JP2005032673A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 凝縮水処理機構30が、炭酸イオンの溶存濃度が許容範囲を超える処理対象凝縮水C1,C2,C4を、処理対象凝縮水C1,C2,C4以外の処理不要凝縮水C3とは分別して回収し、処理対象凝縮水C1,C2,C4に対してのみ炭酸イオンを除去する脱炭酸処理を施すように構成されている。また、凝縮水処理機構30が、処理対象凝縮水C1,C2,C4に対してカソード22から排出されたカソードオフガスG3を吹き付けて脱炭酸処理を施すように構成されている。
【選択図】 図1
Description
特許文献1に記載の燃料電池システムでは、凝縮水が滲入する充填材に空気を注入したり、貯留部に貯留されている凝縮水に空気をバブリングすることで、凝縮水に対して空気を吹き付けて炭酸イオンを除去する脱炭酸処理を施すように構成されており、また、凝縮水に吹き付ける空気としては、空気ポンプからカソードに供給される空気の一部を分岐させたものが利用されている。
前記凝縮水処理機構が、炭酸イオンの溶存濃度が許容範囲を超える処理対象凝縮水を、前記処理対象凝縮水以外の処理不要凝縮水とは分別して回収し、前記処理対象凝縮水に対してのみ炭酸イオンを除去する脱炭酸処理を施すように構成されている点にある。
従って、炭酸イオンの溶存濃度が許容範囲を超える処理対象凝縮水を、処理対象凝縮水以外の処理不要凝縮水とは分別して回収し、その分別回収した処理対象凝縮水に対してのみ炭酸イオンを除去する脱炭酸処理を施すように凝縮水処理機構を構成することにより、凝縮水処理機構の高効率化且つ小型化が可能な燃料電池システムを実現することができる。
一方、その他の、カソードから排出されるカソードオフガスから回収したカソードオフガス凝縮水などについては、炭酸イオンが殆ど溶存していないと予想され、これらの凝縮水を、脱炭酸処理を施さない処理不要凝縮水として回収することで、処理対象凝縮水に対して脱炭酸処理を施すための脱炭酸処理能力ができるだけ小さくて済み、高効率化且つ小型化が可能となる。
前記凝縮水処理機構が、所定の処理対象凝縮水に対して前記カソードから排出されたカソードオフガスを吹き付けて炭酸イオンを除去する脱炭酸処理を施すように構成されている点にある。
従って、所定の処理対象凝縮水に対してカソードから排出されたカソードオフガスを吹き付けて脱炭酸処理を施すように凝縮水処理機構を構成することにより、凝縮水処理機構の高効率化且つ小型化が可能な燃料電池システムを実現することができる。
前記カソードオフガス凝縮水が回収されたカソードオフガスを加熱するカソードオフガス加熱手段を備え、
前記凝縮水処理機構が、前記処理対象凝縮水に対して前記カソードオフガス加熱手段で加熱されたカソードオフガスを吹き付けて前記脱炭酸処理を施すように構成されている点にある。
また、炭酸イオンの溶存濃度が許容範囲を超える凝縮水を、脱炭酸処理を施す処理対象凝縮水とし、それ以外の凝縮水を、脱炭酸処理を施さない処理不要凝縮水として分別回収する場合には、処理対象凝縮水貯留部を、処理不要凝縮水を貯留する処理不要凝縮水貯留部とは別のタンクで構成しても構わないが、1つのタンク内に処理対象凝縮水貯留部と処理不要凝縮水貯留部とに区画する堰を設けて、処理対象凝縮水貯留部で脱炭酸処理が施された処理対象凝縮水を、一旦、処理不要凝縮水貯留部に合流させて排出するように構成することができ、このように構成することで、タンクの数を少なくして装置の小型化及び部品点数の縮小を図ることができる。
また、炭酸イオンの溶存濃度が許容範囲を超える凝縮水を、脱炭酸処理を施す処理対象凝縮水とし、それ以外の凝縮水を、脱炭酸処理を施さない処理不要凝縮水として分別回収する場合には、処理対象凝縮水通路の出口を、処理不要凝縮水を貯留する処理不要凝縮水貯留部に接続して、処理対象凝縮水通路で脱炭酸処理が施された処理対象凝縮水を、処理不要凝縮水貯留部に合流させて排出するように構成することができ、このように構成することで、脱炭酸処理後の処理対象凝縮水を貯留するためのタンクを省略することができ、装置の小型化及び部品点数の縮小を図ることができる。
本発明に係る燃料電池システムの第1実施形態について、図1に基づいて説明する。
図1に示す燃料電池システム100は、改質器10からアノード21に供給された水素含有ガスG1に含まれる水素と、空気ポンプ5からカソード22に供給された空気Aに含まれる酸素とを、電解質膜23を介して反応させて発電する燃料電池部20を備えて構成されている。
アノード21は、水素含有ガスG1に含まれる水素を発電のために消費して、消費されなかった水素を含み更に燃料電池部20における反応熱及び反応により生成された水分を含む比較的高温多湿のアノードオフガスG2を排出する。
カソード22は、空気Aに含まれる酸素を発電のために消費して、燃料電池部20における反応熱及び反応により生成された水分を含む比較的高温多湿のカソードオフガスG3を排出する。
即ち、凝縮水処理機構30は、処理対象凝縮水を処理不要凝縮水とは分別して回収し、その処理対象凝縮水に対してのみ脱炭酸処理を施すように構成されており、脱炭酸処理の効率が向上され、更に、装置の小型化が実現されている。
また、処理タンク31内で脱炭酸処理が施された処理対象凝縮水C1,C2,C4は、連通路33を通って、タンク35内に流入し、タンク35内に貯留されている処理不要凝縮水C3と共に、排出路37から排出されて、例えば、改質器10の水蒸気改質用の処理用水として再利用される。
また、処理対象凝縮水貯留部42で脱炭酸処理が施された処理対象凝縮水C1,C2,C4は、区画壁41を上方を乗り越えて、処理不要凝縮水貯留部43に流入し、処理不要凝縮水貯留部43に貯留されている処理不要凝縮水C3と共に、排出路37から排出される。尚、脱炭酸処理が施された処理対象凝縮水C1,C2,C4は、区画壁41の上方からではなく、区画壁41の下方に形成した間隙を通って処理不要凝縮水貯留部43に流入しても構わない。
更に、区画壁41を、軸心方向を鉛直方向としてタンク40内に立設された筒状体で構成しても構わず、例えば、その筒状体の内側を処理対象凝縮水貯留部42とし、筒状体の外側を処理不要凝縮水貯留部43としても構わない。
また、筒状体51の下端部はタンク50内に貯留されている凝縮水に浸漬されている。
また、処理対象凝縮水通路52において脱炭酸処理が施された処理対象凝縮水C1,C2,C4は、タンク50内に流入し、処理不要凝縮水C3と共に、排出路37から排出される。
また、図3のように漏斗状壁57を設けることにより、処理対象凝縮水C1,C2,C4が充填材53に滲入せずに筒状体51の内壁を伝って投下することを抑制することができ、このような内壁を伝った処理対象凝縮水C1,C2,C4の投下による脱炭酸処理の効率低下を抑制することができる。
即ち、筒状体51の筒軸心に配置された軸体59周りに螺旋状壁58を設けることで、処理対象凝縮水C1,C2,C4とカソードオフガスG3とが通過する処理対象凝縮水通路52は、その通過距離が拡大された螺旋状の通路となり、処理対象凝縮水C1,C2,C4とカソードオフガスG3とを良好に接触させて、脱炭酸処理の高効率化を図ることができる。
また、アノードオフガス凝縮水C2と燃焼排ガス凝縮水C4とは別に、炭酸イオンの溶存濃度が許容範囲を超えると予想される凝縮水があれば、その凝縮水を処理対象凝縮水として、処理不要凝縮水とは分別して回収し、その処理対象凝縮水に対して脱炭酸処理を施しても構わない。
本発明に係る燃料電池システムの第2実施形態について、図5に基づいて説明する。尚、図5において、図1に付した符号と同じ符号を付した構成については、前述の第1実施形態と同様の構成であるため、詳細な説明は割愛する。
図5に示す燃料電池システム200の凝縮水処理機構60は、上記第1実施形態の凝縮水処理機構30とは異なり、水素含有ガス凝縮水C1、アノードオフガス凝縮水C2、カソードオフガス凝縮水C3、燃焼排ガス凝縮水C4の全ての凝縮水を分別することなく処理対象凝縮水として、1つのタンク61内に回収するように構成されている。そして、バブリング手段32により、回収した処理対象凝縮水C1,C2,C3,C4に対してカソードオフガスG3を吹き付けて脱炭酸処理が施される。
即ち、タンク61内には、気液分離部13,16,25で分離された水素含有ガス凝縮水C1、アノードオフガス凝縮水C2、及び、燃焼排ガス凝縮水C4が処理対象凝縮水として投入されて貯留し、その貯留されている処理対象凝縮水C1,C2,C4に対して、比較的高温のカソードオフガスG3を吹き付けることにより、高効率に脱炭酸処理を施しながら、カソードオフガスG3中の水蒸気がタンク61内で冷却されて凝縮しカソードオフガス凝縮水C2が、他の凝縮水C1,C2,C4と混ざり合って、タンク61内に貯留され排出される。
10:改質器
11:燃焼器
13,16,25,27:気液分離部
15,24,26:凝縮熱交換器
20:燃料電池部
21:アノード
22:カソード
23:電解質膜
28:加熱熱交換器(カソードオフガス加熱手段の一例)
30,60:凝縮水処理機構
31:処理タンク(処理対象凝縮水貯留部)
32:バブリング手段
52:処理対象凝縮水通路
53:充填材
55:ガス供給手段
57:漏斗状壁(拡散壁)
58:螺旋状壁(拡散壁)
61:タンク(処理対象凝縮水貯留部)
100:燃料電池システム
C1:水素含有ガス凝縮水
C2:アノードオフガス凝縮水
C3:カソードオフガス凝縮水
C4:焼排ガス凝縮水
G0:原燃料ガス
G1:水素含有ガス
G2:アノードオフガス
G3:カソードオフガス
G4:燃焼排ガス
Claims (8)
- アノード側の水素とカソード側の酸素とを電解質膜を介して反応させて発電する燃料電池部と、所定の処理ガスから回収した凝縮水を処理する凝縮水処理機構とを備えた燃料電池システムであって、
前記凝縮水処理機構が、炭酸イオンの溶存濃度が許容範囲を超える処理対象凝縮水を、前記処理対象凝縮水以外の処理不要凝縮水とは分別して回収し、前記処理対象凝縮水に対してのみ炭酸イオンを除去する脱炭酸処理を施すように構成されている燃料電池システム。 - 前記凝縮水処理機構が、改質器において燃料を水蒸気改質して生成され前記アノードに供給される水素含有ガスから回収した水素含有ガス凝縮水、前記アノードから排出されたアノードオフガスから回収したアノードオフガス凝縮水、及び、前記アノードオフガスを燃焼させて排出された燃焼排ガスから回収した燃焼排ガス凝縮水については、前記処理対象凝縮水として回収するように構成されている請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記凝縮水処理機構が、前記処理対象凝縮水に対して前記カソードから排出されたカソードオフガスを吹き付けて前記脱炭酸処理を施すように構成されている請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
- アノード側の水素とカソード側の酸素とを電解質膜を介して反応させて発電する燃料電池部と、所定の処理ガスから回収した凝縮水を処理する凝縮水処理機構とを備えた燃料電池システムであって、
前記凝縮水処理機構が、所定の処理対象凝縮水に対して前記カソードから排出されたカソードオフガスを吹き付けて炭酸イオンを除去する脱炭酸処理を施すように構成されている燃料電池システム。 - 前記凝縮水処理機構が、前記カソードから排出されたカソードオフガスからカソードオフガス凝縮水を、前記脱炭酸処理を施さない処理不要凝縮水として回収するように構成され、
前記カソードオフガス凝縮水が回収されたカソードオフガスを加熱するカソードオフガス加熱手段を備え、
前記凝縮水処理機構が、前記処理対象凝縮水に対して前記カソードオフガス加熱手段で加熱されたカソードオフガスを吹き付けて前記脱炭酸処理を施すように構成されている請求項3又は4に記載の燃料電池システム。 - 前記凝縮水処理機構が、前記処理対象凝縮水を貯留する処理対象凝縮水貯留部と、前記処理対象凝縮水貯留部に貯留している処理対象凝縮水中に前記カソードオフガスをバブリングして前記脱炭酸処理を施すバブリング手段とを備えて構成されている請求項3〜5の何れか1項に記載の燃料電池システム。
- 前記凝縮水処理機構が、前記処理対象凝縮水が滲入する充填材を充填した処理対象凝縮水通路を備えると共に、前記充填材中に前記カソードオフガスを通過させて前記脱炭酸処理を施すガス供給手段とを設けて構成されている請求項3〜5の何れか1項に記載の燃料電池システム。
- 前記処理対象凝縮水通路に、前記充填材中における前記処理対象凝縮水の拡散を促進する拡散壁が設けられている請求項7に記載の燃料電池システム。
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