの離型処理をしたものであり、この上に感光材料を塗工し、基材より弱い剥離力のカバーフィルム25で感光材料を挟み込んでフィルム化する。これを、先と同じ光学系で複製する。次に、基材/光散乱層の上に先と同じようにプリズムレンズ層を形成して基材/光散乱層/プリズムレンズ層となる。ここで、基材を剥がして、光散乱層/プリズムレンズ層とする。光散乱層の耐久性が不足する場合は、保護層として、光学密着防止層を設ける場合もある(図9参照)。
次に、透明支持体もプリズムレンズ層もなく、光散乱層のみで、光散乱層自身がプリズムレンズ形状となっている場合の光散乱フィルムの実施の形態を説明する。
この実施形態の光散乱フィルムの作成方法を説明する。
予め基材にプリズムレンズの逆型形状の金型でプリズムレンズ形状の逆型を形成して、離型処理を行う。これに、光散乱層の感光材料が塗布され、カバーフィルム25で挟み込んで感材は作製される。これを紫外線や電子線で露光複製を行う。その後、このプリズムレンズ形状金型を剥し取ると光散乱層単体でプリズムレンズ形状を併せ持つ光散乱フィルムが作成できる。
この実施形態の場合は薄型化の点で有利である。この実施形態の構成を図7に示す。さらに光学密着防止層を設ける場合は、図10に示すようにレンズ側と反対側に設ける構成となる。
次に、本発明の光散乱フィルムを用いた表示装置について実施の形態を説明する。
この作製した光散乱フィルムがプリズムレンズを有する場合は液晶とバックラクライトの間に配置して使用される。この際、プリズムレンズのある側がバックライトに向くように配置される。ここで、プリズムレンズは、バックライトを正面に曲げる機能を有する。
最後に、表1に本発明の光散乱フィルムを用いた場合と従来のプリズムレンズと光散乱フィルムとを別々に用意した場合(図11)の比較を行った結果を示す。
なお、比較は、液晶とバックライトの間に光散乱フィルムを配置することにより行う。また、図11の場合は、液晶とバックライトの間に、レンズ層を有するプリズムレンズシートおよびディフューザー層を有する光散乱フィルムを挿入することにより測定する。
表1で、「透過特性」とは、バックライトを利用した表示が適切になされるか否かを表している。バックライトを利用した表示が適切になされている場合を○、適切になされていない場合を×と記した。この判断は、目視で行った。
また、表1で「反射特性」とは、外光を反射させた光を利用した表示が適切である場合は○、適切でない場合は×とした。この判断は、目視で行った。
表1で「装着性」とは、液晶表示装置に光散乱フィルムを装着するのが簡単であるか否かを評価したものである。
表1に示されている通り、「外光下での透過特性」、「反射特性」、「装着性」ともに本発明の方が優れているのが分かる。
以上、レンズとしてプリズムレンズを用いる場合について説明したが、プリズムレンズでなく、レンチキュラーレンズ、フレネルレンズ、マイクロレンズを代わりに用いることによっても、光学特性の異なるフィルムを作成することが可能である。
各種レンズの形状を、図12に示す。
レンチキュラーレンズは視野を広げる機能を有する。レンチキュラーレンズの場合は液晶の観察者側に配置して用いられる。
フレネルレンズは光を集光させる機能を有する。
レンチキュラーレンズやフレネルレンズと組み合わせると、前方散乱フィルムとして使用できる。
このように様々なレンズを用いることにより、液晶表示表示装置の見え方に様々なバリエーションを持たせることが可能となり、実用に供される。
本発明に用いる光散乱層の一例を示すもので図1(a)は平面図、図1(b)は断面図。 本発明に用いる光散乱層の他の一例を示すもので図2(a)は平面図、図2(b)は断面図。 図1に示す構造の光散乱フィルムをランダムマスクパターンを使用して作製する光学系の一例を示す説明図。 本発明に用いる光散乱層の作製工程を示す説明図。 本発明の光散乱フィルムのうち、透明支持体/光散乱層/プリズムレンズ層の実施形態の構造を示す概念図。 本発明の光散乱フィルムのうち、光散乱層/プリズムレンズ層の実施形態の構造を示す概念図。 本発明の光散乱フィルムのうち、光散乱層自身がプリズムレンズ形状となっている実施形態を示す概念図。 本発明の光散乱フィルムのうち、図5の実施形態にさらに光学密着防止層を有する構造を示す概念図。 本発明の光散乱フィルムのうち、図6の実施形態にさらに光学密着防止層を有する構造を示す概念図。 本発明の光散乱フィルムのうち、図7の実施形態にさらに光学密着防止層を有する構造を示す概念図。 光散乱フィルムとプリズムレンズ層を別々に設ける従来の構成を示す説明図。 レンチキュラーレンズ、フレネルレンズ、プリズムレンズの構造を示す説明図。
符号の説明
1…光散乱フィルム
2…屈折率の異なる部分が層状に分布した傾斜方向に沿った角度
3…2で示す傾斜角度とは垂直な角度
15…UV光源
16…コリメート光学系
17…平行光
18…マスク原版
19…感光材料
20…ガラス基板
21…カバーフィルム
22…光重合性感光材料
23…基材
25…カバーフィルム

Claims (5)

  1. 透明支持体、光散乱層、プリズムレンズ層がこの順に積層された光散乱フィルムであって、
    前記光散乱層が、その層内部に、屈折率の異なる微小な領域が厚み方向に柱状の構造であり、斜めから入射する光を散乱して正面方向での輝度が高く、垂直方向から入射した光は散乱性が低い
    ことを特徴とする光散乱フィルム。
  2. 光散乱層、プリズムレンズ層がこの順に積層された光散乱フィルムであって、前記光散乱フィルムが透明支持体を有さず、
    前記光散乱層が、その層内部に、屈折率の異なる微小な領域が厚み方向に柱状の構造であり、斜めから入射する光を散乱して正面方向での輝度が高く、垂直方向から入射した光は散乱性が低い
    ことを特徴とする光散乱フィルム。
  3. 光散乱層を有する光散乱フィルムであって、前記光散乱層がその片面がプリズムレンズ形状となっており、前記光散乱フィルムが透明支持体およびプリズムレンズ層を有さず、
    前記光散乱層が、その層内部に、屈折率の異なる微小な領域が厚み方向に柱状の構造であり、斜めから入射する光を散乱して正面方向での輝度が高く、垂直方向から入射した光は散乱性が低い
    ことを特徴とする光散乱フィルム。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の光散乱フィルムであって、前記プリズムレンズ層あるいは前記プリズムレンズ形状がある側とは反対の面が微細な凹凸形状となっていることを特徴とする光散乱フィルム。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の光散乱フィルムを有することを特徴とする表示装置。
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