JP2005030536A - シール構造 - Google Patents

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清 可児
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智可至 井元
Etsuro Nakada
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Abstract

【課題】 圧力容器を大型化せずに高気圧の気体を封入可能なシール構造を提供する。
【解決手段】 気体が封入される中空部材1と蓋体2とを備えてなる圧力容器内を密封状態下に保持するシール構造において、中空部材1と蓋体2との間に複数のシール部材5,6を設け、各シール部材5,6間に圧力容器内圧力よりも低い圧力の気体を封入するとともに、各シール部材5,6間に封入される気体の圧力が圧力容器外方側に向うほど低くなるようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、シール構造に関し、特に、気体が封入される中空部材と蓋体とを備えてなる圧力容器内を密封状態下に保持するシール構造の改良に関する。
従来、この種シール構造は、いわゆるガススプリングやエアダンパのシリンダ内を密封状態下に保持するために使用されており、たとえば、ガススプリングのシリンダと、シリンダに挿通されるピストンロッドとの間に配在されているものが知られている。
このシール構造にあっては、シール部材としてUパッキンを用い、Uパッキンの内側リップをピストンロッドに摺接させるとともに、Uパッキンの外側リップをシリンダ内周に当接することで、シリンダ内を密封状態下に保持するものである(たとえば、特許文献1参照)。
特開2002−286070号公報(第3頁右欄第36行目から第4頁左欄第18行目まで,図1)
しかしながら、このようなシール構造にあっては、機能上問題があるわけではないが、以下のような不具合を招来する可能性があると指摘される恐れがある。
すなわち、従来のシール構造では、一般的にシール部材がゴム材を主材料としており、特に、上述のガススプリング等の摺動部に使用される場合には、その耐磨耗性、耐破裂性の制約から、シール部材の実用上、圧力容器としてのシリンダにおける内圧力の上限は8〜10MPa程度である。他方、ガススプリング等の用途に鑑みると、近年では、コンパクト化、低コスト化および大荷重用途に対する要求が強く、高気圧の気体を封入可能なシール構造が望まれている。
すると、従来のシール構造では、高気圧の気体をシリンダ内に封入しようとするのであれば、シール部材をどうしても大型化せざるを得ず、また、上述のように実用上、シリンダ内圧力を高めるには限界がある。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、圧力容器を大型化せずに高気圧の気体を封入可能なシール構造を提供することである。
上記した目的を解決するために、本発明の第1の課題解決手段におけるシール構造は、気体が封入される中空部材と蓋体とを備えてなる圧力容器内を密封状態下に保持するシール構造において、中空部材と蓋体との間に複数のシール部材を設け、各シール部材間に圧力容器内圧力よりも低い圧力の気体を封入するとともに、各シール部材間に封入される気体の圧力が圧力容器外方側に向うほど低くなるようにした。
また、第2の課題解決手段におけるシール構造は、第1の課題解決手段において、各シール部材間に封入される気体の圧力が、圧力容器外方側に向うほど、圧力容器内圧力値を設けられるシール部材の数で除した値ずつ低くなるように設定されることを特徴とする。
さらに、第3の課題解決手段におけるシール構造は、第1または第2の課題解決手段において、中空部材をシリンダとし、蓋体をシリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンを介してシリンダ内に移動自在に挿通されるピストンロッドとしたことを特徴とする。
また、第4の課題解決手段におけるシール構造は、第3の課題解決手段において、シール部材をUパッキンとしたことを特徴とする。
そして、第5の課題解決手段におけるシール構造は、第3の課題解決手段において、シール部材を、内周側および外周側にそれぞれOリングを嵌装した環状部材としたことを特徴とする。
さらに、第6の課題解決手段は、第3の課題解決手段において、シール部材のうちシリンダ最内方に設けられるシール部材を、内周側および外周側にそれぞれOリングを嵌装した環状部材とし、他のシール部材をUパッキンとしたことを特徴とする。
各請求項の発明によれば、従来のシール構造に比較して、封入できる気体圧力を設けたシール部材の数に比例して高めることが可能となる。シール部材の規格の耐圧力値を加算した値まで高めることが可能である。よって、シール部材の規格を変えることなく、圧力容器の中空部材内に封入される気体の圧力を従来のシール構造に比較して飛躍的に高めることが可能であり、さらに、シール部材の規格を変えずにすむので、圧力容器の中空部材内に封入される気体の圧力を高めるに際し、シール部材を大型化する必要が無いので、封入気体圧力が従来に比較して高気圧となっても圧力容器の中空部材自体も必要以上に大型化しなくてはならないという弊害が無い。すなわち、圧力容器を大型化せずに高気圧の気体を封入可能である。
また、シール部材を複数設けることにより、各シール部材に負荷される圧力を低減することができるので、特に、摺動部位をシールする場合には、その摺動部位に発生する摩擦力を圧力に比例して低減できるので、全体としての摺動抵抗は気体封入圧力に見合った値以上に増加することがない。
請求項2の発明によれば、各シール部材に負荷される実質的な圧力値が同じになるので、各シール部材の劣化、摩耗状況に偏りを生じることがなくなるので、シール構造の長寿命化が図られることとなる。
請求項3の発明によれば、ガススプリング等のコンパクト化の要請にこたえることができ、さらに、規格品を使用すればよく、且つ、大型化という弊害が無いので、低コストで高気圧の気体封入を可能とすることができる。
また、ガススプリング等にこのシール構造が具現化された場合にあっては、あっては、コンパクトかつ低コストで高気圧の気体を封入することができるので高荷重用途に対応が可能となる。
さらに、請求項4の発明によれば、シール部材にUパッキンを使用しているので、Uパッキンの内側リップに気体の圧力を負荷することにより、内側リップを変形させることにより、UパッキンとUパッキンとの間に気体を封入することができるので、気体封入作業が容易に行える。
また、請求項5の発明によれば、シール部材を内周側および外周側にそれぞれOリングを嵌装した環状部材としたので、環状部材はシリンダをかしめることによりその場に固定することができ、Uパッキンのようにその移動防止の為にリテーナを設けることを要しないので、圧力容器を軽量なものにすることができ、また、Uパッキンに比較して小型で安価であるので、圧力容器の設計自由度が向上する。
そして、請求項6の発明によれば、シリンダ最内方に位置するシール部材を内周側および外周側にそれぞれOリングを嵌装した環状部材としたので、環状部材はシリンダをかしめることによりその場に固定することができ、Uパッキンのようにその移動防止の為にリテーナを設けることを要しないので、圧力容器を軽量なものにすることができ、また、Uパッキンに比較して小型で安価であるので、圧力容器の設計自由度が向上する。
さらに、他のシール部材にUパッキンを使用しているので、Uパッキンの内側リップに気体の圧力を負荷することにより、内側リップを変形させることにより、UパッキンとUパッキンとの間に気体を封入することができるので、気体封入作業が容易に行える。
本実施の形態の説明上、この発明がガススプリングに具現化された場合として以下詳細にこの発明について説明する。本発明におけるシール構造の基本形態は、図1に示すように、中空部材たるシリンダ1と蓋体たるピストンロッド2との間に設けた2つのシール部材たるUパッキン5,6と、Uパッキン5とUパッキン6との間に形成した減圧室10とで構成される。
他方、本発明のシール構造が具現化されるガススプリングGは、筒状のシリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されたピストン3と、シリンダ1内にピストン3を介して移動自在に挿通されるピストンロッド2と、ピストンロッド2を軸支するロッドガイド24と、上述のシール構造とで構成され、シリンダ1内はピストン3によって、上室R1と下室R2とに区画され、この上室R1と下室R2とを連通するオリフィス3aがピストン3に設けられている。
そして、上記のシール構造のUパッキン5,6にて、シリンダ1の図1中下端開口部が封止されるとともに、シリンダ1の図1中上端開口部がプラグPにより封止され、さらに、シリンダ1内には気体が封入されている。したがって、このガススプリングGでは、ピストン3の図1中上面と下面との受圧面積差によりピストン3に常に伸張する方向の力が作用するので、ガススプリングGは空気バネとして機能する。なお、本発明では圧力容器は、中空部材たるシリンダ1と蓋体たるピストンロッド2で構成されることになる。
また、シリンダ1の図1中下方には、ピストンロッド2が挿通される孔を備えた有孔円盤状のリテーナ8がシリンダ1にロールかしめを施すことにより固定され、このリテーナ8によりピストン3が後述のシール構造のUパッキン5に接触することが防止される。
そして、このリテーナ8より図1中下方には、Uパッキン5が設けられ、このUパッキン5は、Uパッキン5の強度を補償する環状のインサートメタル20にゴム等の素材を金型内で圧縮して成形する公知のもので、凹部5aを有する円環状に形成され、凹部5aを境として環状の内側リップ5bと環状の外側リップ5cを備えている。そして、Uパッキン5の内側リップ5bの先端を蓋体たるピストンロッド2に摺接して、さらに、Uパッキン5の外側リップ5cを中空部材たるシリンダ1に当設させている。また、Uパッキン5の図1中下方には、シリンダ1にロールかしめを施すことにより、シリンダ1内周に固定され、ピストンロッド2が挿通される孔を備えた有孔円盤状のリテーナ23が設けられており、Uパッキン5は、このリテーナ23の図1中上面に載置されている。さらに、Uパッキン5とリテーナ8との間には、ピストンロッド2の外周を潤滑する潤滑油15が充填されている。この潤滑油15は、ピストンロッド2がシリンダ1に対して移動するときに、その外周に附着するから、ピストンロッド2とUパッキン5の内側リップ5bとの間が潤滑されるので、ピストンロッド2の移動を円滑なものとすることができる。
さらに、リテーナ23より図1中下方には、Uパッキン6が設けられ、このUパッキン6もUパッキン5と同様の構成であって、Uパッキン6の強度を補償する環状のインサートメタル21にゴム等の素材を金型内で圧縮して成形され、凹部6a、内側リップ6bおよび外側リップ6cを備えており、内側リップ6bをピストンロッド2に摺接して、さらに、外側リップ6cを中空部材たるシリンダ1に当設させている。また、Uパッキン6の図1中下方には、シリンダ1の図1中下方の管端部をかしめることによりシリンダ1内周に固定され、ピストンロッド2を軸支する有孔円盤状のロッドガイド24が設けられており、Uパッキン6は、このロッドガイド24の図1中上面に載置されている。さらに、このリテーナ23、Uパッキン6、シリンダ1内周およびピストンロッド2の外周で減圧室10が形成され、この減圧室10内には、ピストンロッド2の外周を潤滑する潤滑油16が充填されるとともに、シリンダ1内の上室R1および下室R2内の気体圧力、すなわち、圧力容器としてのシリンダ1内圧力より低い圧力の気体が封入されている。なお、潤滑油16の働きは潤滑油15と同様であり、ピストンロッド2とUパッキン6の内側リップ6bとの間が潤滑されている。
本発明のシール構造は、上述のように構成され、Uパッキン5は、図1中上方からシリンダ1内の圧力を受けることとなるが、他方、図1中下方から減圧室10内に封入されている気体の圧力を受けることとなる。したがって、Uパッキン5には、シリンダ1内圧力の値から減圧室10内圧力の値を差し引いた値の圧力が図1中上方から負荷されているのとほぼ同様の状況下にあり、結果的にUパッキン5は、シリンダ1内圧力の値から減圧室10内圧力の値を差し引いた値の圧力の気体を封止することができればよいこととなる。また、Uパッキン6は、減圧室10側から圧力を受けるから減圧室10内圧力の気体を封止することができればよいこととなる。なお、上記したところから、各Uパッキン5,6には、かならず、シリンダ1の内方側から外方側に向けて力を受け、リテーナ23およびロッドガイド24によりその移動が規制されているので、各Uパッキン5,6がシリンダ1内で移動することが防止されている。
すると、たとえば、Uパッキン5,6が規格上10MPa以内の気体圧力で圧力容器内を封止可能なものであれば、Uパッキン5,6にはそれぞれ10MPaの気体圧力を封止すればよいことから、減圧室10内の気体圧力を10MPaとしておけば、シリンダ1内の気体圧力を20MPaとすることができる。したがって、本実施の形態におけるシール構造では、同じUパッキンを使用することを前提とすれば従来のシール構造で封入できる気体圧力を2倍にすることが可能となる。なお、実際に圧力容器の中空部材たるシリンダ1内および減圧室10内に封入する気体の圧力は、シール部材たるUパッキンの規格に併せて、設定すればよく、後述する第2の実施の形態のように、シール部材の数を増やして、各シール部材の間に気体を封入するとすれば、本実施の形態のシール構造よりも高気圧の気体を圧力容器の中空部材たるシリンダ1内に封入することも可能である。
よって、シール部材たるUパッキンの規格を変えることなく、圧力容器の中空部材たるシリンダ内に封入される気体の圧力を従来のシール構造に比較して飛躍的に高めることが可能であり、さらに、シール部材たるUパッキンの規格を変えずにすむので、圧力容器の中空部材たるシリンダ内に封入される気体の圧力を高めるに際し、シール部材たるUパッキンを大型化する必要が無いので、封入気体圧力が従来に比較して高気圧となっても圧力容器の中空部材たるシリンダ自体も必要以上に大型化しなくてはならないという弊害が無い。したがって、圧力容器を大型化せずに高気圧の気体を封入可能であり、裏を返せば、ガススプリング等のコンパクト化の要請にこたえることができ、さらに、規格品を使用すればよく、且つ、大型化という弊害が無いので、低コストで高気圧の気体封入を可能とすることができる。
また、ガススプリングにこのシール構造が具現化された場合にあっては、コンパクトかつ低コストで高気圧の気体を封入することができるので高荷重用途に対応が可能となる。
なお、各Uパッキン5,6とピストンロッド2の外周との間で発生する摩擦力は、ほぼUパッキン5,6に負荷される気体圧力に比例するが、上述のように、Uパッキン5,6には、それぞれ実質的に負荷され圧力は、シリンダ1内の気体圧力の値から減圧室10内の気体圧力の値を差し引いた値の圧力、および、減圧室10内の圧力であるから、摩擦部位は従来のシール構造に比較して増えるものの、全体としての摩擦力は増加せず、摩擦力に起因する摺動抵抗は増加することは無い。換言すれば、本発明のシール構造では、シール部材を複数設けることにより、各シール部材に負荷される圧力を低減することができるので、摺動抵抗は圧力容器の封入圧力に見合った値以上になることはない。
なお、シール部材を2つ以上設ける場合には、減圧室内圧力の値を、圧力容器外方側に向うほど圧力容器の中空部材たるシリンダ1の内圧の値をシール部材の数で除した値ずつ低くなるように設定しておけば、各シール部材に負荷される実質的な圧力値は最低値となる。
また、この場合には、各シール部材に負荷される実質的な圧力値は同じになるので、各シール部材の劣化、摩耗状況に偏りを生じることがなくなるので、シール構造の長寿命化が図られることとなる。
つづいて、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態におけるシール構造は、図2に示す通り、やはり第1の実施の形態におけるガススプリングGに具現化されており、シール部材を3つにしたものである。なお、第1の実施の形態と同様の部材については、説明が重複するので、同一の符号を付するのみとしてその詳しい説明を省略することとする。
以下、第1の実施の形態と異なる部分について、詳細に説明すると第2の実施の形態におけるシール構造は、第1の実施の形態にシール部材を1つ追加したものであって、具体的には、図2に示すように、リテーナ8とUパッキン5との間に、シール部材Sを追加してある。このシール部材Sは、内周側および外周側にそれぞれOリング31,32を嵌装した環状部材30で構成され、シリンダ1にロールかしめを施すことにより、シリンダ1内周に固定されている。そして、このロールかしめが施された部分に、環状部材30の外周側に嵌合するOリング31が圧接され、その内周側に嵌合するOリング32はピストンロッド2の外周に摺接している。また、この環状部材30の図2中上方には潤滑油17が充填され、ピストンロッド2の外周とOリング32との間が潤滑され、さらに、この環状部材30、Uパッキン5、シリンダ1内周およびピストンロッド2の外周で減圧室11が形成され、この減圧室11内には、ピストンロッド2の外周を潤滑する潤滑油15が充填されるとともに、シリンダ1内の上室R1および下室R2内の気体圧力、すなわち、圧力容器の中空部材としてのシリンダ1内圧力より低い圧力の気体が封入されている。
また、Uパッキン5とUパッキン6との間に形成されている減圧室10内には、減圧室11の気体圧力より低い圧力の気体が封入されている。したがって、第2の実施の形態にあっては、減圧室が2つ設けられている。
そして、第2の実施の形態にあっては、たとえば、シール部材SおよびUパッキン5,6が規格上10MPa以内の気体圧力で圧力容器内を封止可能なものであれば、シール部材SおよびUパッキン5,6にはそれぞれ10MPaの気体圧力を封止すればよいことから、減圧室10内の気体圧力を10MPa、減圧室11内の気体圧力を20MPaとしておけば、シリンダ1内の気体圧力を30MPaとすることができる。したがって、本実施の形態におけるシール構造では、同じUパッキンを使用することを前提とすれば従来のシール構造で封入できる気体圧力を3倍にすることが可能となる。
すなわち、シール部材の数を増やしていくことにより、圧力容器の中空部材としてのシリンダ1内圧力を、最大でシール部材の耐圧規格を加算した値まで増加させることができる。したがって、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができるが、第2の実施の形態では、シール部材Sを内周側および外周側にそれぞれOリング31,32を嵌装した環状部材30としたので、環状部材30はシリンダ1をかしめることによりその場に固定することができ、Uパッキンのようにその移動防止の為にリテーナを設けることを要しないので、圧力容器を軽量なものにすることができ、また、Uパッキンに比較して小型で安価であるので、圧力容器の設計自由度が向上する。
なお、環状部材30は、リテーナ8と形状が同等であり、実質的にリテーナ8の機能を発揮することができるので、廃止することも可能であり、その場合にはガススプリングを低コスト化することができる。ただし、ガススプリングが急激な伸び切りが発生する用途に使用される場合には、リテーナ8を廃止すると潤滑油17によってオイルロック圧が発生しOリング31,32が破損する可能性があるので、ガススプリングの用途に応じてリテーナ8の廃止の可不可を選択する必要がある。
最後に、本発明のシール構造を適用した圧力容器たるガススプリング内へ気体を封入する方法について説明する。
図3は、シール構造のシール部材間に気体を封入する方法を示した説明図である。まず、圧力容器たるガススプリングGのシリンダ1にピストン3およびピストンロッド2を挿入し、リテーナ8をシリンダ1の内周にロールかしめを施すことにより固定し、潤滑油17を充填し、さらに、シリンダ1の最内方に位置するシール部材Sたる内周側および外周側にそれぞれOリング31,32を嵌装した環状部材30をシリンダ1内周に固定しておく。なお、シール部材をUパッキンとする場合には、Uパッキンの移動防止の為に第1の実施の形態で説明したリテーナを別途固定する。
つづいて、潤滑油15をシリンダ1内に図3中下方から充填するとともに、2つめのシール部材たるUパッキン5をシリンダ1内に挿入し、リテーナ23をシリンダ1内周にロールかしめを施すことにより固定する。
この状態で、シリンダ1の上室R1と下室R2内に気体を封入し、シリンダ1の図3中上端をプラグPで栓をしてシリンダ1内を密封する。つづいて、図3に示すように、シリンダ1の図3中下端開口部から、気体封入装置50をシリンダ1内に挿入する。この気体封入装置は、ピストンロッド挿入孔50cが設けられた本体50bと、本体50bから立ち上りシリンダ1内に挿入される円筒状の挿入部50aと、挿入部の外周側および内周側にそれぞれ嵌合するOリング51,52と、気体圧源55と、気体圧源55と挿入部50aの上端とを接続する流路53と、流路53の途中に設けた開閉バルブ54とで構成され、シリンダ挿入タイプに設定されている。この挿入部50aがシリンダ1内に挿入されると、上記Oリング51はシリンダ1の内周側に圧接され、他方のOリング52はピストンロッド2の外周に圧接されるので、シリンダ1内のシール部材Sより下方のシリンダ1内は密封状態とされる。そして、気体封入装置50の開閉バルブ54を開くと、気体圧源55から気体がUパッキン5より下方のシリンダ1内に導かれ、Uパッキン5の内側リップ5bに気体の圧力が付加されるので、内側リップ5bが変形し、僅かに当該内側リップ5bとピストンロッド2の外周との間に隙間を生じて、気体がUパッキン5とシール部材Sとの間に形成される減圧室11内に流入する。すなわち、減圧室を仕切るシール部材にUパッキンを使用しているので、気体封入作業が容易に行える。なお、この気体封入作業は、減圧室11内の気体圧力が所定の圧力に達するまで続けられる。
そして、この気体封入作業が終了すると、図示はしないが、シリンダ1の図3中下方から第2の実施の形態におけるシール構造と同様に潤滑油16が充填され、さらに、Uパッキン6が挿入されるとともに、ロッドガイド24がシリンダ1内周にシリンダ1の図3中管端部をかしめることにより固定される。
この状態で、気体封入装置でUパッキン5とUパッキン6との間の減圧室10内に気体を封入する。この場合の気体封入装置は、図示はしないが、上述の気体封入装置とは、挿入部50aの径が異なるものが使用される。すなわち、上記挿入部50aの外径は、シリンダ1内に挿入されるので、シリンダ1内に挿入できる径とされていたが、この場合には、気体封入装置は、シリンダ1はかしめられロッドガイド24が固定している状態でありシリンダ1内に挿入ができないので、この挿入部50aの内径をシリンダ1が挿入できる径に設定し、挿入部50aの内周とシリンダ1の外周との間をシールするために挿入部50aの外周側に換えて内周側にOリングが設けられる、シリンダを覆うタイプに設定されている。なお、上述のようにシリンダを覆うタイプに設定しておけば、シリンダ1下端を密封できるので、この気体封入装置のみでガススプリングの各減圧室内に気体封入することが可能となるが、シリンダ1の図3中管端部をカシメる前に期待を封入する際にはOリング51が傷付く可能性があるので通常はシリンダ1の上記管端部をカシメた後に使用される。すなわち、管端部をカシメた後のシリンダ外周端部は円弧状に成形されるのでOリング51の挿入は容易であるが、カシメ前はシリンダ管端部外周はエッジが立っておりOリング51の挿入時に当該管端部外周でOリング51が傷付く可能性がある。
なお、上記したところでは、シール部材を3つ設けた場合について説明したが、シール部材をそれ以上設ける場合には、上記作業を繰り返し行えばシール構造における気体封入作業を行うことができる。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。また、本発明はガススプリングに具現化されているが、ガススプリング以外の空圧機器の摺動部に具現化可能であるだけでなく、当然であるが、気体を封入した圧力容器にこのシール構造が適用可能なことは無論である。
第1の実施の形態におけるシール構造が具現化されたガススプリングの縦断面図である。 第2の実施の形態におけるシール構造が具現化されたガススプリングの縦断面図である。 シール構造のシール部材間に気体を封入する方法を示した説明図である。
符号の説明
1 圧力容器の中空部材たるシリンダ
2 圧力容器の蓋体たるピストンロッド
3 ピストン
5,6 シール部材たるUパッキン
30 環状部材
31,32 Oリング
G ガススプリング
R1 上室
R2 下室
S シール部材

Claims (6)

  1. 気体が封入される中空部材と蓋体とを備えてなる圧力容器内を密封状態下に保持するシール構造において、中空部材と蓋体との間に複数のシール部材を設け、各シール部材間に圧力容器内圧力よりも低い圧力の気体を封入するとともに、各シール部材間に封入される気体の圧力が圧力容器外方側に向うほど低くなるようにしたことを特徴とする。
  2. 各シール部材間に封入される気体の圧力が、圧力容器外方側に向うほど、圧力容器内圧力値を設けられるシール部材の数で除した値ずつ低くなるように設定されることを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
  3. 中空部材をシリンダとし、蓋体をシリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンを介してシリンダ内に移動自在に挿通されるピストンロッドとしたことを特徴とする請求項1または2に記載のシール構造。
  4. シール部材をUパッキンとしたことを特徴とする請求項3に記載のシール構造。
  5. シール部材を、内周側および外周側にそれぞれOリングを嵌装した環状部材としたことを特徴とする請求項3に記載のシール構造。
  6. シール部材のうちシリンダ最内方に設けられるシール部材を、内周側および外周側にそれぞれOリングを嵌装した環状部材とし、他のシール部材をUパッキンとしたことを特徴とする請求項3に記載のシール構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008095801A (ja) * 2006-10-11 2008-04-24 Kayaba Ind Co Ltd 摺動部のシール構造
JP2009257503A (ja) * 2008-04-17 2009-11-05 Fuji Latex Kk 耐環境アダプター及びこれを備えた耐環境ダンパー装置
JP2013034635A (ja) * 2011-08-08 2013-02-21 Kimiya Furuta 高気圧酸素供給装置およびそれに用いられるシール部材

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