JP2005033436A - 電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】本体部に対しカメラ部を回転可能と成した電子機器のスライド蓋(摺動手段)を改善した電子機器に関する。
【解決手段】本体部12とカメラ部15を枢軸14を中心に回転可能とし、カメラ部15と本体部12をスライド蓋52をスライドさせて一体化させた時にカメラ部15が回転出来ない様に構成した電子機器を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】本体部12とカメラ部15を枢軸14を中心に回転可能とし、カメラ部15と本体部12をスライド蓋52をスライドさせて一体化させた時にカメラ部15が回転出来ない様に構成した電子機器を提供する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯型のカムコーダ、撮像装置、デジタルカメラの如き電子機器に係わり、特に、本体部とカメラ部の組み合わせ構造及びカメラ部の摺動手段に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ビデオカメラ1体型VTR(カムコーダ)等の電子機器に於いては図8に示す様に本体部1と成るケーシング2の前面に液晶モニタ(以下LCDと記す)3等を設け、本体部1の左側面には円筒状のカメラ部4を立設し、このカメラ部4のレンズ5を覆う為のレンズカバ6を円筒状のカメラ部4の側面の一部に沿って本体部1から突出する様に設けている。このカメラ部4内にはレンズ5を結像する光を光電変換するCCD等を有し、本体部1側にCCDの出力を供給するようになされている。
【0003】
カメラ部4は本体部1に対し矢印C−C方向に回転操作することが出来るように成されたカムコーダが特許文献1に開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平7−212640号公報(図1、段落番号0017〜0020)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の様に本体部1に対しカメラ部を回転可能とする構成ではカメラ部4が円筒形状と成されている為に、ケーシングの形状は本体部1に対してカメラ部4が本体部1から突出した形状と成されるが、カメラ部4と本体部1のケーシングを一体化したときにカメラ部4を認識することが出来ない様な、例えば偏平な直方体状或は立方体状のケーシング構造とすることが出来ないので携帯用の電子機器を設計する場合に持ち易さ、操作性、デザイン性等で制限を受けることになる。
【0006】
又、レンズカバ6は本体部1の側面に固定されている為に本体部1を箱型に成すことが出来ず、又、未使用時にはカメラ部4をC−C方向に回転させて、レンズ5を保護することが必要となる。更にカメラ部4に対し、本体部1のLCDの角度調整が出来ない等の課題を有していた。
【0007】
本発明は叙上の課題を解消するために成されたもので、本発明が解決しようとする課題は、カメラ部を回転させ本体部と一体化させた時にほぼ箱型の形状となされて携帯性及び収納性の良い電子機器を得ると共に、スライドカバを構成する摺動手段(シャッタ)がレンズを保護している時はカメラ部4の回転を防止する様に成して、無理な力でカメラ部を回転出来ない様に成した電子機器を得ることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明はカメラ部を本体部に対し回転可能にした電子機器のケーシングを一体化した時に略箱型と成る様に成したものである。
【0009】
本発明の電子機器は本体部とカメラ部とを一体化した時の全体的なケーシング形状が偏平な略直方体或は立方体状と成し、本体部のパネル面の所定の側面に沿って本体部の一側端に回動自在にカメラ部を配設させて成るものである。
【0010】
本発明の電子機器は本体部内に記録・再生部を有し、被写体からの光を結像するレンズを有するカメラ部を本体部に対し、回動可能と成した電子機器であって、本体部の一端側を枢軸として、カメラ部を本体部に対し、回動可能とし、カメラ部のレンズを有する側にカメラ部と本体部間をレンズを覆う様に摺動自在に配設された摺動手段と、この摺動手段がカメラ部のレンズを覆っているように摺動した場合にカメラ部を枢軸を中心に回動を防止するロック手段とを設けたものである。
【0011】
斯かる、本発明の電子機器に依ればカメラ部と本体部を一体化させた状態では略偏平な直方形状或は立方体状のケーシングとして認識させることが出来、携帯性、収納性、操作性、デザイン性の優れた電子機器が得られる。
【0012】
又、本発明に依れば本体部に対し回転可能と成したカメラ部に摺動手段(シャッタ)を被せた時にカメラ部を回転させ様としても回転出来ない電子機器を得ることが出来る。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電子機器として、記録媒体を記録再生する記録・再生駆動ユニット(HDD、FDD、光ピックアップ駆動ユニット、メモリフラッシュ等)及びCCD等の撮像手段としてカメラをケーシング内に設けた電子機器について詳記する。
【0014】
図1は本発明の電子機器に用いる摺動手段(シャッタ)の動作状態を示す一部側断面図、図2は本発明の電子機器の摺動手段を説明するための外観斜視図、図3は本発明の電子機器のロック機構を説明するための斜視図、図4は本発明の電子機器の1形態例とロック機構を説明するための斜視図、図5は摺動手段の動作説明用斜視図、図6は本発明の電子機器の本体部に設けたマイクロホンの防塵方法を説明する為の説明図、図7は本発明の電子機器の系統図である。
【0015】
先ず、本発明の電子機器の全体的な構成を図4(A),(B)及び図7によって説明する。
【0016】
図4(A)は本発明の電子機器の1形態例の構成を示すものであり、電子機器とコンピュータ(以下CPUと記す)間は図4(B)に示すクレードル(Cradle)11を介して信号の授受が行われる。
【0017】
図4(A),(B)に於いて、10はHDDユニットを内蔵した電子機器を示し、11はCPUとの間で電子機器10で撮像した画像データ等を送受信するための載置架台と成るクレードルである。
【0018】
電子機器10は本体部12と、この本体部12のケーシング13の下端側に配設した枢軸14に回動自在に枢着されたカメラ部15とで構成される。このカメラ部15は(図4(A)の矢印B−B)に示す様に枢軸14を中心に本体部12に対し略180度回転可能でレンズ16を手前側或は背面側までの所定位置に設定することができる。
【0019】
従って、図4(A)に示す状態では、カメラ部15の下側の背面板側(図4(A)では下面)又は上側の前面(図4(A)では上面)を机等に載置すれば、カメラ部15は本体部12の脚として機能させることが出来るので本体部12のパネル面に配設したLCD等の表示部7の枢軸14に対する傾き角度を自由に調整可能と成りビューファインダ等として利用可能である。
【0020】
本体部12のパネル面には各種操作釦群18が配設され、表示部7と略並行する様にケーシング13内には薄型のHDDユニット(図示せず)が配設され、操作群18の左側にはHDDアクセス用のLED22等が配設されて、HDDユニットのアクセス状態の監視を本体部12の外側から可能と成されている。
又、本体部12のケーシング13の上下(底面及び上面)は前後(パネル面及び背面)方向に大きなRを有する曲面の半円状部19が形成されている。レンズ16等の光学系を内蔵したカメラ部15のカメラケーシング24も同様に上下面は半円状部19が形成されている。依って以下に説明するクレードル上に電子機器15を載置する以外に、電子機器10を机上等に載置する場合は本体部12のパネル面側或はパネル面と反対の背面で載置するように制限される。
【0021】
依って、電子機器15の半円状部19をクレードル11に形成した半円状凹部20に嵌め込んで、電気的接続を行なうことでクレードル11の映像端子、音声端子、USB(Universal Serial Bas)端子(図7参照)を介してCPUやCRT等へ入出力できる。このクレードル11は充電回路も内蔵され、充電装置としても兼用できて、スタンド23を介して載置面に対し傾斜して配置可能である。従って、電子機器10をクレードル11に載置させない状態で机の上に載置させるには背面側或はパネル面側を載置面に置く様になるので特にパネル面側のLCD等の表示部7を保護するために4個の凸部47が図2(A)乃至(C)や図4(A)の様に設けられている。又、ケーシングの上下面を大きなRの曲面としたので電子機器10を落下させた時の衝撃が線接触のために緩和され、下面側に設けたコネクタ類を保護出来る。
【0022】
図4(C)は図4(A)のA部の拡大斜視図を示すものであるが、これら構成については後述する。
【0023】
図7は本発明の電子機器の全体的な系統図であり、図4(A),(B)との対応部分には同一符号を付して説明を進める。
【0024】
電子機器10のカメラ部15内にはレンズ16の光学系を介して撮像した被写体像をCCD25等の撮像素子に投射し、CCD25で電気信号に変換された映像信号、マイクロホン31で収音された音声信号等は前置増幅回路26及び、カメラ及び音声信号処理回路27等を介してメインコンピュータで構成した制御回路28に接続したバスライン29に供給される。
【0025】
バスライン29にはインタフェース30,32,34を介してHDD(記録・再生駆動ユニット)35、バッファメモリ36、メモリカード37が接続され、制御回路28を介してバッファメモリ36やHDD35に格納した映像信号や音声信号のデータをモニタ駆動回路38を介してモニタ用のLCD等の表示部7に映像信号を表示すると共に、スピーカ駆動回路39及びスピーカ33を介して音声信号を放音し、必要に応じてクレードル11内の映像信号処理回路41、音声信号処理回路42、インタフェース43を介して映像信号、音声信号、USB信号を外部に出力する。
【0026】
クレードル11はプラグ45を介してACの外部電源44を電源回路40でAC−DC変換し、電子機器10の本体部12内に配設した電源回路46に与えられ、上述の各回路の電圧源として動作させている。操作釦群18はCPU28に接続され、HDDユニット35にはアクセス状態を表示するLED22等が接続されている。
【0027】
以下、本発明の1形態例を示す電子機器10の1構成例を図1乃至図6によって詳記する。尚図4(A),(B)及び図7で説明した対応部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0028】
図2(A),(B)は偏平な略直方体状に形成したケーシング13から成る本体部12と、同じく偏平な縦長の略直方体状に形成したカメラケーシング24とで成るカメラ部15を枢軸14を中心にB−B方向に回転させて一体化させて偏平な略長方形状或は略立方体形状のケーシングと成る様に成したものである。
【0029】
本体部12及びカメラ部15のケーシング13及びカメラケーシング24の上下面は上述の様に大きなR(10R)の曲面と成され、ケーシング13の下面側にはクレードル11との電気的接続を成すコネクタ等が設けられている。
【0030】
又、本体部12及びカメラ部15のケーシング13及びカメラケーシング24に形成した上面側の半円状部19には図2(A),(B)、図3(A),(B)、図6(A)に示す様に本体部12側には第1の開口部48を形成し、カメラ部15側には第2の開口部49を形成する。図6(A)はカメラ部15のカメラケーシング24及び本体部12のケーシング13に後述する摺動手段(レンズ16及びマイクロホン31用のシャッタ、以下スライド蓋と記す)52を取り去った状態を示していて、本体部12内でカメラ部15のレンズ16近傍に収音用のマイクロホン31を配設する様に成されている。
【0031】
又、第1の開口部48及び第2の開口部49のLCD等が配設されているパネル面側及び背面側に図2(A),(B)、図3(A),(B)、図4(C)、図5(A)(B)に示す様な第1及び第2の溝部50及び51を形成し、図5(A),(B)、図4(C)に示す様に上側に大きなR(10R)で湾曲したスライド蓋52を第1及び第2の溝部50及び51に沿って摺動可能に枢着させてある。
【0032】
このスライド蓋52は図2(A),(B)に示す様に本体部12側からカメラ部15方向又はその反対方向に摺動可能と成され、スライド蓋52の左側には収音用の透孔54が穿たれている。従って、図2(A)及び図6(B)の様にスライド蓋52をカメラ部15側の第2の開口部49側に移動させればカメラ部15のレンズ16及びマイクロホン31はスライド蓋52でカバーされ、不使用状態或は収納時にはマイクロホン31にはスライド蓋52でカバーされ塵埃が付着することがない。一般のカムコーダ等ではマイクロホン31はむき出しの場合が多く塵埃が付着するが本例では、この様な弊害が除去出来る。又、レンズ16側には透孔54を通して、塵埃が付着する可能性があるが、透孔54部分に音を透過させるサラン等の布部材を貼着させればよいし、レンズ16の表面の汚れは一般に拭き取ることが出来るのでカメラ部15側での塵埃の侵入は特に問題とならないがマイクロホン31の場合は塵埃を取り除くことは困難である。
【0033】
又、図2(B)及び図6(C)の様にスライド蓋52を本体部12側に摺動させればカメラ部15の上面側に配設したレンズ16は第2の開口部49から露出した状態と成り、スライド蓋52は本体部12の第1の開口部48内に収まるため、カメラ部15を枢軸14を中心に図3(A)、図4(A)に示す様に回転させることが出来て任意の角度でLCD7をビューファインダとして撮像を行なうことが可能と成る。この場合、収音すべき音はスライド蓋52に穿った透孔54を通じて入って来るので録音が可能状態と成る。
【0034】
更に、図2(A),(B)に示す様なカメラ部15が折り畳まれた状態で、クレードル11に載置することで自動的に内部二次電池の充電等を行なうことになるが例えば、図2(C)の様に机等の載置面55に置かれた場合に表示部(LCD)7に設けたタッチパネル等を傷つけないためにパネル面側には4個所に設けた凸部47により載置面55から所定の空隙を生じさせてLCD表面を保護する様に成されている。
【0035】
図3(A)は電子機器10を背面側から視た斜視図で机等の載置面55上にカメラ部15を脚として所定の被写体像を撮像或は記録した画像をモニタしている状態を示すものであり、カメラ部15のE部の拡大図を図3(B)に示している。
【0036】
図3(A)に示すカメラ部15のカメラケーシング24の右側面板(図3(A)では左側)24Rの上方の一側にはカメラ部15の回動を阻止するロック手段のロック片57(図4参照)が挿入される角形の透孔56が穿たれている。又、右側面板24Rの上方の略中央位置にはスライド蓋52がカメラ部15の枢軸14を中心に回動している撮像時等ではカメラ部15側に摺動出来ない様に成されたスライド蓋ロック解除釦(以下解除釦と記す)59をスプリング等を介して偏倚させて、この解除釦59の押圧片をカメラケーシング24の右側面板24Rから突出させている。
【0037】
更に、本体部12側のケーシング13の左側面板13Lに図4(A)のA部拡大図である図4(C)及び図5(A)に示される様に上部の一側にはカメラ部15の回動を阻止するロック手段を構成する略舌片状のロック片57が突出可能な角形の溝穴60が穿たれている。又、本体部13の左側面板13Lの上部の略中央位置にロック解除検出釦61が設けられている。
【0038】
上述のスライド蓋52を図2(A)に示す様にカメラ部15側にスライドさせた状態で無理にカメラ部15を枢軸14を中心に回動させる様にするとスライド蓋52等を破損させる可能性がある。そこで上述の様に無理な力でカメラ部15を回転させた場合スライド蓋52を所定方向に移動出来る様にしてスライド蓋52が破壊しない様にする偏倚手段63がこのスライド蓋52に設けられている。
【0039】
上述の偏倚手段63の構成を図1(C)、図5(B)、図6(B)に示す。即ち、スライド蓋52の底部から垂下させ軸の下端にストッパ64aを形成し、軸にスライダ64を嵌遊させ、ストッパ64aとスライダ64間にスプリング65を介在させた偏倚手段63によって常時スライド蓋52が上動する様な偏倚力を与える様に成し、本体部12の第1の開口部48の長手方向に沿って形成した溝66に偏倚手段63を摺動自在に挿入し、溝66に沿ってスライド蓋52と共にスライドさせる様に成される。
【0040】
従って、カメラ部15を枢軸14を中心に無理に回転させるとスライド蓋52は図5(B)で矢印(F)で示す上向きの力が働いて、本体部12及びカメラ部15の第1及び第2の溝部50及び51より、スライド蓋52の前後の端部67,68(図5(B)参照)が持ち上げられ上方に逃げるためにスライド蓋52を破損しない様にすることが出来る。
【0041】
次に、上述の各構成を基に図1を用いてスライド蓋52を図2(A)に示す様にカメラ部15側に移動させ、本体部12と一体化させた時にはカメラ部15を枢軸14を中心に回転することが出来ない様に閂を入れる様にする構成及び動作を説明する。
【0042】
図1(C)は図6(B)や図4(C)で説明したロック機構とスライド蓋近傍の略線的な縦断面図であり、図1(C)のD−D矢視断面図を図1(A),(B)に示している。図1(A)はスライド蓋52の開蓋状態であり、図1(B)はスライド蓋52の閉蓋状態を示す側断面図である。
【0043】
図1(A),(B),(C)に於いて、スライド蓋52の底面には図5(B)にも示す様にスライド蓋52の長手方向に長溝70が形成されている。又、この長溝70と対向する様に図5(A)で説明した断面が図1(A),(B)に示す様に溝孔60が穿たれ、カメラ部15側には図3(B)で説明した透孔56が穿たれている。ロック片57は断面がL字状と成され、このロック片57の垂直片57Vの先端は長溝70内に挿入されロック片57の水平片57Hは溝孔60内に挿通されている。
【0044】
上述の構成に於いて、スライダ蓋52を図1(A)の様に本体部12側にスライドさせるとロック片57の垂直片57Vは長溝70の始端に当接して水平片57Hはカメラ部15側の透孔56から離脱し、カメラ部15を回動可能状態に成す。更に図1(B)の様にスライド蓋52をカメラ部15側にスライドさせればロック片57の垂直片57Vは長溝70の終端に当接してロック片57の水平片57Hの舌片をカメラ部15の透孔56内に挿入して、カメラ部15は本体部12にロックされて回転が阻止可能と成る。
【0045】
又、上述の動作を行なう際にスライド蓋52は図5(B)に示す様に端部67,68と本体部12の第1の溝部及びカメラ部15の第2の溝部(図5(A)参照)50及び51はテーパ面72と成っているため、このテーパの効果と上述のロック片57による閂との相乗効果によってレンズ部15の回転を防止することが出来る。
【0046】
上述のスライド蓋52について、カメラ部15を回転させた状態ではカメラ部15側にスライド出来ない様に成す構成については種々の機構や方法が考えられるが、例えばソレノイドの鉄芯等を用いてロック蓋52をロック状態として、スライド蓋52がカメラ部15側にスライド出来ない様にし、スライド蓋ロック解除釦59がロック解除検出釦61に挿入されたことを電気的に検知してスライド蓋52を偏倚用スプリング等を用いて本体部12方向の位置に戻せばよい。
【0047】
上述の例えば図2(A)の構成では本体部12の左側にカメラ部15を配し、本体部12の下端部の枢軸14を中心に回動可能とした構成を説明したが、カメラ部15を本体部12に対し配設する位置は本体部12の右側、或は上(平面)又は下側(底面)であってもよく、枢軸14の位置はカメラ部15の上側或は、左右端であってもよいことは明らかである。又、本体部12の上下面にカメラ部15を配した時には本体部の左右側面板を大なるRの曲面とすればよい。
【0048】
又、ロック機構も1実施例を示すものであり、要はスライド蓋をカメラ部側にスライドさせた状態でカメラ部が枢軸を中心に回動しない様にロックする機構であればよいことは明白である。
【0049】
本発明によれば下記に示す多くの特徴のある電子機器を提供可能である。
(1)カメラ部と本体部を一体化させた状態で略偏平な箱型と成し携帯性、収納性、操作性、デザイン性に優れた電子機器を提供可能となる。
(2)本体部に対し、回転可能と成したカメラ部にスライド蓋を覆せた時にカメラ部の回転を阻止することが可能な電子機器を提供可能である。
(3)カメラ部を回転させている使用状態ではスライド蓋がロックされていてカメラ部側に移動しないのでカメラ部の回転運動を妨げない電子機器を提供可能である。
(4)スライド蓋をカメラ部側にスライドさせた不使用時、充電時、収納時にカメラ部を枢軸を中心に無理に回動させたとしてもスライド蓋が一方向に逃げてスライド蓋の破損が防止可能な電子機器が提供可能となる。
(5)クレードル等の載置台を用いなくてもカメラ部を回動させることで本体部の角度を任意に設定することが出来る電子機器が提供可能となる。
(6)カメラ部及び本体部のレンズやマイクロホン、或はコネクタ等を収納するケーシングの上下、左右側面部分に大きなRの曲面をとることで落下時等の衝撃を緩和出来ると共にユーザがこれらの面を底面として立てることが出来ない様にしたので、こわれ易い電子部品や塵埃を嫌う部品を保護することが出来る。
(7)スライド蓋によって収納状態では撮像時に必要なレンズやマイクロホンが保護され、塵埃の付着がなく、撮像時にはスライド蓋をスライドするだけでカメラ部とマイクロホンを作動準備状態にすることが出来る。
【0050】
【発明の効果】
本発明によればカメラ部を回転させ本体部と一体化させた時に略箱型の形状と成されて携帯性及び収納性の良い電子機器を得ると共にスライドカバーを構成する摺動手段(シャッタ)がレンズを保護している時はカメラ部4の回転を防止する様に成して、無理な力でカメラ部を回転出来ない様に成した電子機器を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子機器に用いるロック機構の1形態例を説明するための要部側断面図である。
【図2】本発明の電子機器の摺動手段を説明するための外観斜視図である。
【図3】本発明の電子機器のロック機構を説明するための斜視図である。
【図4】本発明の電子機器の1形態例とロック機構を説明するための斜視図である。
【図5】本発明の摺動手段の動作説明用斜視図である。
【図6】本発明の電子機器の本体部に設けたマイクロホンの防塵方法を説明する為の説明図である。
【図7】本発明の電子機器の系統図である。
【図8】従来の電子機器の外観斜視図である。
【符号の説明】
7‥‥表示部(LCD)、10‥‥電子機器、11‥‥クレードル、12‥‥本体部、13‥‥ケーシング、15‥‥カメラ部、16‥‥レンズ、31‥‥マイクロホン、52‥‥スライド蓋、54,56‥‥透孔、57‥‥ロック片、59‥‥スライド蓋ロック解除釦、60‥‥溝孔、61‥‥ロック解除検出釦、63‥‥偏倚手段、70‥‥長溝
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯型のカムコーダ、撮像装置、デジタルカメラの如き電子機器に係わり、特に、本体部とカメラ部の組み合わせ構造及びカメラ部の摺動手段に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ビデオカメラ1体型VTR(カムコーダ)等の電子機器に於いては図8に示す様に本体部1と成るケーシング2の前面に液晶モニタ(以下LCDと記す)3等を設け、本体部1の左側面には円筒状のカメラ部4を立設し、このカメラ部4のレンズ5を覆う為のレンズカバ6を円筒状のカメラ部4の側面の一部に沿って本体部1から突出する様に設けている。このカメラ部4内にはレンズ5を結像する光を光電変換するCCD等を有し、本体部1側にCCDの出力を供給するようになされている。
【0003】
カメラ部4は本体部1に対し矢印C−C方向に回転操作することが出来るように成されたカムコーダが特許文献1に開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平7−212640号公報(図1、段落番号0017〜0020)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の様に本体部1に対しカメラ部を回転可能とする構成ではカメラ部4が円筒形状と成されている為に、ケーシングの形状は本体部1に対してカメラ部4が本体部1から突出した形状と成されるが、カメラ部4と本体部1のケーシングを一体化したときにカメラ部4を認識することが出来ない様な、例えば偏平な直方体状或は立方体状のケーシング構造とすることが出来ないので携帯用の電子機器を設計する場合に持ち易さ、操作性、デザイン性等で制限を受けることになる。
【0006】
又、レンズカバ6は本体部1の側面に固定されている為に本体部1を箱型に成すことが出来ず、又、未使用時にはカメラ部4をC−C方向に回転させて、レンズ5を保護することが必要となる。更にカメラ部4に対し、本体部1のLCDの角度調整が出来ない等の課題を有していた。
【0007】
本発明は叙上の課題を解消するために成されたもので、本発明が解決しようとする課題は、カメラ部を回転させ本体部と一体化させた時にほぼ箱型の形状となされて携帯性及び収納性の良い電子機器を得ると共に、スライドカバを構成する摺動手段(シャッタ)がレンズを保護している時はカメラ部4の回転を防止する様に成して、無理な力でカメラ部を回転出来ない様に成した電子機器を得ることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明はカメラ部を本体部に対し回転可能にした電子機器のケーシングを一体化した時に略箱型と成る様に成したものである。
【0009】
本発明の電子機器は本体部とカメラ部とを一体化した時の全体的なケーシング形状が偏平な略直方体或は立方体状と成し、本体部のパネル面の所定の側面に沿って本体部の一側端に回動自在にカメラ部を配設させて成るものである。
【0010】
本発明の電子機器は本体部内に記録・再生部を有し、被写体からの光を結像するレンズを有するカメラ部を本体部に対し、回動可能と成した電子機器であって、本体部の一端側を枢軸として、カメラ部を本体部に対し、回動可能とし、カメラ部のレンズを有する側にカメラ部と本体部間をレンズを覆う様に摺動自在に配設された摺動手段と、この摺動手段がカメラ部のレンズを覆っているように摺動した場合にカメラ部を枢軸を中心に回動を防止するロック手段とを設けたものである。
【0011】
斯かる、本発明の電子機器に依ればカメラ部と本体部を一体化させた状態では略偏平な直方形状或は立方体状のケーシングとして認識させることが出来、携帯性、収納性、操作性、デザイン性の優れた電子機器が得られる。
【0012】
又、本発明に依れば本体部に対し回転可能と成したカメラ部に摺動手段(シャッタ)を被せた時にカメラ部を回転させ様としても回転出来ない電子機器を得ることが出来る。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電子機器として、記録媒体を記録再生する記録・再生駆動ユニット(HDD、FDD、光ピックアップ駆動ユニット、メモリフラッシュ等)及びCCD等の撮像手段としてカメラをケーシング内に設けた電子機器について詳記する。
【0014】
図1は本発明の電子機器に用いる摺動手段(シャッタ)の動作状態を示す一部側断面図、図2は本発明の電子機器の摺動手段を説明するための外観斜視図、図3は本発明の電子機器のロック機構を説明するための斜視図、図4は本発明の電子機器の1形態例とロック機構を説明するための斜視図、図5は摺動手段の動作説明用斜視図、図6は本発明の電子機器の本体部に設けたマイクロホンの防塵方法を説明する為の説明図、図7は本発明の電子機器の系統図である。
【0015】
先ず、本発明の電子機器の全体的な構成を図4(A),(B)及び図7によって説明する。
【0016】
図4(A)は本発明の電子機器の1形態例の構成を示すものであり、電子機器とコンピュータ(以下CPUと記す)間は図4(B)に示すクレードル(Cradle)11を介して信号の授受が行われる。
【0017】
図4(A),(B)に於いて、10はHDDユニットを内蔵した電子機器を示し、11はCPUとの間で電子機器10で撮像した画像データ等を送受信するための載置架台と成るクレードルである。
【0018】
電子機器10は本体部12と、この本体部12のケーシング13の下端側に配設した枢軸14に回動自在に枢着されたカメラ部15とで構成される。このカメラ部15は(図4(A)の矢印B−B)に示す様に枢軸14を中心に本体部12に対し略180度回転可能でレンズ16を手前側或は背面側までの所定位置に設定することができる。
【0019】
従って、図4(A)に示す状態では、カメラ部15の下側の背面板側(図4(A)では下面)又は上側の前面(図4(A)では上面)を机等に載置すれば、カメラ部15は本体部12の脚として機能させることが出来るので本体部12のパネル面に配設したLCD等の表示部7の枢軸14に対する傾き角度を自由に調整可能と成りビューファインダ等として利用可能である。
【0020】
本体部12のパネル面には各種操作釦群18が配設され、表示部7と略並行する様にケーシング13内には薄型のHDDユニット(図示せず)が配設され、操作群18の左側にはHDDアクセス用のLED22等が配設されて、HDDユニットのアクセス状態の監視を本体部12の外側から可能と成されている。
又、本体部12のケーシング13の上下(底面及び上面)は前後(パネル面及び背面)方向に大きなRを有する曲面の半円状部19が形成されている。レンズ16等の光学系を内蔵したカメラ部15のカメラケーシング24も同様に上下面は半円状部19が形成されている。依って以下に説明するクレードル上に電子機器15を載置する以外に、電子機器10を机上等に載置する場合は本体部12のパネル面側或はパネル面と反対の背面で載置するように制限される。
【0021】
依って、電子機器15の半円状部19をクレードル11に形成した半円状凹部20に嵌め込んで、電気的接続を行なうことでクレードル11の映像端子、音声端子、USB(Universal Serial Bas)端子(図7参照)を介してCPUやCRT等へ入出力できる。このクレードル11は充電回路も内蔵され、充電装置としても兼用できて、スタンド23を介して載置面に対し傾斜して配置可能である。従って、電子機器10をクレードル11に載置させない状態で机の上に載置させるには背面側或はパネル面側を載置面に置く様になるので特にパネル面側のLCD等の表示部7を保護するために4個の凸部47が図2(A)乃至(C)や図4(A)の様に設けられている。又、ケーシングの上下面を大きなRの曲面としたので電子機器10を落下させた時の衝撃が線接触のために緩和され、下面側に設けたコネクタ類を保護出来る。
【0022】
図4(C)は図4(A)のA部の拡大斜視図を示すものであるが、これら構成については後述する。
【0023】
図7は本発明の電子機器の全体的な系統図であり、図4(A),(B)との対応部分には同一符号を付して説明を進める。
【0024】
電子機器10のカメラ部15内にはレンズ16の光学系を介して撮像した被写体像をCCD25等の撮像素子に投射し、CCD25で電気信号に変換された映像信号、マイクロホン31で収音された音声信号等は前置増幅回路26及び、カメラ及び音声信号処理回路27等を介してメインコンピュータで構成した制御回路28に接続したバスライン29に供給される。
【0025】
バスライン29にはインタフェース30,32,34を介してHDD(記録・再生駆動ユニット)35、バッファメモリ36、メモリカード37が接続され、制御回路28を介してバッファメモリ36やHDD35に格納した映像信号や音声信号のデータをモニタ駆動回路38を介してモニタ用のLCD等の表示部7に映像信号を表示すると共に、スピーカ駆動回路39及びスピーカ33を介して音声信号を放音し、必要に応じてクレードル11内の映像信号処理回路41、音声信号処理回路42、インタフェース43を介して映像信号、音声信号、USB信号を外部に出力する。
【0026】
クレードル11はプラグ45を介してACの外部電源44を電源回路40でAC−DC変換し、電子機器10の本体部12内に配設した電源回路46に与えられ、上述の各回路の電圧源として動作させている。操作釦群18はCPU28に接続され、HDDユニット35にはアクセス状態を表示するLED22等が接続されている。
【0027】
以下、本発明の1形態例を示す電子機器10の1構成例を図1乃至図6によって詳記する。尚図4(A),(B)及び図7で説明した対応部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0028】
図2(A),(B)は偏平な略直方体状に形成したケーシング13から成る本体部12と、同じく偏平な縦長の略直方体状に形成したカメラケーシング24とで成るカメラ部15を枢軸14を中心にB−B方向に回転させて一体化させて偏平な略長方形状或は略立方体形状のケーシングと成る様に成したものである。
【0029】
本体部12及びカメラ部15のケーシング13及びカメラケーシング24の上下面は上述の様に大きなR(10R)の曲面と成され、ケーシング13の下面側にはクレードル11との電気的接続を成すコネクタ等が設けられている。
【0030】
又、本体部12及びカメラ部15のケーシング13及びカメラケーシング24に形成した上面側の半円状部19には図2(A),(B)、図3(A),(B)、図6(A)に示す様に本体部12側には第1の開口部48を形成し、カメラ部15側には第2の開口部49を形成する。図6(A)はカメラ部15のカメラケーシング24及び本体部12のケーシング13に後述する摺動手段(レンズ16及びマイクロホン31用のシャッタ、以下スライド蓋と記す)52を取り去った状態を示していて、本体部12内でカメラ部15のレンズ16近傍に収音用のマイクロホン31を配設する様に成されている。
【0031】
又、第1の開口部48及び第2の開口部49のLCD等が配設されているパネル面側及び背面側に図2(A),(B)、図3(A),(B)、図4(C)、図5(A)(B)に示す様な第1及び第2の溝部50及び51を形成し、図5(A),(B)、図4(C)に示す様に上側に大きなR(10R)で湾曲したスライド蓋52を第1及び第2の溝部50及び51に沿って摺動可能に枢着させてある。
【0032】
このスライド蓋52は図2(A),(B)に示す様に本体部12側からカメラ部15方向又はその反対方向に摺動可能と成され、スライド蓋52の左側には収音用の透孔54が穿たれている。従って、図2(A)及び図6(B)の様にスライド蓋52をカメラ部15側の第2の開口部49側に移動させればカメラ部15のレンズ16及びマイクロホン31はスライド蓋52でカバーされ、不使用状態或は収納時にはマイクロホン31にはスライド蓋52でカバーされ塵埃が付着することがない。一般のカムコーダ等ではマイクロホン31はむき出しの場合が多く塵埃が付着するが本例では、この様な弊害が除去出来る。又、レンズ16側には透孔54を通して、塵埃が付着する可能性があるが、透孔54部分に音を透過させるサラン等の布部材を貼着させればよいし、レンズ16の表面の汚れは一般に拭き取ることが出来るのでカメラ部15側での塵埃の侵入は特に問題とならないがマイクロホン31の場合は塵埃を取り除くことは困難である。
【0033】
又、図2(B)及び図6(C)の様にスライド蓋52を本体部12側に摺動させればカメラ部15の上面側に配設したレンズ16は第2の開口部49から露出した状態と成り、スライド蓋52は本体部12の第1の開口部48内に収まるため、カメラ部15を枢軸14を中心に図3(A)、図4(A)に示す様に回転させることが出来て任意の角度でLCD7をビューファインダとして撮像を行なうことが可能と成る。この場合、収音すべき音はスライド蓋52に穿った透孔54を通じて入って来るので録音が可能状態と成る。
【0034】
更に、図2(A),(B)に示す様なカメラ部15が折り畳まれた状態で、クレードル11に載置することで自動的に内部二次電池の充電等を行なうことになるが例えば、図2(C)の様に机等の載置面55に置かれた場合に表示部(LCD)7に設けたタッチパネル等を傷つけないためにパネル面側には4個所に設けた凸部47により載置面55から所定の空隙を生じさせてLCD表面を保護する様に成されている。
【0035】
図3(A)は電子機器10を背面側から視た斜視図で机等の載置面55上にカメラ部15を脚として所定の被写体像を撮像或は記録した画像をモニタしている状態を示すものであり、カメラ部15のE部の拡大図を図3(B)に示している。
【0036】
図3(A)に示すカメラ部15のカメラケーシング24の右側面板(図3(A)では左側)24Rの上方の一側にはカメラ部15の回動を阻止するロック手段のロック片57(図4参照)が挿入される角形の透孔56が穿たれている。又、右側面板24Rの上方の略中央位置にはスライド蓋52がカメラ部15の枢軸14を中心に回動している撮像時等ではカメラ部15側に摺動出来ない様に成されたスライド蓋ロック解除釦(以下解除釦と記す)59をスプリング等を介して偏倚させて、この解除釦59の押圧片をカメラケーシング24の右側面板24Rから突出させている。
【0037】
更に、本体部12側のケーシング13の左側面板13Lに図4(A)のA部拡大図である図4(C)及び図5(A)に示される様に上部の一側にはカメラ部15の回動を阻止するロック手段を構成する略舌片状のロック片57が突出可能な角形の溝穴60が穿たれている。又、本体部13の左側面板13Lの上部の略中央位置にロック解除検出釦61が設けられている。
【0038】
上述のスライド蓋52を図2(A)に示す様にカメラ部15側にスライドさせた状態で無理にカメラ部15を枢軸14を中心に回動させる様にするとスライド蓋52等を破損させる可能性がある。そこで上述の様に無理な力でカメラ部15を回転させた場合スライド蓋52を所定方向に移動出来る様にしてスライド蓋52が破壊しない様にする偏倚手段63がこのスライド蓋52に設けられている。
【0039】
上述の偏倚手段63の構成を図1(C)、図5(B)、図6(B)に示す。即ち、スライド蓋52の底部から垂下させ軸の下端にストッパ64aを形成し、軸にスライダ64を嵌遊させ、ストッパ64aとスライダ64間にスプリング65を介在させた偏倚手段63によって常時スライド蓋52が上動する様な偏倚力を与える様に成し、本体部12の第1の開口部48の長手方向に沿って形成した溝66に偏倚手段63を摺動自在に挿入し、溝66に沿ってスライド蓋52と共にスライドさせる様に成される。
【0040】
従って、カメラ部15を枢軸14を中心に無理に回転させるとスライド蓋52は図5(B)で矢印(F)で示す上向きの力が働いて、本体部12及びカメラ部15の第1及び第2の溝部50及び51より、スライド蓋52の前後の端部67,68(図5(B)参照)が持ち上げられ上方に逃げるためにスライド蓋52を破損しない様にすることが出来る。
【0041】
次に、上述の各構成を基に図1を用いてスライド蓋52を図2(A)に示す様にカメラ部15側に移動させ、本体部12と一体化させた時にはカメラ部15を枢軸14を中心に回転することが出来ない様に閂を入れる様にする構成及び動作を説明する。
【0042】
図1(C)は図6(B)や図4(C)で説明したロック機構とスライド蓋近傍の略線的な縦断面図であり、図1(C)のD−D矢視断面図を図1(A),(B)に示している。図1(A)はスライド蓋52の開蓋状態であり、図1(B)はスライド蓋52の閉蓋状態を示す側断面図である。
【0043】
図1(A),(B),(C)に於いて、スライド蓋52の底面には図5(B)にも示す様にスライド蓋52の長手方向に長溝70が形成されている。又、この長溝70と対向する様に図5(A)で説明した断面が図1(A),(B)に示す様に溝孔60が穿たれ、カメラ部15側には図3(B)で説明した透孔56が穿たれている。ロック片57は断面がL字状と成され、このロック片57の垂直片57Vの先端は長溝70内に挿入されロック片57の水平片57Hは溝孔60内に挿通されている。
【0044】
上述の構成に於いて、スライダ蓋52を図1(A)の様に本体部12側にスライドさせるとロック片57の垂直片57Vは長溝70の始端に当接して水平片57Hはカメラ部15側の透孔56から離脱し、カメラ部15を回動可能状態に成す。更に図1(B)の様にスライド蓋52をカメラ部15側にスライドさせればロック片57の垂直片57Vは長溝70の終端に当接してロック片57の水平片57Hの舌片をカメラ部15の透孔56内に挿入して、カメラ部15は本体部12にロックされて回転が阻止可能と成る。
【0045】
又、上述の動作を行なう際にスライド蓋52は図5(B)に示す様に端部67,68と本体部12の第1の溝部及びカメラ部15の第2の溝部(図5(A)参照)50及び51はテーパ面72と成っているため、このテーパの効果と上述のロック片57による閂との相乗効果によってレンズ部15の回転を防止することが出来る。
【0046】
上述のスライド蓋52について、カメラ部15を回転させた状態ではカメラ部15側にスライド出来ない様に成す構成については種々の機構や方法が考えられるが、例えばソレノイドの鉄芯等を用いてロック蓋52をロック状態として、スライド蓋52がカメラ部15側にスライド出来ない様にし、スライド蓋ロック解除釦59がロック解除検出釦61に挿入されたことを電気的に検知してスライド蓋52を偏倚用スプリング等を用いて本体部12方向の位置に戻せばよい。
【0047】
上述の例えば図2(A)の構成では本体部12の左側にカメラ部15を配し、本体部12の下端部の枢軸14を中心に回動可能とした構成を説明したが、カメラ部15を本体部12に対し配設する位置は本体部12の右側、或は上(平面)又は下側(底面)であってもよく、枢軸14の位置はカメラ部15の上側或は、左右端であってもよいことは明らかである。又、本体部12の上下面にカメラ部15を配した時には本体部の左右側面板を大なるRの曲面とすればよい。
【0048】
又、ロック機構も1実施例を示すものであり、要はスライド蓋をカメラ部側にスライドさせた状態でカメラ部が枢軸を中心に回動しない様にロックする機構であればよいことは明白である。
【0049】
本発明によれば下記に示す多くの特徴のある電子機器を提供可能である。
(1)カメラ部と本体部を一体化させた状態で略偏平な箱型と成し携帯性、収納性、操作性、デザイン性に優れた電子機器を提供可能となる。
(2)本体部に対し、回転可能と成したカメラ部にスライド蓋を覆せた時にカメラ部の回転を阻止することが可能な電子機器を提供可能である。
(3)カメラ部を回転させている使用状態ではスライド蓋がロックされていてカメラ部側に移動しないのでカメラ部の回転運動を妨げない電子機器を提供可能である。
(4)スライド蓋をカメラ部側にスライドさせた不使用時、充電時、収納時にカメラ部を枢軸を中心に無理に回動させたとしてもスライド蓋が一方向に逃げてスライド蓋の破損が防止可能な電子機器が提供可能となる。
(5)クレードル等の載置台を用いなくてもカメラ部を回動させることで本体部の角度を任意に設定することが出来る電子機器が提供可能となる。
(6)カメラ部及び本体部のレンズやマイクロホン、或はコネクタ等を収納するケーシングの上下、左右側面部分に大きなRの曲面をとることで落下時等の衝撃を緩和出来ると共にユーザがこれらの面を底面として立てることが出来ない様にしたので、こわれ易い電子部品や塵埃を嫌う部品を保護することが出来る。
(7)スライド蓋によって収納状態では撮像時に必要なレンズやマイクロホンが保護され、塵埃の付着がなく、撮像時にはスライド蓋をスライドするだけでカメラ部とマイクロホンを作動準備状態にすることが出来る。
【0050】
【発明の効果】
本発明によればカメラ部を回転させ本体部と一体化させた時に略箱型の形状と成されて携帯性及び収納性の良い電子機器を得ると共にスライドカバーを構成する摺動手段(シャッタ)がレンズを保護している時はカメラ部4の回転を防止する様に成して、無理な力でカメラ部を回転出来ない様に成した電子機器を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子機器に用いるロック機構の1形態例を説明するための要部側断面図である。
【図2】本発明の電子機器の摺動手段を説明するための外観斜視図である。
【図3】本発明の電子機器のロック機構を説明するための斜視図である。
【図4】本発明の電子機器の1形態例とロック機構を説明するための斜視図である。
【図5】本発明の摺動手段の動作説明用斜視図である。
【図6】本発明の電子機器の本体部に設けたマイクロホンの防塵方法を説明する為の説明図である。
【図7】本発明の電子機器の系統図である。
【図8】従来の電子機器の外観斜視図である。
【符号の説明】
7‥‥表示部(LCD)、10‥‥電子機器、11‥‥クレードル、12‥‥本体部、13‥‥ケーシング、15‥‥カメラ部、16‥‥レンズ、31‥‥マイクロホン、52‥‥スライド蓋、54,56‥‥透孔、57‥‥ロック片、59‥‥スライド蓋ロック解除釦、60‥‥溝孔、61‥‥ロック解除検出釦、63‥‥偏倚手段、70‥‥長溝
Claims (8)
- 本体部とカメラ部とを一体化した時の全体的なケーシング形状が偏平な略直方体或は立方体状と成し、該本体部のパネル面の所定の側面に沿って該本体部の一側端に回動自在に該カメラ部を配設させて成ることを特徴とする電子機器。
- 前記本体部及びカメラ部の前記ケーシングの上下或は左右側面に大きなアールの曲面をとって、該ケーシングの上下或は左右側面では該ケーシングが立設出来ない様に成したことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
- 前記本体部のパネル面が載置面に直接対接しない突出部を設けて成ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電子機器。
- 前記カメラ部を前記本体に対し回動させて、該カメラ部を該本体部を保持する脚部と成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の電子機器。
- 本体部内に記録・再生部を有し、被写体からの光を結像するレンズを有するカメラ部を該本体部に対し、回動可能と成した電子機器であって、
上記本体部の一端側を枢軸として、上記カメラ部を該本体部に対し、回動可能とし、上記カメラ部の上記レンズを有する側に該カメラ部と該本体部間を該レンズを覆う様に摺動自在に配設された摺動手段と、
上記摺動手段が上記カメラ部の上記レンズを覆っているように摺動した場合に該カメラ部を上記枢軸を中心に回動を防止するロック手段とを具備してなることを特徴とする電子機器。 - 前記摺動手段を前記カメラ部側に摺動させた場合に前記枢軸を中心に該カメラ部を回転させた時に該摺動手段を1方向に偏倚させる偏倚手段を前記本体部に配設して成ることを特徴とする請求項5記載の電子機器。
- 前記レンズ部を前記枢軸を中心に回動させた場合には前記摺動手段を摺動出来ない様なロック手段を配設して成ることを特徴とする請求項5又は請求項6記載の電子機器。
- 前記摺動部材と対抗した本体部にマイクロホンを設け、該摺動手段を該本体部側に摺動させた時には該マイクロホンを収音可能状態とし、該摺動手段を前記カメラ部側に摺動させた時には該マイクロホンを閉蓋状態と成したことを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか1項記載の電子機器。
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Cited By (3)
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JP2007124338A (ja) * | 2005-10-28 | 2007-05-17 | Kyocera Corp | 電子機器 |
JP2008067024A (ja) * | 2006-09-07 | 2008-03-21 | Sharp Corp | 表示装置及び表示システム |
CN101212499B (zh) * | 2006-12-25 | 2011-12-14 | 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 | 滑盖式电子装置 |
-
2003
- 2003-07-10 JP JP2003195269A patent/JP2005033436A/ja active Pending
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