JP2005027019A - スピーカ付きシート - Google Patents
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Abstract
【課題】電気音響機器からの音を自然的かつ明瞭に聴取可能であって、環境雑音をも共に明瞭に聴取可能な音場をシートに着座した人の耳周辺に作り出すことのできるスピーカ付きシートを提供すること。
【解決手段】シートのヘッドレスト16の左右両側に、それぞれスピーカ保持部材18を取り付け、内面側の内部に平面波を放射するスピーカユニット20C,M,Sを埋め込む。シートクッション12に着座した乗員22は、両耳24の真横に配置されたスピーカユニット20C,M,Sから耳24に向かって直進する平面波の音を両耳で聞くことができ、かつまた、同時的に周囲から伝搬してくる環境音をも同時的に両耳24で聴くことができる。
【選択図】 図2
【解決手段】シートのヘッドレスト16の左右両側に、それぞれスピーカ保持部材18を取り付け、内面側の内部に平面波を放射するスピーカユニット20C,M,Sを埋め込む。シートクッション12に着座した乗員22は、両耳24の真横に配置されたスピーカユニット20C,M,Sから耳24に向かって直進する平面波の音を両耳で聞くことができ、かつまた、同時的に周囲から伝搬してくる環境音をも同時的に両耳24で聴くことができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートに着座した者が、オーディオ機器等からの音と環境雑音(周囲雑音)等とを自然的に共に聴取可能な音場を作り出すスピーカ付きシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、航空機では、シートに着座した乗員は、機内で提供される音楽等を一般的にヘッドフォンで聞いている(例えば、特許文献1参照。)
【0003】
【特許文献1】
特開平08−102741号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ヘッドフォンで音楽等を聞いている場合、他の人から声をかけられた場合、気が付き難い問題がある。
【0005】
また、ヘッドフォンは、圧迫感があり、また、ヘアースタイルを乱す場合もある。
【0006】
また、近年では、5.1チャンネルサラウンド音場を得ることの出来るスピーカシステムが市場に出回っているが、シートに着座した人のみが聴取可能なものは開発されていなかった。
【0007】
本発明は上記事実を考慮し、電気音響機器からの音を自然的(すなわち、ヘッドホン若しくはイヤホンによることなく)かつ明瞭に聴取可能であって、環境雑音をも共に明瞭に聴取可能な音場をシートに着座した人の耳周辺に作り出すことのできるスピーカ付きシートを提供することが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のスピーカ付きシートは、シートクッション、及びシートバックを備えたシート本体と、複数のスピーカと、を備え、多チャンネルのサラウンドサウンドを再生可能なスピーカ付きシートであって、少なくとも、メインの左右2チャンネルの音を再生する左右一対のメインチャンネル用スピーカと、センターチャンネルの音を再生する左右一対のセンターチャンネル用スピーカと、左右のサラウンドチャンネルの音を再生する左右一対のサラウンド用スピーカと、低音用のチャンネルの音または振動を再生する低音用スピーカと、を有し、少なくとも 前記メインチャンネル用スピーカ、前記センターチャンネル用スピーカ、及び前記サラウンド用スピーカは、前記シートクッションに着座した人間の頭部の側方に配置され、前記人間の耳に向けて平面波を放射させる、ことを特徴としている。
【0009】
次に、請求項1に記載のスピーカ付きシートの作用を説明する。
【0010】
請求項1に記載のスピーカ付きシートでは、各スピーカを例えば、5.1チャンネルサラウンドアンプ等の音響信号発生装置に接続し、音響信号発生装置から出力される音響信号を各々のスピーカに入力させると、人間の頭部の側方に配置されたメインチャンネル用スピーカからの音、センターチャンネル用スピーカからの音、サラウンド用スピーカからの音が人間の耳に到達する。
【0011】
平面波(音波の進行する波面が平行面)の特性としては、音圧維持性、遠方への伝達性、直進性及び高指向性等がある(たとえば、通常の振動板が円錐凹部状とされたコーンスピーカ対比)。
【0012】
このため、メインチャンネル用スピーカ、センターチャンネル用スピーカ、及びサラウンド用スピーカから出力される音の音量自体が比較的小さくても、離れた場所で十分な音量が得られる特徴がある。
【0013】
また、ヘッドフォンと異なり、耳と各スピーカ(メインチャンネル用スピーカ、センターチャンネル用スピーカ、サラウンド用スピーカ)との間に空間を設けることができるので、周囲の環境音を同時に聞くことが出来る。
【0014】
しかも、平面波を放射するメインチャンネル用スピーカ、センターチャンネル用スピーカ、及びサラウンド用スピーカにおいては、シートクッションに着座している人の耳以外の方向への音量は極端に低下する(平面波の高指向性故)ため、これら各スピーカからの音は周囲の人にも殆ど聞こえない。
【0015】
請求項2に記載の発明は、シートクッション、及びシートバックを備えたシート本体と、複数のスピーカと、を備え、多チャンネルのサウンドを再生可能なスピーカ付きシートであって、メインの左右2チャンネルの音を再生する左右一対のメインチャンネル用スピーカと、左右のサラウンドチャンネルの音を再生する左右一対のサラウンド用スピーカを有し、前記メインチャンネル用スピーカ、及び前記サラウンド用スピーカは、前記シートクッションに着座した人間の頭部の側方に配置され、前記人間の耳に向けて平面波を放射させる、ことを特徴としている。
【0016】
次に、請求項2に記載のスピーカ付きシートの作用を説明する。
【0017】
請求項2に記載のスピーカ付きシートでは、各スピーカを例えば、4チャンネルアンプ等の音響信号発生装置に接続し、音響信号発生装置から出力される音響信号を各々のスピーカに入力させると、人間の頭部の側方に配置されたメインチャンネル用スピーカからの音、及びサラウンド用スピーカからの音が人間の耳に到達する。
【0018】
平面波(音波の進行する波面が平行面)の特性としては、音圧維持性、遠方への伝達性、直進性及び高指向性等がある(たとえば、通常の振動板が円錐凹部状とされたコーンスピーカ対比)。
【0019】
このため、メインチャンネル用スピーカ、及びサラウンド用スピーカから出力される音の音量自体が比較的小さくても、離れた場所で十分な音量が得られる特徴がある。
【0020】
また、ヘッドフォンと異なり、耳と各スピーカ(メインチャンネル用スピーカ、サラウンド用スピーカ)との間に空間を設けることができるので、周囲の環境音を同時に聞くことが出来る。
【0021】
しかも、平面波を放射するメインチャンネル用スピーカ、及びサラウンド用スピーカにおいては、シートクッションに着座している人の耳以外の方向への音量は極端に低下する(平面波の高指向性故)ため、これら各スピーカからの音は周囲の人にも殆ど聞こえない。
【0022】
請求項3に記載の発明は、シートクッション、及びシートバックを備えたシート本体と、複数のスピーカと、を備え、多チャンネルのサウンドを再生可能なスピーカ付きシートであって、左右2チャンネルの音を再生する左右一対のスピーカを有し、前記スピーカは、前記シートクッションに着座した人間の頭部の側方に配置され、前記人間の耳に向けて平面波を放射させる、ことを特徴としている。
【0023】
次に、請求項3に記載のスピーカ付きシートの作用を説明する。
【0024】
請求項3に記載のスピーカ付きシートでは、各スピーカを例えば、2チャンネルアンプ等の音響信号発生装置に接続し、音響信号発生装置から出力される音響信号を各々のスピーカに入力させると、人間の頭部の側方に配置されたスピーカからの音が人間の耳に到達する。
【0025】
平面波(音波の進行する波面が平行面)の特性としては、音圧維持性、遠方への伝達性、直進性及び高指向性等がある(たとえば、通常の振動板が円錐凹部状とされたコーンスピーカ対比)。
【0026】
このため、スピーカから出力される音の音量自体が比較的小さくても、離れた場所で十分な音量が得られる特徴がある。
【0027】
また、ヘッドフォンと異なり、耳と各スピーカとの間に空間を設けることができるので、周囲の環境音を同時に聞くことが出来る。
【0028】
しかも、平面波を放射するスピーカにおいては、シートクッションに着座している人の耳以外の方向への音量は極端に低下する(平面波の高指向性故)ため、これら各スピーカからの音は周囲の人にも殆ど聞こえない。
【0029】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のスピーカ付きシートにおいて、前記シートバックにヘッドレストを設け、前記各スピーカを、それぞれ前記ヘッドレストの左右に取り付けた、ことを特徴としている。
【0030】
次に、請求項4に記載のスピーカ付きシートの作用を説明する。
【0031】
請求項4に記載のスピーカ付きシートでは、ヘッドレストに各スピーカを取り付けるので、これらのスピーカを耳の近傍に簡単に配置することができる。
【0032】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のスピーカ付きシートにおいて、前記各スピーカが、平面状のダイヤフラムを有する平面スピーカである、ことを特徴としている。
【0033】
次に、請求項5に記載のスピーカ付きシートの作用を説明する。
【0034】
請求項5に記載のスピーカ付きシートでは、スピーカが平面状のダイヤフラムを有する平面スピーカであるので、ダイヤフラムが振動することにより平面波が放射される。
【0035】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のスピーカ付きシートにおいて、周波数の低い音及び振動の少なくとも一方を発生すトランスデューサーを、前記シートバック、及び前記シートクッションの少なくとも一方に設けた、ことを特徴としている。
【0036】
次に、請求項6に記載のスピーカ付きシートの作用を説明する。
【0037】
請求項6に記載のスピーカ付きシートでは、トランスデューサーに周波数の低い電気信号が入力すると、トランスデューサーから周波数の低い音及び振動の少なくとも一方が発生し、シートに着座した聴取者が周波数の低い音及び振動の少なくとも一方を体感することが出来る。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明によるスピーカ付きシート10の一実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。
【0039】
図1に示すように、スピーカ付きシート10は、シートクッション12とシートバック14を備えており、シートバック14には、上下に移動可能なヘッドレスト16が設けられている。
【0040】
図1に示すスピーカ付きシート10は、例えば、航空機や自動車等に用いられるシートであるが、その他、事務椅子、家庭用のソファー、座椅子等であっても良く、その形態及び呼び方はこれに限らない。
【0041】
ヘッドレスト16の左右両側には、それぞれスピーカ保持部材18が取り付けられている。
【0042】
スピーカ保持部材18の表面は、シートバック14と略同じ生地で覆われている。
【0043】
スピーカ保持部材18の内面側の内部には、平面波を放射するスピーカユニット20C,20M,20Sが夫々1個づつ埋め込まれている。
【0044】
スピーカユニット20Mは、5.1チャンネルの内、メインチャンネルの再生用となっている。
【0045】
スピーカユニット20Cは、スピーカユニット20Mのシート前側に配置され、5.1チャンネルの内、センターチャンネルの再生用となっている。
【0046】
スピーカユニット20Sは、スピーカユニット20Mのシート後側に配置されており、5.1チャンネルの内、サラウンドチャンネルの再生用となっている。
【0047】
なお、スピーカ保持部材18は、ユニバーサルジョイント等を介してヘッドレスト16に取り付けても良い。これにより、スピーカ保持部材18の向きを変えることが出来る。
(スピーカの構造)
次に、本実施形態のスピーカユニット20Cを図3、及び図4に基づいて説明する。なお、スピーカユニット20S、及びスピーカユニット20Mは、スピーカユニット20Cよりもサイズが大きいだけであり、以下に述べる基本構造は同一である。
【0048】
図3はスピーカユニット20Cの分解斜視図、図4はスピーカユニット20Cの断面図である。
【0049】
スピーカユニット20Cは、例えば、PCT/JP00/03755号等に記載されているマルチセルフラットスピーカと呼ばれるものを使用することができ、大きさは各種あるが、それらすべてが使用の対象となる。
【0050】
図3及び図4に示すように、本実施形態で用いたスピーカユニット20Cは、磁性体で形成された板状部材からなるヨーク50を備えている。
【0051】
ヨーク50の磁石固定部50Aには、偏平でかつ4角形状に形成された4個の永久磁石52が、異なる極性の磁極面が交互に位置し、磁極面を図の上方に向けて接着により所定の隙間を設けて固定配置されている。
【0052】
ヨーク50の上面側には、永久磁石52の磁極面、従ってヨーク50の上面に対して平行になるように、ダイヤフラム54が磁極面に対して近接して配置されている。
【0053】
ヨーク50のダイヤフラム取付部50Bには、紙等で構成されたスペーサ56を介在させて、矩形枠状の枠体58の外周縁が固定されている。
【0054】
枠体58には、断面半円弧状の弾性部分であるエッジ60が、外周縁に沿って連続して形成されている。
【0055】
枠体58の内周縁側には、ダイヤフラム54の外周縁が接着されている。
【0056】
ダイヤフラム54には、永久磁石52の各々に対応させて、渦巻き状に形成されたコイル62が4個配置されている。
【0057】
各コイル62は、永久磁石52の外縁と略相似形になるように渦巻き状に巻回するように形成されている。
【0058】
各コイル62にはダイヤフラム54の膜面と略平行な方向を向いた磁束が鎖交するようになっている。
【0059】
コイル62に電流を流すと、ダイヤフラム54の膜面に垂直な方向の力を受け、ダイヤフラム54が膜面に垂直な方向に変位する。
【0060】
従って、発生させたい音響を表す電気信号をコイル62に通電することにより、ダイヤフラム54がこの電気信号に応じて振動する。
【0061】
なお、このスピーカユニット20Cは、ダイヤフラム54の各コイル62部分より同位相で平面波が放射され、ダイヤフラム54全体からは各平面波が合成された合成平面波が放射される。
【0062】
本実施形態では、シートクッション12に着座する乗員22が、ヘッドレスト16の高さを調整することで、スピーカユニット20C,20M,20Sを乗員22の耳24と対向させることが出来る。
【0063】
これにより、乗員22は、おおよそ真横から放射されて両耳若しくは両耳近傍に到達若しくは通過する平面波の聴取を可能にしている。
【0064】
また、本実施形態のスピーカ付きシート10では、シートバック14の内部にトランスデューサー20Bが埋め込まれている。
【0065】
トランスデューサー20Bは、例えば、50Hz以下の周波数の音(または振動)を放射可能としている。
【0066】
なお、本実施形態では、トランスデューサー20Bは、シートバック14の表皮側(乗員22の背中が接触する部分)に設けられて、乗員22の背中に向けて音を放射するようになっている。
【0067】
なお、トランスデューサー20Bは、シートクッション12に埋め込んでも良い。
【0068】
これら、スピーカユニット20C,20M,20S、及びトランスデューサー20Bは、図示しない配線を介して、例えば、図示しない5.1チャンネルサラウンドアンプに接続される。
【0069】
なお、スピーカユニット20Cはアンプのセンターチャンネル用スピーカ出力端子に、スピーカユニット20Mはアンプのメインチャンネル用スピーカ出力端子に、スピーカユニット20Sはアンプのサランドチャンネル用スピーカ出力端子に、トランスデューサー20Bはアンプのサブウーファー出力端子にそれぞれ接続される。
【0070】
そして、シート右側のスピーカユニット20Mにはメインの右チャンネルの信号が、シート右側のスピーカユニット20Sにはサラウンドの右チャンネルの信号が、シート左側のスピーカユニット20Mにはメインの左チェンネルの信号が、シート左側のスピーカユニット20Sにはサラウンドの左チェンネルの信号が、左右のスピーカユニット20Cにはセンターチャンネルの信号(モノラル信号)、トランスデューサー20Bには低域の信号(モノラル信号)がそれぞれ入力される。
【0071】
なお、5.1チャンネルサラウンドアンプには、音響信号の発生装置が接続される。
【0072】
音響信号の発生装置としては、DVDプレーヤー(レコーダー)等を上げることができるが、その他、TVチューナー、ビデオテープレコーダー、CDプレーヤー、MDプレーヤー、テープレコーダー、MP3プレーヤー、コンピュータ等、音響信号を出力するものであれば何でも良い。
(作用)
シートクッション12に着座した乗員22は、両耳の真横に配置されたスピーカユニット20C,20M,20Sから耳24に向かって直進する平面波(図2の矢印を参照)の音を両耳で聞くことができ、トランスデューサー20Bから放射される低音を体で感じることができ、かつまた、同時的に周囲から伝搬してくる環境音をも同時的に両耳で聴くことができる。
【0073】
従って、乗員22は、所望の音楽等を聴きながら、かつ環境音(他の人からの呼びかけ等)も同時に聴くことができる。
【0074】
特に、スピーカユニット20C,20M,20Sは、乗員22の耳24に近い位置に配設されており、かつ直進性に優れた平面波を耳24に向けて出力するので(図2の矢印参照)、音量を上げなくてもスピーカユニット20C,20M,20Sからの音を明瞭に聞き取ることができる。
【0075】
さらに、乗員22の耳24以外の方向への音量は極端に低下する(平面波の高指向性故)ため、隣の人の迷惑になることも無い。
【0076】
また、トランスデューサー20Bからは周波数の低い音が放射されるが、乗員22の背中がシートバック16に密着状態にある場合には、外部に漏れる音は少なく、また、音の周波数が低いため、シートから離れた場所では中高音に比較して聞き取り難い。
【0077】
なお、乗員22の後頭部をヘッドレスト16につけたとき、スピーカユニット20Mの位置は耳の外耳口の側方乃至やや前方に位置することが好ましい。
【0078】
本実施形態のスピーカユニット20C,20M,20Sは、平面状のダイヤフラム54を備えているので、コーンスピーカユニット等の他の構造のスピーカユニットよりも薄く形成でき、比較的厚みの薄いスピーカ保持部材18にも容易に埋設することができる。
【0079】
なお、スピーカユニット20C,20M,20Sは、シートバック14の上端付近に配置しても良く、シートバック14にアーム等を取り付け、そのアームにスピーカユニット20C,20M,20Sを取り付けても良い。
【0080】
なお、本発明においては、本発明の目的に沿うもので、本発明の効果を特に害さない限りにおいては、本発明の改変あるいは部分的な変更及び付加は任意であって、いずれも本発明の範囲である。
【0081】
スピーカユニット20C,20M,20Sは、平面波(音波の進行する波面が平行面)の特性である、音圧維持性、遠方への伝達性、直進性及び高指向性等を利用して、図1、図2に示す以外の場所に配設して本発明の効果を享受することも可能である。
【0082】
なお、5.1チャンネルサラウンドアンプには、各チャンネル毎に、音響信号のディレイ回路、イコライザー回路等が含まれており、平面スピーカの特性に合わせて音響信号を加工(遅延時間、周波数特性等)することも出来る。
【0083】
なお、本実施形態では、スピーカユニット20C,20M,20S、及びトランスデューサー20Bを5.1チャンネルサラウンドアンプに接続した例を示したが、接続するアンプの種類は5.1チャンネルサラウンドアンプに限らない。
【0084】
また、上記実施形態では、5.1チャンネルサラウンドサウンドを再生するために、スピーカユニット20C,20M,20S、及びトランスデューサー20Bを設けたが、例えば、4チャンネル再生のみで良い場合には、スピーカとしてはスピーカユニット20M,20Sのみで良く(必要に応じてトランスデュサー20Bを追加しても良い)、2チャンネル再生のみで良い場合にはスピーカユニット20Mのみでも良い(必要に応じてトランスデュサー20Bを追加しても良い)。
【0085】
なお、スピーカユニット20Mのみを用いる場合には、スピーカユニット20Mを擬似5.1チャンネルサラウンドシステム(バーチャルサラウンドシステムと呼ぶこともある。)に対応したアンプ(2つのスピーカのみでも、あたかも5.1チャンネルの立体音場の中にいるようなサラウンドを体験可能とするサラウンドプロセッサーを内蔵するアンプ。)に接続しても良い。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のスピーカ付きシートによれば、電気音響機器からの音を自然的、かつ明瞭に聴取可能であって、環境雑音をも共に明瞭に聴取可能な音場を得ることが出来る、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】スピーカ付きのシートを示す斜視図である。
【図2】スピーカ付きシートのヘッドレスト付近を示す上面図である。
【図3】スピーカユニットの分解斜視図である。
【図4】スピーカユニットの断面図である。
【符号の説明】
10 スピーカ付きシート
12 シートクッション
14 シートバック
16 ヘッドレスト
20C スピーカユニット
20M スピーカユニット
20S スピーカユニット
20B トランスデューサー
22 乗員
24 耳
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートに着座した者が、オーディオ機器等からの音と環境雑音(周囲雑音)等とを自然的に共に聴取可能な音場を作り出すスピーカ付きシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、航空機では、シートに着座した乗員は、機内で提供される音楽等を一般的にヘッドフォンで聞いている(例えば、特許文献1参照。)
【0003】
【特許文献1】
特開平08−102741号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ヘッドフォンで音楽等を聞いている場合、他の人から声をかけられた場合、気が付き難い問題がある。
【0005】
また、ヘッドフォンは、圧迫感があり、また、ヘアースタイルを乱す場合もある。
【0006】
また、近年では、5.1チャンネルサラウンド音場を得ることの出来るスピーカシステムが市場に出回っているが、シートに着座した人のみが聴取可能なものは開発されていなかった。
【0007】
本発明は上記事実を考慮し、電気音響機器からの音を自然的(すなわち、ヘッドホン若しくはイヤホンによることなく)かつ明瞭に聴取可能であって、環境雑音をも共に明瞭に聴取可能な音場をシートに着座した人の耳周辺に作り出すことのできるスピーカ付きシートを提供することが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のスピーカ付きシートは、シートクッション、及びシートバックを備えたシート本体と、複数のスピーカと、を備え、多チャンネルのサラウンドサウンドを再生可能なスピーカ付きシートであって、少なくとも、メインの左右2チャンネルの音を再生する左右一対のメインチャンネル用スピーカと、センターチャンネルの音を再生する左右一対のセンターチャンネル用スピーカと、左右のサラウンドチャンネルの音を再生する左右一対のサラウンド用スピーカと、低音用のチャンネルの音または振動を再生する低音用スピーカと、を有し、少なくとも 前記メインチャンネル用スピーカ、前記センターチャンネル用スピーカ、及び前記サラウンド用スピーカは、前記シートクッションに着座した人間の頭部の側方に配置され、前記人間の耳に向けて平面波を放射させる、ことを特徴としている。
【0009】
次に、請求項1に記載のスピーカ付きシートの作用を説明する。
【0010】
請求項1に記載のスピーカ付きシートでは、各スピーカを例えば、5.1チャンネルサラウンドアンプ等の音響信号発生装置に接続し、音響信号発生装置から出力される音響信号を各々のスピーカに入力させると、人間の頭部の側方に配置されたメインチャンネル用スピーカからの音、センターチャンネル用スピーカからの音、サラウンド用スピーカからの音が人間の耳に到達する。
【0011】
平面波(音波の進行する波面が平行面)の特性としては、音圧維持性、遠方への伝達性、直進性及び高指向性等がある(たとえば、通常の振動板が円錐凹部状とされたコーンスピーカ対比)。
【0012】
このため、メインチャンネル用スピーカ、センターチャンネル用スピーカ、及びサラウンド用スピーカから出力される音の音量自体が比較的小さくても、離れた場所で十分な音量が得られる特徴がある。
【0013】
また、ヘッドフォンと異なり、耳と各スピーカ(メインチャンネル用スピーカ、センターチャンネル用スピーカ、サラウンド用スピーカ)との間に空間を設けることができるので、周囲の環境音を同時に聞くことが出来る。
【0014】
しかも、平面波を放射するメインチャンネル用スピーカ、センターチャンネル用スピーカ、及びサラウンド用スピーカにおいては、シートクッションに着座している人の耳以外の方向への音量は極端に低下する(平面波の高指向性故)ため、これら各スピーカからの音は周囲の人にも殆ど聞こえない。
【0015】
請求項2に記載の発明は、シートクッション、及びシートバックを備えたシート本体と、複数のスピーカと、を備え、多チャンネルのサウンドを再生可能なスピーカ付きシートであって、メインの左右2チャンネルの音を再生する左右一対のメインチャンネル用スピーカと、左右のサラウンドチャンネルの音を再生する左右一対のサラウンド用スピーカを有し、前記メインチャンネル用スピーカ、及び前記サラウンド用スピーカは、前記シートクッションに着座した人間の頭部の側方に配置され、前記人間の耳に向けて平面波を放射させる、ことを特徴としている。
【0016】
次に、請求項2に記載のスピーカ付きシートの作用を説明する。
【0017】
請求項2に記載のスピーカ付きシートでは、各スピーカを例えば、4チャンネルアンプ等の音響信号発生装置に接続し、音響信号発生装置から出力される音響信号を各々のスピーカに入力させると、人間の頭部の側方に配置されたメインチャンネル用スピーカからの音、及びサラウンド用スピーカからの音が人間の耳に到達する。
【0018】
平面波(音波の進行する波面が平行面)の特性としては、音圧維持性、遠方への伝達性、直進性及び高指向性等がある(たとえば、通常の振動板が円錐凹部状とされたコーンスピーカ対比)。
【0019】
このため、メインチャンネル用スピーカ、及びサラウンド用スピーカから出力される音の音量自体が比較的小さくても、離れた場所で十分な音量が得られる特徴がある。
【0020】
また、ヘッドフォンと異なり、耳と各スピーカ(メインチャンネル用スピーカ、サラウンド用スピーカ)との間に空間を設けることができるので、周囲の環境音を同時に聞くことが出来る。
【0021】
しかも、平面波を放射するメインチャンネル用スピーカ、及びサラウンド用スピーカにおいては、シートクッションに着座している人の耳以外の方向への音量は極端に低下する(平面波の高指向性故)ため、これら各スピーカからの音は周囲の人にも殆ど聞こえない。
【0022】
請求項3に記載の発明は、シートクッション、及びシートバックを備えたシート本体と、複数のスピーカと、を備え、多チャンネルのサウンドを再生可能なスピーカ付きシートであって、左右2チャンネルの音を再生する左右一対のスピーカを有し、前記スピーカは、前記シートクッションに着座した人間の頭部の側方に配置され、前記人間の耳に向けて平面波を放射させる、ことを特徴としている。
【0023】
次に、請求項3に記載のスピーカ付きシートの作用を説明する。
【0024】
請求項3に記載のスピーカ付きシートでは、各スピーカを例えば、2チャンネルアンプ等の音響信号発生装置に接続し、音響信号発生装置から出力される音響信号を各々のスピーカに入力させると、人間の頭部の側方に配置されたスピーカからの音が人間の耳に到達する。
【0025】
平面波(音波の進行する波面が平行面)の特性としては、音圧維持性、遠方への伝達性、直進性及び高指向性等がある(たとえば、通常の振動板が円錐凹部状とされたコーンスピーカ対比)。
【0026】
このため、スピーカから出力される音の音量自体が比較的小さくても、離れた場所で十分な音量が得られる特徴がある。
【0027】
また、ヘッドフォンと異なり、耳と各スピーカとの間に空間を設けることができるので、周囲の環境音を同時に聞くことが出来る。
【0028】
しかも、平面波を放射するスピーカにおいては、シートクッションに着座している人の耳以外の方向への音量は極端に低下する(平面波の高指向性故)ため、これら各スピーカからの音は周囲の人にも殆ど聞こえない。
【0029】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のスピーカ付きシートにおいて、前記シートバックにヘッドレストを設け、前記各スピーカを、それぞれ前記ヘッドレストの左右に取り付けた、ことを特徴としている。
【0030】
次に、請求項4に記載のスピーカ付きシートの作用を説明する。
【0031】
請求項4に記載のスピーカ付きシートでは、ヘッドレストに各スピーカを取り付けるので、これらのスピーカを耳の近傍に簡単に配置することができる。
【0032】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のスピーカ付きシートにおいて、前記各スピーカが、平面状のダイヤフラムを有する平面スピーカである、ことを特徴としている。
【0033】
次に、請求項5に記載のスピーカ付きシートの作用を説明する。
【0034】
請求項5に記載のスピーカ付きシートでは、スピーカが平面状のダイヤフラムを有する平面スピーカであるので、ダイヤフラムが振動することにより平面波が放射される。
【0035】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のスピーカ付きシートにおいて、周波数の低い音及び振動の少なくとも一方を発生すトランスデューサーを、前記シートバック、及び前記シートクッションの少なくとも一方に設けた、ことを特徴としている。
【0036】
次に、請求項6に記載のスピーカ付きシートの作用を説明する。
【0037】
請求項6に記載のスピーカ付きシートでは、トランスデューサーに周波数の低い電気信号が入力すると、トランスデューサーから周波数の低い音及び振動の少なくとも一方が発生し、シートに着座した聴取者が周波数の低い音及び振動の少なくとも一方を体感することが出来る。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明によるスピーカ付きシート10の一実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。
【0039】
図1に示すように、スピーカ付きシート10は、シートクッション12とシートバック14を備えており、シートバック14には、上下に移動可能なヘッドレスト16が設けられている。
【0040】
図1に示すスピーカ付きシート10は、例えば、航空機や自動車等に用いられるシートであるが、その他、事務椅子、家庭用のソファー、座椅子等であっても良く、その形態及び呼び方はこれに限らない。
【0041】
ヘッドレスト16の左右両側には、それぞれスピーカ保持部材18が取り付けられている。
【0042】
スピーカ保持部材18の表面は、シートバック14と略同じ生地で覆われている。
【0043】
スピーカ保持部材18の内面側の内部には、平面波を放射するスピーカユニット20C,20M,20Sが夫々1個づつ埋め込まれている。
【0044】
スピーカユニット20Mは、5.1チャンネルの内、メインチャンネルの再生用となっている。
【0045】
スピーカユニット20Cは、スピーカユニット20Mのシート前側に配置され、5.1チャンネルの内、センターチャンネルの再生用となっている。
【0046】
スピーカユニット20Sは、スピーカユニット20Mのシート後側に配置されており、5.1チャンネルの内、サラウンドチャンネルの再生用となっている。
【0047】
なお、スピーカ保持部材18は、ユニバーサルジョイント等を介してヘッドレスト16に取り付けても良い。これにより、スピーカ保持部材18の向きを変えることが出来る。
(スピーカの構造)
次に、本実施形態のスピーカユニット20Cを図3、及び図4に基づいて説明する。なお、スピーカユニット20S、及びスピーカユニット20Mは、スピーカユニット20Cよりもサイズが大きいだけであり、以下に述べる基本構造は同一である。
【0048】
図3はスピーカユニット20Cの分解斜視図、図4はスピーカユニット20Cの断面図である。
【0049】
スピーカユニット20Cは、例えば、PCT/JP00/03755号等に記載されているマルチセルフラットスピーカと呼ばれるものを使用することができ、大きさは各種あるが、それらすべてが使用の対象となる。
【0050】
図3及び図4に示すように、本実施形態で用いたスピーカユニット20Cは、磁性体で形成された板状部材からなるヨーク50を備えている。
【0051】
ヨーク50の磁石固定部50Aには、偏平でかつ4角形状に形成された4個の永久磁石52が、異なる極性の磁極面が交互に位置し、磁極面を図の上方に向けて接着により所定の隙間を設けて固定配置されている。
【0052】
ヨーク50の上面側には、永久磁石52の磁極面、従ってヨーク50の上面に対して平行になるように、ダイヤフラム54が磁極面に対して近接して配置されている。
【0053】
ヨーク50のダイヤフラム取付部50Bには、紙等で構成されたスペーサ56を介在させて、矩形枠状の枠体58の外周縁が固定されている。
【0054】
枠体58には、断面半円弧状の弾性部分であるエッジ60が、外周縁に沿って連続して形成されている。
【0055】
枠体58の内周縁側には、ダイヤフラム54の外周縁が接着されている。
【0056】
ダイヤフラム54には、永久磁石52の各々に対応させて、渦巻き状に形成されたコイル62が4個配置されている。
【0057】
各コイル62は、永久磁石52の外縁と略相似形になるように渦巻き状に巻回するように形成されている。
【0058】
各コイル62にはダイヤフラム54の膜面と略平行な方向を向いた磁束が鎖交するようになっている。
【0059】
コイル62に電流を流すと、ダイヤフラム54の膜面に垂直な方向の力を受け、ダイヤフラム54が膜面に垂直な方向に変位する。
【0060】
従って、発生させたい音響を表す電気信号をコイル62に通電することにより、ダイヤフラム54がこの電気信号に応じて振動する。
【0061】
なお、このスピーカユニット20Cは、ダイヤフラム54の各コイル62部分より同位相で平面波が放射され、ダイヤフラム54全体からは各平面波が合成された合成平面波が放射される。
【0062】
本実施形態では、シートクッション12に着座する乗員22が、ヘッドレスト16の高さを調整することで、スピーカユニット20C,20M,20Sを乗員22の耳24と対向させることが出来る。
【0063】
これにより、乗員22は、おおよそ真横から放射されて両耳若しくは両耳近傍に到達若しくは通過する平面波の聴取を可能にしている。
【0064】
また、本実施形態のスピーカ付きシート10では、シートバック14の内部にトランスデューサー20Bが埋め込まれている。
【0065】
トランスデューサー20Bは、例えば、50Hz以下の周波数の音(または振動)を放射可能としている。
【0066】
なお、本実施形態では、トランスデューサー20Bは、シートバック14の表皮側(乗員22の背中が接触する部分)に設けられて、乗員22の背中に向けて音を放射するようになっている。
【0067】
なお、トランスデューサー20Bは、シートクッション12に埋め込んでも良い。
【0068】
これら、スピーカユニット20C,20M,20S、及びトランスデューサー20Bは、図示しない配線を介して、例えば、図示しない5.1チャンネルサラウンドアンプに接続される。
【0069】
なお、スピーカユニット20Cはアンプのセンターチャンネル用スピーカ出力端子に、スピーカユニット20Mはアンプのメインチャンネル用スピーカ出力端子に、スピーカユニット20Sはアンプのサランドチャンネル用スピーカ出力端子に、トランスデューサー20Bはアンプのサブウーファー出力端子にそれぞれ接続される。
【0070】
そして、シート右側のスピーカユニット20Mにはメインの右チャンネルの信号が、シート右側のスピーカユニット20Sにはサラウンドの右チャンネルの信号が、シート左側のスピーカユニット20Mにはメインの左チェンネルの信号が、シート左側のスピーカユニット20Sにはサラウンドの左チェンネルの信号が、左右のスピーカユニット20Cにはセンターチャンネルの信号(モノラル信号)、トランスデューサー20Bには低域の信号(モノラル信号)がそれぞれ入力される。
【0071】
なお、5.1チャンネルサラウンドアンプには、音響信号の発生装置が接続される。
【0072】
音響信号の発生装置としては、DVDプレーヤー(レコーダー)等を上げることができるが、その他、TVチューナー、ビデオテープレコーダー、CDプレーヤー、MDプレーヤー、テープレコーダー、MP3プレーヤー、コンピュータ等、音響信号を出力するものであれば何でも良い。
(作用)
シートクッション12に着座した乗員22は、両耳の真横に配置されたスピーカユニット20C,20M,20Sから耳24に向かって直進する平面波(図2の矢印を参照)の音を両耳で聞くことができ、トランスデューサー20Bから放射される低音を体で感じることができ、かつまた、同時的に周囲から伝搬してくる環境音をも同時的に両耳で聴くことができる。
【0073】
従って、乗員22は、所望の音楽等を聴きながら、かつ環境音(他の人からの呼びかけ等)も同時に聴くことができる。
【0074】
特に、スピーカユニット20C,20M,20Sは、乗員22の耳24に近い位置に配設されており、かつ直進性に優れた平面波を耳24に向けて出力するので(図2の矢印参照)、音量を上げなくてもスピーカユニット20C,20M,20Sからの音を明瞭に聞き取ることができる。
【0075】
さらに、乗員22の耳24以外の方向への音量は極端に低下する(平面波の高指向性故)ため、隣の人の迷惑になることも無い。
【0076】
また、トランスデューサー20Bからは周波数の低い音が放射されるが、乗員22の背中がシートバック16に密着状態にある場合には、外部に漏れる音は少なく、また、音の周波数が低いため、シートから離れた場所では中高音に比較して聞き取り難い。
【0077】
なお、乗員22の後頭部をヘッドレスト16につけたとき、スピーカユニット20Mの位置は耳の外耳口の側方乃至やや前方に位置することが好ましい。
【0078】
本実施形態のスピーカユニット20C,20M,20Sは、平面状のダイヤフラム54を備えているので、コーンスピーカユニット等の他の構造のスピーカユニットよりも薄く形成でき、比較的厚みの薄いスピーカ保持部材18にも容易に埋設することができる。
【0079】
なお、スピーカユニット20C,20M,20Sは、シートバック14の上端付近に配置しても良く、シートバック14にアーム等を取り付け、そのアームにスピーカユニット20C,20M,20Sを取り付けても良い。
【0080】
なお、本発明においては、本発明の目的に沿うもので、本発明の効果を特に害さない限りにおいては、本発明の改変あるいは部分的な変更及び付加は任意であって、いずれも本発明の範囲である。
【0081】
スピーカユニット20C,20M,20Sは、平面波(音波の進行する波面が平行面)の特性である、音圧維持性、遠方への伝達性、直進性及び高指向性等を利用して、図1、図2に示す以外の場所に配設して本発明の効果を享受することも可能である。
【0082】
なお、5.1チャンネルサラウンドアンプには、各チャンネル毎に、音響信号のディレイ回路、イコライザー回路等が含まれており、平面スピーカの特性に合わせて音響信号を加工(遅延時間、周波数特性等)することも出来る。
【0083】
なお、本実施形態では、スピーカユニット20C,20M,20S、及びトランスデューサー20Bを5.1チャンネルサラウンドアンプに接続した例を示したが、接続するアンプの種類は5.1チャンネルサラウンドアンプに限らない。
【0084】
また、上記実施形態では、5.1チャンネルサラウンドサウンドを再生するために、スピーカユニット20C,20M,20S、及びトランスデューサー20Bを設けたが、例えば、4チャンネル再生のみで良い場合には、スピーカとしてはスピーカユニット20M,20Sのみで良く(必要に応じてトランスデュサー20Bを追加しても良い)、2チャンネル再生のみで良い場合にはスピーカユニット20Mのみでも良い(必要に応じてトランスデュサー20Bを追加しても良い)。
【0085】
なお、スピーカユニット20Mのみを用いる場合には、スピーカユニット20Mを擬似5.1チャンネルサラウンドシステム(バーチャルサラウンドシステムと呼ぶこともある。)に対応したアンプ(2つのスピーカのみでも、あたかも5.1チャンネルの立体音場の中にいるようなサラウンドを体験可能とするサラウンドプロセッサーを内蔵するアンプ。)に接続しても良い。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のスピーカ付きシートによれば、電気音響機器からの音を自然的、かつ明瞭に聴取可能であって、環境雑音をも共に明瞭に聴取可能な音場を得ることが出来る、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】スピーカ付きのシートを示す斜視図である。
【図2】スピーカ付きシートのヘッドレスト付近を示す上面図である。
【図3】スピーカユニットの分解斜視図である。
【図4】スピーカユニットの断面図である。
【符号の説明】
10 スピーカ付きシート
12 シートクッション
14 シートバック
16 ヘッドレスト
20C スピーカユニット
20M スピーカユニット
20S スピーカユニット
20B トランスデューサー
22 乗員
24 耳
Claims (6)
- シートクッション、及びシートバックを備えたシート本体と、
複数のスピーカと、を備え、多チャンネルのサラウンドサウンドを再生可能なスピーカ付きシートであって、
少なくとも、メインの左右2チャンネルの音を再生する左右一対のメインチャンネル用スピーカと、センターチャンネルの音を再生する左右一対のセンターチャンネル用スピーカと、左右のサラウンドチャンネルの音を再生する左右一対のサラウンド用スピーカを有し、
前記メインチャンネル用スピーカ、前記センターチャンネル用スピーカ、及び前記サラウンド用スピーカは、前記シートクッションに着座した人間の頭部の側方に配置され、前記人間の耳に向けて平面波を放射させる、ことを特徴とするスピーカ付きシート。 - シートクッション、及びシートバックを備えたシート本体と、
複数のスピーカと、を備え、多チャンネルのサウンドを再生可能なスピーカ付きシートであって、
メインの左右2チャンネルの音を再生する左右一対のメインチャンネル用スピーカと、左右のサラウンドチャンネルの音を再生する左右一対のサラウンド用スピーカを有し、
前記メインチャンネル用スピーカ、及び前記サラウンド用スピーカは、前記シートクッションに着座した人間の頭部の側方に配置され、前記人間の耳に向けて平面波を放射させる、ことを特徴とするスピーカ付きシート。 - シートクッション、及びシートバックを備えたシート本体と、
複数のスピーカと、を備え、多チャンネルのサウンドを再生可能なスピーカ付きシートであって、
左右2チャンネルの音を再生する左右一対のスピーカを有し、
前記スピーカは、前記シートクッションに着座した人間の頭部の側方に配置され、前記人間の耳に向けて平面波を放射させる、ことを特徴とするスピーカ付きシート。 - 前記シートバックにヘッドレストを設け、
前記各スピーカを、それぞれ前記ヘッドレストの左右に取り付けた、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のスピーカ付きシート。 - 前記各スピーカが、平面状のダイヤフラムを有する平面スピーカである、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のスピーカ付きシート。
- 周波数の低い音及び振動の少なくとも一方を発生すトランスデューサーを、前記シートバック、及び前記シートクッションの少なくとも一方に設けた、ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のスピーカ付きシート。
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