JP2005033463A - 導波管ロータリージョイント - Google Patents

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Mitsuhiro Yoshida
光宏 吉田
Hiroshi Matsumoto
浩 松本
Tsumoru Niitake
積 新竹
Sadao Miura
禎雄 三浦
Koji Nishiyama
浩司 西山
Yuuichirou Shinnou
祐一郎 神納
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Abstract

【課題】導波管ロータリージョイントに関し、機械的精度が要求されるチョーク構造を不要とし、それにより、円形導波管内での電磁波の減衰を抑制するとともに、円形導波管からの放電の虞も低減できるようにする。
【解決手段】円形導波管2A,2B内での電磁波のモードとしてTE01モードを用いるようにする。すなわち、入力側方形導波管4内をTE10モードで伝送される電磁波を入力側方形導波管4と円形導波管2Aとの接合部でTE01モードに変換して円形導波管2A,2B内を伝送し、円形導波管2Bと出力側方形導波管5との接合部で電磁波を再びTE01モードからTE10モードに変換して出力側方形導波管5に出力する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波等の高周波数の電磁波を伝送する2本の方形導波管を回転結合部を有する円形導波管を介して回転可能に連結する導波管ロータリージョイントに関する。
【0002】
【従来の技術】
図5、図6は、高周波数の電磁波、例えばマイクロ波の伝送に用いられる従来の導波管ロータリージョイントの構成を示す断面図である。従来の導波管ロータリージョイント21は、2つの円形導波管22A,22Bがベアリング26によって軸心線23周りに相対回転可能に結合され、これら円形導波管22A,22Bに方形導波管24,25が接合された構造となっている。各方形導波管24,25は、その短辺側の側面を円形導波管22A,22Bの軸心線23に平行に配置されており、一方の円形導波管22Aの端部側面に入力側の方形導波管24の先端部が軸心線23に対し直角に接合され、他方の円形導波管22Bの端部側面に出力側の方形導波管25の先端部が軸心線23に対し直角に接合されている。なお、円形導波管22A,22B及び方形導波管24,25は、アルミや銅をその基材としている。
【0003】
通常、マイクロ波は入力側の方形導波管24内をTE10モードで伝送されるようになっている。ここで図5,図6中に実線或いは破線で示す矢印は電磁界の分布を示したものであり、破線で示す矢印が磁界の分布を示し、実線で示す矢印が電界の分布を示している。TE10モードでは、環状の磁界が方形導波管24の長手方向に沿って分布し、且つこの環状の磁界は方形導波管24の長辺側の側面に平行に分布する。
【0004】
このような分布の磁界が方形導波管24内に発生することにより、方形導波管24の先端部が接合された円形導波管22A内には、図6に示すように、方形導波管24内の磁界とのカップリング作用によって、円形導波管22A,22Bの軸心線23周りに磁界が発生する。これによりマイクロ波のモードは、TE10モードからTM01モードに変換され、TM01モードにて円形導波管22A,22B内を出力側の方形導波管25に向けて伝送される。TM01モードは円形導波管22A,22Bの軸心線23に対して対称なモードであるため、円形導波管22A,22Bが相対的に回転したとしても電磁界が影響を受けることがない。
【0005】
そして、円形導波管22Bと出力側の方形導波管25との接合部では、円形導波管22B内の端部近傍に発生した軸心線23周りの磁界とのカップリング作用によって、方形導波管25内に方形導波管25の長辺側の側面に平行な環状の磁界が発生する。これによりマイクロ波のモードは、再びTM01モードからTE10モードに変換され、TE10モードにて方形導波管25に出力される。
【0006】
なお、円形導波管22A,22Bの回転結合部には、円形導波管22A,22Bの内壁面を直接接触させることなく電気的に短絡させるための1/4波長型のチョーク構造28が設けられている。このチョーク構造28は、円形導波管22A,22Bの外周側に設けられた第1同軸導波管部30と、第1同軸導波管部30の外周側に設けられた第2同軸導波管部31とから構成され、第1同軸導波管部30の一方の端縁に円形導波管22A,22Bの内壁面間の隙間29が開口し、第1同軸導波管部30の他方の端縁に第2同軸導波管31部の端縁が連通している。各同軸導波管部30,31の軸方向長さはマイクロ波の管内波長の1/4に設定されている。
【0007】
TM01モードでは円形導波管22A,22Bの軸心線23方向に壁面電流が流れるが、このように回転結合部にチョーク構造28が設けられることによって、円形導波管22A,22Bの内壁面間に隙間29がある場合でも壁面電流の連続性を確保することができる。また、隙間29から外部へのマイクロ波の漏洩を防止することもできる。なお、円形導波管22A,22Bは環状のシール27によって密閉されており、内部を真空に保つことができるようになっている。
【0008】
以上のような構成の導波管ロータリージョイントの他、同軸型の導波管ロータリージョイントも公知である(非特許文献1参照)。この従来の同軸型の導波管ロータリージョイントでは、入力側の方形導波管内をTE10モードで伝送されてきたマイクロ波は、TEMモードやTE11モード等に変換されて同軸導波管(中央に軸を有する円形導波管)内を伝送され、再びTE10モードに変換されて出力側の方形導波管に出力されるようになっている。また、従来の同軸型の導波管ロータリージョイントでも、同軸導波管の回転結合部にはチョーク構造が設けられており、壁面電流の連続性の確保や内壁面の隙間からの漏洩の防止が図られている。なお、このような同軸型の導波管ロータリージョイントは、図5,図6で示したタイプのものに比べて構造が複雑である。
【0009】
【非特許文献1】
GEORGE L. RAGAN, MICROWAVE TRANSMISSION CIRCUITS, McGRAW−Hill BOOK COMPANY, INC., pp.451−455, 1948
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の導波管ロータリージョイントでは、上述のように壁面電流の連続性やマイクロ波の漏洩を防止するためのチョーク構造28が必要となるため、高い機械的精度が要求され、製作コストが高くなってしまう。また、円形導波管22A,22Bの隙間29を横切るように壁面電流が流れるため、チョーク構造28の内部にマイクロ波が侵入し、そこでの壁面電流損失によってマイクロ波が減衰してしまう。さらに、TM01モードでは円形導波管22A,22Bの内壁面に垂直に電界が立つため、場合によっては円形導波管22A,22Bから外部への放電の虞もある。なお、これらの課題は同軸導波管内のマイクロ波のモードとしてTEMモードやTE11モード等を用いる従来の同軸型の導波管ロータリージョイントにも共通している。
【0011】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、機械的精度が要求されるチョーク構造を不要とし、それにより、円形導波管内での電磁波の減衰を抑制するとともに、円形導波管からの放電の虞も低減できるようにした導波管ロータリージョイントを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の導波管ロータリージョイントは、円形導波管内での電磁波(マイクロ波等の高周波数の電磁波)のモードとして、TE01モードを用いることを特徴としている。すなわち、本発明では、入力側方形導波管内をTE10モードで伝送される電磁波を入力側方形導波管と円形導波管との接合部でTE01モードに変換して円形導波管内を伝送し、円形導波管と出力側方形導波管との接合部で電磁波を再びTE01モードからTE10モードに変換して出力側方形導波管に出力する。
【0013】
電磁波がTE01モードで伝送されるときには、図1(a),図1(b)に示すように環状の磁界が円形導波管2の長手方向に沿って円形導波管2の軸心線3に対称に、且つ軸心線3を通る平面内に分布する。そして、この磁界と直行するように、図1(a)に示すように軸心線3を中心として環状に電界が分布する。なお、図1中に実線或いは破線で示す矢印は電磁界の分布を示したものであり、破線で示す矢印が磁界の分布を示し、実線で示す矢印が電界の分布を示している。
【0014】
図1(a)に示すような電界分布により、TE01モードでは壁面電流は円形導波管2の内壁面を周方向に流れ、TM01モード等のように軸方向に流れることがない。したがって、円形導波管2の図示しない回転結合部での隙間における壁面電流の連続性を確保するためのチョーク構造が不要となる。これにより、円形導波管2の機械的な誤差に対するロバスト性が得られるとともに、円形導波管2内での電磁波の減衰を抑制することができる。また、TE01モードでは電界は軸心線3を中心として環状に分布することから、電界が内壁面に垂直に立つTM01モード等と比較して円形導波管2の外部への放電の虞も極めて小さい。
【0015】
入口側方形導波管と円形導波管との接合部の構造は、電磁波のモードがTE10モードからTE01モードへ変換されるような構造であればよく、その構造に限定はないが、好ましくは、特開平5−251911号公報に開示された技術を応用する。この技術は、SLED法を用いた大電力高周波パルス圧縮装置におけるTE01n姿態空洞共振器にかかる技術であり、本発明とは技術分野が異なるが、電磁波のモードをTE10モードからTE01モードへ変換するための空洞共振器と方形導波管との接合部の構造は、本発明にかかる入力側方形導波管と円形導波管との接合部の構造にも適用することができる。すなわち、入力側方形導波管の短辺側の側面を円形導波管の端部に接合し、その接合部に円形導波管の軸心線を挟んで2つの結合孔を設けるようにする。そして、好ましくは、2つの結合孔間の距離は管内波長の約半分の距離とする。このような構造により、2つの結合孔でのカップリングにより円形導波管内に励起される磁界は180度の位相差を有することになるので、TM11モードやTE11モード等の他のモードが円形導波管内に発生するのを抑制することができる。
【0016】
円形導波管と出口側方形導波管との接合部の構造についても、電磁波のモードがTE01モードからTE10モードへ変換されるような構造であればよく、その構造に限定はないが、ここでも入口側と同様の構造とすることができる。すなわち、出口側方形導波管の短辺側の側面を円形導波管の端部に接合し、その接合部に円形導波管の軸心線を挟んで2つの結合孔を設けるようにする。そして、好ましくは、2つの結合孔間の距離は管内波長の約半分の距離とする。このような構造により、出口側方形導波管内にTE10モード以外の他のモードが発生するのを抑制することができる。
【0017】
円形導波管内にTM11モード等の他のモードが発生するのを抑制するための手段としては、円形導波管の内壁面を周方向に電気的に分断する環状の溝を設けるようにしてもよい。この溝は回転結合部の継目を利用することができる。TM11モードでは円形導波管内の内壁面を軸方向に壁面電流が流れるが、このように内壁面を周方向に電気的に分断することにより、その位置での軸方向への壁面電流の連続性が絶たれ、円形導波管内におけるTM11モードの発生周波数が変化する(高周波数側にシフトする)ことになる。なお、溝の位置は、円形導波管内に発生するTE01モードの磁界の節(環状の磁界と磁界との間)に対応させるのが好ましい。磁界の節では電界が弱まるので溝内への電磁波の侵入を抑制して減衰を低減することができ、また、溝から外部への電磁波の漏れを抑制することができる。
【0018】
さらに、円形導波管内にTM11モード等の他のモードが発生するのを抑制するための別の手段としては、円形導波管の内部端面に内壁面に沿って環状の溝を設けるようにしてもよい。このように内部端面に内壁面に沿って環状の溝を設けることで、円形導波管内におけるTM11モードの発生周波数が変化する(高周波数側にシフトする)ことになる。
【0019】
なお、本発明の導波管ロータリージョイントの利用分野には限定はなく、電磁場の伝送に導波管を用いる分野であれば、一般的な通信分野のみならず医療分野(例えばがんの温熱療法)等の種々の分野において利用することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図2は本発明の一実施形態としての導波管ロータリージョイントの構成を示す断面図であり、図3はその側面図である。これらの図に示すように、導波管ロータリージョイント1は、2つの円形導波管2A,2Bがベアリング6によって軸心線3周りに相対回転可能に結合されて、回転結合部を有する1つの円形導波管2が構成され、各円形導波管2A,2Bに方形導波管4,5が接合された構造となっている。各方形導波管4,5の端部にはフランジ4a,5aが設けられており、これらフランジ4a,5aを用いて延長用の方形導波管や加速器等の機器類を導波管ロータリージョイント1に接続することができるようになっている。
【0021】
円形導波管2A,2Bと方形導波管4,5との接合形態は、一方の円形導波管2Aの端部底面に入力側方形導波管4の短辺側の側面を接合し、他方の円形導波管2Bの端部底面に出力側方形導波管5の短辺側の側面を接合したものとされている。そして、入力側方形導波管4と円形導波管2Aとの接合部には、円形導波管2A,2Bの軸心線3を挟んだ対称位置に2つの結合孔7A,7Bが設けられ、円形導波管2Bと出力側方形導波管5との接合部には、同様に円形導波管2A,2Bの軸心線3を挟んだ対称位置に2つの結合孔8A,8Bが設けられている。各接合部における結合孔7A,7B間の距離及び結合孔8A,8B間の距離(中心間距離)は、円形導波管2A,2B内におけるマイクロ波の管内波長の約1/2に設定されている。また、各方形導波管4,5の先端部から先端側の結合孔7Aの中心までの距離は、管内波長の約1/4に設定されている。なお、マイクロ波の管内波長は円形導波管2A,2Bの内径により決まり、円形導波管2A,2Bの管内の軸方向長さは管内波長の1/2の整数倍(図2では2倍)に設定されている。
【0022】
円形導波管2A,2Bの回転結合部には、隙間(環状の溝)9が設けられている。この隙間9は円形導波管2Aの内壁面と円形導波管2Bの内壁面とを周方向に電気的に分断している。また、隙間9の位置はここでは管内中央に設定されている。なお、円形導波管2A,2B間には環状の真空シール10が介装されており、円形導波管2A,2Bの内部を密閉して真空に保つことができるようになっている。
【0023】
このような構成により、本発明の一実施形態としての導波管ロータリージョイント1では、入力側方形導波管4内をTE10モードで伝送されるマイクロ波の磁界が2つの結合孔7A,7Bを介して円形導波管2A,2B内の磁界とカップリングし、円形導波管2A,2B内に環状の磁界を励起する。この磁界は、円形導波管2A,2Bの長手方向に沿って軸心線3に対称に、且つ軸心線3を通る平面内に分布する。これによりマイクロ波のモードは、TE10モードからTE01モードに変換され、TE01モードにて円形導波管2A,2B内を出力側の方形導波管5に向けて伝送される。なお、図2中に破線で示す矢印が磁界の分布を示している。
【0024】
このとき発生する磁界は、軸心線3を挟んで設けられた結合孔7A,7Bでのカップリングによって180度の位相差を有することになるので、TM11モードやTE11モード等の他のモードが円形導波管2A,2B内に発生するのを抑制することができる。さらに、円形導波管2Aの内壁面と円形導波管2Bの内壁面とは、隙間9によって周方向に電気的に分断されているので、壁面電流の連続性はこの隙間9において絶たれることになる。これによりTM11モードのように壁面電流が軸方向に流れるモードでは、発生周波数が高周波数側にシフトしてTE01モードの発生周波数から大きく離れることになるので、これらのモードがTE01モードと同時に円形導波管2A,2B内に発生するのを抑制することができる。
【0025】
そして、円形導波管2Bと出力側の方形導波管5との接合部では、円形導波管2B内の端部底面近傍に発生した磁界が、2つの結合孔8A,8Bを介して方形導波管5内に作用し、そのカップリング作用によって方形導波管5内に方形導波管5の長辺側の側面に平行な環状の磁界が発生する。これによりマイクロ波のモードは、再びTE01モードからTE10モードに変換され、TE10モードにて方形導波管5に出力される。
【0026】
このように、本発明の一実施形態としての導波管ロータリージョイント1によれば、円形導波管2A,2B内にTM11等の他のモードが発生するのを抑制して専らTE01モードを発生させることができる。TE01モードは円形導波管2A,2Bの軸心線3に対して対称なモードであるため、円形導波管2A,2Bが相対的に回転したとしても電磁界が影響を受けることがない。
【0027】
また、TE01モードでは壁面電流は円形導波管2A,2Bの内壁面を周方向に流れ、従来の導波管ロータリージョイントにかかるTM01モード等のように軸方向に流れることがないので、隙間9における軸方向の壁面電流の連続性を確保するためのチョーク構造が不要である。これにより、円形導波管2A,2Bの機械的な誤差に対するロバスト性が得られるとともに、円形導波管2A,2B内での電磁波の減衰を抑制することができるという利点がある。
【0028】
さらに、TE01モードでは電界は軸心線3を中心として環状に分布することから、電界が内壁面に垂直に立つTM01モード等と比較して円形導波管2の外部への放電の虞も極めて小さいという利点もある。
また、本実施形態では、円形導波管2A,2B間の隙間9の位置を管内中央に設定しているが、この位置は円形導波管2A,2B内に発生するTE01モードの磁界の節に対応しているので、隙間9へのマイクロ波の侵入を抑制してマイクロ波の減衰を低減することができ、また、隙間9から外部へのマイクロ波の漏れを抑制することができるという利点もある。
【0029】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、上述の実施形態では、入力側方形導波管4と円形導波管2Aとの接合部に軸心線3を挟んで2つの結合孔7A,7Bを設けているが、これらの結合孔7A,7Bのうち何れか一方のみを設けるようにしてもよい。これによっても円形導波管2A,2B内にTE01モードを発生させることができる。ただし、この場合にはTM11モードやTE11モード等の他のモードも発生する可能性が高くなるので、好ましくは、上述の実施形態のように2つの結合孔7A,7Bを設けるようにする。また、出力側方形導波管5と円形導波管2Bとの接合部についても、同様に軸心線3を挟んだ2つの結合孔8A,8Bのうち何れか一方のみを設けるようにしてもよい。ただし、この場合も好ましくは上述の実施形態のように2つの結合孔8A,8Bを設けるようにする。
【0030】
また、上述の実施形態では、円形導波管2A,2Bの繋ぎ目の隙間9の作用により、円形導波管2A,2B内にTE01モード以外のモードが発生するのを抑制しているが、図4に示すように出力側の円形導波管2Bの内部端面に内壁面に沿って環状の溝11を設けるようにしてもよい。このような溝11を設けることで、円形導波管内におけるTM11モードの発生周波数が高周波数側にシフトしてTE01モードの発生周波数から大きく離れることになるので、TM11モードがTE01モードと同時に円形導波管2A,2B内に発生するのを抑制することができる。なお、図4では出力側の円形導波管2Bに溝11を設けているが、入力側の円形導波管2Aにもこのような溝を設けてもよい。
【0031】
さらに、上述の実施形態にかかる導波管ロータリージョイントは軸のないタイプであるが、中央に軸を有する円形導波管(同軸導波管)を有する同軸型の導波管ロータリージョイントにも本発明を適用することができる。
【0032】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の導波管ロータリージョイントによれば、円筒導波管内の電磁波のモードをTE01モードとすることにより、壁面電流は円形導波管の内壁面を周方向に流れるようになるので、高い機械的精度が要求されるチョーク構造が不要となり、円形導波管の機械的な誤差に対するロバスト性が得られるとともに、円形導波管内での電磁波の減衰を抑制することができるという利点がある。また、TE01モードでは電界は軸心線を中心として環状に分布することから、電界が内壁面に垂直に立つTM01モード等と比較して円形導波管の外部への放電の虞も極めて小さいという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるTE01モードの電磁界分布図であり、(a)は円形導波管の縦断面図、(b)は(a)のI−I線における軸方向断面図である。
【図2】本発明の一実施形態としての導波管ロータリージョイントの構成を示す平面断面図である。
【図3】図2のIII方向視の側面図である。
【図4】図2に示す導波管ロータリージョイントの変形例を示す平面断面図であり、要部の構成のみを示している。
【図5】従来の導波管ロータリージョイントの構成を示す平面断面図である。
【図6】図5のVI−VI線における側面断面図である。
【符号の説明】
1 導波管ロータリージョイント
2,2A,2B 円形導波管
3 軸心線
4,5 方形導波管
4a,5a フランジ
6 ベアリング
7A,7B,8A,8B 結合孔
9 隙間(環状の溝)
10 真空シール
11 溝

Claims (5)

  1. 回転結合部を有し両端部が軸心線周りに相対回転可能な円形導波管の各端部に方形導波管が接合された導波管ロータリージョイントにおいて、
    入力側方形導波管内をTE10モードで伝送される電磁波を上記入力側方形導波管と上記円形導波管との接合部でTE01モードに変換して上記円形導波管内を伝送し、上記円形導波管と出力側方形導波管との接合部で上記電磁波を再びTE01モードからTE10モードに変換して上記出力側方形導波管に出力する
    ことを特徴とする、導波管ロータリージョイント。
  2. 上記方形導波管の短辺側の側面が上記円形導波管の端部に接合され、上記接合部には上記円形導波管の軸心線を挟んで2つの結合孔が設けられている
    ことを特徴とする、請求項1記載の導波管ロータリージョイント。
  3. 上記円形導波管の内壁面を周方向に電気的に分断する環状の溝が設けられている
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の導波管ロータリージョイント。
  4. 上記溝は、上記円形導波管内に発生するTE01モードの磁界の節に対応するように設けられている
    ことを特徴とする、請求項3記載の導波管ロータリージョイント。
  5. 上記円形導波管の内部端面に内壁面に沿って環状の溝が設けられている
    ことを特徴とする、請求項1〜4の何れかの項に記載の導波管ロータリージョイント。
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